JPH07228602A - 新規β−1,4−グルカンおよびその製造方法 - Google Patents

新規β−1,4−グルカンおよびその製造方法

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JPH07228602A
JPH07228602A JP4177194A JP4177194A JPH07228602A JP H07228602 A JPH07228602 A JP H07228602A JP 4177194 A JP4177194 A JP 4177194A JP 4177194 A JP4177194 A JP 4177194A JP H07228602 A JPH07228602 A JP H07228602A
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glucan
acetylglucosamine
residue
acetylgalactosamine
cellulose
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JP4177194A
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Yuko Kanegae
祐子 鐘ケ江
Masahiro Fukaya
正裕 深谷
Sumio Akita
澄男 秋田
Kichiya Kawamura
吉也 川村
Seiichi Tokura
清一 戸倉
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Nakano Vinegar Co Ltd
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Nakano Vinegar Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子中にN−アセチルグルコサミン残基およ
びN−アセチルガラクトサミン残基を含む新規なβ−
1,4−グルカン並びにセルロース生産能を有し、かつ
ウリジンジホスフェートとN−アセチルグルコサミンの
複合体をウリジンジホスフェートとN−アセチルガラク
トサミンに変換できるエピメラーゼ活性を有する酢酸菌
をN−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルガラク
トサミンを単一炭素源として含む培地で培養することを
特徴とする分子中にN−アセチルグルコサミン残基およ
びN−アセチルガラクトサミン残基を含む新規なβ−
1,4−グルカンの製造方法。 【効果】 本発明によれば、生分解性高分子素材,医用
材料,クロマトグラフィー用担体,固定化用担体,レク
チン基質などとして使用可能な新規β−1,4−グルカ
ンと、その効率的な製造法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規β−1,4−グル
カンおよびその製造方法に関し、詳しくは分子内,分子
間で水素結合を形成し易いアセトアミド基を持ち、また
グルコースおよびガラクトースの2位置換体であるN−
アセチルグルコサミン残基およびN−アセチルガラクト
サミン残基を分子中に含む新規β−1,4−グルカンお
よび微生物による該β−1,4−グルカンの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】高分子のβ−1,4−グルカンは、セル
ロースとして植物の主要構成成分をなしている。このセ
ルロース分子に化学的にアセチル基やニトロ基などを導
入して調製した化学修飾セルロースは、各種用途に広範
に使用されている重要な素材である。
【0003】本発明者らは、先に化学的手法によらない
新規なβ−1,4−グルカンの修飾方法を見出した(特
開平4−268301)。この方法は、セルロース生産
能を有する微生物を培養するにあたり、培地に炭素源の
一部としてN−アセチルグルコサミン(以下、GlcN
Acと記載する。)を添加することにより、培地中にβ
−1,4−グルカン(セルロース)分子中にG1cNA
c残基が導入された新規の構造を有するβ−1,4−グ
ルカンが微生物によって生産されるという従来とは全く
異なった手法による生産法である。この方法によって製
造されたβ−1,4−グルカンは、分子内,分子間で水
素結合を形成し易いアセトアミド基を持ち、またグルコ
ースおよびN−アセチルグルコサミン残基を分子中に含
むため、GlcNAcで構成されるキチンとセルロース
の両方の性質を兼ね備え、あるいは新規な機能性を有し
ていると期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】GlcNAcで構成さ
れるキチンの構成糖であり、キチンの脱アセチル化物で
あるキトサンは、様々な生理活性を有することが報告さ
れており、上記の分子中にGlcNAc残基を含むβ−
1,4−グルカンは、有用な新規素材である。この機能
性は、含有されるN−アセチルグルコサミン残基によっ
てもたらされるものであり、他の機能性の高い糖がGl
cNAcと同様にβ−1,4−グルカンの分子中に取り
込まれたポリマーは、より高い機能性あるいは新規な機
能を有すると予想される。しかしながら、従来、N−ア
セチルグルコサミン以外のヘキソサミンを効率的にβ−
1,4−グルカンの分子中に取り込む方法は全く知られ
ていなかった。
【0005】N−アセチルガラクトサミンは、広範な糖
タンパク質の構成成分として存在し、特にムチン型タン
パク質の糖鎖に存在し、ABO式血液型のA抗原や癌細
胞の抗原として重要なアミノ糖である。また、そのポリ
マーであるα−1,4−ポリガラクトサミンは抗菌性を
示す。さらに、脱アセチル化物であるガラクトサミンの
硫酸化物はコンドロイチン硫酸の主要構成成分である。
【0006】本発明は、GlcNAcと同様に生理活性
を有しているN−アセチルガラクトサミン(以下、Ga
lNAcと記載する。)をβ−1,4−グルカン分子中
に取り込ませた新規β−1,4−グルカン並びにその製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】本発明者らは、β−1,4−グルカン(セ
ルロース)分子中にGlcNAc残基が導入された新規
の構造を有するβ−1,4−グルカンを生産できる微生
物の代謝について詳細に検討したところ、UDP−Gl
cNAc(ウリジンジホスフェートとN−アセチルグル
コサミンの複合体)をUDP−GalNAc(ウリジン
ジホスフェートとN−アセチルガラクトサミンの複合
体)に変換できるエピメラーゼ活性を有していることを
見出した。さらに、反応を微生物を使って詳細に検討し
たところ、このエピメラーゼ反応がUDP−GlcNA
c→UDP−GalNAcの方向だけでなく、逆反応も
認められる可逆的な反応であることを見出した。UDP
−GlcNAcは、キチン生合成の中間体であり、キチ
ン合成酵素の働きにより、高分子化し、最終的にキチン
となる。一方、セルロースの生合成は、UDP−グルコ
ースを中間体とし、セルロース合成酵素の働きにより、
キチンと同様なプロセスで高分子化していくと考えられ
ている。
【0008】先の発明において、培地に添加したGlc
NAcが、β−1,4−グルカン(セルロース)分子中
に取り込まれる生合成経路の一つとして、菌体に取り込
まれたGlcNAcからUDP−GlcNAcが合成さ
れ、セルロース合成酵素の働きによりβ−1,4−グル
カンが合成される際に、このUDP−GlcNAcも合
成反応の基質として利用されることより、β−1,4−
グルカン分子中にGlcNAcが取り込まれている可能
性が考えられた。もし、UDP−GlcNAcの代わり
にUDP−GalNAcが生成するような条件を見つけ
れば、分子中にGalNAcが取り込まれたβ−1,4
−グルカンを製造することができると期待された。
【0009】そこで、本発明者らは以下の実験を行っ
た。炭素源としてグルコースのみ、グルコースとN−ア
セチルグルコサミンまたはN−アセチルグルコサミンを
含む3種類の培地でそれぞれ微生物の培養を行い、培養
終了後生産されたゲル状の膜を精製した後、得られたサ
ンプルについて塩酸で加水分解しGlcNAc量および
GalNAcを定量した。その結果、グルコースのみの
培地ではGlcNAc,GalNAcともに検出され
ず、グルコースとN−アセチルグルコサミンの培地では
GlcNAcは検出されたがGalNAcは検出され
ず、N−アセチルグルコサミンのみの培地ではGlcN
Ac,GalNAcともに検出された。
【0010】前記のように、エピメラーゼ反応に着目し
て反応の平行がUDP−GalNAcの生成に傾くよう
な培養条件を鋭意検討したところ、結果として、培地中
の炭素源をGlcNAcだけにすると、この変換反応が
UDP−GalNAc生成方向に進行し、分子中にGa
lNAcが取り込まれたβ−1,4−グルカンを製造す
ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は分子
中にN−アセチルグルコサミン残基およびN−アセチル
ガラクトサミン残基を含むβ−1,4−グルカンに関す
る。また、セルロース生産能を有し、かつウリジンジホ
スフェートとN−アセチルグルコサミンの複合体をウリ
ジンジホスフェートとN−アセチルガラクトサミンに変
換できるエピメラーゼ活性を有する酢酸菌をN−アセチ
ルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミンを単
一炭素源として含む培地で培養することを特徴とする分
子中にN−アセチルグルコサミン残基およびN−アセチ
ルガラクトサミン残基を含むβ−1,4−グルカンの製
造法に関する。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する微生物は、基本的にはセルロース生産能を有
し、UDP−GlcNAcとUDP−GalNAcの間
のエピメラーゼ反応を触媒することができる菌株であれ
ばよく、その他の制限はないが、アセトバクター属,グ
ルコノバクター属などの酢酸菌が好ましく、特に前者は
セルロース生産能が高く、より好適である。具体的に
は、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinu
m)ATCC10245株、同IFO13696株,同1
051株(FERM P−12000)などを挙げるこ
とができる。なお、これらの微生物から誘導された変異
株であっても、上記の性質を有するものは本発明に使用
することができる。さらに、これら微生物をN−アセチ
ルグルコサミンを炭素源として含む培地で継代培養する
ことにより、上記新規β−1,4−グルカンの生産能の
高まった菌株は一層好適である。
【0013】培地としては、炭素源としてN−アセチル
グルコサミンやN−アセチルガラクトサミンを含む培地
であればよいが、これらの糖を単独で使用することによ
りN−アセチルガラクトサミン含量の高いものが生産さ
れる。N−アセチルグルコサミンやN−アセチルガラク
トサミンの培地への添加濃度は、微生物の培養に影響が
ない範囲で適宜決定すればよく、通常0.1〜5%の範囲
が望ましい。
【0014】培地は、上記炭素源の他に窒素源,無機塩
類、さらにはその他必要に応じてアミノ酸,ビタミンや
微生物の生育に有用な栄養源を含むことができる。アセ
トバクター属に属する微生物を用いる場合には、ヘキソ
サミンを単一炭素源として含有させたHestrin-Schramm
培地が特に好適である。
【0015】培養条件については、用いる酢酸菌が生育
し、新規β−1,4−グルカンを生産する条件であれば
よく、通常は、pHは5〜9、好ましくは5〜7が適当
であり、温度は20〜40℃、好ましくは25〜32
℃、時間は2〜10日間、好ましくは4〜7日間が適当
である。また、培養方法は、通気攪拌培養でも静置培養
でもよい。静置培養の場合は、目的とするβ−1,4−
グルカン(セルロース)は培地液表面にゲル状物質とし
て生産され、容易に回収することができるので好まし
い。
【0016】生産された新規β−1,4−グルカンは、
必要に応じて除蛋白処理をした後、通常は水洗して使用
する。さらに、所望により水洗後、新規β−1,4−グ
ルカンが分解しないような方法、例えば風乾などの一般
的方法で乾燥させてもよい。
【0017】本発明により製造されたゲル状高分子物質
がグルコース残基だけでなくGlcNAc残基およびG
alNAc残基も分子中に含有しているβ−1,4−グ
ルカンであることは、例えば静置培養で生産されたゲル
状物質を除蛋白し、さらに培地由来のGlcNAc,G
alNAcを水洗することにより除去した後、乾燥させ
たフィルム状物について塩酸で加水分解し、分解産物を
アミノ酸分析計で定量することにより確認することがで
きる。
【0018】本培養の新規β−1,4−グルカンは、セ
ルロース分子中のグルコース残基の一部がGlcNAc
残基およびGalNAc残基に置換された、グルコース
残基とGlcNAc残基およびGalNAc残基から構
成される化合物であり、グルコース残基のみから構成さ
れるセルロースやGlcNAc残基のみから構成される
キチンとは異なる新規な化合物である。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 (静置培養)アセトバクター・キシリナムATCC10
245株を、D−グルコースの代わりにN−アセチルグ
ルコサミンを単一炭素源とするHestrin-Schramm 培地
(N−アセチルグルコサミン2.0g,バクトペプトン
(ディフコ社製)0.5g,酵母エキス(ディフコ社製)
0.5g,クエン酸0.115g,リン酸水素二ナトリウム
0.27g,蒸留水100ml,pH6.0)50mlを分
注した300ml容量の三角フラスコに植菌し、28℃
で7日間静置培養した。
【0020】培養終了後、培養液表面に生産されたゲル
状の膜を取り出し、2%SDS溶液に浸漬し100℃で
3時間煮沸し、菌体成分や培地由来の蛋白質などを除去
した後、2%NaOH水溶液に浸漬してさらに100℃
で1.5時間処理した。その後に1%酢酸溶液に浸漬して
室温で3時間中和処理し、水で十分に洗浄して不純物の
除去を行い、目的とする新規β−1,4−グルカンを得
た。この時の収量は、培養液50mlあたり、乾燥重量
は20〜50mgであった。
【0021】この時の標品を自然乾燥させて調製したシ
ートのX線回析結果と赤外線(IR)分析結果を図−1
および図−2に示す。X線回析は理学電気製ガイガーフ
レックスを、赤外線分析はパーキンエルマー製1600
フーリエ変換赤外分光分析装置を用いたフィルム法で行
った。X線回析の結果、セルロースに特徴的な110面
と020面があった。また、赤外線分析の結果、セルロ
ースと同様の吸収パターンが得られた。いずれもセルロ
ースに特徴的な性質を示しており、培養液表面に生産さ
れた不溶物は、β−1,4−グルカンであった。
【0022】得られたセルロースを凍結乾燥させ、85
%リン酸で膨潤させた後、2N塩酸にて窒素存在下で1
00℃にて12時間加水分解し、塩酸除去後、含有され
るアミノ糖を定量するため、アミノ酸分析計に供した。
使用したアミノ酸分析計は日立製835型で、カラムは
日立製♯2617(4mm径×250mm)を使用し
た。加水分解物をサンプル溶解用バッファー(クエン酸
ナトリウム二水和物4.9g,クエン酸一水和物35.0
g,NaCl8.77g,カプリル酸0.10ml,チオジ
グリコール5.00mlを蒸留水に溶解して1リットルに
調製する。)に溶解後、適当量をカラムに注入して分析
した。カラムはあらかじめバッファー1(クエン酸ナト
リウム二水和物14.71g,クエン酸一水和物10.50
g,NaCl2.92g,チオジグリコール5.00ml,
ブリーチ4.00ml,カプリル酸0.10mlを蒸留水に
溶解し、1リットルとしたもの、pHは4.9に調整)で
グラジェントをかけ溶出させた。そのときの溶出速度は
0.275ml/minであった。検出されたアミノ糖は
2つで、溶出位置49.5minにN−アセチルガラクト
サミンに相当するピークが検出された。N−アセチルグ
ルコサミンおよびN−アセチルガラクトサミンに相当す
るピークをもとに、両者の量をグルコサミン塩酸塩およ
びガラクトサミン塩酸塩として定量した。
【0023】結果は第1表に示す。それぞれの含量は、
分析に供した試料の重量に基づいてアミノ酸分析計の結
果より求めた標品中のGlcNAc量およびGalNA
c量から、残基数の割合で表した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 (通気攪拌培養)アセトバクター・キシリナムATCC
10245株を、Hestrin-Schramm 培地(D−グルコー
ス2.0g,バクトペプトン(ディフコ社製)0.5g,酵
母エキス(ディフコ社製)0.5g,クエン酸0.115
g,リン酸水素二ナトリウム0.27g,蒸留水100m
l,pH6.0)の組成のうち、D−グルコース2.0gを
D−グルコース1.4gとN−アセチルグルコサミン0.6
gに変更し、それ以外の成分は同一である培地に植菌
し、28℃で7日間培養した。
【0026】培養終了後、培養液表面に生成した微生物
セルロースを含有する生成物を含まないようにして得た
培養液の一部を種培養液とし、この培養液の一部(容量
で10%)を、培養装置に上記Hestrin-Schramm 培地の
組成のうちD−グルコース2.0gをN−アセチルグルコ
サミン2.0gに変更した培地を入れたものに植菌し、通
気攪拌培養を行った。なお、装置は容量5リットル,液
量3リットル,東京理化製,発酵槽内径143mm,高
さ344mmの円筒形で、発酵槽内の攪拌軸に支持体と
して直径12cmのステンレス製円板(メッシュサイズ
6)を液面から4cm,6cm,8cm,10cm,1
2cmの各位置に1枚ずつ合計5枚を固定しており、攪
拌軸の回転と連動して30rpmの速度で回転させなが
ら培養した。また、通気は攪拌軸の最下部に取りつけた
支持体の下1.5cmの位置にある攪拌軸の先端に設置し
た円板状の空気吹き出し口(長さ6cm,直径1.2c
m,口径0.5cm)から行い、除菌フィルターを通した
空気をエアーポンプにて毎分約0.4リットルの速度で供
給した。
【0027】30℃で5日間培養した後に、回収した新
規β−1,4−グルカンを実施例1と同様にして精製後
秤量したところ、湿重量で3.01gであった。得られた
新規β−1,4−グルカンを実施例1と同様に塩酸によ
る加水分解を行い、アミノ酸分析計を用いGlcNAc
量およびGalNAc量を定量した。結果を第2表に示
す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3 アセトバクター・キシリナム1051(FERM P−
12000)株を、実施例1と同様にD−グルコースの
代わりにN−アセチルグルコサミンを単一炭素源とする
Hestrin-Schramm 培地50mlを分注した300ml容
量の三角フラスコに植菌し、28℃で7日間静置培養し
た。
【0030】培養終了後、回収した新規β−1,4−グ
ルカンを実施例1と同様にして精製した。この時の収量
は、培養液50mlあたり、乾燥重量は30〜50mg
であった。得られた新規β−1,4−グルカンを実施例
1と同様に塩酸による加水分解を行い、アミノ酸分析計
を用いGlcNAc量およびGalNAc量を定量し
た。結果を第3表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、生分解性高分子素材,
医用材料,クロマトグラフィー用担体,固定化用担体,
レクチン基質などとして使用可能な新規β−1,4−グ
ルカンと、その効率的な製造法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得たβ−1,4−グルカンのX線
回析図である。
【図2】 実施例1で得たβ−1,4−グルカンの赤外
線分析図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 吉也 愛知県江南市古知野町古渡132 (72)発明者 戸倉 清一 北海道札幌市西区八軒5条西4丁目1番地 の13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中にN−アセチルグルコサミン残基
    およびN−アセチルガラクトサミン残基を含む新規なβ
    −1,4−グルカン。
  2. 【請求項2】 セルロース生産能を有し、かつウリジン
    ジホスフェートとN−アセチルグルコサミンの複合体を
    ウリジンジホスフェートとN−アセチルガラクトサミン
    に変換できるエピメラーゼ活性を有する酢酸菌をN−ア
    セチルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン
    を単一炭素源として含む培地で培養することを特徴とす
    る分子中にN−アセチルグルコサミン残基およびN−ア
    セチルガラクトサミン残基を含む新規なβ−1,4−グ
    ルカンの製造方法。
  3. 【請求項3】 セルロース生産能を有し、かつウリジン
    ジホスフェートとN−アセチルグルコサミンの複合体を
    ウリジンジホスフェートとN−アセチルガラクトサミン
    に変換できるエピメラーゼ活性を有する酢酸菌が、アセ
    トバクター・キシリナムATCC10245株、アセト
    バクター・キシリナムIFO13693株およびアセト
    バクター・キシリナム1051株(FERM P−12
    000)のいずれかである請求項2記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008011818A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Fujicco Co Ltd ナタデココシートの製造方法

Cited By (2)

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JP4628320B2 (ja) * 2006-07-07 2011-02-09 フジッコ株式会社 ナタデココシートの製造方法

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