JPH07241197A - 25−ヒドロキシビタミンd類の製造法 - Google Patents

25−ヒドロキシビタミンd類の製造法

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JPH07241197A
JPH07241197A JP30592794A JP30592794A JPH07241197A JP H07241197 A JPH07241197 A JP H07241197A JP 30592794 A JP30592794 A JP 30592794A JP 30592794 A JP30592794 A JP 30592794A JP H07241197 A JPH07241197 A JP H07241197A
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hydroxyvitamin
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cells
aqueous medium
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JP30592794A
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Akio Ozaki
明夫 尾崎
Hiroko Takano
裕子 高野
Katsuhiko Ando
勝彦 安藤
Keiko Ochiai
恵子 落合
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Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医薬品、食品あるいは飼料添加物などに有用
な化合物である25−ヒドロキシビタミンD類を安価で
効率よく製造する方法を提供する。 【構成】 スフィンゴモナス属に属する微生物由来で、
かつビタミンD類の25位の位置で特異的にビタミンD
類を水酸化する反応を触媒する酵素源およびビタミンD
類を水性媒体中に存在せしめ、ビタミンD類を25−ヒ
ドロキシビタミンD類に変換させ、生成した25−ヒド
ロキシビタミンD類を該水性媒体中より採取することを
特徴とする25−ヒドロキシビタミンD類の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、25−ヒドロキシビタ
ミンD類の製造方法に関する。25−ヒドロキシビタミ
ンD類は、医薬品、食品あるいは飼料添加物などに有用
な化合物である。
【0002】
【従来の技術】25−ヒドロキシビタミンD類の製造方
法として、スチグマステロール、エルゴステロール、コ
レステロールなどの種々のステロールを出発原料とした
有機合成法が知られているが [有機合成化学,37,755-77
0(1979)、有機合成化学,37,809-829(1979)]、ビタミン
D類の25位に水酸基を直接導入する方法は知られてい
ない。
【0003】生物学的方法によりビタミンD類の25位
に水酸基を導入する方法として、動物の肝臓を用いる方
法[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサ
ーチ・コミュニケーション(Biochem. Biophys. Res. C
ommun.),36,251-256(1969)]、ストレプトマイセス
属、ノカルジア属またはアミコラータ属に属する放線菌
を用いる方法[特公平4−64678号公報、特開平2
−231089号公報、特開平4−356190号公
報、アプライド・アンド・エンバイロンメンタル・マイ
クロバイオロジー(Appl. Environ. Microbiol. ),57,
2841-2846(1991)]およびノカルジア属またはアミコラ
ータ属に属する放線菌由来の、25位に水素原子を有す
るビタミンD類の25位水素原子を水酸基に変換するこ
とのできる水酸化酵素をコードする遺伝子を含むDNA
を含有する組換え体DNAを保持する、ストレプトマイ
セス属に属する形質転換微生物を用いる方法が知られて
いる(WO 94/00576)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
で効率よく25−ヒドロキシビタミンD類を製造する方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、スフィ
ンゴモナス属に属する微生物由来で、かつビタミンD類
の25位の位置で特異的にビタミンD類を水酸化する反
応を触媒する酵素源およびビタミンD類を水性媒体中に
存在せしめ、ビタミンD類を25−ヒドロキシビタミン
D類に変換させ、生成した25−ヒドロキシビタミンD
類を該水性媒体中より採取することを特徴とする25−
ヒドロキシビタミンD類の製造法を提供することができ
る。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるビタミンD類としては、例えば、ビタミンD2
導体、ビタミンD3 誘導体、ビタミンD4 誘導体、ビタ
ミンD5 誘導体、ビタミンD6 誘導体、ビタミンD7
導体があげられ、それらの17位側鎖が水素原子、水酸
基、低級アルキル基などで置換されているものでもよ
い。具体的には、ビタミンD2 、ビタミンD3 、ビタミ
ンD4 、ビタミンD5 、ビタミンD6 、ビタミンD7
24−オキソビタミンD3 、1α−ヒドロキシビタミン
2 、1α−ヒドロキシビタミンD3 、1α−ヒドロキ
シビタミンD4 、1α−ヒドロキシビタミンD5 、1α
−ヒドロキシビタミンD6 、1α−ヒドロキシビタミン
7 、1α−ヒドロキシ−24−オキソビタミンD3
1α,24−ジヒドロキシビタミンD3 、24−ヒドロ
キシビタミンD3 、23−ヒドロキシビタミンD3 、2
3−ヒドロキシビタミンD4 、1α,23−ジヒドロキ
シビタミンD3 、1α,23−ジヒドロキシビタミンD
4 、26−ヒドロキシビタミンD2 、26−ヒドロキシ
ビタミンD3 、26−ヒドロキシビタミンD4 、1α,
26−ジヒドロキシビタミンD 2 、1α,26−ジヒド
ロキシビタミンD3 、1α,26−ジヒドロキシビタミ
ンD4 、23,24−ジヒドロキシビタミンD3 、2
3,26−ジヒドロキシビタミンD3 、23,26−ジ
ヒドロキシビタミンD4 、ビタミンD3 26,23−ラ
クトン、1α−ヒドロキシビタミンD3 26,23−ラ
クトン、24,24−ジフルオロビタミンD3 、24,
24−ジクロロビタミンD3 、26,26,26,2
7,27,27−ヘキサフルオロビタミンD3 などを例
示することができる。
【0007】本発明の25−ヒドロキシビタミンD類の
製造法で用いられる酵素源は、ビタミンD類の25位を
特異的に水酸化して25−ヒドロキシビタミンD類を生
成する反応を触媒する活性を有していれば、微生物、そ
の培養物、菌体、菌体処理物、精製酵素または粗酵素の
いずれでもよい。微生物の好適な例としてはスフィンゴ
モナス属に属する微生物があげられる。具体的には、ス
フィンゴモナス・エスピーHD−1あるいはこれらの菌
株の継代培養物、突然変異体もしくは誘導体などがあげ
られる。
【0008】スフィンゴモナス・エスピーHD−1は北
海道の土壌から新たに分離した微生物である。以下にそ
の菌学的性質を示す。 1.形態的性質 HD−1の形態的性質を第1表に示す。
【0009】
【表1】
【0010】2.培養的性質 HD−1の培養的性質を第2表に示す。
【0011】
【表2】
【0012】3.生理学的性質 HD−1の生理学的性質を第3−(1)表および第3−(2)
表に示す。
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】4.その他の諸性質 HD−1のその他の諸性質を第4表に、化学分類学的性
質を第5表示す。
【0016】
【表5】
【0017】
【表6】
【0018】以上の菌学的性質を有する菌について、マ
イクロバイオロジカル・イミュノロジー(Microbiologi
cal Immunology),34,99-119(1990)記載の菌学的性質と
照合した結果、本菌株をスフィンゴモナス(Sphingomon
as)属に属する微生物と同定し、スフィンゴモナス・エ
スピーHD−1と命名した。本菌株は、ブダペスト条約
に基づいて平成5年11月2日付で通産省工業技術院生
命工学工業技術研究所にFERM BP−4456とし
て寄託されている。
【0019】スフィンゴモナスに属し、ビタミンD類の
25位を特異的に水酸化する能力を有する微生物を培養
するために用いる培地としては、該微生物が資化し得る
炭素源、窒素源、無機物その他の栄養素を含有し、該微
生物の培養を効率的に行える培地であれば、天然培地、
合成培地のいずれでも良い。炭素源としては、グルコー
ス、フラクトース、シュークロース、糖蜜、デンプンあ
るいはデンプン加水分解物などの各種炭水化物、ソルビ
トール、マンニトールなどの各種糖アルコール、グリセ
ロール、あるいは酢酸、プロピオン酸、クエン酸などの
各種有機酸、エタノール、プロパノールなどのアルコー
ル類などが用いられる。
【0020】窒素源としては、アンモニア、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸
アンモニウムなどの各種無機または有機アンモニウム
塩、その他含窒素化合物、ならびに、ペプトン、NZア
ミン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、
カゼイン加水分解物、大豆粕、大豆粕加水分解物、各種
発酵菌体およびその消化物などが用いられる。
【0021】無機物としては、リン酸第一カリウム、リ
ン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫
酸銅、炭酸カルシウムなどが用いられる。
【0022】培養は、振盪培養または通気撹拌培養など
の好気的条件下で行われる。培養温度は15〜37℃が
好適で、培養時間は通常16〜96時間である。培養中
pHは5.0〜9.0に保持する。pHの調整は、無機
あるいは有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシュ
ウム、アンモニアなどを用いて行う。
【0023】ビタミンD類を25−ヒドロキシビタミン
D類に変換させる反応は、スフィンゴモナス属に属する
微生物由来で、かつビタミンD類の25位の位置で特異
的にビタミンD類を水酸化する反応を触媒する酵素源お
よびビタミンD類を水性媒体中に存在せしめることによ
り行うことができる。酵素源としては、、ビタミンD類
の25位の位置で特異的にビタミンD類を水酸化する反
応を触媒する活性を有しているスフィンゴモナス属に属
する微生物の培養物、菌体または菌体処理物などが用い
られる。
【0024】菌体処理物としては、菌体の乾燥物、凍結
乾燥物、界面活性剤処理物、酵素処理物、超音波処理
物、機械的摩砕処理物、溶媒処理物、菌体の蛋白分画、
菌体および該菌体処理物の固定化物などがあげられる。
また、該菌体より抽出したビタミンD類の25位を特異
的に水酸化する活性を有する酵素、それらの酵素の精製
標品、固定化物なども用いられる。
【0025】水性媒体としては、水、リン酸塩、炭酸
塩、酢酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、トリスなどの緩衝
液、メタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸
エチルなどのエステル類、アセトンなどのケトン類およ
びアセトアミドなどのアミド類などの有機溶媒を含有し
た水溶液、およびスフィンゴモナス属に属し、ビタミン
D類の25位を特異的に水酸化する能力を有する微生物
の培養液、菌体または菌体処理物を得るために用いる培
地などがあげられる。
【0026】反応は通常、温度15〜50℃、pH6.
0〜9. 0で行う。反応時間は、培養物、菌体または菌
体処理物の量およびビタミンD類の量により異なるが、
通常1〜96時間である。反応液中の菌体および菌体処
理物の濃度は、用いる基質の量などにより決定される
が、通常は湿菌体として1〜300g/Lで用いられ
る。
【0027】反応に用いるビタミンD類は、0.01〜
10g/Lの範囲で用いられる。水性媒体中から、25
−ヒドロキシビタミンD類を回収する方法としては、該
水性媒体中より微生物菌体または菌体処理物などの沈殿
物を遠心分離などの手段により除去し、得られる上清を
溶媒抽出法、吸着樹脂およびイオン交換樹脂などを用い
るカラムクロマトグラフィーあるいは晶出法など、通常
の分離方法が用いられる。
【0028】以下に本発明の実施例を示す。
【0029】
【実施例】
実施例1 YMG培地[グルコース0.4%、酵母エキス0.4
%、麦芽エキス1.0%を含み、6N水酸化ナトリウム
(NaOH)でpH7.3に調整した培地]を試験管
(径25mmx200mm)に10mlずつ分注し、1
20℃、20分間殺菌した。この培地に、イースト・ブ
イヨン寒天平板培地[粉末ブイヨン(極東製薬社製)2
%、酵母エキス0. 5%、寒天1.5%を含み、6N
NaOHでpH7.2に調整後、120℃、20分間殺
菌した培地]に生育したスフィンゴモナス・エスピーH
D−1を一白金耳植菌し、28℃、2日間振盪培養し種
培養液として用いた。
【0030】この種培養液20mlを、2リットル三角
フラスコに250ml分注し、120℃、20分間殺菌
した本培養用培地[グルコース1.5%、塩化ナトリウ
ム0.5%、コーンスティープリカー1.0%、バクト
ソイトーン(ディフコ社製)0.75%を含み、6N
NaOHでpH7.1に調整した培地]に植菌し、28
℃で2日間振盪培養した。該培養液に、ビタミンD3
2%エタノール溶液(w/v)2.7mlを添加し、更
に28℃で3日間振盪培養した。得られた本培養液25
0mlにメタノール700mlおよびクロロフォルム2
50mlを添加し、10分間振盪を行った後に、クロロ
フォルム250mlおよび水250mlを加えて静置し
て二相に分離させ、このうち下層のクロロフォルム相を
採取した。クロロフォルム相に無水硫酸ナトリウムを加
えて脱水した後に、減圧下で濃縮し、得られた培養液の
抽出濃縮液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
により分析した。
【0031】HPLCは島津製作所社製HPLCシステ
ムを用いて行った。カラムはゾルバックスSIL(径4.
6mm x250 mm、デュポン社製)を用いた。移動相は12
%(v/v)の2−プロパノールを含むn−ヘキサンを
使用し、カラム温度40℃、流速1.5ml/分で分析
を行い、265nmの紫外吸収にて一次検出を行い、検
出されたピークについて、フォトダイオードアレイ検出
器で吸収スペクトルの測定を行った。
【0032】その結果、保持時間2.68分および4.
39分に、ビタミンD3 類の吸収スペクトルと一致する
265nmに吸収極大を有するピークを認めた。標準品
のHPLC分析の結果と比較した結果、2.68分のピ
ークはビタミンD3 のピークと、4.39分のピークは
25−ヒドロキシビタミンD3 のピークとそれぞれ一致
した。また、ビタミンD3 および25−ヒドロキシビタ
ミンD3 のピーク以外には、ビタミンD類の吸収スペク
トルを示すピークは確認されなかった。
【0033】本培養液1リットル分の抽出濃縮液を併
せ、10%(v/v)の2−プロパノールを含むn−ヘ
キサンで平衡化したシリカゲル(BW−300、富士シ
リアル化学社製)カラム(径25mmx250mm )に吸着後、
同じ溶媒にて溶出し、25−ヒドロキシビタミンD3
対応する画分を集め、減圧下で濃縮した。濃縮液を30
%(v/v)n−ヘキサンを含むジクロロメタンで平衡
化したセファデックスLH−20カラム(径30mmx450m
m 、ファルマシア社製)に吸着後、同じ溶媒にて溶出分
画を行った。25−ヒドロキシビタミンD3 に対応する
画分を集め、減圧下で濃縮し、25−ヒドロキシビタミ
ンD3 を3.0mg得た。本標品を分析した結果、13
−NMRスペクトル、 1H−NMRスペクトル、マスス
ペクトルで、25−ヒドロキシビタミンD3 標準品(フ
ナコシ株式会社製)と一致した。
【0034】実施例2 本培養用培地を試験管(径25mmx200mm)に10mlずつ
分注し、120℃で20分間殺菌した。この培地に、実
施例1と同様の方法で取得した種培養液1mlを無菌的
に接種し、28℃で2日間振盪培養した後、ビタミンD
3 の2%(w/v)エタノール溶液を200μl添加
し、更に3日間28℃で振盪培養した。得られた培養液
0.1mlに、メタノール0.2mlおよびクロロフォ
ルム0.1mlを加え、10分間振盪した後に、クロロ
フォルム0.1ml、水0.1mlを加え、15,00
0rpmで5分間遠心分離し、下層のクロロフォルム相
を採取した。残存する上層にクロロフォルム0.2ml
を加え、10分間振盪した後、遠心分離し下層のクロロ
フォルム相を採取した。採取したクロロフォルム相を併
せ、減圧下で濃縮乾固した。これを12%(v/v)の
2−プロパノールを含むn−ヘキサン0.2mlに溶解
し、HPLCにより分析を行った。
【0035】HPLCは島津製作所製HPLCシステム
を用いて行った。カラムはゾルバックスSIL(径4.6m
m x250 mm、デュポン社製)を用いた。移動相は12%
(v/v)の2−プロパノールを含むn−ヘキサンを使
用し、カラム温度40℃、流速1.5ml/分で分析を
行い、265nmの紫外吸収にて検出を行った。その結
果、12.9mg/Lの25−ヒドロキシビタミンD3
が生成していることが確認された。また、25−ヒドロ
キシビタミンD3 以外にはビタミンD3由来の水酸化化
合物は確認されなかった。
【0036】実施例3 本培養用培地を試験管(径25mmx200mm)に10mlずつ
分注し、120℃で20分間殺菌した。この培地に、実
施例1と同様の方法で取得した種培養液1mlを無菌的
に接種し、28℃で2日間振盪培養した。該本培養液1
0mlを10,000rpmで15分間遠心分離し、湿
菌体を採取した。得られた湿菌体を25mMコハク酸2
ナトリウムを含む0.1M TES緩衝液(pH7.
3)〔N-Tris(hydroxymethyl)methyl-2-aminoethanesul
fonic acid、和光純薬工業社製〕により洗浄後、遠心分
離し、得られた菌体を同緩衝液10mlに懸濁した。懸
濁液にビタミンD3 の2%(w/v)エタノール溶液
0.1mlを添加し、28℃で3日間振盪して反応させ
た。反応液より実施例2と同様の方法で25−ヒドロキ
シビタミンD3 を抽出し、HPLCにより分析を行っ
た。
【0037】その結果、14.4mg/Lの25−ヒド
ロキシビタミンD3 が生成していることが確認された。
【0038】実施例4 実施例3と同様の方法で取得した湿菌体10gを生理食
塩水を用いて洗浄し、遠心分離した後、得られた菌体を
蒸留水に懸濁し15mlとした。この懸濁液にアルギン
酸ナトリウム(富士化学工業社製)0.9gを蒸留水3
0mlに溶解した溶液を加え、得られた混合液を2%塩
化カルシウム溶液に滴下することにより、粒径約2mm
の固定化菌体を得た。固定化菌体を湿菌体として100
g/lとなるように25mMコハク酸2ナトリウムを含
む0.1M TES緩衝液(pH7.3)を用いて調製
した。該固定化菌体懸濁液10mlにビタミンD3 の2
%(w/v)エタノール溶液0.1mlを添加し、28
℃で3日間振盪して反応させた。反応液より実施例2と
同様の方法で25−ヒドロキシビタミンD3 を抽出し、
HPLCにより分析を行った。その結果、5.3mg/
lの25−ヒドロキシビタミンD3 の生成を確認した。
【0039】実施例5 実施例2と同様の操作を、ビタミンD3 の代わりに1α
−ヒドロキシビタミンD3 を用いて実施した。その結
果、8.8mg/lの1α、25−ジヒドロキシビタミ
ンD3 が生成していることが確認された。1α、25−
ジヒドロキシビタミンD3 以外の1α−ヒドロキシビタ
ミンD3 由来水酸化化合物は確認されなかった。
【0040】実施例6 実施例2と同様の操作を、ビタミンD3の代わりにビタ
ミンD2を用いて実施した。その結果、10.9mg/
lの25−ヒドロキシビタミンD2が生成していること
が確認された。25−ヒドロキシビタミンD2以外のビ
タミンD2由来水酸化化合物は確認されなかった。
【0041】参考例1 菌株としてアミコラータ・オートロフィカ(Amycolata
autorophica)JCM4348を、本培養培地としてグ
ルコース1.5%、塩化ナトリウム0.5%、コーンス
ティープリカー0.5%、バクトソイトーン1.5%を
含む培地(6N NaOHでpH7.1に調整)を用い
る以外は、実施例2と同様の方法で培養、抽出および分
析を行った。
【0042】その結果、3.8mg/lの25−ヒドロ
キシビタミンD3 および0.94mg/lの1α,25
−ヒドロキシビタミンD3 が生成していることが確認さ
れた。
【0043】参考例2 実施例2と同様の操作を、ビタミンD3 の代わりに25
−ヒドロキシビタミンD3 を用いて実施した。その結
果、25−ヒドロキシビタミンD3 以外の25−ヒドロ
キシビタミンD 3 由来の水酸化化合物は確認されなかっ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、安価で効率よく25−
ヒドロキシビタミンD類を製造する方法を提供すること
ができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スフィンゴモナス属に属する微生物由来
    で、かつビタミンD類の25位の位置で特異的にビタミ
    ンD類を水酸化する反応を触媒する酵素源およびビタミ
    ンD類を水性媒体中に存在せしめ、ビタミンD類を25
    −ヒドロキシビタミンD類に変換させ、生成した25−
    ヒドロキシビタミンD類を該水性媒体中より採取するこ
    とを特徴とする25−ヒドロキシビタミンD類の製造
    法。
  2. 【請求項2】スフィンゴモナス属に属する微生物が、ス
    フィンゴモナス・エスピーHD−1(FERM BP−
    4456)である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】酵素源が、微生物の培養物、菌体または菌
    体処理物である請求項1または2記載の製造法。
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