JPH07228790A - 高吸水性ポリマーの対体液安定性を向上させる方法 - Google Patents

高吸水性ポリマーの対体液安定性を向上させる方法

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JPH07228790A
JPH07228790A JP2047294A JP2047294A JPH07228790A JP H07228790 A JPH07228790 A JP H07228790A JP 2047294 A JP2047294 A JP 2047294A JP 2047294 A JP2047294 A JP 2047294A JP H07228790 A JPH07228790 A JP H07228790A
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Kiichi Ito
藤 喜 一 伊
Shozo Kitagawa
川 昇 三 北
Kenji Yoshinaga
永 憲 司 吉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人尿等の体液吸収後の高吸水性ポリマーゲル
の強度、ゲルの安定性、ゲル表面の“べとつき”を同時
に改良する。 【構成】 架橋構造を有し、且つカルボキシル基及び/
又はカルボキシレート基を重合体の構成成分として含有
する高吸水性ポリマーにタンニン酸(塩)を含有させる
ことを特徴とする、高吸水性ポリマーの対体液安定性を
向上させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高吸水性ポリマーの対
体液安定性を向上させる方法に関する。更に詳しくは、
本発明は、体液吸収後の高吸水性ポリマーのゲルの強
度、ゲルの経時的安定性およびゲル表面の“べとつき”
を同時に改善する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高吸水性ポリマーは、生理用品や
使い捨て紙おむつ等の衛生用品分野のみならず、止水
材、結露防止剤、鮮度保持材、溶剤脱水剤等の各種産業
用品、更には、緑化、農園芸分野にも実用化されてきて
おり、その応用範囲は更に拡大しつつある。これら応用
分野の中でも、生理用品、使い捨て紙おむつや失禁パッ
ド等の衛生用品は、最近、使用材料の改良、立体裁断、
種々のギャザー等により装着感が改善され、その装着時
間が長くなりつつある。また、産業用品、農園芸分野に
おいても極めて苛酷な条件下で使用される場合が多くな
ってきている。一方、高吸水性ポリマーは尿、経血、汗
等の体液を吸水するとゲル状となるが、ゲルは時間の経
過と共に劣化、分解して強度を失い、同時にゲル表面お
よび内部がべとつくようになってしまう。即ち、ゲルの
保液性は経時的に低下する。このことに起因する衛生用
品使用時の液洩れ、装着感の悪化といった問題は、最近
の装着時間長時間化に伴い、深刻なものとなってきてい
る。このゲルの劣化分解原因は明らかではないが、尿等
の体液中に含まれる微量活性不純物が単一あるいは複数
の発現機構に従って高吸水性ポリマーゲルの分解を促進
しているものと推定される。従って、吸液した時の状態
や体液の個人差によりその分解程度および挙動は異な
り、ばらつきが大きいのが実状である。かかる背景下、
当業界ではこのような吸液時の状態や体液の排泄時期あ
るいは個人差によるばらつきを防止し、あらゆる尿等の
体液に対して安定性を保持すべく、強度および経時安定
性の優れたゲル特性を有する高吸水性ポリマーの出現が
望まれていた。
【0003】ゲルの強度および安定性を改良する方法と
して、例えば高吸水性ポリマーの架橋密度を高める方法
が考えられるが、この場合、ポリマーの吸水能が低下す
るという問題がある。また、特開昭63−118375
号公報にはポリマー中に含酸素還元性無機塩及び/又は
有機酸化防止剤を含有させる方法、特開昭63−153
060号公報には酸化剤を含有させる方法、特開昭63
−127754号公報には酸化防止剤を含有させる方
法、特開昭63−272349号公報には硫黄含有還元
剤を含有させる方法、特開昭63−146964号公報
には金属キレート剤を含有させる方法、特開平1−27
5661号公報にはホスフィン酸基またはホスホン酸基
含有アミン化合物またはその塩を含有させる方法、特開
昭64−29257号公報には多価金属酸化物を含有さ
せる方法、特開平2−255804号公報、特開平3−
179008号公報には重合時水溶性連鎖移動剤を共存
させる方法、等々が提案されている。しかしながら、こ
れらのいずれの方法もゲルの劣化防止が不十分であった
り、体液の個人差による劣化防止効果のばらつきが大き
いといった問題点を有している。
【0004】特開昭63−152667号公報には、吸
水ゲルの経時安定性向上を目的として、吸水性樹脂にラ
ジカル連鎖禁止剤を含有させる方法が記載されており、
その実施例において、種々のラジカル連鎖禁止剤使用に
よる純水(イオン交換水)吸水ゲルの耐熱および耐光安
定性の向上が報告されている。然しながら、本発明者ら
の研究によれば、純水吸収後のゲルの安定性と尿等体液
吸収後のゲルの安定性とは全く異質のものであり、上記
公報において具体例として挙げられ、吸水ゲルの安定性
向上に有効とされる種々のラジカル連鎖禁止剤であって
も、尿等の体液に対するゲルの安定性向上には必ずしも
有効ではないことが判明している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の状況に鑑み、高吸水性ポリマー本来の吸水性能を損
なうことなく、個人差の大きい人尿等の体液を吸収させ
た後のゲルの強度、ゲルの経時的安定性およびゲルのべ
とつきを、体液の個人差に拘らず同時に改善する方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕本発明者らは、上記特開昭63−152
667号公報に記載される種々のラジカル連鎖禁止剤の
中でタンニン酸(塩)のみが尿等の体液に対するゲル安
定性向上効果を示し、このものの使用により上記目的が
達成されることを見出した。即ち、本発明による高吸水
性ポリマーの対体液安定性を向上させる方法は、高吸水
性ポリマーにタンニン酸(塩)を含有させることを特徴
とするものである。上述のように、特開昭63−152
667号公報においては、タンニン酸を含む種々のラジ
カル連鎖禁止剤使用による純水吸収ゲルの安定性向上効
果が実証されているが、尿等体液吸収ゲルの安定性向上
にはタンニン酸(塩)のみが有効であることについて該
公報に何らの記載も示唆もない以上、本発明者らによる
上記知見は全く思いがけなかったものというべきであ
る。
【0007】〔発明の具体的な説明〕 <高吸水性ポリマー>本発明に用いられる高吸水性ポリ
マーとしては、架橋構造を有し、重合体の構成成分とし
てカルボキシル基又は(及び)カルボキシレート基を有
する高吸水性ポリマーであればいかなるものも使用で
き、重合体の種類及び重合法は問わない。中でも、ポリ
アクリル酸塩架橋物、デンプン‐アクリル酸塩グラフト
共重合体架橋物、デンプン‐アクリロニトリルグラフト
共重合体架橋物のケン化物、アクリル酸エステル‐酢酸
ビニル共重合体架橋物のケン化物、アクリル酸塩‐アク
リルアミド共重合体架橋物及びポリアクリロニトリル架
橋物のケン化物が好適な例として挙げられる。上記以外
にも、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、
ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、無水
マレイン酸塩‐イソブチレン共重合体架橋物、アクリル
酸塩にマレイン酸塩、イタコン酸塩、2‐アクリルアミ
ド‐2メチルスルホン酸塩、2‐アクロイルエタンスル
ホン酸、2‐ヒドロキシエチルアクリレート等のコモノ
マーを共重合させたものを例示することができる。高吸
水性ポリマー中の上記カルボキシレート基の塩の型とし
ては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩等が挙げられるが、中でもアルカリ金属塩が好適
である。
【0008】上記の高吸水性ポリマーは、一般的にアク
リル酸(塩)や無水マレイン酸(塩)等カルボキシル基
及び/又はカルボキシレート基を有する重合性単量体を
水、ラジカル重合開始剤、架橋剤の存在下又は不存在
下、公知の水溶液重合法、溶液重合法、逆相懸濁重合法
等により重合して得られる。例えば、特公昭60−25
045号、特願昭59−210198号、特開昭57−
158210号、特開昭57−21405号、特公昭5
3−46199号、特開昭58−71907号、特開昭
55−84304号、特開昭56−91837号、特開
平2−49002号、特開昭61−157513号及び
特開昭62−62807号各公報等に記載の方法により
製造することができる。ここで行われる架橋は高級水性
ポリマー母体の内部架橋を示すものであり、後述する表
面処理で示される架橋とは操作及び内容共異にするもの
である。即ち、この架橋は重合前又は重合後、架橋剤を
ポリマー内に均一に分散させ、ポリマー内部を均一に架
橋せしめるものである。一方この内部架橋は、架橋剤不
使用時であっても、例えば重合時の熱による重合性単量
体自身に由来する所謂自己架橋によっても生じる。架橋
剤としては、分子内に二重結合を2個以上有し、重合性
単量体と共重合性を示すもの、あるいは分子内に重合性
単量体中の官能基、例えばカルボキシル基及び/又はカ
ルボキシレート基と重合中あるいは重合後の乾燥等の処
理時に反応しうるような官能基を2個以上有するものが
挙げられる。前者の架橋剤としては、N,N‐メチレン
ビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコーリジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、ジア
リルテレフタレート、トリアリルシアヌレート、トリア
リルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート等が挙
げられる。後者の架橋剤としては、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシ
ジルエーテル、脂肪族多価アルコールのジ又はポリグリ
シジルエーテル等が挙げられる。さらに前者と後者の両
機能を備えたものとして、例えばN‐メチロ‐ルアクリ
ルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げる
ことができる。
【0009】上記の高吸水性ポリマーは、一般に重合後
は水を含んだ含水ゲルとして得られるが、通常この含水
ゲルはそのまま、あるいは不活性溶媒との共沸等により
脱水され、最終的に乾燥され、必要に応じて粉砕/分級
等が行われて製品となる。また、本発明に使用される高
吸水性ポリマーは、上記のような製造プロセスの過程
で、あるいは製品に対し、表面架橋や表面改質等の処理
を施されたものであってもよい。高吸水性ポリマーの表
面架橋に使用する架橋剤としては、カルボキシル基及び
/又はカルボキシレート基と反応しうる2個以上の官能
基を有する架橋剤であれば、いずれも使用することがで
きる。例えば、ポリジグリシジルエーテル化合物、ハロ
エポキシ化合物、アルデヒド化合物、イソシアネート化
合物等が使用できるが、ポリジグリシジルエーテル化合
物が一般的である。これら架橋剤の使用量は特に限定さ
れないが、通常、ポリマーに対して0.005〜5.0
重量%の範囲で使用される。
【0010】また、高吸水性ポリマーの表面改質に使用
する化合物としては、下記一般式で表されるシラン化合
物が挙げられる。 X(R)Si(Y)3−m (式中、Xは高吸水性ポリマー中のカルボキシル基及び
/又はカルボキシレート基と反応しうる官能基を、Rは
炭化水素基を、Yは加水分解基を表し、mは0、1また
は2である)。上記式で表されるシラン化合物の具体例
としては、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ‐(2‐アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ‐(2‐アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル‐γ‐アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ‐クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ‐クロロプロピルメチルジメトキシシラン、オク
タデシルジメチル〔3‐(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕アンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0011】更に、高吸水性ポリマーの表面改質剤とし
て多価金属化合物を使用することもできる。多価金属化
合物としてはMg,Ca,Ba,Zn等の二価金属の化
合物やAl,Fe等の三価金属の化合物が使用でき、具
体例として硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化
第二鉄、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アル
ミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸鉄、硝酸カルシ
ウム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等を挙げ
ることができる。上記シラン化合物および多価金属化合
物の使用量は特に限定されるものではないが、通常、ポ
リマーに対して0.001〜10.0重量%である。本
発明で使用される高吸水性ポリマーの平均粒子径は、一
般に10〜2000μm、好ましくは50〜1000μ
mである。
【0012】<タンニン酸(塩)>タンニン酸(塩)は
化学構造上、加水分解されて浸食子酸、エラーグ酸ある
いはさらに複雑なポリフェノールカルボン酸と糖や多価
アルコールを生ずる加水分解型タンニンと、加水分解さ
れずに不溶性の褐色のフロバフェンと称する物質になる
縮合型タンニンとに分類される。加水分解型タンニン
は、分解して没食子酸を生ずるガロタンニンと呼ばれる
ものと分解してエラーグ酸を生ずるエラーグタンニンと
に分類される。ガロタンニンは、虫えい(五倍子),ス
マック、タラなどから得られるタンニンであり、エラー
グタンニンはジビンビ、ミロバラン、アルガロビラ、エ
ーデルカスタニア、チェストナット、オーク、バロニア
などから得られるタンニンである。一方、縮合型タンニ
ンはガンビア、ケブラチョ、ミモサ、マングローブ、ヘ
ムロック、スプルース、ビルマカッチ、カシワ樹皮、柿
渋等から得られるものである。本発明では上記いずれの
タンニンでも使用することができるが、好ましくは加水
分解型タンニンであり、この中でも特にガロタンニンが
効果の点で好ましい。
【0013】これらタンニンは一般的にはタンニン酸の
形にて存在するが、場合によってはカセイソーダ等のア
ルカリで中和されたタンニン酸塩としても使用できる。
本発明におけるタンニン酸(塩)の使用量は、用いるタ
ンニンの種類、高吸水性ポリマーの種類、性状、平均粒
径等によって異なるが、一般的には高吸水性ポリマー1
00重量部に対して0.05〜10重量部、好ましくは
0.1〜5重量部である。0.05重量部以下の使用量
では効果が不充分であり、10重量部以上では効果が飽
和する。上記タンニン酸(塩)は通常、常温/常圧で粉
体状であるが、その大多数が水溶性であり、水溶液とし
ても使用できる。
【0014】<タンニン酸(塩)の添加方法>本発明の
方法は、上記の高吸水性ポリマーに上記のタンニン酸
(塩)の粉末を添加し、均一に混合、分散させることに
より、若しくは該粉末を水等の溶媒に溶解後、高吸水性
ポリマーに含浸させることにより行うことができる。混
合又は含浸は、従来公知の任意の方法ないし手段により
行うことができ、一般的に粉末混合あるいは固液混合に
用いられる混合機、例えば攪拌翼のついた槽形混合機、
転動式混合機、流動式混合機、気流型混合機、振動型混
合機、高速回転パドル機を用いて容易に行うことができ
る。また、場合によっては、高吸水性ポリマーの重合、
熟成、脱水、表面改質、造粒等の工程中に添加、分散
し、又は含浸させてもよい。混合若しくは含浸時の温度
は、一般に常温〜150℃、好ましくは常温〜50℃で
ある。
【0015】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。なお、実施例で得られた高吸水性
ポリマーの後述の特性値は、下記の方法により測定した
ものである。 <吸水能>高吸水性ポリマー1gを250メッシュのナ
イロン袋(10cm×20cmの大きさ)に入れ、1リ
ットルの人工尿に30分浸漬する。30分後、ナイロン
袋を引き上げ、15分水切り後、重量測定をし、ブラン
ク補正をして、高吸水性ポリマー1gが吸収した人工尿
の重量を吸水能とした。なお、人工尿の組成は下記に示
す。人工尿組成 尿 素 1.94% 塩化ナトリウム 0.80% 塩化カルシウム 0.06% 硫酸マグネシウム 0.11% 純 水 97.09% <ゲル強度>高吸水性ポリマー1gに成人の人尿(成人
5名の尿を混合)を25g吸収させ、25℃で30分間
放置後のゲルをレオメーター(不動工業製 NRM−2
002J型)にかけ、セルがゲル中に入り込む時点の力
をゲル強度とした。 <ゲルの安定性>上記のゲル強度の場合と同様のサンプ
ルを作成し、設定温度40℃にて、恒温槽中に16時間
放置した。放置後のゲル強度を上記の方法で測定し、ゲ
ルの安定性を評価した。尚、この試験は、人尿の個人差
等を考慮し、測定日を変えて5回行った。 <ゲル表面の“べとつき”>ゲルの安定性を測定した後
の膨潤ゲルの“べとつき”を、下記の評価基準に従い手
触りにて評価した。 ○:膨潤ゲルはかなり“さくさく”してドライ感があ
る。 △:一部、膨潤ゲルがべとつく。 ×:膨潤ゲルがべとつき、手がぬべぬべする。
【0016】後述の実施例および比較例においては、下
記の高吸水性ポリマーを使用した。高吸水性ポリマー(A) 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を付設し
た容量5,000mlの四つ口丸底フラスコに、シクロ
ヘキサン1210gを入れ、ソルビタンモノステアレー
ト9gを添加して溶解させた後、窒素ガスを吹込んで、
溶存酸素を追い出した。別に、容量2,000mlのビ
ーカー中でアクリル酸350gを外部より氷冷しなが
ら、これに水727.7gに溶解した143.1gの純
度95%水酸化ナトリウムを加えてカルボキシル基の7
0%を中和した。この場合の水溶液中のモノマー濃度
は、中和後のモノマー濃度として35重量%に相当す
る。ついで、これにN,N′‐メチレンビスアクリルア
ミド0.37g、過硫酸カリウム0.94gを加えて溶
解した後、窒素ガスを吹込んで溶残酸素を追い出した。
前記の四つ口丸底フラスコの内容物にこの容量2,00
0mlのビーカーの内容物を添加し、攪拌して分散さ
せ、窒素ガスをバブリングさせながら湯浴によりフラス
コ内温を昇温させたところ、60℃付近に達してから内
温が急激に上昇し、数十分後には75℃に達した。次い
で、その内温を60〜65℃に保持し、且つ、攪拌しな
がら3時間反応させた。尚、攪拌は145rpmで行っ
た。3時間反応させた後、攪拌を停止すると、湿潤ポリ
マー粒子が丸底フラスコの底に沈降したので、デカンテ
ーションでシクロヘキサン相と容易に分離できた。分離
した湿潤ポリマーを減圧乾燥器に移し、90℃に加熱し
て付着したシクロヘキサンおよび水を除去したところ、
さらさらとした高吸水性ポリマー400gが得られた。
このようにして得られた乾燥ポリマー100gを500
mlのナス型フラスコに入れ、次いで、シクロヘキサン
122.5gを加えてスラリーとした。このスラリーを
攪拌しながら水22.5gにγ‐グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン0.44gを分散させた液を添加
し、室温で30分間攪拌した。次いで、105℃油浴中
に30分間浸漬した後、同油浴温度を保持しながら減圧
して蒸発乾固させ、乾燥ポリマー95gを得た。高吸水性ポリマー(B) 前述の高吸水性ポリマー(A)の合成において、γ‐グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランの代わりにエチ
レングリコールジグリシジルエーテル0.8gを用いた
他は全く同様に操作して、乾燥ポリマー95gを得た。高吸水性ポリマー(C) 殿粉‐アクリル酸塩グラフト重合体架橋物(商品名:サ
ンウエットIM−1000、三洋化成製)を使用した。高吸水性ポリマー(D) ポリアクリル酸塩架橋物(商品名:アリアリックCAW
−4、日本触媒製)を使用した。
【0017】実施例1〜22 上記高吸水性ポリマー(A)、(B)、(C)または
(D)に種々の粉状体タンニンを加え、Vブレンダー
〔筒井理化学器械(株)製、S−5型〕を用いて、室温
で30分間、均一にこれらの粉体を混合した。使用した
高吸水性ポリマーおよびタンニンの種類並びに使用量
は、第1表に示される通りである。得られた高吸水性ポ
リマーにつき上記の測定を行った。結果を第3表および
第4表に示す。
【0018】比較例1〜15 タンニンを添加していない上記高吸水性ポリマー(A)
〜(D)(比較例1〜4)及び特開昭63−15266
7号公報実施例に記載のタンニン以外のラジカル連鎖禁
止剤を添加した上記高吸水ポリマー(比較例5〜15)
につき、上記の測定を行った。使用した高吸水性ポリマ
ーおよび添加剤の種類並びに使用量を第2表に、測定結
果を第3表および第4表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高吸水性ポリマ
ー本来の吸水性能を損なうことなく、個人差の大きい人
尿等の体液吸収後の高吸水性ポリマーのゲルの強度、長
時間にわたるゲルの安定性、およびゲル表面の“べとつ
き”が大幅に改善される。従って、本発明の方法によリ
得られた高吸水性ポリマーは、紙おむつや生理用ナプキ
ン、その他各種パッド等の衛生用品の分野において特に
好適に用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋構造を有し、且つカルボキシル基及び
    /又はカルボキシレート基を重合体の構成成分として含
    有する高吸水性ポリマーにタンニン酸(塩)を含有させ
    ることを特徴とする、高吸水性ポリマーの対体液安定性
    を向上させる方法。
  2. 【請求項2】高吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸塩架
    橋物、殿粉‐アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物、殿
    粉‐アクリロニトリルグラフト共重合体架橋物の加水分
    解物、アクリル酸エステル‐酢酸ビニル共重合体架橋物
    の加水分解物、アクリル酸塩‐アクリルアミド共重合体
    架橋物およびポリアクリロニトリル架橋物の加水分解物
    からなる群より選ばれたものである、請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】タンニン酸(塩)が加水分解型である、請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】タンニン酸(塩)がガロタンニン酸(塩)
    である、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】タンニン酸(塩)の使用量が高吸水性ポリ
    マー100重量部に対して0.05〜10重量部であ
    る、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高吸水性ポリ
    マー。
  6. 【請求項6】前記使用量が0.1〜5重量部である、請
    求項5に記載の方法。
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