JPH0724133B2 - 回転磁気ヘツドドラム装置 - Google Patents

回転磁気ヘツドドラム装置

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JPH0724133B2
JPH0724133B2 JP61004139A JP413986A JPH0724133B2 JP H0724133 B2 JPH0724133 B2 JP H0724133B2 JP 61004139 A JP61004139 A JP 61004139A JP 413986 A JP413986 A JP 413986A JP H0724133 B2 JPH0724133 B2 JP H0724133B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、回転磁気ヘツドドラム装置に係り、特に、例
えばVTRなど磁気記録再生装置における磁気テープと磁
気ヘツドとの安定な接触を確保するに好適な回転磁気ヘ
ツドドラム装置に関するものである。
〔発明の背景〕
VTR(ビデオテープレコーダ)など磁気記録再生装置に
おいては、磁気テープと磁気ヘツドとを適正な接触圧力
のもとで安定走行させる必要がある。
従来の磁気記録再生装置の回転磁気ヘツドドラム装置
は、例えば特開昭59−8159号公報に記載されているよう
に、走行する磁気テープに空気圧力による浮上力を発生
させる手段が採用されている。
当該公報によれば、下固定ドラムと上回転ドラムとを同
一軸心上に配置した回転ヘツドアセンブリにおいて、上
回転ドラムと下固定ドラムとの相対する端面のいずれか
一方の面にポンプアウト形のスパイラルグルーブを設
け、かつ、上回転ドラムの外周面上に、この上回転ドラ
ムの上端から下端まで溝部が連続したスパイラルグルー
ブを設けて、安定円滑なテープ走行を実現し、テープ鳴
き現像やテープの磨耗損傷を防止した技術が開示されて
いるが、ドラム周りのテープ浮上量を一定に保つという
点について十分配慮されていなかつた。
〔発明の目的〕
本発明は、前述の従来技術の実状に鑑みてなされたもの
で、回転ドラムに巻装される磁気テープのドラム回りに
おける浮上量を一定とし、特に磁気テープ巻装出口にお
ける磁気テープと磁気ヘツドとの接触状態を安定に確保
しうる回転磁気ヘツドドラム装置の提供を、その目的と
している。
〔発明の構成〕
本発明に係る回転磁気ヘツドドラム装置の構成は、磁気
テープを巻装して案内するリード部を有する下固定ドラ
ムと、磁気テープと接触して記録再生を行うべき磁気ヘ
ッドを具備した中回転ドラムと、上固定ドラムとを同一
軸心上に積み重ねてドラムを構成する回転磁気ヘッドド
ラム装置において、前記上固定ドラムが前記中回転ドラ
ムと相対向する当該上固定ドラムの外周部下端面に、磁
気テープがドラムに巻装されるその巻付き角度範囲内
で、ドラムの磁気テープを巻装出口へ向うにつれて溝深
さが浅くなるように溝形状を異ならせた複数の凹溝を形
成するとともに、前記上固定ドラムは、前記複数の凹溝
の形成された範囲に対応する位置の当該上固定ドラムの
上面に空気吸入開口を設けたものである。
なお、付記すると、本発明は、中回転式の回転磁気ヘツ
ドドラム装置において、上固定ドラムと中回転ドラムの
相対する端面の上固定ドラム側に、ドラムのテープ巻装
出口に向うほど、動圧溝を順次浅くなるように形成し、
この動圧溝から強制的に排出される空気により磁気テー
プを巻付き角度範囲内で一定に浮上させるようにしたも
のである。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図ないし第15図を参照し
て説明する。
まず、第3図を参照して磁気記録再生装置の一般的な構
成を説明する。
ここに第3図は、一般的な磁気記録再生装置の略示平面
図である。
第3図において、1は、複数個の磁気ヘツドを具備した
回転ドラム部、2は磁気テープ、3は供給リール、4は
巻取りリール、5はカセツトであり、第3図に示すもの
は、カセツト5に巻回された磁気テープ2が、所定走行
路に引出され回転ドラム部1に巻装された状態を示して
いる。
6は固定ガイド、7はテープテンシヨンピン(テンシヨ
ン制御部材は図示しない)、8は消去ヘツド、9はイン
ピーダンスローラ、10−1は入側ガイドローラ、11−1
は入側傾斜位置決めピン、11−2は出側傾斜位置決めピ
ン、10−2は出側ガイドローラ、12はオーデイオコント
ロールヘツド、13はキヤプスタン、14はピンチローラで
ある。
供給リール3に巻装された磁気テープ2は、固定ガイド
6,消去ヘツド8,入側ガイドローラ10−1,入側傾斜位置決
めピン11−1等と接触摺動しながら回転ドラム部1で半
周以上巻き付き、出側傾斜位置決めピン11−2,出側ガイ
ドローラ10−2等を経て、キヤプスタン13およびピンチ
ローラ14により矢印B方向に駆動された巻取りリール4
に巻き取られる。
回転ドラム部1の回転部は、矢印A方向に各システムに
おける所定の回転数30r.p.s〜120r.p.sの速さで回転
し、具備された複数個の磁気ヘツドと磁気テープ2との
接触により記録再生が行われる。
次に、このような磁気記録再生装置に用いられる回転ド
ラム部すなわち回転磁気ヘツドドラム装置について説明
する。
第1図は、本発明の一実施例に係る中回転形の回転磁気
ヘツドドラム装置の縦断面図、第2図は、第1図の装置
における上固定ドラムと中回転ドラムとの分解斜視図、
第4図は、第2図の上固定ドラムに設けた溝部の拡大斜
視図、第5図は、その溝の形成方向を示す略示平面図、
第6図は、第4図のA1−A2−A3−A4面で切断したドラム
の部分拡大断面図、第7図は、溝部における空気の圧力
分布を示す説明図、第8図は、上固定ドラムと中回転ド
ラムとの隙間δと空気の排出力P2との関係を溝深さhに
ついて示した線図である。
第1図において、20は、下固定ドラムで、この下固定ド
ラム20の外周には、ここには図示しないが周知のよう
に、磁気テープを巻き付けて案内する案内段すなわちリ
ード部が螺旋状に形成されている。この下固定ドラム20
の軸心に固定軸27が圧入されている。
21は回転デイスクで、この回転デイスク21は、軸受22に
支持されて、固定軸27を中心に回転可能に組込まれてい
る。
軸受22は、予圧金具28によりスラスト方向に予圧が付加
され、上下方向のがたが規制されている。
23は、前記回転デイスク21に複数個のねじ35で固定され
た中回転ドラムで、この中回転ドラム23には、磁気ヘツ
ドに係るヘツドチツプ15を先端に接着したヘツドベース
33がねじ34により固定されている。また、この中回転ド
ラム23には、ロータリトランスのロータ25を上面に接着
固定した保持板24が固定されている(固定手段は図示し
ない)。
19は、前記固定軸27に嵌着された上固定ドラムで、この
上固定ドラム19には、ロータリトランスのステータ26が
装着されている。
ロータリトランスは、ヘツドチツプ15に信号を伝達する
ためのもので、そのロータ25とステータ26との間に所定
の狭間隙を保持するように、予圧金具28の上端面にスペ
ーサ(図示せず)が挿入され調整されている。
中回転ドラム23を駆動するモータ部は、マグネツト保持
板29,マグネツト30,コイル31,ソフトフエライト32から
なる。マグネツト30はマグネスト保持板29に接着され、
そのマグネツト保持板29は回転デイスク21に固定されて
いる。
下固定ドラム20,中回転ドラム23,上固定ドラム19の各ド
ラムは同一軸心上に積み重ねられており、各ドラムはほ
ぼ同一直径の円筒部を有している。以下の説明で単にド
ラムというときは、これら各ドラムを総称したもので、
回転磁気ヘツドドラム装置のドラム部を意味する。
上固定ドラム19の外周部下端面は、ロータリトランスの
保持板24の上面と、数十ミクロンオーダーの極めて狭い
間隔δとなるような寸法構成となつている。
この上固定ドラム19が、中回転ドラム23と相対向する上
固定ドラム外周部下端面、具体的には保持板24と対向す
る上固定ドラム外周部の下端面に、第2図に示すよう
に、凹形状の凹溝18(18−0,18−1,…18−nの総称)
が、半径方向と所定の角度(後述)をなして複数個設け
られている。
そして、この複数の凹溝18が形成された範囲に対応する
位置の固定上ドラム19の上面に、空気吸入開口に係る空
気取入孔19aが穿設されている。
これら凹溝18と空気取入孔19aの設けられた位置は、第
3図に示す回転ドラム部1に破線で示すように、磁気テ
ープ2の巻装出口位置近傍である。
次に凹溝18の形状の詳細と作用について説明する。
中回転ドラム23と一定時間δ(具体的には保持板24が介
在するが、以下間隔δの説明では保持板24を含めて中回
転ドラム23と表現する)で対向している上固定ドラム19
の外周部の下端面には、ドラムの磁気テープ巻装出口
(以下単にドラム出口という)に向うにつれて溝深さが
順次浅くなるように複数の凹溝18(18−0,18−1,…18−
n)が形成されている。
第4図は模式図的に3個の凹溝18−0,18−1,18−2が形
成されている例を示す。太い白矢印で示す中回転ドラム
回転方向に従いドラム出口に向うにつれて、溝深さは
h0,h1,h2と順次浅くなつている。
この凹溝18の方向は、第5図に示すように、半径方向の
ORを基準として所定の角度θとなるように形成されてい
る。なお、第5,6図において、R1は上固定ドラム19の外
筒部の内径,R2は外径を示す。
第6図は、磁気テープ2がドラムに巻装されているとき
の凹溝18の作用を示したものである。
中回転ドラム23が、所定の回転数で回転すると、中回転
ドラム23の表面の摩擦力により空気が空気取入孔19aか
ら矢印(イ)方向に引き込まれる。このことは、煙によ
る流れ追跡法などで容易に確認できる。
ドラム内に引き込まれた空気は、上固定ドラム19に設け
た凹溝18と中回転ドラム23との相対運動により圧力勾配
を生じ、ドラム出口に向うにつれて圧力がP0からP2へと
高くなる。この結果、ドラムに巻装されている磁気テー
プ2を排出圧力P2で押圧することになる。
また、上固定ドラム19に設けた空気取入孔19aから引き
込まれた空気は、凹溝を設けていない箇所では、磁気テ
ープ2により密閉されており、ドラム外に流出しないし
たがつて、この凹溝18を設けた位置で強制的に空気が排
出される。
次に、何故にこのような圧力勾配を生じるかということ
と、凹溝の深さhを順次浅くする理由を第7図および第
8図を参照して説明する。
ドラム内の空気は、所定の角度θ(第5図参照)だけ傾
いた凹溝18によりドラム外に排出されるが、第7図に示
すC面により絞られて圧力が増加する。この絞られると
いう状態は、レイノルズの潤滑理論により実証されてお
り、相対運動を行う二面間の隙間が狭くなると圧力分布
が大となる。
第8図は、上記の理論を用いて数値計算を行つた結果を
示したものであり、横軸に上固定ドラムと中回転ドラム
との隙間δ(μm)、縦軸に空気の排出圧力P2をとり、
溝深さhをパラメータとして図示したものである。
第8図によれば、上固定ドラムと中回転ドラムとの隙間
δがδより狭い領域では、溝深さhが狭いほど排出圧
力P2が高いことがわかる。
よつて、ドラム出口に向うにつれて溝を浅くし空気の排
出圧力を高くするものであるる。
この現象は、隙間δが狭いほど顕著であるが、上固定ド
ラム19,中回転ドラム23の加工精度および組立精度の点
から一概に狭くできず、約40〜50μmのオーダーであ
る。
次に、本実施例の効果について第9図ないし第15図を参
照して説明する。はじめに、磁気記録再生装置のヘツド
出力に関する現状の問題点を説明し、その後に本実施例
による効果について説明する。
第9図は、従来の上回転形の回転磁気ヘッドドラム装置
を示し、(a)は磁気テープを巻装したドラム部の斜視
図、(b)はヘツドチツプの部分拡大斜視図、第10図
は、ヘツドチツプ先端形状とヘツド出力との関係を示す
線図で、(a)は10μm厚テープの線図、(b)は20μ
m厚テープの線図、第11図は、ヘツドチツプ先端形状と
ヘツド出力状態を示す説明図、第12図は、第9図のドラ
ム部の空気流出経路を示す斜視図、第13図は、ドラム表
面からの磁気テープの浮上量の線図、第14図は、第13図
の線図の各点に対応する、ヘツドチツプと磁気テープと
の接触状態を示す説明図、第15図は、本実施例によるヘ
ツドチツプ先端形状とヘッド出力との関係を示す線図で
ある。
第9図(a)に示す従来の上回転形の回転磁気ヘツドド
ラム装置のドラム1′は、上回転ドラム1′aと下固定
ドラム1′bとを同一軸心上に積み重ねてなるもので、
下固定ドラム1′bには、磁気テープ2を巻装して案内
する案内段すなわちリード部1′cが螺旋状に形成され
ている。
また、第9図(b)に示すヘツドチツプ15は、磁気テー
プとの摺動面15a、ヘツドギヤツプ部15b、ガラス部16、
巻線部17から構成されている。Ryは、ヘツドチツプ先端
形状を定めるヘツド幅方向曲率半径である。
第10図は、横軸にヘツド幅方向曲率半径Ry(mm)、縦軸
にヘツド出力(dB)をとり、ヘツドチツプ先端形状によ
るヘツド出力の変化を示している。実線は上回転形のド
ラム、破線は中回転形のドラムのヘツド出力を示す線で
ある。
第10図から明らかなように、ヘツド出力は、ヘツドチツ
プ15の磁気テープ2との摺動面15aのヘツド幅方向曲率
半径Ryに依存しており、磁気テープの厚さが、第10図
(b)に示す20μm厚から第10図(a)に示す10μm厚
となると依存度が大きいことがわかる。
また、ドラムの回転数が1800r.p.m.から7200r.p.m.とな
ると、ヘツド先端形状(Ry)によるヘツド出力の依存度
が大となつていることがわかる。
ここで、7200r.p.m.時に実線と点線で区別しているの
は、実線が第9図で示すような上回転形のドラム(上部
ドラムが全て回転する)におけるデータで、破線が、第
1図で説明してきた中回転形のドラムのデータである。
ここで、あえて中回転形のドラムと上回転形のドラムの
比較を行なつたのは、回転方式の違いによるヘツド出力
の有意差とヘツド出力を向上させるのに、中回転ドラム
を用いても図10中D領域のみの改善しか得られないこと
を説明し、本実施例による発明が、特にこのE領域にお
けるヘツド出力の向上を意図していることを強調するた
めである。
第10図のデータに対して、磁気テープ2とヘツドチツプ
15の現実の接触状態を考慮してヘツド出力の状態を第11
図を用いて説明する。
第11図は、第10図で示したD領域とE領域とに分けて、
ヘツドチツプおよび磁気テープの接触状態を示すP断面
図、磁気テープ2上に記録されるトラツクパターンの模
式図、およびオシロスコープによる実際のヘツド出力の
実測波形を対比してドラム回転数7200r.p.m.のときを示
したものである。ここで、P断面とは、第9図(a)に
おいて、ヘツドギヤツプ部15bを通り、ヘツドチツプの
長手方向に対して垂直となるような面で切断した面を指
す。
D領域では、ヘツドチツプ15の先端形状が鋭意(Ryが
小)ため、ヘツドギヤツプ幅が十分に磁気テープ2と接
触できないので、ヘツド出力は小さいことがわかる。
E領域では、ヘツドチツプ15の先端形状が丸い(Ryが
大)ため、ヘツドギヤツプ幅に対し中央部が記録されな
いトラツクパターンとなる。この現像はドラム出口に磁
気テープが向うほど顕著となることが確認されている。
第11図のP断面の図に示すように、ヘツドチツプ先端を
包み込むような磁気テープの変形を極力低減するために
は、ヘツドチツプ周りの磁気テープを浮上させればよ
い。
しかし、磁気テープはドラムに螺旋状に巻装されている
ため、第12図の白い矢印で示すように、空気は磁気テー
プの上縁から流出してしまう。
第13図は、横軸に磁気テープの巻装範囲、すなわちドラ
ム入口からドラム出口までの磁気テープ巻き付け位置を
とり、縦軸にドラム表面からの磁気データの浮上量(以
下単にテープ浮上量という)をとつて、従来技術と本発
明の一実施例との浮上量の各位置における状態を示して
いる。
第9図に示すような従来のドラムにおけるテープ浮上量
を実線,全周に動圧溝を設けた、例えば特開昭59−8159
号公報記載のドラムにおけるテーパ浮上量を破線、第1,
2図に示す本実施例のドラムにおけるテープ浮上量を一
点鎖線で示して対比する。
第13図において、従来のドラムにおけるドラム出口での
浮上量をF点、全周に動圧溝を設けた公知のドラムにお
けるドラム入口,ドラム出口での各浮上量をG,H点、本
実施例のドラムにおけるドラム出口での浮上量をI点と
する。
第14図は、第13図の前記F,G,H,I点に対応する、ヘツド
チツプと磁気テープとの接触状態およびトラツクパター
ンを示す説明図で、(a)はG点、(b)はF点、
(c)はH点、(d)はI点の状態を示したものであ
る。
第13図から明らかなように、従来のドラムにおいては、
ドラム出口に近づくにつれてテープ浮上量(F点参照)
は小さくなる。一方、全周に動圧溝を設けた公知のドラ
ムでは、ドラム入口からドラム出口まで一様にテープ浮
上量は増えるが、ドラム出口側でのテープ浮上量(H
点)の減少傾向は変らないばかりでなく、ドラム入口で
のテープ浮上量(G点)が増える。
これに対し、本実施例のドラムでは、ドラム出口に近づ
くほど排出空気圧力P2(第14図(d)参照)を増し、テ
ープ浮上量を一定(I点)に保つ効果がある。
以上説明したテープ浮上状態とヘツドチツプの接触状態
をF点,G点,H点,I点に限定して第14図を参照して説明す
る。
従来のドラムにおけるF点では、第14図(b)に示すよ
うに、磁気テープ2がヘツドチツプ15を包み込んでいる
ため未記録部すなわちスペーシングが生じている。
全周に動圧溝を設けたドラムにおけるH点では、第14図
(c)に示すように、F点にくらべて空気の排出圧力P2
により磁気テープ2の変形は緩和されるが、G点におい
て、第14図(a)に示すように空気膜が厚くなり、十分
にヘツドチツプと磁気テープとが接触せず、トラツク幅
の外寄りにスペーシングが生じる。これは、磁気テープ
端からの空気排出が少ないことにより空気膜が保持され
るためである。
本実施例のドラムにおけるI点では、第14図(d)に示
すように、磁気テープ上端からの空気の流出量が多くな
るドラム出口側に行くほど排出圧力P2が大となるように
複数の凹溝を形成しているのでテープ浮上量をほぼ一定
に保ち、磁気テープ2とヘツドチツプ15との良好な接触
状態が得られる。
その結果、本実施例によれば、第15図に示すように、ヘ
ツドチツプの幅方向曲率半径Ryの変化によるヘツド出力
の劣化が抑制できる。
第15図において一点鎖線は従来のデータ、実線は本実施
例による改善効果を示すデータである。
VTRなど磁気記録再生装置のヘツドチツプは、長時間使
用すると摩耗して、その結果、前記の曲率半径Ryを最適
値に設定しても大なる方に移行する。また、今後は、記
録再生の長時間化のために、ヘツド形状に大きく依存す
る薄手の磁気テープを使用せざるを得ない趨勢にある。
本実施例によれば、薄手の磁気テープのヘツド出力を安
定に確保することができるとともに、長時間使用による
ヘツドチツプ形状の経時変化に対しても余裕度を確保で
きるなどの効果がある。
なお、前述の実施例では、上固定ドラムの外周部下端部
に形成する複数の凹溝を、長方形状の溝の例で説明した
が、本発明はこれに限るものではなく螺旋形状の溝でも
同様の効果が得られる。
また、前述の実施例では、凹溝の溝の深さを変える例を
説明したが、磁気テープ巻装出口(ドラム出口)に向う
につれて空気の排出圧力を増加させる手段として、図示
して説明しないが、例えば溝の形状を矩形から台形、さ
らに滑らかな円弧状の溝に順に異ならせるようにしても
同様の効果が期待される。
さらに、磁気テープ巻装出口に向うにつれて空気の排出
圧力を増加させる手段として、凹溝の溝方向の角度θを
順次異ならせる手段、また、凹溝の配列ピツチを順次狭
くするなどの手段も有効である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、ドラムに巻装され
る磁気テープのドラム回りにおける浮上量を一定とし、
特に磁気テープ巻装出口における磁気テープと磁気ヘツ
ドとの接触状態を安定に確保しうる回転磁気ヘツドドラ
ム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る中回転形の回転磁気
ヘツドドラム装置の縦断面図、第2図は、第1図の装置
における上固定ドラムと中回転ドラムとの分解斜視図、
第3図は、一般的な磁気記録再生装置の略示平面図、第
4図は、第2図の上固定ドラムに設けた溝部の拡大斜視
図、第5図は、その溝の形成方向を示す略示平面図、第
6図は、第4図のA1−A2−A3−A4面で切断したドラムの
部分拡大断面図、第7図は、溝部における空気の圧力分
布を示す説明図、第8図は、上固定ドラムと中回転ドラ
ムとの隙間と空気の排出圧力との関係を溝深さについて
示した線図、第9図は、従来の上回転形の回転磁気ヘツ
ドドラム装置を示し、(a)は磁気テープを巻装したド
ラム部の斜視図、(b)はヘツドチツプの部分拡大斜視
図、第10図は、ヘツドチツプ先端形状とヘツド出力との
関係を示す線図で、(a)は10μm厚テープの線図、
(b)は20μm厚テープの線図、第11図は、ヘツドチツ
プ先端形状とヘツド出力状態を示す説明図、第12図は、
第9図のドラム部の空気流出経路を示す斜視図、第13図
は、ドラム表面からの磁気テープの浮上量の線図、第14
図は、第13図の線図の各点に対応する、ヘツドチツプと
磁気テープとの接触状態を示す説明図、第15図は、本実
施例によるヘツドチツプ先端形状とヘツド出力との関係
を示す線図である。 2……磁気テープ、15……ヘツドチツプ、18,18−0,18
−1,18−2,18−n……凹溝、19……上固定ドラム、19a
……空気取入孔、20……下固定ドラム、23……中回転ド
ラム、27……固定軸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープを巻装して案内するリード部を
    有する下固定ドラムと、磁気テープと接触して記録再生
    を行うべき磁気ヘッドを具備した中回転ドラムと、上固
    定ドラムとを同一軸心上に積み重ねてドラムを構成する
    回転磁気ヘッドドラム装置において、 前記上固定ドラムが前記中回転ドラムと相対向する当該
    上固定ドラムの外周部下端面に、磁気テープがドラムに
    巻装されるその巻付き角度範囲内で、ドラムの磁気テー
    プ巻装出口へ向うにつれて溝深さが浅くなるように溝形
    状を異ならせた複数の凹溝を形成するとともに、 前記上固定ドラムは、前記複数の凹溝の形成された範囲
    に対応する位置の当該上固定ドラムの上面に空気吸入開
    口を設けたことを特徴とする回転磁気ヘッド装置。
JP61004139A 1986-01-14 1986-01-14 回転磁気ヘツドドラム装置 Expired - Lifetime JPH0724133B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61004139A JPH0724133B2 (ja) 1986-01-14 1986-01-14 回転磁気ヘツドドラム装置

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JP61004139A JPH0724133B2 (ja) 1986-01-14 1986-01-14 回転磁気ヘツドドラム装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62164257A JPS62164257A (ja) 1987-07-20
JPH0724133B2 true JPH0724133B2 (ja) 1995-03-15

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JP61004139A Expired - Lifetime JPH0724133B2 (ja) 1986-01-14 1986-01-14 回転磁気ヘツドドラム装置

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JP (1) JPH0724133B2 (ja)

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JPS5977664A (ja) * 1982-10-26 1984-05-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回転ヘツドアセンブリ
JPS5977663A (ja) * 1982-10-26 1984-05-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回転ヘツドアセンブリ

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JPS62164257A (ja) 1987-07-20

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