JPH07237288A

JPH07237288A - オフセット印刷装置

Info

Publication number: JPH07237288A
Application number: JP5255294A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Uchida; 雅之内田; Hideaki Fujii; 英明藤井; Tetsuro Suenaga; 哲朗末長; Hide Kurosawa; 秀黒澤
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1994-02-28
Filing date: 1994-02-28
Publication date: 1995-09-12

Abstract

(57)【要約】【目的】ドクター装置の洗浄により印刷作業が中断し
ない効率の良い連続印刷を可能とする。【構成】ドクター装置によるインク掻き取りの終了後
にドクター１０の刃先部分に付着したインクを拭き取る
ためのドクター洗浄装置を設ける。ドクタリング毎に印
刷機上でドクター装置におけるドクター１０の刃先部分
が洗浄されるので、インクがドクター１０の刃先部分に
累積付着することがなく、インクの除去されたドクター
１０の刃先部分により毎回のドクタリングが行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、オフセット印刷装置に
係り、特に凹版上のパターンをブランケット胴を介して
ワーク上に転写することによりＬＣＤ用のカラーフィル
ター等を製造する場合に好適なオフセット印刷装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＬＣＤ用のカラーフィルタは、ガ
ラス板からなる透明基板上にＲ（赤），Ｇ（緑），Ｂ
（青）のそれぞれの精細パターンを順次印刷して製造す
る。そして、このカラーフィルターの画線部を形成する
方法としては、平版オフセット印刷法あるいは凹版オフ
セット印刷法が高精度でしかも低コストであることから
多用されている。

【０００３】前記凹版オフセット印刷法では、インク供
給装置から凹版上に供給されたインクを、ドクター装置
により凹版画線部に充填し、且つ、余分なインクを掻き
取るようにしている。そして、前記掻き取り後の凹版画
線部に供給されたインクをブランケット胴に転写し、そ
の転写したパターンをワークとなるガラス板に転写して
ＬＣＤ用のカラーフィルターの画線部を形成する。

【０００４】この種のオフセット印刷装置としては、従
来より図８に示すタイプのものがある。即ち、従来のオ
フセット印刷装置Ｍｏは、基台１００を有し、この基台
１００上にステージ１０１が支持されている。このステ
ージ１０１中央の上方には支持フレーム１０７に取り付
けられたブランケット胴１０２が設けられ、モータ１０
３の回転に応じて前記ブランケット胴１０２が前後に移
動するようになっている。前記ステージ１０１上には凹
版Ｐ₀を載置するための版定盤１２０と、ガラス板から
なるワークＷ₀を載置するためのワーク定盤１２１が配
設されている。前記基台１００の側面の上部にはガイド
レール１０４が設けられ、このガイドレール１０４に沿
ってスライダ１０５が摺動し、このスライダ１０５は前
記支持フレーム１０７に固着されている。この支持フレ
ーム１０７の下部はボールネジ１０６に係合し、このボ
ールネジ１０６は前記モータ１０３の回転がベルトＢを
介して伝達されることによって回転する。

【０００５】前記ステージ１０１の左右両側にはラック
１０９とベアラー１１０が設けられ、これらラック１０
９とベアラー１１０にそれぞれ対応して、前記ブランケ
ット胴１０２の左右にピニオン１０８とベアラー１１１
画設けられている。そして、ベアラー１１０とベアラー
１１１とが当接した状態でラック１０９とピニオン１０
８が噛合し、しかもラック１０９とピニオン１０８との
噛合高さが凹版Ｐ₀及びワークＷ₀の高さと同一になっ
て、ブランケット胴１０２が往復動するようになってい
る。

【０００６】また、支持フレーム１０７間には、凹版画
線部へのインク充填および余分なインクの掻き取り用の
ドクター装置１２６を支持するドクター支持棒１２６ａ
が、エアーシリンダ１２５を介して架設されている。そ
して、凹版Ｐ₀上に供給されたインクをドクター装置１
２６が下降してその刃先を凹版Ｐ₀の面に接触させ、支
持フレーム１０７の移動に伴ってインクを凹版画線部へ
充填し、余分なインクを掻き取るようにしている。

【０００７】次に、図９に基づいて上記オフセット印刷
装置による印刷工程を説明する。まず、図９（Ａ）に示
すように、ドクタリングを開始する位置にドクター装置
１２６およびブランケット胴１０２を取り付けた支持フ
レーム１０７を移動させ、ドクター装置１２６を下降さ
せる。次いで、図９（Ｂ）に示すように、支持フレーム
１０７を移動させ、凹版Ｐ₀上に供給されたインクＩを
ドクター装置１２６により凹版画線部に充填し、且つ、
余分なインクを掻き取る。また、ブランケット胴１０２
が下降し、支持フレーム１０７の移動に伴ってブランケ
ット胴１０２が回転し、凹版画線部に充填されたインク
をブランケット胴１０２に転写する。次いで、図９
（Ｃ）に示すように、ドクタリング領域を通過したドク
ター装置１２６は上昇し、図９（Ｄ）に示すように、ブ
ランケット胴１０２は回転しながら移動し凹版Ｐ₀のパ
ターンをブランケット胴１０２に転写する工程を終了す
る。次いで、図９（Ｅ）に示すように、ブランケット胴
１０２に転写された凹版パターンを、ブランケット胴１
０２がワークＷ₀に接触しながら回転、移動することに
より転写する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記のオフセット印刷
装置では、前述した如くドクター装置がインクを凹版画
線部に充填し、余分なインクを掻き取るようになってお
り、このためドクタリング毎にインクがドクターの刃先
部分裏側に回り込み、印刷を重ねるうちにインクが累積
付着してしまう事態が発生する。そして、これを洗浄し
ないで放置すると、回り込んだインクのためにドクタリ
ング時にインキ掻き残しが発生したり、インクかすがも
とで印刷品質に悪影響を及ぼすことになる。そこで、従
来のオフセット印刷装置では、時々ドクター装置を取り
外してオフラインの洗浄装置（例えば、浸漬状態で超音
波により洗浄する）にてドクターの刃先部分の洗浄を行
うようにしているが、この洗浄工程により印刷作業が中
断され、全体として製造効率を低下させる原因となって
いた。

【０００９】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、ドクター
装置の洗浄により印刷作業が中断しない効率の良い連続
印刷が可能なオフセット印刷装置を提供することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、凹版と印刷対象物とが並列配置されると
ともに、これら凹版と印刷対象物に対して相対的に移動
するインク供給装置とドクター装置とが対向配置され、
前記インク供給装置から凹版上に前記移動方向に直交し
てライン状に供給されたインクを、前記ドクター装置の
ドクターで加圧しつつ前記凹版の画線部にインクを充填
し、余分なインクを掻き取った後、前記凹版上のパター
ンをブランケット胴に転写し、該ブランケット胴上のパ
ターンを印刷対象物に印刷するオフセット印刷装置にお
いて、前記ドクター装置によるインク掻き取りの終了後
に前記ドクターの刃先部分に付着したインクを拭き取る
ためのドクター洗浄装置を備えたことを要旨とする。

【００１１】

【作用】本発明のオフセット印刷装置では、ドクタリン
グ毎に印刷機上でドクター装置におけるドクターの刃先
部分が洗浄されるので、インクがドクターの刃先部分に
累積付着することがなく、インクの除去されたドクター
の刃先部分により毎回のドクタリングが行われる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１３】図１は本発明のオフセット印刷装置におけ
るドクター洗浄装置の第１実施例を示す概略図で、ドク
タリングを終えたドクター装置がドクター洗浄装置のと
ころに移動してきた状態で示している。

【００１４】図中１０はドクター装置におけるドクター
で、ドクターブレード１１が両面にあて板１２を介して
ドクターホルダー１３により固定されている。本実施例
のドクター洗浄装置は、帯状の洗浄布２０を繰り出す送
出ロール２１および繰り出した洗浄布２０を巻き取る巻
取ロール２２と、洗浄布２０をドクター１０の刃先部分
に固定するためのチャック部２３と、洗浄布２０に向か
って溶剤を吹き付ける溶剤噴射用ノズル２４とを備えて
おり、送出ロール２１と巻取ロール２２を支持するフレ
ームとチャック部２３を上下動可能に支持するフレーム
は一体に形成されて、これらをドクター１０の巾方向に
スライドさせるように構成されている。そして、チャッ
ク部２３は、図２（ａ），（ｂ）に拡大して示すよう
に、開閉可能な一対のチャック２５を備え、各々のチャ
ック２５の先端には対向する面がテーパーになったクッ
ション材２５ａが一体に取り付けられている。

【００１５】この洗浄装置の作動について説明すると次
のようである。まず、ドクタリングを終えたドクター装
置を図１に示すようにドクター洗浄装置の上方に移動さ
せ、待機位置にあるチャック部２３の上にドクター１０
を停止させる。次いで、洗浄布２０に対してノズル２４
から溶剤を吹き付ける。この場合、洗浄に確実性を持た
せるため有機溶剤（エタノール、ＩＰＡ等）を使用す
る。溶剤を洗浄布２０に吹き付けた後、送出ロール２１
から巻取ロール２２に向けて洗浄布２０を所定長さだけ
送り、洗浄布２０における溶剤吹き付け部分をドクター
１０の下に位置させる。次いで、チャック部２３を上昇
させ、図３に示すようにチャック２５によりドクター１
０の刃先部分を締め付けた状態とし、この締め付け状態
でチャック部２３をドクター１０の巾方向にスライドさ
せて刃先部分の洗浄を行う。そして、洗浄布２０がドク
ター１０の刃先部分を通過した後、チャック部２３を停
止させてチャック２５の締め付け状態を解除し、ドクタ
ー装置をドクタリング開始位置に移動させる。一方、チ
ャック部２３を初期位置までスライドさせ、下方に移動
させて待機させる。

【００１６】なお、ドクター装置のドクター１０は、通
常、図４に示すように水平角度αが５〜１０°の範囲
で、また図５に示すように垂直角度βが５０〜９０°の
範囲で適宜セッティングされるが、洗浄装置はドクター
１０のこの範囲のセッティング条件に従って位置調整が
可能になっている。

【００１７】このようにしてドクター装置の洗浄を行う
と、先端にクッション材２５ａの付いたチャック２５に
より洗浄布２０がドクター１０の刃先部分における表裏
両面に押し付けられた状態でドクター１０の巾方向にス
ライドするので、ドクタリング中に刃先部分の裏側に回
り込んだ分も含めてインクが完全に除去され、刃先部分
に累積付着したインクによる印刷時の品質トラブルを完
全に無くすことができる。なお、洗浄布２０に溶剤をし
み込ませなくてもインクの拭き取りが十分に行われる場
合には、溶剤噴射用ノズル２４から洗浄布２０に溶剤を
吹き付ける必要はない。

【００１８】図６はドクター洗浄装置の第２実施例を示
す概略図で、ドクタリングを終えたドクター装置がドク
ター洗浄装置のところに移動してきた状態で示してい
る。

【００１９】本実施例のドクター洗浄装置は、帯状の洗
浄布３０，３１をそれぞれ繰り出す送出ロール３２，３
３、繰り出した洗浄布３０，３１をそれぞれ巻き取る巻
取ロール３４，３５およびそれらの間で洗浄布３０，３
１をそれぞれ案内する刃先布あてロール３６，３７を備
えており、刃先布あてロール３６，３７は間隔を置いて
互いに対向するように配設されている。また、左側の送
出ロール３２と刃先布あてロール３６の間、右側の送出
ロール３３と刃先布あてロール３７の間でそれぞれ洗浄
布３０，３１に向かって溶剤を吹き付ける溶剤噴射用ノ
ズル３８，３９を備えている。

【００２０】この洗浄装置の作動について説明すると次
のようである。まず、ドクタリングを終えたドクター装
置をドクター洗浄装置の上方に移動させ、図６に示すよ
うにドクター１０を下降させて刃先布あてロール３６，
３７間にドクター１０の刃先部分を挿入した後、さらに
左方に移動させて左側の刃先布あてロール３６に接触さ
せた状態とし、溶剤噴射用ノズル３８から洗浄布３０に
溶剤を吹き付けながら、送出ロール３２から洗浄布３０
を所定の長さだけ繰り出して巻取ロール３４により巻き
取ることにより刃先部分の左側面を洗浄する。次いで、
ドクター１０を右方に移動させて右側の刃先布あてロー
ル３７に接触させた状態とし、溶剤噴射用ノズル３９か
ら洗浄布３１に溶剤を吹き付けながら、送出ロール３３
から洗浄布３１を所定の長さだけ繰り出して巻取ロール
３５により巻き取ることにより刃先部分の右側面を洗浄
する。そして、ドクター１０の刃先部分の表裏両面を洗
浄した後、ドクター１０を左方に移動させて上方に移動
させることにより刃先部分を刃先布あてロール３６，３
７間から抜き取り、ドクター装置をドクタリング開始位
置に移動させて待機させる。この間に、送出ロール３
２，３３からそれぞれ洗浄布３０，３１を所定長さだけ
繰り出してそれぞれ巻取ロール３４，３５に巻き取るこ
とにより、刃先布あてロール３６，３７の部分にインク
未付着の新しい洗浄布３０，３１を供給して次の洗浄準
備を完了する。

【００２１】このようにして洗浄を行うと、ドクター１
０における刃先部分の表裏両面が２枚の洗浄布３０，３
１の綺麗な部分によりそれぞれ拭われるので、ドクタリ
ング中に刃先部分の裏側に回り込んだ分も含めてインク
が完全に除去され、刃先部分に付着したインクによる印
刷時の品質トラブルを起こすことがない。なお、洗浄布
３０，３１に溶剤をしみ込ませなくてもインクの拭き取
りが十分に行われる場合には、溶剤噴射用ノズル３８，
３９から洗浄布３０，３１に溶剤を吹き付ける必要はな
い。

【００２２】図７はドクター洗浄装置の第３実施例を示
す概略図で、ドクタリングを終えたドクター装置が洗浄
中の状態で示している。

【００２３】本実施例のドクター洗浄装置は、帯状の洗
浄布４０を繰り出す送出ロール４１および繰り出した洗
浄布４０を巻き取る巻取ロール４２と、基台となる洗浄
ステージ４３と、洗浄ステージ４３の上に設けられたス
ポンジ等の弾性体４４と、洗浄布４０を弾性体４４の上
に案内する２本の案内ロール４５，４６とを備えてい
る。また、洗浄前に洗浄布４０に向かって溶剤を吹き付
ける溶剤噴射用ノズル４７を備えている。

【００２４】この洗浄装置の作動について説明すると次
のようである。まず、ドクタリングを終えたドクター装
置をドクター洗浄装置の上方に移動させる。これに先立
ち、必要に応じて溶剤噴射用ノズル４７から洗浄布４０
に溶剤を吹き付けてしみ込ませておく。次いで、ドクタ
ー洗浄装置の上方に移動させたドクター装置を下降させ
ることにより、弾性体４４上の洗浄布４０の上面にドク
ター１０の刃先部分を押しつけ状態で接触させる。そし
て、この接触状態でドクター装置を刃先の幅方向に対し
て垂直方向に移動させて刃先部分を洗浄する。この場
合、洗浄布４０を送りながらドクター装置を移動させる
ようにしてもよい。洗浄後、ドクター装置を上昇させて
ドクタリング開始位置に移動させて待機させる。一方、
送出ロール４１から洗浄布４０を所定長さだけ繰り出し
て巻取ロール４２に巻き取ることにより、弾性体４４上
にインク未付着の新しい洗浄布４０を供給して次の洗浄
準備を完了する。

【００２５】このようにしてドクター装置の洗浄を行う
と、弾性体４４上の洗浄布４０の上面をインクの付着し
たドクター１０の刃先部分が押さえつけられた状態で滑
るので、ドクタリング中に刃先部分の裏側に回り込んだ
分も含めてインクが完全に除去され、刃先部分に累積付
着したインクによる印刷時の品質トラブルを完全に無く
すことができる。なお、洗浄布４０に溶剤をしみ込ませ
なくてもインクの拭き取りが十分に行われる場合には、
溶剤噴射用ノズル４７から洗浄布４０に溶剤を吹き付け
る必要はない。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のオフセッ
ト印刷機は、ドクター装置によるインク掻き取りの終了
後にドクターの刃先部分に付着したインクを拭き取るた
めのドクター洗浄装置を備えているので、ドクター装置
を取り外してオフラインでドクターの刃先部分を洗浄す
る必要がないことから、洗浄作業のために印刷作業が中
断することなく、製造効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の洗浄装置をドクターとともに示す
概略斜視図である。

【図２】（ａ）は洗浄装置におけるチャック部の要部を
示す側面図、（ｂ）は同じく正面図である。

【図３】洗浄装置のチャック部によりドクターの刃先部
分を締め付けた状態を示す側面図である。

【図４】ドクターの水平方向のセッティング条件を説明
するための図である。

【図５】ドクターの垂直方向のセッティング条件を説明
するための図である。

【図６】第２実施例の洗浄装置をドクターとともに示す
概略斜視図である。

【図７】第３実施例の洗浄装置をドクターとともに示す
概略斜視図である。

【図８】従来のオフセット印刷装置を示す斜視図であ
る。

【図９】従来のオフセット印刷装置による印刷工程の説
明図である。

【符号の説明】

１０ドクター１１ドクターブレード１２あて板１３ドクターホルダー２０洗浄布２１送出ロール２２巻取ロール２３チャック部２４溶剤噴射用ノズル２５チャック２５ａクッション材３０，３１洗浄布３２，３３送出ロール３４，３５巻取ロール３６，３７刃先布あてロール３８，３９溶剤噴射用ノズル４０洗浄布４１送出ロール４２巻取ロール４３洗浄ステージ４４弾性体４５，４６案内ロール４７溶剤噴射用ノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者黒澤秀東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号大日本印刷株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】凹版と印刷対象物とが並列配置されると
ともに、これら凹版と印刷対象物に対して相対的に移動
するインク供給装置とドクター装置とが対向配置され、
前記インク供給装置から凹版上に前記移動方向に直交し
てライン状に供給されたインクを、前記ドクター装置の
ドクターで加圧しつつ前記凹版の画線部にインクを充填
し、余分なインクを掻き取った後、前記凹版上のパター
ンをブランケット胴に転写し、該ブランケット胴上のパ
ターンを印刷対象物に印刷するオフセット印刷装置にお
いて、前記ドクター装置によるインク掻き取りの終了後
に前記ドクターの刃先部分に付着したインクを拭き取る
ためのドクター洗浄装置を備えたことを特徴とするオフ
セット印刷装置。