JPH07233206A - 重合装置及びそれを用いる塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
重合装置及びそれを用いる塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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- JPH07233206A JPH07233206A JP6337333A JP33733394A JPH07233206A JP H07233206 A JPH07233206 A JP H07233206A JP 6337333 A JP6337333 A JP 6337333A JP 33733394 A JP33733394 A JP 33733394A JP H07233206 A JPH07233206 A JP H07233206A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】特に塩化ビニルの懸濁重合に用いられる重合装
置であって、実質的に円筒状内空間を有する重合器
(1)から成り、該重合器内空間には、垂直方向に延び
ているパイプから成る複数本のバッフル(5)と、垂直
方向に連続して延びているコイル状冷却管(6)とが配
置され、前記バッフル及びコイル状冷却管には、冷媒が
通される。 【効果】高い冷却性能が得られ、大型重合器での高速反
応が可能となり、安定な重合反応が行なわれる。フィッ
シュアイの少ない均一で嵩比重の高い高品質の重合体が
得られる。
置であって、実質的に円筒状内空間を有する重合器
(1)から成り、該重合器内空間には、垂直方向に延び
ているパイプから成る複数本のバッフル(5)と、垂直
方向に連続して延びているコイル状冷却管(6)とが配
置され、前記バッフル及びコイル状冷却管には、冷媒が
通される。 【効果】高い冷却性能が得られ、大型重合器での高速反
応が可能となり、安定な重合反応が行なわれる。フィッ
シュアイの少ない均一で嵩比重の高い高品質の重合体が
得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、除熱能力が改善された
新規重合装置に関するものである。
新規重合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系単量体の懸濁重合等
に使用される重合装置として、例えば還流コンデンサ
ー、冷却用又は加熱用のジャケット、撹拌装置、原料仕
込みノズル、重合体抜出し用ノズル等を重合器に設けて
成る重合装置が知られている。これらの重合装置におい
ては、重合反応熱の除去(除熱)は、主として前記の還
流コンデンサーおよびジャケットにより行なわれる。
に使用される重合装置として、例えば還流コンデンサ
ー、冷却用又は加熱用のジャケット、撹拌装置、原料仕
込みノズル、重合体抜出し用ノズル等を重合器に設けて
成る重合装置が知られている。これらの重合装置におい
ては、重合反応熱の除去(除熱)は、主として前記の還
流コンデンサーおよびジャケットにより行なわれる。
【0003】また、その他の除熱方式を採用した重合装
置として、冷却コイル、ドラフトチューブ等を重合器に
設置したもの、外部に冷却装置を設けて重合反応物をそ
の外部冷却装置を通して除熱して重合器に戻すようにし
た重合装置も知られている。
置として、冷却コイル、ドラフトチューブ等を重合器に
設置したもの、外部に冷却装置を設けて重合反応物をそ
の外部冷却装置を通して除熱して重合器に戻すようにし
た重合装置も知られている。
【0004】しかしながら、特に塩化ビニル又はこれを
主体とする単量体混合物(以下、塩化ビニル系単量体と
いう)の懸濁重合においては、重合器内に冷却コイルや
ドラフトチューブ等の内部構造物を入れることは撹拌所
要動力の増大につながる。また仕込んだ諸原料の混合性
能を低下させ、重合器内に流動の緩慢な部分が発生す
る。その結果、重合器内の温度が不均一化し、得られる
重合体の粒子サイズが不均一化し、更に重合器内壁に重
合体スケールが付着し易くなる。スケールはフィッシュ
アイを増加させ、成形製品の品質を著しく損なう。従っ
て、このような手段で除熱を行うことは、重合器内の構
造を複雑化させるため、種々の問題を発生する。
主体とする単量体混合物(以下、塩化ビニル系単量体と
いう)の懸濁重合においては、重合器内に冷却コイルや
ドラフトチューブ等の内部構造物を入れることは撹拌所
要動力の増大につながる。また仕込んだ諸原料の混合性
能を低下させ、重合器内に流動の緩慢な部分が発生す
る。その結果、重合器内の温度が不均一化し、得られる
重合体の粒子サイズが不均一化し、更に重合器内壁に重
合体スケールが付着し易くなる。スケールはフィッシュ
アイを増加させ、成形製品の品質を著しく損なう。従っ
て、このような手段で除熱を行うことは、重合器内の構
造を複雑化させるため、種々の問題を発生する。
【0005】また重合器の外部に冷却装置を設けて重合
体混合物を該冷却装置を介して循環させる方法は、重合
器の管理、保守の他に循環ライン内の管理・保守が必要
となり、水洗等の作業が煩雑になりやすい。また、この
外部循環装置を用いると、得られる重合体の品質は、こ
れを用いない場合に比べて劣るという問題があった。
体混合物を該冷却装置を介して循環させる方法は、重合
器の管理、保守の他に循環ライン内の管理・保守が必要
となり、水洗等の作業が煩雑になりやすい。また、この
外部循環装置を用いると、得られる重合体の品質は、こ
れを用いない場合に比べて劣るという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする問題】ところで、生産性向上
の目的で重合器自体を大型化した場合、あるいは重合反
応時間を短縮するための重合方法を採用した場合には、
単位時間当りの発熱量が増大するので、除熱効率も増大
させることが必要となる。このために、冷却ジャケット
に流す冷水の温度を冷凍機を用いて低下させることも可
能であるが、経済的な観点より好ましくない。
の目的で重合器自体を大型化した場合、あるいは重合反
応時間を短縮するための重合方法を採用した場合には、
単位時間当りの発熱量が増大するので、除熱効率も増大
させることが必要となる。このために、冷却ジャケット
に流す冷水の温度を冷凍機を用いて低下させることも可
能であるが、経済的な観点より好ましくない。
【0007】また40m3 以上の大型重合器となると、
ジャケットによる除熱量の増加にはおのずと限界がある
ため、還流コンデンサーによる除熱量を大きくする必要
が生ずる。ところが、還流コンデンサーの除熱負荷を大
きくしていくと、重合器内のスラリーの発泡が増大して
還流コンデンサー内部へスラリーが溢流する結果、還流
コンデンサーの除熱能力が低下したり、還流コンデンサ
ー内に重合体スケールの付着が発生する。場合によって
は、溢流した重合体粒子によって配管が詰り、還流コン
デンサーの運転が不可能になったりすることがある。
ジャケットによる除熱量の増加にはおのずと限界がある
ため、還流コンデンサーによる除熱量を大きくする必要
が生ずる。ところが、還流コンデンサーの除熱負荷を大
きくしていくと、重合器内のスラリーの発泡が増大して
還流コンデンサー内部へスラリーが溢流する結果、還流
コンデンサーの除熱能力が低下したり、還流コンデンサ
ー内に重合体スケールの付着が発生する。場合によって
は、溢流した重合体粒子によって配管が詰り、還流コン
デンサーの運転が不可能になったりすることがある。
【0008】更に還流コンデンサーを重合初期より使用
すると、得られる重合体粒子の粒度が粗くなったり、泡
状の重合体が生成する等の問題もある。従って、大型重
合器を用いたり、重合反応時間を短縮する場合には、還
流コンデンサーとジャケットのみでは、除熱が不十分と
なるという問題を避けることができない。そのため、ジ
ャケットと還流コンデンサーによる除熱を他の冷却方式
で補わなければならない。
すると、得られる重合体粒子の粒度が粗くなったり、泡
状の重合体が生成する等の問題もある。従って、大型重
合器を用いたり、重合反応時間を短縮する場合には、還
流コンデンサーとジャケットのみでは、除熱が不十分と
なるという問題を避けることができない。そのため、ジ
ャケットと還流コンデンサーによる除熱を他の冷却方式
で補わなければならない。
【0009】しかし、この不足した除熱量を補う手段と
して、先に述べた冷却コイル、ドラフトチューブ、外部
冷却装置等を用いて冷却用の伝熱面積を増やすと、得ら
れる重合体の品質が低下したりスケール発生の問題があ
ったのである。
して、先に述べた冷却コイル、ドラフトチューブ、外部
冷却装置等を用いて冷却用の伝熱面積を増やすと、得ら
れる重合体の品質が低下したりスケール発生の問題があ
ったのである。
【0010】従って、本発明の課題は、除熱効率が高
く、重合器の大型化または重合反応時間の短縮にも何ら
支障なく対応することができ、かつスケール付着が起り
にくく、高品質の重合体を製造できる重合装置を提供す
ることにある。
く、重合器の大型化または重合反応時間の短縮にも何ら
支障なく対応することができ、かつスケール付着が起り
にくく、高品質の重合体を製造できる重合装置を提供す
ることにある。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明によれば、実質的
に円筒状である容器からなる重合器を備える重合装置で
あって、該重合器が、その内部に垂直方向に延びるパイ
プからなる複数本のバッフルと;重合器の中心軸の回り
にその内壁面から離隔して設けられた少なくとも1つの
コイル状冷却管とを有しており;該バッフルとコイル状
冷却管には冷媒が迫されるものである重合装置が提供さ
れる。
に円筒状である容器からなる重合器を備える重合装置で
あって、該重合器が、その内部に垂直方向に延びるパイ
プからなる複数本のバッフルと;重合器の中心軸の回り
にその内壁面から離隔して設けられた少なくとも1つの
コイル状冷却管とを有しており;該バッフルとコイル状
冷却管には冷媒が迫されるものである重合装置が提供さ
れる。
【0012】即ち本発明は、重合器内部に、垂直方向バ
ッフルと、垂直方向に延び、多数のリングからなるコイ
ルを設け、これらに冷却媒体を通すことにより、除熱効
率を著しく向上させ、しかも重合体スケールの発生や重
合体の品質低下を有効に回避することに成功したもので
ある。しかして、本発明は、上記の重合装置を用いて塩
化ビニル又は塩化ビニルを主体とするビニル系単量体混
合物を水性媒体中で懸濁重合する工程を有する塩化ビニ
ル系重合体の製造方法をも提供する。
ッフルと、垂直方向に延び、多数のリングからなるコイ
ルを設け、これらに冷却媒体を通すことにより、除熱効
率を著しく向上させ、しかも重合体スケールの発生や重
合体の品質低下を有効に回避することに成功したもので
ある。しかして、本発明は、上記の重合装置を用いて塩
化ビニル又は塩化ビニルを主体とするビニル系単量体混
合物を水性媒体中で懸濁重合する工程を有する塩化ビニ
ル系重合体の製造方法をも提供する。
【0013】図1は、本発明の重合装置の縦断面を簡略
して示す図であり、図2は、図1の装置のA−A線に沿
う概略的な水平断面図であり、但し攪拌軸2及びパドル
翼3は省略されている。また図3は、図1の装置に用い
られている多段に連なる冷却リングからなるコイル状冷
却管の斜視図である。
して示す図であり、図2は、図1の装置のA−A線に沿
う概略的な水平断面図であり、但し攪拌軸2及びパドル
翼3は省略されている。また図3は、図1の装置に用い
られている多段に連なる冷却リングからなるコイル状冷
却管の斜視図である。
【0014】以下においてはコイル状冷却管を“冷却コ
イル”と略称する。この重合装置は、垂直に設けられた
ほぼ円筒状の側壁1aと、該側壁1aの上部及び下部を
閉鎖する頂部壁1b及び底壁1cとからなる重合器1を
備え、該重合器1は上部に還流コンデンサー、外側にジ
ャケット(図示せず)を備え、円筒状空間を有する。該
重合器1には、コンデンサ─及びジャケット(図示せ
ず)が設けられている。重合器1の内空間には、その中
心に軸に沿って攪拌軸2が設けられ、この軸2はパドル
翼3を備えている。この重合器1内に、重合性の単量
体、重合開始剤、その他水性媒体、界面活性剤等が仕込
まれて重合が行われる。
イル”と略称する。この重合装置は、垂直に設けられた
ほぼ円筒状の側壁1aと、該側壁1aの上部及び下部を
閉鎖する頂部壁1b及び底壁1cとからなる重合器1を
備え、該重合器1は上部に還流コンデンサー、外側にジ
ャケット(図示せず)を備え、円筒状空間を有する。該
重合器1には、コンデンサ─及びジャケット(図示せ
ず)が設けられている。重合器1の内空間には、その中
心に軸に沿って攪拌軸2が設けられ、この軸2はパドル
翼3を備えている。この重合器1内に、重合性の単量
体、重合開始剤、その他水性媒体、界面活性剤等が仕込
まれて重合が行われる。
【0015】本発明の重合装置においては、重合器1の
内部に、冷却用のパイプから成る縦方向バッフル5が複
数本設けられる。このバッフル5内に冷媒を通すことに
よって、除熱効率が増大する。バッフル用のパイプは直
径40〜500mmが好ましく、50〜400mmがよ
り好ましい。本発明において、一般に、バッフル5は、
2〜8本程度、好ましくは4〜6本程度の本数とし、中
心軸の回りに対称的に配置することが、液の滞留を生ぜ
ず、スケールの発生を有効に回避する上で望ましい。ま
た図2の水平断面図でみて、バッフル5の断面積の総和
は、重合器の内空間の円筒状部の水平断面積に対して0.
4〜3%の範囲とすることが好適である。バッフル5の
本数が1本であったり、また上記断面積割合が0.4%よ
りも小さいとバッフルとしての役割りが果せず、重合器
内における上下の混合を十分に行うことができない。そ
の結果、例えば塩化ビニル系単量体の懸濁重合では、得
られる重合体の粒度分布がブロードとなったり重合体を
シート状に成形した場合にフィシュアイが増加する等の
不都合を生じる。さらにバッフル5の本数が8本を超え
たり、前記断面積割合が3%を超えると、撹拌所要動力
が過度に増加するばかりか、バッフル裏側(バッフルと
重合器内壁面の間)での流動が悪くなり、この結果、ス
ケールの付着が起こり易くなる。またバッフルは内壁面
から40mm以上離れていることが望ましい。
内部に、冷却用のパイプから成る縦方向バッフル5が複
数本設けられる。このバッフル5内に冷媒を通すことに
よって、除熱効率が増大する。バッフル用のパイプは直
径40〜500mmが好ましく、50〜400mmがよ
り好ましい。本発明において、一般に、バッフル5は、
2〜8本程度、好ましくは4〜6本程度の本数とし、中
心軸の回りに対称的に配置することが、液の滞留を生ぜ
ず、スケールの発生を有効に回避する上で望ましい。ま
た図2の水平断面図でみて、バッフル5の断面積の総和
は、重合器の内空間の円筒状部の水平断面積に対して0.
4〜3%の範囲とすることが好適である。バッフル5の
本数が1本であったり、また上記断面積割合が0.4%よ
りも小さいとバッフルとしての役割りが果せず、重合器
内における上下の混合を十分に行うことができない。そ
の結果、例えば塩化ビニル系単量体の懸濁重合では、得
られる重合体の粒度分布がブロードとなったり重合体を
シート状に成形した場合にフィシュアイが増加する等の
不都合を生じる。さらにバッフル5の本数が8本を超え
たり、前記断面積割合が3%を超えると、撹拌所要動力
が過度に増加するばかりか、バッフル裏側(バッフルと
重合器内壁面の間)での流動が悪くなり、この結果、ス
ケールの付着が起こり易くなる。またバッフルは内壁面
から40mm以上離れていることが望ましい。
【0016】また図1の装置には、上記のバッフル5に
加えて、少なくとも1つの冷却コイル6が攪拌軸2とバ
ッフル5との間に設けられており、この冷却コイル6に
冷媒を通すことによって、除熱効率がさらに増大する。
冷却コイル6は、攪拌軸2を中心として、攪拌翼3の回
転を妨害せずかつ重合器内壁面から離隔した位置に、基
本的にらせん状に設けられている。該コイルは、好まし
くは水平なリング部を多段に有する。
加えて、少なくとも1つの冷却コイル6が攪拌軸2とバ
ッフル5との間に設けられており、この冷却コイル6に
冷媒を通すことによって、除熱効率がさらに増大する。
冷却コイル6は、攪拌軸2を中心として、攪拌翼3の回
転を妨害せずかつ重合器内壁面から離隔した位置に、基
本的にらせん状に設けられている。該コイルは、好まし
くは水平なリング部を多段に有する。
【0017】一般に、この冷却コイル6は、重合器1の
大きさ及び必要伝熱面積等によっても異なるが、その水
平なリング部の段数が、全体として、5〜25段、特に
10〜15段の段数とすることが好ましい。また、冷却
コイル6は、1個に限定されるものではなく、例えば図
3に示す如く、垂直方向に2個あるいはそれ以上の冷却
コイルが配置された構造とすることもできる(図3に
は、2個のコイル6’,6”が重ねられている構造が示
されている)。コイル6’は6段の水平リング部7と、
隣り合う水平リング部7を連結する4つの垂直部8とか
ら構成されている。また直径の異なる複数のコイルが同
心円状に多重、例えば2〜5重、特に2〜4重で配置さ
れていることが好ましい。図1及び2においては、外側
から順に、冷却コイル6a,6b,6cが3重に設けら
れている。(因に、図1及び2においては、6段の段数
の冷却コイル6a,6b,6cが、それぞれ軸方向に2
つづつ配置され、5段の段数の冷却コイル6cが、軸方
向に2つ配置されている。
大きさ及び必要伝熱面積等によっても異なるが、その水
平なリング部の段数が、全体として、5〜25段、特に
10〜15段の段数とすることが好ましい。また、冷却
コイル6は、1個に限定されるものではなく、例えば図
3に示す如く、垂直方向に2個あるいはそれ以上の冷却
コイルが配置された構造とすることもできる(図3に
は、2個のコイル6’,6”が重ねられている構造が示
されている)。コイル6’は6段の水平リング部7と、
隣り合う水平リング部7を連結する4つの垂直部8とか
ら構成されている。また直径の異なる複数のコイルが同
心円状に多重、例えば2〜5重、特に2〜4重で配置さ
れていることが好ましい。図1及び2においては、外側
から順に、冷却コイル6a,6b,6cが3重に設けら
れている。(因に、図1及び2においては、6段の段数
の冷却コイル6a,6b,6cが、それぞれ軸方向に2
つづつ配置され、5段の段数の冷却コイル6cが、軸方
向に2つ配置されている。
【0018】上記の冷却コイル6は、重合体混合物の流
動を妨げず、且つ必要以上の動力が攪拌軸2及び攪拌翼
3にかからない様に設置することが必要である。例え
ば、冷却コイル6を多重とする場合、そのコイル内径を
小さくするほど撹拌翼3から吐出された重合体混合物の
流動が阻害され、撹拌所要動力が増大する。同一水平面
において、互いに隣合うコイル6(例えば、コイル6a
とコイル6b)のクリアランスを狭くし過ぎるとデッド
スペースが生じ、スケール付着等の問題が起こり品質に
悪影響を及ぼす恐れがある。従って、冷却コイル6を多
重に設ける場合には、同一水平面において、互いに隣合
うリング部のクリアランスを、100mm以上とするこ
とが好ましい。コイル多重の場合には最も直径の大きい
(最も外側の)コイル(図1においてコイル6a)とバ
ッフル5とのクリアランスは、40〜600mm、特に
100〜400mmの範囲に設定することが好ましい。
この場合、バッフル5とコイル6が中心軸から同一半径
上に存在する時には、コイルを隣り合う2本のバッフル
間で蛇行する状態で配置しても良い。
動を妨げず、且つ必要以上の動力が攪拌軸2及び攪拌翼
3にかからない様に設置することが必要である。例え
ば、冷却コイル6を多重とする場合、そのコイル内径を
小さくするほど撹拌翼3から吐出された重合体混合物の
流動が阻害され、撹拌所要動力が増大する。同一水平面
において、互いに隣合うコイル6(例えば、コイル6a
とコイル6b)のクリアランスを狭くし過ぎるとデッド
スペースが生じ、スケール付着等の問題が起こり品質に
悪影響を及ぼす恐れがある。従って、冷却コイル6を多
重に設ける場合には、同一水平面において、互いに隣合
うリング部のクリアランスを、100mm以上とするこ
とが好ましい。コイル多重の場合には最も直径の大きい
(最も外側の)コイル(図1においてコイル6a)とバ
ッフル5とのクリアランスは、40〜600mm、特に
100〜400mmの範囲に設定することが好ましい。
この場合、バッフル5とコイル6が中心軸から同一半径
上に存在する時には、コイルを隣り合う2本のバッフル
間で蛇行する状態で配置しても良い。
【0019】冷却コイル6の内径(多重とする場合に
は、その最も内側のコイルの内径)は、一般に、撹拌翼
3の直径の1.2倍以上が好ましい。それより小さい場合
には撹拌所要動力を増大させる原因となるし、また伝熱
面積も小さくなる。図1に図示するように、攪拌羽根と
してパドル翼3を使用し、さらに除熱(冷却)能力を増
やすためにパドル翼径よりも小さなリング6cを設けて
もよい。また1つのコイルの上下に隣合うリング部間の
クリアランスは、70mm以上とすることが好ましい。
は、その最も内側のコイルの内径)は、一般に、撹拌翼
3の直径の1.2倍以上が好ましい。それより小さい場合
には撹拌所要動力を増大させる原因となるし、また伝熱
面積も小さくなる。図1に図示するように、攪拌羽根と
してパドル翼3を使用し、さらに除熱(冷却)能力を増
やすためにパドル翼径よりも小さなリング6cを設けて
もよい。また1つのコイルの上下に隣合うリング部間の
クリアランスは、70mm以上とすることが好ましい。
【0020】本発明において、上記の冷却コイル6は、
重合時に液相に没するように設置される。その際にコイ
ル6の上部が気液界面に近づきすぎないように、なるべ
く気液界面から離して設置することが望ましい。という
のは、気液界面に近づきすぎると、重合末期においては
液収縮によりかなり気液界面が低下するため、コイル6
の上部が気相に露出するので、伝熱性能上不利だからで
ある。この冷却コイルは、水平なリング部を有せず、例
えば螺旋上に縦軸方向に延びている構造とすることもで
きる。
重合時に液相に没するように設置される。その際にコイ
ル6の上部が気液界面に近づきすぎないように、なるべ
く気液界面から離して設置することが望ましい。という
のは、気液界面に近づきすぎると、重合末期においては
液収縮によりかなり気液界面が低下するため、コイル6
の上部が気相に露出するので、伝熱性能上不利だからで
ある。この冷却コイルは、水平なリング部を有せず、例
えば螺旋上に縦軸方向に延びている構造とすることもで
きる。
【0021】上述したバッフル5及び冷却コイル6の管
内構造については特に限定はないが、冷媒を通じて除熱
する際の伝熱性能を向上させるために、2重管構造に
し、内管と外管の間に冷媒を流して冷媒の線速を上げる
こともできる。冷媒の線速としては、 1.0〜3.0m/sが好
ましい。冷媒としては水、ブライン、フレオン、その他
液化ガスが使用されるが、液化ガスの場合には、バッフ
ル5、冷却コイル6内で蒸発させて使用することもでき
る。また冷媒の供給方向は限定されず、例えば図3に示
す構造の冷却コイル6においては、下側に位置している
冷却コイル6’の上方から下方に冷媒を流し、且つ、上
側に位置している冷却コイル6”の下方から上方に冷媒
を流してもよいし、またそれぞれ逆方向に流してもよ
い。
内構造については特に限定はないが、冷媒を通じて除熱
する際の伝熱性能を向上させるために、2重管構造に
し、内管と外管の間に冷媒を流して冷媒の線速を上げる
こともできる。冷媒の線速としては、 1.0〜3.0m/sが好
ましい。冷媒としては水、ブライン、フレオン、その他
液化ガスが使用されるが、液化ガスの場合には、バッフ
ル5、冷却コイル6内で蒸発させて使用することもでき
る。また冷媒の供給方向は限定されず、例えば図3に示
す構造の冷却コイル6においては、下側に位置している
冷却コイル6’の上方から下方に冷媒を流し、且つ、上
側に位置している冷却コイル6”の下方から上方に冷媒
を流してもよいし、またそれぞれ逆方向に流してもよ
い。
【0022】本発明において、上述したバッフル5及び
冷却コイル6が設けられる重合器1としては、L/Dが
1.0〜3.0、特に1.5〜2.5 の範囲となる構造のものが
良い。ここで、Lは図1に示すように円筒状部の長さで
あり、Dはこの円筒状部における内径である。さらに、
重合器は上部に還流コンデンサー、外側にジャケットを
備えていることが好ましい。この重合装置に用いる撹拌
翼としては、図示したパドル翼以外にも、タービン翼、
プルマージ翼等の回転軸から放射状に外周へ向かう吐出
流を発生する形式の撹拌翼が好適に使用され、これらは
多段、特に2〜6段で使用することが好ましい。
冷却コイル6が設けられる重合器1としては、L/Dが
1.0〜3.0、特に1.5〜2.5 の範囲となる構造のものが
良い。ここで、Lは図1に示すように円筒状部の長さで
あり、Dはこの円筒状部における内径である。さらに、
重合器は上部に還流コンデンサー、外側にジャケットを
備えていることが好ましい。この重合装置に用いる撹拌
翼としては、図示したパドル翼以外にも、タービン翼、
プルマージ翼等の回転軸から放射状に外周へ向かう吐出
流を発生する形式の撹拌翼が好適に使用され、これらは
多段、特に2〜6段で使用することが好ましい。
【0023】重合時の回転数等は重合器の大きさ、除熱
手段の構成、重合のために仕込まれる原材料の組成によ
って適宜決められるものである。内容物に加えられる撹
拌のエネルギーは 80 〜 200kg・m/s・ton が好まし
い。ここで、内容物に加えられる「撹拌エネルギー」と
は重合内の運転中の撹拌機用駆動モニターに負荷される
エネルギー〔A〕(ワットメーターにより電気的に計測
可能)からモーター効率及び伝導ロス、メカニカルロス
等の各種のエネルギーロス〔B〕を差し引いた内容物、
単位重量当りの撹拌に要する正味のエネルギーである。
即ち、撹拌エネルギーは、式: (ここで、〔C〕は内容物の重量)で表される。撹拌エ
ネルギーは撹拌軸の回転数を変更することにより容易に
調節することができる。これらバッフル、コイル、リン
グ等に用いられる材質は伝熱性、耐食性の点より高クロ
ム高純度フェライト系ステンレス鋼、2相ステンレス
鋼、オーステナイト系ステンレス鋼等のステンレス鋼が
好ましい。
手段の構成、重合のために仕込まれる原材料の組成によ
って適宜決められるものである。内容物に加えられる撹
拌のエネルギーは 80 〜 200kg・m/s・ton が好まし
い。ここで、内容物に加えられる「撹拌エネルギー」と
は重合内の運転中の撹拌機用駆動モニターに負荷される
エネルギー〔A〕(ワットメーターにより電気的に計測
可能)からモーター効率及び伝導ロス、メカニカルロス
等の各種のエネルギーロス〔B〕を差し引いた内容物、
単位重量当りの撹拌に要する正味のエネルギーである。
即ち、撹拌エネルギーは、式: (ここで、〔C〕は内容物の重量)で表される。撹拌エ
ネルギーは撹拌軸の回転数を変更することにより容易に
調節することができる。これらバッフル、コイル、リン
グ等に用いられる材質は伝熱性、耐食性の点より高クロ
ム高純度フェライト系ステンレス鋼、2相ステンレス
鋼、オーステナイト系ステンレス鋼等のステンレス鋼が
好ましい。
【0024】本発明の重合装置は、各種のビニル系単量
体、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢
酸ビニル等のビニルエステル類、エチルビニルエーテル
等のビニルエーテル類、メタクリル酸メチル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類、マレイン酸、もしくはフマ
ル酸の金属塩もしくはエステル類、スチレン等の芳香族
ビニル類、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等の
ジエン系単量体、アクリロニトリル等の懸濁重合、乳化
重合に広く使用することができる。特に本発明の重合装
置は、塩化ビニル又はそれを含む単量体混合物の重合に
適する。
体、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢
酸ビニル等のビニルエステル類、エチルビニルエーテル
等のビニルエーテル類、メタクリル酸メチル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類、マレイン酸、もしくはフマ
ル酸の金属塩もしくはエステル類、スチレン等の芳香族
ビニル類、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等の
ジエン系単量体、アクリロニトリル等の懸濁重合、乳化
重合に広く使用することができる。特に本発明の重合装
置は、塩化ビニル又はそれを含む単量体混合物の重合に
適する。
【0025】上記の重合装置を用いて重合を行う際に、
バッフル、冷却コイル、ジャケットに冷却水を通水して
仕込んだ反応化合物の除熱を開始する時期は、反応化合
物の濃度が重合所望の濃度に達した時が好ましい。また
還流コンデンサーによる除熱を開始する時期は、重合転
化率が4%に達した以後が好ましく、重合転化率4〜2
0%の時点がより好ましい。これらの重合に使用する際
において、原料などの仕込み割合、仕込方法、重合温度
などの重合条件等は基本的に通常行なわれている重合と
同様である。塩化ビニル系重合体の懸濁重合を例にとっ
て述べると、重合器への水性媒体、塩化ビニル単量体、
場合によっては他のコモノマー、分散助剤、重合開始剤
等の仕込みは従来と同様にして行なえばよく、重合条件
もまた同様でよい。重合される単量体としては、塩化ビ
ニル単独のほか、塩化ビニルを主体とする単量体混合物
(塩化ビニル50重量%以上)を用いることができ、この
塩化ビニルと共重合されるコモノマーとしては、例えば
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エ
ステルもしくはメタクリル酸エステル;エチレン、プロ
ピレン等のオレフィン;無水マレイン酸;アクリロニト
リル;スチレン;塩化ビニリデン;その他塩化ビニルと
共重合可能な単量体があげられる。
バッフル、冷却コイル、ジャケットに冷却水を通水して
仕込んだ反応化合物の除熱を開始する時期は、反応化合
物の濃度が重合所望の濃度に達した時が好ましい。また
還流コンデンサーによる除熱を開始する時期は、重合転
化率が4%に達した以後が好ましく、重合転化率4〜2
0%の時点がより好ましい。これらの重合に使用する際
において、原料などの仕込み割合、仕込方法、重合温度
などの重合条件等は基本的に通常行なわれている重合と
同様である。塩化ビニル系重合体の懸濁重合を例にとっ
て述べると、重合器への水性媒体、塩化ビニル単量体、
場合によっては他のコモノマー、分散助剤、重合開始剤
等の仕込みは従来と同様にして行なえばよく、重合条件
もまた同様でよい。重合される単量体としては、塩化ビ
ニル単独のほか、塩化ビニルを主体とする単量体混合物
(塩化ビニル50重量%以上)を用いることができ、この
塩化ビニルと共重合されるコモノマーとしては、例えば
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エ
ステルもしくはメタクリル酸エステル;エチレン、プロ
ピレン等のオレフィン;無水マレイン酸;アクリロニト
リル;スチレン;塩化ビニリデン;その他塩化ビニルと
共重合可能な単量体があげられる。
【0026】上記分散助剤としては、塩化ビニルの水性
媒体中での重合の際に通常使用されているものでよく、
例えば、メチロセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテル;部
分ケン化ポリビニルアルコール、アクリル酸重合体;ゼ
ラチン等の水溶性ポリマー等があり、これらは1種また
は2種以上の組合せで添加される。該分散助剤は、仕込
まれる単重体100重量部当り0.01〜5重量部添加
される。
媒体中での重合の際に通常使用されているものでよく、
例えば、メチロセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテル;部
分ケン化ポリビニルアルコール、アクリル酸重合体;ゼ
ラチン等の水溶性ポリマー等があり、これらは1種また
は2種以上の組合せで添加される。該分散助剤は、仕込
まれる単重体100重量部当り0.01〜5重量部添加
される。
【0027】また、重合開始剤も従来塩化ビニル系の重
合に使用されているものでよく、これには、例えば、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合
物;α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチル
パーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオ
ヘプタノエート、ヘキシルパーオキシネオデカネート、
オクチルパーオキシネオデカネート等のパーエステル化
合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシ
ド、2,4,4-トリメチルペンチル-2- パーオキシフェノキ
シアセテート等の過酸化物;アゾビス-2,4−ジメチルバ
レロニトリル、アゾビス(4-メトキシ-2,4- ジメチルバ
レロニトリル)等のアゾ化合物等があり、これらは一種
単独でまたは2種以上組み合せて使用することができ
る。これらの重合開始剤は単重体100重量部当り通常
0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜3重量部添
加される。さらに、必要に応じて塩化ビニル系の重合に
適宜使用される重合調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲ
ル化改良剤、帯電防止剤、スケール防止剤、等を添加す
ることもできる。
合に使用されているものでよく、これには、例えば、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合
物;α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチル
パーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオ
ヘプタノエート、ヘキシルパーオキシネオデカネート、
オクチルパーオキシネオデカネート等のパーエステル化
合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシ
ド、2,4,4-トリメチルペンチル-2- パーオキシフェノキ
シアセテート等の過酸化物;アゾビス-2,4−ジメチルバ
レロニトリル、アゾビス(4-メトキシ-2,4- ジメチルバ
レロニトリル)等のアゾ化合物等があり、これらは一種
単独でまたは2種以上組み合せて使用することができ
る。これらの重合開始剤は単重体100重量部当り通常
0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜3重量部添
加される。さらに、必要に応じて塩化ビニル系の重合に
適宜使用される重合調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲ
ル化改良剤、帯電防止剤、スケール防止剤、等を添加す
ることもできる。
【0028】
【実施例】実施例1 図1及び図2に示した重合装置を使用した。この重合器
1の内容積80m3 、円筒状部内空間の水平断面積は1
0.2m3 であり、パドル翼の翼径は1775mmとなってい
る。また冷却手段として図示されていないが還流コンデ
ンサー及びジャケットを備えている。バッフル5として
は、外径 190mm、内径178mm のオーステナイト径ステン
レス鋼製円筒状パイプからなるバッフルを4本、前記パ
ドル翼の回転を妨害しない位置、(重合器の中心から15
65mmの位置)に等間隔に点対称に設けられている。冷却
コイルとしては、外径60mm、内径52mmのバッフルと同様
の材質のものを使用し、大、中、小3種類のコイル6
a,6b及び6cを設けた。大コイル径は2700mmとしそ
れを12段、中コイル径は2200mmとしそれを12段、小コイ
ル径は1700mmとしそれを10段の水平なリングを有するよ
うに配置し水平方向で見た場合、それぞれの対応するリ
ングの高さが図1に示すように同じとなる様に設置し
た。各コイルにおいて、上下に隣合う2つのリング部間
のクリアランスは、350mmとした。これらの冷却バ
ッフル、冷却リングには冷却水を必要な時に流すことが
でき流量を調整することができる。
1の内容積80m3 、円筒状部内空間の水平断面積は1
0.2m3 であり、パドル翼の翼径は1775mmとなってい
る。また冷却手段として図示されていないが還流コンデ
ンサー及びジャケットを備えている。バッフル5として
は、外径 190mm、内径178mm のオーステナイト径ステン
レス鋼製円筒状パイプからなるバッフルを4本、前記パ
ドル翼の回転を妨害しない位置、(重合器の中心から15
65mmの位置)に等間隔に点対称に設けられている。冷却
コイルとしては、外径60mm、内径52mmのバッフルと同様
の材質のものを使用し、大、中、小3種類のコイル6
a,6b及び6cを設けた。大コイル径は2700mmとしそ
れを12段、中コイル径は2200mmとしそれを12段、小コイ
ル径は1700mmとしそれを10段の水平なリングを有するよ
うに配置し水平方向で見た場合、それぞれの対応するリ
ングの高さが図1に示すように同じとなる様に設置し
た。各コイルにおいて、上下に隣合う2つのリング部間
のクリアランスは、350mmとした。これらの冷却バ
ッフル、冷却リングには冷却水を必要な時に流すことが
でき流量を調整することができる。
【0029】この重合器に、脱イオン水 38t、部分
ケン化ポリビニルアルコール 9.9kg 、メチルセルロー
ス 4.6kg を水溶液にして投入した。器内を50mmHgにな
るまで脱気した後、塩化ビニル単量体 29tを仕込
み、撹拌をしながらジ-2- エチルヘキシルパーオキシジ
カーボネート 16.8kgをポンプで圧入した。次にジャケ
ットに熱水を通水し、内温を57℃に昇温して重合を開始
して、内温が57℃に達した時点でバッフル、冷却リング
及びジャケットに冷却水を流した。重合転化率が5%に
達した時点から還流コンデンサーの作動を開始した。こ
の時の各冷却手段の除熱割合は表1に示す通りであっ
た。
ケン化ポリビニルアルコール 9.9kg 、メチルセルロー
ス 4.6kg を水溶液にして投入した。器内を50mmHgにな
るまで脱気した後、塩化ビニル単量体 29tを仕込
み、撹拌をしながらジ-2- エチルヘキシルパーオキシジ
カーボネート 16.8kgをポンプで圧入した。次にジャケ
ットに熱水を通水し、内温を57℃に昇温して重合を開始
して、内温が57℃に達した時点でバッフル、冷却リング
及びジャケットに冷却水を流した。重合転化率が5%に
達した時点から還流コンデンサーの作動を開始した。こ
の時の各冷却手段の除熱割合は表1に示す通りであっ
た。
【0030】重合器内の圧力が5.5kg /cm2 (ゲージ)
に降圧後、未反応単量体を回収し、生成した塩化ビニル
重合体スラリーを脱水、乾燥して所望の塩化ビニル重合
体を得た。また得られた重合体の嵩比重、可塑剤吸収
量、粒度分布、フィッシュアイを測定し、また重合器内
壁のスケール付着状態を観察した。結果を表1に示す。
に降圧後、未反応単量体を回収し、生成した塩化ビニル
重合体スラリーを脱水、乾燥して所望の塩化ビニル重合
体を得た。また得られた重合体の嵩比重、可塑剤吸収
量、粒度分布、フィッシュアイを測定し、また重合器内
壁のスケール付着状態を観察した。結果を表1に示す。
【0031】実施例2 実施例1においてジ-2- エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネートの仕込み量を27.0kgに変えた以外は同様にし
て重合体の製造を行ない、実施例1と同様の測定を行っ
た。結果を表1に示す。
ーボネートの仕込み量を27.0kgに変えた以外は同様にし
て重合体の製造を行ない、実施例1と同様の測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0032】実施例3 実施例1においてジ-2- エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネートの仕込み量を33.4kgに変えた以外は同様にし
て重合体の製造を行ない、実施例1と同様の測定を行っ
た。結果を表1に示す。
ーボネートの仕込み量を33.4kgに変えた以外は同様にし
て重合体の製造を行ない、実施例1と同様の測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0033】比較例1 実施例1において冷却バッフル、冷却リングの設置をや
め、それに代えて平バッフル(厚み16mm、幅130m/m) を
重合器の中心から1570mmの位置に設置した重合装置を使
用した以外は同様に重合体の製造を行ない、実施例1と
同様の測定を行った。結果を表1に示す。
め、それに代えて平バッフル(厚み16mm、幅130m/m) を
重合器の中心から1570mmの位置に設置した重合装置を使
用した以外は同様に重合体の製造を行ない、実施例1と
同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0034】(嵩比重)JIS K-6721に準拠して測定し
た。 (可塑剤吸収量)内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合
金製容器の底にグラスファイバーを詰め、試料の塩化ビ
ニル重合体10gを採取して投入する。これにジオクチル
フタレート(DOP)15ccを加え、30分放置してDOP
を重合体に十分に浸透させる。その後、1500Gの加速度
下に過剰のDOPを遠心分離し、重合体10gに吸収され
たDOPの量を測定して重合体100g当りに換算し
た。 (粒度分布)JIS Z-8801に準拠し、♯60, ♯80, ♯100,
♯150,♯200 の各篩を用いて篩分けし、通過量(重量
%)を測定した。 (フィッシュアイ)塩化ビニル重合体 100重量部、フタ
ル酸ジオクチル50重量部、三塩基性硫酸鉛0.5 重量部、
ステアリン酸鉛 1.5重量部、酸化チタン 0.1重量部およ
びカーボンブラック 0.05 重量部を混合し、この混合物
25 gを、混練用6インチロールによって140℃で5
分間混練し、幅15cm、厚さ0.2mmのシートを作成し
た。得られたシートについて、100 cm2 当りの透明粒子
数を計数し、これをフィッシュアイの数とした。
た。 (可塑剤吸収量)内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合
金製容器の底にグラスファイバーを詰め、試料の塩化ビ
ニル重合体10gを採取して投入する。これにジオクチル
フタレート(DOP)15ccを加え、30分放置してDOP
を重合体に十分に浸透させる。その後、1500Gの加速度
下に過剰のDOPを遠心分離し、重合体10gに吸収され
たDOPの量を測定して重合体100g当りに換算し
た。 (粒度分布)JIS Z-8801に準拠し、♯60, ♯80, ♯100,
♯150,♯200 の各篩を用いて篩分けし、通過量(重量
%)を測定した。 (フィッシュアイ)塩化ビニル重合体 100重量部、フタ
ル酸ジオクチル50重量部、三塩基性硫酸鉛0.5 重量部、
ステアリン酸鉛 1.5重量部、酸化チタン 0.1重量部およ
びカーボンブラック 0.05 重量部を混合し、この混合物
25 gを、混練用6インチロールによって140℃で5
分間混練し、幅15cm、厚さ0.2mmのシートを作成し
た。得られたシートについて、100 cm2 当りの透明粒子
数を計数し、これをフィッシュアイの数とした。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の重合装置によれば、効果的な冷
却が可能である結果、(1) 発熱を伴う重合反応の場合で
も重合反応時間を大幅に短縮する重合方法を容易に採用
することができ、高い生産性を実現することができる。
(2) 重合器のジャケットによる冷却に冷凍水やその他の
冷媒を使用する必要がないという利点がある。(3) 重合
器内壁面等におけるスケールの付着が少なくなり、重合
器内清掃の労力が省ける。(4) 特に大型重合器での高速
反応が可能となり、安定な重合反応が行なわれ、従来の
平板バッフル使用の重合装置を使用した場合に比しても
フィッシュアイの少ない均一で嵩比重の高い高品質の重
合体が得られる。これらの本発明の利点は、特に内容積
40m3 以上、さらには80m3 以上の重合器において
顕著である。
却が可能である結果、(1) 発熱を伴う重合反応の場合で
も重合反応時間を大幅に短縮する重合方法を容易に採用
することができ、高い生産性を実現することができる。
(2) 重合器のジャケットによる冷却に冷凍水やその他の
冷媒を使用する必要がないという利点がある。(3) 重合
器内壁面等におけるスケールの付着が少なくなり、重合
器内清掃の労力が省ける。(4) 特に大型重合器での高速
反応が可能となり、安定な重合反応が行なわれ、従来の
平板バッフル使用の重合装置を使用した場合に比しても
フィッシュアイの少ない均一で嵩比重の高い高品質の重
合体が得られる。これらの本発明の利点は、特に内容積
40m3 以上、さらには80m3 以上の重合器において
顕著である。
【図1】本発明の重合装置の概略を示す縦断面図。
【図2】図1の重合装置のA−A線に沿う概略的な水平
断面図。
断面図。
【図3】図1の重合装置に用いられているコイル状冷却
管の斜視図。
管の斜視図。
1:重合器 2:攪拌軸 3:パドル翼 5:バッフル 6:コイル状冷却管
Claims (4)
- 【請求項1】 実質的に円筒状である容器からなる重合
器を備える重合装置であって、 該重合器が、その内部に垂直方向に延びるパイプからな
る複数本のバッフルと;重合器の中心軸の回りにその内
壁面から離隔して設けられた少なくとも1つのコイル状
冷却管とを有しており;該バッフルとコイル状冷却管に
は冷媒が通されるものである重合装置。 - 【請求項2】 請求項1の重合装置であって、前記コイ
ル状冷却管が5〜25段の水平なリング部を有するも
の。 - 【請求項3】 請求1の重合装置であって、直径の異な
る複数の前記コイル状冷却管が同心円状に多重に設けら
れているもの。 - 【請求項4】 塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とする
単量体混合物を重合器を有する重合装置を用いて、水性
媒体中で懸濁重合する工程を有する塩化ビニル系重合体
の製造方法において、前記重合装置が請求項1に記載の
ものである方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33733394A JP3197447B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-12-26 | 重合装置及びそれを用いる塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-351849 | 1993-12-27 | ||
JP35184993 | 1993-12-27 | ||
JP33733394A JP3197447B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-12-26 | 重合装置及びそれを用いる塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07233206A true JPH07233206A (ja) | 1995-09-05 |
JP3197447B2 JP3197447B2 (ja) | 2001-08-13 |
Family
ID=26575746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33733394A Expired - Fee Related JP3197447B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-12-26 | 重合装置及びそれを用いる塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3197447B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005525217A (ja) * | 2002-01-21 | 2005-08-25 | ロディア ポリアミド インターミーディエイツ | 冷媒循環用コイル、その製造方法及びそれを有する反応装置 |
KR101425856B1 (ko) * | 2012-06-15 | 2014-08-06 | 주식회사 헵스켐 | 단량체 냉각 투입장치 및 이를 이용한 블록 공중합체 합성방법 |
WO2022265057A1 (ja) * | 2021-06-16 | 2022-12-22 | 信越化学工業株式会社 | 反応装置、ビニル系重合体の製造方法、及び、ビニル系重合体を生産するための方法 |
WO2022265055A1 (ja) * | 2021-06-16 | 2022-12-22 | 信越化学工業株式会社 | 反応装置、及び、ビニル系重合体の製造方法 |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP33733394A patent/JP3197447B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005525217A (ja) * | 2002-01-21 | 2005-08-25 | ロディア ポリアミド インターミーディエイツ | 冷媒循環用コイル、その製造方法及びそれを有する反応装置 |
KR101425856B1 (ko) * | 2012-06-15 | 2014-08-06 | 주식회사 헵스켐 | 단량체 냉각 투입장치 및 이를 이용한 블록 공중합체 합성방법 |
WO2022265057A1 (ja) * | 2021-06-16 | 2022-12-22 | 信越化学工業株式会社 | 反応装置、ビニル系重合体の製造方法、及び、ビニル系重合体を生産するための方法 |
WO2022265055A1 (ja) * | 2021-06-16 | 2022-12-22 | 信越化学工業株式会社 | 反応装置、及び、ビニル系重合体の製造方法 |
KR20240022448A (ko) | 2021-06-16 | 2024-02-20 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 반응 장치 및 비닐계 중합체의 제조 방법 |
KR20240023382A (ko) | 2021-06-16 | 2024-02-21 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 반응 장치, 비닐계 중합체의 제조 방법, 제어 장치, 및 교반 장치 |
KR20240023383A (ko) | 2021-06-16 | 2024-02-21 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 반응 장치, 비닐계 중합체의 제조 방법, 및 비닐계 중합체를 생산하기 위한 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3197447B2 (ja) | 2001-08-13 |
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