JPH07229362A - 窓の開閉装置およびそれを用いた窓の一斉開閉装置 - Google Patents

窓の開閉装置およびそれを用いた窓の一斉開閉装置

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JPH07229362A
JPH07229362A JP6047769A JP4776994A JPH07229362A JP H07229362 A JPH07229362 A JP H07229362A JP 6047769 A JP6047769 A JP 6047769A JP 4776994 A JP4776994 A JP 4776994A JP H07229362 A JPH07229362 A JP H07229362A
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lever
opening
cam
sliding
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JP6047769A
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Kazuhiro Suzuki
和博 鈴木
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Nippon Cable System Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で、騒音が少なく、停止位置などの調節
が簡単で、防水対策が容易な、窓の開閉装置を提供す
る。 【構成】 窓部材3を昇降させるレバー12に、伝達機
構13を介して回転駆動部14を連結した窓の開閉装置
4の構成。前記伝達機構13は、回転方向に窓部材3の
スライドストロークと対応する遊びを介して開閉両方向
に係合する2枚の板カムを有し、回転駆動部14は互い
に平行に配置した一対の小型モータ、それらの軸にピニ
オンおよびギヤを介して連結される一対のウォームギ
ヤ、それらにより減速して回転駆動される1個のウォー
ムホイールとを備えている。 【効果】 エア駆動式の開閉装置に比して、軽量であ
り、騒音が少ない。またケーブル伝達式の装置に比し
て、モータとレバーの位置の対応関係が正確であり、そ
のため停止位置の制御などが容易である。さらに雨水な
どに対するシールが確実で簡単である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスライド窓の開閉装置、
それを用いた電動式スライド窓、および複数基のスライ
ド窓の一斉開閉装置に関する。さらに詳しくは、電車な
どの乗り物、またはビルなどの建物における窓、とくに
多数の窓を、緊急時脱出などのために一斉に開放操作す
るための窓の開閉装置および電動式スライド窓に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的な電車の窓は、たとえば図7のよ
うに、窓枠101を備えた本体102と、窓枠内を上下
にスライドする窓部材103と、窓部材103の昇降操
作をするための開閉装置104とからなる。なお窓部材
103の自重はバランサにより支持され、さらに適切な
ブレーキ手段により窓部材がずり落ちないようにされて
いる。そして従来の開閉装置104は、本体102の下
部にピン105で揺動自在に支持されるL字状のレバー
106と、そのレバーを揺動させるべく本体102の下
部に収容されたエアシリンダ107と、エアシリンダを
伸縮駆動するための3方電磁弁108とから構成されて
いる。さらにレバー106の先端に回動自在に設けられ
たローラ109を窓部材103の下端に設けたガイド1
10に係合させることにより、レバー106の回動を窓
部材103の直進運動に変換するようにしている。また
このものは各窓のエアシリンダ107を同時に伸縮操作
することにより、複数の窓を一斉に開閉操作できるほ
か、シリンダ入力用の前記電磁弁108を開放すること
により、レバー106の揺動位置に関わらず、乗客が自
由に窓の開閉操作をすることができる。
【0003】しかしこのような従来の開閉装置は、エア
シリンダ107を駆動するためのエアコンプレッサ、配
管、3方電磁弁、エアタンクなど、多数の重量がある部
品を必要とするので、近年、要請されている車体重量の
軽減化に対して妨げになる。ちなみに近年は、車輛のド
アの開閉についても、駆動をモータに変更するなど、電
動化による車体重量の軽減化が図られている。さらにエ
ア駆動の従来の開閉装置は操作感もよくなく、しかも手
動による窓の上下操作時および電磁弁108によるエア
回路の切替時にパスン・パスンという独特な音を生ずる
ため、乗客に耳障りであり、乗客がいる中では操作しに
くいといった問題がある。
【0004】そこで本出願人はエアシリンダに代えて、
ギヤードモータおよび減速機によってレバーを回転駆動
する窓の開閉装置を開発した(特願平4−175647
号)。このものは前記減速機の出力軸に、遊びを有する
特定の伝達機構を介してプーリを連結し、そのプーリで
一対のプルコントロールケーブルを往復循環駆動させる
ことにより、それらのプルコントロールケーブルに連結
した前記レバーを往復揺動させるようにしている。この
ものは比較的嵩張るモータおよび減速機関係をレバーか
ら離して配置できるなどの利点がある反面、ケーブルの
配索がかえってシステムレイアウトの自由を奪う、防水
対策が困難である、といった問題がある。また、モータ
駆動部とレバーとの間にストロークロスが避けられない
コントロールケーブルを介在させているので、とくに制
御関係に関し、設計や調節が難しいという問題がある。
たとえば前記開閉装置ではアウタ(導管)の反力を利用
してスイッチを入り切りするようにしているが、バネの
強さを窓の自重、スライド抵抗の大きさなどに合わせて
逐一設定しなければならない。さらにレバーなどの位置
の検出にカムとマイクロスイッチを利用しているので、
完全に停止させるには微妙な調整が必要である。またケ
ーブルを用いていることから、アウタ内を通ってくる水
滴がプーリまで伝わってくるので、マイクロスイッチな
どの電気部品に対する防水対策が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来のエ
アシリンダ駆動式、あるいはケーブル連結式の窓の開閉
装置の問題を解消し、部品重量が軽く、とくに制御関係
の設計や調節が簡単で、防水対策が容易な窓の開閉装置
を提供することを技術課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の窓開閉装置は、
窓枠を有する本体と、前記窓枠にスライド自在に取りつ
けられる窓部材とからなるスライド式の窓を開閉するた
めの装置であって、前記本体に対し、窓と平行の面内で
揺動自在に取りつけられ、その自由端側で前記窓部材を
スライド駆動するレバーと、前記本体におけるレバーの
基部の近辺に取りつけられ、前記レバーと同心ないし平
行の軸心廻りに前記窓部材のストロークの少なくとも2
倍に対応する角度を往復回転する出力部材を有する、モ
ータ駆動による薄型の回転駆動部と、その回転駆動部の
出力部材とレバーの基部との間に介在され、少なくとも
窓部材のストロークに対応する角度の遊びを許しながら
双方向の回転を伝達するべく両者を係合する伝達機構と
から構成されている。
【0007】前記回転駆動部は、前記出力部材となるウ
ォームホイールと、そのウォームホイールに噛み合う一
対のウォームギヤと、それらのウォームギヤをそれぞれ
駆動するための小型モータとから構成し、ウォームホイ
ールおよび一対の小型モータを、それぞれ前記窓と平行
の面内に回転中心を有するように設置するのが好まし
い。また前記伝達機構は、扇形の係合突起を備えた第1
カムと、その第1カムと同心状に設けられ、係合突起の
開き角度よりも前記遊びに対応する角度だけ大きい開き
角度を有する扇形の係合凹部を備えた第2カムとから構
成するのが好ましい。そのような伝達機構においては、
前記第1カムがレバーの基部に固定した支持軸の一端に
固定され、前記第2カムがその支持軸上に回動自在に設
けられると共に、第2カムと出力部材とが減速ギヤを介
して連結されているものが好ましい。
【0008】さらに本発明の装置では、前記回転駆動部
のモータの軸に回転数を検出する検出要素を設け、その
検出要素の出力によってモータの停止位置、ひいてはレ
バーの停止位置を制御するのが好ましく、それにより正
確な制御ができる。
【0009】本発明の電動式スライド窓は、上下方向に
スライドさせる窓部材と、その窓部材を駆動する前記い
ずれかの開閉装置を備え、さらに窓部材の重量を支持す
るバランサないしブレーキを備えている。また前記窓部
材にスライド方向と交差する方向のガイドを設け、前記
レバーの自由端にそのガイドによって案内される要素を
回転自在に設けることができる。
【0010】本発明の窓の一斉開閉装置は、複数基のス
ライド式の窓を一斉に開閉操作するための装置であっ
て、それぞれのスライド窓に前記のいずれかの開閉装置
を設け、前記それぞれの窓の回転駆動部を同調制御し、
通常時は窓を閉じる位置または開く位置まで回転駆動部
を一斉に回転させた後、前記遊び分だけ逆転した中間位
置で待機させ、緊急時には一斉に窓を開放または閉鎖す
る位置まで回転させる制御機構を設けたものである。
【0011】
【作用】モータ駆動により窓を閉じる場合は、モータを
一方向に回転駆動し、回転駆動部の出力部材を一方向に
回転させる。それにより伝達機構の入力側が回転し、そ
の方向で出力側との間に遊びがある場合、すなわち窓が
いくらか閉じている場合は遊びがなくなる位置まで空回
りして出力側に係合する。そしてその後、出力側を回転
させる。閉じる方向で遊びがない場合、すなわちもとも
と窓が完全に開いている場合は、入力側が最初から出力
側に係合しており、そのまま閉じる方向に回転させる。
いずれの場合も出力側の回転によりレバーが窓を閉じる
方向に揺動し、窓部材をスライドさせて窓を閉じる。そ
して窓が閉じた時点でモータを停止させる。この窓が閉
じている状態では、伝達機構の回転方向における遊びが
ないので、モータの回転角度とレバーの角度、ひいては
窓部材のスライド位置とは精度の高い1対1の対応関係
がある。
【0012】前記窓を閉じる方向の遊びがなくなった状
態では、逆に閉じる方向に窓部材のストロークに対応す
る遊びが生じている。そのため窓が閉じた後、モータを
窓部材のストロークに対応する角度だけ逆方向に回転さ
せると、その方向では遊びがあるので、伝達機構の出力
側およびレバーをその位置に残したまま、すなわち窓を
閉じた状態にしたまま伝達機構の入力側だけが戻る。こ
の状態では閉じ方向の遊びがなくなっており、開き方向
に窓部材のストロークに相当する遊びが生じている。し
たがって乗客などは、回転駆動部に邪魔されることな
く、自由に手動で窓部材をスライド操作して窓を開いた
り、閉じたりすることができる。
【0013】モータ駆動で窓を開く場合は、モータによ
り出力部材を逆方向に回転させる。そのとき、伝達機構
の入力側と出力側の閉じ方向に係合部間に遊びがあると
き、すなわち乗客の操作により窓がいくらか、あるいは
完全に開いている場合は、その遊びがなくなるまで空回
りし、出力側に係合してからレバーを窓の開放方向に回
動させ、完全に窓を開く。また、もともと窓が完全に開
いている場合は、最初から出力側に係合した状態でレバ
ーを回動させる。なお窓を閉じる場合と同じように、モ
ータで窓を開いた後、さらにモータを窓を閉じる方向に
窓部材のストローク分だけ回転させ、その後の乗客など
による手動操作に備えるようにしてもよい。
【0014】本発明の窓の開閉装置は窓が1基だけの場
合でも採用しうるが、電車や建物の窓のように、多数の
窓がある場合には、各窓のモータの制御を同時に行うこ
とができる。このものが本発明の一斉開閉装置である。
このものは車輛に冷房または暖房を入れる場合、車庫に
回送する場合、あるいは車体を洗浄する場合などに、乗
務員の操作で多数の窓を一斉に閉じることができ、また
非常時における乗客の緊急脱出などのために窓を一斉に
開放することができる。そして通常時は乗客が各窓ごと
に自由に手動で窓を開閉し、任意の開き状態とすること
ができる。
【0015】前記回転駆動部を、出力部材に連結される
1個のウォームホイールと2個のウォームギヤおよび小
型モータとから構成するときは、出力軸の方向の厚さを
薄くすることができる。そのため回動駆動部の一部がレ
バーと重なるように配置しても、全体を窓本体に容易に
組み込むことができる。伝達機構を扇状の係合突起を有
する第1カムと扇状の係合凹部を有する第2カムとから
構成するときは、伝達機構の厚さを薄くすることがで
き、係合が確実になり、さらに係合部分の面積を広くす
ることができるので好ましい。前記第1カムをレバーの
基部に固定した支持軸に固定し、第2カムをその支持軸
の上に回動自在に設けるときは、一層全体をコンパクト
に構成しうる。
【0016】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明の窓の開閉
装置を説明する。図1は本発明の窓の開閉装置を備えた
スライド窓の一実施例を示す一部切り欠き正面図、図2
は本発明に関わる回転駆動部および伝達機構の一実施例
を示す正面図、図3は図2のIII-III 線断面図、図4は
図3における伝達機構の分解斜視図、図5a〜cは図2
の伝達機構とレバーの動きの関係を示す正面図、図6a
〜bは本発明の窓の一斉開閉装置の動作を説明する正面
図である。
【0017】図1に示すスライド窓Wは、窓枠1を有す
る本体2と、窓枠1内を上下方向に移動する窓部材3
と、その窓部材3を昇降駆動する開閉装置4とからな
る。窓枠1の左右の桟の内部には上下方向に伸びる一対
のレール5が設けられ、窓部材3はそれらのレール5に
よってガイドされ、下降時には本体2の下部の袋状の収
納部6に収納される。なお窓部材3の昇降ストロークは
スライド窓Wの全体を開くものでなくてもよい。さらに
窓部材3はその両側部に設けられるスパイラルブレーキ
7を介してレール5の内部に設けたバランススプリング
8によって支持される。これらのスパイラルブレーキ7
およびバランススプリング8は、適切な摺動摩擦抵抗を
与えて窓部材3の重量をバランスし、開閉装置4が上向
きに付勢していない状態でも窓部材3が自重で下がらな
いようにするためのものである。
【0018】前記開閉装置4は本体2内に回転自在に設
けられる支持軸11の一端に固定されたレバー12と、
その支持軸11を伝達機構13を介して駆動するための
回転駆動部14とからなる。レバー12の自由端にはロ
ーラ15ないしスライド片が回転自在に取りつけられ、
窓部材3の下部に左右に延びるように設けたガイド16
内に係合されている。それによりレバー12が揺動する
と、窓部材3が昇降する。つぎに図2および図3を参照
して開閉装置4の要部を説明する。
【0019】図2において符号17はケース本体であ
り、図3に示す蓋体18と共にケースを構成する。開閉
装置4は、前記レバー12を除いてその直方体状のケー
ス内に収容されている。ケース本体17内には、ベース
プレート20が収容されており、そのベースプレート2
0は図3に示すように、ケース本体17と共にスライド
窓の本体2にビス19とナット19aとで固定される。
またベースプレート20の一端には立ち上がり部21が
設けられ、その立ち上がり部に2個一対の小型モータM
1、M2が互いに平行に取りつけられている。各モータ
M1、M2の軸はベースプレート20に平行であり、そ
の軸端にはピニオン22a、22bが取りつけられてい
る。それらのピニオン22a、22bは減速用のギヤ2
3a、23bと噛み合っている。減速用のギヤ23a、
23bは、それぞれスラスト軸受け24、ラジアル軸受
け25およびラジアルスラスト軸受け26によって支持
される一対のウォームギヤ27a、27bの軸端に固定
されている。
【0020】それらの一対のウォームギヤ27a、27
bは同形状であり、モータM1、M2は互いに逆方向に
回転するようにされている。また前記ベースプレート2
0に対して直角方向に第1軸受け28が固定されてお
り、その第1軸受け28が短軸29を回転自在に支持し
ている(図3参照)。そしてその短軸29の一部にウォ
ームホイール30が固定され、そのウォームホイール3
0の両側、すなわち回転中心に対して対称の位置に、前
記ウォームギヤ27a、27bが配置され、ウォームホ
イール30と噛み合っている。したがって一対のモータ
M1、M2が逆方向に回転することにより、一緒になっ
てウォームホイール30を同じ方向に回転させる。さら
に短軸29の軸端には、セレーション(小ギヤ)31が
形成され、そのセレーション31と大ギヤ32とが噛み
合っている。
【0021】図3に示すように、前記ベースプレート2
0には、前記短軸29を支持する第1軸受け28のほか
に、レバー12を固定している支持軸11を支持する第
2軸受け34がそれぞれ直角に固定されており、第1軸
受け28には前記短軸29が回転自在に挿入されてい
る。またその短軸29上には前記ウォームホイール30
が設けられ、セレーション31の延長部によって短軸2
9と一体に回転するように固定されている。また第2軸
受け34には、前述の支持軸11が回動自在に挿入され
ており、支持軸11の一端にはレバー12を固定するた
めのセレーション35が形成されている。また支持軸1
1の他端には細くされた部分36が設けられ、その部分
36に比較的薄い円板状の第1カム37が固定されてい
る。そして第1カム37の周囲に同じ厚さの円板状の第
2カム38が回動自在に嵌合されている。さらに第1カ
ム37および第2カム38と前記第2軸受け34との間
には、前記大ギヤ32が支持軸11上に回転自在に支持
されるように装着されている。またその大ギヤ32の側
面に、前記第2カム38がピン39により固定されてい
る。
【0022】第1カム37は図2に示すように、ほぼ9
0°の広がり角度θ1を有する扇状の係合突起40を有
し、第2カム38にはその係合突起40より広い広がり
角度θ2を有する係合凹部41が形成されている。すな
わち係合凹部41の広がり角度θ2は係合突起40の広
がり角度θ1より窓部材3のスライドストロークに対応
する角度θ3だけ大きい。それにより第1カム37と第
2カム38とは、角度θ3の回転方向の遊びを残して互
いに係合する。図4は上記支持軸11に固定した第1カ
ム37と大ギヤ32に固定した第2カム38との関係
を、分かりやすく示すものである。なお図3における符
号42は、短軸29の先端を回転自在に支持するべく蓋
体18に一体に形成された軸受け部であり、符号43は
ケース本体17と蓋体18との間に介在されるパッキン
である。また符号44は支持軸11とケース本体17と
の間に介在されるオイルシールである。
【0023】さらに図2における符号45はモータM1
の軸に固定された回転ディスクであり、46は回転ディ
スク45に形成された貫通孔47を検出する検出器であ
るフォトマイクロセンサである。そのフォトマイクロセ
ンサ46はモータM1の回転数をカウントし、それによ
りレバー12を所定の位置に停止させるために使用され
る。
【0024】図2および図3に示す開閉装置4におい
て、小型モータM1、M2、ピニオン22a、22b、
減速用のギヤ23a、23b、ウォームギヤ27a、2
7bおよびウォームホイール30は回転駆動部14を構
成している。またセレーション31、大ギヤ32、第2
カム38および第1カム37は伝達機構13を構成して
いる。その場合、ウォームホイール30が回転駆動部1
4の出力部材である。なおモータM1、M2から大ギヤ
32までを回転駆動部と考えてもよく、その場合は大ギ
ヤ32が出力部材となり、第1カム37および第2カム
38のみが伝達機構となる。いずれにしてもモータM
1、M2から大ギヤ32および第2カム38までは、ギ
ヤのバックラッシュを別にすれば一律に角度が対応して
おり、ピニオン22a、22bと減速用のギヤ23a、
23bとで歯数の比に応じてモータの回転を1段減速
し、ウォームギヤ27a、27bとウォームホイール3
0、さらにセレーション(小ギヤ)31と大ギヤ32と
でさらに2段階で減速し、全体として3段で減速してい
る。なお第1カム37とレバー11とは回転角度が同じ
である。
【0025】つぎに図5a〜cを参照して上記のごとく
構成される開閉装置4における伝達機構13の作用を説
明する。いま簡単のために、図5aに示すように第1カ
ム37の係合突起40とレバー12とが同じ角度位置に
あるとする。この状態でレバー12は窓部材3をもっと
も下降させた位置、すなわちスライド窓Wが開いている
位置Q1にある。そして第1カム37を駆動すべき第2
カム38はもっとも時計方向に回転した位置、強制開放
位置P1にある。この場合、係合凹部41の左の端面
(窓を閉じる側の端面)48が係合突起40の左の端面
49と係合し、右側の端面(窓を開く側の端面)50、
51同士の間には角度θ3の遊び53が生じている。こ
の状態ではウォームホイールとウォームギヤの噛み合い
による拘束作用により、外部から窓を閉じることはでき
ない。
【0026】この状態からモータM1、M2を回転させ
て第2カム38を反時計方向(矢印S1)に回転させる
と、係合凹部41の右の端面50が係合突起40の右の
端面51に当接するまでは第2カム38のみが回転し、
第1カム37、ひいてはレバー12は回転しない。そし
てその後、さらに同じ方向に回転すると、係合凹部41
と係合突起40の右の端面50、51同士の係合によ
り、第1カム37が同じ方向に回転させられる(図5b
参照)。そしてレバー12を窓が閉じる位置Q2まで回
転させたとき(矢印S2)、フォトマイクロセンサ(図
2の46)からの信号によりそのことを検出した制御部
から、モータを停止させる信号が出され、あるいはモー
タを回転させる信号が止められ、モータが停止する。こ
の位置P2は第2カム38についての強制閉鎖位置であ
り、同じく外部から窓を開けることができない。
【0027】ついでこの状態からモータを逆方向に回転
させ、第2カム38のみを約45°だけ時計方向に戻す
(矢印S3、図5c参照)。この状態では係合凹部41
および係合突起40の右側の端面(窓を閉じる側の端
面)50、51同士の間に遊び53が生じている。その
ためレバー12は時計廻りの回動が拘束されておらず、
外部から、たとえば乗客などが手動で自由に窓部材を昇
降させることができる。このときの第2カム38の位置
P3はいわば手動開閉位置である。そのため乗客の意志
により窓を開けたり、閉じたり、あるいは任意の高さま
で開いたりすることができる。
【0028】この状態から火事などの緊急事態が発生
し、乗務員の判断で窓を強制的に開く必要が生じたとき
は、モータを駆動して第2カム38を時計方向に、図5
aの強制開放位置P1まで回転させる。それにより窓部
材がどの高さにある場合でも、強制的に窓を開放するこ
とができる。すなわち窓が閉じている場合は最初から係
合凹部と係合突起の左側の端面48、49同士が係合
し、窓が途中まで開いているときは係合凹部が途中から
係合突起に係合し、第1カム37を窓の開放位置Q1ま
で回転させる。なお最初から開いている場合は強制開放
位置P1に達したときに初めて係合凹部と係合突起が係
合する。このようにして乗客は窓の開き方にまごついた
りせずに、直ちに開いている窓から避難することができ
る。
【0029】なお車輛に暖房や冷房を入れる場合、ある
いは車輛を洗車する場合のように、乗務員の操作で窓を
閉じる場合は、前述とは逆に、モータ駆動により第2カ
ム38を強制閉鎖位置P2まで回転させればよい。
【0030】図6aおよび図6bは前記の窓開閉装置4
を電車や建物のような、多数のスライド窓Wを備えたも
のに適用した例を示している。図6aは前述の手動開閉
位置P3に設定した状態であり、それぞれの窓Wの近く
にいる乗客などが自由に窓を開閉することができ、その
ため窓部材3の開き高さはまちまちである。この状態か
らモータを駆動して第2カム38を強制開放位置P1ま
で時計方向(矢印S2)に回転させることにより、すべ
ての窓Wを一斉に開放させることができる(図6b)。
また前記強制閉鎖位置P2まで時計方向(矢印S1)に
回転させれば、すべての窓Wを一斉に閉じることができ
る(図示されていない)。
【0031】上記のごとく本発明の窓の開閉装置はモー
タ駆動により強制的に開閉操作をすることができ、かつ
所定の操作により窓部材を外部から自由に開閉できるよ
うにすることができる。さらにエアシリンダを採用して
いないので、重量が軽く、運転音が静かである。またモ
ータとレバーの途中にコントロールケーブルを介在させ
ていないので、少なくとも窓を開いた位置および閉じた
位置ではモータの回転数とレバーの角度とが正確に一対
一の関係を維持しており、そのためモータの回転数を検
出し、それに基づいてモータの回転・停止を制御するこ
とにより、レバーの停止位置、ひいては窓部材の停止位
置を正確に制御することができる。そしてそのような回
転数検出要素を採用することにより、装置全体を一層コ
ンパクトにすることができる。またケースの内外を貫通
しているのが回転する支持軸だけであるので、防水対策
もシールリングなどできわめて容易に、かつ確実に達成
することができる。
【0032】前記の実施例においては、いずれのスライ
ド窓においても窓部材が上下に昇降しているが、本発明
の窓の開閉装置は上下に配置した窓部材を左右にスライ
ドさせる引き戸式のスライド窓、あるいは水平方向ない
し斜め方向に配置した窓部材を前後に開閉するものな
ど、種々のスライド窓に適用することができる。またレ
バーと窓部材との連結は、たとえばレバーと窓部材とを
リンクで連結するなど、レバーの先端の円弧状の運動を
窓部材の直進往復運動に変換するものであれば、いずれ
の機構を採用することもできる。さらに前記実施例では
小型モータおよびウォームギヤをそれぞれ一対ずつ平行
に配列することにより装置の厚さを薄くしているが、そ
れぞれ1個ずつ、あるいは3個以上用いるようにしても
よい。また前記実施例ではウォームギヤおよびウォーム
ホイールの組み合わせを中心とする3段減速の減速機を
採用しているが、2段減速、あるいは1段減速のもので
もよい。たとえばウォームホイールに係合凹部ないし係
合突起を設け、ウォームホイールを伝達機構の入力側と
して利用することができる。
【0033】さらに本発明の装置における回転駆動部に
おいて、ウォームギヤおよびウォームホイールの減速機
のほか、多段ギヤ式、遊星ギヤ式、スパイラルギヤ式、
カサ歯車式の減速機など、種々のギヤ式減速機を単独
で、あるいは組み合わせて採用することができる。また
前記実施例では伝達機構の入力側に係合凹部を有する第
2カムを採用し、出力側に係合突起を有する第1カムを
採用しているが、入力側に係合突起を用い、出力側に係
合凹部を採用してもよい。また第1カムと第2カムを同
一平面内で回転させているが、軸方向にずらせると共
に、係合凹部または係合突起のいずれか一方または両方
を軸方向に突出させるようにしてもよい。また係合突
起、係合凹部の形状は扇状に限られるものではなく、矩
形状あるいは円弧状など、種々の形態のものを採用する
ことができる。また、係合突起と係合凹部の係合の他、
たとえばゼネバギヤによる係合など、入力側を停止させ
た状態で出力側を回転させうる遊びを有する双方向の係
合機構であれば、いずれも採用することができる。
【0034】また回転駆動部の途中、あるいは伝達機構
の途中に、ゴムないし軟質合成樹脂などからなるダンパ
を介在させるようにしてもよい。なお前記実施例では、
モータの軸に回転ディスクを固定し、ケースないしベー
スプレートにフォトマイクロセンサを固定してモータの
回転数を検出する要素を構成しているが、磁気抵抗素子
など、他の無接触式あるいは接触式の回転数検出要素を
採用することもできる。
【0035】
【発明の効果】本発明の窓の開閉装置、電動スライド窓
および窓の一斉開閉装置は、モータ駆動を採用している
ので、エアシリンダを用いる場合のような重量のある各
種の部品が不要で、装置全体を軽量にすることができ、
さらにエア回路の切替時などに生ずる騒音がなく、運転
音が静かである。またモータからレバーまで実質的にギ
ヤのみで連結しているので、コントロールケーブルを介
在させた場合に比して制御関係の設計や調節が簡単であ
り、また防水対策が取りやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窓の開閉装置を備えたスライド窓の一
実施例を示す一部切り欠き正面図である。
【図2】本発明に関わる回転駆動部および伝達機構の一
実施例を示す正面図である。
【図3】図2のIII-III 線断面図である。
【図4】図3における伝達機構の分解斜視図である。
【図5】図5a〜cは図2の伝達機構の状態とレバーの
動きの関係を示す正面図であり、図5aは第2カムが強
制開放位置にある状態、図5bは強制閉鎖位置にある状
態、図5cは手動開閉位置にある状態をそれぞれ示して
いる。
【図6】図6a〜bは本発明の窓の一斉開閉装置の一実
施例を示す動作説明図であり、図6aはすべての窓を手
動開閉可能にした状態、図6bはすべての窓を強制開放
した状態をそれぞれ示している。
【図7】従来の窓の開閉装置の一例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
W スライド窓 1 窓枠 2 本体 3 窓部材 4 開閉装置 11 支持軸 12 レバー 13 伝達機構 14 回転駆動部 M1 小型モータ M2 小型モータ 27a ウォームギヤ 27b ウォームギヤ 30 ウォームホイール 37 第1カム 38 第2カム 45 回転ディスク 46 フォトマイクロセンサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窓枠を有する本体と、前記窓枠にスライ
    ド自在に取りつけられる窓部材とからなるスライド式の
    窓を開閉するための装置であって、前記本体に対し、窓
    と平行の面内で揺動自在に取りつけられ、その自由端側
    で前記窓部材をスライド駆動するレバーと、前記本体に
    おけるレバーの基部の近辺に取りつけられ、前記レバー
    と同心ないし平行の軸心廻りに前記窓部材のストローク
    の少なくとも2倍に対応する角度を往復回転する出力部
    材を有する、モータ駆動による薄型の回転駆動部と、そ
    の回転駆動部の出力部材とレバーの基部との間に介在さ
    れ、少なくとも窓部材のストロークに対応する角度の遊
    びを許しながら双方向の回転を伝達するべく両者を係合
    する伝達機構とからなる窓の開閉装置。
  2. 【請求項2】 前記回転駆動部が、前記出力部材となる
    ウォームホイールと、そのウォームホイールに噛み合う
    一対のウォームギヤと、それらのウォームギヤをそれぞ
    れ駆動するための小型モータとからなり、ウォームホイ
    ールおよび一対の小型モータが、それぞれ前記窓と平行
    の面内に回転中心を有する請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記伝達機構が、扇形の係合突起を備え
    た第1カムと、その第1カムと同心状に設けられ、係合
    突起の開き角度よりも前記遊びに対応する角度だけ大き
    い開き角度を有する扇形の係合凹部を備えた第2カムと
    を備えている請求項1または2記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記第1カムがレバーの基部に固定した
    支持軸の一端に固定され、前記第2カムがその支持軸上
    に回動自在に設けられると共に、第2カムと出力部材と
    が減速ギヤを介して連結されている請求項3記載の装
    置。
  5. 【請求項5】 前記回転駆動部のモータの軸に、回転数
    を検出する検出要素が設けられており、その検出要素の
    出力によってレバーの停止位置を制御する請求項1、
    2、3または4記載の装置。
  6. 【請求項6】 窓枠を有する本体と、前記窓枠にスライ
    ド自在に取りつけられる窓部材とからなるスライド式の
    窓と、前記窓部材をスライド駆動するための請求項1、
    2、3、4または5記載の開閉装置とを備えており、前
    記スライド式の窓が上下方向に窓部材をスライドさせる
    ものであり、かつ窓部材の重量を支持するバランサない
    しブレーキを備えている電動式スライド窓。
  7. 【請求項7】 窓枠を有する本体と、前記窓枠にスライ
    ド自在に取りつけられる窓部材とからなるスライド式の
    窓と、前記窓部材をスライド駆動するための請求項1、
    2、3、4または5記載の開閉装置とを備えており、前
    記窓部材にスライド方向と交差する方向のガイドが設け
    られ、前記開閉装置におけるレバーの自由端に、そのガ
    イドによって案内される要素が回転自在に設けられてい
    る電動式スライド窓。
  8. 【請求項8】 複数基のスライド式の窓を一斉に開閉操
    作するための装置であって、それぞれのスライド窓に設
    けられる請求項1、2、3、4または5記載の開閉装置
    と、前記それぞれの窓の回転駆動部を同調制御し、通常
    時は窓を閉じる位置または開く位置まで回転駆動部を一
    斉に回転させた後、前記遊び分だけ逆転した中間位置で
    待機させ、緊急時には一斉に窓を開放または閉鎖する位
    置まで回転させる制御機構とを備えている窓の一斉開閉
    装置。
JP6047769A 1994-02-21 1994-02-21 窓の開閉装置およびそれを用いた窓の一斉開閉装置 Pending JPH07229362A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7644664B2 (en) 2003-12-26 2010-01-12 Murata Kikai Kabushiki Kaisha Track guided vehicle system
JP2011256980A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Mitsubishi Electric Corp 減速装置

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US7644664B2 (en) 2003-12-26 2010-01-12 Murata Kikai Kabushiki Kaisha Track guided vehicle system
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