JPH07227546A - 芳香族炭酸エステル製造用触媒およびそれを用いた芳香族炭酸エステルの製造法 - Google Patents

芳香族炭酸エステル製造用触媒およびそれを用いた芳香族炭酸エステルの製造法

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JPH07227546A
JPH07227546A JP6286258A JP28625894A JPH07227546A JP H07227546 A JPH07227546 A JP H07227546A JP 6286258 A JP6286258 A JP 6286258A JP 28625894 A JP28625894 A JP 28625894A JP H07227546 A JPH07227546 A JP H07227546A
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catalyst
group
aromatic
carbonic acid
acid ester
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英昭 常木
Masaru Kirishiki
賢 桐敷
Kenichi Watanabe
憲一 渡辺
Yoshiyuki Onda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物との
エステル交換反応あるいは脂肪族芳香族炭酸エステルの
エステル交換反応による不均化によって、芳香族炭酸エ
ステルを収率良く工業的に有利に製造するために用いる
触媒およびそれを用いた製造法を提供することにある。 【構成】 炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物との
エステル交換反応あるいは脂肪族芳香族炭酸エステルの
エステル交換による不均化によって芳香族炭酸エステル
を製造するための触媒であって、反応液に不溶性の、I
V族金属元素を導入したマイクロポーラスマテリアルを
含有することを特徴とする触媒、および該触媒を用いた
芳香族炭酸エステルの製造法である。 【効果】 IV族金属元素を導入したマイクロポーラス
マテリアルは反応液に実質的に溶解しせず、不均一触媒
として使用でき、触媒の分離が容易で工業的に非常に有
利になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IV族金属元素を導入
したマイクロポーラスマテリアルを含有する不均一系の
芳香族炭酸エステル製造用触媒に関する。また前記触媒
を用いて、脂肪族炭酸エステルまたは脂肪族芳香族炭酸
エステルから芳香族炭酸エステルを製造する方法に関す
る。
【0002】芳香族炭酸エステルは、樹脂原料、各種中
間原料等として工業的に有用な物質である。例えば炭酸
ジフェニルは、ホスゲンを使わないポリカーボーネート
樹脂製造用の原料として工業的に非常に有用な物質であ
り、また炭酸メチルフェニル等はエステル交換反応によ
る不均化によって、前述の炭酸ジフェニルに転化するこ
とができ、中間体としてこれも極めて有用な物質であ
る。
【0003】
【従来の技術】炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物
とのエステル交換反応あるいは脂肪族芳香族炭酸エステ
ルのエステル交換反応による不均化によって、芳香族炭
酸エステルを製造する方法に関しては種々の方法が知ら
れているが、このエステル交換反応には触媒が必要であ
り、様々な触媒が提案されている。たとえばルイス酸あ
るいはルイス酸を発生する化合物、Ti系、Al系の化
合物、鉛化合物、有機錫化合物などを触媒として用いる
ことが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の触媒はすべて原料中に触媒が溶解して反応する均一系
の触媒であり、反応後の触媒の分離が困難であり工業的
に実施するには問題のある触媒である。
【0005】これに対して、上記の問題を解決するた
め、不均一系触媒として、特公昭61−5467号公報
ではシリカ−チタニア複合酸化物を、特開平4−266
856号公報には高表面積酸化チタンを、触媒として用
いることが提案されている。しかしながら両者とも反応
開始時は不均一系であっても、反応中に原料中に触媒成
分がかなり溶解し、実質的には均一系となんら変わるこ
とがなく、課題を解決する手段としては十分ではない。
【0006】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであり、本発明の目的は、脂肪族炭酸
エステルまたは脂肪族芳香族炭酸エステルから、芳香族
炭酸エステルを製造するための触媒であって、反応後の
触媒の分離が容易でかつ高収率、高選択率に芳香族炭酸
エステルを工業的に有利に製造するための触媒を提供す
ることにある。
【0007】本発明の他の発明は、脂肪族炭酸エステル
または脂肪族芳香族炭酸エステルから、芳香族炭酸エス
テルを製造するに際して、反応液に不溶性の触媒を用い
ることにより、反応後の触媒の分離が容易でかつ高収
率、高選択率に芳香族炭酸エステルを工業的に有利に製
造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、原料に溶
解せず、且つ十分な活性と選択性を示す不均一系エステ
ル交換触媒を鋭意探索した結果、まったく驚くべきこと
にIV族金属元素を結晶格子中に導入したマイクロポー
ラスマテリアルが原料にほとんど溶解せず、且つ本反応
に活性と選択性を示すことを見い出し本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち本発明の触媒は、下記一般式
(I) (R1−O)CO(O−R2) …(I) (式中、R1およびR2は、アルキル基、シクロアルキル
基、アリールアルキル基または置換基を有していても良
いアリール基である。ただしR1およびR2の少なくとも
一方は前記アルキル基である。)で表される炭酸エステ
ルと、芳香族ヒドロキシ化合物とを、液相でエステル交
換反応させて下記一般式(II) (R3−O)CO(O−R4) …(II) (式中、R3およびR4は、アルキル基、シクロアルキル
基、アリールアルキル基または置換基を有していてもよ
いアリール基である。ただしR3およびR4の少なくとも
一方は前記アリール基であり、また前記一般式(I)中
のR1およびR2のいずれかが前記アリール基の場合は、
3とR4は共に前記アリール基である。)で表される芳
香族炭酸エステルを製造する際に用いる触媒であって、
該触媒が、反応液に実質的に溶解しない、IV族金属元
素を導入したマイクロポーラスマテリアルを含有するこ
とを特徴とする芳香族炭酸エステル製造用触媒である。
【0010】また本発明の他の触媒は、下記一般式(I
II) (R5−O)CO(O−R6) …(III) (式中、R5は、アルキル基、シクロアルキル基または
アリールアルキル基、R6は、置換基を有していても良
いアリール基である。)で表される炭酸エステルを、液
相でエステル交換反応によって不均化させて、下記一般
式(IV) (R7−O)2CO …(IV) (式中、R7は、置換基を有していてもよいアリール基
である。)で表される芳香族炭酸エステルを製造する際
に用いる触媒であって、該触媒が、反応液に実質的に溶
解しない、IV族金属元素を導入したマイクロポーラス
マテリアルを含有することを特徴とする芳香族炭酸エス
テル製造用触媒である。
【0011】また本発明の第一の製造法は、前記芳香族
炭酸エステル製造用触媒の存在下、下記一般式(I) (R1−O)CO(O−R2) …(I) (式中、R1およびR2は、アルキル基、シクロアルキル
基、アリールアルキル基または置換基を有していても良
いアリール基である。ただしR1およびR2の少なくとも
一方は前記アルキル基である。)で表される炭酸エステ
ルと芳香族ヒドロキシ化合物とを、液相でエステル交換
反応させることを特徴とする、下記一般式(II) (R3−O)CO(O−R4 ) …(II) (式中、R3およびR4は、アルキル基、シクロアルキル
基、アリールアルキル基または置換基を有していてもよ
いアリール基である。ただしR3およびR4の少なくとも
一方は前記アリール基であり、また前記一般式(I)中
のR1およびR2のいずれかが前記アリール基の場合は、
3とR4は共に前記アリール基である。)で表される芳
香族炭酸エステルの製造法である。
【0012】また、本発明の第二の製造法は、前記芳香
族炭酸エステル製造用触媒の存在下、下記一般式(II
I) (R5−O)CO(O−R6) …(III) (式中、R5は、アルキル基、シクロアルキル基または
アリールアルキル基、R6は、置換基を有していても良
いアリール基である。)で表される炭酸エステルを、液
相でエステル交換反応によって不均化させることを特徴
とする、下記一般式(IV) (R7−O)2CO …(IV) (式中、R7は、置換基を有していてもよいアリール基
である。)で表される芳香族炭酸エステルの製造法であ
る。
【0013】
【作用】以下本発明を詳しく説明する。
【0014】触媒 本発明の触媒は、前記一般式(I)で表される炭酸エス
テルから前記一般式(II)で表される芳香族炭酸エス
テルを生成させる反応に適用できる。該反応としては、 (i)前記一般式(I)で表される炭酸エステルと芳香
族ヒドロキシ化合物とを、液相でエステル交換反応させ
る。
【0015】(ii)前記一般式(III)で表される
炭酸エステルを、液相でエステル交換反応によって不均
化させる。
【0016】等が挙げられる。
【0017】(i)の反応で使用する原料の炭酸エステ
ルとしては、前記一般式(I)で表わされる炭酸エステ
ルであれば特に限定されないが、具体的には、脂肪族炭
酸エステル類として炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸
ジノルマルプロピル、炭酸ジシクロヘキシルなど、脂肪
族芳香族炭酸エステルとしては炭酸メチルフェニル、炭
酸エチルフェニルなどが挙げられ、これらの混合物でも
良い。特に工業的には炭酸ジメチルが好適に用いられ
る。
【0018】(i)の反応で使用する原料の芳香族ヒド
ロキシ化合物としては、フェノール;o−、m−または
p−クレゾール;o−、m−またはp−クロロフェノー
ル;o−、m−またはp−エチルフェノール;o−、m
−またはp−イソプロピルフェノール;o−、m−また
はp−メトキシフェノール;キシレノール類;α−また
はβ−ナフトールなどが挙げられ、これらの混合物でも
良い。中でも工業的にはフェノールが好適に用いられ
る。
【0019】(ii)の反応に用いる原料の脂肪族芳香
族炭酸エステルとしては、前記一般式(III)で表わ
される炭酸エステルであれば特に限定されないが、具体
的には、炭酸メチルフェニルや炭酸エチルフェニルなど
が挙げられ、それらを単独または混合物で用いることが
できる。
【0020】本発明の触媒に含有させるマイクロポーラ
スマテリアルとは、ミクロポア領域に極めて規則性の良
い細孔を持つ非常に結晶性の高い物質であり、メタロシ
リケートやメタロアルミノフォスフェート等が知られて
いる。
【0021】メタロシリケートとは、アルミノシリケー
トであるゼオライトのアルミニウム原子の代わりに、他
の金属元素が結晶格子中に入った化合物であり、本発明
では、該金属元素としてIV族金属元素を導入したもの
である。IV族金属元素としてはチタン、ジルコニウ
ム、スズ、鉛などの元素が挙げられる。特に該金属元素
がチタンである場合、MFI型構造であるZSM−5や
MEL型構造であるZSM−11と類似した構造のチタ
ノシリケートやβ型チタノアルミノシリケートなどが知
られている。
【0022】また、メタロアルミノフォスフェートと
は、リン酸アルミニウム型モレキュラーシブス(AlP
4−n:nは結晶構造を示す番号)のアルミニウムや
リンの一部が他の金属元素で置き換わったものである。
リン酸アルミニウム型モレキュラーシブス(AlP
4)は組成がAlPO4から成り、AlO4四面体とP
4四面体とを交互に規則的に配列させた構造をしてい
る物質である。アルミノフォスフェートの結晶構造の種
類は多岐に渡っており、AlPO4−nのnがそれらを
区別するための数字として付けられている。例えば、A
lPO4−5は細孔径約8Åを有する酸素12員環構造
から成る物質であり、またAlPO4−11は細孔径5
〜6Åを有する酸素10員環構造から成る物質である。
本発明でいうメタロアルミノフォスフェートは、前述し
たようにこのアルミニウムやリンの一部をチタン、ジル
コニウム、スズ、鉛などの第IV族金属元素で置き換え
た物質のことである。
【0023】マイクロポーラスマテリアルの結晶性は、
粉末X線回折(XRD)分析から判定できる。例えば結
晶性でないシリカ−チタニアは明瞭なXRDの回折ピー
クを示さず、アモルファスのブロードなピークが見られ
るだけである。それに対して結晶性のメタロシリケート
やメタロアルミノフォスフェートなどではそれぞれの結
晶構造に対応した明瞭なXRDでの回折ピークが見られ
る。
【0024】前記芳香族炭酸エステルを生成させる反応
に、これらの構造のIV族金属元素を導入したマイクロ
ポーラスマテリアルが有効であり、具体的には、IV族
金属元素を導入した結晶性メタロシリケート、IV族金
属元素を導入した結晶性メタロアルミノフォスフェート
等が特に有効である。
【0025】IV族金属元素を導入した結晶性メタロシ
リケートの組成としては、IV族金属元素1に対する珪
素の原子比で示すと、下限値で10、好ましくは20、
更に好ましくは25であり、上限値で500、好ましく
は200、更に好ましくは100である。IV族金属元
素に対する珪素の原子比が小さすぎると、IV族金属元
素が多すぎてすべてのIV族金属元素が結晶格子中に取
り込まれず、酸化物として結晶格子外に存在することに
なる。またIV族金属元素に対する珪素の原子比が大き
すぎると、IV族金属元素の結晶中の密度が低下し、活
性が低下してしまう。
【0026】IV族金属元素を導入した結晶性メタロア
ルミノフォスフェートの組成としては、IV族金属元素
1に対する、AlとPの総和を原子比で示すと、下限値
で1、好ましくは5、更に好ましくは10であり、上限
値で500、好ましくは100、更に好ましくは50で
ある。前記下限値より小さいと、IV族金属原子が多す
ぎてすべてのIV族金属原子が結晶格子中に取り込まれ
ず、酸化物として結晶格子外に存在することになり、前
記上限値を超えると、IV族金属原子の結晶中の密度が
低下し、活性が低下してしまう。また、第IV族金属元
素を導入した結晶性メタロアルミノフォスフェート中の
AlとPの原子比は、Alを1とするとPは0.9〜
1.1の範囲であることが好ましい。3価であるAlと
5価であるPが4価であるIV族金属元素と一部置き換
わった構造をとるため、AlとPの原子比は、Alを1
とするとPが0.9〜1.1の範囲に保たれながら第I
V族金属元素が導入されなければ全体の荷電バランスが
乱れ、従ってこれに起因した触媒酸点が発生することに
なる。その結果、芳香族炭酸エステルの脱炭酸反応等の
副反応が進行し、副生物が生成してしまう。
【0027】本発明の触媒に含有させるマイクロポーラ
スマテリアルに導入するIV族金属元素としては、特に
チタンが好ましい。チタノシリケートの場合はTS−
1,TS−2と呼ばれる構造の結晶性チタノシリケート
が好適に使用できる。結晶性チタノアルミノフォスフェ
ートの場合はTAPO−5(AlPO4−5型)が好適
に使用できる。
【0028】本発明の触媒の調製方法としては、一般に
マイクロポーラスマテリアルの調製に用いられる方法が
適用できる。なかでもよく用いられるのは水熱合成法で
あり、この方法はマイクロポーラスマテリアルの原料と
テンプレート剤と水とを混合して所定の温度に加熱して
結晶化させる方法である。
【0029】製造法 本発明の第一の製造法は、前記触媒の存在下に、前記一
般式(I)で表される炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ
化合物とを液相でエステル交換反応させて前記一般式
(II)で表される芳香族炭酸エステルを製造する方法
である。
【0030】本発明で使用する原料の炭酸エステルとし
ては、前記一般式(I)で表わされる炭酸エステルであ
れば特に限定されないが、具体的には、脂肪族炭酸エス
テル類として炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジノル
マルプロピル、炭酸ジシクロヘキシルなど、脂肪族芳香
族炭酸エステルとしては炭酸メチルフェニル、炭酸エチ
ルフェニルなどが挙げられ、これらの混合物でも良い。
特に工業的には炭酸ジメチルが好適に用いられる。
【0031】本発明の第一の製造法で使用する原料の芳
香族ヒドロキシ化合物としては、フェノール;o−、m
−またはp−クレゾール;o−、m−またはp−クロロ
フェノール;o−、m−またはp−エチルフェノール;
o−、m−またはp−イソプロピルフェノール;o−、
m−またはp−メトキシフェノール;キシレノール類;
αまたはβ−ナフトールなどが挙げられ、これらの混合
物でも良い。中でも工業的にはフェノールが好適に用い
られる。
【0032】本発明の第一の製造法において、原料炭酸
エステル対芳香族ヒドロキシ化合物のモル比は、下限が
1/50、好ましくは1/10、更に好ましくは1/5
で、上限は50、好ましくは10、更に好ましくは5で
ある。本反応は平衡反応であり、また平衡が生成系より
原系に著しく偏っているため、どちらか一方の原料を大
過剰に用いることによって、少ないほうの原料の転化率
を上げることができるが、大過剰の原料はリサイクルし
なければならないため、モル比を余り大きくしたり、逆
に小さくしたりすることは工業的には不利である。
【0033】本発明の第一の製造法によって生成される
前記一般式(II)で表わされる芳香族炭酸エステルの
うち脂肪族芳香族炭酸エステルは、従来から知られてい
るチタン、スズ、鉛などの均一系触媒や本発明の前記触
媒等を用いてさらに不均化して、前記一般式(IV)で
表わされる芳香族炭酸エステルを製造することもでき
る。
【0034】また本発明の第二の製造法は、前記触媒の
存在下に、前記一般式(III)で表される炭酸エステ
ルを、液相でエステル交換反応によって不均化させて、
前記一般式(IV)で表される芳香族炭酸エステルを製
造する方法である。
【0035】前記一般式(III)で表わされる原料の
炭酸エステルとしては、炭酸メチルフェニルや炭酸エチ
ルフェニルなどの脂肪族芳香族炭酸エステルが挙げら
れ、それらを単独または混合物で用いることができる。
それらの脂肪族芳香族炭酸エステルは、例えば従来から
知られているチタン、スズ、鉛などの均一系触媒を用い
た製造法や本発明の第一の製造法等により得られたもの
を用いることができる。
【0036】本発明の第一および第二の製造法におい
て、反応は、回分式反応器、流通式反応器のいずれでも
実施でき、特に限定されるものではない。さらには反応
蒸留形式でも実施できる。反応温度の下限値は100℃
で、好ましくは140℃、更に好ましくは160℃であ
る。反応温度の上限値は350℃、好ましくは300
℃、更に好ましくは280℃である。反応温度が低すぎ
ると、活性が低くく反応時間や接触時間が長くなりすぎ
生産性が低い。また反応温度が高すぎると、脱炭酸反応
などの副反応が起こりやすくなったり、反応器内部の圧
力が上がりすぎて不利である。
【0037】本発明の製造法において原料の転化率を大
きくするためには、平衡をずらす工夫が必要であり、反
応蒸留を用いたり、炭酸エステルと芳香族ヒドロキシ化
合物とのエステル交換反応の場合(第一の製造法)に
は、例えばモレキュラーシーブスで吸着除去するなどに
より生成するアルコールを除く処理をしたり、脂肪族芳
香族炭酸エステルのエステル交換による不均化の場合
(第二の製造法)には、生成する脂肪族炭酸エステルを
除く処理をすることが好ましい。
【0038】本発明の第一および第二の製造法におい
て、回分式反応器を用いる場合の触媒の使用量は、原料
に対して下限値は0.1重量%、好ましくは0.5重量
%、更に好ましくは1重量%である。上限値は40重量
%、好ましくは30重量%、更に好ましくは15重量%
である。回分反応器内に、本発明の触媒および原料を所
定量充填し、所定温度で撹拌を行いながらエステル交換
反応を行うことにより、目的とする芳香族炭酸エステル
を含む混合物が得られる。反応圧力は原料の蒸気圧によ
って生ずる圧力になる。その際反応時間は反応温度と触
媒量によって異なるが、一般的には0.1〜100時
間、好ましくは1〜30時間の範囲が用いられる。こう
して得られた触媒を含む反応液から触媒は遠心分離やろ
過などの方法で容易に取り除くことができる。触媒を分
離した後の反応液から、芳香族炭酸エステル、副生する
アルコール、脂肪族炭酸エステル、未反応の炭酸エステ
ルや芳香族ヒドロキシ化合物を一般的には蒸留によっ
て、場合によっては抽出や再結晶などの方法によって回
収することができる。
【0039】本発明の第一および第二の製造法におい
て、流通反応式反応器を用いる場合には、流動層式、固
定床式、撹拌槽式のいずれの方式でも実施できる。この
際の反応条件は原料組成、反応温度によって変わるが、
流通する原料の体積流量を反応器の体積で除した液時空
間速度(LHSV)で、下限値は0.05hr-1、好ま
しくは0.1hr-1、更に好ましくは0.2hr-1であ
り、上限値は50hr-1、好ましくは20hr-1であ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明の触媒を用いれば、炭酸エステル
と芳香族ヒドロキシ化合物から芳香族炭酸エステルへの
エステル交換反応または脂肪族芳香族炭酸エステルのエ
ステル交換反応による不均化が速やかに進行し、且つI
V族金属元素導入マイクロポーラスクリスタル触媒が反
応原料にほとんど溶解しないことから、反応液と触媒の
分離が容易であり、均一系反応で見られる蒸留工程での
残存触媒による逆反応、分解、重合反応などによる収率
低下を防止できる。従って、工業的に重要な芳香族炭酸
エステルを効率的に生産でき、産業の発展に寄与するも
のである。
【0041】本発明の製造法を用いれば、炭酸エステル
と芳香族ヒドロキシ化合物から芳香族炭酸エステルへの
エステル交換反応または脂肪族芳香族炭酸エステルのエ
ステル交換反応による不均化が速やかに進行し、且つI
V族金属元素導入マイクロポーラスクリスタル触媒が反
応原料にほとんど溶解しないことから、反応液と触媒の
分離が容易であり、均一系反応で見られる蒸留工程での
残存触媒による逆反応、分解、重合反応などによる収率
低下を防止できる。従って、工業的に重要な芳香族炭酸
エステルを効率的に生産でき、産業の発展に寄与するも
のである。
【0042】
【実施例】以下に本発明について実施例および比較例を
挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。
【0043】なお、実施例中の転化率、収率は以下の式
により計算されたものである。
【0044】・原料が炭酸ジメチルなどの脂肪族炭酸エ
ステルの場合
【0045】
【数1】
【0046】
【数2】
【0047】
【数3】
【0048】・原料が炭酸メチルフェニルなどの脂肪族
芳香族炭酸エステルの場合 転化率、副生成物収率の定義は脂肪族炭酸エステルの場
合と同様であるが、芳香族炭酸エステルの収率は次式で
定義する。
【0049】
【数4】
【0050】実施例1 (触媒A−1の調製) ケイ酸エチル64.5gを内容積500mlのビーカー
にとり、ここへチタンテトラブトキシド3.2gをゆっ
くりと滴下した後、35℃で30分撹拌した。これを0
℃まで冷却し、0℃に冷却したテトラプロピルアンモニ
ウムヒドロキシド10重量%水溶液266.5gを0℃
に保ったままゆっくり滴下した。滴下終了後80〜90
℃に昇温して5時間撹拌した。この混合溶液をオートク
レーブに移し、175℃で2日間加熱して水熱合成を行
った。生成したゲルをろ過し、更にろ液のpHが8以下
になるまで純水で洗浄して120℃で8時間乾燥の後、
540℃で3時間空気中で焼成して、結晶性チタノシリ
ケートを得た。この触媒をA−1とした。
【0051】蛍光X線による分析ではチタン1に対する
珪素の原子比は27であった。BET法による比表面積
は366m2/gであった。CuKα線を用いた粉末X
線回折のデータは、表1のとおりで、MFI構造であっ
た。
【0052】
【表1】
【0053】実施例2 (触媒A−2の調製) リン酸(85重量%水溶液)34.6gを内容積500
mlのビーカーにとり、ここへテトラエチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド(20重量%水溶液)73.6g
を加えてしばらく攪拌し、その後室温まで冷却した。こ
の混合液にイオン交換水18.0g及び擬ベーマイト
(Cataloid−AP;触媒化成(株)、70重量
%Al2O3含有)21.9gを加え、さらにチタンテ
トライソプロポキシド15.8gを加えて2時間攪拌し
た。この混合溶液をオートクレーブに移して水熱合成を
行った。水熱合成は室温から160℃まで90分で昇温
し、続いて160℃から200℃まで3時間で昇温して
から200℃で4時間保持して行った。生成した固体を
ろ別し、更に純水で3回洗浄してから次の方法で乾燥、
焼成を行った。まず10℃毎分で室温から120℃まで
昇温し、そのまま120℃で180分保持、再び10℃
毎分で230℃まで昇温してから230℃で480分保
持し、更に3℃毎分で600℃まで昇温し、600℃で
180分保持して、結晶性チタノアルミノフォスフェイ
トを得た。この触媒をA−2とする。
【0054】ICPによる分析ではチタン1に対するア
ルミニウム及びリンの原子比はそれぞれ6.25、6.
27であった。BET法による比表面積は269m2
gであった。CuKα線を用いた粉末X線回折のデータ
は、以下のとおりで、AlPO4−5型構造であった。
【0055】
【表2】
【0056】実施例3 (触媒A−3の調製) AlとPの組成比が1:1でないIV族金属元素を導入
した結晶性メタロアルミノフォスフェイトを調製した。
具体的手順はリン酸(85重量%水溶液)34.6gを
内容積500mlのビーカーにとり、ここへテトラエチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド(20重量%水溶
液)73.6gを加えてしばらく攪拌し、その後室温ま
で冷却した。この混合液にイオン交換水18.0g及び
水酸化アルミニウム15.6gを加え、さらにチタンテ
トライソプロポキシド15.8gを加えて2時間攪拌し
た。この混合溶液をオートクレーブに移して水熱合成を
行った。水熱合成は室温から160℃まで90分で昇温
し、続いて160℃から200℃まで3時間で昇温して
から200℃で4時間保持して行った。生成した固体を
ろ別し、更に純水で3回洗浄してから次の方法で乾燥、
焼成を行った。まず10℃毎分で室温から120℃まで
昇温し、そのまま120℃で180分保持、再び10℃
毎分で230℃まで昇温してから230℃で480分保
持し、更に3℃毎分で600℃まで昇温し、600℃で
180分保持して、結晶性チタノアルミノフォスフェイ
トを得た。
【0057】ICPによる分析ではチタン1に対するア
ルミニウム及びリンの原子比はそれぞれ6.15、6.
95であり、アルミニウムに対してリンがかなり過剰で
あった。BET法による比表面積は247m2/gであ
った。CuKα線を用いた粉末X線回折の結果から、A
lPO4−5型構造であることが確認できた。この触媒
をA−3とした。
【0058】実施例4 (触媒A−1を用いた製造
例) 撹拌器、圧力計、サンプリング用ノズル、温度計および
加熱用外部ヒーターを備えた内容積200mlのオート
クレーブにドライボックス中でフェノール83.9g、
炭酸ジメチル16.1g、触媒A−1を2.0g仕込
み、窒素で1MPaに加圧した。これを200℃まで加
熱し5時間反応した。原料のフェノール/炭酸ジメチル
のモル比は5/1、触媒は2重量%である。反応液はガ
スクロマトグラフで分析して、転化率・収率を求めた。
反応液中の溶出したTiの反応液中の濃度はICP発光
分析装置で分析した。
【0059】炭酸ジメチルの転化率は7.7mol%、
炭酸メチルフェニルの収率は7.5mol%、炭酸ジフ
ェニルの収率は0.1mol%、副生物であるアニソー
ルの収率は、0.1mol%であった。反応液は無色透
明であり、溶出したTiの濃度は0.4ppmしかな
く、ほとんど溶出は見られなかった。本反応は平衡反応
であり、生成物であるメタノールを除去しない場合の平
衡収率は数%程度と考えられるので、この実施例では平
衡近くまで反応が進行したといえる。
【0060】実施例5 (触媒A−2を用いた製造例
1) 実施例3において、触媒A−1の代わりに触媒A−2を
用いた以外は、実施例3と同様に反応を行った。
【0061】炭酸ジメチルの転化率は6.2mol%、
炭酸メチルフェニルの収率は5.6mol%、炭酸ジフ
ェニルの収率は0.1mol%、副生物であるアニソー
ルの収率は、0.5mol%であった。反応液中に溶出
したTiの濃度は1.7ppmしかなく、また反応を繰
り返すことでTiの溶出はほとんど見られなくなった。
【0062】実施例6 (触媒A−2を用いた製造例
2) 撹拌器、圧力計、サンプリング用ノズル、温度計および
加熱用外部ヒーターを備えた内容積100mlのオート
クレーブにドライボックス中で炭酸メチルフェニル50
g、触媒A−2を1.0g仕込み、窒素で1MPaに加
圧した。これを200℃まで加熱し5時間反応した。反
応液はガスクロマトグラフで分析して、転化率・収率を
求めた。反応液中の溶出したTiの反応液中の濃度はI
CP発光分析装置で分析した。
【0063】炭酸メチルフェニルの転化率は22.1m
ol%、炭酸ジフェニルの収率は21.9mol%、副
生物であるアニソールの収率は、0.2mol%であっ
た。反応液中に溶出したTiはほとんど検出されなかっ
た。
【0064】実施例7 (比較触媒A−3を用いた製造
例) 実施例4において、触媒A−1の代わりに触媒A−3を
用いる以外は、実施例4と同様に反応を行った。
【0065】炭酸メチルフェニルの収率は5.5mol
%、副生物であるアニソールの収率は、6.2mol%
であった。反応液中に溶出したTiの濃度は1.5pp
mしかなかったが、一方で触媒A−3はAlとPの混合
比率が1:1からかなりずれているため、触媒全体の荷
電バランスが崩れて触媒酸点が発生し、その結果脱炭酸
が起こってフェノールのメチル化によるアニソールが生
成された。
【0066】比較参考例1 (比較触媒B−1の調製) 高表面積酸化チタン粉末[チタン工業株式会社製、KR
ONOS(KR−310)]を500℃で5時間焼成し
た。BET法による比表面積は38m2/gであった。
これを触媒B−1とした。
【0067】比較参考例2 (比較触媒B−2の調製) MFI構造のアルミノシリケートであるH−ZSM−5
を調製した。具体的手順はシリカ粉末20gと純水15
0gを混合して、シリカスラリーを調製し、そこへアル
ミン酸ナトリウム3.01g、水酸化ナトリウム4.1
7g、テトラノルマルプロピルアンモニウムブロミド
0.38gを純水50gに溶解した溶液を加え、オート
クレーブ中で120℃、4時間さらに180℃、12時
間水熱合成を行った。生成物をろ過洗浄後、1mol/
l塩化アンモニウム水溶液200mlを用いて、60℃
24時間処理を2回行ってアンモニウムイオンにイオン
交換後、洗浄乾燥し、500℃で2時間焼成した。Si
/Al比は38であった。BET法による比表面積は4
31m2/gであった。これを触媒B−2とした。
【0068】比較参考例3 (比較触媒B−3の調製) Si/Ti=9/1のシリカーチタニア触媒を調製し
た。具体的な手順は、四塩化チタン7.3gを氷冷した
希塩酸50ml中に注いで溶解させた後水200mlを
添加し、次いでこれに四塩化珪素59gを滴下した。滴
下終了後、該溶液を激しく撹拌しながら2倍に希釈した
アンモニア水を加え溶液のpHを7.0に調整した。さ
らに溶液を60℃に保ち2時間撹拌を継続した後一晩静
置させた。生成した沈殿をろ過し洗浄した後100℃で
乾燥し、次いで空気流通下に400℃で5時間焼成し
た。これを0.1〜0.3mmに破砕分級して触媒B−
3とした。
【0069】比較例1 (比較触媒B−1を用いた製造
例) 実施例3において、触媒A−1の代わりに触媒B−1を
10g用い、反応温度を160℃にした以外は、実施例
3と同様に反応を行った。
【0070】炭酸ジメチルの転化率は5.9mol%、
炭酸メチルフェニルの収率は5.9mol%、炭酸ジフ
ェニル、アニソールは痕跡量であった。反応液はチタン
のフェノキシドによると思われる橙色の着色が見られ、
溶出したTiの濃度は17ppmで触媒A−1の40倍
以上であり、大量にTiが溶解しており、不均一反応と
はいえず実用上は大きな問題である。
【0071】比較例2 (比較触媒B−2を用いた製造
例) 実施例3において、触媒A−1の代わりに触媒B−2を
2.0g用いる以外は実施例3と同様に反応を行った。
【0072】炭酸ジメチルの転化率は91.1mol
%、炭酸メチルフェニルの収率は1.8mol%、副生
物であるアニソールの収率は、51.6mol%であっ
た。触媒B−2の結晶構造は触媒A−1と同じMFI型
であるが、活性成分であるTiを含まない上、酸触媒と
しての作用が強すぎるため、脱炭酸が起こりフェノール
のメチル化によるアニソール生成だけが優先した。
【0073】比較例3 (比較触媒B−3を用いた製造
例) 実施例3において、触媒A−1の代わりに触媒B−3を
10g用い、反応温度を250℃とした以外は、実施例
3と同様に反応を行った。
【0074】炭酸ジメチルの転化率は7.2mol%、
炭酸メチルフェニルの収率は6.1mol%、炭酸ジフ
ェニルの収率は0.1mol%、副生物であるアニソー
ルの収率は、1.0mol%であった。反応後触媒は一
部溶解したため粉化してスラリー状になっていた。反応
液はチタンのフェノキシドによると思われる橙色の着色
が見られ、溶出したTiの濃度は241ppmで、触媒
A−1の600倍以上であり、大量にTiが溶解してお
り、反応は実質的に均一相で起こっていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 恩田 義幸 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14−1 株式 会社日本触媒機能開発研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) (R1−O)CO(O−R2) …(I) (式中、R1およびR2は、アルキル基、シクロアルキル
    基、アリールアルキル基または置換基を有していても良
    いアリール基である。ただしR1およびR2の少なくとも
    一方は前記アルキル基である。)で表される炭酸エステ
    ルと、芳香族ヒドロキシ化合物とを、液相でエステル交
    換反応させて、下記一般式(II) (R3−O)CO(O−R4) …(II) (式中、R3およびR4は、アルキル基、シクロアルキル
    基、アリールアルキル基または置換基を有していてもよ
    いアリール基である。ただしR3およびR4の少なくとも
    一方は前記アリール基であり、また前記一般式(I)中
    のR1およびR2のいずれかが前記アリール基の場合は、
    3とR4は共に前記アリール基である。)で表される芳
    香族炭酸エステルを製造する際に用いる触媒であって、
    該触媒が、反応液に実質的に溶解しない、IV族金属元
    素を導入したマイクロポーラスマテリアルを含有するこ
    とを特徴とする芳香族炭酸エステル製造用触媒。
  2. 【請求項2】 下記一般式(III) (R5−O)CO(O−R6) …(III) (式中、R5は、アルキル基、シクロアルキル基または
    アリールアルキル基、R6は、置換基を有していても良
    いアリール基である。)で表される炭酸エステルを、液
    相でエステル交換反応によって不均化させて、下記一般
    式(IV) (R7−O)2CO …(IV) (式中、R7は、置換基を有していてもよいアリール基
    である。)で表される芳香族炭酸エステルを製造する際
    に用いる触媒であって、該触媒が、反応液に実質的に溶
    解しない、IV族金属元素を導入したマイクロポーラス
    マテリアルを含有することを特徴とする芳香族炭酸エス
    テル製造用触媒。
  3. 【請求項3】 前記触媒が、チタンを導入したマイクロ
    ポーラスマテリアルを含有することを特徴とする請求項
    1または2に記載の芳香族炭酸エステル製造用触媒。
  4. 【請求項4】 前記触媒が、結晶性チタノシリケートを
    含有することを特徴とする請求項1または2に記載の芳
    香族炭酸エステル製造用触媒。
  5. 【請求項5】 前記触媒が、IV族金属元素を導入した
    結晶性メタロアルミノフォスフェートを含有することを
    特徴とする請求項1または2に記載の芳香族炭酸エステ
    ル製造用触媒。
  6. 【請求項6】 前記触媒が、結晶性チタノアルミノフォ
    スフェートを含有することを特徴とする請求項1または
    2に記載の芳香族炭酸エステル製造用触媒。
  7. 【請求項7】 前記結晶性チタノアルミノフォスフェー
    ト中のアルミニウムに対するリンの原子比が0.9〜
    1.1であることを特徴とする請求項6に記載の芳香族
    炭酸エステル製造用触媒。
  8. 【請求項8】 請求項1、または3から7のいずれか1
    項に記載の触媒を用い、前記一般式(I)で表される炭
    酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とを、液相でエス
    テル交換反応させることを特徴とする前記一般式(I
    I)で表される芳香族炭酸エステルの製造法。
  9. 【請求項9】 請求項2から7のいずれか1項に記載の
    触媒を用い、前記一般式(III)で表される炭酸エス
    テルを、液相でエステル交換反応によって不均化させる
    ことを特徴とする前記一般式(IV)で表される芳香族
    炭酸エステルの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997011049A1 (fr) * 1995-09-22 1997-03-27 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Procede de preparation de carbonate aromatique
JP2009512689A (ja) * 2005-10-21 2009-03-26 キャタリティック・ディスティレイション・テクノロジーズ 有機カーボネートの製造方法
WO2018124613A1 (ko) * 2016-12-30 2018-07-05 롯데첨단소재(주) 방향족 탄산디에스테르 제조방법

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