JPH0723210U - シリンダブロックのボアの粗残り検査装置 - Google Patents

シリンダブロックのボアの粗残り検査装置

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JPH0723210U
JPH0723210U JP7082792U JP7082792U JPH0723210U JP H0723210 U JPH0723210 U JP H0723210U JP 7082792 U JP7082792 U JP 7082792U JP 7082792 U JP7082792 U JP 7082792U JP H0723210 U JPH0723210 U JP H0723210U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 円形ボア内周面のダイヤ目やボーリング目な
どによる粗残りを高精度、高速に検査するボア粗残り検
査装置。 【構成】 円形ボア2にボア軸方向移動可能に挿入され
る光学ユニット5に、レーザー光源6のレーザー光を反
射してボア内周面3に放射状に照射する第1の円錐ミラ
ー8と、ボア内周面3からの放射状の反射光を撮像器1
0に反射する第2の円錐ミラー9を設置する。第1の円
錐ミラー8からのレーザー放射光R1でボア内周面3の
360゜のレーザー照射範囲M1が照射され、このレー
ザー照射範囲M1の360゜の反射光が第2の円錐ミラ
ー9で撮像器10に反射して、画像処理装置11に36
0゜のレーザー照射範囲M1の画像データが送られ、こ
のデータを演算処理してボア内周面3の粗残り検査が行
われる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、自動車用エンジンなどの内燃機関におけるシリンダブロックのボア 内周面の粗さ、及び、面性状を光学的に検査する粗残り検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関のシリンダブロックのボアは、最終の仕上加工後に内周面の粗残り検 査が行われる。例えば図7に示されるシリンダブロック1のボア2は、次の工程 で形成され、最後に粗残り検査が行われる。
【0003】 まず、シリンダブロック1に対してボーリングによるボア荒加工を行う。この ボア荒加工時のボア2の面粗さは約50Zである。次に、ダイヤホーニングヘッ ドによりボア仕上中グリを行って、ボア2の真円度、円筒度などの形状精度の確 保を行う。この仕上中グリ時のボア2の面粗さは約10〜25Zである。最後に 、砥石のGCホーニングヘッドでボア2の最終仕上が行われ、ボア2の摺動面と しての適当な表面粗さ、面性状が決定される。この最終仕上時の面粗さは4Z以 下である。
【0004】 また、自動車エンジンのボア加工においては、上記の仕上中グリのダイヤホー ニング時に、ボア2の内周面3にクロスハッチのダイヤ目20が形成される。ダ イヤ目20は、図8(a)に概念的に示すように、内周面3の軸方向に対して斜 めにクロスする研削跡で、エンジンオイルの通り道として機能する。
【0005】 最終加工されたボア2の内周面3には、前加工時の表面が残った粗残りが部分 的に発生することがある。この粗残りは、極稀に鋳肌残りもあるが、代表される のは荒加工ボーリング跡残りとダイヤホーニング跡残りである。かかる2つの粗 残りは、ボア2とボーリングヘッドの芯ズレなどが原因で形成される。
【0006】 上記荒加工ボーリング跡残りは、図8(b)に示すように、ボア2の内周面3 に周方向にボーリングヘッドのバイトで研削された平行な筋状のボーリング目2 1として現れ、これは後述の検査対象となる。ダイヤホーニング跡残りは、前記 したダイヤ目20に相当し、ダイヤ目20の粗さが基準以上または以下の場合に 後述の検査対象の粗残りとなる。
【0007】 図9にボア内周面3の正常面3aと、ダイヤ目20の在る面3b、ボーリング 目21の在る面3cの断面を示す。この各々の面の粗さは、ダイヤ目20の在る 面3bが最も大である。ボーリング目21の在る面3cの粗さは、正常面3aの 粗さと大差無い場合があり、この面3cが4Z以下の粗さであれば、粗さのみの 検査で合格と判定される恐れがある。
【0008】 以上のボア2の内周面3の粗さを検査する装置として、粗さ計を使ったものと 、斜方照明系及びカメラで被検査面を撮像して画像処理するものが考えられてい るが、それぞれが不適当である。
【0009】 すなわち、粗さ計による検査装置は、ボア内周面3をスポット(点)で検査す るため、ボア内周面3の全域を検査するのに長時間を要し、エンジンなどの製造 のインライン検査には不適当である。また、粗さのみの評価による検査のため、 上記ボーリング目21やダイヤ目20のような方向性のある粗残りの表面欠陥を 見逃す可能性が高い。
【0010】 また、上記画像処理方式の検査装置は、ボア内周面3を斜方照明してボア内周 面3の欠陥部分に影を作り、この影を撮像して得た画像を処理して検査する装置 で、1回の検査が短時間で行われる。この装置は、鋳巣のような凹凸の大きな表 面欠陥(数百ミクロンの大きさ)を検査するには適するが、上記ダイヤ目20な どの粗残りのような凹凸の微細な表面欠陥(数ミクロンの大きさ)の検査には適 さない。これはダイヤ目20などの数ミクロンの大きさの粗残りは、斜方照明し ても影が発生し難いがためである。
【0011】 そこで、上記ダイヤ目20などの粗残りの粗さと面性状の良否を短時間で正確 に検査する装置として、本考案者は先にレーザー光を使用したボア粗残り検査装 置を開発した。その具体例を図10乃至図13を参照して説明する。
【0012】 図10に示される粗残り検査装置は、光学ユニット5’と、光学ユニット5’ に光学結合された撮像器10と、その画像処理装置11を備える。光学ユニット 5’は、円筒状のケース24に収納される。ケース24は、ボア2の中にボア軸 方向に移動可能に、かつ、ボアの中心線を中心に回転可能に挿入される。
【0013】 光学ユニット5’は、レーザーダイオードのレーザー光源6とレンズ7’、上 下一対の平面ミラー22、23を有する。レーザー光源6のレーザー光がレンズ 7’で一定幅、厚さの平行なスリット光R3にされ、このレーザースリット光R3 が平面ミラー22で反射し、ケース24の透明ガラス25を透過して、ボア2の 内周面3に照射される。レーザースリット光R3は、図11(a)及び(b)に 示されるように、ボア内周面3の周方向の一定幅Dと、ボア軸方向の一定高さH のレーザー照射範囲M2に、ボア軸方向に対して所定の傾斜角度θで照射される 。
【0014】 ボア内周面3のレーザー照射範囲M2でレーザースリット光R3は、レーザー照 射範囲M2の凹凸に応じた様々な方向に反射する。この反射光の内のボア2の半 径方向に反射する散乱光R4が、ケース24の透明ガラス25を透過して平面ミ ラー23でボア軸方向上方に反射され、撮像器10に入射する。
【0015】 撮像器10は、ケース12の上部に光学結合されたボアスコープ17と、ボア スコープ17に光学結合されたシャッター付カメラ18を備える。ミラー23で 反射した散乱光R4がボアスコープ17からカメラ18に入射して、カメラ18 でボア内周面3のレーザー照射範囲M2が撮像される。撮像器10の画像データ が画像処理装置11で計数処理されて、ボア2の粗残り検査が行われる。
【0016】 画像処理装置11は、図12のフローチャートに示すように、カメラ18で撮 像されて入力された画像データを濃淡画素に2値化処理し、濃淡画素の一方をカ ウントして、カウントされた画素数を判定基準値と比較処理し、ボア内周面3の 粗残りの良否を判定する。
【0017】 光学ユニット5’のケース24をボア2に挿入し、ケース24を定速で上下回 転動させて、ボア内周面3におけるレーザー照射範囲M2を順次に移動させ、こ の移動毎にカメラ18のシャッターを作動させて、ボア内周面3の全域が撮像さ れ、レーザー照射範囲M2毎に粗残り検査が行われる。レーザー照射範囲M2は、 周方向に長い面積領域であるので、ボア内周面3の全域を検査するに要する時間 が短縮される。
【0018】 ボア内周面3のレーザー照射範囲M2における散乱光R4と、これの画像を画像 処理装置11で2値化した画像を、図13に基づき説明する。
【0019】 図13(a)に示すように、ボア内周面3の正常面3aに傾斜角度θで入射し たレーザースリット光R3のほとんどは正反射して、ボア内周面3と直交するボ ア半径方向にはほとんど反射しない。この場合、正常面3aのレーザー照射範囲 M2からの散乱光R4で撮像された画像を、画像処理装置11で2値化処理すると 、図13(a’)に示すような濃淡(白黒)画像が得られる。同画像における白 色部分は、ボア内周面3の正常面3aに相当し、点状の黒色部分はボア内周面3 のダイヤ目20やボーリング目21の凹凸部分に相当する。この画像は、ボア内 周面3のレーザー照射範囲M2の粗残りの粗さ、面性状が良好な場合で、画像中 央の鎖線で囲まれる検査領域Wで黒色部分の数が少なく、広範囲に散らばる。
【0020】 また、図13(b)に示すように、ボア内周面3のダイヤ目20の面3bに入 射したレーザースリット光R3は、ダイヤ目20を乱反射し、その一部がボア半 径方向に散乱光R4として反射する。この場合、ダイヤ目20からの散乱光R4が 増え、その分、図13(b’)に示すように、散乱光R4から得られた画像にお ける点状の黒色部分が増える。この黒色部分は画像中央の検査領域Wに分散して 、ダイヤ目20の不良粗残りとして現われる。
【0021】 また、図13(a)に示すように、ボア内周面3のボーリング目21の面3c に入射したレーザースリット光R3もボーリング目21で乱反射し、ボア半径方 向に散乱光R4として反射し、散乱光R4から得られた画像における点状の黒色部 分が増える。この場合、ボア内周面3の周方向に平行なレーザースリット光R3 は、ボア内周面3の周方向に形成されたボーリング目21に平行に照射される結 果、画像中央の検査領域Wにおける黒色部分はボーリング目21と同じ方向性で もって、ボーリング目21の粗残りとして現われる。
【0022】 したがって、画像処理装置11で2値化された画像データから、レーザー照射 範囲M2の中央の検査領域Wでの黒色部分の画素数をカウントし、カウントされ た画素数を判定基準値と比較すると、比較結果からボア内周面3のダイヤ目20 やボーリング目21の有無が検知され、ボア内周面3の粗さ、面性状の良否が正 確に判定される。
【0023】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、光学ユニット5’からのレーザースリット光R3でボア内周面3を 周方向に照射した場合、一定幅Dのレーザー照射範囲M2の中央部と両端部にお けるレーザー光のボア内周方向に対する照射角度が異なるために、レーザー照射 範囲M2の中央部と両端部でレーザー光の照射光量斑が生じ、この光量斑がボア 内周面3の粗残り検出精度の改善を難しくしている。
【0024】 また、レーザー照射範囲M2の周方向の光量斑で、レーザー照射範囲M2の両端 部に黒色部分が集中して現われ、この両端部の黒色部分もカウントして粗残り検 査をすると、誤判定する可能性が高くなる。そこで、レーザー照射範囲M2の黒 色部分が比較的正常に現われる中央部に検査領域Wを設定して、この限られた検 査領域Wでの黒色部分の画素だけをカウントして、粗残り検査を行うようにして いる。ところが、検査領域Wの幅dは、上記光量斑の制約から小さく成らざるを 得ず、この小さな検査領域Wをボア内周面3の周方向に、光学ユニット5’の機 械的手段による回転で移動させるのに時間を要し、これがボア内周面3全域の検 査時間の短縮化を難しくしている。
【0025】 本考案の目的とするところは、ボア内周面のクロスハッチのダイヤ目や、周方 向の研削跡であるボーリング目による粗残りの検査の高精度化、高速化を実現し た粗残り検査装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本考案は、シリンダブロックのボア内にボア軸方向に移動可能な光学ユニット であって、ボアの内周面にボア周方向に延びる帯状のレーザー光を照射し、その 反射光から光学ユニットに光学的結合された撮像器でボア内周面を部分的に撮像 し、この撮像器で得た画像データを画像処理装置で計数処理してボア内周面の粗 残り検査を行う装置であって、前記光学ユニットに、レーザー光をボア軸方向と 所定の傾斜角度で、かつ、ボアの中心線を中心とする放射状パターンでボアの内 周面の全周に向けて反射する第1の円錐ミラーと、ボア内周面の全周からのレー ザー反射光を前記撮像器に反射する第2の円錐ミラーとを具備させたことにより 、上記目的を達成するものである。
【0027】
【作用】
光学ユニットの第1の円錐ミラーを反射した放射状のレーザー光は、ボア内周 面に一定の照射角度で照射されて、ボア内周面のレーザー照射範囲全域でのレー ザー照射光量が一定し、ボア内周面の全周にわたるレーザー照射範囲の全域の高 精度な粗残り検査が実行される。また、ボア内周面のレーザー照射範囲がボア内 周面全周にわたるため、ボア内で光学ユニットを回転させることなく、光学ユニ ットをボア軸方向に移動させるだけでボア内周面の全域を検査ができ、検査時間 の大幅な短縮化が可能となる。
【0028】
【実施例】
以下、図10の粗残り検査装置に適用した本考案の一実施例を、図1乃至図6 を参照して説明する。なお、この実施例における図10装置と同一または相当部 分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0029】 図1に示される粗残り検査装置は、ボア2に挿入される光学ユニット5と、こ れに光学結合された撮像器10と、撮像器10の画像データを演算処理する画像 処理装置11を備える。この装置は、光学ユニット5にレーザー光源6のレーザ ー光をボア内周面3の全周に向けて放射状に反射する第1の円錐ミラー8と、ボ ア内周面3の全周からのレーザー反射光を撮像器10に反射する第2の円錐ミラ ー9を有する。
【0030】 光学ユニット5は、ボア2にボア軸方向に移動可能に、及び、後述するように 必要に応じて微少角度だけ回転可能に挿入される。光学ユニット5は、レーザー 光源6とレンズ7、上記一対の第1、第2の円錐ミラー8、9を備える。レーザ ー光源6のレーザー光は、レンズ7で円錐状に拡散して第1の円錐ミラー8の頂 点部分に達し、この頂点を中心に放射状に反射する。
【0031】 第1の円錐ミラー8を反射したレーザー放射光R1で照射されるボア内周面3 の軸方向一部であるレーザー照射範囲M1は、ボア内周面3の全周にわたるリン グ状パターンである。レーザー照射範囲M1へのレーザー放射光R1のボア軸方向 での入射角度θは一定であり、レーザー照射範囲M1のボア軸方向での高さHも 一定である。この入射角度θ、高さHは図8装置と同一でよい。
【0032】 レーザー照射範囲M1の全周からボア半径方向に反射した散乱光R2が第2の円 錐ミラー9でボア軸方向上方に反射して、撮像器10に達し、撮像器10でレー ザー照射範囲M1の全周にわたる表面が撮像される。撮像器10で撮像された画 像データが画像処理装置11で計数処理される。
【0033】 光学ユニット5は、例えば上下2つの円筒状のケース13、14を備える。下 部の第1ケース13にレーザー光源6とレンズ7と第1の円錐ミラー8が同軸に 収納され、レーザー光源6の駆動回路12が収納される。駆動回路12から延び る配線ケーブル(図示せず)は、第1ケース13の定箇所と貫通して画像処理装 置11の側に導出される。図4に示すように、第1ケース13の上部は円筒状の 透明ガラス15で構成され、この中に円錐ミラー8が上下逆に固定される。上部 の第2ケース14は、第1ケース13に連結体19で連結され、この中に第2の 円錐ミラー9が固定される。第2ケース14の上部が撮像器10のボアスコープ 17に連結される。
【0034】 光学ユニット5は、その光軸をボア2の中心線に合致させた状態でボア2に挿 入される。光学ユニット5のレーザー光源6のレーザー光は、円錐ミラー8で放 射状に反射して透明ガラス15を透過し、ボア内周面3に照射される。図2に示 すように、円錐ミラー8で反射したレーザー放射光R1の中心はボア中心点Pに 相当し、したがって、レーザー放射光R1はボア内周面3の全周に、その周方向 に対して一定の90°の照射角度で照射される。したがって、レーザー放射光R 1で照射されるボア内周面3のレーザー照射範囲M1におけるレーザー照射光量は 、360゜のレーザー照射範囲M1の全域で一定である。
【0035】 レーザー照射範囲M1の全周でレーザー放射光R1は、レーザー照射範囲M1の 全周の凹凸に応じた様々な方向に反射し、その内のボア2の半径方向に反射する 散乱光R2が第2ケース14の透明ガラス16を透過して第2の円錐ミラー9の 全周面で反射し、撮像器10に達する。
【0036】 図3に示すように、撮像器10にはリング状のレーザー照射範囲M1の全域か らの散乱光R2が一度に入射して、撮像器10が360゜のレーザー照射範囲M1 の全域の表面を一度に撮像する。この撮像された画像は、例えば図5に示される ようなリング状の画像となる。この画像データが画像処理装置11に送られて、 2値化処理され、画像の黒色部分がカウントされて、レーザー照射範囲M1の全 域の粗残り検査が一度に行われる。
【0037】 例えば360゜のレーザー照射範囲M1における散乱光R2と、これの画像を画 像処理装置11で2値化した画像を、図6に示し説明する。
【0038】 図6(a)は、ボア内周面3の正常面3aにおける散乱光R2が示される。こ の場合、レーザー放射光R1のほとんどは正反射して、ボア内周面3と直交する ボア半径方向にはほとんど反射せず、正常面3aからの散乱光R2で撮像された 画像は、図6(a’)に示すような黒色部分が散らばる正常な濃淡(白黒)画像 となる。ここで、360゜のレーザー照射範囲M1の全域でレーザー光の照射光 量が均一であるから、図4(a’)の画像の全域で点状の黒色部分が平均的に散 らばる。したがって、画像処理装置11でレーザー照射範囲M1全域での黒色部 分の画素数をカウントすることで、レーザー照射範囲M1全域の粗残り検査が高 精度に行うことができる。このことは図6(b)、(c)の場合も同様である。
【0039】 図6(b)は、ボア内周面3のダイヤ目20の面3bにおける散乱光R2が示 される。この場合は、ダイヤ目20からの散乱光R2が増えて、図6(b’)に 示すように、散乱光R2から得られた画像における点状の黒色部分が増える。こ の黒色部分も360゜のレーザー照射範囲M1の全域に平均的に分散する。
【0040】 図6(c)は、ボア内周面3のボーリング目21の面3cにおける散乱光R2 が示される。この場合の散乱光R2から得られた画像における黒色部分は、図6 (c’)に示すように、ボーリング目21と同じ方向性でもって現われる。
【0041】 なお、上記レーザー照射範囲M1の検査において、360゜のレーザー照射範 囲M1の画像の中に前述した駆動回路12の配線ケーブルの影が生じ、この影部 分で粗残り検査を正確に行うことができなくなることがある。そこで、レーザー 照射範囲M1の粗残り検査の必要時に光学ユニット5を少し回転させ、レーザー 照射範囲M1の配線ケーブルの影の生じる部分を横移動させて、レーザー照射範 囲M1の全域が撮像されるようにする。このような光学ユニット5の回転は、少 しの角度で済み、粗残り検査の高速化にほとんど支障をきたさない。
【0042】 上記要領で360゜のレーザー照射範囲M1の全域の粗残り検査が行われると 、光学ユニット5をレーザー照射範囲M1のボア軸方向の高さHに相当する距離 だけボア軸方向に移動させ、ボア内周面3の検査されるレーザー照射範囲M1の 移動を行い、次のレーザー照射範囲M1の粗残り検査を行う。このような光学ユ ニット5のボア軸方向移動がボア軸方向全長で行われて、ボア内周面3の全域の 粗残り検査が行われる。360゜のレーザー照射範囲M1の粗残り検査は、電気 的に瞬時に行われるので、ボア内周面3全域の粗残り検査は、極短時間で実行可 能である。
【0043】
【考案の効果】
本考案によれば、光学ユニットの第1の円錐ミラーを反射した放射状のレーザ ー光で照射されるボア内周面のレーザー照射範囲はボア内周面の360゜の範囲 であり、このレーザー照射範囲のレーザー反射光が第2の円錐ミラーで撮像器に 反射して、撮像器が360゜のレーザー照射範囲を一度に撮像するので、ボア内 周面360゜のレーザー照射範囲が一度に検査され、したがって、光学ユニット をボアの軸方向に移動させるだけでボア内周面全域の粗残り検査が行え、検査時 間の大幅な短縮が可能となる。
【0044】 また、ボア内周面の360゜のレーザー照射範囲に放射状のレーザーが照射さ れるので、レーザー照射範囲全域でのレーザー照射光量が一定して、レーザー照 射範囲全域の高精度な粗残り検査が可能となり、自動車用エンジンのボア粗残り 検査などに好適な信頼性の高い粗残り検査装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す縦断面図。
【図2】図1装置の要部の横断面図。
【図3】図1装置における一対の円錐ミラーによる放射
状レーザー光とその反射光の形態を示す斜視図。
【図4】図1装置の要部の拡大断面図。
【図5】図1装置の撮像器で撮像されるボア内周面の画
像図。
【図6】(a)、(b)、(c)は図1装置におけるボ
ア内周面の拡大断面図、(a’)、(b’)、(c’)
はボア内周面の2値化処理された画像図。
【図7】シリンダブロックの部分断面を含む部分斜視
図。
【図8】図7シリンダブロックのボア内周面の部分拡大
図で、(a)はダイヤ目、(b)はボーリング目を示
す。
【図9】図7シリンダブロックのボア内周面の部分拡大
断面図。
【図10】本考案の前提となる粗残り検査装置の縦断面
図。
【図11】(a)は図10装置の要部の横断面図、
(b)は図10装置の要部の拡大図。
【図12】図10装置における画像処理装置のフローチ
ャート。
【図13】(a)、(b)、(c)は図10装置におけ
るボア内周面の拡大断面図、(a’)、(b’)、
(c’)はボア内周面の2値化処理された画像図。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 ボア 3 ボア内周面 5 光学ユニット 8 第1の円錐ミラー 9 第2の円錐ミラー 10 撮像器 11 画像処理装置

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックのボア内でボア軸方向
    に移動可能な光学ユニットであって、ボアの内周面にボ
    ア周方向に延びる帯状のレーザー光を照射し、その反射
    光から光学ユニットに光学的結合された撮像器でボア内
    周面を部分的に撮像し、この撮像器で得た画像データを
    画像処理装置で計数処理してボア内周面の粗残り検査を
    行う装置であって、 前記光学ユニットは、内蔵したレーザー光源からのレー
    ザー光を、ボア軸方向と所定の傾斜角度で、かつ、ボア
    の中心線を中心とする放射状パターンでボアの内周面の
    全周に向けて反射する第1の円錐ミラーと、ボア内周面
    の全周からのレーザー反射光を前記撮像器に反射する第
    2の円錐ミラーとを有することを特徴とするシリンダブ
    ロックのボアの粗残り検査装置。
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