JPH07229564A - シリンダヘッド用金属ガスケット - Google Patents
シリンダヘッド用金属ガスケットInfo
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- JPH07229564A JPH07229564A JP4507394A JP4507394A JPH07229564A JP H07229564 A JPH07229564 A JP H07229564A JP 4507394 A JP4507394 A JP 4507394A JP 4507394 A JP4507394 A JP 4507394A JP H07229564 A JPH07229564 A JP H07229564A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高耐熱性であって、接合面等のキズ、粗さ、
歪み等を補償するに充分な厚さと軟らかさを有するシー
ル材層を金属板の表面に備えた、シール性が良好で耐久
性に優れたシリンダヘッド用金属ガスケットを提供す
る。 【構成】 燃焼室用開口２、液体通路用孔３、ボルト挿
通孔４を有し、少くとも、燃焼室用開口２の周りに該開
口を囲繞するビード６を設けた金属板ガスケットにおい
て、金属板が素地金属板１１の表面に厚さ５０乃至２０
０μｍのアルミニウムクラッド層１２をクラッドしたア
ルミニウムクラッド金属板１よりなり、アルミニウムク
ラッド層１２がシール材層として機能する。
歪み等を補償するに充分な厚さと軟らかさを有するシー
ル材層を金属板の表面に備えた、シール性が良好で耐久
性に優れたシリンダヘッド用金属ガスケットを提供す
る。 【構成】 燃焼室用開口２、液体通路用孔３、ボルト挿
通孔４を有し、少くとも、燃焼室用開口２の周りに該開
口を囲繞するビード６を設けた金属板ガスケットにおい
て、金属板が素地金属板１１の表面に厚さ５０乃至２０
０μｍのアルミニウムクラッド層１２をクラッドしたア
ルミニウムクラッド金属板１よりなり、アルミニウムク
ラッド層１２がシール材層として機能する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンのシリンダヘッ
ド用金属ガスケットに関するものである。
ド用金属ガスケットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】鋼板、ステンレス鋼板等の金属板に燃焼
室用開口、液体通路用孔及びボルト挿通孔を設け、燃焼
室用開口の周りに該開口を囲繞しシールするビードを設
けたシリンダヘッド用の単板もしくは積層金属ガスケッ
トは既によく知られている。かかる金属ガスケットにお
いて燃焼室用開口の周縁を折り返す等して燃焼室用開口
の周縁に厚肉部（補償部）を形成し、上記の燃焼室用開
口を囲繞しシールするビードを上記の厚肉部の外側の位
置に設けることも、また、燃焼室用開口を囲繞するビー
ドだけではなく、液体通路用孔を囲繞しシールするビー
ドをも設けることも公知である。
室用開口、液体通路用孔及びボルト挿通孔を設け、燃焼
室用開口の周りに該開口を囲繞しシールするビードを設
けたシリンダヘッド用の単板もしくは積層金属ガスケッ
トは既によく知られている。かかる金属ガスケットにお
いて燃焼室用開口の周縁を折り返す等して燃焼室用開口
の周縁に厚肉部（補償部）を形成し、上記の燃焼室用開
口を囲繞しシールするビードを上記の厚肉部の外側の位
置に設けることも、また、燃焼室用開口を囲繞するビー
ドだけではなく、液体通路用孔を囲繞しシールするビー
ドをも設けることも公知である。
【０００３】そして上記したような金属ガスケットにお
いて、耐熱性と柔軟性とを有するゴム、プラスチックの
薄層からなるシール材層をシリンダヘッド及びシリンダ
ブロックの接合面に接する金属板外表面に被覆し、また
積層された各金属板間に介在するように板面に被覆する
ことも既によく知られている。
いて、耐熱性と柔軟性とを有するゴム、プラスチックの
薄層からなるシール材層をシリンダヘッド及びシリンダ
ブロックの接合面に接する金属板外表面に被覆し、また
積層された各金属板間に介在するように板面に被覆する
ことも既によく知られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記したシリンダヘッ
ド用金属ガスケットにおけるシール材層は耐熱性のゴ
ム、プラスチックからなるとはいえ耐熱性に限界があ
り、高温の燃焼室用開口周りのシール材層に劣化を生じ
るという問題があり、また、耐熱性が比較的高いフッ素
ゴムは高価であるという難点がある。更に、シール材層
と金属板との接着力が比較的弱く、ガスケットの使用中
にシール材層が剥離する危険もある。
ド用金属ガスケットにおけるシール材層は耐熱性のゴ
ム、プラスチックからなるとはいえ耐熱性に限界があ
り、高温の燃焼室用開口周りのシール材層に劣化を生じ
るという問題があり、また、耐熱性が比較的高いフッ素
ゴムは高価であるという難点がある。更に、シール材層
と金属板との接着力が比較的弱く、ガスケットの使用中
にシール材層が剥離する危険もある。
【０００５】耐熱性がより高いシール材層を得ることが
できる軟質金属のメッキ層殊にアルミニウムのメッキ層
をシール材層として被覆することが実開昭５６−４５６
５４号で提案されているが、本願の発明者の検討によれ
ば、アルミニウムメッキの被着厚さは、通常、１５〜７
０μｍの範囲であり、アルミニウムを厚く被覆すること
ができず、また、アルミニウムメッキは主にＡｌ−Ｓｉ
合金であり比較的硬いので、アルミニウムメッキを用い
たシール材層は接合面の微少なキズ、粗さ、歪み等を補
償するいわゆるミクロシールの機能を充分に果たすこと
ができず、ガスケットのシール性能が低下する。
できる軟質金属のメッキ層殊にアルミニウムのメッキ層
をシール材層として被覆することが実開昭５６−４５６
５４号で提案されているが、本願の発明者の検討によれ
ば、アルミニウムメッキの被着厚さは、通常、１５〜７
０μｍの範囲であり、アルミニウムを厚く被覆すること
ができず、また、アルミニウムメッキは主にＡｌ−Ｓｉ
合金であり比較的硬いので、アルミニウムメッキを用い
たシール材層は接合面の微少なキズ、粗さ、歪み等を補
償するいわゆるミクロシールの機能を充分に果たすこと
ができず、ガスケットのシール性能が低下する。
【０００６】更に、鋼板、ステンレス鋼板等の鉄系金属
のアルミニウムメッキにおいては、アルミニウムと鉄と
の間に脆い合金層が形成されるので、折返し等の曲げ加
工により亀裂、割れが発生するおそれがあり、また燃焼
室用開口を囲繞しシールするビードが圧縮と復元とを長
時間繰返している中に亀裂や割れを生じてへたり、シー
ル力を失う危険がある。
のアルミニウムメッキにおいては、アルミニウムと鉄と
の間に脆い合金層が形成されるので、折返し等の曲げ加
工により亀裂、割れが発生するおそれがあり、また燃焼
室用開口を囲繞しシールするビードが圧縮と復元とを長
時間繰返している中に亀裂や割れを生じてへたり、シー
ル力を失う危険がある。
【０００７】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は高耐熱性であって、接合面等のキ
ズ、粗さ、歪み等を補償するに充分な厚さと柔らかさと
を有するシール材層を金属板の表面に備え、シール性が
良好でかつ耐久性に優れたシリンダヘッド用金属ガスケ
ットを提供することにある。
で、本発明の目的は高耐熱性であって、接合面等のキ
ズ、粗さ、歪み等を補償するに充分な厚さと柔らかさと
を有するシール材層を金属板の表面に備え、シール性が
良好でかつ耐久性に優れたシリンダヘッド用金属ガスケ
ットを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明のシリンダヘッド用金属ガスケットは、弾性を有す
る金属板からなり、燃焼室用開口、液体通路用孔及びボ
ルト挿通孔を備え、かつ、少くとも、燃焼室用開口を囲
繞しシールするビードを設けた単板金属ガスケットにお
いて、金属板が両面に厚さ５０乃至２００μｍのアルミ
ニウム層をクラッドしたアルミニウムクラッド金属板よ
りなることを特徴とするものである。
発明のシリンダヘッド用金属ガスケットは、弾性を有す
る金属板からなり、燃焼室用開口、液体通路用孔及びボ
ルト挿通孔を備え、かつ、少くとも、燃焼室用開口を囲
繞しシールするビードを設けた単板金属ガスケットにお
いて、金属板が両面に厚さ５０乃至２００μｍのアルミ
ニウム層をクラッドしたアルミニウムクラッド金属板よ
りなることを特徴とするものである。
【０００９】また、本発明のガスケットは、燃焼室用開
口、液体通路用孔及びボルト挿通孔を備えた弾性を有す
る金属板の複数枚を積層し、少くとも、燃焼室用開口を
囲繞しシールするビードを設けた積層金属ガスケットに
おいて、シリンダブロック及びシリンダヘッドの接合面
に接する金属板外表面と、各金属板間の互いに対向する
板面の少くとも一方とに、厚さが５０乃至２００μｍの
アルミニウムクラッド層を設けたことを特徴とするもの
である。
口、液体通路用孔及びボルト挿通孔を備えた弾性を有す
る金属板の複数枚を積層し、少くとも、燃焼室用開口を
囲繞しシールするビードを設けた積層金属ガスケットに
おいて、シリンダブロック及びシリンダヘッドの接合面
に接する金属板外表面と、各金属板間の互いに対向する
板面の少くとも一方とに、厚さが５０乃至２００μｍの
アルミニウムクラッド層を設けたことを特徴とするもの
である。
【００１０】
【作用】本発明のガスケットがエンジンのシリンダヘッ
ドとシリンダブロックとの接合面間に装着され、ボルト
締結により締付けられたとき、ガスケットを構成する金
属板に燃焼室用開口を囲繞するように設けられたビード
が、弾性的に圧縮され接合面に高い面圧のシール線を形
成して燃焼室内のガスをシールする機能を果たす。ま
た、ガスケットを構成する金属板の表面の厚さ５０乃至
２００μｍのアルミニウムクラッド層は、シリンダヘッ
ド及びシリンダブロックの接合面並びに対向する金属板
の表面のキズ、粗さ、歪み等にくい込み、これらを補償
する機能、いわゆるミクロシールの機能を有するシール
材層として機能する。
ドとシリンダブロックとの接合面間に装着され、ボルト
締結により締付けられたとき、ガスケットを構成する金
属板に燃焼室用開口を囲繞するように設けられたビード
が、弾性的に圧縮され接合面に高い面圧のシール線を形
成して燃焼室内のガスをシールする機能を果たす。ま
た、ガスケットを構成する金属板の表面の厚さ５０乃至
２００μｍのアルミニウムクラッド層は、シリンダヘッ
ド及びシリンダブロックの接合面並びに対向する金属板
の表面のキズ、粗さ、歪み等にくい込み、これらを補償
する機能、いわゆるミクロシールの機能を有するシール
材層として機能する。
【００１１】該アルミニウムクラッド層は上記のミクロ
シールの機能を果たすに充分な厚さと柔らかさとを有
し、これをシール材層とする本発明のシリンダヘッドガ
スケットはシール性能が良好である。アルミニウムクラ
ッド層は従来のゴム、プラスチックによるシール材層に
較べて耐熱性が高いので、本発明のガスケットは長時間
の使用によってもシール材層の機能が劣化することがな
く、より高温度の使用にも耐える。
シールの機能を果たすに充分な厚さと柔らかさとを有
し、これをシール材層とする本発明のシリンダヘッドガ
スケットはシール性能が良好である。アルミニウムクラ
ッド層は従来のゴム、プラスチックによるシール材層に
較べて耐熱性が高いので、本発明のガスケットは長時間
の使用によってもシール材層の機能が劣化することがな
く、より高温度の使用にも耐える。
【００１２】アルミニウムクラッド層は鉄板等の素地金
属板と相互拡散により強固に結合されるので、従来のゴ
ム、プラスチックからなるシール材層のように使用中に
剥離するおそれがない。更に、アルミニウムクラッド金
属板では、アルミニウムと素地金属との間で脆い合金層
をつくることがないので、本発明のガスケットにおいて
はビードに亀裂や割れを生じてへたり、シール力を失う
危険がない。また、燃焼室用開口の周縁に設ける厚肉部
（補償部）を、亀裂、割れを生じるおそれなく、折返し
により簡易に形成できる利点がある。
属板と相互拡散により強固に結合されるので、従来のゴ
ム、プラスチックからなるシール材層のように使用中に
剥離するおそれがない。更に、アルミニウムクラッド金
属板では、アルミニウムと素地金属との間で脆い合金層
をつくることがないので、本発明のガスケットにおいて
はビードに亀裂や割れを生じてへたり、シール力を失う
危険がない。また、燃焼室用開口の周縁に設ける厚肉部
（補償部）を、亀裂、割れを生じるおそれなく、折返し
により簡易に形成できる利点がある。
【００１３】本発明においてアルミニウムクラッド層の
厚さを５０乃至２００μｍとする理由は、５０μｍ未満
では厚さが薄過ぎて接合面等のキズ、粗さ、歪み等を充
分に補償し難く、ガスケットのシール性を損うからであ
る。また、厚さが２００μｍを越えると厚過ぎて高温に
おいてアルミニウムクラッド層のクリープすなわちへた
りが大きくなり、ガスケットの耐久性を損うからであ
る。なお、アルミニウムクラッドは充分な軟らかさを保
持するように純度９９％以上の純アルミニウムにより形
成することが望ましい。
厚さを５０乃至２００μｍとする理由は、５０μｍ未満
では厚さが薄過ぎて接合面等のキズ、粗さ、歪み等を充
分に補償し難く、ガスケットのシール性を損うからであ
る。また、厚さが２００μｍを越えると厚過ぎて高温に
おいてアルミニウムクラッド層のクリープすなわちへた
りが大きくなり、ガスケットの耐久性を損うからであ
る。なお、アルミニウムクラッドは充分な軟らかさを保
持するように純度９９％以上の純アルミニウムにより形
成することが望ましい。
【００１４】
【実施例】本発明の詳細を実施例により説明するに当
り、まず、本発明において用いる、金属板の片面もしく
は両面にアルミニウムクラッド層をクラッドしたアルミ
ニウムクラッド金属板について説明する。アルミニウム
クラッド金属板は鋼板、ステンレス鋼板等の弾性を有す
る金属板をアルミニウム板乃至はアルミニウム層で覆う
ように貼合せ複合したもので、通常は下記する圧延法に
より製造されるものである。すなわち、例えば鋼スラブ
を表面処理しその清浄な片側もしくは両側の表面上にク
ラッドすべきアルミニウム板を重ね合せ、必要に応じ重
ね合せた板材の周縁部の合せ目を溶接して封じた後、こ
れを加熱炉に入れて圧延温度例えば低炭素鋼と９９．５
％純度のアルミニウムとのクラッドの場合で３５０℃に
加熱し、熱間圧延ロールで圧延し、鋼とアルミニウムを
相互に拡散させて接合すると共に薄く押し延ばす。次い
で、冷間圧延機で何回も圧延し、所定の厚さまで押し延
ばす。
り、まず、本発明において用いる、金属板の片面もしく
は両面にアルミニウムクラッド層をクラッドしたアルミ
ニウムクラッド金属板について説明する。アルミニウム
クラッド金属板は鋼板、ステンレス鋼板等の弾性を有す
る金属板をアルミニウム板乃至はアルミニウム層で覆う
ように貼合せ複合したもので、通常は下記する圧延法に
より製造されるものである。すなわち、例えば鋼スラブ
を表面処理しその清浄な片側もしくは両側の表面上にク
ラッドすべきアルミニウム板を重ね合せ、必要に応じ重
ね合せた板材の周縁部の合せ目を溶接して封じた後、こ
れを加熱炉に入れて圧延温度例えば低炭素鋼と９９．５
％純度のアルミニウムとのクラッドの場合で３５０℃に
加熱し、熱間圧延ロールで圧延し、鋼とアルミニウムを
相互に拡散させて接合すると共に薄く押し延ばす。次い
で、冷間圧延機で何回も圧延し、所定の厚さまで押し延
ばす。
【００１５】また、アルミニウムクラッド鋼線の製造に
利用されている粉末冶金法によっても製造することがで
きる。すなわち、１対のロールの間に清浄な表面の鋼板
を送り込むと共にアルミニウム粉末を鋼板とロールとの
間に供給して圧延付着させ、次いで真空或は不活性ガス
雰囲気の加熱炉中で熱間圧延してアルミニウム粉末を圧
縮、焼結してアルミニウム被覆鋼板素材を造り、次いで
冷間圧延して所定の厚さまで押し延ばす。
利用されている粉末冶金法によっても製造することがで
きる。すなわち、１対のロールの間に清浄な表面の鋼板
を送り込むと共にアルミニウム粉末を鋼板とロールとの
間に供給して圧延付着させ、次いで真空或は不活性ガス
雰囲気の加熱炉中で熱間圧延してアルミニウム粉末を圧
縮、焼結してアルミニウム被覆鋼板素材を造り、次いで
冷間圧延して所定の厚さまで押し延ばす。
【００１６】上記のようにして得られたアルミニウムク
ラッド金属板は、既に前記した通りアルミニウムクラッ
ド層の厚さを充分厚くすることができ、また、アルミニ
ウムクラッド層が比較的軟らかである。また、アルミニ
ウムと素地金属との結合が強固であり、しかもアルミニ
ウムと素地金属との間で脆い合金層を生成することがな
い。本発明のガスケットの構成板として用いるアルミニ
ウムクラッド金属板は、アルミニウムクラッド層の厚さ
が前記の理由により５０乃至２００μｍの範囲に選ばれ
るが、鋼板、ステンレス鋼板等の弾性を有する素地金属
板の厚さは、通常０．１乃至０．６ｍｍの範囲である。
ラッド金属板は、既に前記した通りアルミニウムクラッ
ド層の厚さを充分厚くすることができ、また、アルミニ
ウムクラッド層が比較的軟らかである。また、アルミニ
ウムと素地金属との結合が強固であり、しかもアルミニ
ウムと素地金属との間で脆い合金層を生成することがな
い。本発明のガスケットの構成板として用いるアルミニ
ウムクラッド金属板は、アルミニウムクラッド層の厚さ
が前記の理由により５０乃至２００μｍの範囲に選ばれ
るが、鋼板、ステンレス鋼板等の弾性を有する素地金属
板の厚さは、通常０．１乃至０．６ｍｍの範囲である。
【００１７】次に図面に基づき本発明の実施例のガスケ
ットを説明する。図１は本発明のガスケットの第一実施
例の平面図であり、図２は図１のＡ−Ａ線による断面図
である。図３は第二実施例についてのＡ−Ａ線断面に相
当する断面図であり、図４は第三実施例についてのＢ−
Ｂ線（図１）断面に相当する断面図である。図５は第一
実施例の変形例の断面図である。同一符号は同一部分を
示している。
ットを説明する。図１は本発明のガスケットの第一実施
例の平面図であり、図２は図１のＡ−Ａ線による断面図
である。図３は第二実施例についてのＡ−Ａ線断面に相
当する断面図であり、図４は第三実施例についてのＢ−
Ｂ線（図１）断面に相当する断面図である。図５は第一
実施例の変形例の断面図である。同一符号は同一部分を
示している。
【００１８】図１及び図２においてＧ１は鋼板等の素地
金属板１１にアルミニウムクラッド層１２を被覆したア
ルミニウムクラッド金属板１からなるシリンダヘッド用
の単板金属ガスケットであり、複数の燃焼室用開口２、
冷却水通路用孔、オイル通路用孔等の液体通路用孔３、
及びボルト挿通孔４とを備えている。燃焼室用開口２の
周縁にはアルミニウムクラッド金属板の折返しにより厚
肉部（補償部）５が形成されており、この厚肉部５の外
側に燃焼室用開口２を囲繞する凸状ビード６（図１では
１本の実線で示している）が設けられている。凸状ビー
ド６の高さｈ1は折返しによる厚肉部５の厚さｔよりも
大となるように形成されている。液体通路用孔３の周り
には、ビード６よりも高さが低く（ｈ2 ＜ｈ1 ）、バネ
定数が小さい凸状ビード７が設けられ、液体孔３をシー
ルしている。
金属板１１にアルミニウムクラッド層１２を被覆したア
ルミニウムクラッド金属板１からなるシリンダヘッド用
の単板金属ガスケットであり、複数の燃焼室用開口２、
冷却水通路用孔、オイル通路用孔等の液体通路用孔３、
及びボルト挿通孔４とを備えている。燃焼室用開口２の
周縁にはアルミニウムクラッド金属板の折返しにより厚
肉部（補償部）５が形成されており、この厚肉部５の外
側に燃焼室用開口２を囲繞する凸状ビード６（図１では
１本の実線で示している）が設けられている。凸状ビー
ド６の高さｈ1は折返しによる厚肉部５の厚さｔよりも
大となるように形成されている。液体通路用孔３の周り
には、ビード６よりも高さが低く（ｈ2 ＜ｈ1 ）、バネ
定数が小さい凸状ビード７が設けられ、液体孔３をシー
ルしている。
【００１９】上記ガスケットにおいては、前述の通り、
アルミニウムクラッド層１２がシリンダヘッド及びブロ
ックの接合面等のキズ、粗さ、歪み等を補償するシール
材層として機能し、ガスケットに良好なシール性を付与
する。なお、上記ガスケットにおいて燃焼室用開口２の
周縁に金属板１の折返しにより形成された厚肉部（補償
部）５が、ボルト締結によるシリンダヘッドの湾曲に基
づき燃焼室周縁に生じる接合面間の間隙を補償し、燃焼
ガスのリークを防止してビードと共に二重のシールを形
成するとともに、燃焼室内のガスの爆発に基づきビード
に加わる交番荷重を軽減する作用を果たすことは既によ
く知られている通りである。
アルミニウムクラッド層１２がシリンダヘッド及びブロ
ックの接合面等のキズ、粗さ、歪み等を補償するシール
材層として機能し、ガスケットに良好なシール性を付与
する。なお、上記ガスケットにおいて燃焼室用開口２の
周縁に金属板１の折返しにより形成された厚肉部（補償
部）５が、ボルト締結によるシリンダヘッドの湾曲に基
づき燃焼室周縁に生じる接合面間の間隙を補償し、燃焼
ガスのリークを防止してビードと共に二重のシールを形
成するとともに、燃焼室内のガスの爆発に基づきビード
に加わる交番荷重を軽減する作用を果たすことは既によ
く知られている通りである。
【００２０】図３に示す第二実施例のガスケットＧ２
は、折返し板８及びビード板９の２層の金属板を積層し
たものであり、折返し板８は素地金属板１１の両面にア
ルミニウムクラッド層１２をクラッドしたアルミニウム
クラッド金属板１よりなり、ビード板９は素地金属板１
１の片面にアルミニウムクラッド層１２をクラッドした
アルミニウムクラッド金属板１よりなり、アルミニウム
クラッド層１２が外側表面となるように積層されてい
る。折返し板８はその燃焼室用開口２の周縁に折返しに
よる厚肉部５を備え、ビード板９は上記厚肉部よりも外
側において燃焼室用開口２を囲繞する凸状ビード６及び
液体通路用孔３の周りのビード７を備えている。厚肉部
の厚さ、ビード６及びビード７の高さ及びバネ定数の間
には第一実施例において述べたと同様な大小関係があ
る。
は、折返し板８及びビード板９の２層の金属板を積層し
たものであり、折返し板８は素地金属板１１の両面にア
ルミニウムクラッド層１２をクラッドしたアルミニウム
クラッド金属板１よりなり、ビード板９は素地金属板１
１の片面にアルミニウムクラッド層１２をクラッドした
アルミニウムクラッド金属板１よりなり、アルミニウム
クラッド層１２が外側表面となるように積層されてい
る。折返し板８はその燃焼室用開口２の周縁に折返しに
よる厚肉部５を備え、ビード板９は上記厚肉部よりも外
側において燃焼室用開口２を囲繞する凸状ビード６及び
液体通路用孔３の周りのビード７を備えている。厚肉部
の厚さ、ビード６及びビード７の高さ及びバネ定数の間
には第一実施例において述べたと同様な大小関係があ
る。
【００２１】図４に示す第三実施例の積層ガスケットＧ
３は、燃焼室用開口２の周縁に折返しによる厚肉部５を
有する折返し板８の両側に、該厚肉部５よりも外側の位
置において燃焼室用開口２を囲むビード６を有するビー
ド板９、９を積層したものである。ビード板９、９は素
地金属板１１の両面にアルミニウムクラッド層１２をク
ラッドしたアルミニウムクラッド金属板１からなり、折
返し板８はアルミニウムクラッド層を備えない通常の金
属板により形成されている。
３は、燃焼室用開口２の周縁に折返しによる厚肉部５を
有する折返し板８の両側に、該厚肉部５よりも外側の位
置において燃焼室用開口２を囲むビード６を有するビー
ド板９、９を積層したものである。ビード板９、９は素
地金属板１１の両面にアルミニウムクラッド層１２をク
ラッドしたアルミニウムクラッド金属板１からなり、折
返し板８はアルミニウムクラッド層を備えない通常の金
属板により形成されている。
【００２２】本発明によるシリンダヘッド金属ガスケッ
トにおいては、高温の燃焼室用開口周りを除く部分の全
部もしくは一部に、柔軟性を有する耐熱性の安価なゴ
ム、プラスチックの薄膜を被着し、アルミニウムクラッ
ド層によるシール材層の機能を更に補強することもでき
る。図５は第一実施例のガスケットについてかかる変形
を施したものの図２と同様な断面図を示しており、１０
がゴム、プラスチック薄膜で、例えばＮＢＲ等から成
り、厚さは３０μｍ程度である。また、この変形例にお
いては燃焼室用開口２周縁に厚肉部を具備していない。
トにおいては、高温の燃焼室用開口周りを除く部分の全
部もしくは一部に、柔軟性を有する耐熱性の安価なゴ
ム、プラスチックの薄膜を被着し、アルミニウムクラッ
ド層によるシール材層の機能を更に補強することもでき
る。図５は第一実施例のガスケットについてかかる変形
を施したものの図２と同様な断面図を示しており、１０
がゴム、プラスチック薄膜で、例えばＮＢＲ等から成
り、厚さは３０μｍ程度である。また、この変形例にお
いては燃焼室用開口２周縁に厚肉部を具備していない。
【００２３】図３及び図４の実施例では、各金属板間に
おいてはアルミニウムクラッド層１２が１層だけ介在す
るように、対向する板面の一方だけにアルミニウムクラ
ッド層１２が形成されているが、対向する板面の双方に
アルミニウムクラッド層を形成するようにしても勿論差
支えはなく、図３のビード板９、図４の折返し板８を両
面にアルミニウムクラッド層を備えたアルミニウムクラ
ッド金属板により形成することもできる。
おいてはアルミニウムクラッド層１２が１層だけ介在す
るように、対向する板面の一方だけにアルミニウムクラ
ッド層１２が形成されているが、対向する板面の双方に
アルミニウムクラッド層を形成するようにしても勿論差
支えはなく、図３のビード板９、図４の折返し板８を両
面にアルミニウムクラッド層を備えたアルミニウムクラ
ッド金属板により形成することもできる。
【００２４】本発明によるシリンダヘッド用金属ガスケ
ットは、上記した実施例（変形例）に限られず、種々の
変形が可能であり、殊に金属板の積層形式については広
汎な変形が可能である。図１及び図２に示すガスケット
に他のビード板、表面板、中間板等の金属板を積層する
こともできる。ビードも図示した丸形の凸状ビードに限
られず、台形ビード、段差ビード等であってもよく、ビ
ードの突出方向も適宜に変更可能である。また、液体通
路用孔周りのビードは、場合によっては、また場所によ
っては、これを省略することもできるし、ゴムシール層
の被着或は孔内周へのゴムシールリングの装着等に置換
することもできる。
ットは、上記した実施例（変形例）に限られず、種々の
変形が可能であり、殊に金属板の積層形式については広
汎な変形が可能である。図１及び図２に示すガスケット
に他のビード板、表面板、中間板等の金属板を積層する
こともできる。ビードも図示した丸形の凸状ビードに限
られず、台形ビード、段差ビード等であってもよく、ビ
ードの突出方向も適宜に変更可能である。また、液体通
路用孔周りのビードは、場合によっては、また場所によ
っては、これを省略することもできるし、ゴムシール層
の被着或は孔内周へのゴムシールリングの装着等に置換
することもできる。
【００２５】
【発明の効果】上記説明した通り、本発明のシリンダヘ
ッド用金属ガスケットはシール材層の機能を果たすアル
ミニウムクラッド層が従来のゴム、プラスチックによる
シール材層に較べて高い耐熱性を有するので、使用中の
劣化が少なく、またより高温まで使用できる。またアル
ミニウムクラッド板はアルミニウムクラッド層と素地金
属板とが強固に結合されているので、従来のゴム、プラ
スチックからなるシール材層のように使用中に剥離する
おそれはない。また、ビードに亀裂や割れを生じてへた
り、シール力を失う危険がない。すなわち、本発明のシ
リンダヘッド用ガスケットは耐久性に優れている。更
に、ガスケットが鋼板、ステンレス鋼板等にアルミニウ
ムをクラッドしたアルミニウムクラッド鉄板よりなると
きは、その熱膨張係数がアルミニウムと鉄との中間の値
となるので、アルミニウム製ヘッドと鉄製ブロックより
成るエンジン或はオールアルミニウム製エンジンに組付
けたとき、熱膨張によるズレが軽減されるという利点も
ある。
ッド用金属ガスケットはシール材層の機能を果たすアル
ミニウムクラッド層が従来のゴム、プラスチックによる
シール材層に較べて高い耐熱性を有するので、使用中の
劣化が少なく、またより高温まで使用できる。またアル
ミニウムクラッド板はアルミニウムクラッド層と素地金
属板とが強固に結合されているので、従来のゴム、プラ
スチックからなるシール材層のように使用中に剥離する
おそれはない。また、ビードに亀裂や割れを生じてへた
り、シール力を失う危険がない。すなわち、本発明のシ
リンダヘッド用ガスケットは耐久性に優れている。更
に、ガスケットが鋼板、ステンレス鋼板等にアルミニウ
ムをクラッドしたアルミニウムクラッド鉄板よりなると
きは、その熱膨張係数がアルミニウムと鉄との中間の値
となるので、アルミニウム製ヘッドと鉄製ブロックより
成るエンジン或はオールアルミニウム製エンジンに組付
けたとき、熱膨張によるズレが軽減されるという利点も
ある。
【図１】本発明の第一実施例の平面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線による断面図である。
【図３】本発明の第二実施例についてのＡ−Ａ線断面に
相当する断面図である。
相当する断面図である。
【図４】本発明の第三実施例についてのＢ−Ｂ線（図
１）断面に相当する断面図である。
１）断面に相当する断面図である。
【図５】第一実施例の変形例の断面図である。
１ アルミニウムクラッド金属板 １１ 素地金属板 １２ アルミニウムクラッド層 ２ 燃焼室用開口 ３ 液体通路用孔 ５ 厚肉部 ６及び７ ビード １０ ゴム、プラスチック薄膜
Claims (3)
- 【請求項１】 弾性を有する金属板からなり、燃焼室用
開口、液体通路用孔及びボルト挿通孔を備え、かつ、少
なくとも燃焼室用開口を囲繞しシールするビードを設け
た単板金属ガスケットにおいて、金属板が両面に厚さ５
０乃至２００μｍのアルミニウム層をクラッドしたアル
ミニウムクラッド金属板よりなることを特徴とするシリ
ンダヘッド用金属ガスケット。 - 【請求項２】 燃焼室用開口、液体通路用孔及びボルト
挿通孔を備えた弾性を有する金属板の複数枚を積層し、
少なくとも、燃焼室用開口を囲繞しシールするビードを
設けた積層金属ガスケットにおいて、シリンダブロック
及びシリンダヘッドの接合面に接する金属板外表面と、
各金属板間の互いに対向する板面の少なくとも一方と
に、厚さが５０乃至２００μｍのアルミニウムクラッド
層を設けたことを特徴とするシリンダヘッド用金属ガス
ケット。 - 【請求項３】 燃焼室用開口の周辺部以外の部分の全体
もしくは一部においてアルミニウムクラッド層上に耐熱
性のゴム、プラスチックの薄膜を被着したことを特徴と
する請求項１又は２記載のシリンダヘッド用金属ガスケ
ット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4507394A JPH07229564A (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | シリンダヘッド用金属ガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4507394A JPH07229564A (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | シリンダヘッド用金属ガスケット |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07229564A true JPH07229564A (ja) | 1995-08-29 |
Family
ID=12709172
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4507394A Pending JPH07229564A (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | シリンダヘッド用金属ガスケット |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07229564A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19829058A1 (de) * | 1998-06-29 | 2000-01-13 | Reinz Dichtungs Gmbh | Beschichtete Flachdichtung und Verfahren zum Herstellen einer beschichteten Flachdichtung |
| KR100247376B1 (ko) * | 1996-09-30 | 2000-05-01 | 이시카와 신이치로우 | 메탈개스킷 |
| EP1083371A2 (en) | 1999-09-08 | 2001-03-14 | Ishikawa Gasket Co. Ltd. | Cylinder head gasket with gas releasing portion |
| WO2004083690A1 (ja) * | 2003-03-17 | 2004-09-30 | Nippon Leakless Industry Co. Ltd. | シリンダーヘッド用メタルガスケット |
| JP2021038818A (ja) * | 2019-09-04 | 2021-03-11 | 日本メタルガスケット株式会社 | メタルガスケット及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-02-17 JP JP4507394A patent/JPH07229564A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100247376B1 (ko) * | 1996-09-30 | 2000-05-01 | 이시카와 신이치로우 | 메탈개스킷 |
| DE19829058A1 (de) * | 1998-06-29 | 2000-01-13 | Reinz Dichtungs Gmbh | Beschichtete Flachdichtung und Verfahren zum Herstellen einer beschichteten Flachdichtung |
| DE19829058C2 (de) * | 1998-06-29 | 2003-10-30 | Reinz Dichtungs Gmbh | Beschichtete Flachdichtung |
| EP1083371A2 (en) | 1999-09-08 | 2001-03-14 | Ishikawa Gasket Co. Ltd. | Cylinder head gasket with gas releasing portion |
| WO2004083690A1 (ja) * | 2003-03-17 | 2004-09-30 | Nippon Leakless Industry Co. Ltd. | シリンダーヘッド用メタルガスケット |
| EP1607662A1 (en) * | 2003-03-17 | 2005-12-21 | Nippon Leakless Industry Co., Ltd. | Metal gasket for cylinder head |
| EP1607662A4 (en) * | 2003-03-17 | 2007-05-02 | Nippon Leakless Ind Co Ltd | METAL STATIC SEAL SEAL FOR CYLINDER HEAD |
| JP2021038818A (ja) * | 2019-09-04 | 2021-03-11 | 日本メタルガスケット株式会社 | メタルガスケット及びその製造方法 |
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