JPH07238052A - ヒドロキシ安息香酸の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシ安息香酸の製造方法

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JPH07238052A
JPH07238052A JP6029373A JP2937394A JPH07238052A JP H07238052 A JPH07238052 A JP H07238052A JP 6029373 A JP6029373 A JP 6029373A JP 2937394 A JP2937394 A JP 2937394A JP H07238052 A JPH07238052 A JP H07238052A
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noble metal
reaction
benzoic acid
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Hideyuki Niwa
英之 丹羽
Masaya Nishizuka
正弥 西塚
Motohiro Oguri
元宏 小栗
Takanori Miyake
孝典 三宅
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安息香酸に酸素と水素を反応させ直接水酸化し
てヒドロキシ安息香酸を製造する、有効かつ新規な方法
を提供する。 【構成】安息香酸に酸素と水素を反応させて直接水酸化
してヒドロキシ安息香酸を製造する方法において、触媒
として白金と酸化バナジウムとをジルコニアに担持した
修飾貴金属触媒を用いるか、または、触媒として白金を
ジルコニアに担持した貴金属触媒を用い、反応系にバナ
ジウム(III)アセチルアセトネートを添加して反応
を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシ安息香酸の
新規な製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
本発明は医薬品、農薬、防腐剤、香料、染料、その他化
成品の原料として有用なヒドロキシ安息香酸を、安息香
酸を直接水酸化することにより製造する有効かつ新規な
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシ安息香酸の製造方法として
は、従来種々の方法が知られている。例えば、o−ヒド
ロキシ安息香酸(サリチル酸)やp−ヒドロキシ安息香
酸は、通常それぞれナトリウムフェノラートやカリウム
フェノラートに高温加圧下で二酸化炭素を反応させる、
いわゆるコルベ−シュミット反応により製造されてい
る。しかし、これらの方法は反応条件も厳しく、多段の
工程を要するという問題がある。
【0003】また、o−クレゾール、m−クレゾールお
よびp−クレゾールをそれぞれ酸化することによって、
対応するヒドロキシ安息香酸を製造する方法も知られて
いる。
【0004】これに対し、例えば特公平5−58616
号公報においては、パラジウム系触媒を用いて、1,1
0−フェナントロリンおよび一酸化炭素の存在下、安息
香酸を酸素により酸化してヒドロキシ安息香酸を製造す
る方法を開示している。しかし、この方法においては有
毒な一酸化炭素の使用や、量論的な二酸化炭素の生成、
さらには収率が十分でない等の改良すべき点が残ってい
る。
【0005】また、表面、Vol.31、p.331〜
341(1993)においては、パラジウム触媒の存在
下、酸素、水素混合ガスにより安息香酸を水酸化してヒ
ドロキシ安息香酸を製造する方法が示されている。しか
し、この方法においても収率が十分でない等の改良すべ
き点が残っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ヒドロ
キシ安息香酸を製造する方法は種々知られているが、こ
れらは多段の反応工程を有したり、収率が十分でない等
の問題がある。したがって、より温和な条件が期待でき
る安息香酸を原料として、短い工程で、効率よく水酸化
してヒドロキシ安息香酸を製造する方法が求められてい
た。
【0007】本発明の目的は、安息香酸に酸素と水素を
反応させ直接水酸化してヒドロキシ安息香酸を製造す
る、有効かつ新規な方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者らは、安息香酸の直接水酸化反応を効率よく行
なう方法につき鋭意研究を重ね、本発明を完成するに至
った。
【0009】即ち本発明は、触媒の存在下に、安息香酸
に酸素と水素を反応させて直接水酸化してヒドロキシ安
息香酸を製造する方法において、前記触媒が周期律表第
VIII族の貴金属を担体に担持した貴金属触媒であ
り、さらにこの反応系にバナジウム化合物を添加するこ
とを特徴とするヒドロキシ安息香酸の製造方法である。
【0010】さらに本発明は、触媒の存在下に、安息香
酸に酸素と水素を反応させて直接水酸化してヒドロキシ
安息香酸を製造する方法において、前記触媒が周期律表
第VIII族の貴金属と周期律表第IIIa,IVa,
Va,VIa,VIIa,IIb,IVbおよびVb族
より選ばれた少なくとも一種以上の卑金属酸化物とを担
体に担持した修飾貴金属触媒であることを特徴とするヒ
ドロキシ安息香酸の製造方法である。
【0011】以下に本発明について、更に詳細に説明す
る。
【0012】まず本願第一の発明において用いられる触
媒について説明する。本発明の方法において、貴金属触
媒とは、周期律表第VIII族の貴金属を担体に担持し
た触媒のことをいう。担体に担持される周期律表第VI
II族の貴金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラ
ジウム、イリジウム、白金およびこれらの混合物を挙げ
ることができる。これらのうち、パラジウム、白金が好
ましい。これら周期律表第VIII族の貴金属の原料と
しては、各種の無機、有機の化合物、例えば硝酸塩、硫
酸塩、ハロゲン化物、無機錯塩、有機酸塩等を用いるこ
とができる。
【0013】例えばパラジウムの原料としては、硝酸パ
ラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウム等の無機酸
塩、テトラアンミンジクロロパラジウム等の無機錯体、
酢酸パラジウム等の有機酸塩が挙げられる。これらのパ
ラジウム化合物のうち、硝酸パラジウム、硫酸パラジウ
ム、酢酸パラジウムが好ましい。また、白金の原料とし
ては、例えばジニトロジアンミン白金(II)、ジクロ
ロジアンミン白金(II)、テトラアンミンジクロロ白
金(II)等の無機錯塩、ヘキサクロロ白金(IV)酸
六水和物等の白金化合物が挙げられる。これらのうち、
ジニトロジアンミン白金(II)が好ましい。
【0014】本発明の方法において、周期律表第VII
I族の貴金属は、担体に担持して使用される。担体に担
持する方法に特に制限はなく、公知の方法で担持するこ
とができる。例えば含浸法、沈殿法、混練法、沈着法等
で周期律表第VIII族の貴金属の原料を担体に担持す
ることができる。また、周期律表第VIII族の貴金属
の混合物を担持する場合は、それらの原料を同時に担持
しても良いし、逐次的に担持しても良い。例えば含浸法
で担持する場合には、周期律表第VIII族の貴金属の
原料を適当な溶媒に溶解し、ここに担体を加え、必要な
らば所定の時間静置した後乾燥し、必要に応じて焼成し
た後、還元して触媒とする。このとき適当な溶媒として
は、貴金属の原料が溶媒に溶解すれば特に制限はない
が、例えば水、硝酸水溶液、塩酸水溶液、アンモニア水
溶液、水酸化ナトリウム水溶液、酢酸、ベンゼン、アル
コール、アセトン等が挙げられる。
【0015】本発明の方法において、周期律表第VII
I族の貴金属の担持量は、全触媒重量に対する貴金属の
重量として通常0.01〜20重量%であり、好ましく
は0.1〜10重量%である。ここで、二種以上の貴金
属が担持される場合には、その合計重量を貴金属の重量
とする。担持する貴金属の量が20重量%を越えると、
反応速度が大きくなる傾向があるものの、高価な貴金属
を多量に使用するため、ヒドロキシ安息香酸製造コスト
の上昇を招くことになる。一方、貴金属の量が0.01
重量%より少ないと反応速度が遅くなり、工業プロセス
上経済性が失われることがある。
【0016】本発明の方法において、担体に担持された
周期律表第VIII族の貴金属は、金属状態であること
が必要である。それ故、担体に担持された上記の貴金属
原料は、乾燥後直接還元するか、場合によっては、焼成
した後に還元して触媒とする。還元方法に特に制限はな
く、例えばギ酸ナトリウム、ホルムアルデヒドやヒドラ
ジン等の溶液で行なう湿式還元法、または水素や一酸化
炭素等を必要に応じ窒素やヘリウム等の不活性ガスで希
釈した還元性ガスにより気相で行なう乾式還元法を用い
ても構わない。また、この還元処理は触媒調製工程で行
なっても、あるいは反応系中で還元しても差し支えな
い。還元処理温度はこれらの貴金属が0価の金属にまで
還元されれば特に制限はないが、通常、湿式還元法では
0〜200℃、乾式還元法では0〜500℃で行なえば
よい。
【0017】次に本願第二の発明において用いられる触
媒について説明する。本発明において、修飾貴金属触媒
とは周期律表第VIII族の貴金属と、さらに周期律表
第IIIa,IVa,Va,VIa,VIIa,II
b,IVbおよびVb族より選ばれた少なくとも一種以
上の卑金属酸化物とを担体に担持した触媒のことをい
う。
【0018】担持される卑金属酸化物としては、例えば
周期律表IIIa族の酸化イットリウム、酸化ランタ
ン、酸化セリウム、IVa族の酸化ジルコニウム、Va
族の酸化バナジウム、酸化ニオブ、VIa族の酸化クロ
ム、酸化モリブデン、酸化タングステン、VIIa族の
酸化マンガン、IIb族の酸化亜鉛、IVb族の酸化ス
ズ、Vb族の酸化ビスマス等が挙げられる。これらの卑
金属酸化物のうち酸化バナジウム、酸化イットリウム、
酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸
化タングステン、酸化ニオブがより好ましく用いられ
る。卑金属酸化物の担持量は触媒全重量に対し卑金属酸
化物として、通常0.1〜99重量%で好ましくは0.
3〜20重量%である。
【0019】卑金属酸化物の原料としては、例えばメタ
バナジン酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、
パラタングステン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、
硝酸イットリウム、硝酸ランタン、硝酸亜鉛、硝酸ビス
マス、オキシ硝酸ジルコニウム等の硝酸塩、塩化クロ
ム、塩化スズ等の塩化物、酢酸マンガン等の酢酸塩、酸
化ニオブ等の酸化物等が挙げられる。これらの卑金属酸
化物の原料のうち、メタバナジン酸アンモニウム、モリ
ブデン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウ
ム、硝酸イットリウム、硝酸ランタン、硝酸亜鉛、硝酸
ビスマス、オキシ硝酸ジルコニウム、酢酸マンガン、酸
化ニオブ等が好ましい。
【0020】これらの卑金属酸化物の原料は、周期律表
第VIII族の貴金属の原料を担体に担持する方法と同
様に、公知の方法により担持できる。その後、熱処理し
て対応する卑金属酸化物とする。最終的に卑金属酸化物
が得られれば熱処理の方法に特に制限はないが、通常、
酸素含有ガス等の流通下あるいは非流通下において、2
00〜1000℃の温度で熱処理すればよい。
【0021】本発明の方法においては、周期律表第VI
II族の貴金属と前記卑金属酸化物を担体に担持する順
序に特に制限はなく、いずれかを先に担持あるいは同時
に担持してもよい。再現性を良好とするため、所定の担
体に前記卑金属化合物の原料を担持し、熱処理を行な
い、しかる後に周期律表第VIII族の貴金属の原料を
担持し、還元処理を行なう方法がより好ましい。
【0022】本発明の方法においては担体が使用される
が、一般に担体として使用されているものであれば特に
制限はなく使用できる。例えばシリカ、アルミナ、チタ
ニア、ジルコニアあるいはこれらの複合酸化物、ゼオラ
イトあるいはヤシガラ活性炭などの炭素系担体を例示で
きる。
【0023】本発明の方法において使用される触媒の量
は、反応形式によって異なるが、固定床連続流通式で行
なう場合には反応速度や熱収支により決定される為、一
概に規定することは難しい。また、懸濁床の回分式、半
回分式または連続流通式で反応を行なう場合には、反応
溶液に対して0.01〜30重量%で、好ましくは0.
05〜20重量%であり、この範囲より多く用いると反
応液の攪拌に支障をきたす場合がある。
【0024】本願第一の発明では、ヒドロキシ安息香酸
を製造するにあたり、貴金属触媒の存在下にバナジウム
化合物を反応系に添加して反応を行う。また本願第二の
発明では、前記修飾貴金属触媒の存在下に反応を行なう
が、さらにこのときバナジウム化合物を反応系に添加し
て反応を行なってもよい。バナジウム化合物を反応系に
添加するとは、バナジウム化合物を反応系内に溶存させ
て用いることが好ましく、例えばバナジウム化合物を溶
媒や反応原料に溶解し反応液中に供給したり、バナジウ
ム化合物を反応液中に懸濁させ、徐々に反応液中にバナ
ジウム化合物を溶出させて用いる。この反応において、
反応系内に溶存させるバナジウム化合物は、前記触媒の
存在下にいわゆる助触媒として作用し、前記触媒のヒド
ロキシ安息香酸の生成活性を飛躍的に増大させる。
【0025】このバナジウム化合物の具体例としては、
五酸化バナジウム、三酸化バナジウム等の酸化物、三塩
化バナジウム、オキシ二塩化バナジウム、オキシ三塩化
バナジウム等のハロゲン化物、硫酸バナジル等の硫酸
塩、シュウ酸バナジル、ステアリン酸酸化バナジウム等
の有機酸塩、メタバナジン酸アンモニウム等のアンモニ
ウム塩、バナジウム(III)アセチルアセトネート、
酸化バナジウムアセチルアセトネート等の有機錯塩等が
挙げられる。これらのうち、バナジウム(III)アセ
チルアセトネート、酸化バナジウムアセチルアセトネー
トが好ましい。反応系内に溶存させるバナジウムの濃度
は、反応形式によって異なるが、通常バナジウムとして
0.5ppm〜5%であり、好ましくは1ppm〜1%
である。
【0026】本発明の方法においては、反応は液相で行
なうが、反応には溶媒を用いることが好ましい。溶媒と
して使用できるものとしては、例えば有機溶媒としては
メタノール、エタノールなどのアルコール類、メチルエ
ーテル、エチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、
メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸
ブチルなどのエステル類、アセトアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリルなど
のニトリル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸
類が挙げられ、これらのいずれか一種あるいは二種以上
を混合して溶媒とすることもできる。また、本反応は溶
媒として水を使用することもできる。勿論、前述した有
機溶媒類に水を混合して用いてもよい。溶媒の量に特に
制限はなく、原料である安息香酸が反応時に溶解してい
れば構わないが、好ましくは溶媒濃度が反応溶液全体の
1〜99重量%となるように添加量を調整する。
【0027】また、これらの反応溶媒に必要なら無機酸
を添加することもできる。添加できる酸としては、リン
酸、硫酸、硝酸などの無機酸を挙げることができる。無
機酸を添加する場合には、触媒の成分の溶出、装置の腐
蝕等の問題から0.5N以下の濃度となるようにして用
いるのが好ましい。
【0028】本反応において供給する酸素および水素ガ
スは、窒素、へリウム、アルゴン、二酸化炭素等の不活
性ガスで希釈されていても構わない。酸素は空気を利用
することもできる。また、酸素および水素ガスの供給方
法としては、酸素と水素を含む混合ガスを反応系に供給
し安息香酸と反応させるか、または含酸素ガスと含水素
ガスを交互に反応系に供給し、安息香酸と反応させる方
法がとられる。酸素の供給量は反応方法や反応条件によ
り変化するので一概には決められないが、通常、触媒単
位重量(g)当りの酸素供給量は0.01ml/min
〜1000ml/minで行なわれる。0.01ml/
min未満では生産性が不十分となり、また1000m
l/minを越えると、酸素の転化率が小さくなり経済
的でなくなることがある。酸素と水素の割合には特に制
限はなく任意に変えることができるが、水素/酸素(モ
ル比)は好ましくは0.1〜50である。
【0029】反応温度及び圧力は反応が液相で進行すれ
ば特に制限されない。反応速度を速くする為に反応温度
を高くする場合には加圧下で反応を行なえばよい。実用
的な温度範囲は常温〜200℃である。反応温度が常温
より低いと、安息香酸の転化率が低くなり、一方反応温
度を200℃より高くすると、生成物の選択率が低くな
る場合がある。また、圧力は通常、常圧〜200kg/
cm2であるが、好ましくは常圧〜50kg/cm2であ
る。
【0030】本発明においては、反応方法に特に制限は
なく、原料である安息香酸、触媒、酸素、水素及び必要
であれば溶媒を一度に反応装置に仕込む回分式、反応装
置に酸素及び/又は水素を連続的に吹込む半回分式、安
息香酸、酸素、水素等を連続的に供給すると共に未反応
ガス及び反応液を連続的に抜き出す固定床または懸濁床
の連続式のいずれでも実施できる。
【0031】安息香酸を連続的に供給する場合、触媒単
位重量(g)当りの安息香酸供給速度は1×10-5g/
min〜102g/minで良い。1×10-5g/mi
n未満では生産性が不十分となり、また、102g/m
inを越えると、未反応安息香酸の量が多くなり、経済
的に不都合となる場合がある。
【0032】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0033】実施例1 メタバナジン酸アンモニウム421mgとシュウ酸54
5mgを蒸留水20.0mlに溶解し、ここにジルコニ
ア(ノートン(株)製;比表面積104m2/g,粒度
200mesh以下)4.85gを加え浸漬した。その
後、これをロータリー・エバポレーターを用いて減圧乾
燥した後、空気流通下400℃で1時間熱処理して6.
5重量%V25/ジルコニアを調製した。
【0034】ジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液
(白金原子として8.48重量%含有)162mgを蒸
留水12.0mlと混合し、ここに前記の6.5重量%
25/ジルコニア3.00gを加え浸漬した。ロータ
リー・エバポレーターを用いて減圧乾燥した後、10%
−水素(残り窒素)流通下、250℃で1時間還元して
0.50重量%Pt/6.5重量%V25/ジルコニア
触媒を調製した。
【0035】還流冷却器を取付けた100mlガラス製
反応器に反応溶液として、10重量%の安息香酸を含む
酢酸溶液45mlを入れ、ここに前記の0.50重量%
Pt/6.5重量%V25/ジルコニア触媒0.10g
を加えた。溶液の温度を60℃としてマグネチックスタ
ーラーで撹拌しながら水素40ml/minを30分間
供給して触媒の活性化を行なった。続いて、水素24m
l/min、空気38ml/minを同時に供給し水酸
化反応を行なった。反応は常圧で3時間行なった。
【0036】反応終了後、溶液中の触媒をろ別し、さら
にロータリーエバポレーターを用いて酢酸を除去した。
得られた固体を20重量%のメタノールを含むベンゼン
溶液に溶解し、ここにトリメチルシリルジアゾメタンを
加えメチルエステル化した。得られたメチルエステルを
ガスクロマトグラフィーで分析し、生成したヒドロキシ
安息香酸量を求めた。結果を表1に示す。
【0037】実施例2 ジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(白金原子と
して8.48重量%含有)177mgを蒸留水12.0
mlと混合し、ここにジルコニア(ノートン(株)製;
比表面積104m2/g,粒度200mesh以下)
3.00gを加え浸漬した。ロータリー・エバポレータ
ーを用いて減圧乾燥した後、10%−水素(残り窒素)
流通下、250℃で1時間還元して0.50重量%Pt
/ジルコニア触媒を調製した。
【0038】還流冷却器を取付けた100mlガラス製
反応器に反応溶液として、10重量%の安息香酸を含む
酢酸溶液45ml、バナジウム(III)アセチルアセ
トネート6.1mgを入れ、ここに前記の0.50重量
%Pt/ジルコニア触媒0.10gを加えた。溶液の温
度を60℃としてマグネチックスターラーで撹拌しなが
ら水素40ml/minを30分間供給して触媒の活性
化を行なった。続いて、水素24ml/min、空気3
8ml/minを同時に供給し水酸化反応を行なった。
反応は常圧で3時間行なった。
【0039】反応終了後、実施例1と同様にしてメチル
エステル化し、得られたメチルエステルをガスクロマト
グラフィーで分析し、生成したヒドロキシ安息香酸量を
求めた。結果を表1に示す。
【0040】実施例3 ジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液(白金原子と
して8.48重量%含有)589mgと、硝酸パラジウ
ム水溶液(パラジウム原子として7.71重量%含有)
1060mgとを、蒸留水40.0mlと混合し、ここ
にジルコニア(ノートン(株)製;比表面積104m2
/g,粒度200mesh以下)10.0gを加え浸漬
した。ロータリー・エバポレーターを用いて減圧乾燥し
た後、10%−水素(残り窒素)流通下、250℃で1
7時間還元して0.50重量%Pt−0.82重量%P
d/ジルコニア触媒を調製した。
【0041】還流冷却器を取付けた100mlガラス製
反応器に反応溶液として、10重量%の安息香酸を含む
酢酸溶液45ml、バナジウム(III)アセチルアセ
トネート24.4mgを入れ、ここに前記の0.50重
量%Pt−0.82重量%Pd/ジルコニア触媒0.1
0gを加えた。溶液の温度を60℃としてマグネチック
スターラーで撹拌しながら水素40ml/minを30
分間供給して触媒の活性化を行なった。続いて、水素2
4ml/min、空気38ml/minを同時に供給し
水酸化反応を行なった。反応は常圧で3時間行なった。
【0042】反応終了後、実施例1と同様にしてメチル
エステル化し、得られたメチルエステルをガスクロマト
グラフィーで分析し、生成したヒドロキシ安息香酸量を
求めた。結果を表1に示す。
【0043】比較例1 実施例2において調製した触媒を1.00g使用し、バ
ナジウム(III)アセチルアセトネートを用いなかっ
た以外は実施例2と同様にして反応、分析を行なった。
結果を表1に示す。
【0044】比較例2 塩化パラジウム92.4mgを1N塩酸41.2mlに
溶解し、ここにシリカ(富士デヴィソン製、CARiA
CT−50)10.0gを加え浸漬した。湯浴上で蒸発
乾固した後、10%−水素(残り窒素)流通下150℃
で1時間還元して0.55重量%Pd/シリカ触媒を調
製した。
【0045】その後触媒として前記0.55重量%Pd
/シリカ触媒1.00gを用いた以外は、実施例1と同
様にして水酸化反応を行なった。
【0046】反応終了後、実施例1と同様にしてメチル
エステル化し、得られたメチルエステルをガスクロマト
グラフィーで分析し、生成したヒドロキシ安息香酸量を
求めた。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明のヒドロキシ安息香酸の製造方法
は、安息香酸を原料とし、これを直接水酸化してヒドロ
キシ安息香酸を有効に製造する新規かつシンプルな方法
であり、これによって、o−,m−およびp−ヒドロキ
シ安息香酸が効率的に得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下に、安息香酸に酸素と水素を
    反応させて直接水酸化してヒドロキシ安息香酸を製造す
    る方法において、前記触媒が周期律表第VIII族の貴
    金属を担体に担持した貴金属触媒であり、さらにこの反
    応系にバナジウム化合物を添加することを特徴とするヒ
    ドロキシ安息香酸の製造方法。
  2. 【請求項2】触媒の存在下に、安息香酸に酸素と水素を
    反応させて直接水酸化してヒドロキシ安息香酸を製造す
    る方法において、前記触媒が周期律表第VIII族の貴
    金属と周期律表第IIIa,IVa,Va,VIa,V
    IIa,IIb,IVbおよびVb族より選ばれた少な
    くとも一種以上の卑金属酸化物とを担体に担持した修飾
    貴金属触媒であることを特徴とするヒドロキシ安息香酸
    の製造方法。
  3. 【請求項3】反応系にバナジウム化合物を添加すること
    を特徴とする請求項2に記載のヒドロキシ安息香酸の製
    造方法。
  4. 【請求項4】周期律表第VIII族の貴金属が白金およ
    び/またはパラジウムである請求項1、2または3に記
    載のヒドロキシ安息香酸の製造方法。
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