JPH072326Y2 - 自動車のモール接続構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車のモール接続構造、とりわけ、車体サイ
ドのウエスト部に沿って装着されたロアモールの端末部
と、車体サイドのウエスト部上方に装着されたアッパモ
ールの下端末部との接続構造に関する。

従来の技術 この種のモール接続構造としては、例えば自動車のオペ
ラロアモールとドリップモールとの接続構造を挙げるこ
とができるが、従来、オペラロアモールとドリップモー
ルとの接続には第５〜９図に示す構造が採用されてい
る。１はオペラウインドウパネル７の下縁に沿って、つ
まり、車体サイドとなるリヤフェンダ２のウエスト部に
沿って装着されたオペラロアモールで、このオペラロア
モール１はその背部にフック部1aを一体成形してあり、
このフック部1aにスペーサラバー３を掛着して、該スペ
ーサラバー３をリヤフェンダ２のウエスト部上に当接さ
せている。オペラロアモール１の背部にはスペーサラバ
ー３の他に、部分的に樹脂材からなるボルト組込みピー
ス４を接着固定してあり、そのボルト５をリヤフェンダ
２に形成した取付孔2aに挿通して、ナット６締め固定し
てある。

前述のようにスペーサラバー３を介装することにより、
オペラロアモール１がオペラウインドウパネル７の周縁
モール８の下縁と整合して、パーティング間隙の発生を
回避する。９は後端部をオペラウインドウパネル７の後
縁に沿って配設したドリップモールで、このドリップモ
ール９は、リヤフェンダ２のピラー部前縁に接着固定し
たファスナー10に、クリップ11を係着して固定してあ
る。そして、このドリップモール９の下端末部を前期オ
ペラロアモール１の後端末部の上縁に当接させて、これ
らオペラロアモール１の後端末部と、ドリップモール９
の下端末部とを連接させて、オペラウインドウパネル７
の周縁部を一連に装飾している。この類似構造は、例え
ば実開昭60-11819号公報に示されている。

考案が解決しようとする課題 オペラロアモール１の後端末部およびドリップモール９
の下端末部は、何れもリヤフェンダ２に固定されてなく
自由端状態となっているため、それらの位置決めが困難
であり、端末部相互の浮上がり，沈み込みが生じたり、
ドリップモール９の下端末部が前後方向にずれて見栄え
を悪化し、品質感を落してしまう。また、ドリップモー
ル９の下端末部にはスペーサ12を貼着、例えば樹脂テー
プをスペーサ12として利用して貼着し、オペラロアモー
ル１との間にパーティング間隙が生じたり、低級な擦れ
音が生じたりしないように工夫しているが、樹脂テープ
が剥離したり、樹脂テープ端末が露出して異和感を生
じ、見栄えを損なってしまう不具合がある。そこで、本
考案はロアモール後端部とアッパモール下端末部とを整
合して連接させることができて、外観，品質感を一段と
向上することができる自動車のモール接続構造を提供す
るものである。

課題を解決するための手段 アッパモールの下端末部の背部に、車体サイドのパネル
面に当接する弾性材からなる接続ピースを固着すると共
に、この接続ピースの下側にアッパモール下端末部より
も下方に突出し、かつ、外側面にモール嵌着溝を有する
延設部を形成する一方、ロアモール端末部の上縁部に切
欠部を形成して、その切欠縁を前記延設部のモール嵌着
溝に嵌合，固定してある。

作用 ロアモール後端末部とアッパモール下端末部とが、接続
ピースを介して接続されるため、相互の浮き，沈みが阻
止される。また、該接続ピースがロアモール上縁部の切
欠部に係合するため、アッパモール下端末部の前後方向
のずれが阻止される。

実施例 以下、本考案の一実施例をロアモールとしてオペラロア
モールを、およびアッパモールとしてドリップモールを
例に採って、前記従来の構成と同一部分に同一符号を付
して詳述する。

第１〜４図において、オペラロアモール１はボルト組込
みピース４を介してリヤフェンダ２のウエスト部にナッ
ト６締め固定され、かつ、スペーサラバー３のウエスト
部上への介装により、該オペラロアモール１の上縁をオ
ペラウインドウパネル７の周縁モール８の下縁と整合し
てある点、および、ドリップモール９は、ファスナー10
およびクリップ11により、リヤフェンダ２のピラー部前
縁に固定してあ点、等の基本的構造は前記従来と同様で
ある。ここで、前記ドリップモール９の下端末部の背部
には、前記リヤフェンダ２のピラー部面に当接するゴ
ム，軟質樹脂等の弾性材からなる接続ピース13を固着し
てある。この接続ピース13は、その下側部に第１のモー
ル嵌着溝14を有しており、このモール嵌着溝14にドリッ
プモール９下端末部の折返し縁を嵌合して、適宜の接着
剤により、該ドリップモール９下端末部の背部に固着し
てある。前記接続ピース13の下側には、ドリップモール
９下端末部よりも下方に突出する延設部15を形成してあ
る。この延設部15の外側面には、前記第１のモール嵌着
溝14と隣接して、第２のモール嵌着溝16を形成してあ
る。一方、オペラロアモール１の後端末部の上縁には、
前記接続ピース13が係合し得る切欠部17を形成してあ
る。そして、この切欠部17の切欠縁を、前記接続ピース
13の延設部15のモール嵌着溝16に差し込み嵌合して、該
オペラロアモール１の後端末部を固定してある。

以上の実施例構造によれば、オペラロアモール１の後端
末部上縁の切欠部17の切欠縁を、接続ピース13の第２の
モール嵌着溝16に嵌合して固定してあり、しかも、この
接続ピース13はドリップモール９の下端末部の背部に固
着してあって、リヤフェンダ２のピラー部面に当接する
ことから、これらオペラロアモール１後端末部、および
ドリップモール９下端末部の相互の浮上がり，沈み込み
が、該接続ピース13によって抑制される。また、ドリッ
プモール９下端末部の前後方向のずれ、とりわけ、外観
上大きく目立つ前方向のずれは、前記接続ピース13が、
切欠部17の前縁に係合して規制され、従って、常にオペ
ラロアモール１後端末部とドリップモール９下端末部と
の位置決めを行えて、連続感を維持することができる。
また、オペラロアモール１後端末部は、その上縁の切欠
部17の切欠縁を接続ピース13の延設部15に形成したモー
ル嵌着溝16に嵌合，固定しているため、該オペラロアモ
ール上縁がドリップモール９下端末部に接触することは
なく、従って、低級な擦れ音を生じることもない。

考案の効果 以上のように本考案によれば、アッパモールの下端末部
背部に固着されて、車体サイドのパネル面に当接する弾
性材からなる接続ピースの延設部のモール嵌着溝に、ロ
アモール端末部の切欠部の切欠縁を嵌合，固定して、こ
れらアッパモール下端末部とロアモール後端末部とを接
続してあるため、相互の浮上がり，沈み込みが該接続ピ
ースで抑制されて不連続感を生じることがない。また、
この接続ピースの延設部がロアモール上縁の切欠部に係
合しているため、アッパモール下端末部のロアモールに
対する前後方向のずれも規制されるから、常に一体的な
連続感が得られ、従って、外観を向上することができ
る。更に、延設部のモール嵌着溝に、ロアモール上縁の
切欠部の切欠縁が嵌合しているため、該ロアモール上縁
とアッパモールとが接触して低級な擦れ音を生じること
もなく、前述の連続感が得られることと併せて品質感を
一段と向上することができるという実用上多大な効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す第２図Ｉ−Ｉ線に沿う
断面図、第２図は第１図のII矢視図、第３図は接続ピー
スの斜視図、第４図はロアモールの後端末部の構造を示
す斜視図、第５図は従来の構造を示す側面図、第６図，
第７図，第８図，第９図は、第５図のVI-VI線,VII-VII
線,VIII-VIII線,IX-IX線に沿う断面図である。 １……ロアモール（オペラロアモール）、２……車体サ
イドのパネル（リヤフェンダ）、９……アッパモール
（ドリップモール）、13……接続ピース、15……延設
部、16……モール嵌着溝、17……切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体サイドのウエスト部に沿って装着され
   たロアモールの端末部と、車体サイドのウエスト部上方
   に装着されたアッパモールの下端末部とを連接する構造
   において、アッパモールの下端末部の背部に、車体サイ
   ドのパネル面に当接する弾性材からなる接続ピースを固
   着すると共に、この接続ピースの下側にアッパモール下
   端末部よりも下方に突出し、かつ、外側面にモール嵌着
   溝を有する延設部を形成する一方、ロアモール端末部の
   上縁部に切欠部を形成して、その切欠縁を前記延設部の
   モール嵌着溝に嵌合，固定したことを特徴とする自動車
   のモール接続構造。