JPH07238100A - ヒトのmaspに対するモノクローナル抗体 - Google Patents

ヒトのmaspに対するモノクローナル抗体

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JPH07238100A
JPH07238100A JP6052677A JP5267794A JPH07238100A JP H07238100 A JPH07238100 A JP H07238100A JP 6052677 A JP6052677 A JP 6052677A JP 5267794 A JP5267794 A JP 5267794A JP H07238100 A JPH07238100 A JP H07238100A
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JP
Japan
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monoclonal antibody
masp
mbp
hybridoma
cells
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JP6052677A
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English (en)
Inventor
Misao Matsushita
操 松下
Teizo Fujita
禎三 藤田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ヒトのMASP(MBP会合セリンプロテア
ーゼ)に対するモノクローナル抗体またはその活性フラ
グメント、該モノクローナル抗体の製造方法、及び該モ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの提供。 【構成】 齧歯類動物をヒトのMASPで免疫感作し、
免疫した齧歯類動物から脾臓を摘出して常法に従ってマ
ウスのミエローマ細胞と融合し、選択的培養法により抗
体産生細胞とミエローマ細胞が融合したハイブリドーマ
を選別し、限界希釈法により、単一クローンにし、この
単一クローンのハイブリドーマの培養上清液からモノク
ローナル抗体を回収して得られるヒトのMASPに対す
るモノクローナル抗体、その製造方法、及び上記のハイ
ブリドーマ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モノクローナル抗体に
関し、さらに詳しくは、ヒトのMASP(MBP会合セ
リンプロテアーゼ)に特異的に反応するモノクローナル
抗体、その活性フラグメント、該モノクローナル抗体の
製造方法、及び該モノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマに関する。なお、本発明において、モノクロー
ナル抗体の活性フラグメントとは、抗原抗体反応活性を
有するフラグメントを指称し、具体的には、F(a
b′)2、Fab′、Fab、Fv、及び組み替えFv
体、一本鎖Fv(scFv)などである。
【0002】
【従来の技術】血清中には、酵母マンナンに結合するM
BP(マンノース結合タンパクまたはマンナン結合タン
パクの略;mannose−binding prot
ein)と呼ばれる動物レクチンが存在しており、現在
までに、ヒト、ウシ、ウサギ、ラットから単離されてい
る。いずれのMBPも、分子量30〜40kDのサブユ
ニット分子がジスルフィド結合した高分子量のポリマー
である。MBPは、マンノースとN−アセチルグルコサ
ミンに親和性があり、結合にカルシウムイオンを要求す
るいわゆるC型レクチンに属している。
【0003】MBPのサブユニットは、構造上の特徴と
して、次の三つのドメインより構成されている。 NH2末側のシステインに富むドメイン、 これに続くグリシンが2つ置きに繰り返し出現するコ
ラーゲン様構造、及び COOH末側のC型レクチンに共通して存在する高い
相同性を有するアミノ酸より構成されるCRD(car
bohydrate recognitiondoma
in)と呼ばれる糖類認識部位。
【0004】MBPは、このサブユニットの三分子がN
2末側のシステイン残基間のジスルフィド結合を介し
てつながり、一つの構造単位となっている。さらに、構
造単位どうしが、ジスルフィド結合により、分子サイズ
が多様なポリマーを形成しているが、ペンタマーとヘキ
サマーが主なポリマーである。
【0005】血清MBPは、グラム陰性細菌のリポ多糖
(LPS)やウイルスの表面にあるマンノースやN−ア
セチルグルコサミンに結合後、次に挙げるように、生体
防御因子として機能することが次第に明らかになってき
た。 (1)MBPは、salmonella montev
ideoに結合して、食細胞機能を亢進させるオプソニ
ンとなる。これは、MBPの分子構造がC1qに類似し
ていることに基づく。Clqは、食細胞上のClqレセ
プターを介してオプソニン活性を発揮するが、MBPも
Clqレセプターに結合できてClqと同様な活性を示
す。 (2)MBPは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の高
マンノース型糖タンパク質のgp120への結合によ
り、HIVの細胞への感染を抑制する。 (3)MBPには、補体活性化古典的経路及び補体活性
化第二経路による活性化能があり、ある種のグラム陰性
菌に結合後、血清存在下で殺菌的に働く。細菌表面上で
のMBPによる補体活性化反応は、オプソニンであるC
3bやiC3bの産生につながり、食細胞の貧食能を高
める結果となる。近年、酵母マンナンへのオプソニン化
不全血清が発見され、その中のMBP量が異常な低値で
あることが明らかとなり、このような血清を持つ小児に
おいて、細菌の繰り返し感染などの症状を呈する例が報
告されている。
【0006】MBPによる補体活性化古典的経路の活性
化のメカニズムの研究は、川嵜及びReidの二つのグ
ループにより行われ、1990年にそれぞれ発表され
た。両グループとも、マンナン上のヒトMBPに補体第
一成分の亜成分の未活性型Clr2C1s2(ヘテロ四量
体)が結合後、Clsが活性型へ変換することを再構成
実験で示した。この結果から、補体活性化古典的経路に
おいて、MBPは、C1qと同様に、血清中のC1rと
C1sをプロテアーゼ成分として利用すると推定され
た。これに対して、最近、本発明者らは、MBPによる
補体活性化反応には、C1rやC1sとは別の、MBP
と結合性を有する新たなセリンプロテアーゼが関与して
いることを明らかにした。以下に、その研究について概
要を紹介する。
【0007】(MASPの単離)従来より、血清MBP
の精製は、固定化マンナンカラムを用いてアフィニティ
ークロマトグラフィーにより行われてきた。MBPによ
る補体活性化古典的経路における活性化のメカニズムに
関する川嵜やReidらの実験結果に基づけば、この精
製方法では、血清がマンナンカラムを通過すると、MB
Pによる補体活性化が起こり、MBPには、活性型C1
2C1s2がカルシウムイオンを介して結合している可
能性があった。しかし、従来の精製方法では、たとえM
BP−C1r2−C1s2複合体がマンナン上で形成され
たとしても、MBPのマンナンカラムからの溶出にED
TAが用いられていたために、精製の過程でMBPとC
1r、C1sが解離して、結果的にMBPのみ単離され
ていたと思われた。このことは、MBPにC1r、C1
s以外の同様な活性を持つプロテアーゼがカルシウムイ
オンを介して結合していたとしても、精製過程でそれら
が失われていた可能性も含まれることを意味していた。
そこで筆者らは、MBPを複合体のまま精製する目的
で、マンナンカラムからのMBPの溶出に、カルシウム
イオン存在下マンノースを用いる方法を適用した。この
溶出画分より出発して、最終的には抗MBPセファロー
スカラムを用いることにより純度の高いMBPを精製し
た。次に、このようにして得られたMBP画分のC1s
活性の有無を、古典的経路での活性化能を指標として検
討した。マンナン結合ヒツジ赤血球(Emannan)
に、MBP画分を吸着後、C4とC2を反応させる。こ
こで、MBP画分中にC4とC2を活性化するC1s活
性を持つプロテアーゼが含まれているならば、Eman
nan上で古典的経路のC3コンベルターゼ(C4b2
a)が形成され、そこにC3からC9までの補体成分が
加われば、Emannanの溶血が起こることになる。
【0008】本方法でアツセイすると、MBP画分には
C4とC2を活性化するプロテアーゼ成分が含まれてい
ること、さらに、このC1s様プロテアーゼ活性は、p
−APMSFで阻害されることから、セリンプロテアー
ゼが活性の本体であることが判明した。また、MBP画
分には、C1sと同様なC4消費活性が認められた。そ
こで、次に、MBP画分中のC1s様セリンプロテアー
ゼの単離を試みた。EDTA存在下、MBP画分を抗M
BPセファロースカラムに通すことにより、C4消費活
性を有するC1s様セリンプロテアーゼは、非吸着画分
に回収されてMBPと分離した。このC1s様セリンプ
ロテアーゼは、非還元下分子量約83kDで、66kD
(H鎖)と31kD(L鎖)の二本鎖構造の単一成分で
あった。そこで、この成分をMBP−associat
ed serine protease(MBP会合セ
リンプロテアーゼ、MASP)と命名した。
【0009】(MASPとC1sの比較)MASPは、
MBPと複合体を形成しているCls活性を持つセリン
プロテアーゼであり、従来の仮説によれば、C1sが最
有力候補として考えられた。そこで、MASPとC1s
の性状を比較検討した。両者に分子サイズの明らかな違
いが見られる。C1sのL鎖にはセリンプロテアーゼの
活性セリン残基があり、これに結合するトリチウム標識
Diisopropyl fluorophospha
te(3H−DFP)はL鎖に収り込まれるが、MAS
Pも同様にL鎖がラベルされることがわかった。ポリク
ローナル抗C1s抗体は、C1sによるC4消費活性を
完全に阻害するが、MASPによる消費活性には全く影
響を与えなかった。なお、C1sによるC4消費活性
は、C4のC1aとC4bへの限定分解を意味している
が、MASPによってもC4の限定分解が確認された。
C1sは、C4のほかにC2の消費活性もあるプロテア
ーゼであるが、MASPも同様にC2消費活性を持って
いる。MASPのL鎖のNH2未側部分アミノ酸配列を
決定したところ、部分的にC1sとアミノ酸の一致が見
られたが、両成分は異なるプロテアーゼであった。以上
の結果より、MASPとC1sとは、機能的にも構造的
にも極めて類似しているが、異なる成分であることが明
らかとなった。
【0010】(MASPの活性化)EDTA存在下、抗
MBPセファロースカラムを用いてMBPとMASPを
分離する以前のMBP画分には、マンナンへの結合によ
るC4とC2を活性化して古典的経路のC3コンベルタ
ーゼを形成させる能力がある。しかし、両成分が分離す
ると、それぞれ単独では本活性は失われる。そこで、M
BPとMASPによる再構成により、活性の回復の有無
を検討した。その結果、EmannanにMBPとMA
SPを同時に反応させることにより、マンナン上でのC
3コンペルターゼ形成能が再現された。この結果は、M
BPとMASPが再会合したことを示している。
【0011】C1sとの類似性より、これまで述べてき
た二本鎖構造のMASPは、C1sの活性型に相当する
と推定された。このため、MBP−MASPによる補体
活性化においても、MASPに未活性型の一本鎖pro
enzymeが存在して、MBPがリガンドに結合する
ことにより、これが活性型MASPに変換することが予
想された。そこで、筆者らは、ヒト血清中から活性化の
抑制が期待できる条件下MASPを精製したところ、分
子量約93kDの一本鎖のproenzymeを得た。
このproenzymeMASPは未活性型であり、C
4消費活性を持たないが、マンナン結合のMBPと反応
して活性型へ変換した。
【0012】(MBP−MASPとRa−reacti
ve factor)脊椎動物の血清中には、Salm
onella菌のRaタイプや大腸菌のR2タイプのL
PSに含まれるグリセロマンノヘプトースやN−アセチ
ルグルコサミンに結合後補体活性化を起こして殺菌作用
を示すレクチンのRa−reactive facto
r(RaRF)が存在している。川上らによりSalm
onella cyphimuriumに結合するマウ
スRaRFについて詳細に研究されてきた。その結果、
マウスRaRFとMBPとの類似性が明らかとなってき
た。マウスRaRFの構成成分は、少なくともLPSの
糖鎖を認識する成分とC4/C2を活性化するセリンプ
ロテアーゼ成分からなり、前者は、MBPと、一方後者
は、MASPと類似している。最近、ヒトMBPは、ヒ
トRaRFの糖鎖認識成分であることが明らかとなっ
た。これらの事実より、MBP−MASP複合体とRa
RFとは同一成分と考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】MBP−MASPによ
る補体活性化経路は、マンノースやN−アセチルグルコ
サミンを有する侵入異物を標的にして排除するシステム
であり、特に感染初期や免疫系が未発達な幼児期におい
て重要な役割を担っていると考えられる。補体活性化経
路は、これまでに、抗体を介さない第二経路と抗体が引
き金となる古典的経路とが知られていた。MBP−MA
SPの経路は、C1に始まる古典的経路とは独立した新
たな抗体を介さない活性化経路と言える。しかし、両経
路は、C1またはMBP−MASPが活性化物質に結合
後、未活性型セリンプロテアーゼが活性化されてC4と
C2の分解活性を獲得する点で極めて類似の性質を持っ
ている。ただし、C1は、抗原抗体複合体に結合後、ま
ずセリンプロテアーゼC1rが活性化されて、次に活性
型C1rがC1sを活性化するのに対して、MBP画分
中にはMASP以外のセリンプロテアーゼ活性を持つ成
分の存在は確認されておらず、MASPは、C1r活性
も兼ね備えたセリンプロテアーゼであると推定される。
補体系の進化上、MBPは、C1qよりも先に出現した
と考えられることから、C1に相当するMBP−MAS
P複合体による活性化経路の解析は、今後古典的経路の
起源を理解する上で重要な情報を提供するものと期待さ
れる。しかし、MASPが生理的にどう作用するかにつ
いては、その特異抗体がないことから十分なされていな
いのが現状である。
【0014】本発明の目的は、ヒトのMASPに特異的
に反応するモノクローナル抗体、その活性フラグメン
ト、該モノクローナル抗体の製造方法、及び該モノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマを提供することに
ある。本発明者らは、MASP、特に活性型MASPに
反応する抗体を作製すれば、容易にMASPの生理的機
能をはじめ多くのことが解析できるのではと考え、抗体
の作製を試みた。そして、活性型MASPを免疫するこ
とにより、93kdのMASPと反応するモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマを樹立することに成功
し、本発明を完成するに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、ヒトのMASP(MBP会合セリンプロテアーゼ)
に対するモノクローナル抗体またはその活性フラグメン
トが提供される。また、本発明によれば、(1)齧歯類
動物をヒトのMASPで免疫感作し、(2)免疫した齧
歯類動物から脾臓を摘出して、脾細胞の懸濁液を形成
し、(3)該脾細胞懸濁をマウスのミエローマ細胞と融
合促進剤の存在下で混合して、両細胞を融合し、(4)
融合した細胞を未融合のミエローマ細胞を支持しない媒
質中で希釈して培養して、抗体産生細胞とミエローマ細
胞が融合したハイブリドーマを選別し、(5)ハイブリ
ドーマを含有する各培養穴中の上清液について、免疫感
作したMASPとの反応性を指標として、抗体の存在を
確認し、(6)所望の抗体を生成するハイブリドーマを
選択した後、限界希釈法により、単一クローンにし、
(7)この単一クローンのハイブリドーマの培養上清液
からモノクローナル抗体を回収することを特徴とするヒ
トのMASPに対するモノクローナル抗体の製造方法が
提供される。さらに、本発明によれば、ヒトのMASP
に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ
が提供される。
【0016】以下、本発明について詳述する。本発明の
モノクローナル抗体は、ヒトのMASPに特異的に反応
するモノクローナル抗体である。より具体的には、MA
SPの分子量93kdのタンパク質と反応するモノクロ
ーナル抗体である。このモノクローナル抗体の活性フラ
グメントとは、抗原抗体反応活性を有するフラグメント
を指称し、具体的には、F(ab′)2、Fab′、F
ab、Fv、及び組み替えFv体、一本鎖Fv(scF
v)などが挙げられる。
【0017】本発明に係るヒトのMASPに対するモノ
クローナル抗体、及び該モノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマは、以下の工程を含む方法により製造す
ることができる。 (1)前記した方法により、ヒト血清から未活性型MA
SPを回収し、活性型に変換する。このヒトMASPを
抗原として齧歯類動物(例、マウス)を免疫感作する。
免疫感作は、通常、マウスの皮下に行う。 (2)免疫した齧歯類動物から脾臓を摘出して、脾細胞
の懸濁液を形成する。 (3)該脾細胞懸濁液を、あらかじめ培養しておいたマ
ウスのミエローマ細胞と融合促進剤(例、ポリエチレン
グリコール)の存在下で混合して、両細胞を融合させ
る。ここで用いるミエローマ細胞としては、次の選択培
養において、抗体産生細胞と識別可能なもの(例、8−
アザグアニン耐性株)を用いる。 (4)融合した細胞を未融合のミエローマ細胞を支持し
ない媒質中で希釈して培養して、抗体産生細胞とミエロ
ーマ細胞が融合したハイブリドーマを選別する。すなわ
ち、抗体産生細胞は生存できるが、ミエローマ細胞は死
滅する選択培地(例、ヒポキサンチン−アミノプテリン
−チミジン培地;HAT培地)中で培養することによ
り、ハイブリドーマを選別する。
【0018】(5)ハイブリドーマを含有する各培養穴
中の上清液について、前記免疫感作に用いたMASPと
の反応性を指標として、抗体の存在を確認する(例、E
LISA法)。これにより、選択培地中で増殖した細胞
の培養上清中に分泌されている抗体が、所望の抗原に対
するものか否かを決定する。 (6)所望の抗体を生成するハイブリドーマを選択した
後、限界希釈法によりクローニングして、単一クローン
にする。 (7)この単一クローンのハイブリドーマの培養上清液
からモノクローナル抗体を回収する。 (8)回収したモノクローナル抗体が活性型のMASP
の93kdの分子量のタンパク質を識別するという特徴
を備えていることを確認する。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明についてより
具体的に説明する。
【0020】[実施例1] (1)MASPの精製 ヒト血清100mlからMASPの精製を行った。精製
法は、血清100mlに対し、マンナン−セファロース
(ファルマシア社製)10mlを用いて、吸着部分を回
収した(25ml)。この画分をさらに抗MBP−セフ
ァロース(ファルマシア社製)5mlを用いてアフィニ
ティー精製した。最終的に未活性型MASP5mgを回
収した。
【0021】(2)免疫感作 精製した未活性型MASPをEDTA処理により活性型
MASPに変換した。この活性型MASP100μgを
フロイント完全アジュバンド100μgと混合し、Ba
lb/cマウスの皮下に免疫感作した。1週間後、活性
型MASP100μgをフロイント不完全アジュバント
100μgと混合し、同マウスの皮下に追加免疫感作し
た。この操作を1週間に1回合計4回繰り返し、免疫感
作を実施した。
【0022】(3)融 合 上記で免疫感作したマウスから脾臓を取り出した。取り
出した脾臓を細断後、メッシュで濾過し、RPMI16
40培地に浮遊させ、脾細胞1×108個を得た。この
脾細胞を、マウス由来の8−アザグアニン耐性株(ヒポ
キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ
欠損株)P3U1(2×107個)と、約5:1の割合
で混合し、遠心した(1500rpm、5分)。得られ
た細胞のペレットに、融合促進剤として50%ポリエチ
レングリコール4000(メルク社製)/RPMI16
40溶液2mlを37℃の温水中で撹拌しながら6分間
を要して加え、細胞融合を行った。融合後、大量(約4
0ml)のRPMI1640液を加え、遠心分離して上
清を除去した。次いで、ヒポキサンチン(100μ
M)、アミノプテリン(0.4μM)、チミジン(10
μM)を含む10%FBS−RMPI1640培地(H
AT)培地にて、脾細胞が1×106個/mlになるよ
うに調製した。
【0023】(4)ハイブリドーマの選択 上記で調製した細胞浮遊液を96ウェル(培養穴)、マ
イクロプレート5枚に200μlずつ分注し、37℃5
%CO2下にあるCO2インキュベータで細胞を培養し
た。2週間後には、ハイブリドーマのみがコロニーを形
成し、増殖していることが確認できた。
【0024】(5)抗体の検出 ハイブリドーマが十分増殖していることが確認されたの
で、その培養上清を用い、MASPとの反応性をELI
SA法にて検出することにより、抗体の検出を行った。
96ウェルマイクロプレート(イムロン2)に、MAS
P10μg/mlで、100μlずつコーティングした
(4℃、一晩)。その後、MASPを吸引除去した後、
1%BSA・PBSを200μl加え、ブロッキングを
行った(室温、2h)。その後、PBSで洗浄を行い、
ハイブリドーマの培養上清200μlずつ加え反応させ
た。1時間の反応後、PBSで洗浄を行い、2次抗体
(ペルオキシダーゼ標識抗マウスIg)を加え、さらに
1時間後反応した。その後、PBSで洗浄し、オルト・
フェニレンジアミン、過酸化水素水を基質として発色反
応を行った。その後、イムノリーダーで発色しているウ
ェルの吸光度を測定した。その結果、発色しているウェ
ルの細胞を選別した。
【0025】(6)クローニング 抗体産生細胞を、限界希釈法により1コ/ウェルとなる
ように、96ウェル・マイクロプレートに分注し、培養
した。10日間の培養後、シングルコロニーの増殖が確
認できたため、再び(5)の抗体検出の操作を施した。
その結果、活性型MASPに対するクローンが得られ
た。得られたクローンは、IgG1型のモノクローナル
抗体であり、これをMASP−1と命名した。
【0026】(7)ウエスタンブロット 得られたモノクローナル抗体MASP−1を用いて、M
BP会合性セリンプロテアーゼとの反応性を調べた。そ
の結果、93kdの分子と反応することが判明した。
【0027】
【発明の効果】本発明のヒトのMASPに対するモノク
ローナル抗体は、以下に述べるような種々の用途が考え
られる。本発明のモノクローナル抗体を用いることによ
り、生体内におけるMASPの生理的役割がわかるとと
もに、補体活性化経路の新たな経路の解明に役立つ。さ
らに、この新たな補体活性化経路が、感染初期あるいは
免疫系が未発達な幼児期においての役割が解明でき、幼
児の治療への有用な手がかりを与えることになる。した
がって、本発明のモノクローナル抗体は、生体内におけ
るMASPの生理的役割等を解明するための薬剤等とし
て、免疫系分野における研究と関連産業分野において有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 15/02 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトのMASP(MBP会合セリンプロ
    テアーゼ)に対するモノクローナル抗体またはその活性
    フラグメント。
  2. 【請求項2】 ヒトのMASPが活性型であるものに対
    する請求項1記載のモノクローナル抗体またはその活性
    フラグメント。
  3. 【請求項3】 (1)齧歯類動物をヒトのMASPで免
    疫感作し、(2)免疫した齧歯類動物から脾臓を摘出し
    て、脾細胞の懸濁液を形成し、(3)該脾細胞懸濁をマ
    ウスのミエローマ細胞と融合促進剤の存在下で混合し
    て、両細胞を融合し、(4)融合した細胞を未融合のミ
    エローマ細胞を支持しない媒質中で希釈して培養して、
    抗体産生細胞とミエローマ細胞が融合したハイブリドー
    マを選別し、(5)ハイブリドーマを含有する各培養穴
    中の上清液について、免疫感作したMASPとの反応性
    を指標として、抗体の存在を確認し、(6)所望の抗体
    を生成するハイブリドーマを選択した後、限界希釈法に
    より、単一クローンにし、(7)この単一クローンのハ
    イブリドーマの培養上清液からモノクローナル抗体を回
    収することを特徴とするヒトのMASPに対するモノク
    ローナル抗体の製造方法。
  4. 【請求項4】 さらに、(8)回収したモノクローナル
    抗体が活性型のMASPの93kdの分子量のタンパク
    質を識別するという特徴を備えていることを確認する請
    求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ヒトのMASPに対するモノクローナル
    抗体を産生するハイブリドーマ。
JP6052677A 1994-02-25 1994-02-25 ヒトのmaspに対するモノクローナル抗体 Pending JPH07238100A (ja)

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