JPH07228788A - 高吸水性ポリマー組成物 - Google Patents
高吸水性ポリマー組成物Info
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- JPH07228788A JPH07228788A JP1967794A JP1967794A JPH07228788A JP H07228788 A JPH07228788 A JP H07228788A JP 1967794 A JP1967794 A JP 1967794A JP 1967794 A JP1967794 A JP 1967794A JP H07228788 A JPH07228788 A JP H07228788A
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Abstract
きい人尿等の体液を吸収させた場合)のゲルの強度、ゲ
ルの安定性、ゲル表面の“べとつき”を同時に改良す
る。 【構成】 (A)架橋構造を有し、且つカルボキシル基
及び/又はカルボキシレート基を重合体の構成成分とし
て含有する高吸水性ポリマー、(B)シュウ酸(塩)化
合物および(C)多価金属化合物からなり、(A)10
0重量部に対して(B)と(C)の合計量が0.05〜
10重量部であり、(B)と(C)の配合割合が重量比
で90:10〜10:90であることを特徴とする、高
吸水性ポリマー組成物。
Description
物に関する。更に詳しくは、本発明は、吸水後のゲルの
強度、ゲルの経時的安定性およびゲル表面の“べとつ
き”が同時に改善された高吸水性ポリマー組成物に関す
る。
使い捨て紙おむつ等の衛生用品分野のみならず、止水
材、結露防止剤、鮮度保持材、溶剤脱水剤等の各種産業
用品、更には、緑化、農園芸分野にも実用化されてきて
おり、その応用範囲は更に拡大しつつある。これら応用
分野の中でも、生理用品、使い捨て紙おむつや失禁パッ
ド等の衛生用品は、最近、使用材料の改良、立体裁断、
種々のギャザー等により装着感が改善され、その装着時
間が長くなりつつある。また、産業用品、農園芸分野に
おいても極めて苛酷な条件下で使用される場合が多くな
ってきている。一方、高吸水性ポリマーは尿、経血、汗
等の体液を吸水するとゲル状となるが、ゲルは時間の経
過と共に劣化、分解して強度を失い、同時にゲル表面お
よび内部がべとつくようになってしまう。即ち、ゲルの
保液性は経時的に低下する。このことに起因する衛生用
品使用時の液洩れ、装着感の悪化といった問題は、最近
の装着時間長時間化に伴い、深刻なものとなってきてい
る。このゲルの劣化分解原因は明らかではないが、尿等
の体液中に含まれる微量活性不純物が単一あるいは複数
の発現機構に従って高吸水性ポリマーゲルの分解を促進
しているものと推定される。従って、吸液した時の状態
や体液の個人差によりその分解程度および挙動は異な
り、ばらつきが大きいのが実状である。かかる背景下、
当業界ではこのような吸液時の状態や体液の排泄時期あ
るいは個人差によるばらつきを防止し、あらゆる尿等の
体液に対して安定性を保持すべく、強度および経時安定
性の優れたゲル特性を有する高吸水性ポリマーの出現が
望まれていた。
して、例えば高吸水性ポリマーの架橋密度を高める方法
が考えられるが、この場合、ポリマーの吸水能が低下す
るという問題がある。また、特開昭63−118375
号公報にはポリマー中に含酸素還元性無機塩及び/又は
有機酸化防止剤を含有させる方法、特開昭63−153
060号公報には酸化剤を含有させる方法、特開昭63
−127754号公報には酸化防止剤を含有させる方
法、特開昭63−272349号公報には硫黄含有還元
剤を含有させる方法、特開昭63−146964号公報
には金属キレート剤を含有させる方法、特開昭63−1
5266号公報にはラジカル連鎖禁止剤を含有させる方
法、特開平1−275661号公報にはホスフィン酸基
またはホスホン酸基含有アミン化合物またはその塩を含
有させる方法、特開昭64−29257号公報には多価
金属酸化物を含有させる方法、特開平2−255804
号公報、特開平3−179008号公報には重合時水溶
性連鎖移動剤を共存させる方法、等々が提案されてい
る。しかしながら、これらのいずれの方法もゲルの劣化
防止が不十分であったり、体液の個人差による劣化防止
効果のばらつきが大きいといった問題点を有している。
更に、これらの方法の場合、ゲルのべたつきに関係する
ゲル強度の改良効果が殆ど認められない。
術の状況に鑑み、高吸水性ポリマー本来の吸水性能を損
なうことなく、吸水後(特に、個人差の大きい人尿等の
体液を吸水させた後)のゲルの強度、ゲルの経時的安定
性およびゲルのべとつきが、体液の個人差等に拘らず同
時に改善された高吸水性ポリマー組成物を提供すること
を目的とする。
水性ポリマーにシュウ酸(塩)化合物を含有させる方法
(特願平5−289699号)、高吸水性ポリマーに平
均粒径1μm以下の酸化ジルコニウムを含有させる方法
(特願平5−120678号)、高吸水性ポリマーに多
価金属硫酸化物を含有させる方法(特願平5−2827
08号)を先に提案した。これらの方法により、上述の
吸水ゲルの諸特性は大幅に改良されたが、体液吸収後の
ゲルの経時的安定性における個人差等によるばらつきの
点では、依然として改良の余地があることが判明した。
本発明者らはかかる背景下更に鋭意検討を重ねた結果、
高吸水性ポリマーにシュウ酸(塩)化合物及び多価金属
化合物を必須成分として含有せしめることにより、体液
吸収ゲルの経時的安定性が更に改善され、しかも個人差
等によるばらつきが極めて小さくなることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づくものである。即ち、本発
明による高吸水性ポリマー組成物は、(A)架橋構造を
有し、且つカルボキシル基及び/又はカルボキシレート
基を重合体の構成成分として含有する高吸水性ポリマ
ー、(B)シュウ酸(塩)化合物および(C)多価金属
化合物からなり、(A)100重量部に対して(B)と
(C)の合計量が0.05〜10重量部であり、(B)
と(C)の配合割合が重量比で90:10〜10:90
であることを特徴とするものである。
マーとしては、架橋構造を有し、重合体の構成成分とし
てカルボキシル基又は(及び)カルボキシレート基を有
する高吸水性ポリマーであればいかなるものも使用で
き、重合体の種類及び重合法は問わない。中でも、ポリ
アクリル酸塩架橋物、デンプン‐アクリル酸塩グラフト
共重合体架橋物、デンプン‐アクリロニトリルグラフト
共重合体架橋物のケン化物、アクリル酸エステル‐酢酸
ビニル共重合体架橋物のケン化物、アクリル酸塩‐アク
リルアミド共重合体架橋物及びポリアクリロニトリル架
橋物のケン化物が好適な例として挙げられる。上記以外
にも、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、
ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、無水
マレイン酸塩‐イソブチレン共重合体架橋物、アクリル
酸塩にマレイン酸塩、イタコン酸塩、2‐アクリルアミ
ド‐2メチルスルホン酸塩、2‐アクロイルエタンスル
ホン酸、2‐ヒドロキシエチルアクリレート等のコモノ
マーを共重合させたものを例示することができる。高吸
水性ポリマー中の上記カルボキシレート基の塩の型とし
ては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩等が挙げられるが、中でもアルカリ金属塩が好適
である。
液重合法、溶液重合法、逆相懸濁重合法等により得ら
れ、例えば、特公昭60−25045号、特願昭59−
210198号、特開昭57−158210号、特開昭
57−21405号、特公昭53−46199号、特開
昭58−71907号、特開昭55−84304号、特
開昭56−91837号、特開平2−49002号、特
開昭61−157513号及び特開昭62−62807
号各公報等に記載の方法により製造することができる。
上記の高吸水性ポリマーは、一般に重合後は水を含んだ
含水ゲルとして得られるが、通常この含水ゲルはそのま
ま、あるいは不活性溶媒との共沸等により脱水され、最
終的に乾燥され、必要に応じて粉砕/分級等が行われて
製品となる。また、本発明に使用される高吸水性ポリマ
ーは、上記のような製造プロセスの過程で、あるいは製
品に対し、表面架橋や表面改質等の処理を施されたもの
であってもよい。
橋剤としては、カルボキシル基及び/又はカルボキシレ
ート基と反応しうる2個以上の官能基を有する架橋剤で
あれば、いずれも使用することができる。例えば、ポリ
ジグリシジルエーテル化合物、ハロエポキシ化合物、ア
ルデヒド化合物、イソシアネート化合物等が使用できる
が、ポリジグリシジルエーテル化合物が一般的である。
これら架橋剤の使用量は特に限定されないが、通常、ポ
リマーに対して0.005〜5.0重量%の範囲で使用
される。
する化合物としては、水酸化アルミニウム等の多価金属
化合物や下記一般式で表されるシラン化合物が挙げられ
る。 X(R)mSi(Y)3−m (式中、Xは高吸水性ポリマー中のカルボキシル基及び
/又はカルボキシレート基と反応しうる官能基を、Rは
炭化水素基を、Yは加水分解基を表し、mは0、1また
は2である)。上記式で表されるシラン化合物の具体例
としては、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ‐(2‐アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ‐(2‐アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル‐γ‐アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ‐クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ‐クロロプロピルメチルジメトキシシラン、オク
タデシルジメチル〔3‐(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕アンモニウムクロライド等が挙げられる。上記シラ
ン化合物の使用量は特に限定されるものではないが、通
常、ポリマーに対して0.001〜10.0重量%であ
る。本発明で使用される高吸水性ポリマーの平均粒子径
は、一般に10〜2000μm、好ましくは50〜10
00μmである。
れるシュウ酸(塩)化合物としては、シュウ酸及びシュ
ウ酸をベースとするあらゆる金属,複塩、有機化合物を
使用することができる。具体的には、シュウ酸、シュウ
酸ナトリウム、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸亜塩、
シュウ酸亜塩カリウム,シュウ酸アルミニウム、シュウ
酸アルミニウムアンモニウム、シュウ酸アルミニウムナ
トリウム、シュウ酸アンチモンカリウム、シュウ酸ウラ
ニル、シュウ酸ウラニルアンモニウム,シュウ酸ウラニ
ルカリウム、シュウ酸カルシウム、シュウ酸銀、シュウ
酸クロム、シュウ酸クロムカリウム,シュウ酸コバル
ト、シュウ酸ジルコニウム、シュウ酸水銀、シュウ酸水
銀アンモニウム、シュウ酸水素アンモニウム、シュウ酸
水素カリウム、シュウ酸水素ナトリウム、シュウ酸水素
バリウム、シュウ酸錫、シュウ酸ストロンチウム、シュ
ウ酸セシウム、シュウ酸セリウム、シュウ酸銅、シュウ
酸鉄、シュウ酸マンガン、シュウ酸チタニル、シュウ酸
チタニルアンモニウム、シュウ酸チタン酸カリウム、シ
ュウ酸チタン酸ナトリウム、シュウ酸チタン酸アンモニ
ウム、シュウ酸チタン酸ルビジウム、シュウ酸鉄アンモ
ニウム、シュウ酸鉄カリウム、シュウ酸銅カリウム、シ
ュウ酸鉛、シュウ酸ニッケル、シュウ酸ニッケルカリウ
ム、シュウ酸バナジウム、シュウ酸バリウム、シュウ酸
ビスマス、シュウ酸ベリリウム、シュウ酸マグネシウ
ム、シュウ酸マンガン、シュウ酸リチウム、シュウ酸ア
ニリン、シュウ酸アミド、シュウ酸ジメチル、シュウ酸
ジエチル、シュウ酸ジニトリル、シュウ酸ジヒドラジ
ド、シュウ酸尿素、シュウ酸ヒドロキシアンモニウム、
等が挙げられる。これらシュウ酸(塩)化合物は単独で
も、2種以上の混合物としても使用できる。上記シュウ
酸(塩)化合物の中でも、特にシュウ酸、シュウ酸カリ
ウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸チタン酸カリウ
ム、シュウ酸チタン酸ナトリウムおよびシュウ酸チタン
酸アンモニウムが好ましい。
る高吸水性ポリマーの種類、性状、平均粒径によっても
異なるが、一般に高吸水性ポリマー100重量部に対し
て、多価金属化合物との合計量で0.05〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部である。0.05重量
部未満の添加量では効果の発現が不充分であり、10重
量部超過では効果が飽和する。また、シュウ酸(塩)化
合物と多価金属化合物の配合割合は、重量比で10:9
0〜90:10、好ましくは30:70〜70:30で
ある。上記シュウ酸(塩)化合物は、その大半は常温、
常圧で粉体状であるが、粉末として使用する場合、その
平均粒子径は小さい方が好ましく、例えば10μm以
下、特に1μm以下が好ましい。
価金属化合物としては、2価以上の原子価を有する金属
をベースとするあらゆる金属塩、複塩、有機化合物が使
用可能である。この様な多価金属化合物の中でも酸化物
および硫酸化物が好ましい。具体例としては、酸化ケイ
素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシ
ウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化
マンガン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化
銅、酸化亜塩、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、
硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウ
ム、硫酸バリウム、硫酸チタン、硫酸チタニル、硫酸ジ
ルコニウム、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、硫酸クロ
ム、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸コバルト、硫酸ニッケ
ル、硫酸銅、硫酸亜塩および硫酸アルミニウムが挙げら
れる。本発明では、この中でも特に酸化ケイ素、酸化チ
タン、酸化バナジウム、酸化ジルコニウム、硫酸チタ
ン、硫酸チタニル、硫酸ジルコニウム、硫酸バナジル等
の、ケイ素、チタン、ジルコニウムおよびバナジウムか
ら選ばれる金属の酸化物および硫酸化物が好ましい。こ
れら多価金属化合物は、上述のように、高吸水性ポリマ
ー100重量部に対してシュウ酸(塩)化合物との合計
で0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部
の量で用いられ、シュウ酸(塩)化合物と多価金属化合
物の配合比(重量比)は90:10〜10:90、好ま
しくは30:70〜70:30である。上記多価金属化
合物を粉末形態で使用する場合、その平均粒子径は小さ
い方が好ましく、例えば10μm以下、特に1μm以下
が好ましい。
の高吸水性ポリマー組成物は、上記の高吸水性ポリマー
に、上記のシュウ酸(塩)化合物および多価金属化合物
の所定量を添加し、均一に混合、分散させることにより
得ることができる。混合は、従来公知の任意の方法ない
し手段により行うことができ、一般的に粉末混合に用い
られる混合機、例えば攪拌翼のついた槽形混合機、流動
式混合機、気流型混合機、振動型混合機、高速回転パド
ル機を用いて容易に行うことができる。また、場合によ
っては、高吸水性ポリマーの重合、熟成、脱水、表面改
質、造粒等の工程中に添加、分散させてもよい。混合時
の温度は、一般に常温〜150℃、好ましくは常温〜5
0℃である。
更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。尚、実施例で得られた高吸水性ポ
リマー組成物の後述の特性値は、下記の方法により測定
したものである。 <吸水能>高吸水性ポリマー1gを250メッシュのナ
イロン袋(10cm×20cmの大きさ)に入れ、1リ
ットルの人工尿に30分浸漬する。30分後、ナイロン
袋を引き上げ、15分水切り後、重量測定をし、ブラン
ク補正をして、高吸水性ポリマー1gが吸収した人工尿
の重量を吸水能とした。尚、人工尿の組成は下記に示
す。人工尿組成 尿 素 1.94% 塩化ナトリウム 0.80% 塩化カルシウム 0.06% 硫酸マグネシウム 0.11% 純 水 97.09% <ゲル強度>高吸水性ポリマー1gに成人の人尿(成人
5名の尿を混合)を25g吸収させ、25℃で30分間
放置後のゲルをレオメーター(不動工業製 NRM−2
002J型)にかけ、セルがゲル中に入り込む時点の力
をゲル強度とした。 <ゲルの安定性>上記のゲル強度の場合と同様のサンプ
ルを作成し、設定温度40℃にて、恒温槽中に16時間
放置した。放置後のゲル強度を上記の方法で測定し、ゲ
ルの安定性を評価した。尚、この試験は、人尿の個人差
等を考慮し、測定日を変えて10回行った。 <ゲル表面の“べとつき”>ゲルの安定性を測定した後
の膨潤ゲルの“べとつき”を、下記の評価基準に従い手
触りにて評価した。 ○:膨潤ゲルはかなり“さくさく”してドライ感があ
る。 △:一部、膨潤ゲルがべとつく。 ×:膨潤ゲルがべとつき、手がぬべぬべする。
記の高吸水性ポリマーを使用した。高吸水性ポリマー(A) 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を付設し
た容量5,000mlの四つ口丸底フラスコに、シクロ
ヘキサン1210gを入れ、ソルビタンモノステアレー
ト9gを添加して溶解させた後、窒素ガスを吹込んで、
溶存酸素を追い出した。別に、容量2,000mlのビ
ーカー中でアクリル酸350gを外部より氷冷しなが
ら、これに水727.7gに溶解した143.1gの純
度95%水酸化ナトリウムを加えてカルボキシル基の7
0%を中和した。この場合の水溶液中のモノマー濃度
は、中和後のモノマー濃度として35重量%に相当す
る。ついで、これにN,N′‐メチレンビスアクリルア
ミド0.37g、過硫酸カリウム0.94gを加えて溶
解した後、窒素ガスを吹込んで溶残酸素を追い出した。
前記の四つ口丸底フラスコの内容物にこの容量2,00
0mlのビーカーの内容物を添加し、攪拌して分散さ
せ、窒素ガスをバブリングさせながら湯浴によりフラス
コ内温を昇温させたところ、60℃付近に達してから内
温が急激に上昇し、数十分後には75℃に達した。次い
で、その内温を60〜65℃に保持し、且つ、攪拌しな
がら3時間反応させた。尚、攪拌は145rpmで行っ
た。3時間反応させた後、攪拌を停止すると、湿潤ポリ
マー粒子が丸底フラスコの底に沈降したので、デカンテ
ーションでシクロヘキサン相と容易に分離できた。分離
した湿潤ポリマーを減圧乾燥器に移し、90℃に加熱し
て付着したシクロヘキサンおよび水を除去したところ、
さらさらとした高吸水性ポリマー400gが得られた。
このようにして得られた乾燥ポリマー400gの中から
小分けした100gを500mlのナス型フラスコに入
れ、次いで、シクロヘキサン122.5gを加えてスラ
リーとした。このスラリーを攪拌しながら水22.5g
にγ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.4
4gを分散させた液を添加し、室温で30分間攪拌し
た。次いで、105℃油浴中に30分間浸漬した後、同
油浴温度を保持しながら減圧して蒸発乾固させ、乾燥ポ
リマー95gを得た。高吸水性ポリマー(B) 前述の高吸水性ポリマー(A)の合成において、γ‐グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりにエチ
レングリコールジグリシジルエーテル0.8gを用いた
他は全く同様に操作して、乾燥ポリマー95gを得た。高吸水性ポリマー(C) 殿粉‐アクリル酸塩グラフト重合体架橋物(商品名:サ
ンウエットIM−1000、三洋化成製)を使用した。高吸水性ポリマー(D) ポリアクリル酸塩架橋物(商品名:アリアリックCAW
−4、日本触媒製)を使用した。
(D)にシュウ酸(塩)化合物および多価金属化合物を
加え、Vブレンダー〔筒井理化学器械(株)製、S−5
型〕を用いて、室温で30分間、均一に混合し、高吸水
性ポリマー組成物を得た。使用した高吸水性ポリマー、
シュウ酸(塩)化合物および多価金属化合物の種類並び
に使用量は、第1表に示される通りである。得られた高
吸水性ポリマー組成物につき上記の測定を行った。結果
を第2表および第3表に示す。
一方のみを添加し、上記実施例と同様の操作にて混合し
て得た高吸水性ポリマー組成物、およびこれら化合物の
何れをも添加していない高吸水性ポリマー自体につき、
上記の測定を行った。使用した高吸水性ポリマー、シュ
ウ酸(塩)化合物および多価金属化合物の種類並びに使
用量を第1表に、測定結果を第2表および第3表に示
す。
次の通りである。 チタニア1) :酸化チタンP−25(日本アエロ
ジル社製)、平均粒径=0.021μm、比表面積=5
0m2 /g チタニア2) :タイペークR−780(石原工業
社製)、平均粒径=0.25μm チタニア3) :クロノスKR−460(チタン工
業社製)、平均粒径=0.2〜0.4μm シリカ1) :アエロジル#380(日本アエロ
ジル社製)、平均粒径=0.007μm、比表面積=3
80m2 /g シリカ2) :サイリシア#770(富士シリシ
ア化学社製)、平均粒径=6.0μm、比表面積=70
0m2 /g シリカ3) :カープレックスCS−500(シ
オノギ製薬社製)、平均粒径=2.1μm 酸化ジルコニウム1):酸化ジルコニウム(日本アエロジ
ル社製)、平均粒径=0.03μm、比表面積=40m
2 /g 酸化ジルコニウム2):試薬特級(和光純薬社製) アルミナ1) :酸化アルミニウムC(日本アエロ
ジル社製)、平均粒径=0.013μm、比表面積=1
00m2 /g アルミナ2) :試薬特級(和光純薬社製)
ての実施例1〜46および61〜68と比較例1〜20
との比較から明らかなように、シュウ酸(塩)化合物と
多価金属化合物とを併用する本発明による高吸水性ポリ
マー組成物は、これら化合物の単独使用および未使用の
場合と比較して、高吸水性ポリマー本来の吸水性能を損
なうことなく、吸水ゲル強度が改良され、個人差変動の
大きな人尿に対して、ゲルの安定性およびゲル表面の
“べとつき”が大幅に改良されている。本発明の奏する
上記効果は、使用高吸水性ポリマー種を変えた実施例4
7〜60と比較例21〜23の比較データからも明らか
である。
は、高吸水性ポリマー本来の吸水性能を損なうことな
く、吸水後(特に、個人差の大きい人尿等の体液を吸水
させた場合)のゲルの強度、長時間にわたるゲルの安定
性、およびゲル表面の“べとつき”が大幅に改善されて
いる。従って、本発明の高吸水性ポリマー組成物は、紙
おむつや生理用ナプキン、その他各種パッド等の衛生用
品の分野において特に好適に用いることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】(A)架橋構造を有し、且つカルボキシル
基及び/又はカルボキシレート基を重合体の構成成分と
して含有する高吸水性ポリマー、(B)シュウ酸(塩)
化合物および(C)多価金属化合物からなり、(A)1
00重量部に対して(B)と(C)の合計量が0.05
〜10重量部であり、(B)と(C)の配合割合が重量
比で90:10〜10:90であることを特徴とする、
高吸水性ポリマー組成物。 - 【請求項2】高吸水性ポリマー(A)が、ポリアクリル
酸塩架橋物、殿粉‐アクリル酸塩グラフト共重合体架橋
物、殿粉‐アクリロニトリルグラフト共重合体架橋物の
加水分解物、アクリル酸エステル‐酢酸ビニル共重合体
架橋物の加水分解物、アクリル酸塩‐アクリルアミド共
重合体架橋物およびポリアクリロニトリル架橋物の加水
分解物からなる群より選ばれたものである、請求項1に
記載の高吸水性ポリマー組成物。 - 【請求項3】高吸水性ポリマー(A)が、カルボキシル
基及び/又はカルボキシレート基と反応しうる2個以上
の官能基を有する架橋剤で表面架橋したものである、請
求項1または2に記載の高吸水性ポリマー組成物。 - 【請求項4】架橋剤がポリジグリシジルエーテル化合物
である、請求項3に記載の高吸水性ポリマー組成物。 - 【請求項5】高吸水性ポリマー(A)が、下記一般式で
表されるシラン化合物により表面改質されたものであ
る、請求項1または2に記載の高吸水性ポリマー組成
物。 X(R)mSi(Y)3−m (式中、Xは高吸水性ポリマー中のカルボキシル基及び
/又はカルボキシレート基と反応しうる官能基を、Rは
炭化水素基を、Yは加水分解基を表し、mは0、1また
は2である) - 【請求項6】シラン化合物が、γ‐グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ‐(2‐アミノ
エチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐(2
‐アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐フェ
ニル‐γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ‐メルカプト
プロピルメチルジメトキシシラン、γ‐クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ‐クロロプロピルメチルジメト
キシシランおよびオクタデシルジメチル〔3‐(トリメ
トキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライドから
なる群より選ばれたものである、請求項5に記載の高吸
水性ポリマー組成物。 - 【請求項7】シュウ酸(塩)化合物(B)が、シュウ
酸、シュウ酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸
チタン酸カリウム、シュウ酸チタン酸ナトリウムおよび
シュウ酸チタン酸アンモニウムからなる群より選ばれた
ものであり、多価金属化合物(C)がケイ素、チタン、
ジルコニウム、バナジウムから選ばれる金属の酸化物ま
たは硫酸化物である、請求項1〜6のいずれか一項に記
載の高吸水性ポリマー組成物。
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