JPH0434669B2

JPH0434669B2 -

Info

Publication number: JPH0434669B2
Application number: JP59249981A
Authority: JP
Inventors: Wataru Mihashi; Koji Kaminaka; Kaname Kotani
Original assignee: Nabco Ltd
Current assignee: Nabco Ltd
Priority date: 1984-11-26
Filing date: 1984-11-26
Publication date: 1992-06-08
Also published as: US4599824A; JPS61130588A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、非常時に手動で開放できる機能を
有する開戸自動開閉装置に関する。

〔従来の技術〕

周知のように、建造物の出入口に設置される自
動扉の開戸自動開閉装置には、火災や地震等の非
常時の緊急脱出用のために、通常の開戸方向とは
異なる方向に手動で開放することができると共
に、出入口を通過後は開放時に貯えたバネの弾力
によつて閉鎖位置へ自動的に復帰できるような機
構を備えた構造のものがある。

このような具体的従来例としては、米国特許第
4333270号公報に開示されるものがある。この従
来例の特徴とするところを、第８図に基づいて説
明する。

自動扉が設置される建造物の出入口の上方に設
けられた図外の開戸自動開閉装置の枠体１５内に
は、支持枠４０が設けられている。この支持枠４
０内には、ガイドレール４１によつて図で左右方
向の移動自在なラツク４２が設けられており、
又、該ラツク４２と噛み合うピニオン４３は、図
外の電動機から伝達される回転力によつて回転駆
動する作動軸３に固定されている。前記支持枠４
０の端部には、筒体４４の一端側が第１スリーブ
４５を介して連結されている。この筒体４４内に
おいて、一端側に第２スリーブ４６及びばね止め
フランジ４７を外嵌し、他端側に中空ロツド４８
を係合可能にしたロツド４９が、前記ラツク４２
に螺着されていて、ラツク４２と共に移動自在と
なつている。更に、前記中空ロツド４８は、筒体
４４の他端側に設けた蓋５０に一端側を固定され
他端側を筒体４４内に突出している小ロツド５１
に外嵌している。更に、中空ロツド４８はロツド
４９と係合する側と反対側の端部外周に螺着した
ナツト５２及び蓋５０に一端側を密着した第３ス
リーブ５３の２つに当接するばね止めフランジ５
４を外嵌している。そして、２つのばね止めフラ
ンジ４７，５４を互いに反対側へ押圧するよう
に、ロツド４９及び中空ロツド４８に外嵌して、
ばね５５がこれら２つのばね止めフランジ４７，
５４間に介在している。

このような構成からなる従来装置の作用につい
て説明すると、作動軸３に直接連結されるか又は
回転伝達装置を介して連結された図外の開戸の回
転軸が、制御装置からの開指令に基づいて電動機
の電源スイツチが入れられることによつて作動軸
３と共に矢印Ａ方向へ回転すると、該作動軸３に
固定したピニオン４３も同方向へ回転するので、
このピニオン４３と噛み合つているラツク４２及
び該ラツク４２と連結しているロツド４９は、図
で左方向すなわち矢印A′方向へ移動する。この
移動に伴いロツド４９に外嵌し且つ２つのばね止
めフランジ４７，５４の間に介在しているばね５
５は、ロツド４９と共に一方のばね止めフランジ
５４がもう一方のばね止めフランジ４７方向へ移
動するために圧縮される。そして、制御装置から
の閉指令に基づいて電動機の電源スイツチが切断
されることによつて、電動機の回転が自由になる
と、圧縮されたばね５５の反発力によつてロツド
４９が図で右方向すなわち矢印B′方向へ移動す
るのに伴いラツク４２と噛み合うピニオン４３及
び作動軸３は矢印Ｂ方向へ回転して、開戸を自動
閉鎖する。

次に火災や地震等の非常時の緊急脱出の際に
は、開戸に接近して手で開戸を押し開けることに
なるが、このときは前記通常の開戸の開方向すな
わち作動軸３の回転方向が矢印Ａ方向ではなく逆
の閉方向すなわち矢印Ｂ方向となる。これに伴い
ラツク４２は図で右方向すなわち矢印B′方向へ
移動するので、このラツク４２と連結しているロ
ツド４９も右方向へ移動する。この結果、前記と
同様に２つのばね止めフランジ４７，５４は相接
近するためにばね５５は圧縮される。そして、出
入口を通り抜けた後に押し開けた開戸から手を離
すと、ばね５５の反発力によつてロツド４９が図
で左方向すなわち矢印A′方向へ移動するのに伴
いラツク４２と噛み合うピニオン４３及び作動軸
３は矢印Ｂ方向へ回転して、開戸を自動閉鎖す
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

一般に自動扉は建物外部と内部との出入口や廊
下と部屋との出入口などいろいろな場所に取付け
られる。

ところが、前者の場合において、上述の従来例
では開戸は外部より風圧を受けるため、この風圧
による開戸の振動を防止しようとすると、比較的
ばね力の強いばねを使用しなければならない。こ
の場合、前記したようにばねは一種類しかないた
めに電動機によつてばねを圧縮しながら開戸を開
方向に回転させる力と手で開戸を押してばねを圧
縮しながら開戸を開方向に回転させる力が等しく
なる結果、非常時にもこのばね力の強いばねに打
ち勝つだけの手動力でもつて開戸を解放しなけれ
ばならなかつた。しかしながら、このような非常
時においては、手動力をできるだけ小さくするの
が安全上好ましい。したがつて、ばね力の設定に
おいて、通常時の風圧等に耐えるだけのばね力と
非常時のできるだけ小さなばね力とで相矛盾する
問題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は前記事情に鑑みて、通常時の開閉時
に作用するばねのばね力と、その非常時の手動開
閉時に作用するばねのばね力とを、その自動扉の
設置場所によつてそのばね力を自由に選択できる
ような開戸自動開閉装置を提供することを目的と
し、その具体的技術的手段とするところは、電動機の駆動軸と減速機を介して連結した作動
軸に固定したチエーンスプロケツトと、該チエー
ンスプロケツトに巻回噛合すると共に一端側を第
１ロツドの先端と連結し他端側を第２ロツドの先
端と連結したチエーンと、前記第１ロツドと該第
１ロツドの後端に固定した第１フランジを内部に
収納した第１筒体と、該第１筒体内において前記
第１ロツドに外嵌すると共に前記第１フランジを
チエーンスプロケツトと反対側へ押圧する第１ば
ねと、前記第２ロツドと該第２ロツドの後端に固
定した第２フランジを内部に収納した第２筒体
と、該第２筒体内において前記第２ロツドに外嵌
すると共に前記第２フランジをチエーンスプロケ
ツトと反対側へ押圧する第２ばねから構成したと
ころにある。

〔作用〕

上記技術的手段によるこの発明によると、まず
原動機のスイツチが入ることによつて駆動軸の回
転が減速機で減速されてトルクを強めて作動軸に
伝達される。この作動軸の回転に伴い開戸が開く
と同時に作動軸に固定されたチエーンスプロケツ
トも回転するので、このチエーンスプロケツトに
巻回噛合したチエーンもチエーンスプロケツトと
共に回転して、第１ロツドをチエーンスプロケツ
ト方向へ引つ張る。すると、第１フランジをチエ
ーンスプロケツトと反対方向へ押圧している第１
ばねはその弾力に抗して圧縮される。電動機の電
源スイツチが切断されると、この一層圧縮された
ばねの反発力によつて第１フランジ及び第１ロツ
ドを介してチエーンがチエーンスプロケツトと反
対側へ回転するのでこのチエーンスプロケツトに
固定している作動軸も同方向へ回転して開戸を閉
じる。

次に、非常時に前記電動機による開戸の開方向
と反対側へ手で押して開戸を開放すると、作動軸
が前記とは反対方向へ回転するので、チエーンス
プロケツトに巻回噛合したチエーンは第２ロツド
をチエーンスプロケツト方向へ引つ張る。すると
前記と同様に第２フランジをチエーンスプロケツ
トと反対方向へ押圧している第２ばねはその弾力
に抗して圧縮されるが、この第２ばねのばね力を
第１ばねのばね力より小さくしておくことによつ
て、前記電動機による開戸の開放時より少ない力
で開放することができる。尚、第１ロツド又は第
２ロツドのうちの一方がチエーンによつてチエー
ンスプロケツト側へ引つ張られている時には、他
方の第２ロツド又は第１ロツドは静止状態にある
ために、これら第２ロツド又は第１ロツドに外嵌
している第２ばね又は第１ばねのばね力は全く作
用しない。又、この第２ロツド又は第１ロツドと
連結しているチエーンは、チエーンスプロケツト
の間においてたるんだ状態にある。

〔実施例〕

この発明の実施例について以下図面を参照しつ
つ説明する。

この実施例は、原動機１と、該原動機１の駆動
軸２の回転を減速しつつ作動軸３に伝達する減速
機４と、前記作動軸３に固定したチエーンスプロ
ケツト５に巻回噛合したチエーン６と、該チエー
ン６の一端側と連結した第１ロツド７及び他端側
に連結した第２ロツド８と、これら第１ロツド７
と第２ロツド８のチエーン６との連結側と反対側
に固定した第１フランジ９及び第２フランジ１０
と、この第１フランジ９及び第２フランジ１０を
チエーンスプロケツト５と反対側へ押圧する第１
ばね１１及び第２ばね１２と、第１ロツド７、第
１フランジ９及び第１ばね１１を収納した第１筒
体１３と、第２ロツド８、第２フランジ１０及び
第２ばね１２を収納し且つ前記第１筒体１３と平
行に設けた第２筒体１４を主構成要件とする。

前記減速機４は、原動機１を取り付けた枠体１
５内に設けられており、その構成は、原動機１の
駆動軸２に固定したウオーム１６と、該ウオーム
１６に噛合うウオーム歯車１７と、該ウオーム歯
車１７の軸１８に固定した第１歯車１９と、該第
１歯車１９と噛合う第２歯車２０と、該第２歯車
２０の軸２１に固定した第３歯車２２と、該第３
歯車２２と噛合い且つ前記作動軸３に固定した第
４歯車２３からなる。従つて、ウオーム１６とウ
オーム歯車１７、第１歯車１９と第２歯車２０、
第３歯車２２と第４歯車２３のそれぞれの噛合わ
せにおいて減速されてトルクが強められた原動機
１の駆動軸２の回転が作動軸３に伝達される。こ
の作動軸３には、連結部材を介して直接に又は他
の回転伝達機構を介して間接的に図外の開戸の回
転軸に連結されている。通常の自動扉において
は、該作動軸３が90゜回転することによつて、開
戸が通行自在に開放されるようになつている。

尚、前記作動軸３のチエーンスプロケツト５を
固定した反対側の端部には、第１カム２４、第２
カム２５及び第３カム２６の３つのカムが固定さ
れると共に、これらカムの円周にはそれぞれ第１
スイツチ２７、第２スイツチ２８及び第３スイツ
チ２９が当接している。前記第１カム２４、第２
カム２５及び第３カム２６の周囲には凹凸が形成
してあるので、作動軸３の回転に伴つてこれら凹
凸に当接している第１スイツチ２７、第２スイツ
チ２８及び第３スイツチ２９がON又はOFFされ
ることによつて、開戸の開放終端近く及び閉鎖終
端近くの電磁ブレーキのコントロールを行う。こ
れらの制御構造は、前記従来例においても利用さ
れている公知技術のものである。

前記第１筒体１３及び第２筒体１４の枠体１５
への取り付けは、枠体１５の開口部に第１ロツド
７及び第２ロツド８の通過穴を形成した蓋部材３
０を設け、この蓋部材３０に前記第１筒体１３及
び第２筒体１４のチエーンスプロケツト５側の開
口部に設けた嵌合部材３１を嵌め合わせると共
に、第１筒体１３及び第２筒体１４のチエーンス
プロケツト５と反対側の開口部を塞ぐ閉塞部材３
２をボルト３３及びナツト３４でもつて前記枠体
１５に締め付けることによつてなされている。３
５は、閉塞部材３２に設けた取付片であり、自動
扉を設置する建造物の出入口に固定されるもので
ある。又、３６はベアリングであつて、駆動軸
２、作動軸３及び各歯車の軸２，３，１８，２１
と枠体１５の間に設けたものである。更に、３７
は第１ロツド７及び第２ロツド８のチエーンスプ
ロケツト５側に設けた調節ねじであつて第１ロツ
ド７、第２ロツド８の移動量を規制するストツパ
ーの役目をなすと共に、締め付け又は緩めによつ
て第１ロツド７、第２ロツド８を移動させ、つま
りチエーン６を回転させて、開戸の閉鎖位置を調
節することができるようになつている。

以上の構成からなるこの発明の実施例の動作に
ついて説明する。まず、通常の開閉動作について
述べると、通行人の出入口付近への接近に伴つて
電動機１の電源スイツチが入れられて電動機１の
駆動軸２が回転すると、ウオーム１６、ウオーム
歯車１７、第１歯車１９、第２歯車２０、第３歯
車２２及び第４歯車２３からなる減速機４を介し
てトルクの強い回転が作動軸３に伝達される。そ
して、この作動軸３の回転に伴い図外の開戸が回
転軸を中心に約90゜回転して出入口を開放する。
と同時に、チエーンスプロケツト５の巻回噛合し
ているチエーン６もチエーンスプロケツト５の矢
印Ｃ方向への回転に伴い矢印C′方向すなわちチエ
ーンスプロケツト５方向へ移動するので、チエー
ン６の一端側に固定された第１ロツド７もこれに
伴つて移動して第１ばね１１を圧縮させる（第６
図参照）。この状態において、チエーンスプロケ
ツト５に巻回噛合したチエーン６の他端側には何
らの力も作用しないために、第１ばね１１が圧縮
されたときはたるみ、元の状態に復帰したときは
第２ロツド８に作用することなく張つた状態にな
る。

次に、出入口を通行人が通りすぎて電源スイツ
チがOFFされると、電動機１の回転は自由にな
るので、圧縮された第１ばね１１の反発力によつ
て、第１ロツド７及びチエーン６が矢印C′と反対
方向すなわちチエーンスプロケツト５と反対方向
へ移動するために、作動軸３もこれに伴つて回転
して第５図に示す元の状態へ復帰する。

非常時の場合において、避難しようとする人が
殺到し、人手で開戸を逆方向に押し開けると、開
戸がわずかに開放した時第２スイツチ２８が作動
して原動機１への電源回路を遮断するとともに、
開戸の回転軸と連結されている作動軸３及びチエ
ーンスプロケツト５が矢印Ｄ方向へ回転してチエ
ーン６及び第２ロツド８を矢印D′方向へ引つ張
る。これによつて、第２ロツド８に外嵌した第２
ばね１２が圧縮される（第７図参照）。このとき、
第２ばね１２のばね力を第１ばね１１のばね力よ
りも小さく設定しておくことによつて、電動機１
による開戸の開放に要する力よりも小さい力で開
放することが可能となる。又、この状態において
は、チエーンスプロケツト５に巻回噛合したチエ
ーン６の一端側には何らの力も作用しないため
に、第２ばね１２が圧縮されたときはたるみ、元
の状態に復帰したときは第１ロツド７に作用する
ことなく張つた状態になる。

そして、通行人が開放された出入口を通りすぎ
て開戸から手を離すと、前記圧縮された第２ばね
１２の反発力によつて、第２ロツド８及びチエー
ン６が矢印D′と反対方向すなわちチエーンスプ
ロケツト５と反対方向へ移動するために、作動軸
３もこれに伴つて回転して第５図に示す元の状態
へ復帰する。

尚、これら動作中において、前記した第１スイ
ツチ２７、第２スイツチ２８及び第３スイツチ２
９と第１カム２４、第２カム２５及び第３カム２
６とのそれぞれの組み合わせによる制御指令が電
動機１に送られて、開戸の開閉がスムーズに行わ
れているが、この動作は前記した従来例と同じで
あるので、説明を省略する。

又、前記第２ばね１２のばね力は小さいもので
もよいが、最小限開戸を閉鎖させるに足るばね力
が必要である。

〔発明の効果〕

以上の説明からも明らかなように、この発明の
開戸自動開閉装置は、通常時における電動機によ
る開戸の開放と、非常時における手動による開戸
の開放において、それぞれ別の異なるばね力を有
するばねを圧縮しつつ開放することができる。従
つて、開戸の設置場所の条件にあつたばね力のば
ねを使用することが可能となる。すなわち、通常
時における開戸の開放は電動機で行うために、ば
ね力の強いばねを開戸の閉鎖用の回転力に使用す
ることができる。これによつて、外部からの風圧
が作用しても開戸に振動が生じることを防止する
ことができる。一方、非常時における開戸の開放
は手動で行うために、ばね力の弱いばねを開戸の
閉鎖用の回転力に使用し、少しの力で開戸を開放
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第７図はこの発明の実施例を示し、
第１図は要部縦断面図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図は第１図の−線断面説明
図、第４図は第１図の右側面図、第５図は開戸が
閉鎖しているときの第１図の−線断面説明
図、第６図は開戸が電動機によつて開放している
ときの第１図の−線断面説明図、第７図は開
戸が手動によつて開放しているときの第１図の
−線断面説明図、第８図は従来例の説明図をそ
れぞれ示す。１…原動機、２…駆動軸、３…作動軸、４…減
速機、５…チエーンスプロケツト、６…チエー
ン、７…第１ロツド、８…第２ロツド、９…第１
フランジ、１０…第２フランジ、１１…第１ば
ね、１２…第２ばね、１３…第１筒体、１４…第
２筒体。

Claims

【特許請求の範囲】

１電動機の駆動軸と減速機を介して連結した作
動軸に固定したチエーンスプロケツトと、該チエ
ーンスプロケツトに巻回噛合すると共に一端側を
第１ロツドの先端と連結し他端側を第２ロツドの
先端と連結したチエーンと、前記第１ロツドと該
第１ロツドの後端に固定した第１フランジを内部
に収納した第１筒体と、該第１筒体内において前
記第１ロツドに外嵌すると共に前記第１フランジ
をチエーンスプロケツトと反対側へ押圧する第１
ばねと、前記第２ロツドと該第２ロツドの後端に
固定した第２フランジを内部に収納した第２筒体
と、該第２筒体内において前記第２ロツドに外嵌
すると共に前記第２フランジをチエーンスプロケ
ツトと反対側へ押圧する第２ばねから構成される
ことを特徴とする開戸自動開閉装置。