JPH07232925A - チタニアゾルおよびその製造方法 - Google Patents

チタニアゾルおよびその製造方法

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JPH07232925A
JPH07232925A JP11357394A JP11357394A JPH07232925A JP H07232925 A JPH07232925 A JP H07232925A JP 11357394 A JP11357394 A JP 11357394A JP 11357394 A JP11357394 A JP 11357394A JP H07232925 A JPH07232925 A JP H07232925A
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直幸 榎本
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広泰 西田
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通郎 小松
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 この結晶性チタニアゾルは特定の波長におい
て特定の吸光度を有し、分散質となるチタニア微粒子は
ルチル型、または、ルチル型とアナターゼ型の混合物で
あることが望ましい。特に、ルチル型のチタニア微粒子
が分散したゾルは、紫外線領域における吸光度が高いた
め、紫外線遮断材料やレンズのコーティング剤などとし
て好適であり、光学的特性に優れている。また、該微粒
子の密度は、紫外線領域における吸光度特性から、3.
92g/cm3 以上であることが望ましい。波長800
nmにおける吸光度が0.5よりも大きかったり、ある
いは、波長560nmにおける吸光度が1.0よりも大
きい場合には、ゾルの透明性が悪くなる。また、波長3
80nmにおける吸光度が2.0よりも小さい場合に
は、紫外線の遮断効果が低下する。 【効果】 透明性および安定性に優れ且つ、特定の吸光
度特性を有するので、触媒担体以外の用途にも種々適用
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタニア微粒子が溶媒
中に分散したチタニアゾルおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】チタニアゾルおよびその
製造方法に関しては、従来より種々のものが知られてい
る。例えば、特開平2−255532号公報には、水和
酸化チタンゾルを溶解し錫化合物と共に加熱して、ルチ
ル型の酸化チタンゾルを製造する方法が開示されてい
る。また、特公平2−62499号公報には、水溶性の
チタン化合物からチタンゲルを生成させた後、100℃
以上で水熱処理してアナターゼ型の酸化チタンゾルを製
造する方法が開示されている。更に、特開昭62−23
5215号公報には、高純度のルチル型酸化チタンゾル
を生成させるために、含水酸化チタンをアルカリ金属の
水酸化物とともに加熱処理した後、限外濾過法または分
子濾過法により洗浄する旨開示されている。
【0003】しかしながら、上記従来の製造方法は、い
ずれも水酸化チタンのゲルを生成した後に、これをゾル
状態とする方法であり、水酸化チタンのゲルを酸または
アルカリで解膠してコロイド粒子とするためには、多量
の酸またはアルカリを必要とする。また、生成する多量
の塩によりコロイド粒子を取り巻く電気二重層が薄くな
り、チタニアゾルの安定性が低下するという問題点を有
している。また、従来において、吸光度等の光学特性に
優れたチタニアゾルは知られていなかった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、吸光度等の光学特性および安
定性に優れた結晶性チタニアゾルを提供することを目的
とするものである。また、本発明の他の目的は、チタニ
ア粉末を出発原料する上記チタニアゾルの簡易な製造方
法を提供するものである。
【0005】
【発明の構成】本発明に係る結晶性チタニアゾルは、固
形分濃度0.05重量%のチタニアゾルの吸光度が、下
記(a)〜(c)であることを特徴とするものである。 (a)波長800nmにおける吸光度:0.5以下 (b)波長560nmにおける吸光度:1.0以下 (c)波長380nmにおける吸光度:2.0以上
【0006】本発明に係るチタニアゾルの製造方法は、
チタニア粉末を水相中で酸の存在下に陽イオン交換体と
接触させるか、または、アルカリの存在下に陰イオン交
換体と接触させることを特徴とするものである。なお、
前記チタニア粉末はルチル型および/またはアナターゼ
型の結晶性チタニアであることが好ましい。
【0007】
【発明の具体的な説明】本発明の結晶性チタニアゾルは
前記したような特定の波長において特定の吸光度を有す
るチタニアゾルであり、分散質となるチタニア微粒子は
ルチル型、または、ルチル型とアナターゼ型の混合物で
あることが望ましい。特に、ルチル型のチタニア微粒子
が分散したゾルは、紫外線領域における吸光度が高いた
め、紫外線遮断材料やレンズのコーティング剤などとし
て好適であり、光学的特性に優れている。また、該微粒
子の密度は3.92g/cm3 以上であることが望まし
い。該微粒子の密度が3.92g/cm3 よりも小さい
場合には、紫外線領域における吸光度が低くなり、紫外
線遮断効果が低下する。
【0008】チタニアゾルの吸光度は分光光度計で測定
する。波長800nmにおける吸光度が0.5よりも大
きかったり、あるいは、波長560nmにおける吸光度
が1.0よりも大きい場合には、ゾルの透明性が悪くな
る。また、波長380nmにおける吸光度が2.0より
も小さい場合には、紫外線の遮断効果が低下する。
【0009】本発明において、チタニア微粒子の平均粒
子径は1〜500nm、特に、5〜200nmの範囲に
あることが、また、当該チタニア微粒子の粒度分布は狭
い方が、チタニアゾルの透明性が一層優れるので好まし
い。
【0010】本発明のチタニアゾルは、チタニア濃度を
1重量%に調製した水性ゾルを遠心分離機にて1000
rpmで30分間処理しても、チタニア微粒子は沈降し
ない。他方、チタニア粉末を水溶液に分散しただけで得
られるゾル状溶液(従来、このようなゾル状溶液もゾル
と呼ばれることがある。)は、チタニア濃度を1重量%
に調製して、遠心分離機にて1000rpmで30分間
処理した場合、2層に分離するので本発明のチタニアゾ
ルと区別される。
【0011】本発明に係るチタニアゾルの分散媒として
は、水以外にも有機溶媒を用いることができる。このよ
うな有機溶媒としては、アルコール、グリコール、エス
テル、芳香族系などの溶媒を使用することができ、具体
的には、メタノール、エタノール、プロパノール、エチ
レングリコール、プロピレグリコール、グリセリン、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、などの有機溶媒を例示することができ
る。また、酸化チタン粒子の表面をシランカップリング
剤、チタンカップリング剤、界面活性剤、高級脂肪酸ま
たはその塩等により表面処理することにより、キシレ
ン、トルエンなどの低極性有機溶媒を分散媒とするゾル
とすることもできる。
【0012】本発明のチタニアゾルは、触媒担体として
の用途以外にも次に述べるような用途に有用である。
【0013】(1)粒子の紫外線遮蔽力が高いので、各
種プラスチックやゴムまたは、これらのフィルムに含有
させ、あるいは、樹脂、エチルシリケートなどのアルコ
キシドの加水分解物からなるマトリクスと併用して塗布
することにより、プラスチックやゴムの紫外線による変
質防止効果が期待できる。具体的には、食品、医薬品、
衣類などの包装材料として用いれば、優れた効果が期待
できる。また、化粧材料として用いれば、皮膚との密着
性、透明性、肌触り等に優れた紫外線遮蔽用化粧料とす
ることができる。
【0014】(2)粒子の屈折率が高いので光学材料と
して利用することができる。例えば、前記マトリクスと
併用してレンズのコーティング剤として用いれば、透明
性に優れた高屈折レンズを得ることができる。
【0015】(3)特に、粒子の粒度分布が狭いので、
各種プラスチックやゴムのフィラーに用いた場合、透明
性に優れ、機械的強度および寸法安定性が大幅に向上す
る。例えば、ポリエステルフィルムのフィラーとして用
いた場合、平滑で耐磨耗性および易滑性に優れた2次軸
配向フィルムを得ることができる。
【0016】(4)粒子径が微細であり焼結性に優れて
いるため、チタン酸バリウム、ジルコン酸鉛チタン、窒
化チタンなどのセラミック材料の基礎材として用いるこ
とができる。
【0017】(5)以上の他、電子写真の感光体、帯電
防止剤、圧電体、反射防止コート剤、コンデンサー、製
紙の表面処理剤、化学繊維などの艶消し剤、赤外線反射
多層膜、潤滑剤、増粘剤などの用途に好適である。
【0018】続いて、本発明に係るチタニアゾルの製造
方法を説明する。
【0019】チタニアゾルの出発原料としては、アナタ
ーゼ型および/またはルチル型の結晶からなる粉末状の
チタニアを用いる。該チタニア粉末の粒径は、10μm
以下であれば使用可能であり、好ましくは、1μm以下
の小さい粒径のものが良い。このようなチタニア粉末と
しては、市販されている超微粒子状酸化チタンをそのま
ま、あるいは、更に焼成して使用することができる。粒
径の大きいチタニア粉末を用いる場合には、これを粉砕
して粒径を小さくして使用すれば良い。
【0020】チタニア粉末を構成するチタニア粒子の比
表面積は、20m2 /g以上であることが好ましい。比
表面積が20m2 /g以下では解膠速度が遅くなり、ゾ
ルの透明性が悪くなる。比表面積は50m2 /g以上が
更に好ましく、解膠速度が速くなると共に、透明性、分
散性に優れたコロイド粒子が得られる。
【0021】本発明の製造方法は、前記チタニア粉末を
水に懸濁させて得られた懸濁溶液に所定量の酸またはア
ルカリを添加した後、陽イオン交換体または陰イオン交
換体と接触させ、次いで該イオン交換体を分離してチタ
ニアゾルを調製するものである。
【0022】チタニア粉末の懸濁液の濃度は1〜40重
量%の範囲とすることが望ましく、また、該懸濁液のp
Hは、酸を使用する場合には1〜7の範囲内とし、アル
カリを使用する場合には7〜14の範囲内とすることが
望ましい。該イオン交換体との接触は、チタニア粉末の
懸濁液がゾル状になるまで行われるが、通常、室温〜2
00℃の範囲で0.5〜200時間処理するとチタニア
微粒子が均一に分散したゾル状となる。
【0023】なお、該チタニア粉末に微量の塩素などの
酸成分、またはナトリウムなどのアルカリ成分が含まれ
ている場合には、これらを改めて添加しなくてもよい。
本発明で使用される酸としては、鉱酸、有機酸があり、
例えば、塩酸、硝酸、酢酸、塩素酸、クロロ酢酸などの
一塩基酸、硫酸などの二塩基酸、リン酸などの三塩基酸
が挙げられ、これらの酸を単独でまたは混合して用い
る。また、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属元素の
水酸化物、アンモニア、テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイドなどの窒素化合物が挙げられ、これらの
アルカリを単独でまたは混合して用いる。
【0024】チタニアゾルの製造に際して、酸またはア
ルカリの添加量は、チタン(Ti)1当量に対して5×
10-4〜0.05当量、好ましくは、2.5×10-3
0.025当量の範囲とするのが望ましい。
【0025】本発明方法においてイオン交換体は、イオ
ン交換能を有する物質であれば使用可能である。陽イオ
ン交換体としては、強酸性または弱酸性陽イオン交換樹
脂の他、キレート樹脂、イオン交換膜、ゼオライトなど
が例示され、陰イオン交換体としては、強塩基性または
弱塩基性陰イオン交換樹脂の他、キレート樹脂、イオン
交換膜などが例示される。これらのイオン交換体は単独
で用いることもできるし、併用することもできる。当該
イオン交換体がイオン交換樹脂またはゼオライトの場合
には、通常1kgのチタニア(TiO2 )に対して1〜
10リットルの割合で用いられる。
【0026】本発明の製造方法ではチタニアと、酸ある
いはアルカリが反応してチタニウム塩を生成し、このチ
タニウム塩のチタンイオンまたはチタン酸イオンが前記
イオン交換体により除去されるので、酸またはアルカリ
が再生され、チタニアとの反応が繰り返され、チタニア
粉末は解膠されてコロイド粒子(微粒子)になる。この
方法では、酸またはアルカリが再生されて繰り返しチタ
ニアに作用するため、チタニアに対する酸またはアルカ
リの量が少なくても、チタニア粉末の解膠を十分に行う
ことができる。
【0027】また、得られるチタニアゾル中に含まれる
チタニウム塩が非常に少ないため、即ち、ゾル中の塩の
含有量が少なく、前記チタニウム塩以外の不純物が極め
て少ないため、コロイド粒子は電気二重層を十分に形成
し、ゾルの安定性が高い。また、粒子が均一であるた
め、該ゾルの粘度が低く、高濃度のゾルを調製すること
ができるものである。なお、本発明方法で陽イオン交換
体と接触させて得られたチタニアゾルに、更にアルカリ
を添加した後、陰イオン交換体と接触させてチタニアゾ
ルとすることもできるし、また、陰イオン交換体と接触
させて得られたチタニアゾルに、更に酸を添加した後、
陽イオン交換体と接触させてチタニアゾルとすることも
できる。
【0028】本発明方法で得られるチタニアゾルは製造
に際して、結晶の乱れが少なく、また、分散安定性が極
めて高いので、チタニア濃度を高くすることができる。
チタニア濃度は、通常、1〜40重量%の範囲に調製さ
れる。また、原料のチタニア粉末の純度に応じて、高純
度のチタニアゾルを得ることができる。さらに、限外濾
過膜等を用いて不純物を除去することもできる。
【0029】なお、上記方法で得られるチタニアゾルは
減圧蒸留、限外濾過などの公知の方法により分散媒とし
ての水を有機溶媒と置換してオルガノゾルにすることも
可能である。
【0030】
【実施例】以下に好ましい実施例を示し、本発明を詳述
する。
【0031】実施例1 市販の酸化チタン粉末(比表面積:110m2 /g、粉
末の平均粒子径:2.1μm、結晶型:ルチル型)10
0gと純水400gとを混合し、室温で撹拌しながら、
これに強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化成製、DAI
AION、SA−10A)500ccを徐々に添加した
後、1重量%水酸化ナトリウム水溶液50gを加えて、
48時間撹拌を続けた後、イオン交換樹脂を取り除き、
酸化チタンコロイド水溶液を得た。
【0032】この酸化チタンコロイド水溶液中に分散し
たコロイド粒子の平均粒子径は80nmであった。ま
た、このコロイド粒子の結晶型はルチル型であり、原料
酸化チタン粉末の結晶型と同じであった。結晶型の測定
はX線回折装置により行い、平均粒子径は、光散乱法粒
度分布測定装置により測定した。コロイド粒子のX線回
折図を図1に示す。
【0033】得られた酸化チタンコロイド水溶液を濃縮
し、酸化物として20重量%のコロイド溶液とした。こ
のようにして調製したコロイド溶液の調製条件を、下記
実施例3〜実施例5および比較例1と共に表1に示す。
また、このコロイド溶液とコロイド粒子の性状を次の方
法により測定、観察した。その結果を表2と表3に夫々
示す。
【0034】(1)酸化チタン粉末の平均粒子径 酸化チタン粉末を蒸留水で希釈し、遠心自動粒度分布測
定装置(堀場製作所製、CAPA−700)を用いて測
定した。
【0035】(2)酸化チタン粉末の比表面積 酸化チタン粉末を100℃で10時間乾燥した試料につ
いて、比表面積測定装置(湯浅アイオニクス製、マルチ
ソーブ12)を用いて窒素吸着法(BET法)により測
定した。
【0036】(3)コロイド粒子の平均粒子径 コロイド水溶液を蒸留水で希釈し、光散乱法粒度分布測
定装置(ハイアックロイコ製、NICOMP−370)
にて測定した。
【0037】(4)コロイド粒子の粒度分布の形状 同上の測定装置で測定した。なお、表3中の記号の意味
は次の通りである。 ○・・・分布曲線の山が1つでシャープなもの △・・・分布曲線の山が1つでブロードなもの ×・・・分布曲線の山が複数あるもの
【0038】(5)コロイド粒子のSD(%) 同上の測定装置で測定した。但し、SD(%)=(標準
偏差/平均粒子径)×100である。
【0039】(6)コロイド粒子の酸化チタン純度 コロイド溶液を高周波プラズマ発光分光分析装置(セイ
コー電子製、SPS−1200A)を用いて測定した。
【0040】(7)コロイド粒子の結晶型 コロイド水溶液を凍結乾燥機にて乾燥させた後、110
℃で20時間乾燥した試料について、高出力X線回折装
置(理学電機製、RINT−1400)を用いてCu管
球、60KV、200mAの条件にて測定し、JCPD
Sのソフトを用いて結晶型の定性を行った。また、標準
試料(和光純薬工業製、アナターゼ型およびルチル型酸
化チタン)を用いて検量線を作成し、これらの結晶型の
定量を行った。
【0041】(8)コロイド溶液の吸光度 コロイド水溶液を蒸留水で希釈してチタニア濃度を0.
05重量%とした試料について、800nm、560n
mおよび380nmにおける吸光度を積分球付き分光光
度計(日本分光工業製、Ubest−55)にて測定し
た。
【0042】(9)コロイド溶液の分散安定性 コロイド水溶液を蒸留水で希釈してチタニア濃度を1重
量%とした試料について、小型遠心分離機(国産遠心器
製、H−18)にて1000rpmで1時間遠心分離を
行い、分散安定性を観察した。なお、表2中の記号の意
味は次の通りである。 ○・・・コロイド溶液が沈降分離しないもの ×・・・コロイド溶液が沈降分離するもの
【0043】(10)コロイド溶液の経時変化 コロイド水溶液を1ヵ月間静置した試料を蒸留水で希釈
してチタニア濃度を1重量%とした試料について、小型
遠心分離機(国産遠心器製、H−18)にて1000r
pmで1時間遠心分離を行った。 ○・・・コロイド溶液が沈降分離しないもの ×・・・コロイド溶液が沈降分離するもの
【0044】(11)コロイド粒子のゼータ電位 コロイド水溶液を蒸留水で希釈してチタニア濃度を2重
量%とした試料について、超音波方式ゼータ電位測定装
置(Matec製、ESA−800)にて測定した。こ
こで、陽イオン性の試料はpH2.5における値であ
り、陰イオン性の試料は、pH10.5における値であ
る。
【0045】実施例2 実施例1で得られた酸化チタンコロイド水溶液(固形分
濃度20重量%)300gにエチレングリコール250
gを加えながらロータリーエバポレーターにて90℃で
加熱溶媒置換を行い、酸化物として20重量%のエチレ
ングリコールを分散媒とする酸化チタンコロイド溶液を
得た。このコロイド溶液を酸化物として1重量%となる
よう蒸留水で希釈した後、小型遠心分離器にて1000
rpmで30分間遠心分離を行ったが、コロイド粒子の
沈殿は見られなかった。
【0046】実施例3 実施例1の酸化チタン粉末100gと蒸留水223gと
を室温で撹拌しながら、これに5重量%塩酸10gを徐
々に加えた後、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化成製、
DAIAION、SK−1B)400ccを徐々に添加
し、20時間撹拌を続けた後。次いで、イオン交換樹脂
を取り除き、酸化チタンコロイド水溶液を得た。得られ
たコロイド溶液を希釈し、酸化物として20重量%のコ
ロイド水溶液とした。
【0047】実施例4 市販の酸化チタン粉末(比表面積:50m2 /g、粉末
の平均粒子径:0.9μm、結晶型:ルチル型とアナタ
ーゼの混合物、塩酸含有量(HClとして換算した量)
0.3重量%)100gと、純水233.3gと、0.
5重量%塩酸100gとを混合し、80℃で撹拌しなが
ら、これに強酸性陽イオン交換樹脂(バイオラット製、
バイオレックスMS2−501)500ccを徐々に添
加し、30時間撹拌を行った。続いて、この溶液を室温
まで冷却した後、イオン交換樹脂を取り除き、酸化チタ
ンコロイド水溶液を得た。得られたコロイド溶液を濃縮
し、酸化物として20重量%のコロイド溶液とした。こ
のコロイド粒子のX線回折図を図2に示す。
【0048】実施例5 実施例4の酸化チタン粉末100gと蒸留水350gと
を室温で撹拌しながら、これに2重量%水酸化カリウム
水溶液50gを徐々に加えて80℃に加温して2時間撹
拌を続けた後、強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化成
製、DAIAION、SA−10A)400ccを徐々
に添加し、100時間撹拌を続けた。次に、該溶液を室
温まで冷却した後、イオン交換樹脂を取り除き、酸化チ
タンコロイド水溶液を得た。得られたコロイド溶液を濃
縮し、酸化物として20重量%のコロイド溶液とした。
【0049】実施例6 実施例5で得られた酸化チタンコロイド水溶液(固形分
濃度20重量%)300gにエチルアルコールを加えな
がら限外濾過膜(旭化成工業製、SIP−1013)に
て溶媒置換を行い、酸化物として20重量%のエチルア
ルコールを分散媒とする酸化チタンコロイド溶液を得
た。このコロイド溶液を酸化物として1重量%となるよ
うに蒸留水で希釈した後、小型遠心分離器にて1000
rpmで30分間遠心分離を行ったが、コロイド粒子の
沈殿は見られなかった。
【0050】比較例1 蒸留水380gと実施例1で用いた酸化チタン粉末10
0gとを室温で混合しながら、これに1重量%水酸化ナ
トリウム水溶液20gを徐々に加えて5時間撹拌した。
この溶液をしばらく放置すると、凝集した酸化チタンコ
ロイド粒子の沈殿が生じ、安定なコロイド水溶液が得ら
れなかった。
【0051】
【表1】 コ ロ イ ド 溶 液 の 調 製 条 件 混合比 酸/アルカリ 当量比(*2) 固形分濃度 pH (*1) (×10-2 ) (wt%) 実施例1 5 NaOH 0.99 20 10.0 実施例3 4 塩酸 1.10 30 4.1 実施例4 5 塩酸 1.75 30 3.9 実施例5 8 KOH 0.36 10 10.9 比較例1 − NaOH 0.99 20 10.0 (*1) 混合比=イオン交換樹脂(cc)/TiO2 (g) (*2) 当量比=添加した酸又はアルカリの当量/Ti1
当量
【0052】
【表2】 コ ロ イ ド 溶 液 の 性 状 固形分濃度 安定性 経時 吸 光 度 pH ゼータ電位 (wt%) 変化 800nm 560nm 380nm (mV) 実施例1 20 ○ ○ 0.15 0.49 2.9 10.3 -22 実施例3 20 ○ ○ 0.14 0.47 2.8 3.2 28 実施例4 20 ○ ○ 0.19 0.78 2.7 2.5 33 実施例5 20 ○ ○ 0.11 0.44 3.0 10.6 -26 比較例1 20 × × 0.64 0.76 1.0 10.3 −
【0053】
【表3】 コ ロ イ ド 粒 子 の 性 状 平均粒径 SD 粒度分布 TiO2純度 結晶型の割合 (%) (nm) () の形状 (wt%) R型(*1) A型(*2) 実施例1 80 25 ○ 99.96 100 0 実施例3 70 31 ○ 99.96 100 0 実施例4 70 20 ○ 99.99 25 75 実施例5 40 17 ○ 99.98 25 75 比較例1 2400 38 × 99.96 100 0 (*1) R型;ルチル型 (*2) A型;アナターゼ型
【0054】
【発明の効果】本発明に係るチタニアゾルは、ルチル型
および/またはアナターゼ型の結晶性チタニア微粒子を
分散質とし、透明性および安定性に優れており、しか
も、特定の吸光度特性を有するので、前記したように、
触媒担体以外の用途にも種々適用することができる。
【0055】また、本発明に係るチタニアゾルの製造方
法は、酸またはアルカリが再生されて繰り返しチタニア
に作用するため、チタニアに対する酸またはアルカリの
添加量が少なくても、チタニア粉末の解膠を十分に行う
ことができ、製造プロセスとして経済的である。また、
分散安定性の高いチタニアゾルを調製することができ、
優れた製造方法であるということができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたコロイド粒子のX線回折図
である。
【図2】実施例4で得られたコロイド粒子のX線回折図
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形分濃度0.05重量%のチタニアゾ
    ルの吸光度が、下記(a)〜(c)であることを特徴と
    する結晶性チタニアゾル。 (a)波長800nmにおける吸光度:0.5以下 (b)波長560nmにおける吸光度:1.0以下 (c)波長380nmにおける吸光度:2.0以上
  2. 【請求項2】 チタニア粉末を水相中で酸の存在下に陽
    イオン交換体と接触させるか、または、アルカリの存在
    下に陰イオン交換体と接触させることを特徴とするチタ
    ニアゾルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記チタニア粉末がルチル型および/ま
    たはアナターゼ型の結晶性チタニアである請求項2記載
    のチタニアゾルの製造方法。
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