JPH0722851U - 車両用ルーフコンソール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 備品収納機能を備えた車両用ルーフコンソー
ルにおいて、開閉リッドの開放時、収容した備品が脱落
するのを確実に防止して、備品の確実な保護を図るとと
もに、衝突時など乗員にぶつかる等の不具合を排除した
車両用ルーフコンソールを提供することを目的とする。 【構成】 内部に備品収納空間２２を設定したルーフコ
ンソール２０の左右側の少なくとも一方側の側面に備品
を出し入れする開口２３を設置するとともに、この開口
を蓋するスライド式開閉リッド３０か、あるいは上縁を
ヒンジ部４１として上方向に回動する回動式開閉リッド
４０を設定することにより、リッド３０，４０の開放
時、内部の備品が外部に脱落することを防止するととも
に、衝突時等不用意にリッド３０，４０が開放するのを
防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、車両用ルーフコンソールに関するもので、使い勝手を向上させる とともに、安全面を考慮した車両用ルーフコンソールに関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、乗用車の室内には、各種備品を収納するために、運転席シートと補助 席シートとの間に設置されるコンソールボックスや、ダッシュボードにおける補 助席前方側に設置されるグローボックスや、ドアトリムに設置されるドアポケッ ト等が配備されているが、最近では、使い勝手の面から、運転席と補助席との間 の上方スペース、すなわちルーフコンソールに備品収納機構を設定した車種が多 くなっている。

【０００３】 図９に示すように、ルーフトリム１の前方側中央部、すなわち運転席と補助席 との間の上方スペースに樹脂成形体からなるルーフコンソール２が取付けられて おり、特に、運転席および補助席乗員の身近な箇所にあることから、ルーフコン ソール２内部を備品の収容空間とし、ルーフコンソール２に設けた開閉リッド３ を開閉操作して、サングラスや筆記具あるいはカード等の備品を収容するように している。

【０００４】 すなわち、図１０に示すように、ルーフコンソール２には、備品を出し入れす る際の開口２ａが開設されており、この開口２ａを蓋するように、開閉リッド３ がヒンジ部３ａを介して下側方向に回動可能な構成となっており、この開閉リッ ド３の内面に備品等を収容するポケット４を一体に形成するという構成である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来、備品を収容するホルダ機能をもつルーフコンソール２にお いては、備品を出し入れする際、開閉リッド３を下側に開放するため、開閉リッ ド３の開放時、備品がポケット４から外部に落下するという不具合がある。

【０００６】 さらに、開閉リッド３は下方向に回動する構成であるため、衝突時等に開閉リ ッド３が不用意に開放すると、乗員にぶつかるおそれがある等の問題点が指摘さ れている。

【０００７】 この考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、備品収納機能をもつル ーフコンソールにおいて、リッドの開閉操作時、備品が脱落するというおそれが なく、より安全な車両用ルーフコンソールを提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、運転席と補助席との間の上方スペース に設置され、内部に備品を収容する備品収納空間を設定してなる車両用ルーフコ ンソールにおいて、前記ルーフコンソールの左右側面の少なくとも一方側面に、 備品を出し入れする開口が開設され、この開口を蓋するスライド式開閉リッド、 あるいは上縁ヒンジ部を基に上方向に回動可能な回動式開閉リッドが設置されて いることを特徴とする。

【０００９】 さらに、本考案は、運転席と補助席との間の上方スペースに設置される車両用 ルーフコンソールにおいて、前記ルーフコンソールには、収納ボックスを収容す る凹所が形成されているとともに、収納ボックスの側面と凹所の側面との間に複 数のリンクアームを介して、収納ボックスが左右側に引き出し、下方にスイング 操作され、ルーフコンソールの下側に収納ボックスが使用状態で支持されること を特徴とする。

【００１０】

【作用】

以上の構成から明らかなように、ルーフコンソールの左右側面の少なくとも一 方側に備品出し入れ用の開口が開設され、この開口を蓋する開閉リッドは、左右 方向に引き出すスライド式開閉リッドか、あるいは上縁をヒンジ部とした上方向 に回動できる回動式開閉リッドが設定されているため、開閉式リッドの開放時、 備品はルーフコンソール内の収納部に保持されているため、リッド開放時、備品 が脱落するおそれがない。

【００１１】 さらに、スライド式開閉リッドあるいは回動式開閉リッドは、ルーフコンソー ルの下面より下方側に位置しないため、衝突時等乗員に触れることがない。

【００１２】 さらに、ルーフコンソールに設けた凹所内に収納ボックスを設け、この収容ボ ックスを左右側に引き出し、かつ下方にスイング操作させる２重操作を必要とす る構成であり、リッドを廃止するという構成であるため、収納ボックス使用時、 備品が外部に脱落したりすることがない。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案による車両用ルーフコンソールの実施例ついて、添付図面を参照 しながら詳細に説明する。

【００１４】 図１ないし図４は本考案の第１実施例を示すもので、図１は開閉リッドの閉鎖 状態を示すルーフコンソールの斜視図、図２は開閉リッドの開放状態を示すルー フコンソールの斜視図、図３は開閉リッドの開放状態を示す断面図、図４はルー フコンソールと開閉リッドとの関係を示す天井側から見た説明図、図５，図６は 本考案の第２実施例を示すもので、図５は開閉リッドを開放した状態を示すルー フコンソールの斜視図、図６は開閉リッドを閉鎖した状態を示す要部断面図、図 ７，図８は本考案の第３実施例を示すもので、図７はルーフコンソールの全体構 成を示す斜視図、図８はルーフコンソールと収納ボックスとの関係を示す説明図 である。

【００１５】 まず、図１ないし図４に基づいて、本考案による車両用ルーフコンソールの第 １実施例について説明する。

【００１６】 図１，図２において、乗用車のルーフパネルに内装されるルーフトリム１０の 前方側中央部、すなわち運転席と補助席との間の上方スペースに樹脂成形体から なるルーフコンソール２０が設置されており、このルーフコンソール２０には、 室内ランプやサンルーフ等の操作用スイッチ２１が配設されているとともに、こ のルーフコンソール２０は内部を中空としたボックス状に成形されており、かつ 運転席や補助席から身近な箇所にあることから、サングラス，各種カード類，筆 記具等の小物備品を収容する備品収納空間２２が内部に設定され、備品を出し入 れする開口２３が、本実施例では運転席側の側面に開設されている。

【００１７】 図１はこの開口２３をスライド式開閉リッド３０で閉鎖した状態、図２はスラ イド式開閉リッド３０を開放した状態をそれぞれ示している。

【００１８】 次いで、ルーフコンソール２０に設定された備品収納空間２２と、スライド式 開閉プレート３０の具体的な構成について説明すると、図４に示すように、開口 ２３には、スライド式開閉プレート３０を操作するための操作用凹部２４が形成 されているとともに、備品が備品収納空間２２から脱落しないように、端縁部分 にリブ２５が形成されており、かつ、備品収納空間２２の左右側の側壁に溝部２ ６が設置されている。

【００１９】 一方、スライド式開閉プレート３０は、開口２３を蓋する閉鎖プレート３１と 、これを支持する左右側のサポートプレート３２とからなり、サポートプレート ３２には凸部３３が突設形成され、この凸部３３が溝部２６内を摺動することに より、円滑なスライド式開閉プレート３０のスライド操作が期待できるとともに 、スライド開閉リッド３０の閉鎖時、閉鎖状態をロックできるように、ルーフコ ンソール２０側に係止用凹部２７が、スライド式開閉リッド３０側に係止爪３４ が設けられている。

【００２０】 このように、本実施例によれば、ルーフコンソール２０内に備品を収容する備 品収納空間２２を設定するとともに、この収納備品を出し入れする開口２３を運 転席側の側面に設け、この開口２３を蓋するスライド式開閉プレート３０を設置 するという構成であるため、ルーフコンソール２０内の備品を取り出す際、操作 用凹部２４から指を挿入して、スライド式開閉プレート３０をスライド操作すれ ば、簡単に備品収納空間２２から備品を取り出すことができ、従来のように、リ ッド開放時、備品が脱落するという不具合はない。

【００２１】 さらに、スライド式開閉プレート３０は、左右方向にスライド動作する構成で あるため、衝突時等乗員に触れる等の不具合もない。

【００２２】 なお、本実施例では、ルーフコンソール２０の運転席側の側面に開口２３を設 け、この開口２３を蓋するスライド式開閉リッド３０を設置したが、補助席側乗 員も利用できるように、ルーフコンソール２０の左右側両側面に開口を設け、そ れぞれ開口を蓋するスライド式開閉リッド３０を設置してもよい。

【００２３】 次いで、図５，図６は本考案による車両用ルーフコンソールの第２実施例を示 すもので、本実施例では、第１実施例のスライド式開閉リッド３０に代えて、回 動式開閉リッド４０を設置したことが特徴である。

【００２４】 すなわち、図５に示すように、回動式開閉リッド４０は、ルーフコンソール２ ０の開口２３の上縁に沿って、ヒンジ部４１を介して回動可能に取付けられてい るとともに、コイルスプリング４２がこのヒンジ部４１に設置されているため、 回動式開閉リッド４０は常時上方向に付勢されている。

【００２５】 そして、この回動式開閉リッド４０を閉鎖状態とするには、回動式開閉リッド ４０の回動端側にフック４３が取付けられており、回動式開閉リッド４０を閉鎖 した状態で、図６に示すように、開口２３下端に設けたストッパ２７に係着すれ ば、回動式開閉リッド４０の閉鎖状態が維持でき、フック４３を回動操作させて 、ストッパ２７との係着を解除すれば、コイルスプリング４２のバネ力により、 回動式開閉リッド４０が上方向に回動状態となり、開口２３を通じて備品収納空 間２２から備品を取り出すか、備品を収納すればよい。

【００２６】 本実施例においても、回動式開閉リッド４０の開放時、備品収納空間２２から 備品が外部に脱落することがなく、かつ回動式開閉リッド４０は開放時ルーフト リム１０面と重なり合った状態であるため、衝突時乗員にぶつかったりすること がない。

【００２７】 次に、図７，図８は本考案による車両用ルーフコンソールの第３実施例を示す ものであり、本実施例においては、ルーフコンソール２０とは別体に収納ボック ス５０を設定した構成である。

【００２８】 この収納ボックス５０は、ルーフコンソール２０に設けた凹所６０内に収容し た状態では、ルーフコンソール２０と収納ボックス５０との間で一体感を強調で きるように、凹所６０の形状と収納ボックス５０の形状とを略等しく設定されて おり、さらに詳しくは、収納ボックス５０は、上面を開口したボックス状に形成 され、内部に備品を収容する備品収納空間５１が設定され、この収納ボックス５ ０を凹所６０内に取付けるには、４箇所にリンクアーム５２を介して取付けられ ている。

【００２９】 すなわち、リンクアーム５２の一方端は、ジョイント５３を介して凹所６０の 内側面６１に取付けられ、かつリンクアーム５２の他端は、ジョイント５３を介 して収納ボックス５０のサイドプレート５４に取付けられている。

【００３０】 そして、収納ボックス５０を手前側に引き出し、その後下方にスイング動作さ せて、凹所６０の下方位置収納ボックス５０をに押し下げて支持することにより 、図８に示す位置で備品の取り出しならびに収納操作を行なうという構成である 。

【００３１】 なお、収納ボックス５０のスライド動作ならびにスイング動作を許容するため に、凹所６０の内側面６１ならびに収納ボックス５０のサイドプレート５４には 溝部６２，５５が開設され、かつ図７に示す収納位置で収納ボックス５０を確実 に保持するように、凹所６０の内側面６１に嵌合孔６３、そしてこの嵌合孔６３ に嵌合する突起５６が、収納ボックス５０のサイドプレート５４に形成されてい る。

【００３２】 本実施例によれば、収納ボックス５０を開放する際、収納ボックス５０を手前 側に引き寄せ、さらに下方にスイング動作させて、凹所６０の下方位置に収納ボ ックス５０を位置させて、収納ボックス５０内の備品の出し入れを行なうという ものであるから、従来のように、開閉リッドを開けた際、その勢いで備品が外部 に脱落することがなく、かつ走行中の振動等により不用意に開閉リッドが開いて しまうことがない。

【００３３】 さらに、本実施例によれば、収納ボックス５０内の収容した備品が目視できる ため、備品の取り出しあるいは収納操作が楽に行なえ、使い勝手を向上させるこ とができるという付随的な利点がある。

【００３４】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案による車両用ルーフコンソールは、以下に記載する 格別の作用効果を有する。

【００３５】 （１）請求項１記載の考案によれば、ルーフコンソールの左右側側面の少なくと もいずれか一方側に開口を設け、この開口を蓋するスライド式開閉リッドあるい は上方に回動できる回動式開閉リッドを設置するという構成であるから、開閉リ ッドを開放操作した際、その勢いで備品が外部に脱落することがなく、備品を確 実かつ安全に収容することができるという効果を有する。

【００３６】 （２）請求項１記載の考案によれば、ルーフコンソールの左右側面の少なくとも いずれか一方側に開口を設け、この開口を蓋するスライド式開閉リッド、回動式 開閉リッドを設置するという構成であるため、開閉リッドが下側に開くことがな いため、衝突時にリッドが開き、これに乗員がぶつかるおそれがないという効果 を有する。

【００３７】 （３）請求項２記載の考案によれば、ルーフコンソールの凹所内に収納ボックス を設置するとともに、この収納ボックスをスライド操作の後スイング操作すると いう２連操作で収納ボックスを使用状態とするため、従来のように、リッドを開 放する勢いで備品が外部に脱落するというおそれもなく、不用意に開放すること がないという効果を有する。

【００３８】 （４）請求項２記載の考案によれば、ルーフコンソールに凹所を設け、この凹所 内に収納ボックスを収容設置するとともに、この収納ボックスをスライド操作後 スイング操作することにより、収納ボックスをルーフコンソールより下方側に位 置させ、備品の取り出し収納を行なうという構成であるため、収納ボックス内の 備品を確認することができ、使い勝手に優れるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による車両用ルーフコンソールの第１実
施例を示すもので、スライド式開閉リッドの閉鎖状態を
示す斜視図。

【図２】本考案による車両用ルーフコンソールの第１実
施例を示すもので、スライド式開閉リッドの開放状態を
示す斜視図。

【図３】図２中III −III 線断面図。

【図４】図１に示す車両用ルーフコンソールにおいて、
スライド式開閉リッドの取付構造を示す天井側から見た
説明図。

【図５】本考案による車両用ルーフコンソールの第２実
施例を示すもので、回動式開閉リッドの開放状態を示す
斜視図。

【図６】図５に示す車両用ルーフコンソールにおいて、
回動式開閉リッドを閉鎖した状態を示す断面図。

【図７】本考案による車両用ルーフコンソールの第３実
施例を示すもので、収納ボックスの収容状態を示す斜視
図。

【図８】図７に示す車両用ルーフコンソールにおいて、
収納ボックスの取付構造を示す説明図。

【図９】従来の車両用ルーフコンソールを示す斜視図。

【図１０】従来の車両用ルーフコンソールに設置された
ポケット構造を示す斜視図。

【符号の説明】

１０ ルーフトリム ２０ 車両用ルーフコンソール ２１ 操作用つまみ ２２ 備品収納空間 ２３ 開口 ３０ スライド式開閉リッド ４０ 回動式開閉リッド ５０ 収納ボックス ５２ リンクアーム ５３ ジョイント ６０ 凹所

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 運転席と補助席との間の上方スペースに
   設置され、内部に備品を収容する備品収納空間（２２）
   を設定してなる車両用ルーフコンソールにおいて、 前記ルーフコンソール（２０）の左右側面の少なくとも
   一方側面に、備品を出し入れする開口（２３）が開設さ
   れ、この開口（２３）を蓋するスライド式開閉リッド
   （３０）、あるいは上縁ヒンジ部を基に上方向に回動可
   能な回動式開閉リッド（４０）が設置されていることを
   特徴とする車両用ルーフコンソール。
2. 【請求項２】 運転席と補助席との間の上方スペースに
   設置される車両用ルーフコンソールにおいて、 前記ルーフコンソール（２０）には、収納ボックス（５
   ０）を収容する凹所（６０）が形成されているととも
   に、収納ボックス（５０）の側面と凹所（６０）の側面
   （６１）との間に複数のリンクアーム（５１）を介し
   て、収納ボックス（５０）が左右側に引き出し、下方に
   スイング操作され、ルーフコンソール（２０）の下側に
   収納ボックス（５０）が使用状態で支持されることを特
   徴とする車両用ルーフコンソール。