JPH0724110B2 - 光記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は光学的記録再生装置の案内トラックを有する光
学ディスクのトラック飛び検出制御装置に関するもので
ある。

従来の技術 光学的情報記録再生装置としては、例えば光感応性材料
を塗布又は蒸着した光学ディスクを回転させておき、前
記光ディスクにレーザ光源等からの光束を直径１μｍ以
下に絞った微小スポット光を照射し、その光出力強度を
記録信号で変調することによって光学ディスク上に凹凸
による位相変化、屈折率変化あるいは反射率や透過率の
変化などの光学的特性変化としてリアルタイムでビデオ
信号やディジタル信号等の情報の記録が行なえ、かつ前
記光学的特性変化を検出することにより記録した情報の
再生が行なえる装置は提案されている。

かかる装置では、記録トラックの高密度化、離散的な部
分書き込みあるいは消去などの理由により、記録しよう
とするトラックを案内する案内トラックを同心円あるい
はスパイラル状に予め設けておき、前記案内トラックに
追従するようにトラッキング制御をかけながら定められ
たトラックに情報を記録し、またそのトラックから情報
を再生する光学的情報記録再生装置が考えられる。

光学ディスクに形成された案内トラックは例えば凹凸の
溝上構造が適当である。情報はこの案内トラックの設け
られた光学ディスクに蒸着されたアモルファス金属のご
とき記録媒体に記録される。情報は記録媒体の蒸発によ
る穴形成または極所的な黒化という形で蓄積される。

案内トラックの識別は案内トラックで反射されたレーザ
光束の遠視野パターンが案内トラック方向の両側に光強
度分布の偏りで行なわれる。この偏りは分割境界が前記
案内トラックの接線方向を平行になるように配された２
つの受光部をもつ光検出器で光電変換されて、トラッキ
ング制御手段へ印加される。

案内トラックを有する光学ディスクとしては第２図のよ
うな構造が考えられる。第２図は光学ディスク１の円板
の一部を示す図で、光学ディスク１の面Ｒ側には、幅W,
ピッチP,深さδの溝状案内トラック10a〜10eが同心円
状、あるいはスパイラル状に掘ってある。11a〜11eは溝
間を示す。光感応性の記録材料は面Ｒ側から塗布されて
記録面12を形成している。光スポットの面Ｒで集光され
ている。記録および再生のときは光スポットが溝状案内
トラック10上に投射されるようにトラッキング制御がか
けられる。記録時には光源の光出力を大きくし、ディス
ク１上の溝状案内トラック10上に投射される光スポット
の光エネルギーを大きくして案内トラック10上に塗布さ
れた記録材料を感光させている。その結果溝状案内トラ
ック上の記録部分の反射率が変化する。この反射率の変
化を記録時より小さな光出力の光スポットを用いて検出
すれば記録信号を再生することが出来る。記録した時の
溝状案内トラック内の記録材料が感光した様子を13に示
す。この場合は記録材料が黒化し、反射率が大きくなっ
た例を示している。前記案内トラック10a〜10eの幅W,ピ
ッチP,深さδの具体的な値としては例えば幅Ｗ＝0.6μ
m,ピッチＰ＝1.6μm,深さδ＝1000A（前記レーザ光源３
の光波長の1/8の光路長）程度が選ばれる。

発明が解決しようとする問題点 第３図は光学ディスクと、トラック飛びを起したときの
光ビームの走査軌跡を示す図である。光学ディスク１に
は第３図に示すようなトラック番地領域2A,2Bにあらか
じめ溝の凹凸によって番地信号をカッティングしてお
き、必要とするトラックの検索，識別に用いている。通
常トラック番地領域は１トラックについて１または２カ
所設けている。すなわち１つのトラックを１回転再生し
ているときは１周について２回しか現在トラック番地の
確認はできないわけである。

光学ディスク１に情報を記録する順序としては例えば第
３図に示すように現在トラック３を検索し、トラック番
地2Aを再生後，記録開始点７から記録モードに入る。つ
まり７より光源のレーザが記録媒体を感光させるのに必
要なパワーに設定され、光ビームは情報記録信号に応じ
て変調される。トラック記録中においてトラッキングサ
ーボか現在トラック３からはずれ、他のトラックを横切
りながらトラック飛びを起こすことが、頻度は少ないが
ありうる。原因としては、ディスク１上の溝の変形，表
面のキズあるいはセクターに分割して記録した場合は記
録開始時にトラッキングサーボが不安定になることが考
えられる。さらに外部から光学ヘッドに振動，衝撃等加
えた場合もトラック飛びが起る。このように記録中にト
ラック飛びが起っても前述したように番地信号2Bを再生
するまでは検出できない。つまり区間６はトラック飛び
が検知されずに現在トラック３と誤認したままで飛び先
トラック５に情報を記録してしまうことになる。さらに
不都合なことにトラック飛び８を起こすと、トラック４
を横切りながら記録してしまう。もしトラック４に情報
が記録済であれば、２重書きを行い、トラック４の情報
をつぶしてしまう。トラック飛びがさらに多くのトラッ
クを横ぎることを考えると、横切られたトラックの情報
はすべて２重書きとなり、情報の欠落をまねく。たとえ
未記録トラックであっても、横切られたトラック４はす
べて記録不可となる。このようにトラック飛びの被害は
大きいため、記録中にトラック飛びを起こした時は瞬時
に記録モードを停止しなければならない。

本発明はこのように記録中にトラック飛びを起こし、誤
ったトラックに書き込みをしたり、トラックを横切りな
がら記録し、記録済トラックの情報が破壊されるのを確
実に防ぐ目的でなされたものである。

問題点を解決するための手段 本発明は、案内トラックを備えた光学ディスクにレーザ
光源を絞り、情報を記録するように構成し、情報の記録
を行っている案内トラックから他の案内トラックへのト
ラック飛びをトラック横断信号から検出し、レーザ光源
の光パワーを記録状態から非記録状態に変化させる事を
特徴とする光記録再生装置である。

作用 本発明はトラック飛びを、番地信号を再生する事なく、
トラック横断信号を利用して光ビームが記録トラックか
ら飛び出す瞬間のタイミングで検出し、瞬時に記録パワ
ーを低減し、誤記録，二重記録を防止するようにした構
成で、このトラック飛び検出回路系が正常に動作してい
るか自己診断する機能を持つものである。

実施例 以下本発明の自己診断機能を持ったトラック飛び検出制
御装置を備えた光学的記録再生の実施例を第１図に基づ
いて説明する。光学ディスク１はディスクモータ20によ
って回転している。半導体レーザ等の光源21から出た光
は集光レンズ22によって集められ、絞りレンズ23によっ
て光学ディスク１上にφ１μｍ程度の光スポットに絞ら
れる。光学ディスク１からの反射光はλ/4板24と偏光ビ
ームスプリッタ25により分離され、２分割光検出器26に
導かれる。この光検出器26は光学ディスク１上のトラッ
クに対してその分割線が平行になるように配されてい
る。この２分割光検出器26のトラッキング誤差信号27は
トラッキング・ジャンピング制御回路28を経て絞りレン
ズ23をトラックに直角方向に駆動し、トラッキング制御
がかけられている。また再生信号出力29は記録信号の再
生およびトラック番地の再生に用いられている。

半導体レーザ等の光源21は駆動回路30によって再生パワ
ーまたは記録パワーに設定される。ディジタル信号また
はビデオ信号等の記録信号が記録信号発生回路31によっ
て発生し、記録時における半導体レーザのパワーを変調
している。

第４図はスパイラル状の案内トラックを有する光学ディ
スク１に記録中、トラック飛び８を起こした時の各部の
信号波形を示す図である。第１図の構成図の中で示す
（ｂ）（ｃ）（ｄ）（ｅ）（ｆ）（ｇ）はそれぞれ第４
図の信号波形（ｂ）（ｃ）（ｄ）（ｅ）（ｆ）（ｇ）に
対応している。（ａ）は光ビームの走査方法のトラック
断面図で、光ビームから見た図である。40は溝トラック
を、41は溝間平坦部を表わし、それぞれそのレベルを示
している。第３図と各トラックは対応している。３は現
在記録中のトラックを表わし、黒化部分は感光状態を示
しており、外部からの衝撃等により異常なトラック飛び
８が起こると、トラック４を横切り、飛び先トラック５
にトラッキングサーボかかかっていることを表してい
る。第４図（ｂ）はトラッキング誤差信号27の出力波形
を表しており、これが横断信号となる。このように溝ト
ラック40から光スポットがはずれる時は27Aのごとく負
方向に溝間平坦部41から光スポットが溝トラック40に入
るときは27Bのごとく正方向にトラッキング誤差信号が
出力される。これは光ビームがディスクの内側から外側
へ横切る場合を示したが、ディスクの外側から内側に横
切る場合は、さきに正の誤差信号の27B、次に27Aとな
る。溝トラック40にトラッキングサーボがかかっている
時は第４図（ｂ）に示す様に当然誤差信号のレベルは零
付近になる。このように現在記録中のトラック３からト
ラッキングがはずれる瞬間、つまり27Aの波形の立ち下
りを検出すれば、他のトラックに記録ビームを走査させ
ることなくトラック飛び８を検出することができる。第
４図（ｂ）の誤差信号27の波形を、正コンパレータ32で
は42のしきい値で、負コンパレータ33では43のしきい値
で比較出力すれば、第４図（ｃ）および（ｄ）のトラッ
ク飛び検出信号44,45が得られる。この第４図（ｃ）ま
たは（ｄ）の最初のパルスの立ち上りは、トラック飛び
８が起り、まだ溝間平坦部41にビームに入っていないタ
イミングなので、この立ち上りのタイミングで半導体レ
ーザのパワーを再生光パワーに低減すれば、溝間平坦部
にも誤記録を防止することができる。第４図（ｄ）のパ
ルスが第４図（ｃ）のパルスよりも先に発生したとき
は、光ディスク１の内側方向へトラック飛びを起こした
ことを示しており、逆に第４図（ｃ）のパルスが先に発
生したときは、外側方向へトラック飛びを起こしたこと
が検知される。

第１図において、第４図（ｃ），（ｄ）のトラック飛び
パルス信号をORゲート34で論理和をとる。そしてその出
力でフリップフロップ35をセットし、アナログゲート36
を開いて、記録信号発生回路31と半導体レーザ駆動回路
30を遮断し、かつ半導体レーザ駆動回路30の光パワーを
記録パワーから再生パワーに低減している。第４図
（ｅ）は半導体レーザの光出力波形を表している。記録
時にはP_Rのバイアスパワーで記録信号が変調され、第４
図（ｄ）の最初のパルスの立ち上りで変調を停止し、再
生パワーに低減している。CPU37はトラック番地再生回
路38からの入力により飛び先トラックの番地を確認し、
フリップフロップ35をリセットして、次のトラック飛び
検出を待つ。

スパイラル状の案内トラックを有する光学ディスク１で
は、ディスク１周毎に元のトラックに復帰させるため
に、トラックを１本飛び越しジャンプしてその案内トラ
ックの先頭位置まで光ビームを移動させるジャンピング
操作が必要である。50は１周毎に行なわれるジャンピン
グ区間を示している。

このようにジャンピング操作を行うと、光スポットが案
内トラックの溝部から溝間を横切るため、トラック飛び
を起こしたときと同様に誤差信号（ｂ）に横断信号51が
検出される。ノーマルモードで使用時にはこの横断信号
51をトラック飛びと判断しないようにすることが必要で
ある。第４図の（ｆ）はジャンピングのための駆動パル
スより合成されたジャンピング区間パルス52を示してい
る。このジャンピング区間パルス52と前述した正負コン
パレータ32,33の出力（第６図（ｃ），（ｄ）をANDゲー
ト84を用いて論理積をとれば、横断信号51により形成さ
れるジャンピング区間のジャンピングパルス53,54をト
ラック飛び信号と判断しないようにすることができる。
このようにして得られた第４図（ｇ）のようなトラック
飛び検出信号55の最初のパルスの立ち上りエッジを用い
て、トラック飛びのみを正確にとらえ、第４図（ｅ）の
ように光パワーを記録状態から再生パワーに低減するこ
とができる。第１図の57のハイパスフィルタはトラッキ
ング制御時におけるディスク１回転の周期をもった誤差
電圧を取り除くもので、コンパレータ32,33の動作を確
実に行うために備えているものである。

このようにスパイラル状の案内トラックを有する光学デ
ィスクの特定トラックの間欠記録を続ける場合において
も、ジャンピング操作にかかわりなく正確にトラック飛
びを検出することができる。

以上は記録時におけるトラック飛びについてのべてきた
が、以下は本発明であるスティルジャンプ手段によるト
ラック飛びを用いて、記録時に外部衝撃等により生じる
異常トラックジャンプにより、光ビームが隣接トラック
に既に記録されているデータを破壊しない様にする保護
回路を自己診断する機能について説明する。

第１図において、81は自己診断モード発生回路、83はノ
ーマル使用モードＹと自己診断モードＸを切り替える為
の切り替え回路、86はラッチ回路である。

自己診断モードにおいては、モード切り替え回路83はＸ
ポジションにして、“1"レベルになる、NANDゲート84は
アクティブとなる。一方通常動作時には、スチルジャン
プ動作区間（第４図52に示す）のみNANDゲート84はノン
アクティブになる。

本発明の第１図の構成の詳細図を第５図に示す。第５図
の各構成部において第１図と同じ構成部は同じ番号で示
す。

前述した通常動作時では、第３図50に示す特定のディス
ク上の位置でスチルジャンプ動作時に、第４図52に示す
スチルジャンプ区画にトラックジャンプ動作が行われる
為、第４図（ｂ）51に示すトラック横断信号が発生す
る。このTE信号はフィルター57を経て第５図32に示す正
コンパレータで第４図（ｂ）に示すレベル42と比較す
る。その比較結果として、レベル42を越える時第４図
（ｃ）の53に示すトラック飛び検出信号が得られる。ま
た、第４図（ｂ）51に示すトラック横断信号はフィルタ
ー57を経て第５図33に示す負コンパレータで第４図
（ｂ）に示すレベル43と比較する。その比較結果とし
て、レベル43を越える時第４図（ｄ）の54に示すトラッ
ク飛び検出信号が得られる。

正コンパレータ32と負コンパレータ33から得られた第４
図（ｃ）（ｄ）のトラック飛び検出信号はOR回路34で加
算され、その加算されたトラック飛び検出信号はNANDゲ
ート84に入力される。しかし前述した様に通常動作時
は、このスチルジャンプ区間はNANDゲート84はノンアク
ティブである為、第４図（ｇ）に示す様にスチルジャン
プ区間（第４図52に示す）ではトラック飛び信号が出力
されない。

自己診断時にCPUはまずNANDゲート84を常にアクティブ
にする。次にCPUは通常の動作と同じく、スチルジャン
プ区間にのトラックジャンプ動作を行わせる。その為、
同じく第４図（ｂ）51に示すトラック横断信号が発生
し、このTE信号はフィルター57を経て第５図32、33の正
及び負コンパレータで第４図（ｂ）に示すレベル42、43
と比較する。その比較結果として、第４図（ｃ）53及び
（ｄ）54に示すトラック飛び検出信号が得られる。次に
第４図（ｃ）（ｄ）のトラック飛び検出信号はOR回路34
で加算され、NANDゲート84に入力される。このときNAND
ゲート84は前述した様にアクティブである為、第４図
（ｇ′）に示すトラック飛び信号が出力される。

この出力信号（ｇ′）は第１図のラッチ回路86のセット
端子（ｓ）に入力されてラッチ回路86がセットされる。
そのセット信号出力ＱはCPUに入力されて、CPUはトラッ
クジャンプを検出した事が認識できる。認識後CPUはラ
ッチ回路86をリセットして、引き続きトラック飛びが検
出されるのを待つ。

以上のように、自己診断時にスチルジャンプを利用し
て、通常動作時に予期できない異常なトラック飛びを検
出する回路系が正常に動作するかどうかを検証するもの
である。

発明の効果 以上本発明のトラック飛び検出制御装置によれば、記録
中に不意にトラック飛びが起ったことをトラック横断信
号により瞬時に検出し、記録パワーを低減し、誤記録を
防止する制御をより確実にでき。そしてスパイラル状ト
ラックを有したディスクの１回転毎にトラックを飛び越
すジャンピング操作時に検出されるトラック横断信号と
前述したトラック飛びによる横断信号を区別することに
よって誤記録を防止することができる。

本発明ではトラック飛び検出回路系が異常であったがた
めに、トラック飛びが起きたにもかかわらずそれが検出
できず、誤記録、二重記録をするという事を事前に確実
に検査することにより防ぐことができるため、光学ディ
スク上の記録データの信頼性を飛躍的に向上させる事が
できる。

また、自己診断時に通常動作のスチルジャンプのトラッ
ク飛びを利用する為、回路構成が簡単である。

さらに、この自己診断において、逆にトラック飛びが確
実に実行されている事が確認でき、スチルジャンプ動作
の安定性が検証出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の自己診断機能を持ったトラ
ック飛び検出制御装置を備えた光学的記録再生装置の構
成図、第２図は案内トラックを備えた光学ディスクの構
造図、第３図は光学ディスクとトラック飛びを起こした
ときの光ビームの軌跡図、第４図はトラック飛びを起こ
したときの各部の信号波形を示す図、第５図は本発明の
一実施例の具体詳細図である。 １……光学ディスク、3,4,5,10……案内トラック、８…
…トラック飛び区間、21……半導体レーザー等の光源、
26……光検出器、27……トラッキング誤差信号、28……
トラッキング・ジャンピング制御回路、32,33……正負
コンパレータ、44,45,55……トラック飛び検出信号、50
……ジャンピング区間、53,54……ジャンピングパル
ス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】案内トラックがスパイラル状の光ディスク
   にレーザー光源を絞り記録再生する手段と、前記光学デ
   ィスクからの反射光または透過光を受光しその検出光か
   らトラック横断信号を検出する手段と、前記光学ディス
   クの１回転毎にディスクのある決まった位置で１本前の
   トラックにトラック飛びを強制的にさせるスティルジャ
   ンピング手段と、通常時前記スティルジャンプ期間にト
   ラック飛びを検出せずに、自己診断時又はドライブたち
   上げ時にトラック飛びを検出する様に制御出来る機能を
   持った、前記記光学ディスクのあるトラックから外乱等
   の理由により他のあるトラックに異常トラック飛びが発
   生した時その異常トラック飛びを検出する手段とを備
   え、前記自己診断時またはドライブたち上げ時に前記異
   常トラック飛びを検出する手段の動作が正常に検出する
   かを、前記トラック飛びを検出するまたはしないを制御
   する機能を用いて、前記スティルジャンプ手段によるト
   ラック飛びを異常時生じるトラッジャンプに代用して検
   証する事を特徴とする光記録再生装置。