JPH07113146A - 高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents

高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法

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JPH07113146A
JPH07113146A JP5280695A JP28069593A JPH07113146A JP H07113146 A JPH07113146 A JP H07113146A JP 5280695 A JP5280695 A JP 5280695A JP 28069593 A JP28069593 A JP 28069593A JP H07113146 A JPH07113146 A JP H07113146A
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透 稲積
Katsumi Shomura
克身 正村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高耐食性、即ち、耐粒界腐食性および耐粒界
応力腐食割れ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
およびその製造方法を目的とする。 【構成】 Bを30wtppm以下を含有するオーステナ
イト系ステンレス鋼であって、そのオーステナイト粒径
をd(μm)とするとき、B(wtppm)×d(μ
m)≦700 であるオーステナイト系ステンレス鋼であ
る。その製造方法は、Bを30wtppm以下を含有する
オーステナイト系ステンレス鋼を用意し、目的とするオ
ーステナイト粒径をd(μm)とするとき、B(wtp
pm)×d(μm)を関数とする所定の温度以上の温度
に加熱し、固溶化処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐食性、即ち耐粒界
腐食性および耐粒界応力腐食割れ性に優れたオーステナ
イト系ステンレス鋼およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、Bの添加はオーステナイト系
ステンレス鋼の高温延性を向上させることが知られてい
る。たとえば、特開昭63-69947号公報では、6 〜25wt
ppm(以下単にppmとする)のBをオーステナイト
系ステンレス鋼に添加することによってクリープ破断延
性を改善する技術が提案されている(以下「従来技術
1」と呼ぶ)。さらには、2ppm以上のBの添加によ
ってオーステナイト系ステンレス鋼の熱間加工性が改善
されることが「Iron Age」Vol.179 (195
7),P.95(以下「従来技術2 」と呼ぶ)に報告され
ている。
【0003】このように、Bは高温延性や熱間加工性の
向上に対して有効な元素である。ところで、通常のオー
ステナイト系ステンレス鋼の溶製時には合金鉄およびス
クラップ等の原料から、2 〜5 ppm程度混入するのが
現状であり、予め設定したB含有量を製品に含有させる
ことが若干困難な状況である。
【0004】他方、Bの添加によりオーステナイト系ス
テンレス鋼の耐食性が劣化することが報告されている。
オーステナイト系ステンレス鋼にBを約25ppm添加す
ると、通常の固溶化処理温度においても粒界にCr硼素
化物が析出して耐粒界腐食性が劣化することが、「St
ainless Steel '87」,The Inst
itute of Metals,London,(19
87),p.234 に報告されている(以下「従来技術3 」
と呼ぶ)。
【0005】この報告は、耐粒界腐食性を維持するため
にできるだけB含有量を低減することが提唱されてい
る。また、上記の「従来技術1 」においても、同様に、
粒界の耐食性劣化を抑えるために、B含有量を25ppm
以下に抑える必要があることが明記されている。さら
に、「材料とプロセス」,鉄と鋼,Vol.6 (199
3),p.732 では、高温高濃度硝酸中におけるオース
テナイト系ステンレス鋼の耐粒界腐食性を高水準に維持
するためには、B含有量を9 ppm以下に低減する必要
があることが報告されている。(以下「従来技術4 」と
呼ぶ)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、Bは高
温延性や熱間加工性の向上に対して有効な元素であり、
また、通常のオーステナイト系ステンレス鋼の溶製時
に、合金鉄およびスクラップ等の原料から混入するもの
であるから、Bの含有量によらず、高耐食性が確保でき
る技術を確立することは重要である。
【0007】これに対して、前記の「従来技術1」、
「従来技術3 」および「従来技術4 」は、高温延性や熱
間加工性の向上に対して有効な元素であるが、いずれも
高耐食性を得るためにB含有量に制限を加えるという内
容のものである。しかし、本発明者らの研究により、B
含有量に制限を加えただけでは、種々の製造条件におい
て十分な効果が得られないことが判明した。
【0008】たとえば、ステンレス鋼の肉厚部材の肉厚
中心部においては熱間加工中に結晶粒が粗大化すると、
不純物として混入し得る水準であるB含有量を5ppm
以下に低減しても、十分な耐粒界腐食性および耐粒界応
力腐食割れ性を得ることができない場合がある。さら
に、この場合、固溶化熱処理条件によって、十分な耐食
性を得るためのBの許容濃度は変化する。したがって、
B含有量と結晶粒径の粗大化の程度に合わせた固溶化熱
処理条件を選択する必要がある。
【0009】また、固溶化熱処理を省略して制御圧延等
によって結晶粒の微細化を図ると、制御圧延等によりオ
ーステナイト粒度が細粒化しているためB含有量の許容
限度を高めることができる。
【0010】更に、熱間加工の仕上温度によっても、高
耐食性を得るためのBの許容濃度は変化するので、細粒
化の程度と必要なB含有量に合わせて固溶化熱処理条件
を選定する必要がある。このように、高耐食性を得るた
めにはB含有量を規制するだけでは不十分であり、した
がって、B含有量、結晶粒径および固溶化熱処理温度ま
たは熱間加工の仕上温度のいずれについても制御し、高
耐食性を得る技術の必要性がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、B含有量、結
晶粒径および最終の固溶化熱処理度又は加熱温度の関係
を限定することにより、例えば、オーステナイト系ステ
ンレス鋼材の厚肉部材の肉厚中心部のように結晶粒の粗
大化が生じる場合でも、耐粒界腐食性および耐粒界応力
腐食割れ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を製
造でき、また、加工熱処理材のように結晶粒を微細化す
る場合については、Bの許容限度を的確に把握すれば、
低コストで耐粒界腐食性および耐粒界応力腐食割れ性に
優れたオーステナイト系ステンレス鋼を製造出来ること
を見いだしたもので、以下の通りである。
【0012】(1)請求項1の発明は下記の特徴を備え
た高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼(成分組成は
wt%、または、wtppmである)である。 (a)オーステナイト系ステンレス鋼であって、(b)
そのB含有量が 30 wtppm以下であり、(c)その
オーステナイト結晶粒径をd(μm)とするとき、B
(wtppm)×d(μm)≦700 である。
【0013】(2)請求項2の発明は下記の特徴を備え
たの高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼(成分組成
はwt%、または、wtppmである)である。 (a)主成分として、Cr:15 %以上、 Ni:3%以
上、C:0.15%以下、 N:0.15%以下、B: 30 wt
ppm以下を含有するオーステナイト系ステンレス鋼で
あって、(b)そのオーステナイト結晶粒度をd(μ
m)とするとき、B(wtppm)×d(μm)≦700
である。
【0014】(3)請求項3の発明は下記の工程を備え
た高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼(成分組成は
wt%、または、wtppmである)の製造方法であ
る。 (a)B:30 wtppm以下を含有するオーステナイト
系ステンレス鋼を用意し、(b)前記オーステナイト系
ステンレス鋼の目的とする固溶化処理後のオーステナイ
ト結晶粒度をd(μm)とするとき、下式により定めら
れる温度T0(℃)以上の温度Tに加熱し、固溶化処理
をおこなう。T0 (℃)≦1150℃の場合、 2×T0 (℃)=B(wtppm)×d(μm)+1600 T0 (℃)>1150℃の場合、 53 ×T0 (℃)=B(wtppm)×d(μm)+602
50
【0015】(4)請求項4の発明は下記の工程を備え
た高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼(成分組成は
wt%、または、wtppmである)の製造方法であ
る。 (a)B:30 wtppm以下を含有するオーステナイト
系ステンレス鋼を用意し、(b)前記オーステナイト系
ステンレス鋼の目的とする最終のオーステナイト結晶粒
度をd(μm)とするとき、下式により定められる温度
0 (℃)以上の温度Tで熱間加工し、その後急冷す
る。T0 (℃)≦1150℃の場合、 2×T0 (℃)=B(wtppm)×d(μm)+1600 T0 (℃)>1150℃の場合、 53 ×T0 (℃)=B(wtppm)×d(μm)+602
50
【作用】本研究者らは、結晶粒径とB含有量のいずれも
が耐粒界腐食性に影響するものと考え、種々の結晶粒径
およびB含有量を持つオーステナイト系ステンレス鋼に
ついて、種々の熱処理条件で耐食性の変化を調べた。図
1は、本研究で得られた成果の一部を示したものであ
る。
【0016】用いたのは2 〜12ppmのBを含有するS
US304 Lステンレス鋼で、950 〜1050℃で10分加熱
し、水冷して固溶化熱処理を施した後、電気化学的再活
性化法(JIS G 0580による)を用いて粒界腐食感
受性を調べた。電気化学的再活性化法は、ステンレス鋼
の電位を活性態領域から不働態領域へ掃引して表面を不
働態化した後に、活性態電位領域に逆掃引して再活性化
し、この再活性化過程における最大再活性化電流密度と
往路の活性態での最大電流密度の比(再活性化率:Re
activation ratio)を取って耐粒界腐
食性および耐粒界応力腐食割れ性を評価する方法であ
る。
【0017】オーステナイト粒界のCr欠乏の程度が大
きく、そのため粒界腐食および応力腐食割れ感受性高い
ほど再活性化率は大きくなる。ここでは、結晶粒径が20
〜400 μmの範囲で大きく異なる試料が含まれるため、
再活性化率を単位粒界長さ(LA ) 当たりに換算し、B
含有量(ppm)と結晶粒径d(μm)の積で整理し
た。
【0018】単位粒界長さとは、試料の単位面積当たり
の粒界長さ(LA ) であり、線分法で求めた結晶粒径を
dとするとき、LA =π/2dである。B含有量および
結晶粒径によらず、この固溶化熱処理温度ではB(pp
m)×d(μm)≦700 とすることにより、再活性化率
は問題のない水準まで低下することが明らかである。
【0019】図1のような関係が得られるのはオーステ
ナイト系ステンレス鋼の固溶化熱処理温度領域における
Bの拡散が速く、短時間で大半が粒界に偏析するため、
結晶粒径が粗大になるほど単位粒界面積当たりのB含有
量が増大し、Cr硼素化物の粒界析出が促進され、粒界
のCr欠乏の程度が増大するためと推定されるからであ
る。
【0020】また、固溶化熱処理温度の上昇に伴い結晶
粒内のBの固溶度が増加するため、Cr硼素化物の粒界
析出は抑制されることも見いだした。本発明者らは、こ
のような知見に基づき、さらに種々の温度で固溶化熱処
理あるいは仕上げの熱間加工を施したオーステナイト系
ステンレス鋼についても同様な検討を行った結果、B含
有量、結晶粒径(d)および最終固溶化熱処理温度また
は熱間加工の仕上温度Tの間に、一定の関係があれば高
耐食性、オーステナイト系ステンレス鋼が得られること
が明らかとなった。
【0021】ここで、オーステナイト系ステンレス鋼
は、少なくともJIS.G.4304.の表1 に規定するS
US201 ,202, 301 ,301 L,301 JI,302 ,302
B,304 ,304 L,304 N1 ,304 LN,304 N2, 304
LN,304 J1 ,304J2 ,305,309 S,310 S,316
,316 L,316 N,316 LN,316 Ti.316 J1 ,3
16 JIL,317 ,317 L,317 LN,317 J1 ,317
J2 , 317 J3 L,317 J4 L,317 J5 L,321 ,34
7 ,XM15JIは含まれる(請求項1)。
【0022】B含有量については、下限は少ない方がよ
いが、現実には少なくとも1 〜2 wtppmが鋼中に含
まれる。他方上限としては30ppmを超えると、10μm
以下の微細結晶粒を得ても十分な耐粒界腐食性および耐
粒界応力腐食割れ性を得ることが困難になるので、上限
を30ppmとする必要がある。
【0023】B以外の元素を個別的に限定すると以下の
通りである。CおよびNは、高強度を得るためには必要
であるが、いずれも0 .15% を超えて含有させると、炭
化物の析出によって耐食性が劣化するので0 .15% 以下
とした。
【0024】Crは、耐食性を確保するためには最低15
% 必要であるが、30% を超えると、高価になるので、15
〜30% が望ましい。Niは、オーステナイト組織を得る
ためには最低3% は必要であるが、30% を超えると高価
になるため、3% 以上が望ましい。
【0025】以上が、本発明に係る高耐食性オーステナ
イト系ステンレス鋼の主成分であるであるが、オーステ
ナイト系ステンレス鋼の本質を変えない範囲で、Mo,
Ti,Nb,Cuを含有することができる。また、残部
は実質的にFeであり、P,S等の不可避的不純物を含
有してもよい(請求項2)。次に、本発明に係る高耐食
性オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法を説明す
る。
【0026】熱間加工材の場合には下記の製造態様があ
る。 (1)熱間圧延 → 急冷 → 固溶化処理(加熱+急
冷) → 製品 (2)加工熱処理 → 急冷 → 製品 ここで加工熱処理とは、圧延や鍛造等の熱間加工工程に
おいて、適切な温度と加工条件を組み合わせて組織を制
御する方法であり、結晶粒の微細化に有効な加工方法で
ある。
【0027】冷間加工材の場合には下記の製造態様があ
る。 (1)上記による熱間圧延材 → 冷間圧延 → 固溶
化処理 → 製品 本発明の製造方法においては以下の点が重要である。上
記製造工程における最終の固溶化熱処理条件、又は加工
熱処理の場合には、加工熱処理の仕上温度を次のように
決定する。当該ステンレス鋼のB含有量は化学分析によ
り与えられ、またオーステナイト結晶粒度は顧客から、
あるいは製品の用途により定められる。
【0028】従って、固溶化熱処理温度、又は加工熱処
理の仕上温度を下式により定められた温度T0 より高い
温度Tで固溶化熱処理を行う。T≦1150℃の場合; 2 T0(℃)=B(ppm)×d(μm)+1600 T>1150℃の場合; 53T0 (℃)=B(ppm)×d(μm)+60250
【0029】このTの上限は、例えば大気中では125
0℃であり、高温酸化による表面状態の劣化および結晶
粒の粗大化による強度低下を防止するためでる。このよ
うな温度Tに加熱し、固溶化熱処理を行うことにより、
高耐食性オーステナイト系ステンレス鋼が製造できる。
【0030】
【実施例】表1に示すNo.1 〜15の化学組成を有する
オーステナイト系ステンレス鋼を、真空高周波溶解炉で
各10Kg溶製した。No1 〜3 、5 〜7 、9 、10、13〜
15については、10mm厚まで熱間圧延後、表中に示すよ
うに、930 〜1220℃で10分加熱し、水冷の熱処理を施し
た。No.4 、8 、11、12については、表中に示すよう
に、熱間圧延の仕上温度を930 〜1030℃とし、熱間圧延
後、ミスト冷却を行った。
【0031】No.1 〜9 は本発明鋼で、No.10〜15
は比較鋼である。これらの供試鋼について、電気化学的
再活性化法を用いて耐粒界腐食性および耐粒界応力腐食
割れ性を評価した。表1に、得られた再活性化率を試験
表面中の単位粒界面積当たりに換算した値を示す。
【0032】No.1 〜9 は本発明鋼は、No.10〜15
の比較鋼に比べ一桁近く低い再活性化率を示しており、
本開発鋼野耐粒界腐食性および耐粒界応力腐食割れ性が
優れていることが分かる。また、本開発鋼No.5 〜7
の結果に示されているように、Moを含有する場合につ
いても、同様な効果が得られることは明らかである。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明は、Bを含有するオーステナイト
系ステンレス鋼の耐食性劣化を、その製造過程によらず
本質的に防止する手段を提供するものである。たとえ
ば、高温延性を改善する目的等でBを添加する必要があ
る場合においても、耐食性の劣化を招かないオーステナ
イト系ステンレス鋼を提供するもので、産業上、非常に
有用な発明である。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】B含有量(wtppm)とオーステナイト結晶
粒径(d,μm)との積と単位粒界長さ当たりの再活性
化率との関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の特徴を備えた高耐食性オーステナ
    イト系ステンレス鋼(成分組成はwt%、または、wt
    ppmである)。 (a)オーステナイト系ステンレス鋼であって、(b)
    そのB含有量が 30 wtppm以下であり、(c)その
    オーステナイト結晶粒径をd(μm)とするとき、B
    (wtppm)×d(μm)≦700 である。
  2. 【請求項2】 下記の特徴を備えたの高耐食性オーステ
    ナイト系ステンレス鋼(成分組成はwt%、または、w
    tppmである)。 (a)主成分として、 Cr:15 %以上、 Ni:3%以上、 C:0.15%以下、 N:0.15%以下、 B: 30 wtppm以下を含有するオーステナイト系ス
    テンレス鋼であって、(b)そのオーステナイト結晶粒
    度をd(μm)とするとき、B(wtppm)×d(μ
    m)≦700 である。
  3. 【請求項3】 下記の工程を備えた高耐食性オーステナ
    イト系ステンレス鋼(成分組成はwt%、または、wt
    ppmである)の製造方法。 (a)B:30 wtppm以下を含有するオーステナイト
    系ステンレス鋼を用意し、(b)前記オーステナイト系
    ステンレス鋼の目的とする固溶化処理後のオーステナイ
    ト結晶粒度をd(μm)とするとき、下式により定めら
    れる温度T0(℃)以上の温度Tに加熱し、固溶化処理
    をおこなう。T0 (℃)≦1150℃の場合、 2×T0 (℃)=B(wtppm)×d(μm)+1600 T0 (℃)>1150℃の場合、 53 ×T0 (℃)=B(wtppm)×d(μm)+602
    50
  4. 【請求項4】 下記の工程を備えた高耐食性オーステナ
    イト系ステンレス鋼(成分組成はwt%、または、wt
    ppmである)の製造方法。 (a)B:30 wtppm以下を含有するオーステナイト
    系ステンレス鋼を用意し、(b)前記オーステナイト系
    ステンレス鋼の目的とする最終のオーステナイト結晶粒
    度をd(μm)とするとき、下式により定められる温度
    0 (℃)以上の温度Tで熱間加工し、その後急冷す
    る。T0 (℃)≦1150℃の場合、 2×T0 (℃)=B(wtppm)×d(μm)+1600 T0 (℃)>1150℃の場合、 53 ×T0 (℃)=B(wtppm)×d(μm)+602
    50
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