JPH07227800A

JPH07227800A - フィルム切断装置

Info

Publication number: JPH07227800A
Application number: JP4632794A
Authority: JP
Inventors: Kaname Nakamoto; 最中元
Original assignee: Shinko Seisakusho KK
Current assignee: Shinko Seisakusho KK
Priority date: 1994-02-21
Filing date: 1994-02-21
Publication date: 1995-08-29

Abstract

(57)【要約】【目的】フィルム搬送面を挾んで設けたカッターと台
座とを押圧・離間させて、その間に搬送されてきたフィ
ルムを切断するフィルム切断装置において、台座の早期
劣化を防止し、ヒータ内蔵のカッターを用いるフィルム
切断装置の場合の、フィルムの切断及び溶着の信頼度を
向上させる。【構成】台座のカッターとの押圧位置を１カットごと
に、又は複数カットごとに微量ずつ変える台座移動手段
を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、長尺フィルムを所定位
置で切断するフィルム切断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】基礎材料としてのフィルムは、ロール状
に巻き取られたロールフィルムの形態で市場に供給され
るから、フィルム製品を作る場合は、その前にロールか
らフィルムを巻き戻して所定搬送面を所定長ずつ搬送さ
せ、切断する必要がある。このようなフィルム切断装置
には、図６に例示するように、フィルム搬送面４の互い
に反対側にカッター１と台座５Ｃを設置し、カッターの
み又はカッターと台座とを移動させて、カッターと台座
を押圧・離間することにより、その間に搬送されてきた
フィルムＦを切断するものが用いられている。

【０００３】そして、フィルム切断装置には、フィルム
を単に切断するだけのものと、切断と同時に切断線に沿
って溶着するものがあり、前者の場合は先端に切断刃を
有するカッターに往復移動手段を結合した構成を有し、
後者の場合は、先端に切断刃を有するカッターに加熱用
ヒータを内蔵し、そのカッターに往復移動手段を結合し
た構成を有する。

【０００４】いずれの場合も、フィルムを切断するたび
に、カッターの鋭利な切断刃が台座に所要の押圧力を持
って押圧する。従って、台座は、切断刃によるフィルム
の剪断性能を高めるとともに、切断刃に対する反力を可
及的に少なくして切断刃を保護するため、弾力性を有す
る材料、例えばシリコンゴムで形成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のフィ
ルム切断装置における台座は、一定の位置に固定設置さ
れているため、カッターの切断刃が常に一定場所に数千
回押圧されるので、台座の切断刃押圧位置が早期劣化
し、亀裂が生じて寿命が短くなる恐れがあった。

【０００６】また、ヒータ内蔵のカッターを用いる場合
は、フィルムの溶けた滓や、フィルム面の溶けたインク
が台座に付着する。台座に付着した上記異物は、不定期
の切断動作条件の下で、固形化して堆積するため、台座
の切断刃受圧面の精度が悪くなり、切断刃からの熱伝導
性が低下し、フィルムの切断及び溶着の信頼度に大きい
影響を与え、フィルムのその後の搬送にジャムを発生さ
せる問題があった。

【０００７】こうして、本発明は、台座の早期劣化を防
止し、ヒータ内蔵のカッターを用いるフィルム切断装置
の場合の、フィルムの切断及び溶着の信頼度を向上させ
ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、フィルム搬送面を挾んで互いに対向する
位置にカッターと台座とを設け、前記カッターと前記台
座とを押圧・離間させて、その間に搬送されてきたフィ
ルムを切断するフィルム切断装置において、前記台座の
カッターとの押圧位置を１カットごとに、又は複数カッ
トごとに微量ずつ変える台座移動手段を備えたことを特
徴としている。

【０００９】また、台座が、断面形状が円又は正多角形
の棒材である場合は、台座移動手段は、前記台座をその
中心軸周りに微量ずつ回転させるものであることを特徴
としている。

【００１０】さらに、前記台座が、平坦な押圧面を有す
る角棒材である場合は、台座移動手段は、前記台座を搬
送面と平行に微量ずつ移動させるものであることを特徴
としている。

【００１１】

【作用】台座移動手段は、１カットごとに、又は複数カ
ットごとに台座を移動して、台座のカッターとの押圧位
置を微量ずつ変えるので、切断刃の押圧の反復による台
座の劣化、亀裂発生が防止される。また、台座の切断刃
押圧位置にフィルムの溶け滓又はフィルムの溶けたイン
ク等の異物が付着しても、その付着部分は別の位置に微
量ずつ移動するので、次回の切断時にはその異物の影響
を受けない。従って、台座の寿命が伸長し、フィルム切
断・溶着の信頼度が高くなる。

【００１２】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本発明の第１実施例の基本的構成を示す
断面図である。同図において、１はヒータ２を内蔵した
カッターであり、下端部に切断刃３を有する。このカッ
ター１は、図示を省略された昇降機構に連結されてお
り、その昇降機構はフィルムを切断する際に駆動部によ
り昇降されるようになっている。

【００１３】５はフィルムＦの搬送面４に関してカッタ
ー１と反対側に設けられた台座である。図１の例では、
台座５はシリコンゴム材料で、断面形状が真円の棒状に
形成してあり、その中心に回転軸６を有する。そして、
台座５の頂面をカッターの切断刃３に対向させた状態
で、長手方向両端部において、図示されていない軸受に
より回転自在に支持されている。回転軸６には、これを
微量ずつ回転させる台座回転手段７が連結されている。

【００１４】図示の例では、回転軸６の一端部にプーリ
７１を設け、モータ７２の回転軸に固着したプーリ７３
との間に伝動ベルト７４を掛け回して、台座回転手段７
を構成している。そして、モータ７２の制御部は、昇降
機構によりカッター１をフィルム切断のために台座５の
頂面に押圧するまで一度昇降させるたびに、モータ７２
に所定の微量角度回転させるための制御信号を与えるよ
うになっている。

【００１５】カッター１の切断刃３と台座５の頂面とを
押圧させるためには、カッター１のみを昇降させること
に代えて、カッター１と台座５とをフィルム搬送面に向
かって互いに反対方向に昇降させるようにしてもよい。

【００１６】こうして、カッター１のみ、またはカッタ
ー１と台座５とを押圧させてその間に搬送されてきたフ
ィルムＦを、カッターの切断刃からフィルムに与えられ
るフィルムの融点以上の温度の熱により溶着し、かつ、
その溶着部においてフィルムを切断する。そして、その
溶着切断の前又は後に、モータ制御部がモータ７２に所
定の制御信号を与えて微量回転駆動させるため、伝動手
段（７１，７３，７４）を介して台座５が微量角度回転
される。従って、台座の、次に降下してくるカッターの
切断刃からの押圧力を受ける受圧位置が僅かに偏移され
る。

【００１７】従って、フィルムの切断が連続的に行われ
た場合にも、台座の受圧位置が高温になることが防止さ
れ、また、切断刃からの衝撃を同一位置でのみ受けるこ
とがないので、台座に亀裂が発生することがない。さら
に、切断時にフィルムから溶けた滓が台座の同じ位置に
付着して堆積することが防止され、フィルムのインクが
溶けて台座に付着する場合も、同一場所に堆積すること
がないので、切断刃からフィルムへの熱伝導性が低下す
ることが防止され、溶着及び切断の信頼度が高揚され
る。

【００１８】台座回転手段は、モータ及びプーリやベル
トなどの伝動部材により構成されるものに限定されず、
例えばモータの回転軸及び台座の回転軸にそれぞれ結合
されたピニオンと、両ピニオンに噛み合うラックなどの
伝動手段で構成することもできる。

【００１９】回転によりカッターの切断刃の受圧位置を
微量ずつ変更させるには、台座の断面形状は図１のよう
な真円である代わりに、図２に示すように、正多角形の
ものでもよい。この場合は、複数回のカットごとに、台
座５Ｅを所定角度ずつ回転して、一つの受圧面が順次カ
ッター１に対向するように、台座回転手段の回転角度が
制御される。

【００２０】図３は、カッターの昇降機構、台座の昇降
機構、及び台座移動手段のそれぞれの具体例を備えたフ
ィルム切断装置を示す側面図である。８ａ，８ｂ、９
ａ，９ｂはフィルム搬送用ローラであり、そのうち、８
ａ，９ａはモータ１０により所定方向に回転される送り
ローラ、８ｂ，９ｂはその送りローラに押圧される押さ
えローラである。

【００２１】カッター１は、フィルム搬送面の上方にお
いて第１支持部材１１の上部に固定されている。台座５
は、フィルム搬送面の下方において第２支持部材１２の
上端部に固定されている。第１支持部材１１は、フィル
ム搬送面の下方まで延長され、その下端部には、第１の
カムフォロア１３が回転自在に取付けられている。ま
た、第２支持部材１２の下端部にも、第２のカムフォロ
ア１４が回転自在に取付けられている。

【００２２】１５及び１６は、それぞれ所定の外周形状
を備えた第１及び第２のカムであり、共通の軸１７上に
固着されている。この軸１７は、図示を省略されたモー
タにより所定方向に回転される。第１のカムフォロア１
３は、第１のカム１５の外周面に、第２のカムフォロア
１４は、第２のカム１６の外周面にそれぞれ当接されて
いる。

【００２３】図３に示すように、カム軸１７の回転によ
り第１のカムフォロア１３が第１のカム１５の最大山部
に当接したときは、第１支持部材１１が最高位置まで上
昇されて、カッター１の切断刃３をフィルム搬送面から
上方に離間した位置に保持する。また、第２のカムフォ
ロア１４が第２のカム１６の最低山部に当接した場合
は、第２支持部材１２がその荷重により最低位置まで降
下されて、台座５をフィルム搬送面から下方に離間した
位置に保持する。

【００２４】この状態で、上下２枚の重合されたフィル
ムＦは、図３の右側に装填されているロールフィルム
（図示せず）から巻き戻されて、前方フィルム搬送ロー
ラ８ａ，８ｂの間、開放されているカッター１と台座５
の間を通され、さらに、後方のフィルム搬送ローラ９
ａ，９ｂの間に通されて、モータ１０の回転制御によ
り、フィルムが所定長搬送されたときに停止され、この
切断装置によるフィルム切断動作を待機する。

【００２５】フィルム切断の準備が整うと、第１及び第
２のカム１５，１６がモータにより所定角度回転され
て、図４に示すように、第１のカム１５の最低山部が第
１のカムフォロア１３に対向するため、第１支持部材１
１はその荷重により最低位置まで降下し、カッター１の
切断刃３がフィルム搬送面に向かって下降する。また、
第２のカム１６の最高山部が第２のカムフォロア１４に
当接するため、第２支持部材１２が最高位置まで上昇さ
れ、台座５の頂面がフィルム搬送面と等しい面又はそれ
より僅かに上方まで移動されて、カッターの切断刃３と
互いに押圧し、フィルムＦを溶着すると同時に切断す
る。その後、引続いてカムが当初の位置まで回転され
て、図３の状態に復帰する。

【００２６】ここで、台座移動手段として、第１支持部
材１１には、図５に例示するように、台座５の側に突出
する爪１８が設けられ、また、台座の回転軸６の一端部
には、一方向クラッチ１９が取り付けられ、その一方向
クラッチに、前記爪１８に対向する爪車２０が固着され
ている。そして、第１支持部材１１の下降時及び上昇時
に、前記爪１８が爪車２０に瞬間的に係合するようにな
っている。従って、一方向クラッチ１９を介して、第１
支持部材１１の上昇時又は下降時に、台座５が微量角度
回転される。

【００２７】こうして、フィルムを１カットするたび
に、台座５が微小角度ずつ回転され、切断刃３との押圧
位置が変更される。

【００２８】上記の実施例は、いずれも、台座が回転さ
れることにより、切断刃との押圧位置が変更されるよう
に構成されているが、台座を断面矩形に形成し、台座を
フィルム搬送方向と平行な方向に移動する台座移動手段
を用いることにより、同様の作用効果を得ることができ
る。

【００２９】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、フィルムの１カットごとに又は複数カットごとに台
座を移動するようにしたので、台座の寿命が伸長し、ま
た、フィルムからの異物の付着・堆積が防止されるの
で、カッターの切断・溶着の信頼度が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の基本的構成の一例を示す側面図であ
る。

【図２】同じく他の例を示す側面図である。

【図３】本発明の具体例を示す側面図である。

【図４】同じく、フィルム切断時の状態を示す側面図で
ある。

【図５】台座移動手段の具体例を示す要部側面図であ
る。

【図６】従来のフィルム切断装置の要部の側面図であ
る。

【符号の説明】

１カッター３切断刃４フィルム搬送面５，５Ｅ台座７台座移動手段（台座回転手段）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フィルム搬送面を挾んで互いに対向する
位置にカッターと台座とを設け、前記カッターと前記台
座とを押圧・離間させて、その間に搬送されてきたフィ
ルムを切断するフィルム切断装置において、前記台座のカッターとの押圧位置を１カットごとに、又
は複数カットごとに微量ずつ変える台座移動手段を備え
たことを特徴とするフィルム切断装置。
【請求項２】台座は、断面形状が円又は正多角形の棒
材であり、台座移動手段は、前記台座をその中心軸周り
に微量ずつ回転させるものであることを特徴とする請求
項１記載のフィルム切断装置。
【請求項３】台座は、平坦な受圧面を有する角棒材で
あり、台座移動手段は、前記台座をフィルム搬送面と平
行に微量ずつ移動させるものであることを特徴とする請
求項１記載のフィルム切断装置。