JP2006147021A - ヘッドドラム装置、およびそれを用いた磁気記録再生装置 - Google Patents
ヘッドドラム装置、およびそれを用いた磁気記録再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ヘッドドラム装置の外周に所定の位相にて磁気テープが巻き付けられる時に、磁気テープが回転ドラムの外周よりも高い範囲において、磁気テープが回転ドラムの上へ乗り上げないように、上固定ドラムの外周における磁気テープと対向する面積を出来る限り小さく形成することにより、小型軽量で、且つ安価なヘッドドラム装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上固定ドラム5の外周について、磁気テープ2と上固定ドラム5が対向する範囲において、磁気テープ2の高さよりも高い微小面積の外周壁5aを設けることによって、上固定ドラム5が小型軽量化で、且つ樹脂材料や金属鋳物で成形可能なヘッドドラム装置を得ることが出来る。
【選択図】図1
【解決手段】上固定ドラム5の外周について、磁気テープ2と上固定ドラム5が対向する範囲において、磁気テープ2の高さよりも高い微小面積の外周壁5aを設けることによって、上固定ドラム5が小型軽量化で、且つ樹脂材料や金属鋳物で成形可能なヘッドドラム装置を得ることが出来る。
【選択図】図1
Description
本発明は、ビデオテープレコーダー等の磁気記録再生装置に用いることができるヘッドドラム装置に関するものである。
近年、小型ビデオカメラに代表される磁気記録再生装置などに使用されるヘッドドラム装置は、小型化を図るために磁気ヘッドを固着した回転ドラムの上下方向に固定ドラムを設置して、3層のドラム構成とすることが多い(例えば特許文献1参照)。
以下に従来のヘッドドラム装置について説明する。
図6は従来のヘッドドラム装置の斜視図、図7は従来のヘッドドラム装置の側面図を示す。図において、1は磁気テープ2を案内する下固定ドラム、3は下固定ドラム1に同軸的に配置され、外周の軸方向長さが磁気テープ2よりも幅が小さい回転ドラム、4は回転ドラム3に少なくとも一つ固着された磁気ヘッド、10は回転ドラム3の上に設けられた上固定ドラム、10aは磁気テープ2と対向する面積以上を要する、上固定ドラム10の外周壁である。なお、下固定ドラム1や上固定ドラム10の内部には、回転ドラム3を駆動するためのモータ構成部品(図示せず)、又は電気回路と磁気ヘッド間で映像、音声信号を伝送するためのロータリートランス(図示せず)などの部品が収納されている。
こうしたヘッドドラム装置11においては、磁気テープ2の記録および再生がなされる場合は、下固定ドラム1で案内された磁気テープ2はヘッドドラム装置11の外周に所定の位相にて巻き付けられる。また、磁気ヘッド4が安定して磁気テープ2に接触するために、磁気テープ2が巻き付けられる外周を形成する下固定ドラム1と回転ドラム3は同軸的に配置される。
以上のように図7のように構成された従来のヘッドドラム装置11について、以下にその動作について説明する。
磁気ヘッド4を含む回転ドラム3が回転することによって、磁気ヘッド4が磁気テープ2に接触する間に、映像および音声等の情報が記録される。また、記録済みの磁気テープ2であれば、上述と同じ動作で映像および音声等の記録情報を再生することができる。
特開2002−183920号公報(第6頁、図2)
ここで上記の従来の構成では、ヘッドドラム装置11の外周に所定の位相にて磁気テープ2が巻き付けられる時に、磁気テープ2が回転ドラム3の外周よりも高い範囲において、磁気テープ2が上固定ドラム10の上へ乗り上げないように、磁気テープ2と対向する面積以上を要する外周壁10aを形成する上固定ドラム10を配置している。つまり、図8に示すように、磁気テープ2に矢印A方向の力がかかり、磁気テープ2の幅方向上端が図示のように上固定ドラム10の上端よりも高くなる位置まで上昇し、そのまま磁気テープ2が上固定ドラム10の上面へ乗り上げてしまう可能性があり、それを防ぐために外周壁10aを高くする必要がある。従来構成では、上固定ドラム10の最上端が、図7に示すように正常に磁気テープ2が巻回された状態で磁気テープ2の幅方向上端よりも高くなるように、上固定ドラム10の高さ方向寸法を設定している(図中L1部)。なお、磁気テープ2が上固定ドラム10の上部へ乗り上げると、磁気テープ2にテープダメージを与えたり、磁気テープ2がヘッドドラム装置11周辺のメカニズム部品に絡まったりするなどの問題が生じる。
しかしながら、こうした上記従来の構成では、上固定ドラム10の外周壁10aの高さ方向の寸法を大きくし表面積がある程度大きくなることで、ヘッドドラム装置11の小型化や軽量化にとって不利である。
また、上固定ドラム10の磁気テープ2と対向した外周壁10aは、磁気ヘッド4が安定して磁気テープ2に接触するために、回転ドラム3の上に同軸的に配置出来るように精密な精度が要求されるため、金属切削などの精密加工が必要となり、加工費が高くなる。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、上固定ドラムの外周について、磁気テープと対向する面積を出来る限り小さく形成することで、上固定ドラムの小型軽量化を可能とし、且つ切削などの精密加工を用いずに、樹脂材料や金属鋳物で成形された上固定ドラムを具備することで、小型軽量で安価なヘッドドラム装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明のヘッドドラム装置は、磁気テープを案内する下固定ドラムと、前記下固定ドラムに対し同軸的に回転し、少なくとも一つの磁気ヘッドを有し、外周の軸方向長さが磁気テープよりも幅が小さい回転ドラムと、前記回転ドラムに対し同軸的に設けられた上固定ドラムを備え、前記上固定ドラムの外周部に、磁気テープの高さよりも高い微小面積の壁を少なくとも1ヶ所以上設けることで、磁気テープがヘッドドラム装置に巻き付けられるなどの動作中に、磁気テープが前記回転ドラムの上へ乗り上げることがなく、小型軽量で安価な上固定ドラムを具備するヘッドドラム装置を提供することができる。
以上のように本発明は、上固定ドラムの外周について、磁気テープと対向する面積を出来る限り小さく形成することにより、上固定ドラムが小型軽量化されるとともに、精密な精度を必要とせず、安価な樹脂材料などで成形出来るという効果が得られる。ひいては、ヘッドドラム装置全体を小型軽量化でき、ヘッドドラム装置を用いた磁気記録再生装置を小型軽量化できるものである。
また、簡単な構成で、磁気テープがヘッドドラム装置の上部へ乗り上げるのを防止することができる。
本発明の請求項1に記載の発明は、磁気テープを巻き付けて、前記磁気テープに対して信号の記録再生を行うヘッドドラム装置であって、前記磁気テープ下端を支持して案内する下固定ドラムと、前記下固定ドラムの上側に同軸的に回転し、少なくとも一つの磁気ヘッドを有し、外周の軸方向長さが磁気テープの幅よりも小さい回転ドラムと、前記回転ドラムの上側に同軸的に設けられた上固定ドラムと、前記上固定ドラムに前記磁気テープの上端の一部を支持する凸部とを備え、本装置に前記磁気テープを巻回し前記下固定ドラムで前記磁気テープを支持している時、前記上固定ドラムの少なくとも一部が前記磁気テープの上端よりも下側に位置し、前記凸部の上端が前記磁気テープの上端よりも上側に位置するように構成したものであり、これにより、装置全体を小型軽量化しつつ、磁気テープが上固定ドラムの上部に乗り上げるのを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、凸部は、上固定ドラムの半径方向外側に向かって突出する突出部を形成したものであり、これにより、上固定ドラムの上部への磁気ヘッドの乗り上げを、さらに防止させることができる。
請求項4に記載の発明は、磁気テープに対して信号の記録再生を行う磁気記録再生装置であって、前記磁気テープ下端を支持して案内する下固定ドラムと、前記下固定ドラムに対し同軸的に回転し少なくとも一つの磁気ヘッドを有した回転ドラムと、前記回転ドラムの上側に同軸的に設けられた上固定ドラムと、前記上固定ドラムに前記磁気テープの上端の一部を支持する凸部とからなるヘッドドラム手段と、前記磁気テープをテープカセットから引き出し前記ヘッドドラム装置に巻き付ける第1及び第2のテープ案内手段とを備え、前記凸部は、前記第1及び第2のテープ案内手段によって前記磁気テープを前記ヘッドドラムに巻回す際、前記磁気テープが前記ヘッドドラム装置に最初に当接する部位近傍に配したものであり、これにより、装置全体を小型軽量化しつつ、磁気テープが上固定ドラムの上部に乗り上げるのを防止することができる。
請求項5に記載の発明は、凸部は、上固定ドラムの半径方向外側に向かって突出する突出部を形成したものであり、これにより、上固定ドラムの上部への磁気ヘッドの乗り上げを、さらに防止させることができる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるヘッドドラム装置の斜視図、図2(a)は本発明の実施の形態1におけるヘッドドラム装置6の側面図、同図(b)は外周壁近傍の拡大側面図を示す。また、図3はヘッドドラム装置6を上面から見た平面図を示すものであり、同図は本装置に対して磁気テープを巻き付け開始する時の状態を示す。
図1は本発明の実施の形態1におけるヘッドドラム装置の斜視図、図2(a)は本発明の実施の形態1におけるヘッドドラム装置6の側面図、同図(b)は外周壁近傍の拡大側面図を示す。また、図3はヘッドドラム装置6を上面から見た平面図を示すものであり、同図は本装置に対して磁気テープを巻き付け開始する時の状態を示す。
図において、2は映像音声信号をはじめとする各種信号を記録可能なテープ状記録媒体である磁気テープ、2aは磁気テープ2の幅方向の上端縁部である上端部、2bは下端縁部である下端部である。磁気テープ2は、ヘッドドラム装置6に対して螺旋状に巻回される。
1は磁気テープ2を案内する略円筒形状の下固定ドラム、1aは下固定ドラム1の外周面(テープ摺動面)に螺旋状に形成されたガイド部で、ガイド部1aにより磁気テープ2の下端部2bを支持することで、磁気テープ2の下方向への位置決めをしている。
3は下固定ドラム1に同軸的に回転自在に配置された略円筒形状の回転ドラムで、外周の軸方向長さL2が磁気テープ2の幅L3よりも小さい。
4は回転ドラム3に少なくとも一つ固着され磁気テープ2との間で信号の授受を行う磁気ヘッドで、回転ドラム3内に配置され、その一部が回転ドラム3に設けられた開口部から外部に露出し、回転ドラム3に巻回される磁気テープ2の記録面に摺動するようになっている。
5は回転ドラム3の上に同軸的に固定された上固定ドラムで、本実施の形態では樹脂一体成型で構成しているが、このような構成に限らず金属で一体成型としてもよいし、一部のみ樹脂成形としてもよく、特に限定されるものではない。
5bは上固定ドラム5において磁気テープ2が摺動する摺動面で、略円筒形状を成しており、その円周寸法は回転ドラム3とほぼ同等であるか、僅かに小さくなるように設定されている。高さ方向寸法L4は、ヘッドドラム装置全体の小型化のために極力小さく設定されている。また、摺動面5bは磁気テープ2をスムーズに摺接走行可能なように表面処理を施してもよい。
5aは上固定ドラム5における摺動面5bに設けられた凸部である外周壁で、上端部5c、摺動面5dより構成されている。外周壁5aは、磁気テープ2と上固定ドラム5とが対向する範囲において磁気テープ2の高さよりも高い寸法を有しており、すなわち摺動面5dの高さ方向の寸法L6は、磁気テープ2を巻回した時の磁気テープ2の上端部2aよりも高くなるように寸法設定されている。また、摺動面5dの表面積は、少なくとも磁気テープ2が上固定ドラム5の上部へ乗り上げないような微小面積であればよく、磁気テープ2の一部のみを支持できる大きさであればよい。また、本実施の形態では、磁気テープ2を水平方向に傾斜させてヘッドドラム装置6に巻回し、その傾斜角度に合わせて外周壁5aの上端部5cを傾斜させた形状(つまりL6≠L7)にしているが、傾斜させない水平形状(つまりL6=L7)にする構成などが考えられ、このような形状に限定されるものではなく、上端部5cの位置が少なくとも磁気テープ2の上端部2aよりも上部に位置すればよい。また、外周壁5aの横幅寸法L5は、磁気テープ2が上固定ドラム2の上部に乗り上げないような寸法に設定しておけばよく、小型化のために極力小さくする必要がある。
また本実施の形態では、摺動面5dは、上固定ドラム5の摺動面5bと面一になるように構成したが、摺動面5bと摺動面5aとの間に段差を設けてもよく、例えば摺動面5dを摺動面5bよりも内周方向へ低くなるようにする構成が考えられる。また、外周壁5aは、本実施の形態では部品点数削減や製造工数削減のために、上固定ドラム5と一体構成としたが、別部材としてもよい。また、本実施の形態では、上固定ドラム5を樹脂成型とし、外周壁5aを上固定ドラム5に対して樹脂一体成型としているが、これに限るものではなく金属で構成してもよく、材料や製法は限定しない。
また、本実施の形態では、外周壁5aを上固定ドラム5に1カ所設けたが、装置の小型化を維持でき、かつ磁気テープ2が上固定ドラム5の上部に乗り上がるのを防止できれば、複数箇所に設けてもよい。
また、外周壁5aの位置は、本実施の形態では図3に示すように上固定ドラム5におけるテープカセット20側の端部に設けているが、この位置に限定されるものではない。テープガイド8及び9によって磁気テープ2をヘッドドラム装置6に巻回す際に、上固定ドラム5において最初に磁気テープ2が接触あるいは当接する部位に設ければよい。
6は上固定ドラム5と回転ドラム3と下固定ドラム1とで構成されるヘッドドラム手段であるヘッドドラム装置である。なお、ヘッドドラム装置6の内部には支軸を有し、その支軸の両端にそれぞれ上固定ドラム5と下固定ドラム1とが、圧入や螺合により固定されている。そして、上固定ドラム5と下固定ドラム1との間には、支軸に軸受けを介して回転自在に回転ドラム3が保持されている。
なお、下固定ドラム1や上固定ドラム5の内部には、回転ドラム3を駆動するためのモータ構成部品(図示せず)、又は電気回路と磁気ヘッド間で映像音声信号を伝送するためのロータリートランス(図示せず)が収納されている。こうしたヘッドドラム装置6においては、磁気テープ2の記録および再生がなされる場合は、下固定ドラム1で案内された磁気テープ2はヘッドドラム装置6の外周に所定の位相にて巻き付けられる。また、磁気ヘッド4が安定して磁気テープ2に接触するために、磁気テープ2が巻き付けられる外周を形成する下固定ドラム1と回転ドラム3は同軸的に配置される。また、上固定ドラム5と回転ドラム3と下固定ドラム1は、それぞれ互いに微小隙間を介して位置している。
また、図3を説明すると、8と9は磁気テープ2をヘッドドラム装置6に巻き付けるための第1及び第2のテープ案内手段であるテープガイドであり、図3に記載したように、テープガイド8、9の動作方向(矢印B方向)によって、磁気テープ2はヘッドドラム装置6に巻き付けられる。20は磁気テープ2を2個のリールに巻回して内包したテープカセット、21はモータなどの駆動手段によって回転駆動されるキャプスタン、22は磁気テープ2をキャプスタン21に圧着しキャプスタン21の回転によって磁気テープ2を所定速度で走行させるピンチローラである。
以上のように構成された本実施の形態について、以下その動作について説明する。
図3に示すように、テープガイド8及び9がテープカセット20内の磁気テープ2を、ヘッドドラム装置6側へと引き出す。テープガイド8及び9によって引き出された磁気テープ2は、テープガイド8及び9が矢印Bに示すように、ヘッドドラム装置6の側部近傍を移動することで、ヘッドドラム装置6の側面に所定角度にて巻回される。
次に、ヘッドドラム装置6の回転ドラム3を矢印D方向へ高速回転させ、キャプスタン21やピンチローラ22などのテープ駆動手段(図示せず)によって磁気テープ2を矢印C方向へ走行させる。そして、回転ドラム3に設けられた磁気ヘッド4によって、磁気テープ2に対して映像音声信号などの各種信号を記録したり、磁気テープ2に記録された映像音声信号などの各種信号を再生することができる。
ここで、図2に示すように、磁気テープ2をヘッドドラム装置6に巻回した状態では、磁気テープ2の幅方向の下端部2bは、下固定ドラム1のガイド部1aに支持され、磁気テープ2の下方向への位置規制が成されている。回転ドラム3が高速回転することで、磁気ヘッド4が磁気テープ2の記録面に対して、斜めに記録トラックを形成することができる。また、上固定ドラム5に外周壁5aを設けたことで、ヘッドドラム装置6の半径方向内側への規制を行っている。つまり、磁気テープ2が上固定ドラム5の上部に乗り上げないように規制している。
図示のように、本装置に磁気テープ2を巻回し下固定ドラム1で磁気テープ2を支持している時、上固定ドラム5の少なくとも一部が磁気テープ2の上端2aよりも下側に位置し、凸部(外周壁5a)の上端部5cが磁気テープ2の上端部2aよりも上側に位置するように構成している。
また、図3に示すように、上固定ドラム5の微小面積の外周壁5aは、テープガイド8と9を介して磁気テープ2が、ヘッドドラム装置6に巻き付けられる開始の位置に設けられる。すなわち、テープガイド8及び9によって、磁気テープ2をヘッドドラム装置6に巻回す際に、上固定ドラム5において、最初に磁気テープ2が接触する部位に設けるのである。具体的には、例えば図3に示すようにテープガイド8及び9を移動させる構成の場合は、外周壁5aは上固定ドラム5における、テープカセット20に近い側の端部に設けられる。
これにより、磁気テープ2は、ヘッドドラム装置6に巻き付く過程において、上固定ドラム5の微小面積の外周壁5aに支えられるため、回転ドラム3の上へ乗り上げることなく、ヘッドドラム装置6に巻き付けられる。
なお、上固定ドラム5の微小面積の外周壁5aは、磁気テープ2が、ヘッドドラム装置6に巻き付けられる開始の位置(つまり図3の位置)だけでなく、テープガイド8と9を介して磁気テープ2が、ヘッドドラム装置6に巻き付きを完了するまでの範囲に追加されてもよい。これにより、磁気テープ2がヘッドドラム装置6に巻き付く過程において、振動などの外乱により、磁気テープ2の挙動が不安定になり、磁気テープ2が上方向(図2の矢印E方向)に移動しても、追加された微小面積の外周壁5aに支えられるため、上固定ドラム5の上へ乗り上げることなく、ヘッドドラム装置6に巻き付けられる。
こうして構成されたヘッドドラム装置6においては、磁気ヘッド4を含む回転ドラム3が回転することによって、磁気ヘッド4が磁気テープ2に接触する間に、映像および音声等の情報が記録される。また、記録済みの磁気テープ2であれば、上述と同じ動作で映像および音声等の記録情報を再生することができる。
以上のように本実施の形態によれば、上固定ドラム5の外周について、磁気テープ2と上固定ドラム5が対向する範囲において、磁気テープ2の高さよりも高い微小面積の外周壁5aを設けて、磁気テープ2と対向する面積を出来る限り小さく形成することにより、上固定ドラム5が小型軽量化されるヘッドドラム装置を得ることが出来る。
た、外周壁5aを、上固定ドラム5における、磁気テープ巻き付け時に最初に磁気テープ2が当接する位置に設けることにより、磁気テープ2が上固定ドラム5の上部に乗り上げるのを防止することができる。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2におけるヘッドドラム装置7の側面図を示す。なお、図4においては、1〜6は図1及び2と同様であるので詳細説明は省略し、外周壁15aは図1及び図2の外周壁5aと同一構成であるので詳細説明は省略する。また図5は、上固定ドラム5に設けられた微小面積の外周壁15aの拡大断面図を示すものであり、図4における矢印F−F部の断面である。
図4は本発明の実施の形態2におけるヘッドドラム装置7の側面図を示す。なお、図4においては、1〜6は図1及び2と同様であるので詳細説明は省略し、外周壁15aは図1及び図2の外周壁5aと同一構成であるので詳細説明は省略する。また図5は、上固定ドラム5に設けられた微小面積の外周壁15aの拡大断面図を示すものであり、図4における矢印F−F部の断面である。
図において、15aは上固定ドラム5における摺動面5bに設けられた凸部である外周壁で、上端部15c、摺動面15dより構成されている。外周壁15aは、磁気テープ2と上固定ドラム5とが対向する範囲において磁気テープ2の高さよりも高い寸法を有している。すなわち、磁気テープ2の上端部2aよりも上端部15cの方が高くなるように、摺動面15dの高さ方向の寸法L16が設定されている。また、摺動面15dの表面積は、少なくとも磁気テープ2が上固定ドラム5の上部へ乗り上げないような微小面積であればよく、磁気テープ2の一部のみを支持できる大きさであればよい。また、本実施の形態では、磁気テープ2を水平方向に傾斜させてヘッドドラム装置7に巻回し、その傾斜角度に合わせて外周壁15aの上端部15cを傾斜させた形状にしているが、傾斜させない水平形状にする構成などが考えられ、このような形状に限定されるものではなく、上端部15cの位置が少なくとも磁気テープ2の上端部2aよりも上部に位置すればよい。
また本実施の形態では、摺動面15dは、上固定ドラム5の摺動面5bと面一になるように構成したが、摺動面5bと摺動面15dとの間に段差を設けてもよく、例えば摺動面15dを摺動面5bよりも内周方向へ低くなるようにする構成が考えられる。また、外周壁15aは、本実施の形態では部品点数削減や製造工数削減のために、上固定ドラム5と一体構成としたが、別部材としてもよい。また、本実施の形態では、上固定ドラム5を樹脂成型とし、外周壁15aを上固定ドラム5に対して樹脂一体成型としているが、これに限るものではなく金属で構成してもよく、材料や製法は限定しない。
また、本実施の形態では、外周壁15aを上固定ドラム5に1カ所設けたが、装置の小型化を維持でき、かつ磁気テープ2が上固定ドラム5の上部に乗り上がるのを防止できれば、複数箇所に設けてもよい。
また、外周壁15aの位置は、本実施の形態では図3に示すように上固定ドラム5におけるテープカセット20側の端部に設けているが、この位置に限定されるものではない。テープガイド8及び9によって磁気テープ2をヘッドドラム装置7に巻回す際に、上固定ドラム5において最初に磁気テープ2が接触あるいは当接する部位に設ければよい。
15bは外周壁15aにおいて上固定ドラム5の半径方向外側に向かって突出して設けられた突出部である凸部であり、本実施の形態では、外周壁15aの最上部に設けたが、この位置に限定されない。また、凸部15bは、図5に示すように、外周壁15aの磁気テープ摺動面側から、略水平に突出した構成となっている。その突出量は、最低でも磁気テープ2の厚さ以上は有しており、磁気テープ2を確実に位置決めさせるためには、回転ドラム3の回転時に磁気テープ2とヘッドドラム装置6との間に発生する空気層(エアフィルム)や、磁気テープ2の挙動変化によるヘッドドラム装置6に対する浮上量などを考慮して、ある程度の突出量が必要である。また、本実施の形態では、凸部15bは図4に示すように、外周壁15aの上端の傾斜形状に合わせて配されているが、これに限定されるものではない。また、凸部15bは、外周壁15aの幅方向全域に渡って形成されているが、一部に形成してもよい。
以上のように構成された本実施の形態について、以下その動作について説明する。
図4および図5に示すように、上固定ドラム5に設けられた微小面積の外周壁15aの最上部に設けられた凸部15bは、磁気テープ2よりも上側に位置するように形成されている。このような構成であれば、図3に示すような、テープガイド8と9を介して、磁気テープ2がヘッドドラム装置10に巻き付けられる時に、テープガイド8、9の動作による微小な振動の影響により、磁気テープ2の挙動が不安定になり、磁気テープ2が上方向(図4の矢印G方向)に移動しても、外周壁15aの最上部に設けられた凸部15bに磁気テープ2の上端部2aが当接して上方向への移動が規制され、さらなる磁気テープ2の上方向(矢印G方向)への移動を抑止することが出来る。
これにより、磁気テープ2は、ヘッドドラム装置7に巻き付く過程において、装置に対して振動などの外乱が発生して磁気テープ2が上方向へ変位しても、上固定ドラム5の微小面積の外周壁15a、および微小面積の外周壁15aの最上部に設けられた凸部15bにより支持あるいは規制されるため、上固定ドラム5の上へ乗り上げることなく、ヘッドドラム装置7に巻き付けられる。
こうして構成されたヘッドドラム装置7においては、磁気ヘッド4を含む回転ドラム3が回転することによって、磁気ヘッド4が磁気テープ2に接触する間に、映像および音声等の情報が記録される。また、記録済みの磁気テープ2であれば、上述と同じ動作で映像および音声等の記録情報を再生することができる。
以上のように本実施の形態によれば、上固定ドラム5の外周について、磁気テープ2と上固定ドラム5が対向する範囲において、磁気テープ2の高さよりも高い微小面積の外周壁15aを設け、且つ外周壁15aの最上部に凸部15bを設けて、磁気テープ2と対向する面積を出来る限り小さく形成することにより、上固定ドラム5が小型軽量化されるヘッドドラム装置を得ることが出来る。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3については、図2で示すヘッドドラム装置6に具備された上固定ドラム5が、樹脂材料や金属鋳物で成形されることにより、切削加工を用いることなく、微小面積の外周壁5aを設けられる。これは、磁気テープ2と対向する面積が小さいため、切削加工のような非常に精密な加工精度を必要としないことにより、樹脂材料や金属鋳物で容易に成形することが可能となる。なお、本発明の実施の形態3については、図4で示すヘッドドラム装置7についても適用が可能である。
本発明の実施の形態3については、図2で示すヘッドドラム装置6に具備された上固定ドラム5が、樹脂材料や金属鋳物で成形されることにより、切削加工を用いることなく、微小面積の外周壁5aを設けられる。これは、磁気テープ2と対向する面積が小さいため、切削加工のような非常に精密な加工精度を必要としないことにより、樹脂材料や金属鋳物で容易に成形することが可能となる。なお、本発明の実施の形態3については、図4で示すヘッドドラム装置7についても適用が可能である。
こうして構成されたヘッドドラム装置6および7においては、磁気ヘッド4を含む回転ドラム3が回転することによって、磁気ヘッド4が磁気テープ2に接触する間に、映像および音声等の情報が記録される。また、記録済みの磁気テープ2であれば、上述と同じ動作で映像および音声等の記録情報を再生することができる。
以上のように本実施の形態によれば、上固定ドラムの外周について、磁気テープと対向する面積を出来る限り小さく形成することにより、上固定ドラムは、精密な加工精度を必要としない、樹脂材料や金属鋳物で容易に成形可能となり、安価なヘッドドラム装置を得ることが出来る。
本発明にかかるヘッドドラム装置は、ビデオカメラなどの磁気記録再生装置に有用であり、小型軽量で、且つ安価に製造することに適している。その用途としては、ビデオテープレコーダー、デジタルビデオカメラ、DAT(デジタルオーディオテープレコーダー)などがあるが、回転ヘッドを用いて磁気テープに信号の記録再生を行うものであればよい。
1 下固定ドラム
2 磁気テープ
3 回転ドラム
4 磁気ヘッド
5 上固定ドラム
5a 外周壁
5b 凸部
6 ヘッドドラム装置
8、9 テープガイド
2 磁気テープ
3 回転ドラム
4 磁気ヘッド
5 上固定ドラム
5a 外周壁
5b 凸部
6 ヘッドドラム装置
8、9 テープガイド
Claims (6)
- 磁気テープを巻き付けて、前記磁気テープに対して信号の記録再生を行うヘッドドラム装置であって、
前記磁気テープ下端を支持して案内する下固定ドラムと、
前記下固定ドラムの上側に同軸的に回転し、少なくとも一つの磁気ヘッドを有し、外周の軸方向長さが磁気テープの幅よりも小さい回転ドラムと、
前記回転ドラムの上側に同軸的に設けられた上固定ドラムと、
前記上固定ドラムに前記磁気テープの上端の一部を支持する凸部とを備え、
本装置に前記磁気テープを巻回し前記下固定ドラムで前記磁気テープを支持している時、前記上固定ドラムの少なくとも一部が前記磁気テープの上端よりも下側に位置し、前記凸部の上端が前記磁気テープの上端よりも上側に位置するように構成したことを特徴とするヘッドドラム装置。 - 凸部は、上固定ドラムの半径方向外側に向かって突出する突出部を形成したことを特徴とする請求項1記載のヘッドドラム装置。
- 上固定ドラムが、樹脂材料や金属鋳物で成形されていることを特徴とする請求項1または2記載のヘッドドラム装置。
- 磁気テープに対して信号の記録再生を行う磁気記録再生装置であって、
前記磁気テープ下端を支持して案内する下固定ドラムと、前記下固定ドラムに対し同軸的に回転し少なくとも一つの磁気ヘッドを有した回転ドラムと、前記回転ドラムの上側に同軸的に設けられた上固定ドラムと、前記上固定ドラムに前記磁気テープの上端の一部を支持する凸部とからなるヘッドドラム手段と、
前記磁気テープをテープカセットから引き出し前記ヘッドドラム装置に巻き付ける第1及び第2のテープ案内手段とを備え、
前記凸部は、前記第1及び第2のテープ案内手段によって前記磁気テープを前記ヘッドドラムに巻回す際、前記磁気テープが前記ヘッドドラム装置に最初に当接する部位近傍に配したことを特徴とする磁気記録再生装置。 - 凸部は、上固定ドラムの半径方向外側に向かって突出する突出部を形成したことを特徴とする請求項4記載の磁気記録再生装置。
- 上固定ドラムが、樹脂材料や金属鋳物で成形されていることを特徴とする請求項4または5記載の磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004334149A JP2006147021A (ja) | 2004-11-18 | 2004-11-18 | ヘッドドラム装置、およびそれを用いた磁気記録再生装置 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006147021A true JP2006147021A (ja) | 2006-06-08 |
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ID=36626514
Family Applications (1)
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JP2004334149A Pending JP2006147021A (ja) | 2004-11-18 | 2004-11-18 | ヘッドドラム装置、およびそれを用いた磁気記録再生装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006147021A (ja) |
-
2004
- 2004-11-18 JP JP2004334149A patent/JP2006147021A/ja active Pending
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