JPH07228294A - トリム・チルト装置の開放弁 - Google Patents

トリム・チルト装置の開放弁

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JPH07228294A
JPH07228294A JP6044750A JP4475094A JPH07228294A JP H07228294 A JPH07228294 A JP H07228294A JP 6044750 A JP6044750 A JP 6044750A JP 4475094 A JP4475094 A JP 4475094A JP H07228294 A JPH07228294 A JP H07228294A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 逆止弁の作動の信頼性及び取付性をともに向
上させることができるようにすること。 【構成】 ギアポンプ34とチルトシリンダ28、トリ
ムシリンダ24との間に設置され、逆止弁38、44を
備えて、ポンプから供給される作動油の流れを制御する
トリム・チルト装置17の開放弁36、43において、
逆止弁は、バルブポート79が形成されたバルブケース
76内に、このバルブポートを開閉可能とするバルブ本
体77が摺動自在に配設され、このバルブ本体に付勢力
を付与するバルブスプリング80の端部がバルブケース
に固定されたスプリング受け81によってバルブケース
に支持されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、船舶用推進機に適用
されたトリム・チルト装置の開放弁に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶用推進機、例えば船外機をトリム作
動及びチルト作動するトリム・チルト装置には、チルト
シリンダ及びトリムシリンダとギアポンプとの間の流路
に開放弁が設置されたものがある。この開放弁によっ
て、ギアポンプから吐出される作動油の流れが制御され
る。
【0003】従来、この開放弁1は、図21に示すよう
に、逆止弁2及び作動弁3を備えてなり、ポンプユニッ
トのマニホールド4とギアポンプケース5との間に配設
される。このうち、逆止弁2は、バルブケース6内にバ
ルブ本体7を摺動自在に収容し、このバルブ本体7とマ
ニホールド4との間にバルブスプリング8を介装したも
のである。このバルブスプリング8の付勢力によって、
バルブ本体7の弁部7Aがバルブケース6のバルブポー
ト6Aを閉止して、逆止弁2が閉弁される。逆止弁2の
開弁は、ギアポンプから開放弁1のメイン油室9へ供給
された作動油の油圧がバルブ本体7を押し下げて、弁部
7Aがバルブポート6Aから離れることにより実施され
る。
【0004】上記逆止弁2は、バルブケース6内にバル
ブ本体7を収納し、このバルブ本体7内にバルブスプリ
ング8を収納した後、これらのバルブ本体7及びバルブ
スプリング8をグリースにてバルブケース6に付着さ
せ、この状態で、バルブケース6、バルブ本体7及びバ
ルブスプリング8をマニホールド4内に組み込んでい
る。その後、スプール2A及び作動弁ボール2Bをギア
ポンプケース5内に組み込み、このギアポンプケース5
をマニホールド4に載置して、開放弁1が組み立てられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の開放
弁1の組立においては、バルブケース6内にバルブ本体
7及びバルブスプリング8を組み込み、グリース付着さ
せたものをマニホールド4に組み込む際に、バルブスプ
リング8が脱落して、このバルブスプリング8の一端が
バルブ本体7の図21における下端部やバルブケース6
の下端部に押圧されてしまうことがある。この状態で
は、開放弁1の逆止弁2の作動が適正になされない虞れ
がある。
【0006】更に、バルブスプリング8を、バルブケー
ス6及びバルブ本体7内に正しく配置させた状態でマニ
ホールド4に組み込むには、この組み込みを注意深く実
施しなければならず、開放弁1の組付性が煩雑化してし
まう。
【0007】この発明は、上述の事情を考慮してなされ
たものであり、逆止弁の作動の信頼性及び組付性をとも
に向上させることができるトリム・チルト装置の開放弁
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、ポンプとチ
ルトシリンダ、トリムシリンダとの間に設置され、逆止
弁を備えて、上記ポンプから供給される作動流体の流れ
を制御するトリム・チルト装置の開放弁において、上記
逆止弁は、バルブポートが形成されたバルブケース内
に、上記バルブポートを開閉可能とするバルブ本体が摺
動自在に配設され、このバルブ本体に付勢力を付与する
付勢体の端部が上記バルブケースに固定された受け部材
によって上記バルブケースに支持されて構成されたもの
である。
【0009】
【作用】従って、この発明に係るトリム・チルト装置の
開放弁によれば、バルブ本体に付勢力を付与する付勢体
の端部が、受け部材を用いてバルブケースに固定支持さ
れたので、この受け部材によって、バルブケース、バル
ブ本体及び付勢体を有してなる逆止弁を1つの組立体
(ユニット)として一体構成できる。このため、この逆
止弁を被取付部材の流路に容易に取り付けることがで
き、取付性を向上させることができる。
【0010】また、バルブケース、バルブ本体及び付勢
体の組立体の取付時には、バルブケースの適切な位置に
付勢体が保持されているので、逆止弁が誤作動を生ずる
ことがなく、逆止弁の信頼性を向上させることができ
る。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面に基づいて
説明する。図1はこの発明に係るトリム・チルト装置の
開放弁の一実施例が適用されたトリム・チルト装置を装
備した船外機を示す側面図である。図2は、図1のトリ
ム・チルト装置の管路図である。図3(A)は、図1の
トリム・チルト装置を示す全体正面図であり、図3
(B)は、図3(A)のIIIA矢視図である。図4(A)
は、図3(A)のシリンダハウジングを一部を切り欠い
て示す正面図であり、図4(B)は、図4(A)のIVB
矢視図である。図5は、図4(B)の V矢視図である。
図6は、図4(A)のVI矢視図である。図7は、図4
(A)のVII-VII 線に沿う断面図である。図8は、図4
(B)のVIII-VIII 線に沿う断面図である。図9は、図
4(B)のIX-IX 線に沿う断面図である。図10は、図
4(B)のX-X 線に沿う断面図である。図11は、図4
(B)のXI-XI 線に沿う断面図である。図12は、図6
のXII-XII 線に沿う断面図である。図13は図4(B)
のXIII-XIII 線に沿う断面図である。図14(A)は、
図3(A)のポンプユニットを示す正面図であり、図1
4(B)は、図14(A)のポンプユニットの右側面図
である。図15は、図14(A)のXV-XV 線に沿う矢視
平面図である。図16は、図15のXVI-XVI 線に沿う断
面図である。図17は、図15においてフィルタを除い
た部分平面図である。図18は、図17のギアポンプケ
ースの裏面図である。図19は、図18のXIX-XIX 線に
沿う断面図である。図20は、図19のXX-XX 線に添う
断面図である。図21は、従来の開放弁の不適切な組付
状態を示す断面図である。
【0012】図1に示すように、船舶用推進機としての
船外機10は、プロペラ11及びエンジン12を備えた
推進ユニット13が、スイベルブラケット14に水平方
向揺動可能に軸支され、このスイベルブラケット14が
クランプブラケット15に鉛直方向に傾動可能に軸支さ
れたものである。クランプブラケット15が船体16を
把持して、この船体16に固定されることにより、推進
ユニット13は、船体16に対し水平方向に揺動可能と
され、鉛直方向に傾動可能とされる。この船外機10の
プロペラ11がエンジン12により正逆方向に回転され
て、船体16が前進或いは後進する。
【0013】上記船外機10のスイベルブラケット14
とクランプブラケット15との間にトリム・チルト装置
17が設置される。このトリム・チルト装置17のトリ
ムシリンダ装置18及びチルトシリンダ装置19の伸縮
により、船外機10の推進ユニット13をトリム作動或
いはチルト作動させる。トリム作動は、船体16の航走
中に、プロペラ11の推力に抗して推進ユニット13を
傾動させ、船体16の航走姿勢を変化させるものであ
る。また、チルト作動は、停船中或いは船体16の陸揚
げ時等に、推進ユニット13をその自重に抗して傾動さ
せて、推進ユニット13を水面上に上昇させるものであ
る。
【0014】上記トリム・チルト装置17は、図3
(A)及び(B)に示すように、トリムシリンダ装置1
8及びチルトシリンダ装置19を構成するシリンダハウ
ジング20に、作動流体給排部としてのポンプユニット
21及びタンク22が、取付ボルト23により固着され
たものとして組み立てられる。ポンプユニット21が作
動流体としての作動油をトリムシリンダ装置18及びチ
ルトシリンダ装置19へ供給し、タンク22がトリムシ
リンダ装置18及びチルトシリンダ装置19からの作動
油を貯留する。
【0015】トリムシリンダ装置18は、2つのトリム
シリンダ24のそれぞれにピストン25が摺動自在に配
設され、これらのトリムシリンダ24の開口部をシリン
ダキャップ26が閉塞し、ピストン25に連結したピス
トンロッド27がシリンダキャップ26を貫通して構成
される。また、チルトシリンダ装置19は、図3(A)
及び図4(A)に示すように、チルトシリンダ28にピ
ストン28P(図2)が摺動自在に配設され、このピス
トン28Pに連結されたピストンロッド29が、シリン
ダキャップ30を貫通して構成される。このシリンダキ
ャップ30も、チルトシリンダ28の開口部を閉塞す
る。尚、図2中の符号28Qはフリーピストンを示す。
【0016】図3(A)及び(B)に示すシリンダハウ
ジング20の枢支部20Aに図示しない枢支ボルトが挿
通されて、シリンダハウジング20がクランプブラケッ
ト15に支持される。また、チルトシリンダ装置19の
ピストンロッド29先端に軸支部29Aが形成され、こ
の軸支部29Aが軸支ボルト(図示せず)を介してスイ
ベルブラケット14に軸支される。更に、トリムシリン
ダ装置18のピストンロッド27先端が、スイベルブラ
ケット14に当接可能とされる。
【0017】上記トリムシリンダ24及びチルトシリン
ダ28は、シリンダハウジング20に一体成形される。
図3(B)に示すように、トリムシリンダ24の下室2
4Aと、チルトシリンダ28の下室28Aとが、水平方
向投影上部分的に重複して形成される。また、シリンダ
ハウジング20には、チルトシリンダ28の両側部にポ
ンプユニット取付け面31(図4(B))及びタンク取
付け面32(図6)が形成される。これらのポンプユニ
ット取付け面31にポンプユニット21が、タンク取付
け面32にタンク22が、前述の様に取付けボルト23
を用いて直接固着される。
【0018】図3(A)に示す様に、ポンプユニット2
1は、モータ33及びギヤポンプ34を備える。このギ
ヤポンプ34は、図2に示す様に、ユニット第1下室側
流路35を経て下室側開放弁36のメイン油室37に連
通され、この下室側開放弁36の下室側逆止弁38、ユ
ニット第2下室側流路39、シリンダ第1下室側流路4
0及びシリンダ第2下室側流路41を経て、トリムシリ
ンダ24の下室24A及びチルトシリンダ28の下室2
8Aに連通される。さらに、ギヤポンプ34は、ユニッ
ト第1上室側流路42を経て上室側開放弁43のメイン
油室37に連通され、この上室側開放弁43の上室側逆
止弁44、ユニット第2上室側流路45、シリンダ第1
上室側流路46及びシリンダ第2上室側流路47を経
て、チルトシリンダ28の上室28Bに連通される。ト
リムシリンダ24の上室24Bは、第1タンク流路4
8、第2タンク流路49及び第3タンク流路50を経
て、前記タンク22に連通される。この第3タンク流路
50にフィルタ51が配設されている。また、一方のト
リムシリンダ24は、シリンダ第1油溜まり流路52、
シリンダ第2油溜まり流路53及びユニット第1油溜ま
り流路53Aを経て、ポンプユニット21内に形成され
た油溜まり室54に連通される。
【0019】この油溜まり室54は、並列配置されたユ
ニット第2油溜まり流路55及びユニット第3油溜まり
流路56をそれぞれ経て、ギヤポンプ34に連通され
る。油溜まり室54とユニット第2油溜まり流路55及
びユニット第3油溜まり流路56との連通部にフィルタ
57が配設される。また、ユニット第2油溜まり流路5
5とユニット第3油溜まり流路56とのそれぞれに、油
溜まり室54からギヤポンプ34への作動時の流れのみ
を許容するチェックバルブ58が配設される。さらに、
ユニット第3油溜まり流路56には、フィルタ57とチ
ェックバルブ58との間にオリフィス59が配設され
る。また、油溜まり室54とユニット第1上室側流路4
2とは、流路42Aを介して連通し、流路42Aにはポ
ンプの吐出圧が所定圧以上になると開弁するリリーフバ
ルブ42Bが設けられている。
【0020】上記ユニット第2下室側流路39には第1
連通路60が分岐され、また、ユニット第2上室側流路
45に第2連通路61が分岐される。これらの第1連通
路60及び第2連通路61が、マニュアルバルブユニッ
ト62のマニュアルバルブ63により連通可能とされ
る。このマニュアルバルブ63は、ユニット第4油溜ま
り流路66(後述)を介して油溜まり室54に連通され
る。マニュアルバルブ63を手動で開操作させることに
より、チルトシリンダ28の上室28Bが油溜まり室5
4に、チルトシリンダ28の下室28A及びトリムシリ
ンダ24の下室24Aが油溜まり室54にそれぞれ連通
される。この連通により、ギヤポンプ34が故障等で運
転不能となった時、手動で船外機10の推進ユニット1
3をチルトアップ或いはチルトダウン可能とする。
【0021】更に、第1連通路60に、濾過手段として
のフィルタ64及びリリーフバルブ65がそれぞれ接続
され、このリリーフバルブ65がユニット第4溜まり流
路66を介して油溜まり室54に連通される。リリーフ
バルブ65は、チルトアップが完了しても未だギヤポン
プ34が回転中で、チルトシリンダ28の下室28A、
並びにこれらに至る流路40、41及び39内の圧力が
所定圧以上になった時に開弁して、作動油を油溜まり室
54へ逃がし、流路系を保護する。
【0022】下室側開放弁36は、下室側逆止弁38、
下室側作動弁67、メイン油室37及びサブ油室68を
有して構成される。また、上室側開放弁43は、上室側
逆止弁44、上室側作動弁69、メイン油室37及びサ
ブ油室68を有して構成される。そして、これら下室側
開放弁36及び上室側開放弁43の両サブ油室68が、
開放弁連通路70によって連通されている。また、下室
側作動弁67は、下室側開放弁36のサブ油室38内の
圧力上昇により下室側逆止弁38を押圧して開放可能と
し、上室側作動弁69も、上室側開放弁43のサブ油室
68内の圧力上昇により上室側逆止弁44を押圧して開
弁可能とする。
【0023】例えば、ユニット第1下室側流路35から
下室側開放弁36のメイン油室37へ作動油が流入する
と、この作動油は、下室側逆止弁38を開弁させてユニ
ット第2下室側流路39へ流れると共に、下室側作動弁
67も開作動させて、開放弁連通路70を介し上室側開
放弁43のサブ油室68内へ流動する。この時、上室側
作動弁69は閉弁状態にあるので、上室側開放弁43の
サブ油室68内は圧力が上昇して、上室側作動弁69が
上室側逆止弁44を開弁させる。ユニット第一上室側流
路42から上室側開放弁43のメイン油室37へ作動油
が流入した時も、この作動油は上室側逆止弁44を開弁
させると共に、上室側作動弁69及び下室側作動弁67
の作用で、下室側開放弁36の下室側逆止弁38を開弁
させる。
【0024】次に、図2を参照して、トリム・チルト装
置17による船外機10のチルト作動、トリム作動等を
説明する。
【0025】先ず、チルトアップ操作は、モータ33に
よってギヤポンプ34を正転させることにより実施され
る。つまり、ギヤポンプ34は、実線矢印に示す様にユ
ニット第2油溜まり流路55から作動油を吸い込み、ユ
ニット第1下室側流路35を経て下室側開放弁36のメ
イン油室37へ作動油を圧送する。この作動油の大部分
は下室側逆止弁38を開弁させて、ユニット第2下室側
流路39、シリンダ第1下室側流路40及びシリンダ第
2下室側流路41を経、チルトシリンダ28の下室28
A及びトリムシリンダ24の下室24Aへ流入する。一
方、下室側開放弁36のメイン油室37へ至った作動油
の一部は、下室側作動弁67を開弁させ、下室側開放弁
36のサブ油室68及び開放弁連通路70を経て上室側
開放弁43のサブ油室68へ至り、上室側作動弁69を
介して上室側逆止弁44を開弁させる。これにより、チ
ルトシリンダ28の上室28Bがシリンダ第2上室側流
路47、シリンダ第1上室側流路46、ユニット第2上
室側流路45及びユニット第1上室側流路42を経てギ
ヤポンプ34の吸い込み側に連通する。これらの結果、
チルトシリンダ装置19のピストンロッド29が進出
(図2における右側へ移動)して、船外機10の推進ユ
ニット13をチルトアップさせる。
【0026】次に、チルトダウン操作は、モータ33に
よってギヤポンプ34を逆転させることにより実施され
る。つまり、ギヤポンプ34は、破線矢に示す様に、ユ
ニット第3油溜まり流路56から作動油を吸い込み、ユ
ニット第1上室側流路42を経て上室側開放弁43のメ
イン油室37へ作動油を圧送する。この作動油の大部分
は上室側逆止弁44を開弁させて、ユニット第2上室側
流路45、シリンダ第1上室側流路46及びシリンダ第
2上室側流路47を経てチルトシリンダ28の上室28
Bへ流入する。一方、上室側開放弁43のメイン油室3
7に至った作動油の一部は、上室側作動弁69を開弁さ
せ、上室側開放弁43のサブ油室68及び開方弁連通路
70を経て下室側開放弁36のサブ油室68へ至り、下
室側作動弁67を介して下室側逆止弁38を開弁させ
る。これにより、チルトシリンダ28の下室28Aがシ
リンダ第2下室側流路41、シリンダ第1下室側流路4
0及びユニット第2下室側流路39を介して、ギヤポン
プ34の吸い込み側に連通する。これらの結果、チルト
シリンダ装置19のピストンロッド29がチルトシリン
ダ28内に収納(図2における左側へ移動)して、船外
機10の推進ユニット13をチルトダウンさせる。
【0027】このチルトダウン時には、ギヤポンプ34
の吸い込み側へ戻されるチルトシリンダ28の下室28
A内の作動油は、その上室28B内へのピストンロッド
29の侵入分だけこの上室28B内の作動油よりも多い
ので、その分だけ、ギヤポンプ34から吐出された作動
油は、リリーフバルブ42Bを開弁して油溜まり室54
内へ戻される。
【0028】次に、トリムアップ操作は、チルトアップ
操作と同様に、ギヤポンプ34を正転させることにより
実施される。つまり、作動油は、下室側開放弁36の下
室側逆止弁38からユニット第2下室側流路39、シリ
ンダ第1下室側流路40及びシリンダ第2下室側流路4
1を経てトリムシリンダ24の下室24A及びチルトシ
リンダ28の下室28Aへ供給される。この時、トリム
シリンダ24の上室24Bは、第1タンク流路48、第
2タンク流路49及び第3タンク流路50を経てタンク
22に連通されているので、トリムシリンダ装置18の
ピストンロッド27及びチルトシリンダ装置19のピス
トンロッド29が進出して、船外機10の推進ユニット
13がトリムアップされる。
【0029】また、トリムダウン操作は、チルトダウン
操作と同様に、ギヤポンプ34を逆転させることにより
実施される。つまり、作動油は、上室側開放弁43の上
室側作動弁69及び下室側開放弁36の下室側作動弁6
7を作動させて、下室側逆止弁38を開操作させる。こ
れにより、トリムシリンダ24の下室24Aがシリンダ
第2下室側流路41、シリンダ第1下室側流路40及び
ユニット第2下室側流路39を介してギヤポンプ34の
吸い込み側に連通され、トリムシリンダ装置18のピス
トンロッド27は、船外機10の推進ユニット13の重
量に押されてトリムシリンダ24内に収納され、トリム
ダウンされる。この時、トリムシリンダ24の上室24
B内が負圧になって、タンク22内の作動油が上記上室
24B内へ導入される。
【0030】最後に、上記チルトアップ操作後、船外機
10の推進ユニット13をチルトアップ状態で機械的に
ロックした時、腐食防止等のためにトリムシリンダ装置
18のピストンロッド27をトリムシリンダ24内に収
納させる必要がある。このトリムシリンダ装置18のピ
ストンロッド保護操作は、ギヤポンプ34を逆転させ、
上室側開放弁43の上室側作動弁69及び下室側開放弁
36の下室側作動弁67の作動で下室側逆止弁38を開
作動させて、トリムシリンダ24の下室24Aをギヤポ
ンプ34の吸い込み側に連通させることにより、上述の
トリムダウン操作と同様にして、トリムシリンダ18の
ピストンロッド27がトリムシリンダ24内に収納され
る。この時、前記オリフィス59の作用で、油溜まり室
54からギヤポンプ34へ流れる作動油量が制限され、
トリムシリンダ24の下室24Aからギヤポンプ34へ
の作動油の吸い込みが確実化される。
【0031】さて、図3に示すポンプユニット21は、
図14(A)及び(B)に示すように、マニホールド7
1にモータ33をボルト固定し、このマニホールド71
に固着されたギヤポンプケース72(図17)との間に
ギヤポンプ34が収容されたものである(図16、図1
8、図19)。ギヤポンプ34は、ジョイント73を介
してモータ33のシャフト33Aに連結される。また、
モータ33、マニホールド71及びギヤポンプケース7
2に囲まれて、上記油溜まり室54(図19)が構成さ
れる。ギヤポンプケース72の上面及び下面に貫通して
ユニット第2油溜まり流路55及びユニット第3油溜ま
り流路56が形成されるとともに、ギヤポンプケース7
2の上面にフィルタ57が被冠される。従って、油溜ま
り室54内の作動油がフィルタ57に濾過されて、ユニ
ット第2油溜まり流路55及びユニット第3油溜まり流
路56内へ流出入可能とされる。
【0032】更に、マニホールド71及びギヤポンプケ
ース72間に、図16及び図19に示すように、下室側
開放弁36及び上室側開放弁43が収容される。下室側
開放弁36の下室側逆止弁38及び上室側開放弁43の
上室側逆止弁44が、マニホールド71に形成された逆
止弁凹部74に収納される。また、下室側開放弁36の
下室側作動弁67及び上室側開放弁43の上室側作動弁
69が、ギヤポンプケース72に形成された作動弁凹部
75内に収納される。
【0033】下室側逆止弁38及び上室側逆止弁44の
それぞれは、ほぼ有蓋円筒形状のバルブケース76にバ
ルブ本体77が摺動自在に配設され、このバルブ本体7
7の弁部78がバルブポート79を開閉可能とする。バ
ルブポート79は、バルブケース76の天部76Aに形
成されている。また、バルブケース76内には、付勢体
としてのバルブスプリング80が配設される。このバル
ブスプリング80の一端がバルブ本体77に、他端が受
け部材としてのバルブ受け81に支持されて、バルブス
プリング80がバルブ本体77に、バルブポート79閉
方向の付勢力を付与する。
【0034】上記スプリング受け81は、バルブケース
76の図16及び図19における下端部に圧入固定され
る。従って、このスプリング受け81を用いて、バルブ
ケース76内にバルブ本体77及びバルブスプリング8
0を収納保持して組立体とした後、この組立体がマニホ
ールド71の逆止弁凹部74内に嵌挿される。上記バル
ブ本体77の弁部78の周囲にはシール材82が装着さ
れる。このシール材82によって、弁部78によるバル
ブポート79の閉時に、これら弁部78とバルブポート
79間が液密化される。
【0035】上記下室側作動弁67及び上室側作動弁6
9のそれぞれは、上部が開口されたスプール83内に作
動弁ボール84が内蔵され、スプール83が作動弁凹部
75内を摺動自在に配設して構成される。スプール83
の下部にはスプール流路85が穿設され、このスプール
流路85を上記作動弁ボール84が閉止可能とする。更
に、スプール流路85の下端部は、下室側逆止弁38、
上室側逆止弁44におけるバルブ本体77の弁部78に
より閉止可能とされる。従って、スプール流路85は、
作動弁ボール82及び上記弁部78により閉止可能に構
成される。
【0036】下室側逆止弁38、上室側逆止弁44のバ
ルブケース76における天部76Aと、下室側作動弁6
7、上室側作動弁69のスプール83とに囲まれて、下
室側開放弁36、上室側開放弁43のメイン油室37が
構成される。バルブケース76には通孔86が形成さ
れ、この通孔86を介して、下室側開放弁36のメイン
油室37がユニット第1下室側流路35に、上室側開放
弁43のメイン油室37がユニット第1上室側流路42
にそれぞれ連通され、ギヤポンプ34からそれぞれのメ
イン油室37内へ作動油が供給可能とされる。
【0037】また、下室側作動弁67、上室側作動弁6
9のスプール83と作動弁凹部75とに囲まれて下室側
開放弁36、上室側開放弁43のサブ油室68が構成さ
れる。作動弁ボール84は、このサブ油室68に内蔵さ
れる。更に、ギヤポンプケース72に、2つの作動弁凹
部75を連通する開放弁連通孔70(図16)が形成さ
れる。この開放弁連通路70を介して、下室側開放弁3
6のサブ油室83と上室側開放弁43のサブ油室83と
が連通される。
【0038】従って、ギヤポンプ34からユニット第1
下室側流路35へ作動油が流れるときには、この作動油
は、図19の実線に示すように、通孔86を経て下室側
開放弁36のメイン油室37へ至り、その大部分が下室
側逆止弁38を開作動してバルブポート79からユニッ
ト第2下室側流路39へ流れる。と同時に、メイン油室
37に至った作動油の一部は、下室側作動弁67のスプ
ール流路85を経てサブ油室68内へ至り、開放弁連通
路70を経て上室側開放弁43のサブ油室68内へ至
り、上室側作動弁69のスプール83を押圧する。する
と、このスプール83が上室側逆止弁44のバルブ本体
77を押圧して、上室側逆止弁44を開作動させ、この
上室側逆止弁44のバルブポート79を開状態にして、
ユニット第2上室側流路45とユニット第1上室側流路
42(つまりギヤポンプ34の吸込側流路)とが連通状
態となる。
【0039】逆に、ギヤポンプ34からユニット第1上
室側流路42へ作動油が流れるときには、図19の破線
に示すように、上室側開放弁43のメイン油室37へ至
った作動油が下室側逆止弁38を開作動させて、その大
部分がバルブポート79を介しユニット第2上室側流路
45へ流れるとともに、その一部が上室側作動弁69の
スプール流路85から上室側開放弁43のサブ油室68
へ至る。このサブ油室68に至った作動油は、開放弁連
通路70を経て下室側開放弁36のサブ油室68へ至
り、下室側作動弁67のスプール83を押圧する。する
と、このスプール83が下室側逆止弁38のバルブ本体
77を押し下げて下室側逆止弁38を開状態とし、ユニ
ット第2下室側流路39とユニット第1下室側流路35
(つまりギヤポンプ34の吸込側流路)とを連通状態と
する。
【0040】ところで、ポンプユニット21のマニホー
ルド71に形成されたユニット第2下室側流路39、ユ
ニット第2上室側流路45は、図14(B)に示す接合
面87にそれぞれ開口される。また、ポンプユニット2
1の油溜まり室54に連通したユニット第1油溜まり流
路53A(図19)も、上記接合面47に開口される。
この接合面47を接合するシリンダハウジング20のポ
ンプユニット取付面31(図4(B))には、上記マニ
ホールド71におけるユニット第2下室側流路39に直
接連通するシリンダ第1下室側流路40が、マニホール
ド71のユニット第2上室側流路45に直接連通するシ
リンダ第1上室側流路46が、マニホールド71のユニ
ット第1油溜まり流路53Aに直接連通するシリンダ第
2油溜まり流路53がそれぞれ開口されている。
【0041】先ず、上記シリンダ第1下室側流路40
は、図4(A)、図7及び図8並びに図9及び図10に
示すように、チルトシリンダ28の長手方向に沿って内
部流路として穿設され、チルトシリンダ28の下室28
A側でシリンダ第2下室側流路41に連通される。この
シリンダ第2下室側流路41は、シリンダ第1下室側流
路40に対し直交した内部流路として穿設され、前述の
如く、チルトシリンダ28とトリムシリンダ24との水
平方向投影上重複した箇所に形成される(図3
(B))。更に、このシリンダ第2下室側流路41は、
一直線状に延長して、図3(B)及び図7に示すよう
に、チルトシリンダ28の下室28Aとトリムシリンダ
24の下室24Aとに連通する。従って、これらの両下
室28A及び24Aは、シリンダ第2下室流路41によ
り連通される。
【0042】また、上記シリンダ第1上室側流路46
は、図4(A)及び図11に示すように、チルトシリン
ダ28の上室28B側へ延び、シリンダ第2上室側流路
47を介してチルトシリンダ28の上室28Bに連通さ
れる。これらのシリンダ第1上室側流路46及びシリン
ダ第2上室側流路47も、内部流路としてシリンダハウ
ジング20に穿設される。このシリンダ第1上室側流路
46のポンプユニット取付面31近傍に、絞り部として
のオリフィス88が内設されている。
【0043】このオリフィス88によって、チルトダウ
ン操作時に、図2に示すギヤポンプ34からユニット第
2上室側流路45及びシリンダ第1上室側流路46等を
経てチルトシリンダ28の上室28Bへ流れる作動油が
制限され、上室側開放弁43のメイン油室37内へ所定
量の作動油が流れて、このメイン油室37内が常に適切
な圧力に維持される。これにより、上室側開放弁43及
び下室側開放弁36のサブ油室68並びに下室側作動弁
67の作用で、下室側逆止弁38の開弁状態が常に維持
され、チルトシリンダ28の下室28Aがギヤポンプ3
4の吸込側流路(ユニット第1下室側流路35)に常に
連通状態に構成される。
【0044】また、前記シリンダ第2油溜まり流路53
は、図10及び図13に示すように、シリンダハウジン
グ20におけるチルトシリンダ28の上室28B側に、
シリンダ第1上室側流路46と並行して穿設される。こ
のシリンダ第2油溜まり流路53は、シリンダ第1油溜
まり流路52を介して、一方のトリムシリンダ24の上
室24Bに連通される。このシリンダ第1油溜まり流路
52も、シリンダ第2油溜まり流路53と同様に、シリ
ンダハウジング20に内部流路として穿設される。2つ
のトリムシリンダ24の上室24Bが、後述のように第
1タンク流路48(図9)に連通されているので、シリ
ンダ第2油溜まり流路53及びシリンダ第1油溜まり流
路52により、両トリムシリンダ24の上室24Bは、
ユニット第1油溜まり流路53Aを介してポンプユニッ
ト21の油溜まり室54に連通される。
【0045】図6に示すように、シリンダハウジング2
0のタンク取付面32に第3タンク流路50が開口さ
れ、この第3タンク流路50がタンク22に直接連通さ
れる。シリンダハウジング20には、図9に示すよう
に、2つのトリムシリンダ24の上室24Bを連通する
第1タンク流路48が穿設される。また、シリンダ第1
油溜まり流路52が連通していない他のトリムシリンダ
24の上室24Bには、図10に示すように第2タンク
流路49が連通され、この第2タンク流路49に図12
に示す第3タンク流路50が連通される。この第3タン
ク流路50は、シリンダハウジング20において、チル
トシリンダ28の上室28B側に穿設され、第1タンク
流路48及び第2タンク流路49とともに、内部流路と
して構成される。従って、これらの第1、第2及び第3
タンク流路48、49及び50により、両トリムシリン
ダ24の上室24Bがタンク22に連通される。更に、
フィルタ51は、第3タンク流路50においてタンク取
付面32の近傍に配設される(図12)。尚、図10、
図11、図12及び図13における符号92は盲栓を示
す。
【0046】図19及び図20に示すように、前記ポン
プユニット21のマニホールド71には、ユニット第2
下室側流路39に連通する第1連通路60、ユニット第
2上室側流路45に連通する第2連通路61、及びユニ
ット第1上室側流路42と油溜まり室54を連通する流
路42Aが穿設され、流路42Aにリリーフバルブ90
が設けられる。第1連通路60及び第2連通路61並び
にユニット第4油溜まり流路66が交叉する位置にマニ
ュアルバルブユニット62が設置される。ここで、ユニ
ット第4油溜まり流路66は、図15、図17及び図1
8に示すように、ユニット第2油溜まり流路55及びユ
ニット第3油溜まり流路56と同様に、ギヤポンプケー
ス72の上面から下面を貫通して穿設され、その開口が
フィルタ57に覆われる。
【0047】マニュアルバルブユニット62は、図20
に示すように、マニュアルバルブ63、このマニュアル
バルブ63の先端に設置されたリリーフバルブ65及び
フィルタ64を有して構成される。マニュアルバルブ6
3は略円柱形状であり、外周に雄ねじ89が刻設され、
マニホールド71の雌ねじ90に螺合される。この雌ね
じ90は、マニホールド71に形成されたマニュアルバ
ルブ凹部91の内周面に刻設される。マニホールド71
には、マニュアルバルブ91の最も外側に第2連通路6
1が、その内側にユニット第4油溜まり流路66が、最
も内側に第1連通路60がそれぞれ穿設される。後述の
如く、マニュアルバルブ63の雄ねじ89とマニホール
ド71の雌ねじ90との螺合を最も弛めることにより、
マニュアルバルブ63が図20の矢印A方向に移動し
て、第2連通路61とユニット第4油溜まり流路66と
が連通可能とされる。
【0048】リリーフバルブ65はリリーフボール9
3、バルブシート94、スプリングシート95及びスプ
リング96を有して構成される。バルブシート94がフ
ィルタベース97に被着され、このバルブシート94と
フィルタベース97との間に上記フィルタ64が介装さ
れる。フィルタベース97は、シール98を介してマニ
ュアルバルブ凹部91の底面に当接可能とされ、このフ
ィルタベース97に、第1連通路60に連通するベース
流路99が穿設される。従って、このベース流路99を
経て、第1連通路60内の作動油がフィルタ64に導か
れ、濾過される。
【0049】上記バルブシート94にも、フィルタ64
を介してベース流路99に連通可能なシート流路100
が穿設され、このシート流路100の開口部にリリーフ
ボール93が配置される。スプリング96は、マニュア
ルバルブ63の先端側に形成されたスプリング収納孔1
01内に配置され、スプリングシート95を介してリリ
ーフボール93に付勢力を付与する。この付勢力によ
り、リリーフボール93がシート流路100の流路を閉
止可能とする。
【0050】マニュアルバルブ63の雄ねじ89をマニ
ホールド71の雌ねじ90に対し若干弛めて、マニュア
ルバルブ63を図12の矢印A方向に移動させることに
より、上記スプリング96の付勢力が弱められる。これ
により、ユニット第2下室側流路39に連通したチルト
シリンダ28の下室28Aが所定圧力以上となったとき
に、リリーフボール93がシート流路100を連通状態
とし、リリーフバルブ65が開弁する。これにより、第
1連通路60が第1流路99、フィルタ64及びシート
流路100を介し、マニュアルバルブ63の先端に形成
された切欠溝102を介してユニット第4油溜まり流路
66に連通する。これにより、ユニット第2下室側流路
39を介してチルトシリンダ28の下室28Aが油溜ま
り室54に連通され、チルトシリンダ28等が油圧から
保護される。
【0051】尚、マニュアルバルブ63の雄ねじ89を
マニホールド71の雌ねじ90に対し最も弛めて、マニ
ュアルバルブ63に嵌装されたOリング103が、更に
図20の距離Lだけ矢印A方向に移動したときに、前述
の如く、第2連通路61がユニット第4油溜まり流路6
6に連通する。このときには、リリーフバルブ65のス
プリング96の付勢力が最小となるので、第1連通路6
0とユニット第4油溜まり流路66も連通状態となる。
故に、マニュアルバルブ63の雄ねじ89を最も弛める
ことにより、チルトシリンダ28の下室28A及び上室
28Bが油溜まり室54に連通状態となり、チルトシリ
ンダ装置19のマニュアル操作が可能となる。
【0052】上記実施例によれば、チルトシリンダ28
の下室28A及びトリムシリンダ24の下室24Aがシ
リンダハウジング20に形成されたシリンダ第1下室側
流路40(図4(A))及びシリンダ第2下室側流路4
1によってポンプユニット21のギヤポンプ34に接続
され、また、チルトシリンダ28の上室28Bがシリン
ダハウジング20に形成されたシリンダ第1上室側流路
46及びシリンダ第2上室側流路47によってポンプユ
ニット21のギヤポンプ34に接続され、更に、トリム
シリンダ24の上室24Bがシリンダハウジング20に
形成された第1タンク流路48(図9)、第2タンク流
路49(図12)及び第3タンク流路50によってタン
ク22に接続され、また、トリムシリンダ24(図1
0)の上室24Bがシリンダハウジング20に形成され
たシリンダ第1油溜まり流路52及びシリンダ第2油溜
まり流路53によって、シリンダハウジング21の油溜
まり室54に接続されたことから、チルトシリンダ28
及びトリムシリンダ24とポンプユニット21及びタン
ク22との間で外部露出配管をなくすことができる。こ
のため、コストを低減できるとともに、トリム・チルト
装置17の組立性や流路の耐食性も向上させることがで
きる。更に、外部露出配管の裂傷や、操作中の配管の離
脱も確実に防止できる。
【0053】また、チルトシリンダ28(図3(B))
の下室28Aとトリムシリンダ24の下室24Aとが一
直線状のシリンダ第2下室側流路41により連通されて
いるので、これらの両下室28A及び24Aを最短距離
で連通でき、管路抵抗を低減できる。然も、これらの下
室28A及び24Aを連通する流路の加工も容易にでき
る。
【0054】更に、図2に示すギヤポンプ34から上室
側開放弁43の上室側逆止弁44を介してチルトシリン
ダ28の上室28Bへ作動油を供給するチルトダウン操
作時に、船外機10の重量によって、チルトシリンダ2
8の上室28Bにおける圧力が低下しても、このチルト
シリンダ28の上室28Bと上室側開放弁43との間に
オリフィス88(図11、図2)が設置されたことか
ら、ギヤポンプ34から上室側開放弁43までの作動油
の圧力を常に適正に維持できる。このため、上室側開放
弁43の作動弁69から下室側開放弁36の作動弁67
へ作動油の圧力が適正に作用して、この下室側開放弁3
6の作動弁67が下室側逆止弁38を常に開弁保持でき
る。よって、チルトシリンダ28の下室28Bからシリ
ンダ第2下室側流路41、シリンダ第1下室側流路40
及びユニット第2下室側流路39並びに下室側逆止弁3
8を経てギヤポンプ34の吸込側流路(ユニット第1下
室側流路35)へ常時作動油が流れるので、チルトシリ
ンダ装置19のピストンロッド29をチルトシリンダ2
8内へ滞りなく収納できる。このため、チルトシリンダ
装置19のジャーク現象の発生を防止でき、円滑なチル
トダウンを実現できる。この効果は、特に重量の大きな
シリンダ10に適用されたトリム・チルト装置17にお
いて有益である。
【0055】また、下室側開放弁36の下室側逆止弁3
8及び上室側開放弁43の上室側逆止弁44におけるバ
ルブ本体77(図19)に付勢力を付与するバルブスプ
リング80の端部がスプリング受け81を用いてバルブ
ケース76に固定支持されたので、このスプリング受け
81によって、バルブケース76、バルブ本体77及び
バルブスプリング80を有してなる下室側逆止弁38、
上室側逆止弁44を1つの組立体として一体構成でき
る。このため、これらの下室側逆止弁38、上室側逆止
弁44をポンプユニット21のマニホールド71に形成
された逆止弁凹部74に容易に取付けることができ、下
室側逆止弁38、上室側逆止弁44の取付性を向上させ
ることができる。
【0056】また、これらの下室側逆止弁38、上室側
逆止弁44の取付時にはスプリング受け81によって、
バルブケース76の適切な位置にバルブスプリング80
が保持されているので、下室側逆止弁38、上室側逆止
弁44が誤作動を生ずることがなく、下室側逆止弁3
8、上室側逆止弁44の信頼性を向上させることができ
る。
【0057】更に、下室側開放弁36の下室側作動弁6
7及び上室側開放弁43の上室側作動弁69がギヤポン
プケース72の作動弁凹部75に収納され、このギヤポ
ンプケース72が比較的大型なことから、下室側作動弁
67及び上室側作動弁69のレイアウトを任意に設定で
き、またコンパクトな配置にすることができる。
【0058】また、マニュアルバルブユニット62(図
2)においては、チルトアップ操作時にチルトシリンダ
28の下室28Aに連通する流路(ユニット第2下室側
流路39、シリンダ第1下室側流路40及びシリンダ第
2下室側流路41)内の圧力が所定値以上になると、リ
リーフバルブ65が開弁して、この流路内の作動油を油
溜まり室54を介してタンク22へ排出するが、リリー
フバルブ65に隣接してフィルタ64(図20)が設置
されたので、油溜まり室54へ排出される度毎に、この
フィルタ64により作動油中の不純物(ゴミやバリ等)
を良好に除去できる。
【0059】また、マニュアルバルブユニット62のマ
ニュアルバルブ63は手動操作されるものであり、トリ
ム・チルト装置17において作業し易い箇所に設置され
ている。このマニュアルバルブ63の先端にリリーフバ
ルブ65及びフィルタ64が配設されたので、マニュア
ルバルブ63を取り外せば、フィルタ64をリリーフバ
ルブ65とともに取出すことができる。このため、フィ
ルタ64を容易に交換できる。
【0060】
【発明の効果】以上のように、この発明に係るトリム・
チルト装置の開放弁によれば、逆止弁の作動の信頼性及
び取付性をともに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係るトリム・チルト装置の開
放弁の一実施例が適用されたトリム・チルト装置を装備
した船外機を示す側面図である。
【図2】図2は、図1のトリム・チルト装置の管路図で
ある。
【図3】図3(A)は、図1のトリム・チルト装置を示
す全体正面図であり、図3(B)は、図3(A)のIIIB
矢視図である。
【図4】図4(A)は、図3(A)のシリンダハウジン
グを一部を切り欠いて示す正面図であり、図4(B)
は、図4(A)のIVB 矢視図である。
【図5】図5は、図4(B)の V矢視図である。
【図6】図6は、図4(A)のVI矢視図である。
【図7】図7は、図4(A)のVII-VII 線に沿う断面図
である。
【図8】図8は、図4(B)のVIII-VIII 線に沿う断面
図である。
【図9】図9は、図4(B)のIX-IX 線に沿う断面図で
ある。
【図10】図10は、図4(B)のX-X 線に沿う断面図
である。
【図11】図11は、図4(B)のXI-XI 線に沿う断面
図である。
【図12】図12は、図6のXII-XII 線に沿う断面図で
ある。
【図13】図13は図4(B)のXIII-XIII 線に沿う断
面図である。
【図14】図14(A)は、図3(A)のポンプユニッ
トを示す正面図であり、図14(B)は、図14(A)
のポンプユニットの右側面図である。
【図15】図15は、図14(A)のXV-XV 線に沿う矢
視平面図である。
【図16】図16は、図15のXVI-XVI 線に沿う断面図
である。
【図17】図17は、図15においてフィルタを除いた
部分平面図である。
【図18】図18は、図17のギアポンプケースの裏面
図である。
【図19】図19は、図18のXIX-XIX 線に沿う断面図
である。
【図20】図20は、図19のXX-XX 線に添う断面図で
ある。
【図21】図21は、従来の開放弁の不適切な組付状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 船外機 14 スイベルブラケット 15 クランプブラケット 16 船体 17 トリム・チルト装置 18 トリムシリンダ装置 19 チルトシリンダ装置 20 シリンダハウジング 21 ポンプユニット 22 タンク 24 トリムシリンダ 28 チルトシリンダ 24A トリムシリンダの下室 28A チルトシリンダの下室 24B トリムシリンダの上室 28B チルトシリンダの上室 34 ギヤポンプ 36 下室側開放弁 38 下室側逆止弁 43 上室側開放弁 44 上室側逆止弁 54 油溜まり室 62 マニュアルバルブユニット 63 マニュアルバルブ 64 フィルタ 65 リリーフバルブ 67 下室側作動弁 69 上室側作動弁 70 開放弁連通路 71 マニホールド 72 ギヤポンプケース 74 マニホールドの逆止弁凹部 76 バルブケース 77 バルブ本体 79 バルブポート 80 バルブスプリング 81 スプリング受け 83 スプール 84 作動弁ボール 88 オリフィス 89 マニュアルバルブの雄ねじ 90 マニホールドの雌ねじ 91 マニュアルバルブ凹部 93 リリーフボール 94 バルブシート 95 スプリングシート 96 スプリング 97 フィルタベース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプとチルトシリンダ、トリムシリン
    ダとの間に設置され、逆止弁を備えて、上記ポンプから
    供給される作動流体の流れを制御するトリム・チルト装
    置の開放弁において、 上記逆止弁は、バルブポートが形成されたバルブケース
    内に、上記バルブポーを開閉可能とするバルブ本体が摺
    動自在に配設され、このバルブ本体に付勢力を付与する
    付勢体の端部が上記バルブケースに固定された受け部材
    によって上記バルブケースに支持されて構成されたこと
    を特徴とするトリム・チルト装置の開放弁。
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