JPH07238315A - 耐硝酸腐食性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼材の製造方法 - Google Patents

耐硝酸腐食性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼材の製造方法

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JPH07238315A
JPH07238315A JP33938893A JP33938893A JPH07238315A JP H07238315 A JPH07238315 A JP H07238315A JP 33938893 A JP33938893 A JP 33938893A JP 33938893 A JP33938893 A JP 33938893A JP H07238315 A JPH07238315 A JP H07238315A
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heat treatment
nitric acid
stainless steel
corrosion resistance
steel material
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Toru Inazumi
透 稲積
Akihide Yoshitake
明英 吉武
Manabu Tamura
学 田村
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化性の金属イオンを含有する高温硝酸に対
し高い耐食性を得る。 【構成】 C:0.02wt.%以下、Si:1.0wt.%以
下、Mn:2.0wt.%以下、P:0.04wt.%以下、
S:0.03wt.%以下、Ni:8〜25wt.%、Cr:1
5〜27wt.%、N:0.06wt.%以下、および、残部:
Feおよび不可避的不純物からなるオーステナイトステ
ンレス鋼材に対し、650から950℃の範囲内の温度
によって1分間以上加熱することからなる熱処理を施
し、次いで、熱処理温度が650から850℃未満の場
合には、急冷または放冷により常温まで冷却し、そし
て、熱処理温度が850℃以上から950℃の場合に
は、急冷により常温まで冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸化性の金属イオン
を含有する高温硝酸に対し高い耐食性を有する、耐硝酸
腐食性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼材の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、使用済み核燃料の再処理プラン
トにおける、使用済み核燃料を高濃度の硝酸によって溶
解するための溶解槽、硝酸による溶解液を蒸発させて前
記溶解液中から硝酸を回収するための硝酸回収蒸発管等
の材料のように、Cr6+等の酸化性金属イオンを含有す
る高温の硝酸環境下で使用される材料としては、粒界腐
食の原因の1つであるCr欠乏層の生成を抑制するため
に、炭素含有量が極めて低く、必要に応じて少量のNb
が添加され、溶体化熱処理の施されたオーステナイト系
ステンレス鋼材が使用されている。
【0003】しかしながら、上述したオーステナイト系
ステンレス鋼材を使用しても、依然として激しい粒界腐
食が生ずる。
【0004】そこで、耐粒界腐食性を高めるために、例
えば特開昭59−222563号公報には、C:0.0
05wt.%以下、Si:0.4wt.%以下、Mn:0.1〜
12wt.%、Cr:15〜30wt.%、Ni:7〜28wt.
%、P:0.005wt.%以下、N:0.06〜0.30w
t.%、残部:実質的にFeからなる、オーステナイト系
ステンレス鋼(以下、「先行技術1」という)が開示さ
れている。
【0005】また、特開昭60−100629号公報に
は、オーステナイト系ステンレス鋼に、加工度40%以
上の冷間加工を施し、次いで、得られた冷間加工材を、
P等の粒界偏析が生じない温度域で再結晶させ、清浄な
粒界を作り出すことからなる、オーステナイト系ステン
レス鋼の製造方法(以下、「先行技術2」という)が開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先行技術1によれば、
P含有量を0.005wt.%以下に限定することによって
Pの粒界偏析を抑え、これにより耐粒界腐食性の改善を
図っている。しかしながら、P含有量を0.005wt.%
以下にするためには、高品位の原料を使用しなければな
らず、このために、製造コストが非常に上昇する。
【0007】先行技術2によれば、冷間加工後、組織を
完全に再結晶させる熱処理によって、炭化物の均一分散
および結晶粒の微細化を図り、これにより不純物元素の
粒界偏析濃度をより小さくさせ、粒界腐食に対する抵抗
性の向上を図っている。しかしながら、このためには、
熱処理の前に40%以上の高い加工率による冷間塑性加
工を必要とする。従って、圧延機等の加工設備の荷重容
量や形状寸法が大になり、製造コストが上昇する上、製
造工程も複雑になり、製品の寸法および形状も制約され
る。
【0008】従って、この発明の目的は、酸化性の金属
イオンを含有する高温硝酸に対し高い耐食性を有するオ
ーステナイト系ステンレス鋼材を、P含有量を極端に低
くしたり、熱処理の前に高い加工率による冷間塑性加工
を施すような繁雑な工程を必要とせず、低コストで経済
的に製造するための、耐硝酸腐食性の優れたオーステナ
イト系ステンレス鋼材の製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者等
は、上述した問題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その
結果、炭素含有量が0.02wt.%以下のオーステナイト
系ステンレス鋼材に対し、650から950℃の範囲内
の温度によって1分間以上加熱することからなる熱処理
を施せば、酸化性の金属イオンを含有する高温硝酸中で
の耐食性を高め得ることを知見した。
【0010】この発明は上述の知見に基づいてなされた
ものであって、C:0.02wt.%以下、Si:1.0w
t.%以下、Mn:2.0wt.%以下、P:0.04wt.%以
下、S:0.03wt.%以下、Ni:8〜25wt.%、C
r:15〜27wt.%、N:0.06wt.%以下、および、
残部:Feおよび不可避的不純物からなるオーステナイ
トステンレス鋼材に対し、必要に応じて1030℃以上
の温度による溶体化熱処理を施した上、650から95
0℃の範囲内の温度によって1分間以上加熱することか
らなる熱処理を施し、次いで、常温まで急冷または放冷
することに特徴を有するものである。
【0011】この発明におけるオーステナイト系ステン
レス鋼材としては、C:0.02wt.%以下、Si:1.
0wt.%以下、Mn:2.0wt.%以下、P:0.04wt.%
以下、S:0.03wt.%以下、Ni:8〜25wt.%、C
r:15〜27wt.%、N:0.06wt.%以下、および、
残部:Feおよび不可避的不純物からなるオーステナイ
ト系ステンレス鋼材、例えばSUS304L、SUS3
10Sの圧延材または鍛造材が使用される。
【0012】この発明におけるオーステナイト系ステン
レス鋼材において、成分組成を上述のように限定した理
由を以下に述べる。
【0013】C:炭素含有量は0.02wt.%以下とす
る。即ち、炭素含有量が0.02wt.%を超えると、熱処
理時にクロム酸化物が粒界に析出する結果、クロム欠乏
層が粒界に生成して、耐硝酸腐食性を劣化させる。
【0014】P:炭素含有量を上述のように限定し、更
に、P(燐)含有量も0.04wt.%以下に限定すれば、
耐硝酸腐食性をより向上させることができる。即ち、P
含有量が0.04wt.%を超えると、熱処理時にPが粒界
に析出する結果、耐硝酸腐食性を劣化させる。
【0015】Si:Siはカソード反応を抑制し、高濃
度の酸化性の金属イオンを含有する高温硝酸中での耐食
性を向上させるが、1.0wt.%を超えて添加すると、例
えば、使用済み核燃料再処理プラントで生成するPd等
の白金族元素と接触した場合に著しく腐食が促進される
ので、1.0wt.%以下とする。
【0016】Mn:Mnはオーステナイト安定度を高め
て耐食性に有害なδ−フェライトの生成や加工誘起変態
を防止する効果があるが、2.0wt.%を超えて添加して
も所望の効果が得られないので2.0wt.%以下とする。
【0017】S :Sは溶接性を高める効果を有する
が、0.03wt.%を超えて添加すると、介在物の増加お
よび粒界偏析により耐食性を劣化させるので、0.03
wt.%以下とする。
【0018】Ni:NiはMnと同様な理由で最低8w
t.%添加するが、高価な元素なので上限を25wt.%とす
る。
【0019】Cr:Crは耐食性被膜を形成するが、硝
酸中の耐食性を得るためには、最低15wt.%必要であ
る。しかしながら、27wt.%を超えて添加すると、δ−
フェライトや金属間化合物の析出による耐食性劣化を招
き、これを防止するためには40wt.%以上のNiが必要
となりコスト高となる。従って、上限を27wt.%とす
る。
【0020】N :Nはオーステナイトステンレス鋼の
強度を高める効果を有しているが、0.06wt.%を超え
て添加すると、耐食性が劣化するので、0.06wt.%以
下とする。
【0021】この発明においては、上述した成分組成の
オーステナイト系ステンレス鋼を、通常の熱間圧延等に
より所定形状の鋼材に成形し、得られた鋼材に対し、直
接または溶体化熱処理を施した後、650から950℃
の範囲内の温度によって1分間以上加熱することからな
る熱処理を施す。これによって、オーステナイト系ステ
ンレス鋼材の耐硝酸腐食性を著しく高めることができ
る。
【0022】次に、熱処理温度を、上述した範囲内に限
定した理由を、図面に基づいて説明する。下記表1の成
分組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼の、長さ
30mm、幅20mm、厚さ8mmの試験片に対し、1
050℃の温度で30分間加熱した後、水冷することか
らなる溶体化熱処理を施し、次いで、350〜1000
℃の各種の温度で1時間加熱した後、水冷することから
なる熱処理を施した。このような各種の温度で熱処理が
施された各種試験片の各々に対し、Cr6+イオンを0.
1g/l含有する8N−HNO3 の沸騰硝酸溶液中に前
記各種試験片の各々を24時間浸漬し、その重量が減少
する速度即ち腐食速度を調べることからなる耐硝酸腐食
性試験を5回繰り返して施し、5回の腐食速度の平均値
を求めた。
【0023】
【表1】
【0024】図1は、熱処理温度と腐食速度との関係を
示すグラフである。図1において1点鎖線は溶体化熱処
理ままの腐食速度である。図1から明らかなように、熱
処理温度が例えば600℃の場合の腐食速度は1.53
27g/m2 ・hrであるのに対し、熱処理温度を65
0℃にすると、その腐食速度は0.6583g/m2
hrになり著しく低減する。一方、熱処理温度が950
℃を超えると逆に腐食速度が増加し、例えば1000℃
の場合の腐食速度は溶体化熱処理ままの腐食速度より悪
い0.8512g/m2 ・hrになる。従って、この発
明においては、熱処理温度を650から950℃の範囲
内に限定した。
【0025】次に、熱処理時間を、上述した範囲内に限
定した理由を、図面に基づいて説明する。上記と同じ試
験片に対し、1050℃の温度で30分間加熱した後、
水冷することからなる溶体化熱処理を施し、次いで、7
50℃の温度によって、0.5〜30分の各種の時間で
加熱した後、水冷することからなる熱処理を施した。こ
のような各種の時間で熱処理が施された各種試験片の各
々に対し、上述した耐硝酸腐食性試験を5回繰り返して
施し、5回の腐食速度の平均値を求めた。
【0026】図2は、熱処理時間と腐食速度との関係を
示すグラフである。図2において1点鎖線は溶体化熱処
理ままの腐食速度である。図2から明らかなように、熱
処理時間が例えば0.5分の場合の腐食速度は0.85
g/m2 ・hrであって溶体化熱処理ままの腐食速度と
ほぼ同じであるのに対し、熱処理時間を1分とすると、
その主食速度は0.6g/m2 ・hrになり著しく低減
する。従って、この発明においては、熱処理時間を1分
間以上に限定した。
【0027】上述の熱処理の施された鋼材は、次いで常
温まで冷却する。この冷却は、熱処理温度が650℃か
ら850℃未満の場合には、自然放冷でもまたは水冷等
による強制冷却でもよいが、熱処理温度が850℃以上
の場合には、350から625℃の温度帯を30分以上
通ることのない急冷によって行うことが必要である。熱
処理温度が850℃以上の場合に上述した急冷を行わな
いと、耐硝酸腐食性の向上効果が得られない。
【0028】上述した熱処理を施す前に、鋼材に対し溶
体化熱処理を施すことによって、耐硝酸腐食性をより向
上させることができる。溶体化熱処理温度は、1030
℃以上であることを必要とする。上記温度が1030℃
未満では上述した作用に所望の効果が得られない。
【0029】
【実施例】次に、この発明を実施例によって、この発明
の範囲外の比較例と対比しながら、更に詳細に説明す
る。
【0030】〔実施例1〕表2、表3に示すように、本
発明の範囲内の化学成分組成を有し且つ本発明の範囲内
の熱処理を施した本発明鋼材の供試体(以下、「本発明
供試体」という)No. 1〜12を調製した。比較のため
に、P含有量または熱処理条件が本発明の範囲外の比較
鋼材の供試体(以下、「比較供試体」という)No. 1〜
17を調製した。比較供試体No. 1〜4はSUS30
4、比較供試体No. 5〜15および本発明供試体No. 1
〜9はSUS304L、そして、比較供試体No. 16〜
17および本発明供試体No. 11、12はSUS310
Sである。このような比較供試体および本発明供試体
は、表2に示す化学成分組成のオーステナイト系ステン
レス鋼を高周波真空炉により溶製して、各々50kgの
スラブを鋳造し、得られたスラブの各々を熱間圧延して
厚さ8mmの薄板となし、次いで、表3に示す条件で前
記薄板に対し熱処理を施し、このように熱処理の施され
た薄板から、長さ30mm、幅20mmの試験片を切り
出すことによって調製した。
【0031】次いで、比較供試体No. 1〜17および本
発明供試体No. 1〜12の各々について、前述した耐硝
酸腐食性試験を行った。その試験結果を表3に併せて示
す。表3において、腐食速度(A)は、試験液として、
Cr6+イオンを0.1g/l含有する8N−HNO3
沸騰硝酸溶液を使用し、この試験液中に上述の各供試体
を24時間浸漬してその重量が減少する速度即ち腐食速
度を調べる試験を5回繰り返して行ない、その平均値に
よって評価した。また、腐食速度(B)は、試験液とし
て、Cr6+イオンを1.0g/l含有する8N−HNO
3 の沸騰硝酸溶液を使用したほかは、上記と同じ方法に
よって評価した。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】表2、表3から明らかなように、C含有量
が0.02wt.%を超えて多い比較供試体No. 1〜4は、
本発明の範囲内での熱処理を施しても耐硝酸腐食性は向
上せずむしろ劣化する。C含有量が0.02wt.%以下で
且つ本発明範囲内の条件で熱処理を施した本発明供試体
No. 1〜4は、何れも耐硝酸腐食性が優れている。一
方、C含有量0.02wt.%以下であっても、本発明の熱
処理を施さずまたは熱処理温度が本発明の範囲を外れて
低い比較供試体No. 5〜8は、何れも耐硝酸腐食性の向
上が認められない。また、熱処理温度が本発明の範囲内
である850℃であっても冷却を自然放冷によって行っ
た比較用供試体No. 9は、耐硝酸腐食性向上の効果が低
い。
【0035】Cの含有量が0.02wt.%以下で且つ本発
明範囲内の条件で熱処理を施した本発明供試体No. 5〜
7は、何れも耐硝酸腐食性が一段と優れている。一方、
Cの含有量が0.02wt.%以下であっても、本発明の熱
処理を施さずまたは熱処理温度が本発明の範囲を外れて
低い比較供試体No. 10〜14、および熱処理温度が本
発明の範囲を外れて高い比較供試体No. 15は、何れも
耐硝酸腐食性の向上が認められない。
【0036】溶体化熱処理を行なわず、圧延ままで本発
明の熱処理を施した本発明供試体No. 8および9は、圧
延ままの比較供試体No. 10、および、圧延ままで本発
明の範囲を外れて低い熱処理を施した比較供試体No. 1
1に比べて、何れも耐硝酸腐食性が優れている。
【0037】更に、Cの含有量が0.02wt.%以下で且
つ本発明範囲内の条件で熱処理した本発明供試体No. 1
0〜12は、何れも耐硝酸腐食性が一段と優れている。
【0038】一方、Cの含有量が0.02wt.%以下であ
っても、本発明の熱処理を施さずまたは熱処理温度が本
発明の範囲を外れて低い比較用供試体No. 16および1
7は、何れも耐硝酸腐食性の向上が認められない。
【0039】〔実施例2〕表4に示すように、本発明の
範囲内の化学成分組成を有し且つ本発明の範囲内の熱処
理を施し、次いで、550℃で1時間再加熱した後、水
冷した本発明供試体No. 13〜15と、比較のために、
本発明の範囲内の化学成分組成を有し次いで550℃で
1時間再加熱した比較供試体No. 18とを調製した。
【0040】次いで、本発明供試体No. 13〜15およ
び比較供試体No. 18に対して、前述した腐食速度
(A)による耐硝酸腐食性試験を施した。その結果を表
4に併せて示す。
【0041】
【表4】
【0042】表4に示すように、比較供試体No. 18
は、550℃で1時間再加熱することによって耐硝酸腐
食性が著しく劣化したが、本発明供試体No. 13〜15
は、熱処理後、上述した温度で再加熱しても、耐硝酸腐
食性は殆ど劣化しなかった。
【0043】このことは、本発明の方法で製造された鋼
材は、溶接や歪取り等のために再加熱しても、その性能
が殆ど劣化しないことを示している。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、酸化性の金属イオンを含有する高温硝酸に対し高い
耐食性を有するオーステナイト系ステンレス鋼材を、P
含有量を極端に低くしたり、熱処理の前に高い加工率に
よる冷間塑性加工を施すような繁雑な工程を必要とせ
ず、低コストで経済的に製造することができ、製品は、
使用済み核燃料の再処理プラントにおける溶解槽や硝酸
回収蒸発缶用の鋼材、各種機器、配管、その他、酸化性
の金属イオンを含有する高温硝酸にさらされる構造物等
に使用して、高い耐硝酸腐食性が発揮される、工業上優
れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理温度と腐食速度との関係を示すグラフで
ある。
【図2】熱処理時間と腐食速度との関係を示すグラフで
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.02wt.%以下、Si:1.0w
    t.%以下、Mn:2.0wt.%以下、P:0.04wt.%以
    下、S:0.03wt.%以下、Ni:8〜25wt.%、C
    r:15〜27wt.%、N:0.06wt.%以下、および、
    残部:Feおよび不可避的不純物からなるオーステナイ
    トステンレス鋼材に対し、650から950℃の範囲内
    の温度によって1分間以上加熱することからなる熱処理
    を施し、次いで、熱処理温度が650から850℃未満
    の場合には、急冷または放冷により常温まで冷却し、そ
    して、熱処理温度が850℃以上から950℃の場合に
    は、急冷により常温まで冷却することを特徴とする、耐
    硝酸腐食性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼材の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱処理の前に、1030℃以上の温
    度による溶体化熱処理を施すことを特徴とする、請求項
    1に記載の耐硝酸腐食性の優れたオーステナイト系ステ
    ンレス鋼材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記急冷を、350から625℃の温度
    域を30分以上通ることのない冷却速度によって行うこ
    とを特徴とする、請求項1または2に記載の耐硝酸腐食
    性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼材の製造方
    法。
JP33938893A 1987-07-27 1993-12-03 耐硝酸腐食性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼材の製造方法 Pending JPH07238315A (ja)

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