JPH07238135A - 感光性ポリアミドエポキシ樹脂の製造法、その製造法により得られる感光性ポリアミドエポキシ樹脂及び感光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

感光性ポリアミドエポキシ樹脂の製造法、その製造法により得られる感光性ポリアミドエポキシ樹脂及び感光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物

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JPH07238135A
JPH07238135A JP6028523A JP2852394A JPH07238135A JP H07238135 A JPH07238135 A JP H07238135A JP 6028523 A JP6028523 A JP 6028523A JP 2852394 A JP2852394 A JP 2852394A JP H07238135 A JPH07238135 A JP H07238135A
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JP
Japan
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epoxy resin
group
diisocyanate
photosensitive
formula
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Pending
Application number
JP6028523A
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English (en)
Inventor
Kuniaki Sato
邦明 佐藤
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Toshihiko Ito
敏彦 伊藤
Yoshiyuki Mukoyama
吉之 向山
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性が良好で、得られた塗膜は耐熱
性、付着性、電気的及び機械的性質に優れ、更に光感
度、像形成性に優れる感光性ポリアミドエポキシ樹脂の
製造法、感光性ポリアミドエポキシ樹脂及び感光性ポリ
アミドエポキシ樹脂組成物を提供する。 【構成】 分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ
化合物(A)と一般式(II) 【化1】 (式中、R2及びR3は、それぞれ独立して二価の有機基
を示し、nは繰り返し単位の個数を示す正の整数であ
る)で示されるアミド基含有ジイソシアナート化合物
(B)とを〔エポキシ化合物(A)〕/〔アミド基含有
ジイソシアナート化合物(B)〕(モル比)が1を超え
るようにして反応させて得られる一般式(III) 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は、二価の有機基であり、n
及びmは繰り返し単位の個数を示す正の整数である)で
示されるポリアミドエポキシ樹脂(C)に、ビニル基含
有カルボン酸化合物(D)を反応させることを特徴とす
る感光性ポリアミドエポキシ樹脂の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性ポリアミドエポ
キシ樹脂の製造法、その製造法により得られる感光性ポ
リアミドエポキシ樹脂及び感光性ポリアミドエポキシ樹
脂組成物、詳しくは、得られる塗膜が、耐熱性、付着
性、電気的性質、機械的性質等に優れ、半導体及び配線
板分野、即ち、電子及び電気関連分野等における絶縁膜
材料、表面保護材料等として好適な感光性ポリアミドエ
ポキシ樹脂の製造法、その製造法により得られる感光性
ポリアミドエポキシ樹脂及び感光性ポリアミドエポキシ
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターの高性能化に伴い、例え
ば、高密度実装を達成出来るマルチチップモジュールが
実用化されつつある。これらのマルチチップモジュール
には、一般に多層配線板が用いられている。多層配線板
は、セラミック等の基板、基板上に形成された複数の絶
縁層、基板上あるいは各絶縁層上に形成された金属から
なる導通パターンなどから構成され、上層の導通パター
ンと下層の導通パターンとは絶縁層に形成されたバイア
ホールを介して金属により接続されている。バイアホー
ル形成には煩雑な工程を必要とすることから、露光、現
像によりパターン形成後にそのまま残し絶縁材料として
用いることができる耐熱感光性樹脂が求められている。
【0003】一方、半導体分野においても表面保護膜の
スルーホールパターン化が行われているが、同様に工程
を短縮できる耐熱感光性樹脂が求められている。このよ
うな耐熱感光性樹脂として、例えば、感光性ポリイミド
樹脂、感光性エポキシ樹脂等が提案されている。
【0004】感光性ポリイミド樹脂としては、例えば、
特公昭49−17374号公報においてポリイミド前駆
体と重クロム酸塩からなる系が提案されている。この材
料は実用的な感度を有し、膜形成能が高い等の長所を有
する反面、保存安定性に欠ける、クロムイオンが残存す
る等の短所を有している。他の例として、特公昭55−
30207号公報においてポリイミド前駆体に感光基を
エステル結合で導入したものが提案されているが、感光
基を導入する際に脱塩酸反応を含むため最終的に塩化物
が残りこの除去が問題となっている。
【0005】このような問題を回避すべく、特開昭59
−53534号公報において高分子量エポキシ樹脂に感
光性を付与した感光性エポキシ樹脂が提案されている。
このものは、感光基導入にグリシジル(メタ)アクリレ
ートを用いているが、合成時にゲル化しやすいという問
題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、保存安定性
が良好で、得られた塗膜は耐熱性、付着性、電気的性
質、機械的性質等に優れ、更に光感度、像形成性等に優
れる感光性ポリアミドエポキシ樹脂の製造法、その製造
法により得られる感光性ポリアミドエポキシ樹脂及び感
光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【化5】 (式中、R1は、二価の有機基を示す)で示されるエポ
キシ化合物(A)と一般式(II)
【化6】 (式中、R2及びR3は、それぞれ独立して二価の有機基
を示し、R2又はR3が複数個存在するときは、複数のR
2は互いに異なっていてもよく、複数のR3は互いに異な
っていてもよく、nは繰り返し単位の個数を示す正の整
数である)で示されるアミド基含有ジイソシアナート化
合物(B)とを〔エポキシ化合物(A)〕/〔アミド基
含有ジイソシアナート化合物(B)〕(モル比)が1を
超えるようにして反応させて得られる一般式(III)
【化7】 (式中、R1は、一般式(I)におけるものと同意義で
あり、R2、R3及びnは一般式(II)におけるものと同
意義であり、mは繰り返し単位の個数を示す正の整数で
ある)で示されるポリアミドエポキシ樹脂(C)に、ビ
ニル基含有カルボン酸化合物(D)を反応させることを
特徴とする感光性ポリアミドエポキシ樹脂の製造法に関
する。また、本発明はその製造法により得られる感光性
ポリアミドエポキシ樹脂に関する。また、本発明はその
感光性ポリアミドエポキシ樹脂に光重合開始剤及び/又
は橋架け剤を配合してなる感光性ポリアミドエポキシ樹
脂組成物に関する。
【0008】以下に本発明を詳述する。一般式(I)で
示されるエポキシ化合物(A)としては、例えば、4,
4′−イソプロピリデンビスフェノールジグリシジルエ
ーテル(ビスフェノールA型)、4,4′−メチレンビ
スフェノールジグリシジルエーテル(ビスフェノールF
型)、2,6,2′,6′−テトラブロモ−4,4′−
イソプロピリデンビスフェノールジグリシジルエーテル
(臭素化ビスフェノールA型)、フェノールノボラック
型ポリグリシジルエーテル、オルソクレゾールノボラッ
ク型ポリグリシジルエーテル等の芳香族グリシジルエー
テル化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオ
ールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジル
エーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノ
ールA型のジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグ
リシジルエーテル、2,2′−ジブロモ−ネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジル
エーテル化合物、フタル酸ジグリシジルエステル、テト
ラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロ
フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル
化合物、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,
N′,N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジル
アミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリ
シジル−p−アミノフェノール等のグリシジルアミン化
合物、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサ
イクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジ
エポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオ
キシド等の環式脂肪族エポキシ化合物、ジグリシジルヒ
ダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素
環式エポキシ化合物などが挙げられる。これらは、単独
で又は複数種を組合せて使用される。
【0009】これらのうち、4,4′−イソプロピリデ
ンビスフェノールジグリシジルエーテル(ビスフェノー
ルA型)が、耐熱性等の点から好ましい。また、これら
のうち、得られるポリアミドエポキシ樹脂に低沸点の汎
用溶剤に対する高い溶解性を付与する等の点から、脂肪
族グリシジルエーテル化合物が好ましく、中でもグリコ
ールのジグリシジルエーテルが特に好ましい。
【0010】一般式(II)で示されるアミド基含有ジイ
ソシアナート化合物(B)は、通常、ジイソシアナート
化合物とジカルボン酸とを(ジイソシアナート化合物)
/(ジカルボン酸)(モル比)が1を超える範囲となる
ようにして反応させて得られる。
【0011】ジイソシアナート化合物としては、例え
ば、ジフェニルメタンジイソシアナート及びその水添加
物、キシレンジイソシアナート及びその水添加物、トリ
レンジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシア
ナート、トリジンジイソシアナート、p−フェニレンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロン
ジイソシアナート及びトランスシクロヘキサン−1,4
−ジイソシアナート、次の一般式(V)
【化8】 で示されるテトラメチルキシレンジイソシアナート等が
挙げられ、これらは、単独で又は複数種を組合せて使用
される。
【0012】これらのうち前記一般式(V)で示される
テトラメチルキシレンジイソシアナートが好ましく(イ
ソシアナート基に隣接する炭素原子に嵩高いアルキル基
を有するジイソシアナートを用いれば、得られるポリア
ミドエポキシ樹脂(C)は上記アルキル基の立体障害効
果によるアミド結合の分子間水素結合の抑制によって有
機溶剤への溶解性が飛躍的に向上する)、テトラメチル
キシレンジイソシアナートと他のジイソシアナートとの
配合割合については、得られるポリアミドエポキシ樹脂
の溶解性を損なわない範囲であれば、特に制限はない
が、使用されるジイソシアナート化合物のうちテトラメ
チルキシレンジイソシアナートを50モル%以上、他の
ジイソシアナートを50モル%未満で使用することが好
ましい。
【0013】ジカルボン酸としては、特に制限はない
が、得られるポリアミドエポキシ樹脂に高い溶解性を与
えることが可能な脂肪族ジカルボン酸が好ましい。脂肪
族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸等の主鎖がメチレン
鎖で構成されている脂肪族ジカルボン酸以外に、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール等のポリエチレングリコールの両末端水酸基に
コハク酸無水物等の環状脂肪族ジカルボン酸無水物を付
加反応させた一般式(VI)
【0014】
【化9】 (式中、nは1〜100の整数を表す)で示されるハー
フエステル化物、一般式(VII)
【0015】
【化10】 (式中、nは1〜100の整数を表す)で示されるポリ
(オキシエチレン)ジグリコール酸などが挙げられ、こ
れらは単独で又は複数種を組合せて使用される。これら
のうちで、ジイソシアナート化合物の製造における純
度、収量の点等からセバシン酸が好ましい。
【0016】ジイソシアナート化合物とジカルボン酸と
を(ジイソシアナート化合物)/(ジカルボン酸)(モ
ル比)が1を超える範囲となるように反応させてイソシ
アナート基が両末端に残存する一般式(II)で示される
アミド基含有ジイソシアナート化合物(B)を得ること
ができる。(ジイソシアナート化合物)/(ジカルボン
酸)(モル比)が1以下では、片末端あるいは両末端が
カルボキシル基となり、(ジイソシアナート化合物)/
(ジカルボン酸)(モル比)が2を超えるとジイソシア
ナート化合物が未反応物として残存しやすい。
【0017】ジイソシアナート化合物とジカルボン酸か
ら一般式(II)で示されるジイソシアナート化合物を生
成させる炭酸ガス脱離重合反応は、通常、触媒の存在下
で80〜250℃、好ましくは100〜200℃の温度
範囲内で、実質的に無水の状態で行うことができる。
【0018】この触媒としては、特に制限はないが、こ
の後に行われる一般式(I)で示されるエポキシ化合物
との反応の触媒としても作用するものが好ましい。使用
しうる具体的な触媒としては、例えば、安息香酸ナトリ
ウム、安息香酸カリウム、ジブチル錫ジラウレート、
1,3−ジアセトキシテトラブチルスタノキサン等の有
機酸金属塩、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化リチウム等の無機
塩、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,
N′−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、N,
N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン等
の三級アミン、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化
テトラブチルアンモニウム等のハロゲン含有四級アンモ
ニウム塩などが挙げられるが、中でも安息香酸ナトリウ
ム、安息香酸カリウム等の有機酸アルカリ金属塩、臭化
テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモ
ニウム等のハロゲン含有四級アンモニウム塩が好まし
い。これらは、ジイソシアナート化合物に対して0.1
〜10モル%の範囲内で用いることが好ましく、必要に
応じて複数種を使用することもできる。
【0019】また、溶媒として、ジイソシアナートとジ
カルボン酸との炭酸ガス脱離重合反応を阻害しないもの
を選んで使用しても差し支えないが、反応完結の容易さ
を考慮すると反応系は無溶媒で、しかも、溶融した均一
な状態に保つことが好ましい。
【0020】一般式(I)で示されるエポキシ化合物
(A)と、ジイソシアナート化合物とジカルボン酸から
得られる一般式(II)で示されるジイソシアナート化合
物(B)とは、(A)/(B)(モル比)が1を超える
範囲となるようにして反応させられる。例えば、下記の
一般式(VIII)に示すように、アミド基含有ジイソシア
ナートの末端イソシアナート基とエポキシ化合物(A)
の一方のエポキシ基との付加反応によって形成される2
−オキサゾリドン環を介して他方のエポキシ基がアミド
基含有ジイソシアナートの末端に導入されることにな
る。モル比で2を超える分のエポキシ化合物(A)は、
未反応物として残存することになるが、反応性を考え
て、(A)/(B)(モル比)は2〜2.2の範囲とす
ることが好ましい。
【0021】
【化11】 (式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して二価の有
機基を示す)
【0022】ジイソシアナート化合物とジカルボン酸か
ら得られる一般式(II)で示されるジイソシアナート化
合物(B)の末端イソシアナート基とエポキシ化合物
(A)との2−オキサゾリドン化反応は、イソシアナー
ト基とエポキシ基との反応性が低いため、2−オキサゾ
リドン化触媒の存在下、実質的に無水の状態で行う。
【0023】2−オキサゾリドン化触媒としては、特に
制限はないが、前述のように、ジイソシアナート化合物
とジカルボン酸から一般式(II)で示されるジイソシア
ナート化合物(B)を生成させる炭酸ガス脱離重合反応
触媒をそのまま利用することができる。中でも、オキサ
ゾリドン化能力に優れる安息香酸ナトリウム、安息香酸
カリウム等の有機酸アルカリ金属塩が好ましい。これら
は、ジイソシアナート化合物に対して0.1〜10モル
%の範囲内で用いることが好ましく、必要に応じて複数
種を使用することもできる。
【0024】末端にイソシアナート基を有する一般式
(II)で示されるジイソシアナート化合物(B)とエポ
キシ化合物(A)との反応は、100〜170℃の範囲
内で行うのが好ましい。この反応温度が170℃を超え
ると一般式(II)で示されるジイソシアナート化合物
(B)中のアミド結合とエポキシ基との反応が起こっ
て、分子間の三次元架橋による自己硬化が急速に進行
し、反応途中で系がゲル化しやすくなる。一方、反応温
度が100℃未満では2−オキサゾリドン化反応が完結
しにくい。反応のための溶媒は、一般式(II)で示され
るジイソシアナート化合物(B)の末端イソシアナート
基とエポキシ化合物(A)のエポキシ基との2−オキサ
ゾリドン化反応を阻害しないものを選んで使用しても差
し支えないが、反応完結の容易さを考慮すると反応系は
無溶媒で、しかも、溶融した均一な状態に保つことが好
ましい。
【0025】本発明の一般式(III)で示されるポリア
ミドエポキシ樹脂(C)は、その合成反応を全工程を通
して無溶媒で、しかも反応系が溶融した均一な状態で行
うことが最も好ましく、末端にエポキシ基を導入した
後、所望の低沸点の汎用溶剤で所定の濃度となるように
溶解して塗料化することができる。ここで、低沸点の汎
用溶剤としては、沸点が150℃以下であって、一般式
(III)で示されるポリアミドエポキシ樹脂(C)を溶
解するものであれば、特に制限はない。該当する低沸点
の汎用溶剤としては、例えば、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、酢
酸エチル、酢酸n−ブチル等の脂肪族エステル、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等の脂肪族ケト
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げ
られ、これらは単独で又は複数種を組合せて使用され
る。
【0026】以上のようにして製造される一般式(II
I)で示されるポリアミドエポキシ樹脂(C)は、室温
で安定であり、170℃を超える温度で自己硬化させる
ことができる。この硬化反応の詳細は、向山らの論文
「熱硬化性樹脂」Vol.6、No.1、1(1985)に記
載されており、下記の一般式(IX)で示すように、アミ
ド結合の炭素−窒素間にエポキシ基が挿入反応し、次い
で、アミド結合の分断によって生成したイミノ基にエポ
キシ基が付加反応する機構で進むと考えられている。こ
の結果、分子間で三次元架橋が起こり、自己硬化が達成
される。なお、一般式(IX)中、R4、R5及びR6は任
意の有機基を表す。
【0027】
【化12】
【0028】本発明に用いられるビニル基含有カルボン
酸化合物(D)としては、例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、
【化13】 等が挙げられる。
【0029】ポリアミドエポキシ樹脂(C)とビニル基
含有カルボン酸化合物(D)との配合比は、ポリアミド
エポキシ樹脂(C)のエポキシ基(前者の官能基)/ビ
ニル基含有カルボン酸(D)のカルボキシル基(後者の
官能基)の当量比で、(前者の官能基)/(後者の官能
基)が0.5〜10の範囲とすることが好ましい。当量
比(前者の官能基)/(後者の官能基)を0.5未満に
すると、未反応のビニル基含有カルボン酸化合物(D)
が残存するため感光性ポリアミド系樹脂(あるいは組成
物)の耐熱性が低下する傾向がある。一方、当量比(前
者の官能基)/(後者の官能基)が10を超えると、光
感度及び像形成性が低下する傾向がある。
【0030】ポリアミドエポキシ樹脂(C)とビニル基
含有カルボン酸化合物(D)との反応温度は、通常、4
0〜130℃、好ましくは50〜100℃の範囲内とさ
れる。反応温度が40℃未満では、ポリアミドエポキシ
樹脂(C)とビニル基含有カルボン酸化合物(D)との
反応が進行しにくく、一方、反応温度が130℃を超え
ると、反応中に増粘、ゲル化に至ることがある。この
際、必要に応じて触媒を用いることができる。この触媒
としては、例えば、ジイソシアナートとジカルボン酸と
の反応に用いた触媒が挙げられる。
【0031】以上に述べた本発明の感光性ポリアミドエ
ポキシ樹脂の製造法により得られた感光性ポリアミドエ
ポキシ樹脂に、光重合開始剤及び/又は橋架け剤を配合
することで感光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物が得ら
れる。
【0032】本発明に用いられる光重合開始剤として
は、例えば、ベンゾイン系化合物、色素レドックス系化
合物、硫黄化合物、有機過酸化物、有機ハロゲン化物、
芳香族カルボニル化合物、芳香族炭化水素、芳香族ニト
ロ化合物、芳香族アミノ化合物、フェノール系化合物、
キノン系化合物、アントロン系化合物、フルオレン系化
合物、アセナフテン系化合物等が挙げられ、これらは単
独で又は二種以上を組み合わせて使用され、光重合開始
剤の使用量は感度、塗膜の耐熱性等の点から、感光性ポ
リアミドエポキシ樹脂100重量部に対して、通常、
0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜10重量
部の範囲とされる。
【0033】本発明に用いられる光重合開始剤の具体例
としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、アニソイン
エチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン等のベンゾイン系化合物、クロロフィル、
アクリフラビン、リボフラビン、メチレンブルー、ロー
ズベンガル、ローダミン6G、サフランT、エオシンY
等の色素とl−アスコルビン酸、p−トルエンスルフィ
ン酸ナトリウム等の還元剤を組合せた色素レドックス系
化合物、ジベンゾチアゾイルジスルフィド、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物、過酸化ベンゾ
イル、過酸化ジ第三級−ブチル、過酢酸第三級−ブチル
等またはこれらとクロロフィルとの組合せによる有機過
酸化物、クロロアセトン、α−クロロメチルナフタレ
ン、フェナシルクロライド、フェナシルプロマイド、四
塩化炭素、四臭化炭素、ヨードホルム、トリブロモアセ
トフェノン等の有機ハロゲン化合物、ベンゾフェノン、
ミヒラーケトン、アセトフェノン、9−アントラアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、ジベンザルアセトン、ベンジ
ル、p,p′−ジアミノベンゾフェノン、p,p′−ジ
エチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセ
トフェノン、α−アロキシムエステル、1−フェニル−
1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニ
ル)オキシム、4′−第三級−ブチル−トリクロロアセ
トフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェ
ノン等の芳香族カルボニル化合物、クリセン、フェナン
トレンアントラセン、ナフタレン等の芳香族炭化水素、
ニトロベンゼン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニ
リン、p−ニトロジフェニル、p−ジニトロベンゼン、
1,3,5−トリニトロベンゼン、2,4−ジニトロア
ニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、2−クロロ
−4−ニトロアニリン、p−ニトロフェノール、2,4
−ジニトロフェノール、2,4,6−トリニトロフェノ
ール等の芳香族ニトロ化合物、芳香族アミノ化合物及び
フェノール化合物、1,2−ベンゾアントラキノン、ア
ントラキノン、1,4−ナフトキノン、1,2−ナフト
キノン、ベンゾキノン等のキノン等のキノン系化合物、
アントロン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベ
ンゾアントロン、2−ケト−3−アザ−1,9−ベンゾ
アントロン、6−フェニル−1,9−ベンゾアントロ
ン、1,9−ベンゾアントロン等のアントロン系化合
物、2−ニトロフルオレン、2,7−ジニトロフルオレ
ン、2,5−ジニトロフルオレン等のフルオレン系化合
物、1,8−フタロイルナフタレン、2−クロロ−1,
8−フタロイルナフタレン、4−クロロ−1,8−フタ
ロイルナフタレン、4−ブロモ−1,8−フタロイルナ
フタレン等のフタロイルナフタレン化合物、5−ニトロ
アセナフテン、5,6−ジニトロアセナフテン及び5−
ベンゾイルアセナフテン等のアセナフテン化合物などが
挙げられる。
【0034】本発明に用いられる橋架け剤としては、例
えば、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリ
レート、カルビトールアクリレート、メトキシエチルア
クリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエ
チルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ブチレングリコールモ
ノアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリ
レート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフ
リルアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレ
ート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、アリ
ルアクリレート、1,3−プロピレングリコールジアク
リレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリ
コールジアクリレート、2,2−ビス−(4−アクリロ
キシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−
(4−アクリロキシプロピルキシフェニル)プロパン、
トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリス
リトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、トリアクリルホルマール、テトラメチロールメタン
テトラアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌル酸のアクリル酸エステル、
【化14】 (式中、nは1〜30の整数である)
【化15】 (式中、n、mはn+mが2〜30となる整数である)
【化16】 メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、エチルヘキシル
メタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エト
キシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、ヒドロキシペンチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノメ
タクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒド
ロフルフリルメタクリレート、メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、アリルメタクリレート、トリメチ
ロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリト
ールモノメタクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、2,2−ビス−(4−メタクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジメタクリ
レート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリメタクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌル酸のメタクリル酸エステル、
【化17】 (式中、nは1〜30の整数である)
【化18】 (式中、n及びmはn+mが2〜30となる整数であ
る)
【化20】 クロトン酸ブチル、グリセリンモノクロネート、ビニル
ブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルカプ
ロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルラクテー
ト、安息香酸ビニル、ジビニルサクシネート、ジビニル
フタレート、メタクリルアミド、N−メチルメタクリル
アミド、N−エチルメタクリルアミド、N−アリールメ
タクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメ
タクリルアミド、アクリルアミド、N−t−ブチルアク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−イソ
ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルア
クリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ヘキシル
ビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、ビニ
ルトリエーテル、多価アルコールのポリビニルエーテ
ル、スチレン誘導体として例えばオルト及びパラ位にア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、カルボキシル基、
アリル基等の置換基を持ったスチレン、ジビニルベンゼ
ン、アリルオキシエタノール、ジカルボン酸のジアリル
エステル、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルイミ
ダゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾ
ール、
【化20】 等のビスアジド化合物などが挙げられる。
【0035】本発明で得られた感光性ポリアミドエポキ
シ樹脂あるいは感光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物
は、場合によっては更にこのものを溶解する適当な溶媒
を添加し、粘度を調整してもよい。
【0036】感光性ポリアミドエポキシ樹脂あるいは感
光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物は、浸漬法、スプレ
ー法、スクリーン印刷法、スピンナー塗布法等により、
シリコンウエハー、銅張り積層板、ガラス板等の基材に
塗布、乾燥し被膜とされる。
【0037】また、例えば、感光性ポリアミドエポキシ
樹脂組成物を可とう性のある支持体フィルム、例えば、
ポリエチレンテレフタレート上に塗布、乾燥し、この上
にポリエチレンカバーフィルムを設けてサンドイッチ構
造のドライフィルムを作製し、このドライフィルムのポ
リエチレンカバーフィルムを剥がして、被覆すべき基材
上に積層してもよい。
【0038】この被膜又はドライフィルム上に所望のパ
ターンを描いたマスク上から活性光線を照射することに
より、照射部において重合が起こり、非照射部に比べて
溶解性が大きく低下する。場合により、電子線、放射線
等を照射してもよい。
【0039】かくして適当な現像液を用いて、非照射部
を現像除去することにより所望のパターンを得ることが
できる。本発明に用いる現像液としては、特に制限はな
いが、例えば、感光性ポリアミド系樹脂を溶解する含窒
素系非プロトン性溶媒や汎用の炭化水素系、ケトン系、
アルコール系、エステル系溶媒等が単独又は二種以上を
組合せて使用される。場合により、塩基性化合物、塩基
性化合物水溶液をこれらの溶媒と組合せて使用される。
【0040】感光性ポリアミドエポキシ樹脂の側鎖に一
定量のカルボキシル基がペンダントしている場合には、
塩基性化合物水溶液を主成分とする現像液で像形成性す
ることができる。更に、界面活性剤をこれらの現像液と
組合せて使用してもよい。
【0041】本発明の製造法により得られる感光性ポリ
アミドエポキシ樹脂は、単独でも使用可能であるが、十
分に硬化するまで相当量の光エネルギーを必要とするた
め、光重合開始剤及び/又は橋架け剤と組合せて用い
る、即ち、感光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物として
用いることが実用的に望ましい。
【0042】得られたパターンは、その後80〜400
℃の焼付け、即ちポストキュアー及び必要に応じて、更
に活性光の露光により優れた耐熱性を有する。
【0043】また、感光性ポリアミドエポキシ樹脂ある
いは感光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物に公知のエポ
キシ硬化剤あるいは公知のエポキシ化合物を組合せるこ
とで更に耐熱性が向上し、半導体及び配線板等の耐熱
性、付着性、機械特性、微細加工性等が求められる分野
において非常に有用である。
【0044】
【実施例】次に、実施例によって本発明を詳しく説明す
る。
【0045】実施例1 撹拌機、温度計、冷却コンデンサー及び窒素ガス導入管
を装備した1リットルのセパラブルフラスコ内に窒素雰
囲気下にm−テトラメチルキシレンジイソシアナート1
71.1g(0.700モル)、セバシン酸70.9g
(0.350モル)及び安息香酸ナトリウム1.01g
(0.007モル)を仕込んで130℃に昇温した。昇
温過程で反応系が溶融した均一な状態になり、炭酸ガス
の発生が認められた。昇温後、同温度で2時間、次いで
170℃で3時間反応を進行させてイソシアナート基を
両末端に有するアミド基含有ジイソシアナートを得た。
このアミド基含有ジイソシアナートの赤外線吸収スペク
トルを測定し、図1として示した。1658cm-1にアミ
ド結合に基づくカルボニル基の吸収、3320cm-1と1
548cm-1にアミド結合に基づくイミノ基の吸収の出現
が認められ、2260cm-1にイソシアナート基に基づく
吸収が認められた。また、このものの1H−NMRスペ
クトルを測定し、図2として示した。7.0〜7.6pp
mに芳香環のプロトンに基づくピークが認められ、7.
8〜8.0ppmにアミド結合のイミノ基のプロトンに基
づくピークの出現が認められた。そして、これらのピー
クの積分強度比の理論値と実測値は、ほぼ一致している
ことが確認された。続いて、このアミド基含有ジイソシ
アナートを160℃に保温した状態とし、これにエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
製、商品名デナコールEX−810)157.0g
(0.701モル)を10分間かけて滴下し、同温度で
8時間反応を進めて、下記の式(X)で示されるポリア
ミドエポキシ樹脂を得た。
【0046】
【化21】
【0047】このポリアミドエポキシ樹脂の赤外線吸収
スペクトルを測定し図3として示した。1658cm-1
アミド結合に基づくカルボニル基の吸収、3320cm-1
と1540cm-1にアミド結合に基づくイミノ基の吸収、
915cm-1にエポキシ基のオキシラン環の吸収が認めら
れ、1740cm-1に2−オキサゾリドン環のエステル結
合に基づくカルボニル基の吸収の出現及び2260cm-1
のイソシアナート基に基づく吸収の消失が認められた。
また、このものの1H−NMRスペクトルを測定し図4
として示した。7.0〜7.6ppmに芳香環のプロトン
に基づくピーク、7.8〜8.0ppmにアミド結合のイ
ミノ基のプロトンに基づくピークが認められ、2.7pp
mにエポキシ基のオキシラン環のメチレン基に基づくピ
ークが認められた。そして、これらのピークの積分強度
比の理論値と実測値はほぼ一致していることが確認され
た。このポリアミドエポキシ樹脂にメチルイソブチルケ
トン103.7gを加えたポリアミドエポキシ樹脂のメ
チルイソブチルケトン溶液を、90℃まで昇温し、アク
リル酸36.0g(0.50モル)及び塩化ベンジルト
リエチルアンモニウム1gを加え、酸価が1以下になる
まで反応させた。このものを“A−1”と称する。
【0048】実施例2 実施例1に記載した合成装置と同様な合成装置に、窒素
雰囲気下にエチレングリコール11.4g(0.184
モル)、ジエチレングリコール19.5g(0.184
モル)、コハク酸無水物73.6g(0.736モル)
及び安息香酸ナトリウム1.06g(0.007モル)
を仕込んで100℃に昇温した。昇温過程で反応系が溶
融した均一な状態になった。昇温後、同温度で2時間反
応を進めて、下記の一般式(VI)においてn=1のジカ
ルボン酸が50モル%、n=2のジカルボン酸が50モ
ル%の液状混合物を得た。
【0049】
【化22】
【0050】このジカルボン酸の赤外線吸収スペクトル
を測定したところ、1740cm-1に末端のカルボキシル
基のエステル結合に基づくカルボニル基及びこれと2個
のメチレン鎖を介して位置するエステル結合に基づくカ
ルボニル基のブロードな吸収の出現及び1785cm-1
1870cm-1のコハク酸無水物の酸無水物基に基づくカ
ルボニル基の吸収の消失が認められた。次に、このジカ
ルボン酸を室温まで冷却した後、これにm−テトラメチ
ルキシレンジイソシアナート179.7g(0.736
モル)を添加し、実施例1と全く同様な合成操作によっ
てイソシアナート基を両末端に有するアミド基含有ジイ
ソシアナートを得た。続いて、このアミド基含有ジイソ
シアナートを160℃に保温した状態とし、これにエチ
レングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
製、商品名デナコールEX−810)164.9g
(0.736モル)を10分間かけて滴下し、同温度で
3時間反応を進めて、下記の一般式(XI)においてn=
1が50モル%、n=2が50モル%のポリアミドエポ
キシ樹脂を得た。
【0051】このポリアミドエポキシ樹脂の赤外線吸収
スペクトルを測定したところ、実施例1と同様にアミド
結合及び2−オキサゾリドン環のエステル結合に基づく
カルボニル基の吸収とアミド結合に基づくイミノ基の吸
収、エポキシ基に基づくオキシラン環の吸収が認めら
れ、イソシアナート基に基づく吸収は全く認められなか
った。このポリアミドエポキシ樹脂にメチルイソブチル
ケトン192.4gを加えメチルイソブチルケトン溶液
とし、このものを90℃まで昇温し、アクリル酸43.
2g(0.6モル)及びトリエチルアミン1gを加え、
酸価が1以下になるまで反応させた。このものを“A−
2”と称する。
【0052】
【化23】
【0053】実施例3 実施例1に記載した合成装置と同様な合成装置に、窒素
雰囲気下にm−キシレンジイソシアナート146.5g
(0.778モル)、セバシン酸78.6g(0.38
8モル)及び安息香酸ナトリウム1.12g(0.00
8モル)を仕込んで、実施例1と全く同様な合成操作に
よってイソシアナート基を両末端に有するアミド基含有
ジイソシアナートを得た。続いて、このアミド基含有ジ
イソシアナートを160℃に保温した状態とし、これに
エチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成
工業製、商品名デナコールEX−810)174.3g
(0.778モル)を10分間かけて滴下し、同温度で
5時間反応を進めて、下記の式(XII)で示されるポリ
アミドエポキシ樹脂を得た。このポリアミドエポキシ樹
脂の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、実施例1
と同様にアミド結合及び2−オキサゾリドン環のエステ
ル結合に基づくカルボニル基の吸収とアミド結合に基づ
くイミノ基の吸収、エポキシ基に基づくオキシラン環の
吸収が認められ、イソシアナート基に基づく吸収は全く
認められなかった。このポリアミドエポキシ樹脂にN−
メチルピロリドン171.4gを加えN−メチルピロリ
ドン溶液とし、このものを90℃まで昇温し、アクリル
酸46.8g(0.65モル)及びトリエチルアミン1
gを加え、酸価が1以下になるまで反応させた。このも
のを“A−3”と称する。
【0054】
【化24】
【0055】実施例4 エポキシ化合物として、4,4′−イソプロピリデンビ
スフェノールジグリシジルエーテル(ビスフェノールA
型、三井石油化学工業製、商品名エポミックR140)
527.2g(0.701モル)を用いる以外は実施例
1と全く同様にして下記の式(XIII)で示されるポリア
ミドエポキシ樹脂を得た。このポリアミドエポキシ樹脂
の赤外線吸収スペクトルを測定し図5として示した。1
660cm-1にアミド結合に基づくカルボニル基の吸収、
3340cm-1と1540cm-1にアミド結合に基づくイミ
ノ基の吸収、910cm-1にエポキシ基のオキシラン環の
吸収が認められ1750cm-1に2−オキサゾリドン環の
エステル結合に基づくカルボニル基の吸収の出現及び2
260cm-1のイソシアナート基に基づく吸収の消失が認
められ、更に、817cm-1のエポキシ化合物に基づく芳
香環の吸収強度を基準にして、910cm-1のエポキシ基
の吸収強度が反応前後で約半分に減少したことが確認さ
れた。また、このものの1H−NMRスペクトルを測定
し、図6として示した。6.4〜7.6ppmに芳香環の
プロトンに基づくピーク、7.6〜8.1ppmにアミド
結合のイミノ基のプロトンに基づくピークが認められ、
2.6〜3.0ppmにエポキシ基のオキシラン環のメチ
レン基に基づくピークが認められた。そして、これらの
ピークの積分強度比の理論値と実測値はほぼ一致してい
ることが確認された。このポリアミドエポキシ樹脂にメ
チルイソブチルケトン330gを加えメチルイソブチル
ケトン溶液とし、このものを90℃まで昇温し、アクリ
ル酸43.2g(0.60モル)を加え、酸価が1以下
になるまで反応させた。このものを“A−4”と称す
る。
【0056】
【化25】
【0057】実施例5〜10 実施例1〜4で得られた“A−1”〜“A−4”に光重
合開始剤、橋架け剤等を加え、感光性ポリアミドエポキ
シ樹脂組成物を作製した。表1に配合及び特性評価結果
を示す。
【0058】比較例1 実施例1と同様にして得られたポリアミドエポキシ樹脂
のメチルイソブチルケトン溶液を90℃まで昇温し、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート78g(0.6モル)を
加え、4時間保温した。このものを“A−5”と称す
る。
【0059】比較例2 実施例1と同様にして得られたポリアミドエポキシ樹脂
のメチルイソブチルケトン溶液を90℃まで昇温し、イ
ソシアナートエチルメタクリレート93g(0.6モ
ル)を加え、4時間保温した。このものを“A−6”と
称する。
【0060】比較例3〜4 比較例1、2で得られた“A−5”と“A−6”に光重
合開始剤、橋架け剤等を加え、感光性樹脂組成物を作製
した。表1に配合及び特性評価結果を示す。
【0061】
【表1】
【0062】*1 樹脂の固形分 *2 B−1:イルガキュア651 B−2:ベンゾフェノン B−3:ジメチルアミノベンゾフェノン C−1:ジエチレングリコールジアクリレート C−2:テトラエチレングリコールジアクリレート D−1:2−メチルイミダゾール E−1:N−メチルピロリドン/メタノール(30/7
0重量比)混合液 E−2:N−メチルピロリドン/水/テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド(30/68/2重量比)混合液 *3 バーコーターで乾燥後の膜厚が20μmになるよう
に銅張り積層板上に塗布し、超高圧水銀灯で光照射後、
所定の現像液に所定時間浸漬し、下記の式から求めた残
膜率が80%以上となる露光量で示した。
【数1】 *4 *3の露光量で解像できたライン/スペース *5 テフロン板上に、組成物をバーコーターで塗布、1
70℃で数時間加熱してフィルムを作成。熱機械分析
(引張り法)により求めた。 *6 *5で作成したフィルムを昇温速度10℃/分で、T
GA法により空気中において質量が5%減少するところ
の温度を求めた。 *7 碁盤目試験(1mm×1mm角)により求めた。
【0063】
【発明の効果】本発明の製造法により得られる感光性ポ
リアミドエポキシ樹脂を用いた感光性ポリアミドエポキ
シ樹脂組成物は、耐熱性、電気特性、機械特性、光感
度、像形成性等に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のアミド基含有ジイソシアナートの赤
外線吸収スペクトル。
【図2】実施例1のアミド基含有ジイソシアナートの1
H−NMRスペクトル。
【図3】実施例1のポリアミドエポキシ樹脂の赤外線吸
収スペクトル。
【図4】実施例1のポリアミドエポキシ樹脂の1H−N
MRスペクトル。
【図5】実施例4のポリアミドエポキシ樹脂の赤外線吸
収スペクトル。
【図6】実施例4のポリアミドエポキシ樹脂の1H−N
MRスペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/038 503 504 // C08G 18/34 NDU 18/58 NEK (72)発明者 向山 吉之 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社鹿島工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は、二価の有機基を示す)で示されるエポ
    キシ化合物(A)と一般式(II) 【化2】 (式中、R2及びR3は、それぞれ独立して二価の有機基
    を示し、R2又はR3が複数個存在するときは、複数のR
    2は互いに異なっていてもよく、複数のR3は互いに異な
    っていてもよく、nは繰り返し単位の個数を示す正の整
    数である)で示されるアミド基含有ジイソシアナート化
    合物(B)とを〔エポキシ化合物(A)〕/〔アミド基
    含有ジイソシアナート化合物(B)〕(モル比)が1を
    超えるようにして反応させて得られる一般式(III) 【化3】 (式中、R1は、一般式(I)におけるものと同意義で
    あり、R2、R3及びnは一般式(II)におけるものと同
    意義であり、mは繰り返し単位の個数を示す正の整数で
    ある)で示されるポリアミドエポキシ樹脂(C)に、ビ
    ニル基含有カルボン酸化合物(D)を反応させることを
    特徴とする感光性ポリアミドエポキシ樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】 R2が一般式(IV) 【化4】 で示される基であり、nが1である請求項1記載の感光
    性ポリアミドエポキシ樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造法により得ら
    れる感光性ポリアミドエポキシ樹脂。
  4. 【請求項4】 請求項3の感光性ポリアミドエポキシ樹
    脂に、光重合開始剤及び/又は橋架け剤を配合してなる
    感光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物。
JP6028523A 1994-02-25 1994-02-25 感光性ポリアミドエポキシ樹脂の製造法、その製造法により得られる感光性ポリアミドエポキシ樹脂及び感光性ポリアミドエポキシ樹脂組成物 Pending JPH07238135A (ja)

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