JPH0723505A - 車載用電動機の制御装置 - Google Patents

車載用電動機の制御装置

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JPH0723505A
JPH0723505A JP15043993A JP15043993A JPH0723505A JP H0723505 A JPH0723505 A JP H0723505A JP 15043993 A JP15043993 A JP 15043993A JP 15043993 A JP15043993 A JP 15043993A JP H0723505 A JPH0723505 A JP H0723505A
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JP
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voltage
battery
electric motor
vehicle
circuit
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JP15043993A
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English (en)
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Yoshishi Nomura
芳士 野村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回生電力を効率良く回収してエネルギーの収
支の向上を図り、装置の不具合時や衝突時等に懸念され
る二次災害を未然に防止することにある。 【構成】 低電圧車載機器用電源に接続され、かつ、負
側が車体本体34に接地されている低電圧バッテリー2
1と、高電圧でインバータ駆動される電動機駆動制御部
32の主回路部1に接続された大容量コンデンサ22
と、バッテリーと大容量コンデンサとが交流的に結合さ
れ、前記主回路部が車体本体から浮かす双方向絶縁型昇
降圧チョッパー回路40と、主回路部側の電圧が第1の
所定電圧以下のとき、バッテリーから前記昇降圧チョッ
パー回路を介して大容量コンデンサ側に電力を供給し、
また車載機器用電源の電圧が第2の所定電圧以下のと
き、前記昇降圧チョッパー回路を介して電動機3側から
の回生エネルギーをバッテリーおよび車載機器用電源に
供給するチョッパー回路制御手段50とを設けた車載用
電動機の制御装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッテリーを動力源と
したバッテリーカーや電気自動車の他、電気駆動を補助
駆動とした内燃機関とのハイブリッドエンジン自動車等
に利用される車載用電動機の制御装置に係わり、特に減
速トルクによる回生電力の効率的回収および自動車の衝
突等による二次災害の防止を図る技術を設けた車載用電
動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バッテリー電源を用いて電動機を
駆動して走行するバッテリーカーが実用化されている。
このバッテリーカーの制御装置は、エネルギーの収支を
改善する観点から、減速トルクによる回生電力をバッテ
リーに充電する構成がとられている。
【0003】図5はかかるバッテリーカーの制御装置を
示す構成図である。この制御装置においては、主回路部
1と並列にコンデンサ2が接続され、また主回路部1の
出力側に直流電動機3が接続されている。この主回路部
1は、コンデンサ2に充電されたほぼ一定の直流電圧源
から直流電動機3に可変の電流を供給する。この電流の
極性および大きさは電流制御部4に入力される電流基準
1と主回路部1の系統に設けた電流検出器5の検出電
流とによって定まる。この電流基準I1 は図示しないア
クセルペダルまたはブレーキペダルの踏み込み量に応じ
て決定される。
【0004】このバッテリーカーの始動時、初期充電制
御部6からの制御信号によりスイッチ7Aを閉じると、
バッテリー8の直流電圧がリアクトル9,スイッチ7
A,限流抵抗10,ダイオード11を介してコンデンサ
2に充電される。この充電がほぼ完了する時点でスイッ
チ7Bを閉路すれば、バッテリー8とコンデンサ2の接
続が完了する。ここで、電動機3が始動し力行運転を行
うと、バッテリー8から駆動電力が供給され、バッテリ
ー8の電圧が徐々に低下する。
【0005】一方、電動機3が高速回転中に減速を開始
すると、その回生電力によってコンデンサ2の充電電圧
が上昇し、バッテリー8の電圧より高くなる。その結
果、コンデンサ2からスイッチ素子12,ダイオード1
3,リアクトル9を介してバッテリー8に充電電流が流
れる。このときの充電電流は、電圧制御部14から出力
される電流基準I2 によって定められ、電流制御部15
を介してバッテリー8の許容充電電流以内に制限され
る。また、バッテリー6の電圧が規定電圧V1 に達する
と、電圧制御部14の電流基準I2 は零となり充電が中
止される。この状態において回生電力が発生している
と、コンデンサ2の充電電圧が更に上昇し、所定電圧に
達すると電圧検出部16が動作してスイッチ素子17が
オン状態となり、放電抵抗18に電流が流れて過電圧に
なるのを防止する。
【0006】しかしながら、以上のような従来装置にお
いては、バッテリー8が満充電に達したとき、コンデン
サ2の電圧が上昇し、回生電力の大半が放電抵抗18か
ら熱エネルギーとして無駄に放出されてしまう。また、
バッテリー8が満充電に達していない場合でも、電動機
3が急速に減速して短期間に大きな回生電力が発生した
とき、この回生電力がバッテリー6の許容充電電流によ
って吸収不能になると、コンデンサ2の電圧が上昇し、
同様に放電抵抗18から熱エネルギーとして無駄に放出
されてしまう。つまり、回生電力を効率よく回収できな
いという問題がある。
【0007】そこで、以上のような不具合を改善するた
めに、次のようなバッテリーカーの制御方法および制御
装置が開発され、提案されている(特願平4−1252
63号)。
【0008】この制御方法および制御装置は、図6に示
すように数百ボルト(例えば300V)のバッテリー2
1と容量比100倍以上もある極めて大容量の電気二重
層コンデンサ22との間にスイッチ回路を含むスイッチ
制御部23が設けられている。
【0009】このスイッチ回路を含むスイッチ制御部2
3は、所定の基準電流I3 と電流検出器19からの検出
電流とを比較しながらスイッチ素子24をパルス幅変調
(PWM)制御することによりバッテリー21からコン
デンサ22側に供給する電流を基準電流I3 になるよう
に制御する電流制御部25と、従来装置である図5と同
様にバッテリー21の電圧VB と規定電圧V1 とを電圧
制御部14に導入し、ここで両電圧値の差に応じて決定
される基準電流I2 と電流検出器19からの検出電流と
を比較しながらスイッチ素子26をパルス幅変調制御す
ることによりバッテリー21の充電電流を許容充電電流
以内に制御する電流制御部15とが設けられている。2
7,28はスイッチ素子24,26に逆並列接続されて
いるダイオード、29はリアクトル、30,31はPW
M制御時における環流電流を流すダイオードである。
【0010】さらに、電気二重層コンデンサ22にはイ
ンバータ機能をもった電動機駆動制御部32が設けられ
ている。この電動機制御部32は、従来装置である図5
と同様に主回路部1およびコンデンサ2を有し、図面上
省略されている電流制御部4を含み、図5と同様な機能
を有するものである。つまり、主回路部1は、コンデン
サ2に充電されたほぼ一定の直流電圧源から電動機3に
可変の電流を供給する。
【0011】従って、このような制御装置によれば、主
回路部電圧ラインPの電圧が所定の値よりも低くなる
と、電圧制御部25がスイッチ素子24をPWM制御
し、バッテリー21側から流れる電流がスイッチ制御部
23を介してコンデンサ22に充電し、このコンデンサ
22の充電電圧により電動機駆動制御部32の主回路部
1が電動機3を駆動する。
【0012】一方、電動機3が任意の速度回転中に減速
して回生電力を発生すると、コンデンサ22に充電電流
が流れて蓄積電荷が増加する。この蓄積電荷が増大して
コンデンサ22の充電電圧がバッテリー21の電圧より
も大きくなると、スイッチ素子26,リアクトル29,
ダイオード27を介してバッテリー21に充電電流が流
れる。このバッテリ21側では、当該バッテリ21から
定電圧電源回路33を介して車載電気機器にDC24V
または12Vの電圧が供給されるが、この車載電気機器
の電力消費によってバッテリー21の電圧が低下するの
で、同様にコンデンサ22の充電電圧がスイッチ制御部
23を通してバッテリー21に供給される。
【0013】また、バッテリーカーが長い下り坂を走行
するとき、電動機3が制動トルクの発生により回生電力
を発生するが、それに伴ってコンデンサ22の蓄積電荷
が初期充電時の電荷より大きくなる場合がある。このと
き、バッテリー21は同様に満充電となり、コンデンサ
22のみに充電され、コンデンサ22の充電電圧がバッ
テリー電圧より更に大きくなる。初期充電以降、コンデ
ンサ22に十分な電荷が蓄えられている場合、電動機3
はコンデンサ22の電荷のみにより駆動される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、特願平4−1
25263号による制御方法および制御装置は、電動機
3の減速による回生電力の発生時、その回生電力を無駄
なくコンデンサ22に回収でき、エネルギーの収支を大
幅に改善することができる。
【0015】しかし、この制御方法および制御装置で
は、主回路部1に印加する直流電圧の負(N)側が車体
本体(図示せず)に接続されていることである。これ
は、従来の車載電気機器用電源電圧DC24VまたはD
C12Vの負(N)側が同じ車体本体34に接地されて
いるためである。
【0016】従って、このような制御装置においては、
主回路部1への電圧が電動機3を駆動するときの効率お
よび制御の容易さ等から数100Vとなっているので、
本制御装置の不具合または自動車の衝突等による機器破
損が生じたとき、最悪の場合を想定すると地絡事故等に
より、感電,火災等の二次災害の発生する可能性を考え
ておく必要がある。これは、バッテリーカーや電気自動
車等が鋼板材で作られているためであり、これを未然に
解決しておくことが必要である。
【0017】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あって、回生電力を効率良く回収してエネルギーの収支
の向上を図り、また装置の不具合時や自動車の衝突時等
に懸念される二次災害を適切,かつ,未然に防止する車
載用電動機の制御装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、バッテリーから電力を
受けて電動機駆動制御部の主回路部により電動機を駆動
するとともに、減速トルクによる回生電力の発生時に前
記バッテリーを充電する車載用電動機の制御装置におい
て、低電圧の車載機器用電源に接続され、かつ、負側が
車体本体に接地されている低電圧の前記バッテリーと、
高電圧によってインバータ駆動される前記電動機駆動制
御部の主回路部に接続された大容量コンデンサと、前記
バッテリーと前記大容量コンデンサとが交流的に結合さ
れ、前記電動機駆動制御部の主回路部が前記車体本体か
ら浮かすように設けられた双方向絶縁型昇降圧チョッパ
ー回路と、前記主回路部の電圧が第1の所定電圧以下の
とき、前記バッテリーから前記双方向絶縁型昇降圧チョ
ッパー回路を介して前記大容量コンデンサ側に電力を供
給し、また前記車載機器用電源の電圧が第2の所定電圧
以下のとき、前記双方向絶縁型昇降圧チョッパー回路を
介して前記電動機側からの回生エネルギーを前記バッテ
リーおよび前記車載機器用電源に供給するチョッパー回
路制御手段とを設けた車載用電動機の制御装置である。
【0019】次に、請求項2に対応する発明は、双方向
絶縁型昇降圧チョッパー回路として、所定の巻数比の1
次側巻線および2次側巻線が巻回される変成器と、この
変成器の1次側巻線とバッテリーとの間に設けられ、昇
圧用チョッパー素子とこの昇圧用チョッパー素子に並列
接続される環流ダイオードとで形成された第1のブリッ
ジ回路と、前記変成器の2次側巻線と前記大容量コンデ
ンサとの間に設けられ、降圧用チョッパー素子およびこ
の降圧用チョッパー素子に並列接続される環流ダイオー
ドとで形成された第2のブリッジ回路とを設けたもので
ある。なお、前記電動機は、内燃機関に接続され、当該
内燃機関のトルクを補助する機能をもっている。
【0020】
【作用】従って、請求項1に対応する発明は、以上のよ
うな手段を講じたことにより、高電圧によってインバー
タ駆動される電動機駆動制御部の主回路部側に大容量コ
ンデンサが設けられているので、回生電力の発生時、バ
ッテリーが満充電となっても大容量コンデンサで回生電
力を確実に回収でき、充放電収支を大幅に改善できる。
【0021】また、バッテリーと大容量コンデンサとが
直流的に分離して交流的に結合され、そのうちバッテリ
ーの負側が車体本体に接地されているが、バッテリーの
電圧が車載電気機器用電源と同様な低電圧であり、また
高電圧である主回路部電圧ラインが車体本体から浮いて
いるので、地絡事故があった場合でも二次災害の発生を
未然に防止でき、人命の安全に大きく貢献する。
【0022】次に、請求項2に対応する発明は、変成器
の1次側巻線とバッテリーとの間に、昇圧用チョッパー
素子および昇圧用チョッパー素子に並列接続される環流
ダイオードで形成される第1のブリッジ回路を介挿し、
前記変成器の2次側巻線と前記大容量コンデンサとの間
に、降圧用チョッパー素子およびこの降圧用チョッパー
素子に並列接続される環流ダイオードで形成される第2
のブリッジ回路を介挿したことにより、変成器の1次側
巻線側の昇圧用チョッパー素子の駆動時に2次側巻線の
環流ダイオードで形成されるブリッジで全波整流を行
い、逆に変成器の2次側巻線側の降圧用チョッパー素子
の駆動時に1次側巻線の環流ダイオードで形成されるブ
リッジで全波整流を行うことにより、バッテリーまたは
大容量コンデンサの電圧を所要の電圧に昇圧または降圧
でき、かつ、高い変換効率で確実に所要の直流電力をバ
ッテリーまたは大容量コンデンサに供給できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明装置の実施例について図面を参
照して説明する。図1は本発明に係わる車載用電動機の
制御装置の一実施例を示す構成図である。なお、同図に
おいて図6と同一機能部分には同一符号を付して説明す
る。
【0024】先ず、本制御装置で使用するバッテリー2
1は、図6に示す装置のように数百ボルトではなく、車
載電気機器用電源にそのまま接続可能な低電圧例えばD
C24VまたはDC12Vのものが用いられる。一方、
回生電力を効率よく回収する観点からは図6と同様に大
容量の電気二重層コンデンサ22が用いられ、かつ、電
動機駆動制御部32も図6と同様な構成が用いられてい
る。
【0025】そして、前記バッテリー21と電気二重層
コンデンサ22との間には、バッテリー21が接続され
る車載電気機器用DC24VまたはDC12V電源回路
と電動機駆動制御部32とを直流的に分離する絶縁型双
方向昇降圧チョッパー回路40が設けられ、さらにチョ
ッパー回路40を制御するためのチョッパー回路制御部
50が設けられている。
【0026】この絶縁型双方向昇降圧チョッパー回路4
0は、センタータップ付トランス41が用いられ、その
トランス41の1次側巻線のセンタータップがリアクト
ル42を介してバッテリー21の(+)側に接続され、
また1次側巻線の両端部がそれぞれ昇圧用チョッパー素
子43,44を介して共通接続され、バッテリー21の
(−)側,つまり車体本体側に接続されている。これら
昇圧用チョッパー素子43,44にはそれぞれ環流ダイ
オード45が接続されている。
【0027】一方、トランス41の2次側巻線のセンタ
ータップはコンデンサ22の一端側となる電動機駆動用
主回路部電圧ラインVL側に接続され、また2次側巻線
の両端部がそれぞれ降圧用チョッパー素子46,47を
介して共通接続され、コンデンサ22の他端側に接続さ
れている。従って、電動機駆動制御部32の主回路部1
は車体本体から浮いた状態に設けられている。そして、
これら降圧用チョッパー素子46,47にはそれぞれ環
流ダイオード48が接続されている。49はコンデンサ
である。
【0028】前記チョッパー回路制御部50は、主回路
部電圧ラインVLの電圧低下時にバッテリー21の電圧
を電気二重層コンデンサ22に供給充電する昇圧チョッ
パーモード系とバッテリー21の電圧低下時にコンデン
サ22の充電電力をバッテリー21に供給する降圧チョ
ッパーモード系とに分けられる。
【0029】この昇圧チョッパーモード系にあっては、
主回路部電圧ラインVLの電圧低下を検出するために、
予め所定の電圧が設定されている電圧低下検出設定器5
1と、この設定器51の設定電圧と主回路部電圧ライン
VLの電圧との差の電圧によって定まる基準電流を出力
する制限回路付演算増幅部52と、この基準電流とバッ
テリー21の(+)側ラインの電流検出器53により検
出される昇圧チョッパー回路側からの帰還電流とを比較
しその差電流を増幅する演算増幅部54と、この電流増
幅部54の出力電流に応じたパルス幅に変調されるパル
スを出力するパルス幅制御回路(PWM)55と、この
パルス幅制御回路(PWM)55の出力パルスによって
昇圧用チョッパー素子43,44を交互に駆動する絶縁
回路付素子駆動回路56とによって構成されている。
【0030】一方、降圧チョッパーモード系において
は、バッテリー21側の所望とする電圧を設定する電圧
設定器58と、この設定電圧とバッテリー21側の電圧
との差の電圧によって定まる基準電流を出力する制限回
路付演算増幅部59と、この基準電流とバッテリー21
の(+)側ラインの電流検出器53によって検出される
昇圧チョッパー回路側からの帰還電流とを比較しその差
電流を増幅する演算増幅部60と、この演算増幅部60
の出力レベルに応じたパルス幅に変調されるパルスを出
力するパルス幅制御回路(PWM)61と、このパルス
幅制御回路(PWM)61の出力パルスによって降圧用
チョッパー素子46,47を交互に駆動する絶縁回路付
素子駆動回路62とによって構成されている。
【0031】次に、以上のように構成された装置の動作
を説明する。先ず、電動機3を力行駆動しようとする
時、図2(a)に示すように主回路部電圧ラインVLの
電圧が予め電圧低下検出設定器51の設定電圧よりも低
くなる場合がある。例えば長期駐留時や外部環境差によ
る運転時の充放電収支の片寄り時等の場合、電気二重層
コンデンサ22の放電によって主回路部電圧ラインVL
の電圧が低下するので、設定器51の設定電圧と主回路
部電圧ラインVLの電圧とを比較して差電圧が発生する
と、演算増幅部52から差電圧によって定まる基準電流
が出力する。そして、この基準電流から電流検出器53
によって検出される昇圧チョッパー回路の帰還電流を減
算し、その減算電流を演算増幅部54で増幅し、図2
(b)に示すような波形信号を得た後、パルス幅制御回
路55に導入する。
【0032】ここで、パルス幅制御回路55は、演算増
幅部54の出力レベルに応じて変化するパルス幅のパル
スに変換し、図2(c),(d)に示すようにチョッパ
ー素子43,44を交互にオン駆動する。その結果、バ
ッテリー21側の直流電圧はセンタータップ付トランス
41の1次側巻線に供給される。
【0033】この昇圧チョッパー動作時,トランス41
の2次側巻線の降圧用チョッパー素子46,47はオフ
動作状態にある。従って、トランス41の2次側巻線に
現れる電圧は、チョッパー素子46,47に並列に接続
されている環流ダイオード48,48を介して図2
(e)のごとく全波整流され、コンデンサ22に充電さ
れる。そして、コンデンサ22の充電動作によって主回
路部電圧ラインVLの電圧が設定電圧に達したとき、演
算増幅部52の出力が零となり、昇圧チョッパー動作は
オフ状態となる。すなわち、バッテリー21の電力が昇
圧用チョッパー素子43,44および交流結合によるト
ランス41を介してコンデンサ22に供給される。従っ
て、電動機駆動制御部32によって電動機3が力行駆動
することができる。
【0034】次に、通常運転時においては、電気二重層
コンデンサ22が前述したようにエネルギーの蓄積,放
出の貯蔵源として動作するが、バッテリー21の電圧D
C24Vが図3(a)に示すように車載用電気機器への
電力供給により電圧設定器58の設定電圧よりも降下す
ると、電圧設定器58の設定電圧とバッテリ21の帰還
電圧との差を演算増幅部59によって増幅し、その差電
圧によって定まる基準電流を出力する。そして、前述す
る昇圧チョッパーモード系と同一動作を行う演算増幅部
60,パルス幅制御回路61および絶縁回路付素子駆動
回路62によって図3(c),(d)のように降圧用チ
ョッパー素子46,47を交互にオン駆動する。この降
圧用チョッパー素子46,47のオン駆動による出力が
センタータップ付トランス41の2次側巻線に送られ、
プッシュプル駆動される。
【0035】その結果、トランス41の1次側巻線には
巻数比に基づく電圧が誘起される。この降圧用チョッパ
ー素子46,47の動作時、トランス41の1次側巻線
の昇圧用チョッパー素子43,44はオフ状態にあり、
これらチョッパー素子43,44に並列に接続されてい
る環流ダイオード45,45が整流動作を行って図3
(e)のごとく全波整流を行い、コンデンサ22の充電
電力がバッテリー21に供給される。
【0036】すなわち、降圧チョッパーモード系では、
バッテリー21の電圧が電圧設定器58の設定電圧より
も低くなったとき、当該電圧設定器58の設定電圧とな
るように、電流検出器53,演算増幅部60,パルス幅
制御回路61および素子駆動回路62からなる電流マイ
ナーループをもつ演算増幅部59による電圧制御ループ
が形成され、バッテリー21の電圧が一定となるように
制御される。
【0037】なお、前記2つのモードは、電動機3がア
クセルペタルの踏み込み時に力行モードとなるので、こ
のときには昇圧チョッパーモードとし、ブレーキペタル
踏み込みまたはアクセルペタルを離した時に回生モード
となるので、このときには降圧チョッパーモードとす
る。
【0038】従って、以上のような実施例の構成によれ
ば、主回路部1に電力を供給するコンデンサ22とし
て、従来のこの種の装置で一般的に使用されているコン
デンサと比較して大容量コンデンサ,例えば電気二重層
コンデンサを設けたことにより、通常の運転であるエネ
ルギーの充放電を当該コンデンサ22に分担させること
ができ、回生エネルギーをコンデンサ22のみで完全に
回収でき、よって回生電力を効率良く回収することがで
きる。
【0039】また、車載電気機器用電源回路と電動機駆
動制御部32との間に絶縁型双方向昇降圧チョッパー回
路40を介在して直流的に分離する一方、バッテリー電
源回路の(−)側は従来通り接地するとともに、危険と
されるバッテリー21の電圧レベルをDC24Vまたは
DC12Vに下げたので、装置の何らかの不具合や衝突
事故等が発生してもバッテリー21による危険率が殆ん
どなくなる。しかも、危険な高電圧を必要とする電動機
駆動制御部32の主回路部1は前述のごとく車載電気機
器用電源回路,ひいてはバッテリー電源と直流的に分離
し、かつ、車体本体のグランドから浮かすように設けら
れているので、装置不良または衝突時等に懸念される二
次災害の発生を抑制でき、人命の安全対策に大きく貢献
する。
【0040】なお、上記実施例では、バッテリー21と
大容量コンデンサに22との間に絶縁型双方向昇降圧チ
ョッパ回路40を用いたが、例えば図4に示すようにフ
ルブリッジ回路構成とした昇降圧チョッパー回路40′
を用いてもよい。
【0041】つまり、バッテリー21の両極間には、昇
圧用チョッパー素子43と44、43Aと44Aとの直
列回路を接続することにより第1のブリッジ回路を構成
し、その第1のブリッジ回路の出力側にセンタータップ
不要のトランス41′の1次側巻線が接続されている。
このトランス41′の2次側巻線側にも同様に降圧用チ
ョッパー素子46,47,46A,47Aからなる第2
のブリッジ回路が接続されている。なお、チョッパー回
路制御部50は、図1と同様な構成のものが用いられ
る。
【0042】このような構成によれば、絶縁回路付素子
駆動回路56によりチョッパー素子(43A,44)と
(44A,43)とを交互に駆動し、また素子駆動回路
62によりチョッパー素子(46A,47)と(47
A,46)とを交互に駆動することになる。
【0043】よって、この実施例の場合には、図1の実
施例と同様な作用効果を有する他、トランスのセンター
タップが不要になり、チョッパー素子電圧が図1に比べ
て半分でよい。従って、スイッチングによる電波障害の
抑制に寄与する。その他、本発明はその要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形して実施できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような種々効果を奏する。請求項1の発明によれば、
電動機駆動制御部の主回路部側に大容量コンデンサを設
けたことにより、回生電力を効率良く回収してエネルギ
ーの収支の向上を図ることができる。また、バッテリー
と大容量コンデンサとの間を交流結合するととともに、
バッテリーを低電圧とし,かつ,負側を車体本体に接地
し、一方、電動機駆動制御部の主回路部側を車体本体か
ら浮かすようにしたので、装置の不具合時や自動車の衝
突時等に懸念される二次災害を適切,かつ,未然に防止
できる。
【0045】次に、請求項2の発明によれば、バッテリ
ーまたは大容量コンデンサの電圧を所要の電圧に昇圧ま
たは降圧でき、かつ、高い変換効率で確実に所要の直流
電力をバッテリーまたは大容量コンデンサに供給でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる車載用電動機の制御装置の第一
実施例を示す構成図。
【図2】図1において昇圧チョッパーモード系の動作を
説明する図。
【図3】図1において降圧チョッパーモード系の動作を
説明する図。
【図4】本発明装置の他の実施例を示す構成図。
【図5】従来の車載用電動機制御装置の構成を示す図。
【図6】先願出願に開示されている車載用電動機制御装
置の構成を示す図。
【符号の説明】
1…主回路部、3…電動機、21…バッテリー、22…
大容量コンデンサ、32…電動機駆動制御部、40…絶
縁型双方向昇降圧チョッパー回路、41,41′…トラ
ンス、43,43A,44,44A…昇圧用チョッパー
素子、45…環流ダイオード、46,46A,47,4
7A…降圧用チョッパー素子、48…環流ダイオード、
50…チョッパー回路制御部、51,58…設定器、5
5,61…パルス幅制御回路、56,62…絶縁回路付
素子駆動回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリーから電力を受けて電動機駆動
    制御部の主回路部により電動機を駆動するとともに、減
    速トルクによる回生電力の発生時に前記バッテリーを充
    電する車載用電動機の制御装置において、 低電圧の車載機器用電源に接続され、かつ、負側が車体
    本体に接地されている低電圧の前記バッテリーと、 高電圧によってインバータ駆動される前記電動機駆動制
    御部の主回路部に接続された大容量コンデンサと、 前記バッテリーと前記大容量コンデンサとが交流的に結
    合され、前記電動機駆動制御部の主回路部が前記車体本
    体から浮かすように設けられた双方向絶縁型昇降圧チョ
    ッパー回路と、 前記主回路部の電圧が第1の所定電圧以下のとき、前記
    バッテリーから前記双方向絶縁型昇降圧チョッパー回路
    を介して前記大容量コンデンサ側に電力を供給し、また
    前記車載機器用電源の電圧が第2の所定電圧以下のと
    き、前記双方向絶縁型昇降圧チョッパー回路を介して前
    記電動機側からの回生エネルギーを前記バッテリーおよ
    び前記車載機器用電源に供給するチョッパー回路制御手
    段とを備えたことを特徴とする車載用電動機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 双方向絶縁型昇降圧チョッパー回路は、
    所定の巻数比の1次側巻線および2次側巻線が巻回され
    る変成器と、この変成器の1次側巻線とバッテリーとの
    間に設けられ、昇圧用チョッパー素子およびこの昇圧用
    チョッパー素子に並列接続される環流ダイオードで形成
    された第1のブリッジ回路と、前記変成器の2次側巻線
    と前記大容量コンデンサとの間に設けられ、降圧用チョ
    ッパー素子およびこの降圧用チョッパー素子に並列接続
    される環流ダイオードで形成された第2のブリッジ回路
    とを備えたことを特徴とする請求項1記載の車載用電動
    機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電動機は、内燃機関に接続され、当
    該内燃機関のトルクを補助することを特徴とする請求項
    1記載の車載用電動機の制御装置。
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