JPH07228754A - 架橋構造を有する粉末フェノール樹脂 - Google Patents

架橋構造を有する粉末フェノール樹脂

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JPH07228754A
JPH07228754A JP2452894A JP2452894A JPH07228754A JP H07228754 A JPH07228754 A JP H07228754A JP 2452894 A JP2452894 A JP 2452894A JP 2452894 A JP2452894 A JP 2452894A JP H07228754 A JPH07228754 A JP H07228754A
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JP
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resin
phenol resin
cross
reduced pressure
acetone
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JP2452894A
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Takuya Tochimoto
卓哉 栃本
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Sumitomo Durez Co Ltd
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Sumitomo Durez Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレ
ンテトラミンとの配合物、レゾール型フェノール樹脂、
あるいはノボラック及びレゾール混合フェノール樹脂を
減圧度160Torr以下、温度100〜140℃の条
件下で加熱することにより部分架橋させたことを特徴と
する、結合剤用又は結合剤とともに使用するための粉末
フェノール樹脂。 【効果】 本発明の架橋構造を有するするフェノール樹
脂粉末は、揮発分やガスの発生量が少なく、かつ充分な
溶融性を有し、耐火物、炭素材料、摩擦材、有機フィラ
ー等に使用可能であり、未架橋フェノール樹脂では使用
できない分野での使用が可能となりフェノール樹脂の用
途をより拡大できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋構造を有するフェ
ノール樹脂粉末の製造方法に関するものである。更に詳
しくは、種々のアセトン抽出率、各種粒径を有し、耐火
物、炭素材料、摩擦材、ゴム配合用、有機フィラー等に
使用可能な架橋構造を有するフェノール樹脂粉末の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は、耐熱性、断熱性、寸
法安定性、機械強度などに優れた熱硬化性樹脂である。
したがって、フェノール樹脂は、各種機器や部品の軽量
化、高機能化に対する要求が高まるにつれその需要は拡
大しつつある。また、低発煙性であることから内装材と
しての用途も近年拡大されている。
【0003】さらに、カーボンボンドを形成する耐火物
のバインダーとして、原料の常温混練が可能であり、耐
火物の乾燥強度が大きく、かつ耐火物の製造時の作業環
境が改善される等の理由により、フェノール樹脂をバイ
ンダーとする耐火物を製造することが多くなっている。
耐火物用フェノール樹脂のバインダーとしては、ノボラ
ック型及びレゾール型の液状又は粉末の樹脂が単独又は
併用の形で使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フェノール樹脂に対す
る上記の様な要求を充たすため、各種エンジニアリング
プラスチックとのブレンドなどが考えられている。しか
し、形状が液状である、使用前に触媒の添加を必要とす
る、あるいは相容性が悪いなどの理由から他の樹脂に混
合して使用されることはほとんどなっかった。
【0005】また、耐火物において、一般に焼成後、高
強度を得るためには樹脂の添加量を多く配合すればよ
い。しかし、樹脂の配合量を多くした場合、乾燥時に発
生する樹脂の揮発分や硬化時に発生するガスの量が多く
なり、クラック発生の原因となりやすい。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノボラック型
フェノール樹脂と架橋剤との配合物及び/又はレゾール
型フェノール樹脂を減圧条件下で加熱することにより架
橋させることを特徴とする、結合剤用又は結合剤ととも
に使用するための粉末フェノール樹脂に関するものであ
る。
【0007】さらに、本発明は、ノボラック及びレゾー
ル混合フェノール樹脂を減圧条件下で加熱することによ
り架橋させることを特徴とする、結合剤用又は結合剤と
ともに使用するための粉末フェノール樹脂に関するもの
である。
【0008】
【作用】本発明で使用するフェノール樹脂としてはノボ
ラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、
ベンジリックエーテル型フェノール樹脂等が挙げられ
る。これらは、単独及び2種以上を混合して用いてもよ
い。また、ゴム変性、アルキルベンゼン変性等の各種変
性フェノール樹脂も使用することができる。
【0009】本発明で使用するフェノール樹脂の原料と
なるフェノール類としては、フェノール、クレゾール、
キシレノール、カテコール、レゾルシン、アルキルフェ
ノール類、ビスフェノール類及びこれらの混合物が挙げ
られる。さらに、ハイドロキノン、アニリン、尿素、メ
ラミン、カシューナットシェルオイルなどを物性に影響
を及ぼさない範囲で使用することが出来る。アルデヒド
類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド等が使用される。
【0010】フェノール類とアルデヒド類との付加縮合
の際の触媒は、樹脂のタイプに応じて使い分けることが
できる。酸性触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸
などの無機酸、又はパラトルエンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸な
どの有機酸が使用できる。その他、酢酸亜鉛等の金属塩
類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ類、アンモニア、ト
リエチルアミン等のアミン類を単独あるいは2種以上の
併用で使用することができる。
【0011】本発明において、フェノール樹脂の架橋構
造の程度は、アセトン抽出試験法により測定されるアセ
トン抽出率の値を用いて示した。アセトン抽出試験と
は、フェノール樹脂の未架橋構造分をソックスレー抽出
器を用い、アセトンを溶媒として抽出する方法である。
通常、未架橋のフェノール樹脂はアセトンに溶解する
が、架橋が進行するにつれて溶解しなくなる。完全に架
橋したフェノール樹脂はアセトンに全く溶解しない。す
なわち、アセトン抽出率100%のフェノール樹脂とは
全く架橋構造を有しないフェノール樹脂を示し、アセト
ン抽出率0%とは完全に架橋したフェノール樹脂を示
す。ノボラック型フェノール樹脂の場合、ヘキサメチレ
ンテトラミン等の架橋剤を目標とする架橋構造の程度に
合わせ、樹脂に対して1〜20重量%添加混合して架橋
させる。本発明において用いる粉末フェノール樹脂のア
セトン抽出率は、10〜90%が好ましい。アセトン抽
出率の値が10%以下では樹脂はほぼ完全硬化している
ので、架橋させる際減圧条件下で加熱する必要性を有さ
ない。反対に90%以上では未架橋の樹脂と有意差が得
られない。
【0012】フェノール樹脂を熱架橋させる際の加熱方
式としては、バッチ式と連続式の2通りが考えられる
が、減圧条件下で加熱を行なうためバッチ式の方法が用
いられる。バッチ式の加熱方式を用いる場合、フェノー
ル樹脂をバット内に仕込み、加熱を行なう。この際、大
量の樹脂を一度に加熱すると、樹脂内部まで熱が伝わり
にくくなり架橋の程度が不均一となる。また、減圧加熱
により発泡するので次工程での粉砕が行ないにくくなる
場合もある。よって、バット内での樹脂厚みは3cm以
下が好ましい。
【0013】フェノール樹脂を減圧条件下で加熱架橋し
た場合、常圧で加熱した場合と比較し、モノマー及び低
分子量成分を除去することができるため、耐火物等とし
て使用する際、揮発分やガスの量を少なくすることがで
きる。常圧で加熱した場合、減圧加熱と同程度の揮発
分、ガス発生量にしようとすると硬化が進みすぎ樹脂の
溶融流動性が損なわれる。
【0014】フェノール樹脂を減圧条件下、熱架橋させ
る際の減圧度及び温度は、目標とする架橋構造の程度に
より設定する。アセトン抽出率10〜90%の架橋構造
を有するフェノール樹脂を製造する場合、加熱温度は1
00〜140℃が好ましい。減圧度はなるべく低いほう
が好ましく、特に160Torr以下が好ましい。減圧
度が高いとモノマーや低分子量成分が除去しにくくなる
ためである。例えば、アセトン抽出率60%の架橋構造
を有するレゾール型フェノール樹脂を得るためには、原
料レゾールの分子量にも依存するが、減圧度80Tor
r、100℃/50分間程度の加熱条件でよい。また、
アセトン抽出率70%の架橋構造を有するノボラック/
レゾール混合型フェノール樹脂を得るためには、80T
orr、100℃/90分間程度の加熱でよい。
【0015】架橋構造を有するフェノール樹脂の粉砕方
法としては、ハンマーミル、自由ミル、パルペライザー
等を用いることができる。粉末の粒径は使用する粉砕機
により調整することができる。特定の範囲の粒径の樹脂
粉末を得るためには粉砕後、ふるいを掛けることにより
容易に得ることができる。この際、粉砕機への原料の供
給速度、粉砕機の回転速度、粉砕機のスクリーンのメッ
シュにより得られる粒径が異なってくる。
【0016】本発明の架橋構造を有するフェノール樹脂
粉末は各種用途に使用することが可能であるが、用途に
より要求されるアセトン抽出率、粒径の値が異なってく
る。その粉末の粒径としては10〜3000μmである
粉末フェノール樹脂が好ましく用いられる。例えば、耐
火物用のバインダーとして使用する場合、アセトン抽出
率は40〜90%、平均粒径は10〜50μm程度のも
のが好ましく用いられ、有機フィラー用、炭素材用のバ
インダーとしては、アセトン抽出率は10〜50%、平
均粒径は10〜100μm程度のものが好ましく用いら
れる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例において説明するが、
本発明は、これら実施例により限定されるものではな
い。また、以下の実施例中に記載されている「部」及び
「%」は、すべて「重量部」、「重量%」を示す。 (実施例1)冷却器と撹拌機付き反応釜を準備し、これ
にフェノール1000部、37%ホルマリン707部、
及び蓚酸10部とを仕込み、徐々に昇温し、還流条件下
で3時間反応させた。ついで所望の水分及び未反応フェ
ノール以下となるまで減圧下で脱水及び脱フェノールを
行ない釜内より取り出し、固形ノボラック型フェノール
樹脂を得た。この樹脂1000部とヘキサメチレンテト
ラミン100部とを混合粉砕した後、減圧度80Tor
rで、120℃/60分加熱した。得られた架橋構造を
有するフェノール樹脂をハンマーミルで粗粉砕した後、
パルペライザーを用い微粉砕した。得られた粉末の平均
粒径は30μmであり、アセトン抽出率は50%であっ
た。
【0018】(実施例2)冷却器と撹拌機付き反応釜を
準備し、これにフェノール1000部、37%ホルマリ
ン1510部、28%アンモニア水230部を仕込んだ
後、徐々に昇温した。内温80℃において、15分間、
減圧還流を行なった。内温50℃まで冷却後静置し、分
離水を除去した。ついで、60℃で減圧脱水しレゾール
型フェノール樹脂を得た。この樹脂を減圧度80Tor
rで、100℃/50分加熱した。得られた架橋構造を
有するフェノール樹脂をハンマーミルで粗粉砕した後、
パルペライザーを用い微粉砕した。得られた粉末の平均
粒径は30μmであり、アセトン抽出率は60%であっ
た。
【0019】(実施例3)冷却器と撹拌機付き反応釜を
準備し、これにフェノール1000部、37%ホルマリ
ン707部、及び蓚酸10部とを仕込み、徐々に昇温
し、還流条件下で3時間反応させた。ついで所望の水分
及び未反応フェノール以下となるまで減圧下で脱水及び
脱フェノールを行ない釜内より取り出し、固形ノボラッ
ク型フェノール樹脂を得た。次に、別の冷却器と撹拌機
付き反応釜を準備し、これにフェノール1000部、3
7%ホルマリン1510部、28%アンモニア水230
部を仕込んだ後、徐々に昇温した。内温80℃におい
て、15分間、減圧還流を行なった。内温50℃まで冷
却後静置し、分離水を除去した。ついで、60℃で減圧
脱水しレゾール型フェノール樹脂を得た。この樹脂と先
に得られたノボラック樹脂を50:50の重量比で粉砕
混合し、減圧度80Torrで、100℃/90分加熱
した。得られた架橋構造を有するフェノール樹脂をハン
マーミルで粗粉砕した後、パルペライザーを用い微粉砕
した。得られた粉末の平均粒径は40μmであり、アセ
トン抽出率は70%であった。
【0020】(実施例4)冷却器と撹拌機付き反応釜を
準備し、これにキシレン樹脂800部、フェノール12
00部を仕込み撹拌した。内温60℃で硫酸6.5部を
加えさらに撹拌した。内温100℃昇温し、その温度で
2時間還流した。ついで37%ホルマリン661部を1
時間かけて逐次添加した。さらに1時間還流を行なった
後、減圧下160℃まで加熱撹拌を行ない、未反応のフ
ェノールを取り除き、アルキルベンゼン変性フェノール
を得た。この樹脂1000部とヘキサメチレンテトラミ
ン70とを混合粉砕した後、減圧度80Torrで、1
20℃/60分加熱した。得られた架橋構造を有するフ
ェノール樹脂をハンマーミルで粉砕した。得られた粉末
をふるいに掛け、420〜590μmの粒度の粉末を得
た。また、アセトン抽出率は50%であった。
【0021】
【発明の効果】本発明により、モノマー及び低分子量成
分の少ない架橋構造を有するフェノール樹脂粉末の製造
が可能になった。本発明の架橋構造を有するフェノール
樹脂粉末は、揮発分やガスの発生量が少なくかつ充分な
溶融性を有し、耐火物、炭素材料、摩擦材、有機フィラ
ー等に使用可能であり、未架橋フェノール樹脂では使用
できない分野での使用が可能となりフェノール樹脂の用
途をより拡大できるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノボラック型フェノール樹脂と架橋剤と
    を配合し、減圧条件下で加熱することにより架橋させる
    ことを特徴とする、結合剤用又は結合剤とともに使用す
    るための粉末フェノール樹脂。
  2. 【請求項2】 レゾール型フェノール樹脂を減圧条件下
    で加熱することにより架橋させることを特徴とする、結
    合剤用又は結合剤とともに使用するための粉末フェノー
    ル樹脂。
  3. 【請求項3】 ノボラック及びレゾール混合フェノール
    樹脂を減圧条件下で加熱することにより架橋させること
    を特徴とする、結合剤用又は結合剤とともに使用するた
    めの粉末フェノール樹脂。
  4. 【請求項4】 アセトン抽出率が10〜90%である請
    求項1、2又は3記載の粉末フェノール樹脂。
  5. 【請求項5】 粉末の粒径が10〜3000μmである
    請求項1、2又は3記載の粉末フェノール樹脂。
JP2452894A 1994-02-22 1994-02-22 架橋構造を有する粉末フェノール樹脂 Pending JPH07228754A (ja)

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