JP2641658B2 - 回転ヘッドアセンブリ - Google Patents

回転ヘッドアセンブリ

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JP2641658B2
JP2641658B2 JP3217245A JP21724591A JP2641658B2 JP 2641658 B2 JP2641658 B2 JP 2641658B2 JP 3217245 A JP3217245 A JP 3217245A JP 21724591 A JP21724591 A JP 21724591A JP 2641658 B2 JP2641658 B2 JP 2641658B2
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信行 臼井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープ上に回転ヘ
ッドを用いて信号を記録・再生するビデオテープレコー
ダ(以下、VTRと称する)等の回転ヘッド型磁気記録
再生装置に供される回転ヘッドアセンブリに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】VTRの回転ヘッドアセンブリは、図2
に示すように、画像信号の記録・再生を行う磁気ヘッド
53を保持し、高速(VHS方式のVTRでは1800
rpm)で回転する回転ドラム51と、回転ドラム51
を回転可能に支持する固定ドラム52とを備えている。
【0003】磁気テープ54は、VHS方式のVTRで
は約180゜回転ヘッドアセンブリにヘリカルに巻付け
られ、固定ドラム52の外周部に設けられたリードと称
する段差部55により幅方向の走行位置の規制を受けな
がら一定速度で低速走行する。そして、回転ヘッドアセ
ンブリ上を走行する磁気テープ54は、その幅方向の上
側が高速で回転する回転ドラム51と対向する一方、そ
の幅方向の下側が固定ドラム52と対向する状態にな
る。しかも、磁気テープ54は、上述したようにヘリカ
ルに回転ヘッドアセンブリに巻付けられるので、回転ヘ
ッドアセンブリへの巻付け位置(磁気テープ54の長さ
方向)により、上記幅方向の対向面の割合(回転ドラム
51に対向する面と固定ドラム52に対向する面との
比)が変化するという極めて複雑な状態となっている。
【0004】第3図は、従来より用いられている回転ヘ
ッドアセンブリの断面図であり、同図中には磁気テープ
54の挙動を模式的に表している。以下、同図を用いて
回転ヘッドアセンブリ上の磁気テープ54の複雑な挙動
を説明する。
【0005】上述したように回転ドラム51は高速で回
転しているため、磁気テープ54が回転ヘッドアセンブ
リへ入射する入口部領域から空気が巻き込まれ、磁気テ
ープ54と回転ドラム51の外周面51aとの間にエア
フィルムが形成される。このため、磁気テープ54は、
その上側部54aと対向する回転ドラム51上では、回
転ドラム51の外周面51aより微少量浮上する。
【0006】一方、磁気テープ54の下側部54bと、
固定ドラム52の外周面との相対速度は、磁気テープ5
4と回転ドラム51との相対速度と比較して著しく小さ
い。
【0007】このため、上記磁気テープ54と回転ドラ
ム51の外周面51aとの間に生じるようなエアフィル
ムは発生せず、磁気テープ54は固定ドラム52の外周
面に接触した状態で摩擦抵抗を受けつつ摺動することに
なる。
【0008】即ち、これまでの説明により、磁気テープ
54はその幅方向の位置によって受ける力学的状況が異
なっていることがわかる。さらに、上述の通り磁気テー
プ54はヘリカルに回転ヘッドアセンブリに巻付けられ
るので、回転ヘッドアセンブリ上を走行する間、磁気テ
ープ54の長手方向に関してもその力学的状況は変化す
る。
【0009】以上述べてきたように、磁気テープ54は
回転ヘッドアセンブリ上において非常に多様な力学的影
響を受けるため、極めて複雑な挙動を示すこととなり、
このことが以下に示すような問題点を引き起こす要因に
なっている。
【0010】磁気テープ54の回転ヘッドアセンブリ
への付着現象。
【0011】近年、磁気テープ54の表面状態は、磁気
ヘッド53とのスペーシング量を低下させるという観点
から、ますます平滑化される傾向にある。また、将来に
おいても、例えばハイビジョン用VTR、ディジタルV
TR等の開発を進めるにあたり、なお一層の高密度記録
が望まれる状況にあり、使用される磁気テープ54もメ
タル塗付型テープのみならず、極めてテープ表面粗さが
小さく、摩擦係数が大きくなる蒸着テープが採用される
方向にある。
【0012】このように、磁気テープ54の表面が平滑
化されると、磁気テープ54が回転ヘッドアセンブリの
外周面へ付着する、いわゆる「吸いつき現象」を起こ
す。この現象は高湿度雰囲気中、または急激な温度変化
条件下でVTRが使用された場合に特に発生し易く、こ
の現象が発生すると磁気テープ54が回転ヘッドアセン
ブリの外周面に付着し、走行不能状態に陥ってしまう。
【0013】磁気テープ54の鳴き現象。
【0014】この現象は固定ポスト50(図2参照)と
磁気テープ54との間で発生することもあるが、回転ヘ
ッドアセンブリと磁気テープ54との間で発生すること
もある。これは、固定ドラム52と磁気テープ54とが
摺動することにより発生し、磁気テープ54に対し一種
の自励振動を励起させる現象である。この現象も上記の
「吸いつき現象」と同様に高湿度雰囲気中において陥り
易く、この現象が発生すると、結果的に画像のジッタを
招くことになり画質を劣化させてしまう。
【0015】上述した問題点を解消するために、回転ヘ
ッドアセンブリにスパイラルグルーブを用いる方法があ
り、図4および図7に示す構造の回転ヘッドアセンブリ
が既に開示されている(特公昭61−14580号広
報、特公昭61−46897号広報)。
【0016】先ず、図4に示す回転ヘッドアセンブリの
構造および作用効果について以下に説明する。
【0017】スパイラルグルーブ61は、回転ドラム5
1の下端面62、あるいは固定ドラム52の上端面63
のどちらか一方に設けられ(同図は回転ドラム51の下
端面62に設けられた場合を示す)、回転ドラム51が
高速で回転することにより固定ドラム52に対して相対
速度を持つことになり、動圧効果により空気流が発生す
るしくみになっている。尚、図5に下端面62にスパイ
ラルグルーブ61が設けられた回転ドラム51の斜視図
を、図6にこの回転ドラム51の底面図を示している。
【0018】上記の動圧効果で発生した空気流は、回転
ドラム51と固定ドラム52との相対する端面62・6
3の隙間より外部へ吐出される。これにより、磁気テー
プ54を回転ヘッドアセンブリの外周面より微少量(数
μm〜数十μm)浮上(磁気ヘッド53および固定ドラ
ム52の段差部(リード)55は除く)させることがで
き、磁気テープ54の安定走行化、自励振動除去、高湿
度雰囲気中でのテープ吸いつき現象の除去等の効果をも
たらす。
【0019】図7に示す回転ヘッドアセンブリにおいて
は、回転ドラム51の下端部を下方(固定ドラム52方
向)へ延ばして設けられた、固定ドラム52の内周面6
5と重合する重合円筒の外周面64上にスパイラルグル
ーブ61が周設されているのが特徴であり、その動作お
よび作用効果については上述した図4に示す回転ヘッド
アセンブリと同様である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
4に示す回転ヘッドアセンブリの構造においては、回転
ドラム51の下端面62に存在するスパイラルグルーブ
61と対向する固定ドラム52の上端面63の対向面の
面積を充分に大きくする必要があり、その分固定ドラム
52において肉厚が増加してしまうので、結果的に回転
ヘッドアセンブリ自身の自重が増加する。
【0021】また、固定ドラム52の肉厚が内側へ増加
するために、固定ドラム52の内側領域66が減少する
ことになる。この結果、一般に上記内側領域66に設置
されるロータリートランスが、場合によってはドラムモ
ータの大きさや形状等に制約を及ぼすことにもなり、最
悪の場合、固定ドラム52の内側領域66にロータリー
トランス、ドラムモータ等を配置出来ないことにもなり
兼ねない。
【0022】また、図7に示す回転ヘッドアセンブリの
構造の場合も、回転ドラム51の下端部を下方(固定ド
ラム52方向)へ延ばすために固定ドラム52の内側領
域66が減少し、且つ、回転ヘッドアセンブリの自重が
増加する。
【0023】以上のように、図4および図7に示す回転
ヘッドアセンブリ共に、小型・軽量化という観点では問
題がある構造である。
【0024】本発明は、上記に鑑みなされたものであ
り、その目的は、磁気テープ54の安定走行化、自励振
動除去、高湿度雰囲気中でのテープ吸いつき現象の除去
等を可能にすると共に、さらに小型・軽量化を実現でき
る回転ヘッドアセンブリを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の回転ヘッドアセ
ンブリは、上記の課題を解決するために、回転可能に設
けられ、テープ状記録媒体と摺動する記録・再生ヘッド
を保持する回転ドラムと、この回転ドラムと略同一径を
有し、回転ドラムと同一軸上に設けられて回転ドラムを
回転可能に支持し、走行するテープ状記録媒体を外周面
でガイドする固定ドラムと、上記回転ドラムと同一軸上
に配され、その外周面が上記回転ドラムの内周面と微少
な隙間を介して相対向するように上記固定ドラム側に取
付けられた円筒状の固定側ロータリートランスとを有
し、上記回転ドラムの内周面の全体あるいはその一部に
スパイラルグルーブが周設され、上記回転ドラムの回転
によってスパイラルグルーブより吐出される空気が、固
定ドラムと回転ドラムとの相対する端面の隙間より外部
へ吐出されるように構成されていることを特徴としてい
る。
【0026】
【作用】上記の構成によれば、固定ドラムは回転ドラム
と略同一径であり、回転ドラムと同一軸上に設けられて
回転ドラムを回転可能に支持している。即ち、これら回
転ドラムと固定ドラムとが相対向して略円筒形状を成
し、このうち回転ドラムのみが回転するようになってい
る。そして、上記固定ドラム側には円筒状の固定側ロー
タリートランスが取付けられている。この円筒状の固定
側ロータリートランスは、回転ドラムと同一軸上に配さ
れており、その外周面が回転ドラムの内周面と微少な隙
間を介して相対向するような位置関係にある。
【0027】ここで、上記回転ドラムの内周面の全体あ
るいはその一部には、スパイラルグルーブが周設されて
いるため、上記回転ドラムが回転することにより、上記
スパイラルグルーブと固定側ロータリートランスの外周
面との間に動圧効果が生じ、空気流が発生する。そし
て、このスパイラルグルーブより吐出される空気は、回
転ドラムと固定ドラムとの相対する端面の隙間より外部
へ連続的に吐出される。
【0028】尚、テープ状記録媒体は、固定ドラムの外
周面でガイドされると共に、所定速度で回転する回転ド
ラムに設けられた記録・再生ヘッドと摺動しながら走行
する。即ち、テープ状記録媒体は、その幅方向において
回転ドラムおよび固定ドラムの両方と対向した状態で走
行する。従って、上述のように回転ドラムと固定ドラム
との相対する端面の隙間より空気が外部へ連続的に吐出
されれば、テープ状記録媒体を回転ドラムおよび固定ド
ラムの外周面より浮上させることができ、テープ状記録
媒体の浮上走行を実現することができる。これにより、
テープ状記録媒体の安定走行化および自励振動除去、並
びに高湿度雰囲気中でのテープ吸いつき現象の除去が可
能となる。
【0029】また、上記のように、円筒状の固定側ロー
タリートランスの外周面に対して、微少な隙間を有する
回転ドラムの内周面にスパイラルグルーブを設けること
により、回転ドラムおよび固定ドラムの重量を不要に増
加させたり、固定ドラムの内側領域を減少させることな
く、小型・軽量化を図ることができる。
【0030】
【実施例】本発明の一実施例について図に基づいて説明
すれば、以下の通りである。
【0031】本実施例に係るVTRの回転ヘッドアセン
ブリは、図1に示すように、回転ドラム1と、回転ドラ
ム1と略同一径を有し、図中下方において回転ドラム1
を回転可能に支持する固定ドラム2とを備えている。上
記回転ドラム1は、焼バメ、軽圧入、接着、あるいはそ
れらの組み合わせによりシャフト6の端部に固定された
ディスク7上に、回転ドラム1の外周面振れや上端面振
れが数μm以下となるように高精度に調整された後、取
付ビス22・22により取付けられている。上記シャフ
ト6は、所定間隔で固定ドラム2に固定配置された2つ
のボールベアリング8・9により回転可能に支持されて
いる。また、回転ドラム1の下端面には、テープ状記録
媒体としての磁気テープ4と摺動する記録・再生ヘッド
としての磁気ヘッド3が所定の精度で高精度に調整さ
れ、取付ビス23により取付けられている。
【0032】ディスク7の図中下方には、回転ドラム1
と同一軸上に配され、それぞれ径の異なる円筒状のロー
タリートランス・ロータ11と、ロータリートランス・
インナーステータ12と、ロータリートランス・アウタ
ーステータ(固定側ロータリートランス)13とから成
り、磁気ヘッド3からの信号を図示しない記録・再生回
路側へ伝達するためのロータリートランス14が設けら
れている。
【0033】上記ロータリートランス・ロータ11は、
上記ディスク7の下端面に接着により取付けられてい
る。このロータリートランス・ロータ11は、磁気ヘッ
ド3と電気的に接続されており、その接続方法として
は、例えば磁気ヘッド3からの信号を導く図示しないリ
ード線または中継基板と、ロータリートランス・ロータ
11から延びる図示しない中継端子とを半田付けする方
法が用いられる。本実施例においては、ロータリートラ
ンス・ロータ11の内周面および外周面の両側に複数の
コイル巻線溝18・19が形成されており、各コイル巻
線溝18・19にコイルが所定のターン数捲回されてい
る。
【0034】一方、ロータリートランス・インナーステ
ータ12およびロータリートランス・アウターステータ
13は、ロータリートランス取付板24に同心円状とな
るように高精度に取付けられており、このロータリート
ランス取付板24は、取付ビス25により固定ドラム2
に高精度に取付けられている。上記ロータリートランス
取付板24には、記録・再生回路に信号を伝達するため
に設けられた、図示しないロータリートランスフレキシ
ブルプリントサーキット(以下、ロータリートランスF
PCと称する)が貼着されており、ロータリートランス
ステータ巻線とロータリートランスFPCとが、例えば
半田付け等により電気的に接続されている。
【0035】上記固定ドラム2の外周面には、走行する
磁気テープ4をガイドするリードと称する段差部5が形
成されている。本実施例のVTRにおいて、磁気テープ
4は、約180゜回転ヘッドアセンブリにヘリカルに巻
付けられ、上記段差部5により幅方向の走行位置の規制
を受けながら、図示しないテープ走行機構に駆動されて
一定速度で低速走行するようになっている。
【0036】また、上記固定ドラム2の図中下方には、
ダイレクトドライブモータ・ステータ15と、ダイレク
トドライブモータ・ロータ16とから成り、回転ドラム
1を回転駆動するダイレクトドライブモータ17が配設
されている。
【0037】上記ダイレクトドライブモータ・ステータ
15は、固定ドラム2の下側に図示しないネジ等の締結
手段によって固定されている。一方、ダイレクトドライ
ブモータ・ロータ16は、シャフト6の下端部に固着さ
れたモータ取付カラー27の下端面に、取付ビス29・
29により固定されている。
【0038】以上が本発明を取り入れた回転ヘッドアセ
ンブリの要部の構成であるが、本実施例では、さらに回
転ドラム1の内周面の全周にわたってスパイラルグルー
ブ30が周設されている。尚、スパイラルグルーブ30
は、回転ドラム1の内周面全体に周設されてもよいし、
その一部、即ち所定の幅で内周面の全周に周設されても
よい。
【0039】このように、回転ドラム1の内周面にスパ
イラルグルーブ30が周設されることにより、互いに重
合対向するスパイラルグルーブ30と、固定側ロータリ
ートランスとしてのロータリートランス・アウターステ
ータ13の外周面との間で動圧効果が生じるしくみにな
っている。
【0040】この場合、スパイラルグルーブ30とロー
タリートランス・アウターステータ13の外周面との間
の隙間は、所定の動圧効果が得られる隙間量(数μm〜
数十μm)となることを考慮し、ロータリートランス1
4の形状が設計されている。
【0041】ここで、上記の微少な隙間量を回転ヘッド
アセンブリの全周にわたって均一にする必要があるが、
この点について以下に説明する。
【0042】ロータリートランス・アウターステータ1
3の内周面と、ロータリートランス・ロータ11の外周
面との間、およびロータリートランス・インナーステー
タ12の外周面と、ロータリートランス・ロータ11の
内周面との間には、一般に約70μmの微少間隔が設け
られるが、磁気ヘッド3からの信号を効率良く授受する
ために、上記の間隔が回転ヘッドアセンブリの全周にわ
たって均一になるように、上記各部材は高精度に位置決
めされている。
【0043】上記ロータリートランス・アウターステー
タ13の場合は、以下の方法によって位置決めされるの
が一般的である。
【0044】即ち、ロータリートランス・アウターステ
ータ13は、その内周面と外周面との真円度、円筒度、
同軸度がそれぞれ数μmで管理されていることから、そ
の内周面を位置管理するために、その外周面の下端部3
1でロータリートランス取付板24への位置決めがなさ
れる。また、上記ロータリートランス取付板24は、位
置決め内径32にて固定ドラム2へ精密嵌合されること
により、シャフト6の回転軸心に対して数μmの極めて
高い同軸精度でロータリートランス・アウターステータ
13の内周面が位置決めされる。当然、ロータリートラ
ンス・アウターステータ13の内周面が位置決めされる
と同時に、その外周面も位置決めされるわけである。
【0045】上述のように、ロータリートランス・アウ
ターステータ13の外周面は、今までは単に位置決めの
ためにのみ利用していたに過ぎなかった。そこで、本実
施例は、このシャフト6の回転軸心に対して高い同軸精
度を有したロータリートランス・アウターステータ13
の外周面を、空気流を発生させるために積極的に利用し
ようとするものである。
【0046】一方、回転ドラム1は、スパイラルグルー
ブ30が設けられた内周面と外周面33との同軸度が数
μmになるように精密加工されているので、回転ドラム
1がディスク7に搭載される際、その外周面33の回転
中の振れが数μm以下となるように調整されれば、スパ
イラルグルーブ30が設けられた内周面も必然的に回転
中の振れが数μm以下に調整されることになる。
【0047】以上のことより、スパイラルグルーブ30
とロータリートランス・アウターステータ13の外周面
との間の微少な隙間は、回転ヘッドアセンブリの全周に
わたって略均一であることがわかる。
【0048】ここで、VTRの再生または録音動作中、
回転ヘッドアセンブリの回転ドラム1はダイレクトドラ
イブモータ17に駆動されて高速回転する。このとき、
スパイラルグルーブ30とロータリートランス・アウタ
ーステータ13の外周面との間に動圧効果が生じ、上記
回転ドラム1の上端面に穿設された空気流入孔34から
空気が流入し、図中上側から下側へ向かって空気流が発
生する。これにより、固定ドラム2内部の空間部36の
気圧が高くなり、空気は回転ドラム1と固定ドラム2と
の相対する端面の隙間37より外部へ連続的に吐出され
る。尚、固定ドラム2の下端面35は、空間部36に取
り込まれた空気がネジ穴等の隙間から逃げ出さないよう
にシールされている。
【0049】上記のように、隙間37より空気が外部へ
連続的に吐出されることにより、磁気テープ4を回転ヘ
ッドアセンブリの外周面より微少量(数μm〜数十μ
m)浮上させることができ、磁気テープ4の浮上走行を
実現することができる。これにより、VTRの再生また
は録音動作中における磁気テープ4の安定走行化および
自励振動除去、並びに高湿度雰囲気中でのテープ吸いつ
き現象の除去が実現される。
【0050】以上のように、本実施例の回転ヘッドアセ
ンブリは、ロータリートランス・アウターステータ13
の外周面に対して、全周にわたって略均一な微少隙間を
有する回転ドラム1の内周面にスパイラルグルーブ30
を設けることにより、回転ドラム1および固定ドラム2
の重量を不要に増加させたり、固定ドラム2の内側領域
を減少させることなく、磁気テープ4の安定走行化、自
励振動除去、高湿度雰囲気中でのテープ吸いつき現象の
除去を可能にすることができ、従来成しえなかった小型
・軽量化を実現できるものである。
【0051】
【発明の効果】本発明の回転ヘッドアセンブリは、以上
のように、回転可能に設けられ、テープ状記録媒体と摺
動する記録・再生ヘッドを保持する回転ドラムと、この
回転ドラムと略同一径を有し、回転ドラムと同一軸上に
設けられて回転ドラムを回転可能に支持し、走行するテ
ープ状記録媒体を外周面でガイドする固定ドラムと、上
記回転ドラムと同一軸上に配され、その外周面が上記回
転ドラムの内周面と微少な隙間を介して相対向するよう
に上記固定ドラム側に取付けられた円筒状の固定側ロー
タリートランスとを有し、上記回転ドラムの内周面の全
体あるいはその一部にスパイラルグルーブが周設され、
上記回転ドラムの回転によってスパイラルグルーブより
吐出される空気が、固定ドラムと回転ドラムとの相対す
る端面の隙間より外部へ吐出されるように構成されてい
る。
【0052】それゆえ、回転ドラムが回転することによ
り、スパイラルグルーブと固定側ロータリートランスの
外周面との間に動圧効果が生じて空気流が発生し、回転
ドラムと固定ドラムとの相対する端面の隙間より外部へ
連続的に空気が吐出されるので、テープ状記録媒体の浮
上走行を実現することができる。また、上記のスパイラ
ルグルーブを設けるに際して、従来のように回転ドラム
および固定ドラムの重量を不要に増加させたり、固定ド
ラムの内側領域を減少させることがなく、上記テープ状
記録媒体の浮上走行によって奏されるテープ状記録媒体
の安定走行化、自励振動除去、高湿度雰囲気中でのテー
プ吸いつき現象の除去等の効果に加え、、さらに小型・
軽量化を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、回転ヘッ
ドアセンブリを示す概略の縦断面図である。
【図2】従来例を示すものであり、回転ヘッドアセンブ
リの近傍を示す概略の斜視図である。
【図3】従来例を示すものであり、回転ヘッドアセンブ
リを示す概略の縦断面図である。
【図4】従来例を示すものであり、スパイラルグルーブ
を用いた回転ヘッドアセンブリを示す概略の縦断面図で
ある。
【図5】下端面にスパイラルグルーブが設けられた回転
ドラムを示す概略の斜視図である。
【図6】上記回転ドラムの概略の底面図である。
【図7】従来例を示すものであり、スパイラルグルーブ
を用いた回転ヘッドアセンブリを示す概略の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 回転ドラム 2 固定ドラム 3 磁気ヘッド(記録・再生ヘッド) 4 磁気テープ(テープ状記録媒体) 11 ロータリートランス・ロータ 12 ロータリートランス・インナーステータ 13 ロータリートランス・アウターステータ(固定
側ロータリートランス) 14 ロータリートランス 30 スパイラルグルーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−12769(JP,A) 特開 昭57−198569(JP,A) 特開 平4−13262(JP,A) 特開 平2−46564(JP,A) 特開 平4−109451(JP,A) 特開 昭59−38961(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能に設けられ、テープ状記録媒体と
    摺動する記録・再生ヘッドを保持する回転ドラムと、こ
    の回転ドラムと略同一径を有し、回転ドラムと同一軸上
    に設けられて回転ドラムを回転可能に支持し、走行する
    テープ状記録媒体を外周面でガイドする固定ドラムと、
    上記回転ドラムと同一軸上に配され、その外周面が上記
    回転ドラムの内周面と微少な隙間を介して相対向するよ
    うに上記固定ドラム側に取付けられた円筒状の固定側ロ
    ータリートランスとを有し、上記回転ドラムの内周面の
    全体あるいはその一部にスパイラルグルーブが周設さ
    れ、上記回転ドラムの回転によってスパイラルグルーブ
    より吐出される空気が、固定ドラムと回転ドラムとの相
    対する端面の隙間より外部へ吐出されるように構成され
    ていることを特徴とする回転ヘッドアセンブリ。
JP3217245A 1991-08-28 1991-08-28 回転ヘッドアセンブリ Expired - Lifetime JP2641658B2 (ja)

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