JP2659174B2 - アリールカルボン酸エステルの製造方法およびそれに用いる触媒 - Google Patents

アリールカルボン酸エステルの製造方法およびそれに用いる触媒

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JP2659174B2
JP2659174B2 JP7011054A JP1105495A JP2659174B2 JP 2659174 B2 JP2659174 B2 JP 2659174B2 JP 7011054 A JP7011054 A JP 7011054A JP 1105495 A JP1105495 A JP 1105495A JP 2659174 B2 JP2659174 B2 JP 2659174B2
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acid ester
carboxylic acid
catalyst
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英昭 常木
憲一 渡辺
義幸 恩田
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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アリールカルボン酸エ
ステルの製造方法およびそれに使用する触媒に関し、詳
しくは、エステル交換反応を用いたアリールカルボン酸
エステルの製造方法およびそれに使用する触媒に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アリールカルボン酸エステルの工業的製
造方法としては、芳香族ヒドロキシ化合物と脂肪族カル
ボン酸とをエステル化させる方法、フェノールと酢酸イ
ソプロペニルあるいはジケテンのような活性の高い反応
原料とをエステル化させる方法等が知られている。しか
し、固体の不均一系触媒を用いた脂肪族カルボン酸エス
テルと芳香族ヒドロキシ化合物とのエステル交換反応に
よるアリールカルボン酸エステルの工業的な製造法は知
られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、高収率、高選択的で工業的に有利にアリー
ルカルボン酸エステルを製造する方法を提供することで
ある。本発明が解決しようとする別の課題は、反応後の
触媒の分離が容易であり、かつ高収率、高選択的で工業
的に有利にアリールカルボン酸エステルを製造するため
の触媒を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアリールカ
ルボン酸エステルの製造方法は、IV族金属元素を含む
マイクロポーラスマテリアル不均一系触媒の存在下、液
相で、下記一般式(I) R1 COOR2 …(I) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3
〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜10のアリ
ールアルキル基であり、R2 は置換基を有していてもよ
いアリール基を表す。)で表されるアリールカルボン酸
エステルの製造方法であって、下記一般式(II) R1 COOR3 …(II) (式中、R1 、R3 は炭素数1〜10のアルキル基、炭
素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜10
のアリールアルキル基である。)で表される脂肪族カル
ボン酸エステルと、下記一般式(III) R2 OH …(III) (式中、R2 は置換基を有していてもよいアリール基を
表す。)で表される芳香族ヒドロキシ化合物とをエステ
ル交換させる反応工程を含む。
【0005】本発明に係るアリールカルボン酸エステル
の製造用触媒は、下記一般式(II) R1 COOR3 …(II) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3
〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜10のアリ
ールアルキル基を表し、R3 は炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数
7〜10のアリールアルキル基を表す。)で表される脂
肪族カルボン酸エステルと、下記一般式(III) R2 OH …(III) (式中、R2 は置換基を有していてもよいアリール基を
表す。)で表される芳香族ヒドロキシ化合物とを液相で
エステル交換させて下記一般式(I) R1 COOR2 …(I) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3
〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜10のアリ
ールアルキル基であり、R2 は置換基を有していてもよ
いアリール基を表す。)で表されるアリールカルボン酸
エステルを製造する触媒であって、該触媒がIV族金属
元素を含むマイクロポーラスマテリアルを含有する。
【0006】前記IV族金属元素を含むマイクロポーラ
スマテリアルはメタロシリケートまたはメタロアルミノ
フォスフェートであることが好ましい。前記メタロシリ
ケートは結晶性チタノシリケートであることが好まし
い。前記メタロアルミノフォスフェートは結晶性チタノ
アルミノフォスフェートであることが好ましい。
【0007】以下本発明を詳しく説明する。製造方法 本発明に係るアリールカルボン酸エステルの製造方法
は、IV族金属元素を含むマイクロポーラスマテリアル
不均一系触媒の存在下、液相で脂肪族カルボン酸エステ
ルと芳香族ヒドロキシ化合物とをエステル交換させる反
応工程を含む。
【0008】前記脂肪族カルボン酸エステルとしては、
前記一般式(II)で表されるエステルであれば特に限
定されないが、具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸
ベンジル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロ
ピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピ
ル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピ
ル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イ
ソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピ
ル、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸
プロピル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル等があ
げられる。
【0009】前記芳香族ヒドロキシ化合物としては、フ
ェノール;o−、m−またはp−クレゾール;o−、m
−またはp−クロロフェノール;o−、m−またはp−
エチルフェノール;o−、m−またはp−イソプロピル
フェノール;o−、m−またはp−メトキシフェノー
ル;キシレノール類;αまたはβ−ナフトールなどが挙
げられ、これらの混合物でも良い。中でも工業的にはフ
ェノールが好適に用いられる。
【0010】本発明に係る製造方法において、脂肪族カ
ルボン酸エステルに対する芳香族ヒドロキシ化合物のモ
ル比は、下限が1/50、好ましくは1/10、更に好
ましくは1/5で、上限は50、好ましくは10、更に
好ましくは5である。本反応は平衡反応であり、また平
衡が生成系より原系に著しく偏っているため、どちらか
一方の原料を大過剰に用いることによって、少ないほう
の原料の転化率を上げることができるが、大過剰の原料
はリサイクルしなければならないため、モル比を余り大
きくしたり、逆に小さくしたりすることは工業的には不
利である。
【0011】転化率を大きくするためには、平衡をずら
す工夫が必要である。そのため反応蒸留や向流接触の気
泡塔反応器等を用いたり、モレキュラーシーブスで吸着
除去するなどにより、生成するアルコールを除く処理を
することが好ましい。本発明に係る製造方法は、回分式
反応器、流通式反応器のいずれでも実施でき、特に限定
されるものではない。さらには反応蒸留形式でも実施で
きる。反応温度の下限値は100℃で、好ましくは14
0℃、更に好ましくは160℃である。反応温度の上限
値は350℃、好ましくは310℃、更に好ましくは2
80℃である。反応温度が低すぎると、活性が低く反応
時間や接触時間が長くなりすぎ生産性が低い。また反応
温度が高すぎると、脱炭酸反応などの副反応が起こりや
すくなったり、反応器内部の圧力が上がりすぎて不利で
ある。
【0012】回分式反応器を用いる場合の触媒の使用量
は、原料に対して下限値は0.1重量%、好ましくは
0.5重量%、更に好ましくは1重量%である。上限値
は40重量%、好ましくは30重量%、更に好ましくは
15重量%である。回分反応器内に、本発明の触媒およ
び原料を所定量充填し、所定温度で攪拌を行いながらエ
ステル交換反応を行うことにより、目的とするアリール
カルボン酸エステルを含む混合物が得られる。反応圧力
は原料の蒸気圧によって生ずる圧力になる。その際反応
時間は反応温度と触媒量によって異なるが、一般的には
0.1〜100時間、好ましくは1〜30時間の範囲で
ある。触媒は、前述のようにして得られた触媒を含む反
応液から遠心分離やろ過などの方法によって容易に取り
除かれる。目的とするアリールカルボン酸エステルや副
生成物、未反応の原料は、一般的には蒸留によって、場
合によっては抽出や再結晶などの方法によって触媒を分
離した後の反応液から回収することができる。
【0013】流通反応式反応器を用いる場合には、流動
層式、固定床式、攪拌槽式のいずれの方式でも実施でき
る。この際の反応条件は原料組成、反応温度によって変
わるが、流通する原料の体積流量を反応器の体積で除し
た液時空間速度(LHSV)で、下限値は0.05hr
-1、好ましくは0.1hr-1、更に好ましくは0.2h
-1であり、上限値は50hr-1、好ましくは20hr
-1である。
【0014】触媒 本発明に係るアリールカルボン酸エステル製造用触媒
は、IV族金属元素を含むマイクロポーラスマテリアル
を含有し、かつ原料中にほとんど溶解しないもの(不均
一系)である。本発明の触媒に含まれるマイクロポーラ
スマテリアルとは、極めて規則性が良くミクロポアから
メソポア領域の細孔を有し、非常に結晶性が高くて比表
面積の大きな固体物質である。具体的には、孔径は0.
4〜10nmであり、結晶構造はMFI(ZSM−5,
TS−1等)、MEL(ZSM−11,TS−2等)、
AFI(ALPO4 −5等)、BEA(β型ゼオライト
等)、VFI(VPI−5等)、MCM−41等の構造
をとり、比表面積は100m 2 /g〜1500m2 /g
と大きな物質である。
【0015】ミクロポアを持つものとしては、メタロシ
リケートやメタロアルミノフォスフェート等が挙げら
れ、芳香族ヒドロキシ化合物とともに用いる本発明のよ
うな反応等に好適に用いられる。前記メタロシリケート
とは、アルミノシリケートであるゼオライトのアルミニ
ウム原子の代わりに、他の金属元素が結晶格子中に入っ
た化合物である。本発明では、前記金属元素としてIV
族金属元素を含み、IV族金属元素としてはチタン、ジ
ルコニウム、スズ、鉛などの元素が挙げられる。特に前
記金属元素がチタンであるものとしては、MFI型構造
であるZSM−5やMEL型構造であるZSM−11と
類似した構造のチタノシリケートやβ型チタノアルミノ
シリケートなどが知られている。
【0016】IV族金属元素を含む結晶性メタロシリケ
ートの組成としては、IV族金属元素1に対する珪素の
原子比で示すと、下限値で10、好ましくは20、更に
好ましくは25であり、上限値で500、好ましくは2
00、更に好ましくは100である。IV族金属元素に
対する珪素の原子比が小さすぎると、IV族金属元素が
多すぎてすべてのIV族金属元素が結晶格子中に取り込
まれず、酸化物として結晶格子外に存在することにな
る。またIV族金属元素に対する珪素の原子比が大きす
ぎると、IV族金属元素の結晶中の密度が低下し、活性
が低下してしまう。
【0017】前記メタロアルミノフォスフェートとは、
リン酸アルミニウム型モレキュラーシブス(AlPO4
−n:nは結晶構造を示す番号)のアルミニウムやリン
の一部が他の金属元素で置き換わったものである。リン
酸アルミニウム型モレキュラーシブス(AlPO4 )は
組成がAlPO4 から成り、AlO4 四面体とPO4
面体とを交互に規則的に配列させた構造をしている物質
である。アルミノフォスフェートの結晶構造の種類は多
岐に渡っており、AlPO4 −nのnがそれらを区別す
るための数字として付けられている。例えば、AlPO
4 −5は細孔径約8nmを有する酸素12員環構造から
成る物質であり、またAlPO4 −11は細孔径5〜6
nmを有する酸素10員環構造から成る物質である。本
発明でいうメタロアルミノフォスフェートは、前述した
ようにこのアルミニウムやリンの一部をチタン、ジルコ
ニウム、スズ、鉛などの第IV族金属元素で置き換えた
物質のことである。
【0018】IV族金属元素を含む結晶性メタロアルミ
ノフォスフェートの組成としては、IV族金属元素1に
対する、AlとPの総和を原子比で示すと、下限値で
1、好ましくは5、更に好ましくは10であり、上限値
で500、好ましくは100、更に好ましくは50であ
る。前記下限値より小さいと、IV族金属元素が多すぎ
てすべてのIV族金属元素が結晶格子中に取り込まれ
ず、酸化物として結晶格子外に存在することになり、前
記上限値を超えると、IV族金属原子の結晶中の密度が
低下し、活性が低下してしまう。
【0019】マイクロポーラスマテリアルの結晶性は、
粉末X線回析(XRD)分析から判定できる。例えば結
晶性でないシリカ−チタニアは明瞭なXRDの回析ピー
クを示さず、アモルファスのブロードなピークが見られ
るだけである。それに対して結晶性のメタロシリケート
やメタロアルミノフォスフェートなどではそれぞれの結
晶構造に対応した明瞭なXRDでの回析ピークが見られ
る。
【0020】本発明に係るアリールカルボン酸エステル
の製造方法には、これらの構造のIV族金属元素を含む
マイクロポーラスマテリアルを含有する触媒が有効であ
り、具体的には、IV族金属元素を含む結晶性メタロシ
リケート、IV族金属元素を含む結晶性メタロアルミノ
フォフェート等が特に有効である。IV族金属元素とし
ては、特にチタンが好ましい。チタノシリケートの場合
はTS−1,TS−2と呼ばれる構造の結晶性チタノシ
リケートが、また結晶性チタノアルミノフォスフェート
の場合はTAPO−5(AlPO4 −5型)がそれぞれ
触媒調製が比較的容易で結晶性が良く、活性も高いこと
から好適に使用できる。
【0021】本発明に係る触媒の調製方法としては、マ
イクロポーラスマテリアルの調製に用いられる一般的な
方法が適用できる。中でも好適に用いられるのは水熱合
成法であり、この方法はマイクロポーラスマテリアルの
原料とテンプレート剤と水とを混合して所定の温度に加
熱して結晶化させる方法である。本発明に係るアリール
カルボン酸エステルは、樹脂原料、各種樹脂原料の中間
原料として工業的に有用な物質である。また、本発明に
係るIV族金属元素含有マイクロポーラスマテリアル
は、アルキルアリール炭酸エステル、ジアリール炭酸エ
ステルまたはアリールカルボン酸エステルを製造する方
法等に用いる不均一系触媒として有用な物質である。
【0022】
【実施例】以下に本発明について実施例および比較例を
挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。なお、実施例中の転化率、収
率は以下の式により計算されたものである。 ・脂肪族カルボン酸エステル転化率(モル%)= 100−(回収された未反応脂肪族カルボン酸エステルのモル数/供給した 原料脂肪族カルボン酸エステルのモル数)×100 ・アリールカルボン酸エステル収率(モル%)= (生成したアリールカルボン酸エステルのモル数/供給した原料脂肪族カル ボン酸エステルのモル数×100 <触媒の調製>実施例1 (触媒A−1の調製) ケイ酸エチル64.5gを内容積500mlのビーカー
にとり、ここへチタンテトラブトキシド3.2gをゆっ
くりと滴下した後、35℃で30分攪拌した。これを0
℃まで冷却し、0℃に冷却したテトラプロピルアンモニ
ウムヒドロキシド10重量%水溶液266.5gを0℃
に保ったままゆっくり滴下した。滴下終了後80〜90
℃に昇温して5時間攪拌した。この混合溶液をオートク
レーブに移し、175℃で2日間加熱して水熱合成を行
った。生成したゲルをろ過し、更にろ液のpHが8以下
になるまで純水で洗浄して120℃で8時間乾燥の後5
40℃で3時間空気中で焼成して、結晶性チタノシリケ
ートを得た。この触媒をA−1とする。
【0023】蛍光X線による分析ではチタン1に対する
珪素の原子比は27であった。BET法による比表面積
は366m2 /gであった。CuKα線を用いた粉末X
線回析のデータは、表1のとおりで、MFI構造(TS
−1 タイプ)であった。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 (触媒A−2の調製) リン酸(85重量%水溶液)34.6gを内容積500
mlのビーカーにとり、ここへテトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド(20重量%水溶液)73.6gを加え
てしばらく攪拌し、その後室温まで冷却した。この混合
液にイオン交換水18.0g及び擬ベーマイト(Cat
aloid−AP;触媒化成(株)、70重量%Al2
3 含有)21.9gを加え、さらにチタンテトライソ
プロポキシド15.8gを加えて2時間攪拌した。この
混合溶液をオートクレーブに移して水熱合成を行った。
水熱合成は室温から160℃まで90分で昇温し、続い
て160℃から200℃まで3時間で昇温してから20
0℃で4時間保持して行った。生成した固体をろ別し、
更に純水で3回洗浄してから次の方法で乾燥、焼成を行
った。まず10℃毎分で室温から120℃まで昇温し、
そのまま120℃で180分保持、再び10℃毎分で2
30℃まで昇温してから230℃で480分保持し、更
に3℃毎分で600℃まで昇温し、600℃で180分
保持して、結晶性チタノアルミノフォスフェートを得
た。この触媒をA−2とする。
【0026】ICPによる分析ではチタン1に対するア
ルミニウム及びリンの原子比はそれぞれ6.25、6.
27であった。BET法による比表面積は269m2
gであった。CuKα線を用いた粉末X線回析のデータ
は、表2のとおりで、AlPO4 −5型構造であった。
【0027】
【表2】
【0028】比較例1 (比較触媒B−1の調製) 高表面積酸化チタン粉末[チタン工業株式会社製、KR
ONOS(KR−310)]を500℃で5時間焼成し
た。BET法による比表面積は38m2 /gであった。
これを触媒B−1とした。比較例2 (比較触媒B−2の調製) MFI構造のアルミノシリケートであるH−ZSM−5
を調製した。具体的手順はシリカ粉末20gと純水15
0gを混合して、シリカスラリーを調製し、そこへアル
ミン酸ナトリウム3.01g、水酸化ナトリウム4.1
7g、テトラノルマルプロピルアンモニウムブロミド
0.38gを純水50gに溶解した溶液を加え、オート
クレーブ中で120℃、4時間さらに180℃、12時
間水熱合成を行った。生成物をろ過洗浄後、1mol/
l塩化アンモニウム水溶液200mlを用いて、60℃
24時間処理を2回行ってアンモニウムイオンにイオン
交換後、洗浄乾燥し、500℃で2時間焼成した。Si
/Al比は38であった。BET法による比表面積は4
31m2 /gであった。これを触媒B−2とした。 <アリールカルボン酸エステルの製造>実施例3 攪拌器、圧力計、サンプリング用ノズル、温度計および
加熱用外部ヒーターを備えた内容積200mlのオート
クレーブにドライボックス中でフェノール44.8g、
吉草酸メチル55.2g、触媒A−1を2.0g仕込
み、窒素で1MPaに加圧した。これを200℃まで加
熱し5時間反応した。原料のフェノール/吉草酸メチル
のモル比は1/1、触媒は2重量%である。反応液はガ
スクロマトグラフで分析して、転化率・収率を求めた。
結果を表3に示した。
【0029】反応液中の溶出したTiの反応液中の濃度
はICP発光分析装置で分析した。反応液は無色透明で
あり、溶出したTiの濃度は0.4ppmしかなく、ほ
とんど溶出は見られなかった。本反応は平衡反応であ
り、生成物であるメタノールを除去しない場合の平衡収
率は数%程度と考えられるので、この実施例では平衡く
まで反応が進行したといえる。
【0030】実施例4 触媒A−1の代わりに触媒A−2を2.0g用い、原料
としてフェノール47.9g、酪酸メチル52.1gを
用いたこと以外は実施例3と同様に反応を行った。結果
を表3に示した。反応液は無色透明であり、溶出したT
iの濃度は0.3ppmしかなく、ほとんど溶出は見ら
れなかった。本反応は平衡反応であり、生成物であるメ
タノールを除去しない場合の平衡収率は数%程度と考え
られるので、この実施例では平衡近くまで反応が進行し
たといえる。
【0031】比較例3 触媒A−1の代わりに触媒B−1を10g用い、反応温
度を160℃にした以外は、実施例3と同様に反応を行
った。結果を表3に示した。反応液はチタンのフェノキ
シドによると思われる橙色の着色が見られ、溶出したT
iの濃度は18ppmで触媒A−1の60倍以上であ
り、大量にTiが溶解しており、不均一反応とはいえず
実用上は大きな問題である。
【0032】比較例4 触媒A−1の代わりに触媒B−2を2.0g用いたこと
以外は実施例3と同様に反応を行った。結果を表3に示
した。吉草酸フェニル以外に多量の副生成物が生成して
いた。炭酸メチルフェニルの収率が平衡転化率を越えて
いるように見えるのは、もう1つの生成物であるメタノ
ールが副反応により消費され平衡が吉草酸フェニル生成
へと移動したためである。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明に係るアリールカルボン酸エステ
ルの製造方法によれば、IV族金属元素を含むマイクロ
ポーラスマテリアルを触媒として使用するため、脂肪族
カルボン酸エステルと芳香族ヒドロキシ化合物とのエス
テル交換によるアリールカルボン酸エステル生成反応が
速やかに進行する。また、反応原料にほとんど溶解しな
い(不均一系である)触媒を使用するため、均一系反応
で見られる蒸留工程での残存触媒による逆反応、分解、
重合反応などによる収率低下を防止できる。従って、高
収率、高選択的で工業的に有利にアリールカルボン酸エ
ステルを製造することができる。
【0035】本発明に係るアリールカルボン酸エステル
の製造用触媒は、IV族金属元素を含むマイクロポーラ
スマテリアルを含有し、反応原料にほとんど溶解しない
(不均一系である)ため、反応液と触媒の分離が容易で
あり、均一系反応で見られる蒸留工程での残存触媒によ
る逆反応、分解、重合反応などによる収率低下を防止で
きる。従って、高収率、高選択的で工業的に有利にアリ
ールカルボン酸エステルを製造することができる。
【0036】前記IV族金属元素を含むマイクロポーラ
スマテリアルの中でもメタロシリケートまたはメタロア
ルミノフォスフェートは特に優れた効果を示す。前記メ
タロシリケートの中でも結晶性チタノシリケートは特に
優れた効果を示す。前記メタロアルミノフォスフェート
の中でも結晶性チタノアルミノフォスフェートは特に優
れた効果を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/02 C07C 67/02 69/24 69/24 69/612 69/612 69/74 69/74 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) R1 COOR2 …(I) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3
    〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜10のアリ
    ールアルキル基であり、R2 は置換基を有していてもよ
    いアリール基を表す。)で表されるアリールカルボン酸
    エステルの製造方法であって、IV族金属元素を含むマ
    イクロポーラスマテリアル不均一系触媒の存在下、液相
    で、下記一般式(II) R1 COOR3 …(II) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3
    〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜10のアリ
    ールアルキル基を表し、R3 は炭素数1〜10のアルキ
    ル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数
    7〜10のアリールアルキル基を表す。)で表される脂
    肪族カルボン酸エステルと、下記一般式(III) R2 OH …(III) (式中、R2 は置換基を有していてもよいアリール基を
    表す。)で表される芳香族ヒドロキシ化合物とをエステ
    ル交換させる反応工程を含むアリールカルボン酸エステ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記IV族金属元素を含むマイクロポーラ
    スマテリアルはメタロシリケートまたはメタロアルミノ
    シリケートである、請求項1に記載のアリールカルボン
    酸エステルの製造方法。
  3. 【請求項3】前記メタロシリケートは結晶性チタノシリ
    ケートである、請求項2に記載のアリールカルボン酸エ
    ステルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記IV族金属元素を含むマイクロポーラ
    スマテリアルはメタロアルミノフォスフェートである、
    請求項1に記載のアリールカルボン酸エステルの製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記メタロアルミノフォスフェートは結晶
    性チタノアルミノフォスフェートである、請求項4に記
    載のアリールカルボン酸エステルの製造方法。
  6. 【請求項6】下記一般式(II) R1 COOR3 …(II) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3
    〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜10のアリ
    ールアルキル基を表し、R3 は炭素数1〜10のアルキ
    ル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数
    7〜10のアリールアルキル基を表す。)で表される脂
    肪族カルボン酸エステルと、下記一般式(III) R2 OH …(III) (式中、R2 は置換基を有していてもよいアリール基を
    表す。)で表される芳香族ヒドロキシ化合物とを、液相
    でエステル交換させて下記一般式(I) R1 COOR2 …(I) (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3
    〜10のシクロアルキル基または炭素数7〜10のアリ
    ールアルキル基であり、R2 は置換基を有していてもよ
    いアリール基を表す。)で表されるアリールカルボン酸
    エステルを製造する際に使用する触媒であって、IV族
    金属元素を含むマイクロポーラスマテリアルを含有する
    ことを特徴とするアリールカルボン酸エステル製造用触
    媒。
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