JPH07233443A - 黒化処理性に優れたカラー受像管用Fe−Ni系および Fe−Ni−Co系合金薄板 - Google Patents
黒化処理性に優れたカラー受像管用Fe−Ni系および Fe−Ni−Co系合金薄板Info
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- JPH07233443A JPH07233443A JP2284094A JP2284094A JPH07233443A JP H07233443 A JPH07233443 A JP H07233443A JP 2284094 A JP2284094 A JP 2284094A JP 2284094 A JP2284094 A JP 2284094A JP H07233443 A JPH07233443 A JP H07233443A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 黒化処理性に優れ、カラーブラウン管に使用
するに好ましいシャドウマはFe−Ni−Co系合金薄板を提
供する。 【構成】 Ni:30〜45wt%またはNi:27〜33wt%とCo:
3 〜8wt %を含有し、不純物としてのSn含有量を0.10w
t.%以下に抑えたFe−Ni系またはFe−Ni−Co系合金であ
り,中心線平均粗さ(Ra)が 0.3〜0.9 μm 、断面曲線凹
凸平均間隔(Sm)が40〜240 μm 、粗さ曲線高さ方向の偏
り指標スキュ−ネス(Rsk) が-0.5 〜+1.3、粗さ曲線
中心線谷深さ(Rv)が0.7 〜3.0 μm と規定したもの。ま
た粗さ曲線の高さ方向の指標クルトシス(Rkr) 、ならび
に光沢度についても規定している。
するに好ましいシャドウマはFe−Ni−Co系合金薄板を提
供する。 【構成】 Ni:30〜45wt%またはNi:27〜33wt%とCo:
3 〜8wt %を含有し、不純物としてのSn含有量を0.10w
t.%以下に抑えたFe−Ni系またはFe−Ni−Co系合金であ
り,中心線平均粗さ(Ra)が 0.3〜0.9 μm 、断面曲線凹
凸平均間隔(Sm)が40〜240 μm 、粗さ曲線高さ方向の偏
り指標スキュ−ネス(Rsk) が-0.5 〜+1.3、粗さ曲線
中心線谷深さ(Rv)が0.7 〜3.0 μm と規定したもの。ま
た粗さ曲線の高さ方向の指標クルトシス(Rkr) 、ならび
に光沢度についても規定している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、黒化処理性に優れた
Fe-Ni 系合金およびFe-Ni-Co系合金に係り、カラー受像
管に使用される好ましいシャドウマスク用合金薄板また
はアパーチャーグリル用合金薄板に関するものである。
Fe-Ni 系合金およびFe-Ni-Co系合金に係り、カラー受像
管に使用される好ましいシャドウマスク用合金薄板また
はアパーチャーグリル用合金薄板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーテレビの高品位化に伴い、
色ずれの問題に対処できるカラー受像管用合金として、
30〜45wt. %のNiを含有するFe-Ni 系合金が使用されて
いる。このFe-Ni 系合金は、シャドウマスク用材料また
はアパーチャーグリル用材料として従来から使用されて
きた低炭素鋼に比べ、熱膨張率が著しく小さい。従っ
て、Fe-Ni 系合金によって黒化処理性に優れたカラー受
像管を作れば、シャドウマスクが電子ビームにより加熱
されても、シャドウマスクの熱膨張による色ずれの問題
は生じ難い。また,Fe-Ni 系合金によってアパーチャー
グリルを作った場合でも,電子ビームによる加熱に起因
した熱膨張によるアパーチャーグリルの素線の張力低下
がなく,実用上より優れた性能が付与されることにな
る。
色ずれの問題に対処できるカラー受像管用合金として、
30〜45wt. %のNiを含有するFe-Ni 系合金が使用されて
いる。このFe-Ni 系合金は、シャドウマスク用材料また
はアパーチャーグリル用材料として従来から使用されて
きた低炭素鋼に比べ、熱膨張率が著しく小さい。従っ
て、Fe-Ni 系合金によって黒化処理性に優れたカラー受
像管を作れば、シャドウマスクが電子ビームにより加熱
されても、シャドウマスクの熱膨張による色ずれの問題
は生じ難い。また,Fe-Ni 系合金によってアパーチャー
グリルを作った場合でも,電子ビームによる加熱に起因
した熱膨張によるアパーチャーグリルの素線の張力低下
がなく,実用上より優れた性能が付与されることにな
る。
【0003】上記したカラー受像管用合金薄板は、通
常、下記工程によって製造される。即ち連続鋳造法また
は造塊法によって、それぞれCCスラブ,合金塊を調製
し、熱間圧延および冷間圧延を施して、合金薄板を製造
するものである。なお、合金塊については、分塊圧延ま
たは熱間鍛造を実施して熱間圧延に供する場合がある。
常、下記工程によって製造される。即ち連続鋳造法また
は造塊法によって、それぞれCCスラブ,合金塊を調製
し、熱間圧延および冷間圧延を施して、合金薄板を製造
するものである。なお、合金塊については、分塊圧延ま
たは熱間鍛造を実施して熱間圧延に供する場合がある。
【0004】上述したように製造されたカラー受像管用
合金薄板は、通常、下記工程によってシャドウマスクま
たはアパーチャーグリルに加工される。即ちシャドウマ
スク用合金薄板に、フォトエッチングによって、電子ビ
ームの通過孔(以下、単に「孔」という)を形成し(以
下、エッチングによって穿孔されたままのシャドウマス
ク用合金薄板を「フラットマスク」という)、次いで、
フラットマスクに焼鈍を施し、さらに、焼鈍を施したフ
ラットマスクを、ブラウン管の形状に合うように曲面形
状にプレス成形し、引続きそれをシャドウマスクに組立
て、その表面上に黒化処理を施す。また,アパーチャー
グリルの場合には,合金薄板にエッチング加工によって
多数のスリットを形成し,その後スリット方向に張力を
付与した状態でフレームに張り渡して溶接し,この張力
を付与した状態のまま,その表面上に黒化処理を施す。
合金薄板は、通常、下記工程によってシャドウマスクま
たはアパーチャーグリルに加工される。即ちシャドウマ
スク用合金薄板に、フォトエッチングによって、電子ビ
ームの通過孔(以下、単に「孔」という)を形成し(以
下、エッチングによって穿孔されたままのシャドウマス
ク用合金薄板を「フラットマスク」という)、次いで、
フラットマスクに焼鈍を施し、さらに、焼鈍を施したフ
ラットマスクを、ブラウン管の形状に合うように曲面形
状にプレス成形し、引続きそれをシャドウマスクに組立
て、その表面上に黒化処理を施す。また,アパーチャー
グリルの場合には,合金薄板にエッチング加工によって
多数のスリットを形成し,その後スリット方向に張力を
付与した状態でフレームに張り渡して溶接し,この張力
を付与した状態のまま,その表面上に黒化処理を施す。
【0005】しかしながら、このような従来のFe-Ni 系
合金を使用する場合に、この合金は、従来の低炭素鋼の
シャドウマスク材に比べて黒化処理性に劣るという大き
な問題を有していた。即ち、この黒化処理性の問題は、
特に黒化処理時に形成される酸化膜(以下、黒化膜と称
す)の黒色度、色調のむら、および密着性が従来の低炭
素鋼に比べて良くないことを意味する。このような黒化
処理性の問題を解決するために、次の先行技術が知られ
ている。
合金を使用する場合に、この合金は、従来の低炭素鋼の
シャドウマスク材に比べて黒化処理性に劣るという大き
な問題を有していた。即ち、この黒化処理性の問題は、
特に黒化処理時に形成される酸化膜(以下、黒化膜と称
す)の黒色度、色調のむら、および密着性が従来の低炭
素鋼に比べて良くないことを意味する。このような黒化
処理性の問題を解決するために、次の先行技術が知られ
ている。
【0006】特開昭60−194059号公報には、Fe-Ni 系
インバー合金に充分な黒色度を有し且つ緻密で密着性の
良い黒化膜を形成させるようにした熱処理方法が提案さ
れている。この方法は、水蒸気を適正量に制御し、且つ
前段は酸化力の弱い雰囲気中で、また後段は酸化力の強
い雰囲気中でそれぞれ処理するというものである(以
下、「先行技術」という)。
インバー合金に充分な黒色度を有し且つ緻密で密着性の
良い黒化膜を形成させるようにした熱処理方法が提案さ
れている。この方法は、水蒸気を適正量に制御し、且つ
前段は酸化力の弱い雰囲気中で、また後段は酸化力の強
い雰囲気中でそれぞれ処理するというものである(以
下、「先行技術」という)。
【0007】特開平3 −199384号公報には、Fe-Ni 系
インバー合金の表面に緻密で均質で密着性の高い酸化膜
を、適正な黒化処理条件(大気中400 〜800 ℃)に加
え、この処理前の焼処理の条件、すなわち温度400 〜80
0 ℃、雰囲気中の露点0 ℃以上により得ようとするもの
である(以下、「先行技術」という)。
インバー合金の表面に緻密で均質で密着性の高い酸化膜
を、適正な黒化処理条件(大気中400 〜800 ℃)に加
え、この処理前の焼処理の条件、すなわち温度400 〜80
0 ℃、雰囲気中の露点0 ℃以上により得ようとするもの
である(以下、「先行技術」という)。
【0008】特開昭61−42838 号公報には、Fe-Ni 系
インバー合金においてMnを0.8 〜10%添加し、黒化酸
化膜をFe,Ni,Mn,Oからなるスピネル構造とする
ことにより熱幅射率を向上させるものである(以下、
「先行技術」という)。
インバー合金においてMnを0.8 〜10%添加し、黒化酸
化膜をFe,Ni,Mn,Oからなるスピネル構造とする
ことにより熱幅射率を向上させるものである(以下、
「先行技術」という)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】先行技術1 は、黒色度
と密着性を向上させているが、黒化処理を特定雰囲気で
行なうため、従来用いられている黒化処理炉が使用でき
ず、工業上の実用性に乏しく、実際にこの技術では、素
材の成分によって、黒色度が必ずしも均一にならず、優
れた熱幅射率を均一に発揮することができない。
と密着性を向上させているが、黒化処理を特定雰囲気で
行なうため、従来用いられている黒化処理炉が使用でき
ず、工業上の実用性に乏しく、実際にこの技術では、素
材の成分によって、黒色度が必ずしも均一にならず、優
れた熱幅射率を均一に発揮することができない。
【0010】先行技術は、緻密かつ均質で密着性の良
好な黒化膜が形成可能であるが、この技術では、黒化処
理前のアニールでの焼鈍条件(雰囲気、温度)を特定条
件とする必要があり、工業上の実用性に乏しく、実際に
この技術でも黒色度が必ずしも均一とならず、優れた熱
幅射率を均一に発揮することができない。
好な黒化膜が形成可能であるが、この技術では、黒化処
理前のアニールでの焼鈍条件(雰囲気、温度)を特定条
件とする必要があり、工業上の実用性に乏しく、実際に
この技術でも黒色度が必ずしも均一とならず、優れた熱
幅射率を均一に発揮することができない。
【0011】先行技術は、成分的にMnを0.8 〜10%
含有するため、黒化処理性は向上させているが、酸化し
易いMnを多量に含むため、シャドウマスク用素材の製
造工程中の熱処理で強固な酸化膜が形成され、エッチン
グ性が劣化するといった問題を有している。また、Mn
は固溶強化元素であり、この元素を多量に含むことによ
り、強度が上昇し、プレス成形性が劣化するといった問
題も有していた。
含有するため、黒化処理性は向上させているが、酸化し
易いMnを多量に含むため、シャドウマスク用素材の製
造工程中の熱処理で強固な酸化膜が形成され、エッチン
グ性が劣化するといった問題を有している。また、Mn
は固溶強化元素であり、この元素を多量に含むことによ
り、強度が上昇し、プレス成形性が劣化するといった問
題も有していた。
【0012】更には、最近のブラウン管メーカーでの生
産性向上、コスト低減の要望から、黒化処理の低温化、
短時間化といった傾向もみられる。斯かる要望に対し、
例えば前記先行技術では500 〜700 ℃で10分以上の処
理に加え、550 〜750 ℃で10分以上の処理を施すという
ものであり、又先行技術では、450 ℃で180 min,
550 で100 min,600 ℃×60minという処理を施す
ものであって、先行技術では、620 ℃で30minとい
う処理を施すものであり、基本的には500 ℃以上でも10
min以上、450 ℃では180 minと、長時間の処理を
せざるを得ないのが現状であった。
産性向上、コスト低減の要望から、黒化処理の低温化、
短時間化といった傾向もみられる。斯かる要望に対し、
例えば前記先行技術では500 〜700 ℃で10分以上の処
理に加え、550 〜750 ℃で10分以上の処理を施すという
ものであり、又先行技術では、450 ℃で180 min,
550 で100 min,600 ℃×60minという処理を施す
ものであって、先行技術では、620 ℃で30minとい
う処理を施すものであり、基本的には500 ℃以上でも10
min以上、450 ℃では180 minと、長時間の処理を
せざるを得ないのが現状であった。
【0013】実際、ブラウン管メーカーでの黒化処理
も、前記した処理条件よりも低温化、短時間化を指向し
ているものの、このような処理条件では所要の黒化処理
性、すなわち、所要の黒化膜の黒色度、色調のむら、お
よび密着性が得られなくなるといった問題も有してい
た。
も、前記した処理条件よりも低温化、短時間化を指向し
ているものの、このような処理条件では所要の黒化処理
性、すなわち、所要の黒化膜の黒色度、色調のむら、お
よび密着性が得られなくなるといった問題も有してい
た。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記したよう
な実情に鑑み、検討を重ねて創案されたものであって、
黒化処理性が優れ、所要の性能を有する黒化膜を従来よ
りも短時間で形成可能な、カラー受像管用合金を提供す
ることに成功したものである。なお、所要の黒化膜の性
能とは優れた黒色度、むらがなく、優れた密着性、高い
熱幅射能を有することを意味し、本発明の要旨は以下の
如くである。
な実情に鑑み、検討を重ねて創案されたものであって、
黒化処理性が優れ、所要の性能を有する黒化膜を従来よ
りも短時間で形成可能な、カラー受像管用合金を提供す
ることに成功したものである。なお、所要の黒化膜の性
能とは優れた黒色度、むらがなく、優れた密着性、高い
熱幅射能を有することを意味し、本発明の要旨は以下の
如くである。
【0015】(1)Ni:30〜45wt.%を含有するFe-Ni 系
合金、若しくはNi:27〜33wt.%およびCo:3 〜8wt.% を
含有するFe-Ni-Co系合金であって、不純物としてのSnを
0.10wt.%以下とし、かつその合金帯における板厚はフラ
ットマスクをプレス成形し、次に黒化処理する工程を含
むシャドウマスクの製造に供する該フラットマスクまた
はアパーチャーグリルを黒化処理する工程を含むアパー
チャーグリルの製造に供する該アパーチャーグリルと実
質上同等であり、その表面粗度における、中心線平均粗
さ(Ra)が、0.3 〜0.9 μm、断面曲線凹凸の平均間
隔(Sm)が、40〜240 μm、粗さ曲線の高さ方向にお
ける片寄り指標であるスキューネス(Rsk)が、-0.5
〜+1.3 粗さ曲線の中心線谷深さ(Rv)が0.7 〜3.0 μm であることを特徴とする黒化処理性に優れたカラー受像
管用Fe-Ni系もしくはFe-Ni-Co系合金薄板。
合金、若しくはNi:27〜33wt.%およびCo:3 〜8wt.% を
含有するFe-Ni-Co系合金であって、不純物としてのSnを
0.10wt.%以下とし、かつその合金帯における板厚はフラ
ットマスクをプレス成形し、次に黒化処理する工程を含
むシャドウマスクの製造に供する該フラットマスクまた
はアパーチャーグリルを黒化処理する工程を含むアパー
チャーグリルの製造に供する該アパーチャーグリルと実
質上同等であり、その表面粗度における、中心線平均粗
さ(Ra)が、0.3 〜0.9 μm、断面曲線凹凸の平均間
隔(Sm)が、40〜240 μm、粗さ曲線の高さ方向にお
ける片寄り指標であるスキューネス(Rsk)が、-0.5
〜+1.3 粗さ曲線の中心線谷深さ(Rv)が0.7 〜3.0 μm であることを特徴とする黒化処理性に優れたカラー受像
管用Fe-Ni系もしくはFe-Ni-Co系合金薄板。
【0016】なお、上記におけるRa,Rsk,Sm,
Rvは以下の如くである。Raとは中心線平均粗さであ
り、下記の式に示される。
Rvは以下の如くである。Raとは中心線平均粗さであ
り、下記の式に示される。
【0017】
【数1】
【0018】Rskとは、平均線に対しての粗さ曲線の
高さ方向の片寄り(スキューネス)の度合いを示すもの
であり、下記の数式により表わされる。
高さ方向の片寄り(スキューネス)の度合いを示すもの
であり、下記の数式により表わされる。
【0019】
【数2】
【0020】Smとは、基準長さ内における表面粗さを
示す断面曲線の凹凸の間隔の平均値である。
示す断面曲線の凹凸の間隔の平均値である。
【0021】
【数3】
【0022】Rvとは、平均線に対しての粗さ曲線の谷
の深さを示すものである。
の深さを示すものである。
【0023】(2)Ni:30〜45wt. %を含有するFe-Ni
系合金、若しくはNi:27〜33wt.%およびCo:3 〜8wt.%
を含有するFe-Ni-Co系合金であって、不純物としてのSn
を0.10wt.%以下とし、かつその合金帯の板厚はフラット
マスクをプレス成形し、次に黒化処理する工程を含むシ
ャドウマスクの製造に供する該フラットマスクまたはア
パーチャーグリルを黒化処理する工程を含むアパーチャ
ーグリルの製造に供する該アパーチャーグリルと実質上
同等であり、その表面粗度における、中心平均粗さ(R
a)が0.3 〜0.9 μm,断面曲線凹凸の平均間隔(S
m)が40〜240 μm,粗さ曲線の高さ方向におけるとが
りの指標であるクルトシス(Rkr)が2.0 〜8.0 、粗
さ曲線の中心線谷深さ(Rv)が0.7 〜3.0 μm であることを特徴とする黒化処理性に優れたカラー受像
管用Fe-Ni 系もしくはFe-Ni-Co系合金薄板。
系合金、若しくはNi:27〜33wt.%およびCo:3 〜8wt.%
を含有するFe-Ni-Co系合金であって、不純物としてのSn
を0.10wt.%以下とし、かつその合金帯の板厚はフラット
マスクをプレス成形し、次に黒化処理する工程を含むシ
ャドウマスクの製造に供する該フラットマスクまたはア
パーチャーグリルを黒化処理する工程を含むアパーチャ
ーグリルの製造に供する該アパーチャーグリルと実質上
同等であり、その表面粗度における、中心平均粗さ(R
a)が0.3 〜0.9 μm,断面曲線凹凸の平均間隔(S
m)が40〜240 μm,粗さ曲線の高さ方向におけるとが
りの指標であるクルトシス(Rkr)が2.0 〜8.0 、粗
さ曲線の中心線谷深さ(Rv)が0.7 〜3.0 μm であることを特徴とする黒化処理性に優れたカラー受像
管用Fe-Ni 系もしくはFe-Ni-Co系合金薄板。
【0024】Rkrとは、平均線に対しての粗さ曲線の
上下のとがりの程度を示す値であって、下記の数4 によ
り表わされる。
上下のとがりの程度を示す値であって、下記の数4 によ
り表わされる。
【0025】
【数4】
【0026】(3)Ni:30〜45wt.%を含有するFe-Ni 系
合金、若しくはNi:27〜33wt.%およびCo:3 〜8wt.% を
含有するFe-N--Co系合金であって、不純物としてのSnを
0.10wt.%以下とし、かつ、その合金帯の板厚はフラット
マスクをプレス成形し、次に黒化処理する工程を含むシ
ャドウマスクの製造に供する該フラットマスクまたはア
パーチャーグリルを黒化処理する工程を含むアパーチャ
ーグリルの製造に供する該アパーチャーグリルと実質上
同等であり、その表面の光沢度(JISZ8741,20度鏡
面光沢)が40〜200 であることを特徴とするカラー受像
管用Fe-Ni 系もしくはFe-Ni-Co系合金薄板。
合金、若しくはNi:27〜33wt.%およびCo:3 〜8wt.% を
含有するFe-N--Co系合金であって、不純物としてのSnを
0.10wt.%以下とし、かつ、その合金帯の板厚はフラット
マスクをプレス成形し、次に黒化処理する工程を含むシ
ャドウマスクの製造に供する該フラットマスクまたはア
パーチャーグリルを黒化処理する工程を含むアパーチャ
ーグリルの製造に供する該アパーチャーグリルと実質上
同等であり、その表面の光沢度(JISZ8741,20度鏡
面光沢)が40〜200 であることを特徴とするカラー受像
管用Fe-Ni 系もしくはFe-Ni-Co系合金薄板。
【0027】
【作用】上記したような本発明中の(1)について更に
説明すると、本発明者等は、上述した観点から、黒化処
理性に優れたカラー受像管用Fe-Ni 系およびFe-Ni-Co系
合金薄板を開発すべく、鋭意研究を重ねた結果、次の知
見を得た。即ち、カラー受像管用合金薄板の表面粗度を
所定範囲内に調整することにより、黒化処理性が優れ、
所要の性能を有する黒化膜を従来よりも短時間で形成可
能なカラー受像管用合金薄板を得ることができる。
説明すると、本発明者等は、上述した観点から、黒化処
理性に優れたカラー受像管用Fe-Ni 系およびFe-Ni-Co系
合金薄板を開発すべく、鋭意研究を重ねた結果、次の知
見を得た。即ち、カラー受像管用合金薄板の表面粗度を
所定範囲内に調整することにより、黒化処理性が優れ、
所要の性能を有する黒化膜を従来よりも短時間で形成可
能なカラー受像管用合金薄板を得ることができる。
【0028】詳述すると、従来よりも、より低温度化、
短時間化を指向した黒化処理の条件においても,化学成
分,表面粗度(Ra),(Rsk),(Sm)を所定の
範囲内とすることにより黒化膜の黒色度を高め、かつ黒
化膜のムラを抑制し、また(Rv)を所定の範囲とする
ことにより黒化膜の熱幅射率を高めることにより所要の
性能を有する黒化膜の形成を可能とすることができる。
短時間化を指向した黒化処理の条件においても,化学成
分,表面粗度(Ra),(Rsk),(Sm)を所定の
範囲内とすることにより黒化膜の黒色度を高め、かつ黒
化膜のムラを抑制し、また(Rv)を所定の範囲とする
ことにより黒化膜の熱幅射率を高めることにより所要の
性能を有する黒化膜の形成を可能とすることができる。
【0029】この発明は、上述した知見に基づいてなさ
れたものであって、この発明のカラー受像管用Fe-Ni 系
およびFe-Ni-Co系合金薄板の成分および表面粗度を上述
した範囲内に限定した理由を述べると以下の如くであ
る。なお以下の本発明における黒化処理条件とは従来よ
りも、より低温度化、短時間化を指向した黒化処理条件
を意味する。
れたものであって、この発明のカラー受像管用Fe-Ni 系
およびFe-Ni-Co系合金薄板の成分および表面粗度を上述
した範囲内に限定した理由を述べると以下の如くであ
る。なお以下の本発明における黒化処理条件とは従来よ
りも、より低温度化、短時間化を指向した黒化処理条件
を意味する。
【0030】本発明は、カラー受像管用の低熱膨張合金
薄板を対象としているが、所定の画面品質を確保するた
めに要求される、平均熱膨張係数の上限値は5.0 ×10-6
/℃であり、前記熱膨張係数は、前記合金薄板のニッケ
ル含有量に依存する。そして、上述した平均熱膨張係数
の条件を満たすニッケル含有量の範囲は、Fe-Ni 系合金
にあっては30〜45wt. %の範囲内であり、従って、ニッ
ケル含有量を30〜45wt. %の範囲内に限定すべきであ
る。なお、このようなNi含有量の範囲内でも、平均熱膨
張係数を低下させ得る好ましいNi量は35〜37wt. %であ
り、更にはこの平均熱膨張係数をより低下させ得る更に
好ましいNi量は35.5〜36.5wt. %である。また、3.0wt.
%未満のコバルトの含有は影響を与えない。またFe-Ni-
Co系合金においては、ニッケル含有量を27〜33wt. %、
コバルト含有量を3 〜8wt.%にすることにより熱膨張特
性は更に優れたものとなる。
薄板を対象としているが、所定の画面品質を確保するた
めに要求される、平均熱膨張係数の上限値は5.0 ×10-6
/℃であり、前記熱膨張係数は、前記合金薄板のニッケ
ル含有量に依存する。そして、上述した平均熱膨張係数
の条件を満たすニッケル含有量の範囲は、Fe-Ni 系合金
にあっては30〜45wt. %の範囲内であり、従って、ニッ
ケル含有量を30〜45wt. %の範囲内に限定すべきであ
る。なお、このようなNi含有量の範囲内でも、平均熱膨
張係数を低下させ得る好ましいNi量は35〜37wt. %であ
り、更にはこの平均熱膨張係数をより低下させ得る更に
好ましいNi量は35.5〜36.5wt. %である。また、3.0wt.
%未満のコバルトの含有は影響を与えない。またFe-Ni-
Co系合金においては、ニッケル含有量を27〜33wt. %、
コバルト含有量を3 〜8wt.%にすることにより熱膨張特
性は更に優れたものとなる。
【0031】本発明で目的とする黒化処理性の向上は、
下記Sn含有量,(Ra),(Rsk),(Sm)の適正
化によって達成される。Snは本合金においては,溶製時
の鉄源としてのスクラップから不可避的に混入する不純
物元素であり,黒化膜の生成を抑制するため,本発明に
おいては有害な元素である。Sn含有量が0.10wt.%を超え
ると,本発明で意図する黒化処理性が得られないため,
Sn含有量を0.10wt.%以下とした。(Ra)は、0.3 μm
未満であると、黒化膜の黒色度が劣化し、一方0.9 μm
を超えると黒化膜のムラ発生が著しくなる。従ってムラ
がなく、しかも優れた黒色度を有する黒化膜が得られる
(Ra)の範囲を0.3 〜0.9 μmと定めた。
下記Sn含有量,(Ra),(Rsk),(Sm)の適正
化によって達成される。Snは本合金においては,溶製時
の鉄源としてのスクラップから不可避的に混入する不純
物元素であり,黒化膜の生成を抑制するため,本発明に
おいては有害な元素である。Sn含有量が0.10wt.%を超え
ると,本発明で意図する黒化処理性が得られないため,
Sn含有量を0.10wt.%以下とした。(Ra)は、0.3 μm
未満であると、黒化膜の黒色度が劣化し、一方0.9 μm
を超えると黒化膜のムラ発生が著しくなる。従ってムラ
がなく、しかも優れた黒色度を有する黒化膜が得られる
(Ra)の範囲を0.3 〜0.9 μmと定めた。
【0032】(Rsk)は-0.5未満であると黒化膜の黒
色度が劣化し、一方+1.3を超えると黒化膜のムラ発生が
著しくなる。よって、ムラがなく優れた黒色度を有する
黒化膜が得られる(Rsk)を-0.5〜+1.3と定めた。
色度が劣化し、一方+1.3を超えると黒化膜のムラ発生が
著しくなる。よって、ムラがなく優れた黒色度を有する
黒化膜が得られる(Rsk)を-0.5〜+1.3と定めた。
【0033】(Sm)は40μm未満だと黒化膜のムラ発
生が著しくなり、一方240 μmを超えると黒化膜の黒色
度が劣化する。このことから、ムラがなく優れた黒色度
を有する黒化膜が得られる(Sm)を40〜240μmと定
めた。
生が著しくなり、一方240 μmを超えると黒化膜の黒色
度が劣化する。このことから、ムラがなく優れた黒色度
を有する黒化膜が得られる(Sm)を40〜240μmと定
めた。
【0034】上記のように、Sn含有量,(Ra),(R
sk)、および(Sm)の適正化により黒化膜の黒色度
が優れものとなり、しかも黒化膜のムラ発生も抑制され
る、その仔細な理由については必ずしも明らかにできな
いが、上記のような表面粗度を有するフラットマスクま
たはアパーチャーグリルでは、合金薄板の表層近傍に黒
色度の優れた黒化膜が形成し易くなるような、適正な歪
が均一に付与されるためではないかと推定される。
sk)、および(Sm)の適正化により黒化膜の黒色度
が優れものとなり、しかも黒化膜のムラ発生も抑制され
る、その仔細な理由については必ずしも明らかにできな
いが、上記のような表面粗度を有するフラットマスクま
たはアパーチャーグリルでは、合金薄板の表層近傍に黒
色度の優れた黒化膜が形成し易くなるような、適正な歪
が均一に付与されるためではないかと推定される。
【0035】(Rv)は、0.7 μm未満、または3.0 μ
超であると、黒化膜の熱幅射率が劣化する。従って、優
れた熱幅射率を有する黒化膜が得られる(Rv)を0.7
〜3.0 μmと定めた。このような(Rv)の適正化によ
る黒化膜の熱幅射率の向上は、表面状態が熱放散に対し
て、影響を有しており、特に(Rv)のパラメータで示
される表面形態の差が熱放散に大きく関与しているため
と考えられる。
超であると、黒化膜の熱幅射率が劣化する。従って、優
れた熱幅射率を有する黒化膜が得られる(Rv)を0.7
〜3.0 μmと定めた。このような(Rv)の適正化によ
る黒化膜の熱幅射率の向上は、表面状態が熱放散に対し
て、影響を有しており、特に(Rv)のパラメータで示
される表面形態の差が熱放散に大きく関与しているため
と考えられる。
【0036】なお、本発明においては、(Rv)の適正
化に加えて、(Ra),(Rsk)および(Sm)の適
正化により黒化膜の黒色度を優れたものとし、かつ黒化
膜のムラ発生を抑制していなければ、本発明で意図する
高い熱幅射率を有する黒化膜は得られないのである。な
お、表面粗度(Ra),(Rsk),(Rv)が上記し
た本発明範囲内にある場合には黒化膜の密着性は優れて
いる。
化に加えて、(Ra),(Rsk)および(Sm)の適
正化により黒化膜の黒色度を優れたものとし、かつ黒化
膜のムラ発生を抑制していなければ、本発明で意図する
高い熱幅射率を有する黒化膜は得られないのである。な
お、表面粗度(Ra),(Rsk),(Rv)が上記し
た本発明範囲内にある場合には黒化膜の密着性は優れて
いる。
【0037】上記のような表面粗さは本合金によるシャ
ドウマスク素材またはアパーチャーグリル素材を最終寸
法に冷間圧延する際にダルロールを用いることにより容
易に実現し得る。ダルロールは所定の表面粗度を有する
ロールであって、これを用いて本合金によるカラー受像
管用素材を圧延することによりその反転模様を適切な転
写率によって圧印する。従来ダル圧延によりシャドウマ
スク材料表面に凹凸を付与することは主としてレジスト
密着性の向上、プレス前の焼鈍時の密着焼付き性を回避
するために行なわれていたが、黒化処理性を向上するた
めにシャドウマスク材料またはアパーチャーグリル材料
の表面粗さ模様を適切に抑制することは実質上なかっ
た。
ドウマスク素材またはアパーチャーグリル素材を最終寸
法に冷間圧延する際にダルロールを用いることにより容
易に実現し得る。ダルロールは所定の表面粗度を有する
ロールであって、これを用いて本合金によるカラー受像
管用素材を圧延することによりその反転模様を適切な転
写率によって圧印する。従来ダル圧延によりシャドウマ
スク材料表面に凹凸を付与することは主としてレジスト
密着性の向上、プレス前の焼鈍時の密着焼付き性を回避
するために行なわれていたが、黒化処理性を向上するた
めにシャドウマスク材料またはアパーチャーグリル材料
の表面粗さ模様を適切に抑制することは実質上なかっ
た。
【0038】なお、本発明によるカラー受像管用Fe-Ni
系合金における不純物元素としては,たとえば,C:0.
010wt.% 以下、Mn:0.70wt.%以下、Cr:3.0wt.% 以
下、O:0.0050wt.%以下、S:0.0050wt.%以下、P:0.
010wt.% 以下、N:0.0030wt.%以下、Al:0.050wt.%
以下、Si:0.30wt.%以下、Ti:0.10wt.%以下、H:
3.0ppm以下であることが好ましい。Coは3.0wt.%未満ま
で含有してよい。これらの不純物の上限はCoを除きFe-N
i-Co系合金においても同様である。
系合金における不純物元素としては,たとえば,C:0.
010wt.% 以下、Mn:0.70wt.%以下、Cr:3.0wt.% 以
下、O:0.0050wt.%以下、S:0.0050wt.%以下、P:0.
010wt.% 以下、N:0.0030wt.%以下、Al:0.050wt.%
以下、Si:0.30wt.%以下、Ti:0.10wt.%以下、H:
3.0ppm以下であることが好ましい。Coは3.0wt.%未満ま
で含有してよい。これらの不純物の上限はCoを除きFe-N
i-Co系合金においても同様である。
【0039】また、本発明の (2)について更に説明
すると、本発明者等は、前述した観点から、黒化処理性
に優れたカラー受像管用Fe-Ni 系およびFe-Ni-Co系合金
薄板を開発すべく、鋭意研究を重ねた結果、次の知見を
得た。即ち、カラー受像管用Fe-Ni 系合金薄板の表面粗
度を所定の範囲内に調整することにより、黒化処理性が
優れ、所要の性能を有する黒化膜を従来よりも短時間で
形成可能なカラー受像管用合金薄板を得ることができ
る。
すると、本発明者等は、前述した観点から、黒化処理性
に優れたカラー受像管用Fe-Ni 系およびFe-Ni-Co系合金
薄板を開発すべく、鋭意研究を重ねた結果、次の知見を
得た。即ち、カラー受像管用Fe-Ni 系合金薄板の表面粗
度を所定の範囲内に調整することにより、黒化処理性が
優れ、所要の性能を有する黒化膜を従来よりも短時間で
形成可能なカラー受像管用合金薄板を得ることができ
る。
【0040】詳述すると、従来よりも、より低温度化、
短時間化を指向した黒化処理の条件においても、化学成
分,表面粗度(Ra),(Rkr),(Sm)を所定の
範囲内とすることにより黒化膜の黒色度を高め、かつ黒
化膜のムラを抑制し、たま(Rv)を所定の範囲とする
ことによって、黒化膜の熱幅射率を高めることにより所
要の性能を有する黒化膜の形成を可能とすることができ
る。本発明は斯かる知見に基づいてなされたものであっ
て、本発明シャドウマスク用合金薄板の成分および表面
粗度を上述範囲に限定した理由は以下の如くである。ま
た本発明における黒化処理条件とは、従来よりも、より
低温度化、短時間化を指向した黒化処理条件を意味す
る。
短時間化を指向した黒化処理の条件においても、化学成
分,表面粗度(Ra),(Rkr),(Sm)を所定の
範囲内とすることにより黒化膜の黒色度を高め、かつ黒
化膜のムラを抑制し、たま(Rv)を所定の範囲とする
ことによって、黒化膜の熱幅射率を高めることにより所
要の性能を有する黒化膜の形成を可能とすることができ
る。本発明は斯かる知見に基づいてなされたものであっ
て、本発明シャドウマスク用合金薄板の成分および表面
粗度を上述範囲に限定した理由は以下の如くである。ま
た本発明における黒化処理条件とは、従来よりも、より
低温度化、短時間化を指向した黒化処理条件を意味す
る。
【0041】本発明はカラー受像管用の低熱膨張合金薄
板を対象としているが、所要の画面品質を確保するため
に要求される。平均熱膨張係数の上限値は、5.0 ×10-6
/℃である。前記熱膨張係数は、前記合金薄板のニッケ
ル含有量に依存する。そして、上述した平均熱膨張係数
の条件を満たすニッケル含有量の範囲は、Fe-Ni 合金に
おいては30〜45wt. %の範囲内である。従って、ニッケ
ル含有量は、30〜45wt. %の範囲内に限定すべきであ
る。なお、このようなNi含有量の範囲内でも、平均熱膨
張係数を低下させ得る好ましいNi量は35〜37wt.%でり、
更にはこの平均熱膨張係数をより低下させ得る更に好ま
しいNi量は35.5〜36.5wt.%である。また、3.0wt.%未満
のコバルトを含有する場合も同様である。Fe-Ni-Co系合
金においてはNi:27〜33wt. %、Co:3 〜8wt.%とする
ことにより、さらに優れた熱膨張特性が得られる。
板を対象としているが、所要の画面品質を確保するため
に要求される。平均熱膨張係数の上限値は、5.0 ×10-6
/℃である。前記熱膨張係数は、前記合金薄板のニッケ
ル含有量に依存する。そして、上述した平均熱膨張係数
の条件を満たすニッケル含有量の範囲は、Fe-Ni 合金に
おいては30〜45wt. %の範囲内である。従って、ニッケ
ル含有量は、30〜45wt. %の範囲内に限定すべきであ
る。なお、このようなNi含有量の範囲内でも、平均熱膨
張係数を低下させ得る好ましいNi量は35〜37wt.%でり、
更にはこの平均熱膨張係数をより低下させ得る更に好ま
しいNi量は35.5〜36.5wt.%である。また、3.0wt.%未満
のコバルトを含有する場合も同様である。Fe-Ni-Co系合
金においてはNi:27〜33wt. %、Co:3 〜8wt.%とする
ことにより、さらに優れた熱膨張特性が得られる。
【0042】つぎに、本発明で意図する黒化処理性の向
上は、下記のようなSn含有量および表面粗度の適正化に
より達成される。Snは本合金においては,溶製時の鉄源
としてのスクラップから不可避的に混入する不純物元素
であり,黒化膜の生成を抑制するため,本発明において
は有害な元素である。Sn含有量が0.10wt.%を超えると,
本発明で意図する黒化処理性が得られないため,Sn含有
量を0.10wt.%以下とした。前記した(Ra)は、0.3μ
m未満であると、黒化膜の黒色度が劣化し、一方、0.9
μmを超えると、黒化膜のムラ発生が著しくなる。以上
よりムラがなく、優れた黒色度を有する黒化膜が得られ
る(Ra)の範囲を0.3 〜0.9 μmと定めた。
上は、下記のようなSn含有量および表面粗度の適正化に
より達成される。Snは本合金においては,溶製時の鉄源
としてのスクラップから不可避的に混入する不純物元素
であり,黒化膜の生成を抑制するため,本発明において
は有害な元素である。Sn含有量が0.10wt.%を超えると,
本発明で意図する黒化処理性が得られないため,Sn含有
量を0.10wt.%以下とした。前記した(Ra)は、0.3μ
m未満であると、黒化膜の黒色度が劣化し、一方、0.9
μmを超えると、黒化膜のムラ発生が著しくなる。以上
よりムラがなく、優れた黒色度を有する黒化膜が得られ
る(Ra)の範囲を0.3 〜0.9 μmと定めた。
【0043】また、上記(Rkr)は、2.0 未満である
と、黒化膜の黒色度が劣化し、一方、8.0 を超えると、
黒化膜のムラ発生が著しくなる。よって、ムラがなく優
れた黒色度を有する黒化膜が得られる(Rkr)を2.0
〜8.0 と定めた。
と、黒化膜の黒色度が劣化し、一方、8.0 を超えると、
黒化膜のムラ発生が著しくなる。よって、ムラがなく優
れた黒色度を有する黒化膜が得られる(Rkr)を2.0
〜8.0 と定めた。
【0044】さらに、(Sm)は、40μm未満だと黒化
膜のムラ発生が著しくなり、一方、240 μmを超えると
黒化膜の黒色度が劣化する。このことから、ムラがなく
優れた黒色度を有する黒化膜が得られる(Sm)を40〜
240 μmと定めた。
膜のムラ発生が著しくなり、一方、240 μmを超えると
黒化膜の黒色度が劣化する。このことから、ムラがなく
優れた黒色度を有する黒化膜が得られる(Sm)を40〜
240 μmと定めた。
【0045】上記の如く、(Ra),(Rkr)および
(Sm)の適正化によって黒化膜の黒色度が優れたもの
となり、また黒化膜のムラ発生も抑制される理由は必ず
しも明らかでないが、このような表面粗度を有するフラ
ットマスクまたはアパーチャーグリルでは合金薄板表層
近傍に、黒色度の優れた黒化膜が形成し易くるような、
適正な歪みが均一に付与されるためと推察される。
(Sm)の適正化によって黒化膜の黒色度が優れたもの
となり、また黒化膜のムラ発生も抑制される理由は必ず
しも明らかでないが、このような表面粗度を有するフラ
ットマスクまたはアパーチャーグリルでは合金薄板表層
近傍に、黒色度の優れた黒化膜が形成し易くるような、
適正な歪みが均一に付与されるためと推察される。
【0046】(Rv)は、0.7 μm未満、または3.0 μ
m超であると、黒化膜の熱幅射率が劣化する。従って、
優れた熱幅射率を有する黒化膜が得られる。(Rv)を
0.7〜3.0 μmと定めた。このような(Rv)の適正化
による黒化膜の熱幅射率の向上は、表面形状が熱放散に
対して影響を持っており、特に(Rv)のパラメータで
示される表面形状の差が熱放散に大きく関与しているた
めの考えられる。
m超であると、黒化膜の熱幅射率が劣化する。従って、
優れた熱幅射率を有する黒化膜が得られる。(Rv)を
0.7〜3.0 μmと定めた。このような(Rv)の適正化
による黒化膜の熱幅射率の向上は、表面形状が熱放散に
対して影響を持っており、特に(Rv)のパラメータで
示される表面形状の差が熱放散に大きく関与しているた
めの考えられる。
【0047】なお、本発明においては、(Rv)の適正
化に加えて、(Ra),(Rkr)、および(Sm)の
適正化により黒化膜の黒色度を優れたものとし、かつ黒
化膜のムラ発生を抑制していなければ、本発明で意図す
る高い熱幅射率を有する黒化膜は得られないのである。
なお、表面粗度(Ra),(Rkr),(Rv)が上記
した本発明範囲内にある場合には黒化膜の密着性は優れ
ている。
化に加えて、(Ra),(Rkr)、および(Sm)の
適正化により黒化膜の黒色度を優れたものとし、かつ黒
化膜のムラ発生を抑制していなければ、本発明で意図す
る高い熱幅射率を有する黒化膜は得られないのである。
なお、表面粗度(Ra),(Rkr),(Rv)が上記
した本発明範囲内にある場合には黒化膜の密着性は優れ
ている。
【0048】上記のような表面粗さは本合金によるシャ
ドウマスク素材またはアパーチャーグリル素材を最終寸
法に冷間圧延する際のダルロールを用いて冷間圧延する
ことにより容易に実現され得る。ダルロールは所定の表
面粗度を表面に有するロールであり、これを用いて本合
金によるカラー受像管用素材を圧延することにより、そ
の反転模様を適切な転写率にて圧印するものである。従
来、ダル圧延によりシャドウマスク材料表面に凹凸を付
与することは主としてレジスト密着性の向上、プレス前
の焼鈍時の密着焼付き性を回避するために行なわれてい
たが、黒化処理性を向上するためにシャドウマスク材料
またはアパーチャーグリル材料の表面粗さ模様を適切に
制御することは実質上なかった。
ドウマスク素材またはアパーチャーグリル素材を最終寸
法に冷間圧延する際のダルロールを用いて冷間圧延する
ことにより容易に実現され得る。ダルロールは所定の表
面粗度を表面に有するロールであり、これを用いて本合
金によるカラー受像管用素材を圧延することにより、そ
の反転模様を適切な転写率にて圧印するものである。従
来、ダル圧延によりシャドウマスク材料表面に凹凸を付
与することは主としてレジスト密着性の向上、プレス前
の焼鈍時の密着焼付き性を回避するために行なわれてい
たが、黒化処理性を向上するためにシャドウマスク材料
またはアパーチャーグリル材料の表面粗さ模様を適切に
制御することは実質上なかった。
【0049】なお、本発明によるカラー受像管用Fe-Ni
系合金における不純物元素としてはたとえば、C:0.01
0wt.% 以下、Mn:0.70wt.%以下、Cr:3.0wt.% 以
下、O:0.0050wt.%以下、S:0.0050wt.%以下、P:0.
010wt.% 以下、N:0.0030wt.%以下、Al:0.050wt.%
以下、Si:0.30wt.%以下、Ti:0.10wt.%以下、H:
3.0ppm以下であることが好ましい。またCoは3.0wt.%ま
での含有しても特性に影響を与えない。またFe-Ni-Co系
合金においても、Coを除き同様である。
系合金における不純物元素としてはたとえば、C:0.01
0wt.% 以下、Mn:0.70wt.%以下、Cr:3.0wt.% 以
下、O:0.0050wt.%以下、S:0.0050wt.%以下、P:0.
010wt.% 以下、N:0.0030wt.%以下、Al:0.050wt.%
以下、Si:0.30wt.%以下、Ti:0.10wt.%以下、H:
3.0ppm以下であることが好ましい。またCoは3.0wt.%ま
での含有しても特性に影響を与えない。またFe-Ni-Co系
合金においても、Coを除き同様である。
【0050】さらに本発明中の (3)について更に説
明すると、本発明者等は、既述した観点から、黒化処理
性に優れたカラー受像管用Fe-Ni 系およびFe-Ni-Co系合
金薄板を開発すべく、鋭意研究を重ねた結果、次の知見
を得た。即ち、これらのカラー受像管用合金薄板の光沢
度を所定の範囲内に調整することにより黒化処理性が優
れ、所要の性能を有する黒化膜を従来よりも短時間で形
成可能なカラー受像管用合金を得ることができる。
明すると、本発明者等は、既述した観点から、黒化処理
性に優れたカラー受像管用Fe-Ni 系およびFe-Ni-Co系合
金薄板を開発すべく、鋭意研究を重ねた結果、次の知見
を得た。即ち、これらのカラー受像管用合金薄板の光沢
度を所定の範囲内に調整することにより黒化処理性が優
れ、所要の性能を有する黒化膜を従来よりも短時間で形
成可能なカラー受像管用合金を得ることができる。
【0051】詳述すると、従来よりも、より低温度化、
短時間化を指向した黒化処理の条件においても、化学成
分および合金板表面の光沢を所定の範囲内とすることに
より、黒化膜の黒色度を高め、かつ黒化膜のムラを抑制
し、更には黒化膜の熱幅射率を高めることにより所要の
性能を有する黒化膜の形成を可能とすることができる。
短時間化を指向した黒化処理の条件においても、化学成
分および合金板表面の光沢を所定の範囲内とすることに
より、黒化膜の黒色度を高め、かつ黒化膜のムラを抑制
し、更には黒化膜の熱幅射率を高めることにより所要の
性能を有する黒化膜の形成を可能とすることができる。
【0052】この発明は、上述した知見に基づいてなさ
れたものであって、この発明のカラー受像管用Fe-Ni 系
およびFe-Ni-Co系合金薄板の成分および光沢度を上述し
た範囲内に限定した理由を述べると以下の如くである。
なお本発明における黒化処理条件とは、従来よりも、よ
り低温度化、短時間化を指向した黒化処理条件を意味す
る。
れたものであって、この発明のカラー受像管用Fe-Ni 系
およびFe-Ni-Co系合金薄板の成分および光沢度を上述し
た範囲内に限定した理由を述べると以下の如くである。
なお本発明における黒化処理条件とは、従来よりも、よ
り低温度化、短時間化を指向した黒化処理条件を意味す
る。
【0053】また、本発明はカラー受像管用のインバー
合金薄板を対象としているが、所要の画面品質を確保す
るために要求される、平均熱膨張係数の上限値は、5.0
×10 -6/℃である。前記熱膨張係数は、前記合金薄板の
ニッケル含有量に依存する。そして、上述した平均熱膨
張係数の条件を満たすニッケル含有量の範囲は、Fe-Ni
系合金にあっては30〜45wt.%の範囲内である。従って、
ニケッル含有量は、30〜45wt.%の範囲内に限定するべき
である。なお、このようなNi含有量の範囲内でも、平均
熱膨張係数を低下させうる好ましいNi量は35〜37wt.%で
あり、更にはこの平均熱膨張係数をより低下させうる更
に好ましいNi量は35.5〜36.5wt.%である。また、3.0wt.
%未満のコバルトを含有する場合も同様である。Fe-Ni-C
o系合金においては、コバルトを3 〜8wt.% 、ニッケル
を27〜33wt.%の範囲にすることにより平均熱膨張平均係
数はさらに低くなる。
合金薄板を対象としているが、所要の画面品質を確保す
るために要求される、平均熱膨張係数の上限値は、5.0
×10 -6/℃である。前記熱膨張係数は、前記合金薄板の
ニッケル含有量に依存する。そして、上述した平均熱膨
張係数の条件を満たすニッケル含有量の範囲は、Fe-Ni
系合金にあっては30〜45wt.%の範囲内である。従って、
ニケッル含有量は、30〜45wt.%の範囲内に限定するべき
である。なお、このようなNi含有量の範囲内でも、平均
熱膨張係数を低下させうる好ましいNi量は35〜37wt.%で
あり、更にはこの平均熱膨張係数をより低下させうる更
に好ましいNi量は35.5〜36.5wt.%である。また、3.0wt.
%未満のコバルトを含有する場合も同様である。Fe-Ni-C
o系合金においては、コバルトを3 〜8wt.% 、ニッケル
を27〜33wt.%の範囲にすることにより平均熱膨張平均係
数はさらに低くなる。
【0054】本発明において目的とする黒化処理性の向
上は,Sn含有量を0.10wt.%以下とし,かつ光沢度を40〜
200 の範囲内に適正化によって達成される。つまり、Sn
は本合金においては,溶製時の鉄源としてのスクラップ
から不可避的に混入する不純物元素であり,黒化膜の生
成を抑制するため,本発明においては有害な元素であ
る。Sn含有量が0.10wt.%を超えると,本発明で意図する
黒化処理性が得られないため,Sn含有量を0.10wt.%以下
とした。また光沢度が200 を超えると、黒化膜の黒色度
が劣化し、かつ熱幅射率も劣化する。すなわち、光沢度
が200 以下であれば、黒化膜の黒色度および熱幅射率を
優れたレベルとすることができる。一方、光沢度が40未
満の場合では、黒化膜のムラが著しくなる。更には光沢
度が40以上の場合、黒化膜のムラはない。また光沢度が
本発明の規定範囲内であれば優れた黒化膜の密着性も得
られる。これらの関係から黒化膜のムラ発生がなく、黒
色度および熱幅射率を優れたレベルとするための光沢度
の範囲として、40〜200 を定めた。
上は,Sn含有量を0.10wt.%以下とし,かつ光沢度を40〜
200 の範囲内に適正化によって達成される。つまり、Sn
は本合金においては,溶製時の鉄源としてのスクラップ
から不可避的に混入する不純物元素であり,黒化膜の生
成を抑制するため,本発明においては有害な元素であ
る。Sn含有量が0.10wt.%を超えると,本発明で意図する
黒化処理性が得られないため,Sn含有量を0.10wt.%以下
とした。また光沢度が200 を超えると、黒化膜の黒色度
が劣化し、かつ熱幅射率も劣化する。すなわち、光沢度
が200 以下であれば、黒化膜の黒色度および熱幅射率を
優れたレベルとすることができる。一方、光沢度が40未
満の場合では、黒化膜のムラが著しくなる。更には光沢
度が40以上の場合、黒化膜のムラはない。また光沢度が
本発明の規定範囲内であれば優れた黒化膜の密着性も得
られる。これらの関係から黒化膜のムラ発生がなく、黒
色度および熱幅射率を優れたレベルとするための光沢度
の範囲として、40〜200 を定めた。
【0055】上記の如く、光沢度の適正化により、黒化
膜の黒色度が優れたものとなり、かつ黒化膜のムラ発生
も抑制される理由は良くわかっていないが、このような
光沢度を有するフラットマスクまたはアパーチャーグリ
ルでは,合金薄板表層近傍に、黒色度の優れた黒化膜が
形成し易くなるような、適正な歪が均一に付与されるた
めではないかと推察される。
膜の黒色度が優れたものとなり、かつ黒化膜のムラ発生
も抑制される理由は良くわかっていないが、このような
光沢度を有するフラットマスクまたはアパーチャーグリ
ルでは,合金薄板表層近傍に、黒色度の優れた黒化膜が
形成し易くなるような、適正な歪が均一に付与されるた
めではないかと推察される。
【0056】また、黒化膜の熱幅射率の向上は、表面形
態が熱放散に対して影響を持っており、特に光沢度で示
される表面形態の差が熱放散に対して大きく関与してい
るためと考えられる。
態が熱放散に対して影響を持っており、特に光沢度で示
される表面形態の差が熱放散に対して大きく関与してい
るためと考えられる。
【0057】上記したような表面の光沢度は本合金によ
るシャドウマスク素材またはアパーチャーグリル素材を
最終寸法に冷間圧延する際にダルロールを用いて冷間圧
延することにより容易に実現され得る。ダルロールは所
定の表面光沢度を有するロールであり、これを用いて本
合金シャドウマスク素材を圧延することにより、その反
転模様を適切な転写率にて圧印するものである。従来、
ダル圧延によりシャドウマスク材料表面に凹凸を付与す
ることは主としてレジスト密着性の向上、プレス前の焼
鈍時の密着焼付き性を回避するために行なわれていた
が、黒化処理性を向上するためにシャドウマスク材料ま
たはアパーチャーグリル材料の表面の光沢度を適切に制
御することは実質上なかった。
るシャドウマスク素材またはアパーチャーグリル素材を
最終寸法に冷間圧延する際にダルロールを用いて冷間圧
延することにより容易に実現され得る。ダルロールは所
定の表面光沢度を有するロールであり、これを用いて本
合金シャドウマスク素材を圧延することにより、その反
転模様を適切な転写率にて圧印するものである。従来、
ダル圧延によりシャドウマスク材料表面に凹凸を付与す
ることは主としてレジスト密着性の向上、プレス前の焼
鈍時の密着焼付き性を回避するために行なわれていた
が、黒化処理性を向上するためにシャドウマスク材料ま
たはアパーチャーグリル材料の表面の光沢度を適切に制
御することは実質上なかった。
【0058】なお、本発明によるカラー受像管用Fe-Ni
系合金における不純物元素としては,たとえば、C:0.
010wt.%以下、Mn:0.70wt.%以下、Cr:3.0wt.% 以
下、O:0.0050wt.%以下、S:0.0050wt.%以下、P:0.
010wt.% 以下、N:0.0030wt.%以下、Al:0.050wt.%
以下、Si:0.30wt.%以下、Ti0.10wt.%以下、H:3.
0ppm以下の範囲内であることが好ましい。Coは3.0wt.%
未満まで含有しても特性に影響を与えない。これは、Fe
-Ni-Co系合金においてもCoを除いて同様である。
系合金における不純物元素としては,たとえば、C:0.
010wt.%以下、Mn:0.70wt.%以下、Cr:3.0wt.% 以
下、O:0.0050wt.%以下、S:0.0050wt.%以下、P:0.
010wt.% 以下、N:0.0030wt.%以下、Al:0.050wt.%
以下、Si:0.30wt.%以下、Ti0.10wt.%以下、H:3.
0ppm以下の範囲内であることが好ましい。Coは3.0wt.%
未満まで含有しても特性に影響を与えない。これは、Fe
-Ni-Co系合金においてもCoを除いて同様である。
【0059】
【実施例】具体的な実施例について本発明 (1)によ
るものの説明をすると、取鍋精錬によって表1 に示すよ
うな化学成分を有する合金A〜D,F〜Hの鋼塊を造塊
法で,また合金EについてはCCスラブを連続鋳造法で
それぞれ調整した。
るものの説明をすると、取鍋精錬によって表1 に示すよ
うな化学成分を有する合金A〜D,F〜Hの鋼塊を造塊
法で,また合金EについてはCCスラブを連続鋳造法で
それぞれ調整した。
【0060】
【表1】
【0061】これらの鋼塊またはCCスラブを手入れ
後、分塊圧延、表面疵取り、熱間圧延、疵取りして得ら
れた熱延コイルを用いて、以降、冷延−焼鈍−仕上げ冷
延を行ない表2 に示す表面粗度を有する板厚0.15mmの合
金薄板 No.1 〜19を得た。
後、分塊圧延、表面疵取り、熱間圧延、疵取りして得ら
れた熱延コイルを用いて、以降、冷延−焼鈍−仕上げ冷
延を行ない表2 に示す表面粗度を有する板厚0.15mmの合
金薄板 No.1 〜19を得た。
【0062】
【表2】
【0063】上記のようにして得られた各合金薄板をエ
ッチングによりフラットマスクにした後マスクを810 ℃
にてアニールし、プレス成形の後、550 ℃×8min の条
件にて黒化処理を行った。黒化膜の密着性、膜厚、ムラ
発生状況および熱輻射率も表1に併せて示す。黒化膜の
密着性は黒化膜の上にテープをはり180°密着曲げをし
てからテープを剥がし、テープ上への黒化膜の付着状況
により評価した。
ッチングによりフラットマスクにした後マスクを810 ℃
にてアニールし、プレス成形の後、550 ℃×8min の条
件にて黒化処理を行った。黒化膜の密着性、膜厚、ムラ
発生状況および熱輻射率も表1に併せて示す。黒化膜の
密着性は黒化膜の上にテープをはり180°密着曲げをし
てからテープを剥がし、テープ上への黒化膜の付着状況
により評価した。
【0064】前記した表2 に示した結果から明らかなよ
うに、本発明範囲内の表面粗度を有している材料 No.10
〜19の各材は黒化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況、
および熱輻射率は何れも本発明で意図する優れたレベル
を示している。
うに、本発明範囲内の表面粗度を有している材料 No.10
〜19の各材は黒化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況、
および熱輻射率は何れも本発明で意図する優れたレベル
を示している。
【0065】これに対して、材料 No.1 、 No.4 、 No.
5 の各材はそれぞれ、(Ra)が本発明規定の上限を超え
るもの、(Sm)が本発明規定の下限未満のもの、(Rsk)
が本発明規定の上限を超えるものであり、黒化膜のムラ
発生状況は本発明例に比べて劣っている。また、材料 N
o.2 、 No.3 、 No.6 の各材はそれぞれ、(Ra)が本発
明規定の下限未満のもの、(Sm)が本発明規定の上限を
超えるもの、(Rsk)が本発明規定の下限未満のものであ
り、黒化膜の黒色度が本発明例に比べて劣っている。ま
た,材料No. 9 はSn含有量が本発明規定の上限を超える
ものであり,黒化膜の密着性,黒色度,ムラ発生状況は
本発明に比べて劣り,熱輻射率も本発明例に比べて低
く,本発明で意図する黒化処理性が得られていない。
5 の各材はそれぞれ、(Ra)が本発明規定の上限を超え
るもの、(Sm)が本発明規定の下限未満のもの、(Rsk)
が本発明規定の上限を超えるものであり、黒化膜のムラ
発生状況は本発明例に比べて劣っている。また、材料 N
o.2 、 No.3 、 No.6 の各材はそれぞれ、(Ra)が本発
明規定の下限未満のもの、(Sm)が本発明規定の上限を
超えるもの、(Rsk)が本発明規定の下限未満のものであ
り、黒化膜の黒色度が本発明例に比べて劣っている。ま
た,材料No. 9 はSn含有量が本発明規定の上限を超える
ものであり,黒化膜の密着性,黒色度,ムラ発生状況は
本発明に比べて劣り,熱輻射率も本発明例に比べて低
く,本発明で意図する黒化処理性が得られていない。
【0066】更に、合金材料 No.7 、 No.8 の各材は、
それぞれ(Rv)が本発明規定の上限を超えるもの、下限
未満のものであり何れの材料も熱輻射率は、本発明例に
比べて劣っている。
それぞれ(Rv)が本発明規定の上限を超えるもの、下限
未満のものであり何れの材料も熱輻射率は、本発明例に
比べて劣っている。
【0067】上記したところから明らかなように、本発
明の範囲内の化学成分,表面粗度とすることにより、黒
化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況および熱輻射率
が、ともに優れたレベルを有するカラー受像管用Fe−Ni
系およびFe−Ni−Co系合金薄板が得られることは明かで
ある。
明の範囲内の化学成分,表面粗度とすることにより、黒
化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況および熱輻射率
が、ともに優れたレベルを有するカラー受像管用Fe−Ni
系およびFe−Ni−Co系合金薄板が得られることは明かで
ある。
【0068】また、本発明 (2)を具体的実施例によ
って更に仔細を説明すると、本発明者等は取鍋精錬によ
って次の表3 に示すような化学成分を有する各合金A〜
E,G〜Hの鋼塊を造塊法で,また合金FについてはC
Cスラブを連続鋳造法でそれぞれ調整した。
って更に仔細を説明すると、本発明者等は取鍋精錬によ
って次の表3 に示すような化学成分を有する各合金A〜
E,G〜Hの鋼塊を造塊法で,また合金FについてはC
Cスラブを連続鋳造法でそれぞれ調整した。
【0069】
【表3】
【0070】上記のような各鋼塊(合金A〜E,G〜
H)は手入れ後、分塊圧延してスラブとし,一方CCス
ラブ(合金F)は分塊圧延を経ること無く,以降合金A
〜Hの各々のスラブは、表面疵取り、熱間圧延、疵取り
して得られた熱延コイルを用いて、以降、冷延焼鈍−仕
上げ冷延を行ない表4に示す表面粗度を有する板厚0.20m
mの合金薄板 No.1 〜19を得た。
H)は手入れ後、分塊圧延してスラブとし,一方CCス
ラブ(合金F)は分塊圧延を経ること無く,以降合金A
〜Hの各々のスラブは、表面疵取り、熱間圧延、疵取り
して得られた熱延コイルを用いて、以降、冷延焼鈍−仕
上げ冷延を行ない表4に示す表面粗度を有する板厚0.20m
mの合金薄板 No.1 〜19を得た。
【0071】
【表4】
【0072】また上記したような各合金薄板をエッチン
グによりフラットマスクとした後、マスクを810 ℃にて
アニールし、プレス成形ののち、550 ℃×8min の条件
にて黒化処理を行なった。また、形成された黒化膜の密
着性、膜厚、ムラ発生状況および熱輻射率も表4 に合わ
せて示す。黒化膜の密着性は、黒化膜の上にテープを貼
り、180 °密着曲げをしてからテープを剥がし、テープ
上への黒化膜の付着状況により評価した。このようにし
て得られた黒化膜の性状ないし評価結果は前記表4 にお
いて併せて示す如くである。
グによりフラットマスクとした後、マスクを810 ℃にて
アニールし、プレス成形ののち、550 ℃×8min の条件
にて黒化処理を行なった。また、形成された黒化膜の密
着性、膜厚、ムラ発生状況および熱輻射率も表4 に合わ
せて示す。黒化膜の密着性は、黒化膜の上にテープを貼
り、180 °密着曲げをしてからテープを剥がし、テープ
上への黒化膜の付着状況により評価した。このようにし
て得られた黒化膜の性状ないし評価結果は前記表4 にお
いて併せて示す如くである。
【0073】表4に示した結果から明らかなように、本
発明範囲内の表面粗度を有している材料 No.10〜19の各
材は黒化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況、および熱
輻射率はいずれも本発明で目的とする優れたレベルを示
している。
発明範囲内の表面粗度を有している材料 No.10〜19の各
材は黒化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況、および熱
輻射率はいずれも本発明で目的とする優れたレベルを示
している。
【0074】これに対して、材料 No.1 、 No.4 、 No.
5 の各材はそれぞれ、(Ra)が本発明規定の上限を超え
るもの、(Sm)が本発明規定の下限未満のもの、(Rkr)
が本発明規定の上限を超えるものであり、黒化膜のムラ
発生状況は本発明例に比べて劣っている。また材料No.
9 はSn含有量が本発明規定の上限を超えるものであり,
黒化膜の密着性,黒色度,ムラ発生状況は本発明例に比
べて劣り,熱輻射率も本発明例に比べて低く,本発明で
意図する黒化処理性が得られていない。
5 の各材はそれぞれ、(Ra)が本発明規定の上限を超え
るもの、(Sm)が本発明規定の下限未満のもの、(Rkr)
が本発明規定の上限を超えるものであり、黒化膜のムラ
発生状況は本発明例に比べて劣っている。また材料No.
9 はSn含有量が本発明規定の上限を超えるものであり,
黒化膜の密着性,黒色度,ムラ発生状況は本発明例に比
べて劣り,熱輻射率も本発明例に比べて低く,本発明で
意図する黒化処理性が得られていない。
【0075】また、材料 No.2 、 No.3 、 No.6 の各材
はそれぞれ、(Ra)が本発明規定の下限未満のもの、
(Sm)が本発明規定の上限を超えるもの、(Rkr)が本発
明規定の下限未満のものであり、黒化膜の黒色度が本発
明例に比べて劣っている。
はそれぞれ、(Ra)が本発明規定の下限未満のもの、
(Sm)が本発明規定の上限を超えるもの、(Rkr)が本発
明規定の下限未満のものであり、黒化膜の黒色度が本発
明例に比べて劣っている。
【0076】更に、材料 No.7 、 No.8 の各材は、それ
ぞれ(Rv)が本発明規定の上限を超えるもの、下限未満
のものであり、いずれの材料も熱輻射率は、本発明例に
比べて劣っている。
ぞれ(Rv)が本発明規定の上限を超えるもの、下限未満
のものであり、いずれの材料も熱輻射率は、本発明例に
比べて劣っている。
【0077】上記したところから明らかなように、本発
明の範囲内の化学成分,表面粗度とすることにより、黒
化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況および熱輻射率、
ともに優れたレベルを有するカラー受像管用Fe−Niおよ
びFe−Ni−Co合金薄板が得られることが理解される。
明の範囲内の化学成分,表面粗度とすることにより、黒
化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況および熱輻射率、
ともに優れたレベルを有するカラー受像管用Fe−Niおよ
びFe−Ni−Co合金薄板が得られることが理解される。
【0078】さらに本発明(3)によるものの具体的な
実施例について更に詳しく説明すると、本発明者等は取
鍋精錬によって、次の表5 に示すような化学成分を有す
る各合金A〜E,G〜Hの鋼塊を造塊法で,また合金F
についてはCCスラブを連続鋳造法でそれぞれ調整し
た。
実施例について更に詳しく説明すると、本発明者等は取
鍋精錬によって、次の表5 に示すような化学成分を有す
る各合金A〜E,G〜Hの鋼塊を造塊法で,また合金F
についてはCCスラブを連続鋳造法でそれぞれ調整し
た。
【0079】
【表5】
【0080】これらの各鋼塊(合金A〜E,G〜H)を
手入れ後、分塊圧延してスラブとし、一方CCスラブ
(合金F)は分塊圧延を経ることなく,以降合金A〜H
の各々のスラブは,表面疵取り、熱間圧延、疵取りして
得られた熱延コイルを用いて、以降、冷延焼鈍−仕上げ
冷延、歪取り焼鈍を行ない、次の表6に示す表面光沢度
を有する板厚0.10mmの合金薄板 No.1 〜13得た。またこ
れらのものをエッチングによりフラットマスクにした
後、マスクを810 ℃にてアニールし、プレス成形のの
ち、550 ℃×8min の条件にて黒化処理を行なった。
手入れ後、分塊圧延してスラブとし、一方CCスラブ
(合金F)は分塊圧延を経ることなく,以降合金A〜H
の各々のスラブは,表面疵取り、熱間圧延、疵取りして
得られた熱延コイルを用いて、以降、冷延焼鈍−仕上げ
冷延、歪取り焼鈍を行ない、次の表6に示す表面光沢度
を有する板厚0.10mmの合金薄板 No.1 〜13得た。またこ
れらのものをエッチングによりフラットマスクにした
後、マスクを810 ℃にてアニールし、プレス成形のの
ち、550 ℃×8min の条件にて黒化処理を行なった。
【0081】
【表6】
【0082】さらにこれらのものについての黒化膜の密
着性、膜厚、ムラ発生状況および熱輻射率も上記表6 に
併せて示す。黒化膜の密着性は、黒化膜の上にテープを
はり、180 °密着曲げをしてからテープを剥がし、テー
プ上への黒化膜の付着状況により評価した。
着性、膜厚、ムラ発生状況および熱輻射率も上記表6 に
併せて示す。黒化膜の密着性は、黒化膜の上にテープを
はり、180 °密着曲げをしてからテープを剥がし、テー
プ上への黒化膜の付着状況により評価した。
【0083】上記表6に示した結果から明らかなよう
に、本発明範囲内の光沢度を有している材料 No.4〜13
の各材は黒化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況、およ
び熱輻射率は、いずれも本発明で意図する優れたレベル
を示している。
に、本発明範囲内の光沢度を有している材料 No.4〜13
の各材は黒化膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況、およ
び熱輻射率は、いずれも本発明で意図する優れたレベル
を示している。
【0084】これに対して、材料 No.1 は光沢度が本発
明規定の下限未満のものであり、黒化膜のムラ発生が著
しい。また材料 No.2 は光沢度が本発明規定の上限を超
えるものであり、黒化膜の黒色度が本発明例に比べて劣
っており、かつ熱輻射率も本発明例に比べて劣ってい
る。また材料No. 3 はSn含有量が本発明規定の上限を超
えるものであり,黒化膜の密着性,黒色度,ムラ発生状
況は本発明例に比べて劣り,熱輻射率も本発明例に比べ
て低く,本発明で意図する黒化処理性が得られていな
い。
明規定の下限未満のものであり、黒化膜のムラ発生が著
しい。また材料 No.2 は光沢度が本発明規定の上限を超
えるものであり、黒化膜の黒色度が本発明例に比べて劣
っており、かつ熱輻射率も本発明例に比べて劣ってい
る。また材料No. 3 はSn含有量が本発明規定の上限を超
えるものであり,黒化膜の密着性,黒色度,ムラ発生状
況は本発明例に比べて劣り,熱輻射率も本発明例に比べ
て低く,本発明で意図する黒化処理性が得られていな
い。
【0085】上記したところから明らかなように、本発
明の範囲内の化学成分,光沢度とすることにより、黒化
膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況および熱輻射率がと
もに優れたレベルを有するカラー受像管用Fe−Ni系およ
びFe−Ni−Co系合金薄板が得られることがわかる。
明の範囲内の化学成分,光沢度とすることにより、黒化
膜の密着性、黒色度、ムラ発生状況および熱輻射率がと
もに優れたレベルを有するカラー受像管用Fe−Ni系およ
びFe−Ni−Co系合金薄板が得られることがわかる。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したような、本発明によれば、
黒化処理性が優れ、優れた黒色度を得しめると共に、む
らがなく、卓越した密着性、高い熱輻射率を有する黒化
膜を従来よりも比較的低温でかつ短時間で形成可能なカ
ラー受像管用合金薄板を提供することができるものであ
るから、工業的に有利な効果がもたらされ、その効果の
大きい発明である。
黒化処理性が優れ、優れた黒色度を得しめると共に、む
らがなく、卓越した密着性、高い熱輻射率を有する黒化
膜を従来よりも比較的低温でかつ短時間で形成可能なカ
ラー受像管用合金薄板を提供することができるものであ
るから、工業的に有利な効果がもたらされ、その効果の
大きい発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 若狭 浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 Ni:30〜45wt.%を含有するFe-Ni 系合金
であって、不純物としてのSn含有量を0.10wt.%以下と
し、かつその合金帯における板厚はフラットマスクをプ
レス成形し、次に黒化処理する工程を含むシャドウマス
クの製造に供する該フラットマスクまたはアパーチャー
グリルを黒化処理する工程を含むアパーチャーグリルの
製造に供する該アパーチャーグリルと実質上同等であ
り、その表面粗度における、中心線平均粗さ(Ra)
が、0.3 〜0.9 μm、断面曲線凹凸の平均間隔(Sm)
が、40〜240 μm、粗さ曲線の高さ方向における片寄り
指標であるスキューネス(Rsk)が、-0.5〜+1.3 粗さ曲線の中心線谷深さ(Rv)が0.7 〜3.0 μm であることを特徴とする黒化処理性に優れたカラー受像
管用Fe-Ni 系合金薄板。 - 【請求項2】 Ni:27〜33wt.%およびCo:3 〜8wt.% を
含有するFe-Ni-Co系合金であって、不純物としてのSn含
有量を0.10wt.%以下とし、かつその合金帯における板厚
はフラットマスクをプレス成形し、次に黒化処理する工
程を含むシャドウマスクの製造に供する該フラットマス
クまたはアパーチャーグリルを黒化処理する工程を含む
アパーチャーグリルの製造に供する該アパーチャーグリ
ルと実質上同等であり、その表面粗度における、中心線
平均粗さ(Ra)が、0.3 〜0.9 μm、断面曲線凹凸の
平均間隔(Sm)が、40〜240 μm、粗さ曲線の高さ方
向における片寄り指標であるキューネス(Rsk)が、
-0.5〜+1.3 粗さ曲線の中心線谷深さ(Rv)が0.7 〜3.0 μm であることを特徴とする黒化処理性に優れたカラー受像
管用Fe-Ni-Co系合金薄板。 - 【請求項3】 Ni:30〜45wt. %を含有するFe-Ni 系合
金であって、不純物としてのSn含有量を0.10wt.%以下と
し、かつその合金帯の板厚はフラットマスクをプレス成
形し、次に黒化処理する工程を含む黒化処理性に優れた
カラー受像管の製造に供する該フラットマスクまたはア
パーチャーグリルを黒化処理する工程を含むアパーチャ
ーグリルの製造に供する該アパーチャーグリルと実質上
同等であり、その表面粗度における、中心線平均粗さ
(Ra)が、0.3 〜0.9 μm、断面曲線凹凸の平均間隔
(Sm)が、40〜240 μm、粗さ曲線の高さ方向におけ
るとがりの指標であるクルトシス(Rkr)が2.0 〜8.
0 、粗さ曲線の中心線谷深さ(Rv)が0.7〜3.0μm であることを特徴とする黒化処理性に優れた黒化処理性
に優れたカラー受像管用Fe-Ni 系合金薄板。 - 【請求項4】 Ni:27〜33wt. %およびCo:3 〜8wt.
を含有するFe-Ni-Co系合金であって、不純物としてのSn
含有量を0.10wt.%以下とし、かつその合金帯の板厚はフ
ラットマスクをプレス成形し、次に黒化処理する工程を
含む黒化処理性に優れたカラー受像管の製造に供する該
フラットマスクまたはアパーチャーグリルを黒化処理す
る工程を含むアパーチャーグリルの製造に供する該アパ
ーチャーグリルと実質上同等であり、その表面粗度にお
ける、中心線平均粗さ(Ra)が、0.3 〜0.9 μm、断
面曲線凹凸の平均間隔(Sm)が、40〜240 μm、粗さ
曲線の高さ方向におけるとがりの指標であるクルトシス
(Rkr)が2.0 〜8.0 、粗さ曲線の中心線谷深さ(R
v)が0.7〜3.0μm であることを特徴とする黒化処理性に優れたカラー受像
管用Fe-Ni-Co系合金薄板。 - 【請求項5】 Ni:30〜45wt.%を含有するFe-Ni 系合金
であって、不純物としてのSn含有量を0.10wt.%以下と
し、かつ、その合金帯の板厚はフラットマスクをプレス
成形し、次に黒化処理する黒化処理性に優れたカラー受
像管の製造に供する該フラットマスクまたはアパーチャ
ーグリルを黒化処理する工程を含むアパーチャーグリル
の製造に供する該アパーチャーグリルと実質上同等であ
り、その表面の光沢度(JISZ8741,20度鏡面光沢)
が40〜200 であることを特徴とする黒化処理性に優れた
カラー受像管用Fe-Ni 系合金薄板。 - 【請求項6】 Ni:27〜33wt.%,Co:3 〜8wt.% を含有
するFe-Ni-Co系合金であって、不純物としてのSn含有量
を0.10wt.%以下とし、かつ、その合金帯の板厚はフラッ
トマスクをプレス成形し、次に黒化処理する工程を含む
黒化処理性に優れたカラー受像管の製造に供する該フラ
ットマスクまたはアパーチャーグリルを黒化処理する工
程を含むアパーチャーグリルの製造に供する該アパーチ
ャーグリルと実質上同等であり、その表面の光沢度(J
ISZ8741,20度鏡面光沢)が40〜200 であることを特
徴とする黒化処理性に優れたカラー受像管用Fe-Ni-Co系
合金薄板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2284094A JPH07233443A (ja) | 1994-02-21 | 1994-02-21 | 黒化処理性に優れたカラー受像管用Fe−Ni系および Fe−Ni−Co系合金薄板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2284094A JPH07233443A (ja) | 1994-02-21 | 1994-02-21 | 黒化処理性に優れたカラー受像管用Fe−Ni系および Fe−Ni−Co系合金薄板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07233443A true JPH07233443A (ja) | 1995-09-05 |
Family
ID=12093910
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2284094A Pending JPH07233443A (ja) | 1994-02-21 | 1994-02-21 | 黒化処理性に優れたカラー受像管用Fe−Ni系および Fe−Ni−Co系合金薄板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07233443A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6777863B1 (en) | 1998-03-19 | 2004-08-17 | Toyo Kohan., Ltd. | Material for aperture grill for color picture tube, process for making the same, aperture grill, and picture tube |
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1994
- 1994-02-21 JP JP2284094A patent/JPH07233443A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6777863B1 (en) | 1998-03-19 | 2004-08-17 | Toyo Kohan., Ltd. | Material for aperture grill for color picture tube, process for making the same, aperture grill, and picture tube |
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