JPH07237991A - 希土類元素含有単結晶の製造方法 - Google Patents

希土類元素含有単結晶の製造方法

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JPH07237991A
JPH07237991A JP5317294A JP5317294A JPH07237991A JP H07237991 A JPH07237991 A JP H07237991A JP 5317294 A JP5317294 A JP 5317294A JP 5317294 A JP5317294 A JP 5317294A JP H07237991 A JPH07237991 A JP H07237991A
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Kunihiko Oka
邦彦 岡
Toshimitsu Ito
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間に良質の希土類元素含有単結晶を製造
できるフローティングゾーン法を用いた単結晶の製造方
法を提供することを目的とする。 【構成】 フローティングゾーン法においてRBa2
3y 原料棒と種結晶の間に設けられた溶媒の成分組
成を希土類酸化物と酸化バリウムあるいは炭酸バリウム
のうちの少なくとも1種と酸化銅を1:4:6から1:
29:66の組成にし、雰囲気としてアルゴンあるいは
窒素のうちの少なくとも1種を用い、このガス中に酸素
を0〜5%混入し、溶媒を920〜1100℃に加熱溶
融して、上記溶融組成を安定に保ちながら原料棒側に移
動させ、種結晶にRBa2 Cu3y 単結晶を成長させ

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、RBa2 Cu3y
結晶等の希土類元素含有単結晶のフローティングゾーン
法による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】RBa2 Cu37 (以下、Rは希土類
元素を表す)単結晶は80〜90Kの低温で超伝導体と
なり、安価な液体窒素を用いた極低温素子として、今後
の応用が期待されている。このため大型の良質な単結晶
が望まれ、その製造方法の開発が望まれている。
【0003】ところが、RBa2 Cu3y は高温にし
てゆくと920℃付近から分解溶融してしまうため、単
結晶と同一組成の原料から単結晶を製造することができ
ない。このためフラックス法や溶液引き上げ法で結晶育
成がされている。
【0004】フラックス法では、育成時間が3〜7日で
最大4mm×5mm×0.5〜1mmの大きさの単結晶
が現在までに育成されている(参考文献1:A.Kat
sui,Y.Hidaka and H.Ohtsuk
a Jpn.J.Appl.Phys.Vol.26,
No.9(1987)L1521)。
【0005】しかしながら、フラックス法では、結晶育
成に時間を要するうえに、その育成結晶の大きさが小さ
く、融剤から育成結晶を分離する操作が必要であった。
【0006】これに対し、比較的高速での単結晶の製造
が可能な溶液引き上げ法では、NdBa2 Cu37
y単結晶 (参考文献2:K.Oka,M.Sait
o,M.Ito,K.Nakane,K.Murat
a,Y.Nishihara and H.Unok
i,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.28,
No.2(1989)L219)、YBa2 Cu37
−δ単結晶 (参考文献3:A.Odagawa,Y.
Enomoto,Y.Yamada,Y.Shioha
ra and S.Tanaka,Physica C
217(1993)222)、PrBa2 Cu37
δ単結晶 (参考文献4:M.Tagami,M.Su
mida,C.Krauns,Y.Yamada,T.
Umeda and Y.Shiohara,Int.
Sympo.Super ’93 Proceed.印
刷中)、SmBa2 Cu37 単結晶(参考文献5:’
93 10.22 日刊工業新聞他)が育成され、特に
SmBa2 Cu37 単結晶では最大25mm角の大き
さまで育成されたことが知られている。
【0007】しかしながら、溶液引き上げ法では、かな
り高度の結晶育成技術や装置が必要であり、容器に充填
した出発原料はごく少量が単結晶となるだけであり、大
部分が容器に残り数回の結晶成長で純度の低下のために
高価な原料を捨てなければならないというコスト面の問
題があった。また、両方法とも容器材料が溶液中に流出
し育成結晶に不純物として混入する等の問題があった。
【0008】これらの問題を解決するフローティングゾ
ーン法の適用が考えられている。
【0009】ところで、一般にRBa2 Cu3y 系の
単結晶では、その中に酸素が十分含まれていないと良い
超伝導性を示さない。このため、従来のフラックス法等
を用いた単結晶製造は大気中あるいは酸素中で行われて
おり、この技術的な常識はフローティングゾーン法にも
同様に適用されてきた。
【0010】しかしながら、このような技術常識を適用
したフローティング法によれば、原料棒と種結晶の間に
設けた溶媒が溶融すると原料棒に著しく浸潤したり、溶
媒の粘性が低いため種結晶に流れ出し溶融帯を保持でき
ず、この方法でRBa2 Cu3y 単結晶育成に成功し
た報告例はまだ知られてない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的短時間に良質の希土類元素含有単結晶を製造できるフ
ローティングゾーン法を用いた単結晶の製造方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、上記事情に鑑み、YBa2 Cu37
平衡図(参考文献6:K.Oka,K.Nakane,
M.Ito,M.Saito and H.Unok
i,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.27,
No.6(1988)L1065) やNdBa2 Cu
37 の相平衡図(参考文献2)に基づき、実際のRB
2 Cu3y 単結晶製造に適したフローティングゾー
ン法を研究した結果開発されたものであり、RBa2
3y 原料棒と種結晶の間に希土類酸化物と酸化バリ
ウムあるいは炭酸バリウムのうちの少なくとも1種と酸
化銅を元素比にして1:4:6から1:29:66の組
成からなる溶媒を設け、溶媒を920〜1100℃に加
熱して浮遊溶融帯を形成し、浮遊溶融帯を原料棒側に移
動させることにより種結晶に単結晶を析出させるように
したことを特徴とする。
【0013】なお、雰囲気としてアルゴンあるいは窒素
のうちの少なくとも1種を用い、このガス中に酸素を0
〜5%混入したものを用いること、すなわち雰囲気の酸
素分圧を極端に少なくすることにより、溶融した溶媒が
原料棒へ浸潤することが少なくなり、安定した浮遊溶融
帯を保持することができるようになった。しかし、良質
な単結晶を得るために結晶成長速度すなわち浮遊溶融帯
の移動速度を0.1〜1.0mm/hrにすると焼成し
た原料棒では溶媒の浸潤の影響がでてくるので、一度高
速で、浮遊溶融帯を走査させ結晶化した原料棒を作成し
た後、その結晶化させた原料棒を用いて良質なRBa2
Cu3y 単結晶を製造できることを可能とした。しか
るのち、酸素中において熱処理を行い超伝導単結晶とす
る。
【0014】すなわち、請求項1記載の発明は、原料棒
と種結晶との間に溶媒を設け、該溶媒を加熱溶融して溶
融帯を形成し、前記原料棒を下方向に移動させることに
より前記溶融帯を移動させて前記種結晶上に単結晶を析
出させるフローティングゾーン法による希土類元素含有
単結晶の製造方法において、前記原料棒は、RBa2
3y (Rは、Y,La,Pr,Nd,Sm,Eu,
Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybからなる希
土類元素群から選択された一元素を表し、yは6.0〜
7.0である。)からなり、前記溶媒は、前記原料棒を
構成する希土類元素の酸化物と、酸化バリウムあるいは
炭酸バリウムのうち少なくとも1種と、酸化銅とを元素
比にして1:4:6〜1:29:66の範囲で配合した
混合物で構成するとともに、該溶媒の加熱温度を920
〜1100℃の範囲とすることを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の希
土類元素含有単結晶の製造方法において、少なくとも前
記溶媒の加熱雰囲気は不活性ガスであってもよい。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1記載の希
土類元素含有単結晶の製造方法において、少なくとも前
記溶媒の加熱雰囲気は5%以下の酸素を含む不活性ガス
であってもよい。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項2または3
に記載の希土類元素含有単結晶の製造方法において、前
記不活性ガスはアルゴンガスまたは窒素ガスのうち少な
くとも1種のガスであてもよい。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
のいずれかの項に記載の希土類元素含有単結晶の製造方
法において、前記原料棒は、前記溶融帯を2〜15mm
/hrの速度で移動させて作成した結晶化原料棒を用
い、該結晶化原料棒と前記種結晶との間に設けた溶媒か
らなる溶融帯を0.1〜1.0mm/hrの速度で移動
させてもよい。
【0019】請求項6記載の発明は、超伝導体の製造方
法であって、請求項1ないし5のいずれかの項に記載の
希土類元素含有単結晶の製造方法によって得られた単結
晶を酸素雰囲気中で熱処理してもよい。
【0020】請求項7記載の発明は、請求項6記載の超
伝導体の製造方法において、前記熱処理は、2段階の熱
処理であってもよい。
【0021】請求項8記載の発明は、請求項6記載の超
伝導体の製造方法において、前記熱処理の第1段階は5
00℃で25時間行うものであってもよい。
【0022】請求項9記載の発明は、請求項8記載の超
伝導体の製造方法において、前記熱処理の第2段階は4
00℃で60時間行うものであってもよい。
【0023】
【作用】まず、本発明の原理について述べる。図1は示
差熱分析と加熱急冷法の結果から作図したYBa2 Cu
37 −Ba3 Cu710系の相平衡図である。例え
ば、YBa2 Cu37 を加熱上昇させると995℃付
近で分解溶融してしまう。次に液相線A−B間の組成
比、すなわちYBa2 Cu37-y が15〜3モル%、
Ba3 Cu710が85〜97モル%の範囲に混合した
原料を約920〜995℃において加熱融解したのち
に、融液を徐々に降温させると、融液の組成は液相線A
−Bに沿って図1のBa3 Cu710側へずれてゆき、
YBa2 Cu37 −y が固相となって析出してく
る。融液の組成が共晶点BよりBa3 Cu 710側であ
れば、冷却時にまずCuOが析出し、融液の組成がA点
よりYBa2 Cu37 側であれば、冷却時にまずY2
BaCuO5 造の結晶が析出し、いずれもYBa2 Cu
37 単結晶が析出成長することができない。
【0024】本発明においては、フローティングゾーン
法においてRBa2 Cu3y 原料棒と種結晶の間に設
けられた溶媒の成分組成を希土類酸化物と酸化バリウム
あるいは炭酸バリウムのうちの少なくとも1種と酸化銅
を元素比にして1:4:6から1:29:66の組成に
し、雰囲気としてアルゴンあるいは窒素のうちの少なく
とも1種を用い、このガス中に酸素を0〜5%混入し、
溶媒を920〜1100℃に加熱溶融して、上記溶融組
成を安定に保ちながら原料棒側に移動させ、種結晶にR
Ba2 Cu3y 単結晶を成長させることができる。特
に結晶化させた原料棒を用いることにより結晶成長速度
をより遅くでき、さらに良質の単結晶を製造できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】図2は、本発明の希土類元素含有単結晶の
製造方法を実施することが可能なフローティングゾーン
単結晶製造装置の構成を示す縦断面図である。図2にお
いて1は原料棒、2は種結晶、3は溶融帯域(溶媒)、
4および5はそれぞれ回転軸、6は石英管、7はハロゲ
ンランプ、8は回転楕円鏡、9は観察窓、10はレン
ズ、11は観察用スクリーンである。図2に示した単結
晶製造装置においては、回転楕円鏡8の一方の焦点上に
ハロゲンランプ7が配置され、他方の焦点上に溶融帯域
3が形成されるようになっている。原料棒1の上端部は
上部回転軸4の下端部の把持機構により把持されてい
る。この上部回転軸4の回転方向と、種結晶2を保持す
る下部回転軸5の回転方向とは互いに反対回りに回転す
る。一方の焦点上に置かれたハロゲンランプ7の赤外光
が回転楕円鏡8に反射し、石英管6を透過して他方の焦
点に配置された溶融帯部に集光する。これにより溶融帯
域3が常に一定の位置に形成される。種結晶2の部分と
原料棒1を溶融帯域に対して相対的に下方へ移動させる
ことにより、単結晶成長を行うことができる。
【0027】以下、各実施例は図2に示した単結晶製造
装置を用いてなされている。
【0028】実施例1 YBa2 Cu3y 単結晶をフローティングゾーン法に
よって製造した。
【0029】(結晶化原料棒の製造)Y23 とBaC
3 とCuOを元素比にして1:2:3に混合した粉末
を880℃で15時間焼成し、その粉末を加圧成形器で
直径6mm、長さ7cmの丸棒状にして950℃で15
時間均質に焼成してYBa2 Cu3y 原料棒1とす
る。
【0030】同様に、Y23 とBaCO3 とCuOを
Y:Ba:Cuの元素比にして1:29:66で混合し
た粉末を880℃で15時間焼成し、その粉末を加圧成
形器で直径6mmの丸棒状にして900℃で15時間均
質に焼成して溶媒とする。しかるのち、この円柱棒状の
溶媒を径方向に切断し円盤状にしてYBa2 Cu3y
原料棒1に融着させる。
【0031】このようにYBa2 Cu37 原料棒1の
先端に溶媒を融着した円柱棒状試料を、赤外線加熱方式
を採用したフローティングゾーン法単結晶製造装置の上
部試料回転軸4に固定し、同様に下部回転軸5に種結晶
2としてYBa2 Cu3y焼成棒を固定する。なお、
この場合種結晶2と溶媒をつけたYBa2 Cu3y
料棒1が回転軸に対して偏心しないように設定する。そ
してハロゲンランプ7を用い赤外線を使用して上記溶媒
を加熱溶解したのちに種結晶を溶媒に接触させ、液体の
表面張力により原料棒と種結晶の間に溶融溶媒を保持さ
せる。しかる後に原料棒と種結晶とを互いに反対方向に
30rpmで回転させる。
【0032】さらに、この浮遊溶融帯を5mm/hrの
速度で原料棒側、すなわち上方に移動させて種結晶にY
Ba2 Cu3y 結晶化原料棒を作成する。なお、石英
管6内の雰囲気を0.1%の酸素を含むアルゴンガスと
した。
【0033】原料棒1がほぼ消費されたときに作成した
結晶化原料棒と原料棒とを切り離して室温まで冷却し
た。ここまでが結晶化原料棒の作成工程である。
【0034】(単結晶の製造)次に、種結晶2としてY
Ba2 Cu3y 単結晶を下部回転軸5に、上部回転軸
4に溶媒をつけた結晶化原料棒を固定し、再び上記と同
様な方法と操作で融けた溶媒、すなわち浮遊溶融帯を
0.5mm/hrで結晶化原料棒側に移動させ、種結晶
に 単結晶を育成させた。なお、石英管6内の雰囲気を
0.1%の酸素を含むアルゴンガスとした。この結果、
直径4mm、長さ7mmの円柱状の棒体が得られた。こ
れをX線背面ラウエ解析により単結晶であることを確認
し、さらにこの単結晶を粉末にしてX線回折によりYB
2 Cu3y 相であることを確認した。
【0035】しかる後、500℃で25時間、400℃
で60時間酸素中で熱処理をして磁化測定により超伝導
転移温度91.5Kの超伝導体であることを確認した。
【0036】実施例2 LaBa2 Cu3y 単結晶をフローティングゾーン法
によって製造した。
【0037】(結晶化原料棒の製造)La23 とBa
CO3 とCuOを元素比にして1:2:3に混合した粉
末を880℃で15時間焼成し、その粉末を加圧成形器
で直径6mm、長さ7cmの丸棒状にして1030℃で
15時間均質に焼成してLaBa2 Cu3y 原料棒1
とする。
【0038】同様に、La23 とBaCO3 とCuO
をLa:Ba:Cuの元素比にして1:4:6に混合し
た粉末を880℃で15時間焼成し、その粉末を加圧成
形器で直径6mmの丸棒状にして900℃で15時間均
質に焼成して溶媒とする。しかるのち、実施例1と同様
の装置と操作で溶媒を15mm/hrの速度で原料棒側
に移動させて結晶化原料棒を作成する。なお、石英管6
内の雰囲気を0.1%の酸素を含むアルゴンガスとし
た。
【0039】(単結晶の製造)しかる後、この結晶化原
料棒を用いて実施例1と同様の装置と操作で融けた溶媒
を0.5mm/hrの速度で結晶化原料棒側に移動させ
て種結晶にLaBa2Cu3y 単結晶を育成させる。
なお、石英管6内の雰囲気を0.1%の酸素を含むアル
ゴンガスとした。この結果、直径5mm、長さ40mm
の円柱状の棒体が得られた。これをX線背面ラウエ解析
により単結晶であることを確認し、さらにこの単結晶を
粉末にしてX線回折によりLaBa2 Cu3y 相であ
ることを確認したしかる後、500℃で25時間、40
0℃で60時間酸素中で熱処理をして磁化測定により超
伝導転移温度90Kの超伝導体であることを確認した。
【0040】実施例3 PrBa2 Cu3y 単結晶をフローティングゾーン法
によって製造した。
【0041】(結晶化原料棒の製造)Pr611とBa
CO3 とCuOを元素比にして1:2:3に混合した粉
末を880℃で15時間焼成し、その粉末を加圧成形器
で直径6mm、長さ7cmの丸棒状にして950℃で1
5時間均質に焼成してPrBa2 Cu3y 原料棒1と
する。
【0042】同様に、Pr611とBaCO3 とCuO
をPr:Ba:Cuの元素比にして1:6:13に混合
した粉末を880℃で15時間焼成し、その粉末を加圧
成形器で直径6mmの丸棒状にして920℃で15時間
均質に焼成して溶媒とする。しかるのち、実施例1と同
様の装置と操作で融けた溶媒、すなわち浮遊溶融帯を1
0mm/hrの速度で原料棒側に移動させて結晶化原料
棒を作成する。なお、石英管6内の雰囲気を0.1%の
酸素を含むアルゴンガスとした。
【0043】(単結晶の製造)しかる後、この結晶化原
料棒を用いて実施例1と同様の装置と操作で溶媒を0.
5mm/hrの速度で結晶化原料棒側に移動させて種結
晶にPrBa2 Cu3y 単結晶を育成させる。なお、
石英管6内の雰囲気を0.1%の酸素を含むアルゴンガ
スとした。この結果、直径5mm、長さ30mmの円柱
状の棒体が得られた。これをX線背面ラウエ解析により
単結晶であることを確認し、さらにこの単結晶を粉末に
してX線回折によりPrBa2 Cu3y 相であること
を確認した。
【0044】しかる後、500℃で25時間、400℃
で60時間酸素中で熱処理をした。この物質は、超伝導
体とならないことで知られている。
【0045】実施例4 NdBa2 Cu3y 単結晶をフローティングゾーン法
によって製造した。
【0046】(結晶化原料棒の製造)Nd23 とBa
CO3 とCuOを元素比にして1:2:3に混合した粉
末を880℃で15時間焼成し、その粉末を加圧成形器
で直径6mm、長さ7cmの丸棒状にして950℃で1
5時間均質に焼成してNdBa2 Cu3y 原料棒1と
する。
【0047】同様に、Nd23 とBaCO3 とCuO
をNd:Ba:Cuの元素比にして1:13:21.3
に混合した粉末を880℃で15時間焼成し、その粉末
を加圧成形器で直径6mmの丸棒状にして900℃で1
5時間均質に焼成して溶媒とする。しかるのち、実施例
1と同様の装置と操作で溶媒を5mm/hrの速度で原
料棒側に移動させて結晶化原料棒を作成する。なお、石
英管6内の雰囲気を0.1%の酸素を含むアルゴンガス
とした。
【0048】(単結晶の製造)しかる後、この結晶化原
料棒を用いて実施例1と同様の装置と操作で溶媒を0.
5mm/hrの速度で結晶化原料棒側に移動させて種結
晶にNdBa2 Cu3y 単結晶を育成させる。なお、
石英管6内の雰囲気を0.1%の酸素を含むアルゴンガ
スとした。この結果、直径4mm、長さ25mmの円柱
状の棒体が得られた。これをX線背面ラウエ解析により
単結晶であることを確認し、さらにこの単結晶を粉末に
してX線回折によりNdBa2 Cu3y 相であること
を確認した。
【0049】しかる後、500℃で25時間、400℃
で60時間酸素中で熱処理をして磁化測定により超伝導
転移温度91Kの超伝導体であることを確認した。
【0050】実施例5 SmBa2 Cu3y 単結晶をフローティングゾーン法
によって製造した。
【0051】(結晶化原料棒の製造)Sm23 とBa
CO3 とCuOを元素比にして1:2:3に混合した粉
末を880℃で15時間焼成し、その粉末を加圧成形器
で直径6mm、長さ7cmの丸棒状にして1080℃で
2時間均質に焼成してSmBa2 Cu3y 原料棒1と
する。
【0052】同様に、Sm23 とBaCO3 とCuO
をSm:Ba:Cuの元素比にして1:19.4:3
1.7に混合した粉末を880℃で15時間焼成し、そ
の粉末を加圧成形器で直径6mmの丸棒状にして900
℃で15時間均質に焼成して溶媒とする。しかるのち、
実施例1と同様の装置と操作で溶媒を5,mm/hrの
速度で原料棒側に移動させて結晶化原料棒を作成する。
なお、石英管6内の雰囲気を0.1%の酸素を含むアル
ゴンガスとした。
【0053】(単結晶の製造)しかる後、この結晶化原
料棒を用いて実施例1と同様の装置と操作で溶媒を0.
5mm/hrの速度で結晶化原料棒側に移動させて種結
晶にSmBa2 Cu3y 単結晶を育成させる。なお、
石英管6内の雰囲気を0.1%の酸素を含むアルゴンガ
スとした。この結果、直径4mm、長さ24mmの円柱
状の棒体が得られた。これをX線背面ラウエ解析により
単結晶であることを確認し、さらにこの単結晶を粉末に
してX線回折によりSmBa2 Cu3y 相であること
を確認した。
【0054】しかる後、500℃で25時間、400℃
で60時間酸素中で熱処理をして磁化測定により超伝導
転移温度94Kの超伝導体であることを確認した。
【0055】なお、上記結晶化原料棒の製造において、
溶媒の組成をSm23 とBaCO3 とCuOをSm:
Ba:Cuの元素比にして1:14.7:23.8とし
てもよく、また1:16.8:27.4としてもよい。
これらの場合にも、優れた超伝導特性を示すSmBa2
Cu3y 単結晶が得られた。
【0056】また、結晶化原料棒および単結晶の製造時
における石英管6内の雰囲気を空気としたときは、良質
の単結晶が得られなかった。さらに、7%の酸素を含む
アルゴンガス雰囲気とした場合も、同様に良質の単結晶
が得られなかった。
【0057】さらに、結晶化原料棒および単結晶の製造
時における石英管6内の雰囲気を0.1%の酸素を含む
窒化ガスとした場合でも良質の単結晶を得ることができ
た。また、アルゴンガスまたは窒化ガスのみの雰囲気で
も良質の単結晶を得ることができた。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
比較的短時間に種結晶によって任意の結晶軸方向に良質
なRBa2 Cu3y 単結晶を製造することができる。
しかも製造に使用する効果な原料の大部分を単結晶化で
きるので、フラックス法や容積引上げ法に比較し、原料
コストの節約が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するためのYBa2 Cu3
7 −Ba3 Cu710系の相平衡図である。
【図2】フローティングゾーン単結晶製造装置の断面図
である。
【符号の説明】
1 原料棒 2 種結晶 3 溶融帯域(溶媒) 4,5 回転軸 6 石英管 7 ハロゲンランプ 8 回転楕円鏡 9 観察窓 10 レンズ 11 観察用スクリーン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料棒と種結晶との間に溶媒を設け、該
    溶媒を加熱溶融して溶融帯を形成し、前記原料棒を下方
    向に移動させることにより前記溶融帯を移動させて前記
    種結晶上に単結晶を析出させるフローティングゾーン法
    による希土類元素含有単結晶の製造方法において、 前記原料棒は、RBa2 Cu3y (Rは、Y,La,
    Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,E
    r,Tm,Ybからなる希土類元素群から選択された一
    元素を表し、yは6.0〜7.0である。)からなり、
    前記溶媒は、前記原料棒を構成する希土類元素の酸化物
    と、酸化バリウムあるいは炭酸バリウムのうち少なくと
    も1種と、酸化銅とを元素比にして1:4:6〜1:2
    9:66の範囲で配合した混合物で構成するとともに、
    該溶媒の加熱温度を920〜1100℃の範囲とするこ
    とを特徴とする希土類元素含有単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の希土類元素含有単結晶の
    製造方法において、少なくとも前記溶媒の加熱雰囲気は
    不活性ガスであることを特徴とする希土類元素含有単結
    晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の希土類元素含有単結晶の
    製造方法において、少なくとも前記溶媒の加熱雰囲気は
    5%以下の酸素を含む不活性ガスであることを特徴とす
    る希土類元素含有単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の希土類元素含
    有単結晶の製造方法において、前記不活性ガスはアルゴ
    ンガスまたは窒素ガスのうち少なくとも1種のガスであ
    ることを特徴とする希土類元素含有単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの項に記載
    の希土類元素含有単結晶の製造方法において、前記原料
    棒は、前記溶融帯を2〜15mm/hrの速度で移動さ
    せて作成した結晶化原料棒を用い、該結晶化原料棒と前
    記種結晶との間に設けた溶媒からなる溶融帯を0.1〜
    1.0mm/hrの速度で移動させることを特徴とする
    希土類元素含有単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの項に記載
    の希土類元素含有単結晶の製造方法によって得られた単
    結晶を酸素雰囲気中で熱処理することを特徴とする超伝
    導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の超伝導体の製造方法にお
    いて、前記熱処理は、2段階の熱処理であることを特徴
    とする超伝導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の超伝導体の製造方法にお
    いて、前記熱処理の第1段階は500℃で25時間行う
    ものであることを特徴とする超伝導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の超伝導体の製造方法にお
    いて、前記熱処理の第2段階は400℃で60時間行う
    ものであることを特徴とする超伝導体の製造方法。
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JP2010143811A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 多結晶材料から単結晶を成長させる方法

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