JPH07234726A - 能動型振動制御装置及び車両用能動型振動制御装置 - Google Patents

能動型振動制御装置及び車両用能動型振動制御装置

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JPH07234726A
JPH07234726A JP2704794A JP2704794A JPH07234726A JP H07234726 A JPH07234726 A JP H07234726A JP 2704794 A JP2704794 A JP 2704794A JP 2704794 A JP2704794 A JP 2704794A JP H07234726 A JPH07234726 A JP H07234726A
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vibration
drive signal
limit value
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control force
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Shigeki Sato
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】制御が発散することを抑制し、安定した振動低
減制御が実行されるようにする。 【構成】エンジン回転数Nに基づいて、振動を打ち消す
ために必要な必要制御力FREQ を推定し(ステップ20
2)、その必要制御力FREQ に基づいて、制限値WLMT
を推定する(ステップ203)。そして、適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数の最大値WMAX を検索し(ス
テップ204)、その最大値WMAX が制限値WLMT より
も大きいとステップ205で判定された場合には、ステ
ップ206に移行して比率β(=WLMT /WMAX )を演
算し、ステップ207に移行して各フィルタ係数Wi
比率βで縮小する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジン等の振動源
から発せられた振動に制御振動を干渉させることにより
振動の低減を図る能動型振動制御装置,車両用能動型振
動制御装置に関し、特に、振動の発生状態を表す基準信
号をフィルタ処理して制御振動源を駆動する駆動信号を
生成する適応ディジタルフィルタと、この適応ディジタ
ルフィルタの各フィルタ係数を適応アルゴリズムに従っ
て逐次更新する手段とを備えた能動型振動制御装置,車
両用能動型振動制御装置において、制御の発散を抑制し
安定した振動低減制御が実行されるようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】振動低減を図る従来の技術として、例え
ば実公平1−41952号公報に記載される装置があ
り、かかる従来の振動低減装置は、特に車体の振動を低
減するための装置であって、簡単に説明すれば、車体に
固定された加振機に対する制御信号の位相を適宜制御す
ることにより、振動と逆位相の加振力がその加振機から
車体に入力されるようにして、振動を加振力で打ち消し
て車体振動の低減を図るようにしていた。
【0003】しかし、この従来の振動低減装置は、単に
振動と逆位相の加振力が発生するように加振機に対して
正弦波状の制御信号を付与する構成であったため、振動
伝達系の特性等が例えば各構成部品の劣化等によって変
動してしまうと、充分な振動低減効果が得られなくなる
可能性が高い。このような不具合に対処するために、例
えば“日本音響学会 平成4年度春季研究発表会講演論
文集”の515〜516頁に記載された同期式Filt
ered−X LMSアルゴリズムを適用することが考
えられる。即ち、LMSアルゴリズムとは、適応アルゴ
リズムの一つであって、例えば振動低減装置にLMSア
ルゴリズムを適用する場合には、振動の発生状態を表す
基準信号を取り込み、その基準信号を適応ディジタルフ
ィルタでフィルタ処理して制御振動源を駆動する駆動信
号を生成する一方で、振動の低減状態を表す残留振動信
号を取り込み、その残留振動信号と基準信号とに基づき
LMSアルゴリズムに従って適応ディジタルフィルタの
各フィルタ係数を逐次更新するように構成することにな
る。そして、このような適応アルゴリズムを用いること
により、制御系の特性が未知であっても或いは制御系の
特性が当初の状態から変動してしまった場合であって
も、振動を低減し得る制御振動を制御振動源から発生さ
せることができるのである。
【0004】なお、上記論文集に開示されたLMSアル
ゴリズムは、特に同期式Filtered−X LMS
アルゴリズムと呼ばれていて、周期的な振動や騒音を低
減する場合に有利なアルゴリズムであって、基準信号と
して、振動の基本周波数に同期したインパルス列を適用
した点に特徴がある。即ち、基準信号がインパルス列で
あるため、乗算が不要となり加算のみで畳み込み演算が
行える、場合によっては加算も不要となるから、演算量
の大幅な低減が図られ処理が高速で行えるという利点が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなLMSアルゴリズムを用いた従来の装置であっ
ても、安定した制御状態から何らかの外乱入力が生じた
とき、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数が不安定
になる状態を回避するための対策を有していなければ、
制御が発散し却って振動が増大してしまうという問題点
が生じてしまう。そこで、従来は、例えば残留振動信号
のレベルが制御開始前のレベルに比べて増大している場
合には、制御が発散したものと判断して制御自体を中断
する等していたが、これでは、振動低減制御自体が停止
してしまうため、有効な解決策とはいえない。
【0006】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、制御が
発散することを未然に防止することができる能動型振動
制御装置,車両用能動型振動制御装置を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明である能動型振動制御装置は、
振動源から発せられた振動と干渉する制御振動を発生可
能な制御振動源と、前記振動源の振動発生状態を検出し
基準信号として出力する基準信号生成手段と、フィルタ
係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号を
前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記制
御振動源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成手
段と、前記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出
力する残留振動検出手段と、前記基準信号及び前記残留
振動信号に基づいて前記干渉後の振動が低減するように
適応アルゴリズムに従って前記適応ディジタルフィルタ
のフィルタ係数を更新する適応処理手段と、前記駆動信
号の最大値が所定の制限値を超えているか否かを判定す
る制限値超過判定手段と、この制限値超過判定手段によ
って前記駆動信号の最大値が前記制限値を超えていると
判定された場合に前記駆動信号の最大値が前記制限値を
超えないように前記駆動信号を縮小する駆動信号縮小手
段と、を備えた。
【0008】そして、請求項2に係る発明は、上記請求
項1に係る発明である能動型振動制御装置において、前
記駆動信号縮小手段は、前記駆動信号の最大値が前記制
限値を超えないように前記駆動信号を所定比率で縮小す
ることとした。また、請求項3に係る発明は、上記請求
項1又は請求項2に係る発明である能動型振動制御装置
において、前記振動を打ち消すために前記制御振動源に
必要な必要制御力を検出又は推定する必要制御力検出推
定手段と、前記必要制御力に基づいて前記制限値を設定
する制限値設定手段と、を設けた。
【0009】そして、請求項4に係る発明は、上記請求
項3に係る発明である能動型振動制御装置において、前
記制限値設定手段は、前記必要制御力又は前記制御振動
源で最大発生可能な限界制御力のいずれか小さい方に基
づいて、前記制限値を設定するものとした。一方、上記
目的を達成するために、請求項5に係る発明である車両
用能動型振動制御装置は、エンジンから発せられた振動
と干渉する制御振動を発生可能な制御振動源と、前記エ
ンジンの振動発生状態を検出し基準信号として出力する
基準信号生成手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタ
ルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィ
ルタでフィルタ処理して前記制御振動源を駆動する駆動
信号を生成する駆動信号生成手段と、前記干渉後の振動
を検出し残留振動信号として出力する残留振動検出手段
と、前記基準信号及び前記残留振動信号に基づいて前記
干渉後の振動が低減するように適応アルゴリズムに従っ
て前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新す
る適応処理手段と、前記駆動信号の最大値が所定の制限
値を超えているか否かを判定する制限値超過判定手段
と、この制限値超過判定手段によって前記駆動信号の最
大値が前記制限値を超えていると判定された場合に前記
駆動信号の最大値が前記制限値を超えないように前記駆
動信号を縮小する駆動信号縮小手段と、を備えた。
【0010】そして、請求項6に係る発明は、上記請求
項5に係る発明である車両用能動型振動制御装置におい
て、前記駆動信号縮小手段は、前記駆動信号の最大値が
前記制限値を超えないように前記駆動信号を所定比率で
縮小することとした。また、請求項7に係る発明は、上
記請求項5又は請求項6に係る発明である車両用能動型
振動制御装置において、前記振動を打ち消すために前記
制御振動源に必要な必要制御力を検出又は推定する必要
制御力検出推定手段と、前記必要制御力に基づいて前記
制限値を設定する制限値設定手段と、を設けた。
【0011】そして、請求項8に係る発明は、上記請求
項7に係る発明である車両用能動型振動制御装置におい
て、前記制限値設定手段は、前記必要制御力又は前記制
御振動源で最大発生可能な限界制御力のいずれか小さい
方に基づいて、前記制限値を設定するものとした。さら
に、請求項9に係る発明は、上記請求項7又は請求項8
に係る発明である車両用能動型振動制御装置において、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を設
け、前記必要制御力検出推定手段は、前記エンジン回転
数に基づいて前記必要制御力を推定するものとした。
【0012】さらに、請求項10に係る発明は、上記請
求項7又は請求項8に係る発明である車両用能動型振動
制御装置において、エンジン負荷を検出又は推定するエ
ンジン負荷検出推定手段を設け、前記必要制御力検出推
定手段は、前記エンジン負荷に基づいて前記必要制御力
を推定するものとした。また、請求項11に係る発明
は、上記請求項10に係る発明である車両用能動型振動
制御装置において、エンジン回転数を検出するエンジン
回転数検出手段を設け、前記エンジン負荷検出推定手段
は、前記エンジン回転数に基づいてエンジン負荷を推定
するものとした。
【0013】そして、請求項12に係る発明は、上記請
求項10に係る発明である車両用能動型振動制御装置に
おいて、エアコンディショナのオン・オフ状態を検出す
るエアコンディショナ操作状態検出手段を設け、前記エ
ンジン負荷検出推定手段は、前記エアコンディショナの
オン・オフ状態に基づいてエンジン負荷を推定するもの
とした。
【0014】さらに、請求項13に係る発明は、上記請
求項10に係る発明である車両用能動型振動制御装置に
おいて、変速機のシフトレバーの操作位置を検出するシ
フトレバー操作位置検出手段を設け、前記エンジン負荷
検出推定手段は、前記シフトレバーの操作位置に基づい
てエンジン負荷を推定するものとした。
【0015】
【作用】請求項1に係る発明にあっては、基準信号生成
手段によって振動源の振動発生状態を表す基準信号が生
成され、駆動信号生成手段によってその基準信号が適応
ディジタルフィルタでフィルタ処理されて駆動信号が生
成され、その駆動信号によって制御振動源が駆動される
から、制御振動源からは、振動の発生状態に応じた制御
振動が発することになる。
【0016】しかし、制御開始直後は、適応ディジタル
フィルタのフィルタ係数が最適値に収束しているとは限
らないので、振動源から発せられた振動が制御振動によ
って打ち消されるとは必ずしも言えないが、適応処理手
段によって、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
が、振動の発生状態を表す基準信号及び振動の低減状態
を表す残留振動信号に基づいて適応アルゴリズムに従っ
て逐次更新されるため、制御が進み適応ディジタルフィ
ルタのフィルタ係数がある程度収束した後には、制御振
動源から発せられる制御振動によって振動が打ち消さ
れ、振動レベルが低減する。
【0017】ここで、やや不安定な状態にある制御系に
何らかの外乱が加わったとき(例えば、残留振動検出手
段に振動源以外で発生した振動が入力されたとき)に、
基準信号の高次の周波数成分が駆動信号に表れ、その高
次の周波数成分が残留振動信号に含まれた状態で適応処
理手段に取り込まれて適応ディジタルフィルタのフィル
タ係数がその高次の残留振動を低減する方向に成長し、
駆動信号内の高次の周波数成分がさらに増大する、とい
う悪循環によって制御が発散状態に至ることがある。そ
して、そのような発散に至る過程を調べてみたところ、
駆動信号のレベルが安定状態のときに比べて増大してい
ることが判明し、本発明はこの点に着目してなされたも
のである。
【0018】即ち、この請求項1に係る発明のように、
制限値超過判定手段によって、駆動信号の最大値が所定
の制限値を超えていると判定された場合に、駆動信号縮
小手段が、駆動信号の最大値が制限値を超えなくなるよ
うに駆動信号を縮小する。すると、駆動信号が過大なレ
ベルになる前にそれが抑えられることになるから、例え
発散傾向になったとしても、それが抑制されることにな
る。
【0019】そして、請求項2に係る発明であれば、駆
動信号縮小手段における駆動信号の縮小は、制限値を超
えている駆動信号を強制的に制限値に一致させるような
ものではなく、駆動信号生成手段が生成する全ての駆動
信号を所定比率で比例縮小するものであるため、駆動信
号を縮小したことにより、基準信号に含まれない高周波
成分が駆動信号に重畳されてしまい、制御系の発散を招
いてしまうようなことが防止される。
【0020】また、請求項3に係る発明にあっては、必
要制御力検出推定手段によって、振動源から発せられた
振動を打ち消すために制御振動源に必要な必要制御力が
検出又は推定されると、制限値設定手段が、その必要制
御力に基づいて、制限値超過判定手段が用いる制限値を
設定する。この制限値設定手段における必要制御力に基
づいた制限値の設定の具体的な内容としては、例えば、
必要制御力と同じ制御力を発生するような駆動信号レベ
ルを制限値として設定する、或いは必要制御力よりも若
干大きい制御力を発生するような駆動信号レベルを制限
値として設定する、等が考えられる。
【0021】そもそも制御振動源に供給される駆動信号
は、振動を打ち消すために必要な制御力よりも大きい制
御力を発生するようなレベルである必要はないから、そ
のような必要制御力よりも大きい制御力を発生するよう
なレベルに駆動信号があるときには、発散傾向にあるた
め駆動信号のレベルが増大していると考えることができ
る。
【0022】従って、この請求項3に係る発明のよう
に、制限値設定手段が必要制御力に基づいて制限値を設
定すれば、請求項1に係る発明の作用、つまり駆動信号
が過大なレベルになる前にそれを抑え、例え発散傾向に
なったとしてもそれが抑制されるという作用が確実に発
揮される。次に、請求項4に係る発明にあっては、制限
値設定手段は、必要制御力だけではなく、構造上或いは
電気負荷上等の限界から決まる制御振動源の最大発生可
能な限界制御力をも考慮し、それら必要制御力及び限界
制御力のうち、いずれか小さい方に基づいて制限値を設
定する。
【0023】ここで、限界制御力を超える制御力を発生
させるような駆動信号を制御振動源に供給すると、駆動
信号に対する制御力の応答が極端な非線形の応答となっ
てしまい、基準信号に含まれない高周波成分が制御振動
に表れて、制御系の発散を招いてしまうおそれがある。
しかし、そのような限界制御力のみに基づいて制限値を
設定してしまうと、限界制御力よりも低い制御力で振動
の打ち消しが可能な状況では、発散が生じても駆動信号
の最大値が限界制御力を発生するレベルに達しないと、
請求項1に係る発明の発散抑制作用が得られないことに
なり、外乱等が入力されたときに発散が有効に抑えられ
ないことが考えられる。
【0024】そこで、この請求項4に係る発明のよう
に、制限値設定手段が、必要制御力又は限界制御力のい
ずれか小さい方に基づいて制限値を設定すれば、上記請
求項1に係る発明の作用が確実に発揮される。請求項5
に係る発明は、上記請求項1に係る発明を車両のエンジ
ンの振動を低減する装置としたものであり、その作用は
実質的に上述した請求項1に係る発明の作用と同じであ
る。
【0025】また、同様に、請求項6に係る発明は、上
記請求項2に係る発明を車両のエンジンの振動を低減す
る装置としたものであり、請求項7に係る発明は、上記
請求項3に係る発明を車両のエンジンの振動を低減する
装置としたものであり、請求項8に係る発明は、上記請
求項4に係る発明を車両のエンジンの振動を低減する装
置としたものであり、それら請求項6乃至請求項8に係
る発明の作用は、対応する上記請求項2乃至請求項4に
係る発明の作用と実質的に同じである。
【0026】次に、請求項9に係る発明にあっては、エ
ンジン回転数検出手段によってエンジン回転数が検出さ
れると、必要制御力検出推定手段は、そのエンジン回転
数に基づいて必要制御力を推定する。即ち、振動を打ち
消すために制御振動源に必要な必要制御力は発生してい
る振動の大きさによって決まるものであり、車両のエン
ジンで発生する振動の大きさは一般的にエンジン回転数
によって略決まってくる。これは、エンジンで発生する
振動は、エンジンでの燃焼やエンジン内の往復運動質量
の不均衡によって生じるものであるから、エンジン振動
の周波数はエンジン回転数で決まり、振動の周波数が異
なればシリンダブロック等で構成される伝達系の位相特
性,振幅特性等によって外部に伝達される振動のレベル
が異なってくるからである。因みに、エンジン振動は、
特定のエンジン回転次数成分に同期した振動であり、例
えばレシプロ4気筒エンジンであればエンジン回転2次
成分に同期し、レシプロ6気筒エンジンであればエンジ
ン回転3次成分に同期する。
【0027】従って、例えば予めエンジン型式毎にエン
ジン回転数と振動レベルとの関係をマップ等に表してお
けば、エンジン回転数に基づいて容易に必要制御力が推
定される。一方、請求項10に係る発明にあっては、エ
ンジン負荷検出推定手段によってエンジン負荷が検出又
は推定されると、必要制御力検出推定手段は、そのエン
ジン負荷に基づいて必要制御力を推定する。
【0028】即ち、エンジンで発生する振動の大きさ
は、エンジンの負荷によっても決まってくる、具体的に
はエンジン負荷に比例して振動レベルは大きくなるの
で、エンジン負荷を検出又は推定すれば、必要制御力が
推定されるのである。そして、エンジン負荷は例えばク
ランク軸のトルクを検出することにより求めることがで
きるが、これでは特別なトルクセンサが必要となる。請
求項11〜請求項13に係る発明は特にこの点を解決す
るための発明であって、エンジン負荷が簡易に推定され
る。
【0029】先ず、請求項11に係る発明は、エンジン
負荷がエンジン回転数に左右される点に着目したもので
あり、エンジン回転数検出手段がエンジン回転数を検出
するから、エンジン負荷検出推定手段において、そのエ
ンジン回転数に基づいてエンジン負荷が推定される。ま
た、請求項12に係る発明は、エアコンディショナのオ
ン・オフ状態がエンジン負荷に影響を与える点に着目し
たものである。つまり、エアコンディショナがオン状態
であれば、エンジン出力の一部がエアコンディショナの
駆動に費やされるのであるから、それだけエンジン負荷
が増大していることになる。よって、この請求項12に
係る発明であれば、エアコンディショナ操作状態検出手
段がエアコンディショナのオン・オフ状態を検出するか
ら、エンジン負荷検出推定手段において、そのエアコン
ディショナのオン・オフ状態に基づいてエンジン負荷が
推定される。
【0030】そして、請求項13に係る発明は、変速機
の状態がエンジン負荷に影響を与える点に着目したもの
である。例えば、変速機がニュートラル位置にあれば、
エンジンと駆動輪との間は駆動力が伝達できない状態に
あるから、それだけエンジン負荷は小さい。よって、こ
の請求項13に係る発明であれば、シフトレバー操作位
置検出手段が、変速機を操作するためのシフトレバーの
操作位置を検出するから、エンジン負荷検出推定手段に
おいて、そのシフトレバーの操作位置に基づいてエンジ
ン負荷が推定される。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の第1実施例を示す図であり、こ
の実施例は、本発明に係る能動型振動制御装置(車両用
能動型振動制御装置)を、エンジンから車体に伝達され
る振動を能動的に低減する所謂アクティブエンジンマウ
ントに適用したものである。
【0032】先ず、構成を説明すると、図1に示すよう
に、このエンジンマウント1は、振動源としてのエンジ
ン30への取付け用の取付けボルト2aを上部に一体に
備え且つ内側が空洞で下部が開口した取付部材2を有
し、この取付部材2の下部外面には内筒3の上端部がか
しめ止めされている。この内筒3の内側には、取付部材
2及び内筒3の内側の空間を上下に二分するように、そ
れら取付部材2及び内筒3のかしめ止め部分に挟み込ま
れてダイアフラム4が配設されていて、このダイアフラ
ム4によって二分された空間のうち、ダイアフラム4の
上側の空間は大気圧に通じ、ダイアフラム4の下側の空
間にはオリフィス構成体5が配設されている。
【0033】一方、内筒3の外周面には、内周面及び外
周面の軸方向位置が内周側が高くなるように成形されて
いる円筒状の支持弾性体6の内周面が加硫接着されてい
て、その支持弾性体6の外周面は外筒7の内周面に加硫
接着されている。そして、外筒7の下端部は円筒形のア
クチュエータ保持部材8の上部にかしめ止めされてい
て、そのアクチュエータ保持部材8の下端面には、メン
バ35側への取付け用の取付けボルト9aを下部に一体
に備えた円板状の取付部材9が固定されている。
【0034】また、アクチュエータ保持部材8の上端面
には、これと一体に外筒7の下端部にかしめ止めされた
円筒部材10が固定されていて、さらに、この円筒部材
10の内周面には、アクチュエータ保持部材8の上端面
との間に所定のクリアランスをもち且つ円筒形の弾性体
11により上下方向に変位可能に可動部材12が保持さ
れている。かかる可動部材12は、磁化可能な材料から
なり且つ上面が凹陥した円板状に成形されている。
【0035】そして、アクチュエータ保持部材8の内側
には、電磁コイル等を含んで構成され、外部から供給さ
れる制御信号に応じて可動部材12を上下方向に変位さ
せる電磁アクチュエータ13が配設されている。さら
に、本実施例では、支持弾性体6の下面及び可動部材1
2の上面によって画成された部分に主流体室15が形成
され、ダイアフラム4及びオリフィス構成体5によって
画成された部分に副流体室16が形成されていて、これ
ら主流体室15及び副流体室16間が、オリフィス構成
体5に形成されたオリフィス5aを介して連通してい
る。なお、これら主流体室15,副流体室16及びオリ
フィス5a内には油等の流体が封入されている。
【0036】かかるオリフィス5aの流路形状等で決ま
る流体マウントとしての特性は、走行中のエンジンシェ
イク発生時、つまり5〜15Hzでエンジンマウント1
が加振された際に高動バネ定数,高減衰力を示すように
調整されている。そして、電磁アクチュエータ13はコ
ントローラ20に接続されていて、かかるコントローラ
20から供給される駆動信号yに応じて所定の電磁力を
発生するようになっている。
【0037】コントローラ20は、マイクロコンピュー
タ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A
変換器,アンプ等を含んで構成されていて、オリフィス
5aを通じて主流体室15及び副流体室16間で流体が
移動不可能な周波数帯域の振動、つまり上述したエンジ
ンシェイクよりも高周波の振動であるアイドル振動やこ
もり音振動・加速時振動が入力されている場合には、そ
の振動と同じ周期で且つ位相が180度ずれた制御振動
がエンジンマウント1に発生して、取付部材9への振動
の伝達力が“0”となるように(より具体的には、エン
ジン30側の振動によってエンジンマウント1に入力さ
れる加振力が、電磁アクチュエータ13の電磁力によっ
て得られる制御力で相殺されるように)、駆動信号yを
生成し電磁アクチュエータ13に供給するようになって
いる。
【0038】ここで、アイドル振動やこもり音振動は、
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動がエンジンマウント1を介してメ
ンバ35に伝達されることが主な原因であるから、その
エンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し出
力すれば、振動伝達率の低減が可能となる。そこで、本
実施例では、エンジン30のクランク軸の回転に同期し
た(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、クラ
ンク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信号
を生成し基準信号xとして出力する基準信号生成手段と
してのパルス信号生成器21を設けていて、その基準信
号xが、エンジン30における振動の発生状態を表す信
号としてコントローラ20に供給されている。
【0039】一方、メンバ35には、エンジンマウント
1の取り付け位置に近接して、メンバ35の振動状況を
加速度の形で検出し残留振動信号eとして出力する残留
振動検出手段としての加速度センサ22が固定されてい
て、その残留振動信号eが、干渉後における振動を表す
信号としてコントローラ20に供給されている。そし
て、コントローラ20は、それら基準信号x及び残留振
動信号eに基づき、逐次更新形の適応アルゴリズムの一
つであるFiltered−X LMSアルゴリズム、
より具体的には、同期式Filtered−X LMS
アルゴリズムに従って駆動信号yを生成し出力する。
【0040】即ち、コントローラ20は、フィルタ係数
i (i=0,1,2,…,I−1:Iはタップ数)可
変の適応ディジタルフィルタWを有していて、最新の基
準信号xが入力された時点から所定サンプリング・クロ
ックの間隔で、その適応ディジタルフィルタWのフィル
タ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力する一方、エ
ンジン30からエンジンマウント1を介してメンバ35
に伝達される振動が低減するように、基準信号x及び残
留振動信号eに基づいて適応ディジタルフィルタWのフ
ィルタ係数Wi を適宜更新する処理を実行する。
【0041】適応ディジタルフィルタWの更新式は、F
iltered−X LMSアルゴリズムに従った下記
の(1)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)−αRT e(n) ……(1) ここで、(n)が付く項は時刻nにおける値であること
を表し、また、αは収束係数と呼ばれる係数であってフ
ィルタ係数Wi の収束の速度やその安定性に関与する係
数である。RT は、理論的には、基準信号xを、エンジ
ンマウント1及び加速度センサ22間の伝達関数Cをモ
デル化した伝達関数フィルタC^でフィルタ処理した値
(リファレンス信号若しくはFiltered-X信号)である
が、この実施例では同期式Filtered−X LM
Sアルゴリズムを適用した結果基準信号xがインパルス
列であるため、伝達関数フィルタC^のインパルス応答
を基準信号xに同期して次々に生成した場合のそれらイ
ンパルス応答波形の時刻nにおける和に一致する。
【0042】また、理論的には、適応ディジタルフィル
タWで基準信号xをフィルタ処理して駆動信号yを生成
することになり、フィルタ処理はディジタル演算では畳
み込み演算に該当するが、基準信号xがインパルス列で
あるので、上述したように最新の基準信号xが入力され
た時点から、所定サンプリング・クロックの間隔で適応
ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi を順番に駆
動信号yとして出力しても、フィルタ処理の結果を駆動
信号yとしたのと同じ結果になる。
【0043】さらに、コントローラ20は、駆動信号y
として出力されるフィルタ係数Wiの最大値WMAX を見
つけ出し、その最大値WMAX が所定の制限値WLMT を超
えているか否かを判定し、超えている場合には、その最
大値WMAX が制限値WLMT と同じ大きさになるように、
全てのフィルタ係数Wi を同じ比率βで縮小する演算処
理を実行するようになっている。比率βは、最大値W
MAX をβ倍した結果が、制限値WLMT に一致すればよい
のであるから、 β=WLMT /WMAX ……(2) として求められる。
【0044】また、コントローラ20は、現時点のエン
ジン30で発生してエンジンマウント1に入力される振
動を打ち消すためにエンジンマウント1で発生させる必
要がある必要制御力FREQ を推定し、その推定された必
要制御力FREQ を発生させるのに必要な駆動信号yのレ
ベルを求め、その求められた駆動信号yのレベルを制限
値WLMT として設定する演算処理を実行するようになっ
ている。つまり、制限値WLMT は、固定の値ではなく、
エンジン30における振動の発生状況に応じて適宜設定
されるようになっている。
【0045】次に、本実施例の作用を説明する。即ち、
エンジンシェイク発生時には、オリフィス5aの流路形
状等を適宜選定している結果、このエンジンマウント1
は高動バネ定数,高減衰力の支持装置として機能するた
め、エンジン30で発生したエンジンシェイクがエンジ
ンマウント1によって減衰され、メンバ35側の振動レ
ベルが低減される。なお、かかる場合には、特に可動部
材12を変位させる必要はない。
【0046】一方、オリフィス5a内の流体がスティッ
ク状態となり主流体室15及び副流体室16間での流体
の移動が不可能になるアイドル振動周波数以上の周波数
の振動が入力された場合には、コントローラ20は、所
定の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ13に駆動
信号yを出力し、エンジンマウント1に振動を低減し得
る能動的な制御力を発生させる。
【0047】これを、アイドル振動,こもり音振動入力
時にコントローラ20内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである図2に従って具体的に説明する。
先ず、そのステップ101において所定の初期設定が行
われた後に、ステップ102に移行し、伝達関数フィル
タC^に基づいてリファレンス信号RT が演算される。
なお、このステップ102では、一周期分のリファレン
ス信号RT がまとめて演算される。
【0048】そして、ステップ103に移行し、カウン
タiが零クリアされた後に、ステップ104に移行し
て、適応ディジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数
i が駆動信号yとして出力される。ステップ104で
駆動信号yを出力したら、ステップ105に移行し、残
留振動信号eが読み込まれ、ステップ106でカウンタ
jが零クリアされ、次いでステップ107に移行し、適
応ディジタルフィルタWのj番目のフィルタ係数Wj
上記(1)式に従って更新される。
【0049】ステップ107における更新処理が完了し
たら、ステップ108に移行し、次の基準信号xが入力
されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力さ
れていないと判定された場合は、適応ディジタルフィル
タWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力処
理を実行すべく、ステップ109に移行する。ステップ
109では、カウンタjが、出力回数Ty (正確には、
カウンタjは0からスタートするため、出力回数Ty
ら1を減じた値)に達しているか否かを判定する。この
判定は、ステップ104で適応ディジタルフィルタWの
フィルタ係数Wi を駆動信号yとして出力した後に、適
応ディジタルフィルタWのフィルタ係数を、駆動信号y
として必要な数だけ更新したか否かを判断するためのも
のである。そこで、このステップ109の判定が「N
O」の場合には、ステップ111でカウンタjをインク
リメントした後に、ステップ107に戻って上述した処
理を繰り返し実行する。
【0050】しかし、ステップ109の判定が「YE
S」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ係数
の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ11
0に移行し、適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係
数Wj が発散状態になる前にそれを抑制するための、発
散抑制処理が実行される。なお、この発散抑制処理を実
行した場合の具体的な作用については、後述する。ステ
ップ110の処理を終えたらステップ112に移行し、
ここでカウンタiをインクリメントした後に、上記ステ
ップ104の処理を実行してから所定のサンプリング・
クロックの間隔に対応する時間が経過するまで待機し、
サンプリング・クロックに対応する時間が経過したら、
上記ステップ104に戻って上述した処理を繰り返し実
行する。
【0051】しかし、ステップ108で基準信号xが入
力されたと判断された場合には、ステップ113に移行
し、カウンタi(正確には、カウンタiが0からスター
トするため、カウンタiに1を加えた値)を最新の出力
回数Ty として保存した後に、ステップ102に戻っ
て、上述した処理を繰り返し実行する。このような処理
を繰り返し実行する結果、基準信号x,駆動信号y及び
伝達関数フィルタC^の関係を表す図4に示すように、
コントローラ20からエンジンマウント1に対しては、
基準信号xが入力された時点から、サンプリング・クロ
ックの間隔で、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係
数Wi が順番に駆動信号yとして供給されるが、適応デ
ィジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi は、同期式F
iltered−X LMSアルゴリズムに従った上記
(1)によって逐次更新されるため、ある程度の時間が
経過して適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数W
i が最適値に収束した後は、駆動信号yがエンジンマウ
ント1に供給されることによって、エンジン30からエ
ンジンマウント1を介してメンバ35側に伝達されるア
イドル振動やこもり音振動が低減されるようになる。な
お、エンジンマウント1における制御力は、電磁アクチ
ュエータ13から発せられる電磁力によって可動部材1
2が振動し、その振動が主流体室15内の流体及び支持
弾性体6の拡張バネを介して内筒3及び外筒7間の力と
して作用することにより得られるものである。
【0052】一方、ステップ110における発散抑制処
理の具体的な流れは、図3に示すようになっていて、先
ずそのステップ201において、出力回数Ty に基づい
て現在のエンジン回転数Nを演算する。ここで、出力回
数Ty は一の基準信号xが入力された時点から次の基準
信号xが入力されるまでの間の駆動信号yの出力回数で
あり、その駆動信号yの出力間隔はサンプリング・クロ
ックであるから既知であり、そして、基準信号xの入力
間隔とクランク軸の回転速度とはエンジン型式によって
決まる一定の関係にあることから、出力回数Ty に基づ
けば、エンジン回転数Nが求められるのである。
【0053】次いで、ステップ202に移行し、エンジ
ン回転数Nに基づき図示しないマップを参照して、必要
制御力FREQ を求める。即ち、エンジン30で発生した
振動によってエンジンマウント1に入力される加振力の
大きさはエンジン回転数Nによって略決まってくること
が多く、エンジンマウント1に入力される加振力を相殺
する制御力をエンジンマウント1で発生させる必要があ
ることから、エンジン型式毎に予めエンジン回転数Nに
対する加振力を実測して両者の関係をマップに記憶して
おき、実際のエンジン回転数Nに基づいてマップを参照
して加振力を読み出せば、その読み出した加振力が必要
制御力FREQ となるのである。
【0054】必要制御力FREQ が求められたら、ステッ
プ203に移行し、その必要制御力FREQ を発生し得る
フィルタ係数Wi の大きさを求め、その結果を制限値W
LMTとして設定する。必要制御力FREQ を発生し得るフ
ィルタ係数Wi の大きさを求める具体的な方法として
は、例えば、予めエンジンマウント1を実際に搭載した
状態で駆動信号yと発生する制御力とを実測して両者の
関係をマップに記憶しておき、必要制御力FREQ に基づ
いてマップを参照して対応する駆動信号yを読み出すよ
うにすればよい。
【0055】そして、ステップ204に移行し、適応デ
ィジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の最大値WMAX
を検索する。なお、フィルタ係数Wi の個数はそれほど
多くはないので、各フィルタ係数Wi を単純に比較して
最大値WMAX を見つけ出せばよい。次いで、ステップ2
05に移行し、最大値WMAX が制限値WLMT を超えてい
るか否かを判定する。この時、制御が安定状態であれ
ば、必要制御力FREQ 以上の制御力を発生するように適
応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が更新され
ることは考えられない。換言すれば、ステップ205の
判定が「NO」の場合には、特に制御が発散傾向にない
と判断できるから、ステップ206以降の処理は実行せ
ず、このままこの図3の処理を終了する。
【0056】ここで、やや不安定な状態にある時に何ら
かの外乱が加わったとき(例えば、加速度センサ22に
エンジン振動以外の加振力が入力されたとき)等に、図
5に示すように、基準信号xの高次(この例では、2
次)の周波数成分が駆動信号yに表れ、そのような駆動
信号yが残留振動信号eに含まれた状態でコントローラ
20に取り込まれて適応ディジタルフィルタWのフィル
タ係数Wi がその高次の残留振動を低減する方向に成長
し、駆動信号y内の高次の周波数成分がさらに増大す
る、という悪循環によって制御が発散状態に至ることが
ある。そして、そのような発散に至る過程では、駆動信
号yのレベルが安定状態のときに比べて増大する傾向に
ある。
【0057】このため、上記のような発散状態に陥りそ
うになると、ある時点でステップ205の判定が「YE
S」となり、ステップ206に移行し、上記(2)式に
従って比率βが演算され、そしてステップ207に移行
し、下記の(3)式に従って全てのフィルタ係数Wi
大きさが比例縮小される。 Wi =β・Wi ……(3) すると、駆動信号yの出力波形は、図6に示すように、
最大値が制限値WLMTを超えても、最大値が制限値W
LMT 以下の値になるように駆動信号y全体が強制的に戻
されるため、発散を増長する高調波成分が残留振動信号
eに含まれてさらに発散状態を悪化させるような現象が
断ち切られるのである。
【0058】つまり、本実施例によれば、制御が発散す
る前にその兆候が表れた時点でこれを抑制することがで
きるから、例えば制御が発散した後に振動低減制御を中
止してしまうような従来の解決策とは異なり、振動低減
制御を止める必要がない非常に有効な解決策となるので
ある。また、単純に最大値WMAX のみを縮小するのでは
なく、駆動信号yとなるフィルタ係数Wi 全体を同じ比
率βで比例縮小させているため、フィルタ係数Wi を縮
小させた結果、駆動信号yに高調波が重畳してしまい、
発散を招いてしまうようなことはない。
【0059】そして、制限値WLMT を固定値にはせず、
必要制御力FREQ に応じて設定するようにしているた
め、発散傾向に移行した直後にこれを抑制することがで
きるから、非常に効率的な発散抑制処理を行うことがで
きる。さらに、本実施例では、エンジン回転数Nに基づ
いて必要制御力FREQ を推定する構成を採用したから、
比較的容易に必要制御力FREQ を求めることが可能であ
るし、必要制御力FREQ を求めるために例えばエンジン
マウント30からエンジンマウント1への加振力を検出
するセンサ等を設ける必要がなく、このため、センサの
劣化に伴う検出制度の低下等を懸念する必要がないし、
コスト的にも有利である。
【0060】ここで、本実施例にあっては、エンジンマ
ウント1が制御振動源に対応し、ステップ205の処理
が制限値超過判定手段に対応し、ステップ206及び2
07の処理が駆動信号縮小手段に対応し、ステップ20
2の処理が必要制御力検出推定手段に対応し、ステップ
203の処理が制限値設定手段に対応し、ステップ20
1の処理がエンジン回転数検出手段に対応し、ステップ
104の処理が駆動信号生成手段に対応し、ステップ1
02及び107の処理が適応処理手段に対応する。
【0061】図7は本発明の第2実施例を示す図であ
り、この第2実施例も、上記第1実施例と同様のエンジ
ンマウントに本発明を適用したものであって、図7は、
上記第1実施例の図3と同様に、発散抑制処理の具体的
な流れを示すフローチャートである。なお、その他の構
成は上記第1実施例と同様であるため、その図示及び説
明は省略する。
【0062】即ち、本実施例にあっては、発散抑制処理
のステップ201,202の処理の内容は上記第1実施
例と同様であるが、ステップ202からステップ301
に移行し、ここで必要制御力FREQ と、エンジンマウン
ト1で最大限発生可能な限界制御力FLMT とが比較され
るようになっている。そして、必要制御力FREQ の方が
限界制御力FLMT よりも小さいと判定された場合には、
ステップ203に移行し上記第1実施例と同様の処理を
実行するが、限界制御力FLMT の方が必要制御力FREQ
よりも小さいと判定された場合には、ステップ302に
移行し、その限界制御力FLMT を発生し得るフィルタ係
数Wiの大きさを求め、その結果を制限値WLMT として
設定する。なお、この限界制御力FLMT を発生し得るフ
ィルタ係数Wi の大きさを求める具体的な方法として
は、例えば、予めエンジンマウント1を実際に搭載した
状態で、駆動信号yを零から徐々に大きくしていきなが
ら、実際に発生している制御力を実測しその最大値を見
つけ出せばよい。
【0063】つまり、本実施例では、必要制御力FREQ
又は限界制御力FLMT のいずれか小さい方に基づいて、
限界値WLMT を設定することとしている。ステップ20
3又はステップ302の処理を終えたら、ステップ20
4に移行し、それ以降は上記第1実施例と同様の処理を
実行する。このような構成であっても、必要制御力F
REQ が限界制御力FLMT よりも小さい場合には、上記第
1実施例と同様の作用効果が得られる。
【0064】そして、必要制御力FREQ が限界制御力F
LMT を超えると、限界制御力FLMTに基づいて制限値W
LMT が設定されるようになるため、限界制御力FLMT
超える制御力を発生させるような駆動信号yをエンジン
マウント1に供給するようなことがなくなり、駆動信号
yに対する制御力の応答が極端な非線形の応答となって
基準信号xに含まれない高周波成分が制御振動に表れ
て、制御系の発散を招いてしまうようなことを防止でき
るという利点がある。
【0065】なお、常に限界制御力FLMT に基づいて制
限値WLMT を設定するような構成としてしまうと、限界
制御力FLMT よりも低い制御力で振動の打ち消しが可能
な状況では、発散が生じてもフィルタ係数Wi の最大値
MAX が限界制御力FLMT を発生するレベルに達しない
と、発散抑制効果が得られないことになり、外乱等が入
力されたときに発散を有効に抑制できないこととなって
しまうが、本実施例であれば、そのような問題点は生じ
ない。
【0066】ここで、本実施例では、ステップ203,
301及び302の処理によって制限値設定手段が構成
される。図8及び図9は本発明の第3実施例を示す図で
あり、この第3実施例も、上記第1実施例と同様のエン
ジンマウントに本発明を適用したものであって、図8
は、コントローラ20の接続状況を示すブロック図であ
り、また、図9は上記第1実施例の図3と同様に、発散
抑制処理の具体的な流れを示すフローチャートである。
なお、その他の構成は上記第1実施例と同様であるた
め、その図示及び説明は省略する。
【0067】即ち、本実施例では、図8に示すように、
コントローラ20には、基準信号x及び残留振動信号e
の他に、エアコンディショナのオン・オフ状態を検出す
るエアコンディショナ操作状態検出手段としてのエアコ
ンスイッチセンサ23が出力するスイッチ信号SWと、
変速機のシフトレバーの操作位置を検出するシフトレバ
ー操作位置検出手段としてのシフトレバーセンサ24が
出力するシフトレバー信号SHとが供給されるようにな
っている。
【0068】エアコンスイッチセンサ23は、例えばエ
アコンディショナの操作スイッチに連動して作動する公
知の機械的な或いは電気的なスイッチで構成され、エア
コンディショナがオン状態の場合に、論理値“1”のエ
アコンスイッチ信号SWを出力するようになっている。
また、シフトレバーセンサ24は、本実施例では、シフ
トレバーがニュートラル位置にあるか否かを検出するよ
うになっていて、例えばシフトレバーの操作に連動して
作動する公知の機械的な或いは電気的なスイッチで構成
され、シフトレバーがニュートラル以外の位置にある場
合に、論理値“1”のシフトレバー信号SHを出力する
ようになっている。
【0069】一方、図9の発散抑制処理が実行される
と、先ずそのステップ201で出力回数Ty に基づいて
エンジン回転数Nを演算し、次いでステップ401に移
行して、エアコンスイッチ信号SWと、シフトレバー信
号SHとを読み込み、次いでステップ402に移行し、
それらエンジン回転数N,エアコンスイッチ信号SW及
びシフトレバー信号SHに基づいて、現時点のエンジン
30に加わっているエンジン負荷ELを推定する。そし
て、ステップ403に移行し、そのエンジン負荷ELに
基づいて、必要制御力FREQ を演算する。
【0070】即ち、通常のエンジンは加わっている負荷
に比例して発生する振動が大きくなることから、エンジ
ン負荷ELに基づけば、発生している振動の大きさが推
定され、その推定結果から、必要制御力FREQ を求める
ことができるのである。そして、エンジン負荷ELは、
クランク軸にトルクセンサを設けることにより直接測定
することも可能であるが、本実施例では、比較的検出し
易い、エンジン回転数,エアコンディショナのオン・オ
フ状態及びシフトレバー位置に基づいて、間接的にエン
ジン負荷ELを検出することにより、大幅なコストアッ
プを招かないようにしている。なお、エンジン負荷EL
とエンジン回転数との関係は、エンジン型式毎に予め実
測しておけばよいし、エアコンディショナがオンの場合
はそれだけエンジン負荷が大きくなるし、シフトレバー
がニュートラル位置にあればエンジン負荷はかなり小さ
くなるから、それらエンジン回転数N,エアコンディシ
ョナのオン・オフ状態及びシフトレバー位置から、ある
程度、エンジン負荷ELを推定することができるのであ
る。
【0071】ステップ403の処理を終えたら、ステッ
プ301に移行し、それ以降は上記第2実施例又は第1
実施例と同様の処理が実行される。そして、本実施例の
構成であっても、最大値WMAX が制限値WLMT を超える
場合には、各フィルタ係数Wi が比率βで縮小されるた
め、上記第1実施例,第2実施例と同様の作用効果が得
られる。
【0072】しかも、本実施例では、エンジン負荷に基
づいて必要制御力FREQ を推定する構成を採用したた
め、比較的容易に必要制御力FREQ を求めることが可能
であるし、必要制御力FREQ を求めるために例えばエン
ジンマウント30からエンジンマウント1への加振力を
検出するセンサ等を設ける必要がなく、このため、セン
サの劣化に伴う検出制度の低下等を懸念する必要がない
し、コスト的にも有利である。
【0073】ここで、本実施例では、ステップ402の
処理がエンジン負荷検出推定手段に対応し、ステップ2
01の処理がエンジン回転数検出手段に対応する。な
お、この第3実施例では、エンジン回転数N,エアコン
ディショナのオン・オフ状態及びシフトレバー位置とい
う三つの要因に基づいてエンジン負荷ELを推定する構
成としているが、これらの組合せは任意であり、それら
三つの内のいずれかの二つ或いは一つに基づいてエンジ
ン負荷ELを推定してもよいし、場合によっては、エン
ジン負荷ELに影響を与える他の要因をも考慮してエン
ジン負荷ELを推定するようにしてもよい。さらに、ク
ランク軸のトルクを検出するトルクセンサを設けて、エ
ンジン負荷ELを直接検出するようにしてもよい。
【0074】また、上記各実施例では、適応アルゴリズ
ムとして同期式Filtered−X LMSアルゴリ
ズムを用いた場合について説明したが、適用可能な適応
アルゴリズムはこれに限定されるものではなく、例え
ば、通常のFiltered−X LMSアルゴリズム
等であってもよい。そして、上記第1実施例,第2実施
例ではエンジン回転数Nに基づいて必要制御力FREQ
推定し、上記第3実施例ではエンジン負荷ELに基づい
て必要制御力FREQ を推定する構成としているが、いず
れか一方のみではなく、エンジン回転数N及びエンジン
負荷ELの両方を考慮して、必要制御力FREQ を推定す
る構成としてもよい。
【0075】さらに、上記各実施例では、本発明を車両
のエンジン30からメンバ35に伝達される振動の低減
を図るアクティブエンジンマウントに適用した場合につ
いて説明したが、本発明の適用対象はこれに限定される
ものではなく、エンジン30以外から発せられる振動の
低減を図る装置であってもよいし、車両以外に適用して
例えば工作機械からフロアに伝達される振動を低減する
装置等に適用してもよい。
【0076】またさらに、比率βは、必ずしも上記
(2)式に従って演算しなければならない訳ではなく、
例えば、上記(2)式の右辺の分母を最大値WMAX より
も若干大きい値として比率βを演算するようにしてもよ
い。その場合には、上記(2)式で比率βを演算した場
合に比べて、ステップ207における縮小演算によって
フィルタ係数Wi が多少小さめになるため、発散抑制作
用が強くなる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は請求
項5に係る発明によれば、駆動信号が制限値を超えてい
る場合にその駆動信号を縮小する構成としたため、制御
が発散することが有効に抑制されるので、非常に安定し
た振動低減制御が実行されるという効果を有する。
【0078】特に、請求項2又は請求項6に係る発明と
すれば、駆動信号は所定比率で縮小されるため、駆動信
号を縮小したことにより基準信号に含まれない高周波成
分が駆動信号に重畳されて制御系の発散を招いてしまう
ようなことが防止されるから、請求項1又は請求項5に
係る発明の作用をより安定的に発揮できるという効果が
ある。
【0079】また、請求項3又は請求項7に係る発明に
よれば、制限値を必要制御力に基づいて設定する構成と
したため、上述した請求項1又は請求項5に係る発明の
作用を確実に発揮できるという効果を有する。そして、
請求項4又は請求項8に係る発明によれば、制限値を、
必要制御力又は限界制御力のいずれか小さい方に基づい
て設定する構成としたため、さらに確実に上述した請求
項1又は請求項5に係る発明の作用を発揮できるという
効果を有する。
【0080】さらに、請求項9〜請求項13に係る発明
によれば、必要制御力をエンジン回転数或いはエンジン
負荷に基づいて推定する構成としたため、比較的容易に
必要制御力を求めることができるし、コスト的にも有利
であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体構成を示す断面図で
ある。
【図2】コントローラ内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである。
【図3】第1実施例のコントローラ内で実行される発散
抑制処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】基準信号,駆動信号及び伝達関数フィルタの関
係を表す波形図である。
【図5】制御が発散する際の駆動信号及び残留振動信号
の状況を示す波形図である。
【図6】実施例の作用を説明する駆動信号の波形図であ
る。
【図7】第2実施例のコントローラ内で実行される発散
抑制処理の概要を示すフローチャートである。
【図8】第3実施例のシステム構成を示すブロック図で
ある。
【図9】第3実施例のコントローラ内で実行される発散
抑制処理の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジンマウント(制御振動源) 13 電磁アクチュエータ 20 コントローラ 21 パルス生成器(基準信号生成手段) 22 加速度センサ(残留振動検出手段) 23 エアコンスイッチセンサ(エアコンディショナ
操作状態検出手段) 24 シフトレバーセンサ(シフトレバー操作位置検
出手段) 30 エンジン(振動源) x 基準信号 y 駆動信号 e 残留振動信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 11/178

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動源から発せられた振動と干渉する制
    御振動を発生可能な制御振動源と、前記振動源の振動発
    生状態を検出し基準信号として出力する基準信号生成手
    段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、
    前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ
    処理して前記制御振動源を駆動する駆動信号を生成する
    駆動信号生成手段と、前記干渉後の振動を検出し残留振
    動信号として出力する残留振動検出手段と、前記基準信
    号及び前記残留振動信号に基づいて前記干渉後の振動が
    低減するように適応アルゴリズムに従って前記適応ディ
    ジタルフィルタのフィルタ係数を更新する適応処理手段
    と、前記駆動信号の最大値が所定の制限値を超えている
    か否かを判定する制限値超過判定手段と、この制限値超
    過判定手段によって前記駆動信号の最大値が前記制限値
    を超えていると判定された場合に前記駆動信号の最大値
    が前記制限値を超えないように前記駆動信号を縮小する
    駆動信号縮小手段と、を備えたことを特徴とする能動型
    振動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動信号縮小手段は、前記駆動信号
    の最大値が前記制限値を超えないように前記駆動信号を
    所定比率で縮小する請求項1記載の能動型振動制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記振動を打ち消すために前記制御振動
    源に必要な必要制御力を検出又は推定する必要制御力検
    出推定手段と、前記必要制御力に基づいて前記制限値を
    設定する制限値設定手段と、を設けた請求項1又は請求
    項2記載の能動型振動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制限値設定手段は、前記必要制御力
    又は前記制御振動源で最大発生可能な限界制御力のいず
    れか小さい方に基づいて、前記制限値を設定する請求項
    3記載の能動型振動制御装置。
  5. 【請求項5】 エンジンから発せられた振動と干渉する
    制御振動を発生可能な制御振動源と、前記エンジンの振
    動発生状態を検出し基準信号として出力する基準信号生
    成手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタ
    と、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタでフィ
    ルタ処理して前記制御振動源を駆動する駆動信号を生成
    する駆動信号生成手段と、前記干渉後の振動を検出し残
    留振動信号として出力する残留振動検出手段と、前記基
    準信号及び前記残留振動信号に基づいて前記干渉後の振
    動が低減するように適応アルゴリズムに従って前記適応
    ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新する適応処理
    手段と、前記駆動信号の最大値が所定の制限値を超えて
    いるか否かを判定する制限値超過判定手段と、この制限
    値超過判定手段によって前記駆動信号の最大値が前記制
    限値を超えていると判定された場合に前記駆動信号の最
    大値が前記制限値を超えないように前記駆動信号を所定
    比率で縮小する駆動信号縮小手段と、を備えたことを特
    徴とする車両用能動型振動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動信号縮小手段は、前記駆動信号
    の最大値が前記制限値を超えないように前記駆動信号を
    所定比率で縮小する請求項5記載の車両用能動型振動制
    御装置。
  7. 【請求項7】 前記振動を打ち消すために前記制御振動
    源に必要な必要制御力を検出又は推定する必要制御力検
    出推定手段と、前記必要制御力に基づいて前記制限値を
    設定する制限値設定手段と、を設けた請求項5又は請求
    項6記載の車両用能動型振動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記制限値設定手段は、前記必要制御力
    又は前記制御振動源で最大発生可能な限界制御力のいず
    れか小さい方に基づいて、前記制限値を設定する請求項
    7記載の車両用能動型振動制御装置。
  9. 【請求項9】 エンジン回転数を検出するエンジン回転
    数検出手段を設け、前記必要制御力検出推定手段は、前
    記エンジン回転数に基づいて前記必要制御力を推定する
    請求項7又は請求項8記載の車両用能動型振動制御装
    置。
  10. 【請求項10】 エンジン負荷を検出又は推定するエン
    ジン負荷検出推定手段を設け、前記必要制御力検出推定
    手段は、前記エンジン負荷に基づいて前記必要制御力を
    推定する請求項7又は請求項8記載の車両用能動型振動
    制御装置。
  11. 【請求項11】 エンジン回転数を検出するエンジン回
    転数検出手段を設け、前記エンジン負荷検出推定手段
    は、前記エンジン回転数に基づいてエンジン負荷を推定
    する請求項10記載の車両用能動型振動制御装置。
  12. 【請求項12】 エアコンディショナのオン・オフ状態
    を検出するエアコンディショナ操作状態検出手段を設
    け、前記エンジン負荷検出推定手段は、前記エアコンデ
    ィショナのオン・オフ状態に基づいてエンジン負荷を推
    定する請求項10記載の車両用能動型振動制御装置。
  13. 【請求項13】 変速機のシフトレバーの操作位置を検
    出するシフトレバー操作位置検出手段を設け、前記エン
    ジン負荷検出推定手段は、前記シフトレバーの操作位置
    に基づいてエンジン負荷を推定する請求項10記載の車
    両用能動型振動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11259147A (ja) * 1998-03-11 1999-09-24 Tokai Rubber Ind Ltd 能動型防振装置の制御装置におけるマップデータの設定方法
JP2011220452A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Ihi Corp 防振装置

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