JPH07233867A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH07233867A
JPH07233867A JP4985094A JP4985094A JPH07233867A JP H07233867 A JPH07233867 A JP H07233867A JP 4985094 A JP4985094 A JP 4985094A JP 4985094 A JP4985094 A JP 4985094A JP H07233867 A JPH07233867 A JP H07233867A
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JP
Japan
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shift
speed
gear
clutch
torque
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Application number
JP4985094A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Kanbara
英敏 蒲原
Hiroshi Takada
宏 高田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定の摩擦要素が分担トルクが小さい第1の
変速段と分担トルクが大きい第2の変速段の少なくとも
2つの変速段で締結される自動変速機において、所定の
摩擦要素が締結されない他の変速段から上記第1の変速
段に切り換える変速時に、該摩擦要素の締結による変速
ショックを低減する。 【構成】 コーストクラッチが、分担トルクが小さな3
速と分担トルクが大きな2速とで締結される構成におい
て、4−3マニュアルダウン変速時に、設定時間Tだけ
2速の状態を経由して3速に切り換えることにより、分
担トルクが大きな2速の状態でコーストクラッチを締結
するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車に搭載される自動
変速機、特に所定の摩擦要素が分担トルクの異なる少な
くとも2つの変速段で締結されるようになっている自動
変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車に搭載される自動変速機
は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組み合わせ、
この変速歯車機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選
択的締結によって切り換えることにより、運転状態に応
じて自動的にもしくは運転者によるマニュアル操作に応
じて変速段を切り換えるように構成したものであるが、
この種の自動変速機には、上記摩擦要素として、エンジ
ンブレーキを作動させるためのコーストクラッチが備え
られることがある。
【0003】そして、このコーストクラッチが、例えば
2速及び3速で締結されるように設定され、かつ当該変
速機の構成上、2速の場合が3速の場合より該コースト
クラッチが分担すべきトルクが大きいといった場合があ
り、この場合、このコーストクラッチ用の締結圧として
は、2速での分担トルクを基準として設定されることに
なる。
【0004】しかし、このように設定すると、4速等の
コーストクラッチが締結されない変速段から該クラッチ
の分担トルクが小さい3速への変速時に、締結圧が該ク
ラッチの分担トルクに対して相対的に高過ぎることにな
り、そのため、変速ショックが発生することになる。
【0005】ところで、上記のように、所定の摩擦要素
が複数の変速段で分担トルクを異にして締結される場合
において、その分担トルクに対して締結圧が対応しない
ことによる問題に対処するものとしては、例えば特公平
4−74577号公報に開示されている発明がある。
【0006】この発明は、当該摩擦要素に締結圧を供給
する油圧回路に、分担トルクが小さい変速段への変速時
にはその締結圧を減圧して供給する減圧弁を備えたこと
を特徴とするものであり、これによれば、当該摩擦要素
が締結される変速段での分担トルクに応じた締結圧が得
られ、該摩擦要素締結時の変速ショックの低減が期待で
きる。
【0007】また、特開昭57−179460号公報に
よれば、前述の4速から3速への変速時、特にエンジン
ブレーキを作動させるための変速時において、その変速
時のショックを低減させるために、4速から2速を経由
させて3速に切り換えるようにしたものが開示されてお
り、この変速段の切り換えが本発明の後述する構成に類
似する面がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特公平4
−74577号公報に開示された発明では、前述のよう
に、分担トルクに対応するように締結圧が調整されるの
で、分担トルクに対して該締結圧が高過ぎることによる
変速ショックの発生が回避ないし低減されることになる
反面、油圧回路に専用の減圧弁を備えなければならない
ため、該油圧回路が複雑化することになる。
【0009】また、特開昭57−179460号公報に
開示された発明によれば、エンジンブレーキ作動時の変
速ショックが低減されることになるが、この発明は、例
えば4速及び3速でエンジンブレーキが作動し、2速で
エンジンブレーキが作動しないように設定されている変
速機において、エンジンブレーキが作動する4速から同
じくエンジンブレーキが作動する3速への変速時に、エ
ンジンブレーキが作動しない2速を経由させることによ
ってショックを低減させるものであって、これでは、例
えばエンジンブレーキ用のコーストクラッチが締結され
ない4速等から、該クラッチが締結される変速段のうち
の分担トルクが小さい3速等への変速時における締結圧
が相対的に高過ぎることによる変速ショックを低減する
ことはできない。
【0010】本発明は、従来における上記のような実情
に対処し、所定の摩擦要素が複数の変速段で分担トルク
を異にして締結される場合に、該摩擦要素が締結されな
い変速段から分担トルクが小さい変速段への変速時にお
ける変速ショックを、油圧回路の複雑化等を生じること
なく、低減することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0012】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、複数の摩擦要素の選択的締結によ
り変速段を切り換えるように構成され、かつ所定の摩擦
要素が分担トルクが小さい第1の変速段と分担トルクが
大きい第2の変速段の少なくとも2つの変速段で締結さ
れる自動変速機において、上記所定の摩擦要素が締結さ
れない他の変速段から該摩擦要素の分担トルクが小さい
第1の変速段に切り換える所定の変速時に、該摩擦要素
の分担トルクが大きい第2の変速段を経由させて上記第
1の変速段に切り換える変速制御手段を備えたことを特
徴とする。
【0013】また、請求項2に係る発明(以下、第2発
明という)は、上記第1発明による他の変速段から第2
の変速段を経由させて第1の変速段に切り換える変速制
御を、第1の変速段を中心として第2の変速段の反対側
に位置する他の変速段から上記第1の変速段に切り換え
る変速時に行うことを特徴とする。
【0014】さらに、請求項3に係る発明(以下、第3
発明という)は、同じく第1発明による他の変速段から
第2の変速段を経由させて第1の変速段に切り換える変
速制御を、第2の変速段を中心として第1の変速段の反
対側に位置する他の変速段から上記第1の変速段に切り
換える変速時に行うことを特徴とする。
【0015】また、請求項4に係る発明(以下、第4発
明という)は、第1〜第3発明における所定の摩擦要素
がエンジンブレーキ用の摩擦要素であり、かつ所定の変
速がエンジンブレーキを作動させるためのシフトレバー
の操作による所謂マニュアルダウン変速の場合のもので
あって、上記エンジンブレーキ用の摩擦要素が他の変速
段から第1の変速段に切り換えられるマニュアルダウン
変速に際して締結される場合に、第2の変速段を経由さ
せるようにしたことを特徴とする。
【0016】また、請求項5に係る発明(以下、第5発
明という)は、第1〜第4発明における変速制御手段に
より、第2の変速段を経由させる時間を当該変速時の車
速に応じて設定するようにしたことを特徴とする。
【0017】そして、請求項6に係る発明(以下、第6
発明という)は、第1〜第5発明における変速制御手段
により、他の変速段から第2の変速段を経由して第1の
変速段に切り換える制御を油圧回路に備えられたソレノ
イドバルブの作動によって行わせるようにしたことを特
徴とする。
【0018】
【作用】上記の構成によれば、第1〜第6発明のいずれ
によっても、所定の摩擦要素が少なくとも分担トルクが
小さい第1の変速段と分担トルクが大きい第2の変速段
とで締結される場合において、この摩擦要素が締結され
ない他の変速段から上記第1の変速段に切り換わる変速
時に第2の変速段を経由することになるので、該摩擦要
素が大きなトルクが作用する状態で締結されることにな
る。したがって、この摩擦要素の締結圧が分担トルクが
大きい方の第2の変速段での締結時を基準として設定さ
れている場合に、当該変速時に摩擦要素に作用するトル
クと締結圧とが対応することになり、トルクに対して締
結圧が高過ぎることによる変速ショックが回避されもし
くは低減されることになる。
【0019】そして、第2発明によれば、上記第1発明
の作用が、第1の変速段を中心として第2の変速段の反
対側に位置する他の変速段から上記第1の変速段に切り
換える変速時に得られることになるが、このとき、第1
の変速段の低変速段側に第2の変速段が、高変速段側に
他の変速段が位置するものとすると、変速機はまず他の
変速段から第2の変速段に向けてシフトダウン方向に動
作し、次いで第1の変速段に向けてシフトアップ方向に
動作することになる。
【0020】その場合に、上記シフトダウン動作からシ
フトアップ動作への切り換えタイミングを適切に設定す
ることにより、変速機各部の回転が他の変速段での回転
数から第2の変速段の回転数に向けて変化している途中
の第1の変速段にほぼ相当する回転数となる時期に第1
の変速段に切り換えることができ、当該摩擦要素締結時
のショックを低減しながら、変速動作を円滑に行わせる
ことが可能となる。
【0021】そして、この作用は、第1の変速段の低変
速段側に他の変速段が、高変速段側に第2の変速段が位
置する場合であって、変速機がまず他の変速段から第2
の変速段に向けてシフトアップ方向に動作し、次いで第
1の変速段に向けてシフトダウン方向に動作する場合に
も同様に得られるものである。
【0022】また、第3発明によれば、上記第1発明の
作用が、第2の変速段を中心として第1の変速段の反対
側に位置する他の変速段から上記第1の変速段に切り換
える変速時に得られることになるが、この場合は、第2
の変速段の低変速段側に第1の変速段が、高変速段側に
他の変速段が位置するものとすると、変速機はまず他の
変速段から第2の変速段に向けてシフトダウン方向に動
作し、さらに第1の変速段に向けてシフトダウン方向に
動作することになる。したがって、変速動作がシフトダ
ウン動作のみとなって、この場合も該変速動作が円滑に
行われることになる。
【0023】同様に、第2の変速段を中心として、その
低変速段側に他の変速段が、高変速段側に第1の変速段
が位置して、変速機がまず他の変速段から第2の変速段
に向けてシフトアップ方向に動作し、さらに第1の変速
段に向けてシフトアップ方向に動作する場合にも、変速
動作がシフトアップ方向のみとなるので、該変速動作が
円滑に行われることになる。
【0024】さらに、第4発明によれば、上記のような
作用が、マニュアルダウン変速に際してエンジンブレー
キ用の摩擦要素が締結される場合に得られ、エンジンブ
レーキを作動させるためにシフトレバーを操作したとき
の変速ショックが効果的に低減されることになる。
【0025】また、第5発明によれば、分担トルクが大
きい第2の変速段を経由させる時間が当該変速時の車速
に応じて適切に設定されるので、他の変速段から第2の
変速段を経由して第1の変速段に切り換える変速がその
時の車速に拘わらず常に良好に行われることになる。
【0026】そして、第6発明によれば、上記のような
変速制御が摩擦要素を選択的に締結させる油圧回路に備
えられたソレノイドバルブの作動によって行われるの
で、変速段の切り換えが最適のタイミングで精度良く行
われることになり、第1〜第5発明の作用が確実に達成
されることになる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0028】まず、図1により、この実施例に係る自動
変速機の機械的構成を説明すると、この自動変速機10
は、主たる構成要素として、トルクコンバータ20と、
該コンバータ20の出力により駆動される変速歯車機構
30と、該変速歯車機構30の動力伝達経路を切り換え
るクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素41〜46及
びワンウェイクラッチ51,52とを有する。
【0029】上記トルクコンバータ20は、エンジン1
の出力軸2に連結されたケース21内に固設されたポン
プ22と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ
22により作動油を介して駆動されるタービン23と、
該ポンプ22とタービン23との間に介設され、かつ、
変速機ケース11にワンウェイクラッチ24を介して支
持されてトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケ
ース21とタービン23との間に設けられ、該ケース2
1を介してエンジン出力軸2とタービン23とを直結す
るロックアップクラッチ26とで構成されている。そし
て、上記タービン23の回転がタービンシャフト27を
介して変速歯車機構30側に出力されるようになってい
る。
【0030】ここで、上記エンジン出力軸2にはタービ
ンシャフト27内を貫通するポンプシャフト12が連結
され、該シャフト12により変速機1の反エンジン側の
端部に備えられたオイルポンプ13が駆動されるように
なっている。
【0031】一方、上記変速歯車機構30はラビニョ型
プラネタリギヤ装置で構成され、上記タービンシャフト
27上に遊嵌合された小径のスモールサンギヤ31と、
該サンギヤ31の反エンジン側において同じくタービン
シャフト27上に遊嵌合された大径のラージサンギヤ3
2と、上記スモールサンギヤ31に噛合された複数個の
ショートピニオンギヤ33と、一方の半部が該ショート
ピニオンギヤ33に噛合され、他方の半部が上記ラージ
サンギヤ32に噛合されたロングピニオンギヤ34と、
該ロングピニオンギヤ34及び上記ショートピニオンギ
ヤ33を回転自在に支持するキャリヤ35と、ロングピ
ニオンギヤ34に噛合されたリングギヤ36とで構成さ
れている。
【0032】そして、上記タービンシャフト27とスモ
ールサンギヤ31との間に、フォワードクラッチ41と
第1ワンウェイクラッチ51とが直列に介設され、ま
た、これらのクラッチ41,51に並列にコーストクラ
ッチ42が配設されていると共に、タービンシャフト2
7とキャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設
され、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ
32との間にリバースクラッチ44が介設されている。
また、上記ラージサンギヤ32とリバースクラッチ44
との間には、ラージサンギヤ32を固定するバンドブレ
ーキでなる2−4ブレーキ45が設けられている。
【0033】さらに、上記キャリヤ35と変速機ケース
11との間には、該キャリヤ35の反力を受け止める第
2ワンウェイクラッチ52と、キャリヤ35を固定する
ローリバースブレーキ46とが並列に設けられている。
そして、上記リングギヤ36が出力ギヤ14に連結さ
れ、該出力ギヤ14から図示しない差動装置を介して左
右の駆動輪に動力が伝達されるようになっている。
【0034】ここで、この自動変速機10は、シフトレ
バー(図示せず)の操作により、P,R,N,D,S,
Lのレンジの選択が可能とされていると共に、前進用の
D,S,Lの各レンジでは、それぞれ1〜4速間、1〜
3速間、1〜2速間の自動変速が行われるようになって
いる。そして、各レンジにおける上記各クラッチやブレ
ーキ等の摩擦要素41〜46及びワンウェイクラッチ5
1,52の作動状態と変速段との関係は、表1に示すよ
うになっている。
【0035】
【表1】 次に、図2により上記各摩擦要素41〜46をそれぞれ
作動させる油圧アクチュエータ41a〜46aに対して
作動油を給排する油圧回路60の構成を説明する。
【0036】ここで、上記各油圧アクチュエータ41a
〜46aのうち、2−4ブレーキ45の油圧アクチュエ
ータ45aはアプライポート45bとリリースポート4
5cとを有するサーボピストンで構成され、アプライポ
ート45bのみに作動油が供給されているときに2−4
ブレーキ45を締結させると共に、両ポート45b,4
5cとも作動油が供給されていないとき、両ポート45
b,45cとも作動油が供給されているとき、及びリリ
ースポート45cのみに作動油が供給されているとき
に、2−4ブレーキ45を解放させるようになってい
る。また、その他のアクチュエータ41a〜44a,4
6aは通常の油圧ピストンで構成され、作動油が供給さ
れたときに当該摩擦要素を締結させるようになってい
る。
【0037】この油圧回路60には、まず、図1に示す
オイルポンプ13からメインライン100に吐出された
作動油の圧力を所定のライン圧に調整するバルブとし
て、レギュレータバルブ61と、スロットルバルブ62
と、スロットルモデュレータバルブ63とが備えられて
いる。上記スロットルバルブ62は、エンジンのスロッ
トル開度に応じたスロットル圧を発生させ、これがスロ
ットルモデュレータバルブ63によって調整された上で
レギュレータバルブ61の増圧ポート61aに供給され
ることにより、上記ライン圧がエンジンのスロットル開
度に応じた値に調整されるようになっている。
【0038】また、この油圧回路60には、シフトレバ
ーの操作によりセレクトされたレンジに応じて上記ライ
ン圧を各油圧ラインに選択的に送り出すマニュアルバル
ブ64と、変速段に応じて作動してライン圧を上記各油
圧アクチュエータ41a〜46aに選択的に供給する1
−2、2−3、3−4の各シフトバルブ71,72,7
3とが備えられている。
【0039】上記マニュアルバルブ64は、メインライ
ン100からライン圧が導入される入力ポートeと、第
1〜第4出力ポートa〜dとを有し、シフトレバーの操
作に伴うスプール64aの移動により、上記入力ポート
eが、Dレンジ及びSレンジでは第1、第2出力ポート
a,bに、Lレンジでは第1、第3出力ポートa,c
に、また、Rレンジでは第4出力ポートdにそれぞれ連
通されるようになっている。そして、各出力ポートa〜
dには、それぞれ第1〜第4出力ライン101〜104
が接続されている。
【0040】また、上記1−2、2−3、3−4シフト
バルブ71,72,73は、それぞれスプール71a,
72a,73aをスプリング(図示せず)により図面
上、右側に付勢すると共に、これらのスプールの右側に
制御ポート71b,72b,73bを設けた構成とされ
ている。そして、1−2シフトバルブ71の制御ポート
71bには上記メインライン100から分岐された第1
制御ライン106が、2−3、3−4シフトバルブ7
2,73の制御ポート72b,73bには上記第1出力
ライン101から分岐された第2、第3制御ライン10
7,108がそれぞれ接続されていると共に、これらの
制御ライン106,107,108には、それぞれ変速
用の第1,第2,第3ソレノイドバルブ76,77,7
8が設けられている。
【0041】これらのソレノイドバルブ76〜78は、
OFFのときに当該シフトバルブの制御ポート71b〜
73b内に制御圧を導入させて、スプール71a〜73
aを図面上、左側に位置させ、またONのときに上記制
御ポート71b〜73b内の制御圧をドレンさせて、ス
プール71a〜73aを右側に位置させるようになって
いる。
【0042】ここで、これらのソレノイドバルブ76〜
78は、図3に示すように、コントロールユニット15
0からの信号により設定すべき変速段に応じてON,O
FFされるようになっている。そして、このコントロー
ルユニット150には、当該自動車の車速を検出する車
速センサ151からの信号、エンジンのスロットル開度
を検出するスロットル開度センサ152からの信号及び
シフトレバーの位置(レンジ)を検出するシフト位置セ
ンサ153からの信号等が入力され、これらの信号が示
す運転状態に応じて変速段を設定すると共に、その変速
段が達成されるように、各ソレノイドバルブ76〜78
にON−OFF信号を出力する。その場合に、各ソレノ
イドバルブ76〜78のON,OFFの組み合わせパタ
ーンと変速段との関係は表2に示すように設定されてい
る。
【0043】また、後述するように、このコントロール
ユニット150は、運転状態に応じてトルクコンバータ
20のロックアップクラッチ26を作動させるために、
油圧回路60に備えられたロックアップ用ソレノイドバ
ルブ79にもON−OFF信号を出力するようになって
いる。
【0044】
【表2】 一方、上記マニュアルバルブ64における各出力ポート
a〜dに接続された第1〜第4出力ライン101〜10
4のうち、D,S,Lの各前進レンジでメインライン1
00に連通される第1出力ライン101は、ワンウェイ
オリフィス80を介してフォワードクラッチ41のアク
チュエータ41aに導かれている。したがって、上記
D,S,Lの各レンジで、フォワードクラッチ41が常
時締結されることになる。なお、上記第1出力ライン1
01には、フォワードクラッチ締結時の緩衝用のN−D
アキュムレータ81が設けられている。
【0045】また、この第1出力ライン101からはラ
イン111が分岐されて1−2シフトバルブ71に導か
れていると共に、この分岐ライン111は、上記第1ソ
レノイドバルブ76がONになって、1−2シフトバル
ブ71のスプール71aが右側へ移動したときにサーボ
アプライライン112に連通し、ワンウェイオリフィス
82を介してサーボピストン45aのアプライポート4
5bに通じる。したがって、D,S,Lの各レンジで第
1ソレノイドバルブ76がONのとき、即ち、Dレンジ
での2,3,4速、Sレンジの2,3速、及びLレンジ
の2速で、上記アプライポート45bにサーボアプライ
圧が導入され、リリースポート45cにサーボリリース
圧が導入されていないときに2−4ブレーキ45が締結
されることになる。なお、上記アプライポート45bに
は、2−4ブレーキ45の締結時の緩衝用として1−2
アキュムレータ83が備えられている。
【0046】また、Dレンジ及びSレンジでメインライ
ン100に連通する第2出力ライン102は2−3シフ
トバルブ72に導かれている。そして、該ライン102
は、第2ソレノイドバルブ77がOFFで、2−3シフ
トバルブ72のスプール72aが左側に位置するときに
3−4クラッチライン113に連通し、ワンウェイオリ
フィス84を介して3−4クラッチ43のアクチュエー
タ43aに通じる。したがって、Dレンジ及びSレンジ
で第2ソレノイドバルブ77がOFFのとき、即ちDレ
ンジの3,4速、及びSレンジの3速で、3−4クラッ
チ43が締結されることになる。
【0047】なお、上記3−4クラッチライン113に
は、上記ワンウェイオリフィス84に並列にバイパスバ
ルブ85と2−3タイミングコントロールバルブ86と
が設けられ、これらにより3−4クラッチ43の締結タ
イミングを調整するようになっている。また、この3−
4クラッチライン113にも、3−4クラッチ締結時の
緩衝用の2−3アキュムレータ87が備えられている。
【0048】さらに、上記3−4クラッチライン113
から分岐されたライン114と、上記第1出力ライン1
01から分岐されたライン115とが3−4シフトバル
ブ73に導かれている。そして、第3ソレノイドバルブ
78がOFFで、3−4シフトバルブ73のスプール7
3aが左側に位置するときに、3−4クラッチライン1
13から分岐されたライン114がサーボリリースライ
ン116に連通して、サーボピストン45aのリリース
ポート45cに通じ、また、第1出力ライン101から
分岐されたライン115がコーストクラッチライン11
7に連通して、ワンウエイオリフィス88を介してコー
ストクラッチ42のアクチュエータ42aに通じる。
【0049】したがって、Dレンジ及びSレンジで第
2、第3ソレノイドバルブ77,78がともにOFFの
とき、即ちDレンジの3速及びSレンジの3速で、サー
ボピストン45aのリリースポート45cにサーボリリ
ース圧が導入されて2−4ブレーキ45が解放され、ま
た、D,S,Lの各レンジで第3ソレノイドバルブ78
がOFFのとき、即ちDレンジの3速、Sレンジの2,
3速、及びLレンジの1,2速で、コーストクラッチ4
2が締結されることになる。
【0050】ここで、上記3−4クラッチライン113
から分岐されたライン118と、上記ライン114から
分岐されたライン119との間には、3−4クラッチ圧
及びサーボリリース圧の排出タイミングを調整する3−
2タイミングコントロールバルブ89が備えられてい
る。
【0051】さらに、マニュアルバルブ64によりLレ
ンジでメインライン100に連通される第3出力ライン
103は、ローレデューシングバルブ90及びライン1
20を介して1−2シフトバルブ71に導かれている。
そして、このライン120は、第1ソレノイドバルブ7
6がOFFで、1−2シフトバルブ71のスプール71
aが左側に位置するときにライン121に連通し、さら
にワンウェイオリフィス91及びシャトルバルブ92を
介してローリバースブレーキライン122に連通して、
ローリバースブレーキ46のアクチュエータ46aに通
じる。したがって、Lレンジで第1ソレノイドバルブ7
6がOFFのとき、即ちLレンジの1速でローリバース
ブレーキ46が締結される。
【0052】また、Rレンジでメインライン100に連
通する第4出力ライン104は、ワンウェイオリフィス
93及び上記シャトルバルブ92を介して上記ローリバ
ースブレーキライン122に連通すると共に、該第4出
力ライン104からはリバースクラッチライン123が
分岐され、ワンウェイオリフィス94を介してリバース
クラッチ44のアクチュエータ44aに通じる。したが
って、Rレンジでは、常にローリバースブレーキ46と
リバースクラッチ44とが締結される。
【0053】なお、上記リバースクラッチライン123
にもリバースクラッチ締結時の緩衝用のN−Rアキュム
レータ95が備えられている。また、上記第4出力ライ
ン104から分岐されたライン124がレギュレータバ
ルブ61の増圧ポート61bに導かれ、Rレンジでライ
ン圧を増圧させるようになっている。
【0054】以上の構成に加えて、この油圧回路60に
は図1に示すトルクコンバータ20内のロックアップク
ラッチ26を作動させるためのロックアップバルブ96
が備えられている。このバルブ96には、レギュレータ
バルブ61からコンバータリリーフバルブ97が備えら
れたトルクコンバータライン131が導かれていると共
に、該バルブ96の一端の制御ポート96bにはメイン
ライン100から導かれた制御ライン132が接続され
ている。
【0055】そして、この制御ライン132に設けられ
たロックアップ用ソレノイドバルブ79が図3に示すコ
ントロールユニット150からの信号でONとされてい
るときに、上記ロックアップバルブ96の制御ポート9
6b内の制御圧がドレンされてスプール96aが右側に
位置することにより、上記トルクコンバータライン13
1がトルクコンバータ20内のロックアップ締結室に通
じるライン133に連通し、これにより上記ロックアッ
プクラッチ26が締結される。また、上記ソレノイドバ
ルブ79がOFFとなって、制御ポート96b内に制御
圧が導入されることによりロックアップバルブ96のス
プール96aが左側へ移動すると、上記トルクコンバー
タライン131がロックアップ解放室に通じるライン1
34に連通し、これによりロックアップクラッチ26が
解放されるようになっている。
【0056】ところで、上記の構成によれば、表1に示
すように、Dレンジの3速、Sレンジの2,3速、及び
Lレンジ1,2速でコーストクラッチ42が締結され
て、これらの変速段でエンジンブレーキが作動するよう
になっているが、変速歯車機構30の構成上、エンジン
ブレーキの作動時に、上記コーストクラッチ42の分担
トルクは、3速での締結時より2速での締結時の方が大
きくなる。したがって、このコーストクラッチ42の締
結圧ないしその元圧であるライン圧としては、2速での
締結時に所要の締結力が得られるように比較的高めに設
定されるのである。
【0057】しかし、このように設定すると、3速での
締結時に、コーストクラッチ42にその分担トルクに対
して必要以上に高い締結圧が供給されることになり、そ
のため、例えばDレンジの4速での走行時に、エンジン
ブレーキを作動させるためにシフトレバーをSレンジに
マニュアル操作して3速にシフトダウンした場合に、コ
ーストクラッチ42が急激に締結されて、変速ショック
が発生することになるのである。
【0058】そこで、上記コントロールユニット150
は、この4−3マニュアルダウン時に、コーストクラッ
チ42の締結に伴う変速ショックを低減するための制御
を行うようになっており、次にこの制御の具体的動作を
図4のフローチャートに従って説明する。
【0059】まず、4速の状態では、コントロールユニ
ット150は、ステップS1として、第1〜第3ソレノ
イドバルブ76〜78に対し、ON,OFF,ONの組
み合わせとなるようにON−OFF信号を出力する。
【0060】このとき、油圧回路60においては、図6
に要部を拡大して示すように、1−2、3−4シフトバ
ルブ71,73のスプール71a,73aが図面上、右
側に、2−3シフトバルブ72のスプール72aが左側
に位置し、2−4ブレーキ45のサーボピストン45a
におけるアプライポート45bに、ライン111から1
−2シフトバルブ71及びライン112を介してサーボ
アプライ圧が供給される。一方、該サーボピストン45
aのリリースポート45cはライン116を介して3−
4シフトバルブ73のドレンポートに連通し、したがっ
て、2−4ブレーキ45が締結された状態にある。
【0061】また、ライン102から2−3シフトバル
ブ72及びライン113を介して3−4クラッチ43の
アクチュエータ43aに3−4クラッチ圧が供給され、
該3−4クラッチ43が締結された状態にある。
【0062】さらに、この4速の状態では、コーストク
ラッチ42のアクチュエータ42aがライン117を介
して3−4シフトバルブ73のドレンポートに連通する
ので、コーストクラッチ42が解放された状態にある。
【0063】そして、この状態で4−3変速指令が発せ
られると、コントロールユニット150は、図4のステ
ップS1からステップS2を経てステップS3を実行
し、現時点の運転領域が予め設定された第6、第7領域
のいずれかに属するか否かを判定する。
【0064】この運転領域は、図5に示すように、車速
とエンジンのスロットル開度とをパラメータとする領域
において、高スロットル開度側の領域を低車速側から第
1〜第4領域に区画し、また、低スロットル開度側の領
域を同じく低車速側から第5〜第8領域に区画したもの
であって、上記第6、第7領域は、エンジンブレーキを
作動させるためのシフトレバーの操作によるマニュアル
ダウンが行われる領域に相当する。
【0065】そして、上記4−3変速指令がこの第6、
第7領域以外の領域で発せられたときには、コントロー
ルユニット150は、さらにステップS4で現時点の運
転領域が第5領域に属するか否かを判定し、第5領域に
も属さないときには、直ちにステップS5,S6を実行
して、通常の3速への変速動作を行う。
【0066】この通常の4−3変速動作においては、ま
ずステップS5として、上記第1〜第3ソレノイドバル
ブ76〜78をOFF,OFF,OFFの組み合わせに
切り換えるようにON−OFF信号を出力する。このO
N,OFFの組み合わせは変速時の3速を得るためのも
のであって、図7に示すように、前述の4速の状態に対
して1−2、3−4シフトバルブ71,73のスプール
71a,73aが左側に移動するため、2−4ブレーキ
45のサーボピストン45aにおけるアプライポート4
5bがライン112を介して1−2シフトバルブ71の
ドレンポートに連通する一方、リリースポート45cに
は、ライン114から3−4シフトバルブ73及びライ
ン116を介してサーボリリース圧が供給され、したが
って、2−4ブレーキ45が解放される。
【0067】また、この3速への変速時には、ライン1
15から3−4シフトバルブ73及びライン117を介
してコーストクラッチ圧がコーストクラッチ42のアク
チュエータ42aに供給され、該コーストクラッチ42
が締結される。
【0068】そして、設定時間の経過後に、コントロー
ルユニット150はステップS6を実行し、第1〜第3
ソレノイドバルブ76〜78がON,OFF,OFFの
組み合わせとなるようにON−OFF信号を出力する。
【0069】これにより、図7に矢印Aで示すように、
1−2シフトバルブ71のスプール71aが右側に移動
し、上記サーボピストン45aのアプライポート45b
に、ライン111から1−2シフトバルブ71及びライ
ン112を介してサーボアプライ圧が供給され、2−4
ブレーキ45を解放した状態に保持しながら該ブレーキ
45の次の締結時に備えた定常時の3速に切り換えられ
る。
【0070】なお、この通常の4−3変速時における各
作動圧及び当該変速機10の出力トルクの変化は図9に
鎖線で示すようになる。
【0071】また、現時点の運転領域が図5に示す第5
領域、即ち車速の低下により4速から3速への所謂スケ
ジュールダウンが行われる領域に属するときは、コント
ロールユニット150は、フローチャートのステップS
7を実行し、第1〜第3ソレノイドバルブ76〜78が
OFF,OFF,ONの組み合わせとなるようにON−
OFF信号を出力する。この場合におけるステップS7
のOFF,OFF,ONの組み合わせは、図6に矢印B
で示すように、4速の状態から1−2シフトバルブ71
のスプール71aが左側に移動したものである。
【0072】つまり、4速の状態と同様に、3−4クラ
ッチ43が締結され、かつコーストクラッチ42が解放
された状態のまま、1−2シフトバルブ71からサーボ
アプライ圧が排出されて、2−4ブレーキ45が解放さ
れるのである。これにより、4−3スケジュールダウン
時にエンジンブレーキの作動が回避され、円滑なシフト
ダウンが行われることになる。
【0073】そして、その後、前述の通常の4−3変速
時と同様に、ステップS5が実行されて、前述の図7に
示すコーストクラッチ42が締結された状態に切り換え
られると共に、さらにステップS6でサーボアプライ圧
が供給されて、2−4ブレーキ45の次の締結に備えた
定常時の3速に切り換えられることになる。
【0074】一方、4−3変速指令が図5の第6領域も
しくは第7領域において発せられたときには、コントロ
ールユニット150はステップS8を実行し、第1〜第
3ソレノイドバルブ76〜78がON,ON,OFFの
組み合わせとなるようにON−OFF信号を出力する。
このとき、油圧回路60においては、図8に示すよう
に、1−2、2−3、及び3−4シフトバルブ71〜7
3のスプール71a〜73aが、右側、右側、左側にそ
れぞれ位置することになる。
【0075】つまり、図6に示す4速の状態から2−3
シフトバルブ72のスプール72aが右側へ移動して、
ライン113から該2−3シフトバルブ72を介して3
−4クラッチ圧が排出されると共に、3−4シフトバル
ブ73のスプール73aが左側へ移動して、ライン11
5から該3−4シフトバルブ73及びライン117を介
してコーストクラッチ42のアクチュエータ42aにコ
ーストクラッチ圧が供給される。また、このとき、3−
4シフトバルブ73において、ライン114がサーボリ
リースライン116に連通するが、このライン114の
上流の3−4クラッチライン113は2−3シフトバル
ブ72においてドレンポートに連通されているので、サ
ーボピストン45aのリリースポート45cにサーボリ
リース圧が供給されることはない。
【0076】これにより、コーストクラッチ42が締結
された2速が得られることになる。そして、設定時間T
の経過後、前述のステップS5を実行することにより、
コーストクラッチ42を締結したまま、サーボリリース
圧及び3−4クラッチ圧が供給されて、変速時の3速に
切り換えられ、さらにステップS6でサーボアプライ圧
が供給されて定常時の3速に切り換えられることにな
り、このようにして、4速からコーストクラッチ42が
締結された2速を経由して、同じくコーストクラッチ4
2が締結された3速に切り換えられることになる。
【0077】ここで、この2速を経由した4−3変速時
における各作動圧及び変速機10の出力トルクの変化は
図9に実線で示すようになる。
【0078】つまり、ステップS8が実行されている設
定時間Tの間は、サーボアプライ圧が供給されている状
態及びサーボリリース圧が排出されている状態が保持さ
れて(矢印a,b)、2−4ブレーキ45が締結状態に
保持される一方、3−4クラッチ圧が排出されて(矢印
c)、3−4クラッチ43が解放されることにより、変
速段は4速から2速に切り換わることになる。そして、
この2速への変速動作中にコーストクラッチ圧が供給さ
れて(矢印d)、コーストクラッチ42が締結されるこ
とになるのである。
【0079】これにより、4−3マニュアルダウン時
に、コーストクラッチ42が2速での大きな分担トルク
の下で、換言すればその分担トルクと締結圧とが対応し
た状態で締結されることになり、図9に矢印eで示すよ
うに、出力トルクの変化が鎖線で示す2速を経由しない
場合に比較して緩やかとなり、この4−3マニュアルダ
ウン変速時における変速ショックが低減されることにな
る。
【0080】なお、上記ステップS8による2速の経由
時間(設定時間T)は、図10に示すように、高車速領
域(領域7)で低車速領域(領域6)よりも長くなるよ
うに設定される。これは、エンジンブレーキ作動時に、
高車速時ほどコーストクラッチ42が吸収すべきエネル
ギが大きく、これに伴って変速時間も長くなるので、そ
の変速時間に対応させて2速の経由時間も長くするため
である。
【0081】また、これとは逆に、高車速時ほどコース
トクラッチ42の締結時におけるトルクが大きくなっ
て、高めに設定されている締結圧とのギャップが少なく
なるから、図11に示すように、上記設定時間Tを高車
速領域で低車速領域よりも短くなるように設定したほう
がよい場合もあり、そのいずれかが各変速機の仕様等に
応じて実施されることになる。そして、いずれの場合に
も、図10、図11に示すような2段階に変化させるだ
けでなく、車速に応じてさらに多段階にもしくは無段階
に変化させるようにしてもよい。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、所定の摩
擦要素が分担トルクが小さい第1の変速段と分担トルク
が大きい第2の変速段の少なくとも2つの変速段で締結
される自動変速機において、上記所定の摩擦要素が締結
されない他の変速段から該摩擦要素の分担トルクが小さ
い第1の変速段に切り換える所定の変速時に、該摩擦要
素の分担トルクが大きい第2の変速段を経由させて上記
第1の変速段に切り換えるようにしたから、該摩擦要素
が大きなトルクが作用する状態で締結されることにな
る。そして、この摩擦要素の締結圧は分担トルクが大き
い方の第2の変速段での締結時を基準として設定されて
いるから、当該変速時に摩擦要素に作用するトルクと締
結圧とが対応することになり、トルクに対して該締結圧
が高過ぎることによる変速ショックが回避されもしくは
低減されることになる。
【0083】そして、第2、第3発明によれば、上記の
効果が、第1の変速段を中心として第2の変速段の反対
側に位置する他の変速段から上記第1の変速段に切り換
える変速時、及び第2の変速段を中心として第1の変速
段の反対側に位置する他の変速段から上記第1の変速段
に切り換える変速時にそれぞれ得られることになるが、
いずれの場合も、所定の摩擦要素の締結による変速ショ
ックを回避もしくは低減しながら、変速機各部の回転の
変化を円滑に行わせることができて、当該変速を一層良
好に行わせることが可能となるさらに、第4発明によれ
ば、上記効果がエンジンブレーキを作動させるためのマ
ニュアルダウン変速時に得られ、また、第5発明によれ
ば、上記効果が当該変速時の車速に拘わらず、常に効果
的に得られることになる。そして、第6発明によれば、
上記第1〜第5発明の効果が確実に達成されることにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機の骨子図で
ある。
【図2】 同実施例の油圧回路図である。
【図3】 同実施例の制御システム図である。
【図4】 同実施例の制御動作を示すフローチャート図
である。
【図5】 同実施例の制御領域を示すマップである。
【図6】 図2の油圧回路の要部の4速の状態を示す拡
大回路図である。
【図7】 同3速の状態を示す拡大回路図である。
【図8】 同2速の状態を示す拡大回路図である。
【図9】 同実施例の作用を示すタイムチャート図であ
る。
【図10】 同実施例の制御に用いられる設定時間の特
性図である。
【図11】 同実施例の制御に用いられる設定時間の他
の特性図である。
【符号の説明】
10 自動変速機 42 所定の摩擦要素(コーストクラッチ) 60 油圧回路 76〜78 ソレノイドバルブ 150 変速制御手段(コントロールユニット)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の摩擦要素の選択的締結により変速
    段を切り換えるように構成され、かつ所定の摩擦要素が
    分担トルクが小さい第1の変速段と分担トルクが大きい
    第2の変速段の少なくとも2つの変速段で締結される自
    動変速機の変速制御装置であって、上記所定の摩擦要素
    が締結されない他の変速段から該摩擦要素の分担トルク
    が小さい第1の変速段に切り換える所定の変速時に、該
    摩擦要素の分担トルクが大きい第2の変速段を経由させ
    て上記第1の変速段に切り換える変速制御手段が備えら
    れていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 所定の変速は、分担トルクが小さい第1
    の変速段を中心として分担トルクが大きい第2の変速段
    の反対側に位置する他の変速段から上記第1の変速段に
    切り換える変速であることを特徴とする請求項1に記載
    の自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 所定の変速は、分担トルクが大きい第2
    の変速段を中心として分担トルクが小さい第1の変速段
    の反対側に位置する他の変速段から上記第1の変速段に
    切り換える変速であることを特徴とする請求項1に記載
    の自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 所定の摩擦要素はエンジンブレーキ用の
    摩擦要素であり、所定の変速はマニュアルダウン変速で
    あることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    に記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 変速制御手段は、第2の変速段を経由さ
    せる時間を当該変速時の車速に応じて設定するように構
    成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の
    いずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 変速制御手段は、他の変速段から第2の
    変速段を経由して第1の変速段に切り換える制御を、摩
    擦要素を選択的に締結させる油圧回路に備えられたソレ
    ノイドバルブの作動によって行わせることを特徴とする
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の自動変速機の
    変速制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008025638A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Jatco Ltd 自動変速機の変速制御装置及び方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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