JP4666597B2 - 船舶推進機のマニュアルバルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、船外機、船内外機等の船舶推進機のマニュアルバルブ構造に関する。
従来の船舶推進機にあっては、特許文献1に記載の如く、チルトシリンダの上室及び下室を、ポンプに択一に連結するとともに、タンクにも択一に連結している。従って、チルトアップ時には、ポンプからチルトシリンダ下室へ作動油が供給され、チルトシリンダ上室からの作動油がタンクへ戻され、船外機がチルトアップ操作される。また、チルトダウン時には、ポンプからチルトシリンダの上室へ作動油が供給され、チルトシリンダ上室からの作動油がタンクへ戻され、船外機がチルトダウン操作される。また、チルトシリンダの上室及び下室とタンクとを連結する流路にマニュアルバルブを配置している。このマニュアルバルブを手動操作することにより、チルトシリンダ上室及び下室がタンクに連通され、ポンプの作動不良時にも、手動でチルトアップ及びチルトダウンを実施できるようにしている。
しかるに、従来のマニュアルバルブ構造は、図5に示す如く、バルブハウジング1に、チルトシリンダの上室と下室の一方に連通する第1連通路1Aと、上室と下室の他方に連通する第2連通路1Bと、タンク室に連通するタンク連通路1Cと、バルブ室2のそれぞれを設けている。そして、マニュアルバルブ3をその軸方向に沿って開閉移動可能にバルブ室2に螺着し、第1連通路1Aを、マニュアルバルブ3の軸方向に沿う方向に穿設することにより、バルブ室2の孔端面に開口し、第2連通路1Bとタンク連通路1Cのそれぞれを、バルブ室2の孔内周の2位置のそれぞれに開口し、マニュアルバルブ3の先端側の端面に、バルブ室2の孔端面の第1連通路1Aの開口まわりに接し、第1連通路1Bを封止可能にする面シール4を設け、マニュアルバルブ3の外周に、バルブ室2の第2連通路1Bとタンク連通路1Cの各開口部の間の孔内周に接し、第2連通路1Bとタンク連通路1Cの連通を遮断可能にする周シール5を設ける。マニュアルバルブ3を螺動操作した開き移動により、面シール4による第1連通路1Aの封止を解除するとともに、周シール5による第2連通路1Bとタンク連通路1Cの遮断を解除し、第1連通路1Aと第2連通路1Bとタンク連通路1Cを互いに連通し、結果としてチルトシリンダの上室及び下室をタンクに連通可能にするものである。
ここで、図5のマニュアルバルブ構造にあっては、タンク連通路1Cにオリフィス付き小ねじ6を螺着し、小ねじ6の中心軸上に孔状通路からなるオリフィス7を設けている。これにより、推進ユニットをチルトアップさせた状態で、マニュアルバルブ3を開き移動させたとき、推進ユニットの重量を受けて加圧されている下室からタンクへの急激な油侵入を防止し、結果としてタンクの破裂を防止している。
特開平7-228297
しかしながら、従来技術では、下室から上室への通路にオリフィスがなく、推進ユニットをチルトアップさせた状態でマニュアルバルブ3を開き移動させると、下室から上室への急激な油の移動を生じ、すぐに推進ユニットが自由降下し始めてしまい、降下速度が早く、これを減速できない。
また、マニュアルバルブ3の先端側の端面に設けてある面シール4が、マニュアルバルブ3を開き移動したときに、バルブ室2内で倒れてしまい(図5(B))、次にマニュアルバルブ3を閉めたときに、面シール4をマニュアルバルブ3の先端側の端面上にて再び正立させることができず、面シール4による第1連通路1Aの封止ができなくなって作動不良を生ずるおそれがある。
本発明の課題は、船舶推進機において、推進ユニットをチルトアップさせた状態で、マニュアルバルブを開き移動させたとき、推進ユニットの自由降下速度を減速可能にするとともに、マニュアルバルブの先端側の端面に設ける面シールを倒れ防止することにある。
請求項1の発明は、チルトシリンダの上室と下室の一方に連通する第1連通路と、上室と下室の他方に連通する第2連通路と、タンク室に連通するタンク連通路と、バルブ室のそれぞれをバルブハウジングに設け、マニュアルバルブをその軸方向に沿って開閉移動可能にバルブ室に挿着し、第1連通路を、マニュアルバルブの軸方向に沿う方向に穿設することにより、バルブ室の孔端面に開口し、第2連通路とタンク連通路のそれぞれを、バルブ室の孔内周の2位置のそれぞれに開口し、マニュアルバルブの先端側の端面に、バルブ室の孔端面の第1連通路の開口まわりに接し、第1連通路を封止可能にする面シールを設け、マニュアルバルブの外周に、バルブ室の第2連通路とタンク連通路の各開口部の間の孔内周に接し、第2連通路とタンク連通路の連通を遮断可能にする周シールを設け、マニュアルバルブの開き移動により、第1連通路と第2連通路とタンク連通路を互いに連通可能にする船舶推進機のマニュアルバルブ構造において、マニュアルバルブの先端側の端面から軸方向に突出する突出部を備え、該突出部を第1連通路に挿入し、該突出部と第1連通路の内周との隙間をオリフィスとするとともに、マニュアルバルブの先端側の端面から突出する上記突出部の根元部の周囲に、バルブ室の孔端面の第1連通路の開口まわりに接し、第1連通路を封止可能にする上記面シールを遊びをもって嵌着するようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記マニュアルバルブの突出部がテーパ状をなすようにしたものである。
(請求項1)
(a)マニュアルバルブの先端側の端面に設けた突出部を第1連通路に挿入し、該突出部と第1連通路の内周との隙間をオリフィスとする。これにより、推進ユニットをチルトアップさせた状態で、マニュアルバルブを開き移動させたとき、このオリフィスによって第1連通路を流れる油を絞り、推進ユニットの重量を受けて加圧されている下室からタンクへの急激な油侵入を防止し、結果としてタンクの破裂を防止するとともに、下室から上室への急激な油の移動を防止し、推進ユニットの自由降下速度を減速可能する。
(b)マニュアルバルブの突出部の周囲に面シールを嵌着することにより、面シールを常に突出部の周囲に支持し、マニュアルバルブを開き移動したときの面シールの倒れを防止し、次にマニュアルバルブを閉めたとき、第1連通路を面シールによって確実に封止できる。
(c)マニュアルバルブの形状変更だけにより上述(a)、(b)を実現し、小ねじ等の他部品を用いる必要がないから、部品点数を削減できるし、ねじ加工の必要もなく、組付工数も削減できる。
(請求項2)
(d)マニュアルバルブの突出部をテーパ状にすることにより、マニュアルバルブの開き移動量によって上述(a)のオリフィスの通路面積を調整し、推進ユニットの自由降下速度を調整できる。
図1は船舶推進機を示す側面図、図2はトリム・チルト装置を示し、(A)は正面図、(B)は一部破断して示す側面図、図3はトリム・チルト装置の回路図、図4はマニュアルバルブ構造を示し、(A)は閉じ状態を示す断面図、(B)は開き状態を示す断面図、図5は従来のマニュアルバルブ構造を示し、(A)は閉じ状態を示す断面図、(B)は開き状態を示す断面図である。
図1に示すように、船舶推進機としての船外機10は、プロペラ11及びエンジン12を備えた推進ユニット13が、スイベルブラケット14に水平方向揺動可能に軸支され、このスイベルブラケット14がクランプブラケット15に鉛直方向に傾動可能に軸支されたものである。クランプブラケット15が船体16を把持して、この船体16に固定されることにより、推進ユニット13は、船体16に対し水平方向に揺動可能とされ、鉛直方向に傾動可能とされる。この船外機10のプロペラ11がエンジン12により正逆方向に回転されて、船体16が前進或いは後進する。
上記船外機10のスイベルブラケット14とクランプブラケット15との間にトリム・チルト装置17が設置される。このトリム・チルト装置17のトリムシリンダ装置18及びチルトシリンダ装置19の伸縮により、船外機10の推進ユニット13をトリム作動或いはチルト作動させる。トリム作動は、船体16の航走中に、プロペラ11の推力に抗して推進ユニット13を傾動させ、船体16の航走姿勢を変化させるものである。また、チルト作動は、停船中或いは船体16の陸揚げ時等に、推進ユニット13をその自重に抗して傾動させ、推進ユニット13を水面上に上昇させるものである。
上記トリム・チルト装置17は、図2(A)及び(B)に示すように、トリムシリンダ装置18及びチルトシリンダ装置19を構成するシリンダハウジング20に、作動流体給排部としてのポンプユニット21及びオイルタンク22が、取付ボルト23により固着されたものとして組立てられる。ポンプユニット21が作動流体としての作動油をトリムシリンダ装置18及びチルトシリンダ装置19へ供給し、オイルタンク22がトリムシリンダ装置18及びチルトシリンダ装置19からの作動油を貯留する。
トリムシリンダ装置18は、2つのトリムシリンダ24のそれぞれにピストン25が摺動自在に配設され、これらのトリムシリンダ24の開口部をシリンダキャップ26が閉塞し、ピストン25に連結したピストンロッド27がシリンダキャップ26を貫通して構成される。また、チルトシリンダ装置19は、チルトシリンダ28にピストン28P(図3)が摺動自在に配設され、このピストン28Pに連結されたピストンロッド29が、シリンダキャップ30を貫通して構成される。このシリンダキャップ30も、チルトシリンダ28の開口部を閉塞する。尚、図3中の符号28Qはフリーピストンを示す。
図2(A)及び(B)に示すシリンダハウジング20の枢支部20Aに図示しない枢支ボルトが挿通されて、シリンダハウジング20がクランプブラケット15に支持される。また、チルトシリンダ装置19のピストンロッド29先端に軸支部29Aが形成され、この軸支部29Aが軸支ボルト(図示せず)を介してスイベルブラケット14に軸支される。更に、トリムシリンダ装置18のピストンロッド27先端が、スイベルブラケット14に当接可能とされる。
上記トリムシリンダ24及びチルトシリンダ28は、シリンダハウジング20に一体成形される。図2(B)に示すように、トリムシリンダ24の下室24Aと、チルトシリンダ28の下室28Aとが、水平方向投影上、部分的に重複して形成される。また、シリンダハウジング20には、チルトシリンダ28の両側部にポンプユニット取付面31A及びタンク取付面31Bが形成される。これらのポンプユニット取付面31Aにポンプユニット21のバルブハウジング32が、タンク取付面31Bにオイルタンク22が、前述のように取付ボルト23を用いて直接固着される。
図2(A)に示すように、ポンプユニット21は、モータ33及びギヤポンプ34を備える。このギヤポンプ34は、図3に示すように、ユニット第1下室側流路35を経て下室側開放弁36のメイン油室37に連通され、この下室側開放弁36の下室側逆止弁38、ユニット第2下室側流路39、シリンダ第1下室側流路40及びシリンダ第2下室側流路41を経て、トリムシリンダ24の下室24A及びチルトシリンダ28の下室28Aに連通される。更に、ギヤポンプ34は、ユニット第1上室側流路42を経て上室側開放弁43のメイン油室37に連通され、この上室側開放弁43の上室側逆止弁44、ユニット第2上室側流路45、シリンダ第1上室側流路46及びシリンダ第2上室側流路47を経て、チルトシリンダ28の上室28Bに連通される。トリムシリンダ24の上室24Bは、第1タンク流路48、第2タンク流路49及び第3タンク流路50を経て、前記オイルタンク22に連通される。この第3タンク流路50にフィルタ51が配設されている。また、一方のトリムシリンダ24は、シリンダ第1油溜まり流路52、シリンダ第2油溜まり流路53及びユニット第1油溜まり流路53Aを経て、ポンプユニット21内に形成されたタンク室54に連通される。
このタンク室54は、並列配置されたユニット第2油溜まり流路55及びユニット第3油溜まり流路56をそれぞれ経て、ギヤポンプ34に連通される。タンク室54とユニット第2油溜まり流路55及びユニット第3油溜まり流路56との連通部にフィルタ57が配設される。また、ユニット第2油溜まり流路55とユニット第3油溜まり流路56とのそれぞれに、タンク室54からギヤポンプ34への作動時の流れのみを許容するチェックバルブ58が配設される。更に、ユニット第3油溜まり流路56には、フィルタ57とチェックバルブ58との間にオリフィス59が配設される。また、タンク室54とユニット第1上室側流路42とは、流路42Aを介して連通し、流路42Aにはポンプの吐出圧が所定圧以上になると開弁するリリーフバルブ42Bが設けられている。
上記ユニット第2下室側流路39には第1連通路60が分岐され、また、ユニット第2上室側流路45に第2連通路61が分岐される。これらの第1連通路60及び第2連通路61が、マニュアルバルブ63により連通可能とされる。このマニュアルバルブ63は、ユニット第4油溜まり流路66を介してタンク室54に連通される。マニュアルバルブ63を手動で開操作させることにより、チルトシリンダ28の上室28Bがタンク室54に、チルトシリンダ28の下室28A及びトリムシリンダ24の下室24Aがタンク室54にそれぞれ連通される。この連通により、ギヤポンプ34が故障等で運転不能となったとき、手動で船外機10の推進ユニット13をチルトアップ或いはチルトダウン可能とする。
更に、第1連通路60に、濾過手段としてのフィルタ64及びリリーフバルブ65がそれぞれ接続され、このリリーフバルブ65がユニット第4溜まり流路66を介してタンク室54に連通される。リリーフバルブ65は、チルトアップが完了しても未だギヤポンプ34が回転中で、チルトシリンダ28の下室28A、並びにこれらに至る流路40、41及び39内の圧力が所定圧以上になったときに開弁して、作動油をタンク室54へ逃がし、流路系を保護する。
下室側開放弁36は、下室側逆止弁38、下室側作動弁67、メイン油室37及びサブ油室68を有して構成される。また、上室側開放弁43は、上室側逆止弁44、上室側作動弁69、メイン油室37及びサブ油室68を有して構成される。そして、これら下室側開放弁36及び上室側開放弁43の両サブ油室68が、開放弁連通路70によって連通されている。また、下室側作動弁67は、下室側開放弁36のサブ油室38内の圧力上昇により下室側逆止弁38を押圧して開放可能とし、上室側作動弁69も、上室側開放弁43のサブ油室68内の圧力上昇により上室側逆止弁44を押圧して開弁可能とする。
例えば、ユニット第1下室側流路35から下室側開放弁36のメイン油室37へ作動油が流入すると、この作動油は、下室側逆止弁38を開弁させてユニット第2下室側流路39へ流れると共に、下室側作動弁67も開作動させて、開放弁連通路70を介し上室側開放弁43のサブ油室68内へ流動する。このとき、上室側作動弁69は閉弁状態にあるので、上室側開放弁43のサブ油室68内は圧力が上昇して、上室側作動弁69が上室側逆止弁44を開弁させる。ユニット第1上室側流路42から上室側開放弁43のメイン油室37へ作動油が流入したときも、この作動油は上室側逆止弁44を開弁させると共に、上室側作動弁69及び下室側作動弁67の作用で、下室側開放弁36の下室側逆止弁38を開弁させる。
次に、図3を参照し、トリム・チルト装置17による船外機10のチルト作動、トリム作動等を説明する。
先ず、チルトアップ操作は、モータ33によってギヤポンプ34を正転させることにより実施される。ギヤポンプ34は、実線矢印に示す様にユニット第2油溜まり流路55から作動油を吸い込み、ユニット第1下室側流路35を経て下室側開放弁36のメイン油室37へ作動油を圧送する。この作動油の大部分は下室側逆止弁38を開弁させ、ユニット第2下室側流路39、シリンダ第1下室側流路40及びシリンダ第2下室側流路41を経て、チルトシリンダ28の下室28A及びトリムシリンダ24の下室24Aへ流入する。一方、下室側開放弁36のメイン油室37へ至った作動油の一部は、下室側作動弁67を開弁させ、下室側開放弁36のサブ油室68及び開放弁連通路70を経て上室側開放弁43のサブ油室68へ至り、上室側作動弁69を介して上室側逆止弁44を開弁させる。これにより、チルトシリンダ28の上室28Bがシリンダ第2上室側流路47、シリンダ第1上室側流路46、ユニット第2上室側流路45及びユニット第1上室側流路42を経てギヤポンプ34の吸い込み側に連通する。これらの結果、チルトシリンダ装置19のピストンロッド29が突出(図3における右側へ移動)し、船外機10の推進ユニット13をチルトアップさせる。尚、シリンダ第1上室側流路46のポンプユニット取付面31Aの近傍には、絞り部としてのオリフィス71が内設されている。
次に、チルトダウン操作は、モータ33によってギヤポンプ34を逆転させることにより実施される。ギヤポンプ34は、破線矢印に示すように、ユニット第3油溜まり流路56から作動油を吸い込み、ユニット第1上室側流路42を経て上室側開放弁43のメイン油室37へ作動油を圧送する。この作動油の大部分は上室側逆止弁44を開弁させ、ユニット第2上室側流路45、シリンダ第1上室側流路46及びシリンダ第2上室側流路47を経てチルトシリンダ28の上室28Bへ流入する。一方、上室側開放弁43のメイン油室37に至った作動油の一部は、上室側作動弁69を開弁させ、上室側開放弁43のサブ油室68及び開方弁連通路70を経て下室側開放弁36のサブ油室68へ至り、下室側作動弁67を介して下室側逆止弁38を開弁させる。これにより、チルトシリンダ28の下室28Aがシリンダ第2下室側流路41、シリンダ第1下室側流路40及びユニット第2下室側流路39を介して、ギヤポンプ34の吸い込み側に連通する。これらの結果、チルトシリンダ装置19のピストンロッド29がチルトシリンダ28内に収納(図3における左側へ移動)して、船外機10の推進ユニット13をチルトダウンさせる。
このチルトダウン時には、ギヤポンプ34の吸い込み側へ戻されるチルトシリンダ28の下室28A内の作動油は、その上室28B内へのピストンロッド29の侵入分だけこの上室28B内の作動油よりも多いので、その分だけ、ギヤポンプ34から吐出された作動油は、リリーフバルブ42Bを開弁してタンク室54内へ戻される。
次に、トリムアップ操作は、チルトアップ操作と同様に、ギヤポンプ34を正転させることにより実施される。作動油は、下室側開放弁36の下室側逆止弁38からユニット第2下室側流路39、シリンダ第1下室側流路40及びシリンダ第2下室側流路41を経てトリムシリンダ24の下室24A及びチルトシリンダ28の下室28Aへ供給される。このとき、トリムシリンダ24の上室24Bは、第1タンク流路48、第2タンク流路49及び第3タンク流路50を経てオイルタンク22に連通されているので、トリムシリンダ装置18のピストンロッド27及びチルトシリンダ装置19のピストンロッド29が突出し、船外機10の推進ユニット13がトリムアップされる。
また、トリムダウン操作は、チルトダウン操作と同様に、ギヤポンプ34を逆転させることにより実施される。作動油は、上室側開放弁43の上室側作動弁69及び下室側開放弁36の下室側作動弁67を作動させ、下室側逆止弁38を開操作させる。これにより、トリムシリンダ24の下室24Aがシリンダ第2下室側流路41、シリンダ第1下室側流路40及びユニット第2下室側流路39を介してギヤポンプ34の吸い込み側に連通され、トリムシリンダ装置18のピストンロッド27は、船外機10の推進ユニット13の重量に押されてトリムシリンダ24内に収納され、トリムダウンされる。このとき、トリムシリンダ24の上室24B内が負圧になって、オイルタンク22内の作動油が上記上室24B内へ導入される。
最後に、上記チルトアップ操作後、船外機10の推進ユニット13をチルトアップ状態で機械的にロックしたとき、腐食防止等のためにトリムシリンダ装置18のピストンロッド27をトリムシリンダ24内に収納させる必要がある。このトリムシリンダ装置18のピストンロッド保護操作は、ギヤポンプ34を逆転させ、上室側開放弁43の上室側作動弁69及び下室側開放弁36の下室側作動弁67の作動で下室側逆止弁38を開作動させ、トリムシリンダ24の下室24Aをギヤポンプ34の吸い込み側に連通させることにより、上述のトリムダウン操作と同様にして、トリムシリンダ18のピストンロッド27がトリムシリンダ24内に収納される。このとき、前記オリフィス59の作用で、タンク室54からギヤポンプ34へ流れる作動油量が制限され、トリムシリンダ24の下室24Aからギヤポンプ34への作動油の吸い込みが確実化される。
しかるに、トリム・チルト装置17にあっては、ポンプユニット21のバルブハウジング32に、前述のマニュアルバルブ63を以下の如くに設けている(図4)。
トリム・チルト装置17は、ポンプユニット21のバルブハウジング32に、チルトシリンダ28の下室28Aと上室28Bの一方、本実施例では下室28Aに連通する第1連通路81と、下室28Aと上室28Bの他方、本実施例では上室28Bに連通する第2連通路82と、タンク室54に連通するタンク連通路83と、孔状バルブ室84のそれぞれを設ける。
マニュアルバルブ63は、その軸方向に沿って開閉移動可能にバルブ室84に挿着される。マニュアルバルブ63は、小径先端部63Aと中径中間部63Bと大径基端部63Cのそれぞれを、バルブ室84の小径先端部84Aと中径中間部84Bと大径基端部84Cのそれぞれに挿着し、中径中間部63Bのおねじ部を中径中間部84Bのめねじ部に螺着し、マニュアルバルブ63の基端面に溝状工具係合部63Dを備える。マニュアルバルブ63は工具係合部63Dに係合する工具を用いた螺動操作により、その軸方向に沿って開閉移動せしめられる。
第1連通路81は、マニュアルバルブ63の軸方向に沿う方向に穿設され、バルブ室84の小径先端部84Aの孔端面に開口する。
第2連通路82は、バルブ室84の小径先端部84Aの孔内周に開口し、タンク連通路83は、バルブ室84の大径基端部84Cの孔内周に開口する。
マニュアルバルブ63は、小径先端部63Aの端面に、バルブ室84における小径先端部84Aの孔端面(シール面)の第1連通路81の開口まわりに接し、第1連通路81を封止可能にする孔開きディスク状面シール91を設ける。
また、マニュアルバルブ63は、小径先端部63Aの外周に、バルブ室84における第2連通路82とタンク連通路83の各開口部の間の小径先端部84Aの孔内周(シール面)に接し、第2連通路82とタンク連通路83の連通を遮断可能にするOリング状周シール92を設ける。
また、マニュアルバルブ63は、大径基端部63Cの外周に、バルブ室84におけるタンク連通路83の開口部より外気側の大径基端部84Cの孔内周(シール面)に接し、タンク連通路83を外気に対して遮断可能にするOリング状周シール93を設ける。
マニュアルバルブ63を閉じ位置に設定したとき、図4(A)に示す如く、マニュアルバルブ63の先端面の面シール91はバルブ室84における小径先端部84Aの孔端面(シール面)の第1連通路81の開口まわりに挟圧され、マニュアルバルブ63の小径先端部63Aの外周の周シール92はバルブ室84における第2連通路82とタンク連通路83の各開口部の間の小径先端部84Aの孔内周(シール面)に接し、マニュアルバルブ63の大径先端部63Cの外周の周シール93はバルブ室84におけるタンク連通路83の開口部より外気側の大径基端部84Cの孔内周(シール面)に接し、結果として、第1連通路81と第2連通路82とタンク連通路83を互いに遮断する。
マニュアルバルブ63を開き移動し、図4(B)に示す如く、マニュアルバルブ63の先端面の面シール91をバルブ室84における小径先端部84Aの孔端面(シール面)から離隔し、マニュアルバルブ63の小径先端部63Aの外周の周シール92をバルブ室84の小径先端部84A(シール面)から中径中間部84Bの側に脱したとき、第1連通路81と第2連通路82とタンク連通路83を互いに連通する。尚、バルブ室84の外気開口部には、マニュアルバルブ63の最大開き移動限を規制するストッパリング85が係着され、マニュアルバルブ63の開き移動時に、マニュアルバルブ63の大径基端部63Cの外周の周シール93は常にバルブ室84における大径基端部84Cの孔内周に接し、タンク連通路83を外気に対して遮断維持する。
しかるに、マニュアルバルブ63は先端側の端面から軸方向に突出する突出部63Eを備える。突出部63Eは、小径先端部63A、中径中間部63B、大径基端部63Cと同軸をなす。マニュアルバルブ63は、突出部63Eの根元部の周囲に周シール92を嵌着するとともに、突出部63Eを第1連通路81に挿入し、突出部63Eと第1連通路81の内周との環状隙間をオリフィス63Fとする。尚、突出部63Eは先端側に向けて縮径するテーパ状をなすものとすることができる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)マニュアルバルブ63の先端側の端面に設けた突出部63Eを第1連通路81に挿入し、該突出部63Eと第1連通路81の内周との隙間をオリフィス63Fとする。これにより、推進ユニット13をチルトアップさせた状態で、マニュアルバルブ63を開き移動させたとき、このオリフィス63Fによって第1連通路81を流れる油を絞り、推進ユニット13の重量を受けて加圧されている下室28Aからタンク室54への急激な油侵入を防止し、結果としてタンク室54の破裂を防止するとともに、下室28Aから上室28Bへの急激な油の移動を防止し、推進ユニット13の自由降下速度を減速可能する。
(b)マニュアルバルブ63の突出部63Eの周囲に面シール91を嵌着することにより、面シール91を常に突出部63Eの周囲に支持し、マニュアルバルブ63を開き移動したときの面シール91の倒れを防止し、次にマニュアルバルブ63を閉めたとき、第1連通路を面シール91によって確実に封止できる。
(c)マニュアルバルブ63の形状変更だけにより上述(a)、(b)を実現し、小ねじ等の他部品を用いる必要がないから、部品点数を削減できるし、ねじ加工の必要もなく、組付工数も削減できる。
(d)マニュアルバルブ63の突出部63Eをテーパ状にすることにより、マニュアルバルブ63の開き移動量によって上述(a)のオリフィス63Fの通路面積を調整し、推進ユニット13の自由降下速度を調整できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は船舶推進機を示す側面図である。 図2はトリム・チルト装置を示し、(A)は正面図、(B)は一部破断して示す側面図である。 図3はトリム・チルト装置の回路図である。 図4はマニュアルバルブ構造を示し、(A)は閉じ状態を示す断面図、(B)は開き状態を示す断面図である。 図5は従来のマニュアルバルブ構造を示し、(A)は閉じ状態を示す断面図、(B)は開き状態を示す断面図である。
符号の説明
10 船外機(船舶推進機)
28 チルトシリンダ
28A 下室
28B 上室
32 バルブハウジング
54 タンク室
63 マニュアルバルブ
63E 突出部
63F オリフィス
81 第1連通路
82 第2連通路
83 タンク連通路
84 バルブ室
91 面シール
92 周シール

Claims (2)

  1. チルトシリンダの上室と下室の一方に連通する第1連通路と、上室と下室の他方に連通する第2連通路と、タンク室に連通するタンク連通路と、バルブ室のそれぞれをバルブハウジングに設け、
    マニュアルバルブをその軸方向に沿って開閉移動可能にバルブ室に挿着し、
    第1連通路を、マニュアルバルブの軸方向に沿う方向に穿設することにより、バルブ室の孔端面に開口し、
    第2連通路とタンク連通路のそれぞれを、バルブ室の孔内周の2位置のそれぞれに開口し、
    マニュアルバルブの先端側の端面に、バルブ室の孔端面の第1連通路の開口まわりに接し、第1連通路を封止可能にする面シールを設け、
    マニュアルバルブの外周に、バルブ室の第2連通路とタンク連通路の各開口部の間の孔内周に接し、第2連通路とタンク連通路の連通を遮断可能にする周シールを設け、
    マニュアルバルブの開き移動により、第1連通路と第2連通路とタンク連通路を互いに連通可能にする船舶推進機のマニュアルバルブ構造において、
    マニュアルバルブの先端側の端面から軸方向に突出する突出部を備え、該突出部を第1連通路に挿入し、該突出部と第1連通路の内周との隙間をオリフィスとするとともに、
    マニュアルバルブの先端側の端面から突出する上記突出部の根元部の周囲に、バルブ室の孔端面の第1連通路の開口まわりに接し、第1連通路を封止可能にする上記面シールを遊びをもって嵌着することを特徴とする船舶推進機のマニュアルバルブ構造。
  2. 前記マニュアルバルブの突出部がテーパ状をなす請求項1に記載の船舶推進機のマニュアルバルブ構造。
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