JPH0722724B2 - スプレー装置 - Google Patents

スプレー装置

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JPH0722724B2
JPH0722724B2 JP14480592A JP14480592A JPH0722724B2 JP H0722724 B2 JPH0722724 B2 JP H0722724B2 JP 14480592 A JP14480592 A JP 14480592A JP 14480592 A JP14480592 A JP 14480592A JP H0722724 B2 JPH0722724 B2 JP H0722724B2
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tube
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真弘 小森谷
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東京化工機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスプレー装置に関する。
すなわち、プリント配線基板の製造工程で用いられ、搬
送されるプリント配線基板に対し、薬液を噴射するスプ
レー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、プリント配線基板の技術的背景に
ついて述べる。図4はプリント配線基板の平面図であ
り、(1)図は全体を示し、(2)図は拡大した要部を
示す。周知のとおりプリント配線基板Pは、最近ますま
す高密度化,小型軽量化,極薄化,多層化が進み、その
回路Lも、高密度化,微細化,細密化している。例え
ば、図4の(2)図に示したごとく、プリント配線基板
Pに設けられた表裏の多数の導通孔T間、いわゆるピン
間の距離Dは2.54mm程度であり、その周りのラウン
ドU間の間隔は僅か1.1mm程度と非常に狭くなってい
るが、この間に、数本の回路L(図示例では3本の回路
L)が形成される状況にあり、回路Lの幅は0.2mm以
下となっている。このように、プリント配線基板Pの回
路Lは、最近ますます高密度化,微細化,細密化してい
る。
【0003】さて、このようなプリント配線基板Pは、
現像工程,エッチング工程等において薬液が噴射される
ことにより、回路Lが形成される。そして、これらの工
程では、搬送されるプリント配線基板Pに対し、スプレ
ー装置から薬液が噴射されて、現像,エッチング等の処
理が行われており、このようなスプレー装置は、プリン
ト配線基板Pの搬送方向に沿って配された複数列のスプ
レー管と、これらの各スプレー管にそれぞれ一定ピッチ
で列設された複数のスプレーノズルと、を有している。
そして、スプレーノズルから薬液をプリント配線基板P
に全体的に噴射するため、スプレー管はそれぞれ、その
軸を中心に左右に連続的に往復揺動する首振りを行うよ
うになっているが、従来、このようなスプレー装置のス
プレー管は、固定された常時一定の首振り回数で首振り
を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。前述し
たごとく、回路Lの高密度化,微細化,細密化が進むプ
リント配線基板Pにおいては、現像,エッチング等の処
理が均一に行われることが、その成否を左右する。つま
りプリント配線基板Pに対し、スプレーノズルからの薬
液が均一に噴射され全体的に均一にスプレーされ、もっ
て、現像,エッチング等の処理が均一にバラツキなく、
つまり、全体的に処理の早い部分と遅い部分そして処理
の過不足が生じることなく行われることが、高密度で微
細かつ細密な回路Lの形成、つまり、幅が0.2mm以下
程度と極めて狭い回路L形成のポイントとなる。
【0005】ところが、前述したこの種従来例のスプレ
ー装置では、薬液が均一に噴射されず、処理の過不足部
分が偏在して発生するという指摘があった。すなわち、
図5はプリント配線基板Pに対するスプレーノズルの噴
射軌道の平面説明図であるが、従来のスプレー装置によ
ると、同図の(1)図に示したように、1本のスプレー
管に設けられた各スプレーノズルの噴射軌道Aが略同一
軌道を描いたり、又は、同図の(2)図に示したよう
に、噴射軌道Aが略2つの軌道を描いたりすることが多
かった。その原因は、そもそもプリント配線基板Pの肉
厚とか、現像,エッチング等を行う処理室の数等によ
り、プリント配線基板Pの搬送速度は各種変化するのに
対し、従来、スプレー装置のスプレー管の首振り回数
は、前述したごとく常時一定のものに固定されていたこ
とによる。
【0006】そして図5の(1)図および図6の(1)
図の平面説明図には、スプレーノズルがピッチ10cmで
8個設けられたスプレー管を、首振り回数30回/分で
固定した場合に、搬送方向Bに搬送速度100cm/分で
プリント配線基板Pを送ると、8個のスプレーノズルの
噴射軌道Aがすべてほぼ重なり、略同一の波形を描いた
例が示されている。つまりこの場合は、1個のスプレー
ノズルの噴射軌道Aと略同一軌道が、8個のスプレーノ
ズルにより描かれる。他方、図5の(2)図および図7
の(1)図の平面説明図には、同様にスプレーノズルが
ピッチ10cmで8個設けられたスプレー管を、首振り回
数5回/分で固定した場合に、搬送方向Bに搬送速度1
00cm/分でプリント配線基板Pを送ると、8個のスプ
レーノズルの噴射軌道Aが、奇数番目のものと偶数番目
のものの略2つに分かれ、相互が半ピッチずつずれた、
ほぼ同一波形の略2つの軌道を描いた例が示されてい
る。なお噴射軌道Aは、これらの例のように完全に線状
に重なるのではなく、若干ずれて帯状に接近した軌道を
描くことも多い。
【0007】さて、このように従来のスプレー装置で
は、その各1本毎のスプレー管の各スプレーノズルの噴
射軌道Aがこのようにほぼ重なるので、薬液がプリント
配線基板Pに対し均一に噴射されず、噴射軌道Aが重な
った部分は現像,エッチング等の処理が過剰になる反
面、噴射軌道Aが通過しない部分は現像,エッチング等
の処理が不足するようになる。つまりプリント配線基板
Pは、全体的にみて処理の早い部分と遅い部分そして処
理の過不足部分が発生し、処理が不均一となるバラツキ
現象が生じ、回路Lの高密度化,微細化,細密化が進む
プリント配線基板Pにとって、致命的な問題となってい
た。
【0008】例えば、図6の(2)図および図7の
(2)図の断面説明図に示すように、プリント配線基板
Pについて、現像,エッチング等の処理が早く先に終了
した部分と、処理が遅く充分に終了していない部分との
差が大きくなり、もしも、遅く終了していない部分の処
理を終了させようとすると、処理が既に終了していた部
分が過剰処理となり、形成された回路Lが予定より細く
なり消失してしまう事態さえ発生する。これに対しもし
も、処理が早く先に終了した部分を基準にすると、処理
が充分に終了せず不足した部分の回路Lが、ブリッジし
てショートの原因となっていた。なお、図5の(2)図
つまり図7の場合の方が、図5の(1)図つまり図6の
場合より、これらの問題点が若干軽減されるが、これは
僅かな程度の差に過ぎない。そして、このような図5の
(2)図つまり図7のケースが、従来多発しやすく、問
題となっていた。
【0009】本発明は、このような実情に鑑み発明者の
鋭意研究努力の結果なされたものであって、プリント配
基板の各搬送速度に対応して、スプレー管の首振り回
数を設定し、各スプレーノズルの噴射軌道が各々異なる
ようにしたことにより、プリント配線基板に対し薬液が
均一に噴射され、もって現像,エッチング等の処理が均
一にバラツキなく実現される、スプレー装置を提案する
ことを目的とする。更にこれに加え、請求項2では、制
御手段によりこれらが自動的に実現され、又、請求項3
では、所定の演算式によりこれらが正確に実現される、
スプレー装置を提案することをも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1
については次のとおり。すなわち、このスプレー装置
は、プリント配線基板の製造工程で用いられ、搬送され
該プリント配線基板に対し薬液を噴射するものであ
る。そして、該プリント配線基板の搬送方向に略沿って
配されたスプレー管と、該スプレー管に列設された複数
のスプレーノズルとを、有してなる。該スプレー管は、
その軸を中心に左右に連続的に往復揺動する首振りが可
能となっており、該スプレー管の首振り回数は、各該ス
プレーノズルの噴射軌道が各々異なるように、該プリン
ト配線基板の各搬送速度に対応して変更設定されるよう
になっている。
【0011】請求項2については次のとおり。このスプ
レー装置は、請求項1記載のスプレー装置において、該
スプレー装置に、制御手段が付設されている。そして該
制御手段は、該プリント配線基板の各搬送速度に対応し
て、各該スプレーノズルの噴射軌道が各々異なるように
なる該スプレー管の首振り回数の演算式が予め読み込ま
れており、検出部から該プリント配線基板の搬送速度の
検出信号が入力されると共に、このように検出された搬
送速度に対応した該スプレー管の首振り回数を演算し
て、該スプレー管の首振り機構に対し演算された首振り
回数に見合った駆動信号を出力するようになっている。
【0012】請求項3については次のとおり。すなわち
このスプレー装置は、請求項1又は請求項2記載のスプ
レー装置において、該プリント配線基板の各搬送速度に
対応し、各該スプレーノズルの噴射軌道が各々異なるよ
うになる該スプレー管の首振り回数Zが、次の数式3お
よび数式4による演算にて求められるようになってい
る。
【数3】R=S/F−S/FN
【数4】Z=KR
【0013】なお、Rは補正前の回数、Sは該プリント
配線基板の搬送速度、Fは該スプレーノズルのピッチ、
Nは該スプレーノズルの個数、Kは補正係数である。
【0014】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。プリント配線基板の製造工程では、搬
送されるプリント配線基板に対し、スプレー装置により
薬液が噴射される。そして、このスプレー装置のスプレ
ー管は左右への首振りを行うが、その首振り回数は、
リント配線基板の各搬送速度に対応し、各スプレーノズ
ルの噴射軌道が各々異なるように設定される。そこで各
スプレーノズルからの薬液は、プリント配線基板に対
し、各々別々にずれた異なる軌道を描いて噴射され、均
一に噴射されるので、製造工程における現像,エッチン
グ等の処理が、均一にバラツキなく実現される。これら
に加え請求項2では制御手段が付設されており、所定の
信号の入出力と演算により、上述の薬液の均一な噴射が
自動的に実現される。又、請求項3では所定の演算式を
用いることにより、スプレー管の首振り回数が求められ
るので、上述の薬液の均一な噴射が極めて正確に実現さ
れる。
【0015】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1,図2,図3は本発明の実
施例を示し、図1は正面説明図、図2は側面説明図、図
3は系統説明図である。このスプレー装置1は、プリン
配線基板Pの製造工程で用いられ、搬送されるプリン
ト配線基板Pに対し、薬液Hを噴射する。なお、ここに
言うプリント配線基板Pとは、その肉厚が2mmから5mm
程度のものも、勿論含まれる。
【0016】まず、プリント配線基板Pについて述べ
る。プリント配線基板Pは、OA用の両面基板,コンピ
ュータ用の多層基板,計算機用のフレキシブル基板等
々、用途により多種多様であり、その製造工程も多種多
様である。そしてプリント配線基板Pは、近年ますます
高密度化,小型軽量化,極薄化,多層化等が進みつつあ
る。さて、このようなプリント配線基板Pは、例えば次
のように製造される。すなわちプリント配線基板Pは、
材料切断,穴あけ加工,研摩処理,スルホールめっき,
研摩処理,レジスト貼付,露光,現像、エッチング,レ
ジスト剥膜,等々の工程を辿って製造される。まず、材
料つまり絶縁材の両面に銅箔が張り合わされた両面銅箔
張り積層板が、ワークサイズの短尺材に切断され、次
に、スルホール(つまり図4の(2)図に示した導通孔
T)用の穴あけ加工が施された後、洗浄および表面処理
としての両面研摩処理が行われてから、めっき液を用い
たスルホールめっきが実施される。つまり、表面の電気
回路と裏面の電気回路を導通すべく、スルホールの内壁
にめっきが施される。しかる後、再び洗浄および表面処
理としての両面研磨処理が行われてから、ドライフィル
ムである感光性レジストを膜状に貼り付ける処理が行わ
れ、それから、回路L(図4参照)のネガフィルムであ
る回路写真をあてて露光し、事後、このレジストは露光
され硬化した回路部分を残し、他の部分は現像液の噴射
により溶解除去される。しかる後、エッチングマシンに
て、このようにレジストが硬化した回路部分の銅箔を残
し、上述によりレジストが溶解除去された部分の銅箔が
腐食液の噴射により溶解除去される。それから残ってい
た上述の硬化した回路部分のレジストが、剥離液の噴射
により溶解除去され、もって所定の回路Lが形成され、
プリント配線基板Pが製造されるに至る。
【0017】このようにプリント配線基板Pの製造工程
では、酸,アルカリ性の現像液,腐食液,剥離液等の薬
液Hが、各々の処理室2内を搬送ローラー3にて搬送さ
れるプリント配線基板Pに対し、組み込まれたスプレー
装置1から噴射される。例えば現像工程では、現像機の
処理室2内において、レジストの溶解除去用の現像液た
る薬液Hが、又、エッチング工程では、エッチングマシ
ンの処理室2内において、銅箔の溶解除去用の腐食液た
る薬液Hが、それぞれプリント配線基板Pに噴射され
る。そして、このように用いられるスプレー装置1は、
プリント配線基板Pの搬送方向Bに略沿って複数列に配
されたスプレー管4と、スプレー管4に所定ピッチで列
設された複数のスプレーノズル5とを、有してなる。6
は処理室2内の液槽であり、7は処理室2に付設された
スプレーポンプであり、薬液Hは、液槽6からその循環
用兼スプレー圧発生用のスプレーポンプ7により吸い込
まれて圧送され、配管8を介し分岐されて、各スプレー
管4に供給される。各スプレー管はシャワ管とも称さ
れ、搬送ローラー3にて搬送されるプリント配線基板P
に対向すべく位置し、一般に数本から数10本程度(図
示例では7本)が、一定間隔で平行に設けられると共
に、通常は、プリント配線基板Pの搬送方向Bに正確に
沿って配されるが、搬送方向Bに対し同一水平面上にお
いて左右に若干傾斜して配するようにしてもよい。そし
てスプレー管4毎に、数個から数10個(図示例では8
個)のスプレーノズル5が、長手方向に所定ピッチで並
んで設けられている。なお図中9は、搬送ローラー3の
駆動用のコンベヤモータである。
【0018】さて、このようなスプレー装置1の各スプ
レー管4は、その軸を中心に左右の首振り方向Cに連続
的に往復揺動する、首振りが可能となっている。すなわ
ち、スプレー管4そしてそのスプレーノズル5は、搬送
方向Bに対し直角(前述により、搬送方向Bに正確に沿
って配された場合)、又は、搬送方向Bに対し直角に近
い角度(前述により、搬送方向Bに対し傾斜して配され
た場合)で、左右の首振り方向Cに首振り揺動が可能に
支点軸(図示せず)により保持されており、その揺動角
度は、左右に各々35度から45度程度に適宜設定され
る。このようなスプレー管4の首振り機構10としては
各種のものが考えられるが、図示例の首振り機構10
は、処理室2に付設された首振り用モータ11と、クラ
ンク12を介しこの首振り用モータ11に連結され、上
下方向に往復動可能な連結バー13と、この連結バー1
にレバー14を介し接続され、横方向に往復動可能な
接続バー15と、この接続バー15にスプレー管4をそ
れぞれ取り付ける各介裝材16、等々を備えてなる。そ
してこの首振り機構10は、首振り用モータ11の駆動
により、クランク12,連結バー13,レバー14,接
続バー15,各介裝材16等を介し、各スプレー管4
が、首振り方向Cに首振りを行うようになっている。首
振り用モータ11としては、速度変更機構付の定速タイ
プのモータ、又は可変速タイプのモータが用いられる。
【0019】さてここで、このようなスプレー装置1の
スプレー管4の首振り回数は、1本のスプレー管4に設
けられた各スプレーノズル5の噴射軌道Aが各々異なる
ように、プリント配線基板Pの各搬送速度に対応して、
変更設定されるようになっている。すなわち、この各ス
プレー管4の首振り回数(首振り速度,サイクル)は、
搬送速度(処理スピード,コンベヤ速度)の変化に追従
して決定され、その各スプレーノズル5の噴射軌道Aが
異なるようになる理想条件に設定される。図5はプリン
ト配線基板Pに対する、1本のスプレー管4に設けられ
たスプレーノズル5の噴射軌道Aの平面説明図であり、
(1)図は略同一軌道を描く場合、(2)図は略2つの
軌道を描く場合、(3)図は各々別々の軌道を描く場合
を示すが、このようなスプレーノズル5の噴射軌道A
が、前述したこの種従来例のように、図5の(1)図,
(2)図に示した重なった軌道を描くことなく、図5の
(3)図に示した各々異なった軌道を描くように、スプ
レー管4の首振り回数が各搬送速度に見合ったものに設
定される。つまり、薬液Hがプリント配線基板Pに対
し、この種従来例のごとく図6,図7のように噴射され
ず、図8のように噴射されるべく、噴射軌道Aそして首
振り回数が設定される。
【0020】図8は、1本のスプレー管4に設けられた
各スプレーノズル5の噴射軌道Aが、各々別々の異なっ
た軌道を描く場合のプリント配線基板Pを示し、(1)
図は平面説明図、(2)図は断面説明図である。そし
て、この図8の(1)図および前述の図5の(3)図に
示した噴射軌道Aは、図示例では、スプレーノズル5が
ピッチ10cmで8個設けられたスプレー管4について、
プリント配線基板Pが搬送速度1m /分で送られる場
合、その首振り回数を35回/分に設定することにより
得られる。
【0021】さて、このようなスプレー装置1のスプレ
ー管4の首振り回数は、スプレーノズル5の噴射軌道A
が異なるように予め各搬送速度毎に段階的に求めてお
き、その都度マニュアルの手動操作にて、首振り機構1
0の首振り用モータ11の回転数を調整し、もって首振
り回数を搬送速度に対応して変更設定するようにしても
よい。ところで図示例では、図3の(1)図に示すごと
く、スプレー装置1に制御手段17が付設されている。
すなわち、図3の(1)図のマイクロコンピュータ等の
制御手段17には、プリント配線基板Pの各搬送速度に
対応して、各スプレーノズル5の噴射軌道Aが各々異な
るようになるスプレー管4の首振り回数の演算式が、予
め読み込まれている。そして、搬送ローラー3のコンベ
ヤモータ9に付設された回転数検出用のセンサ18から
の信号、つまり検出部からプリント配線基板Pの搬送速
度の検出信号が、制御手段17に入力される。次に制御
手段17では、このように検出された搬送速度に対応し
たスプレー管4の首振り回数を演算して、スプレー管4
の首振り機構10の首振り用モータ11に対し、演算さ
れた首振り回数に見合った駆動信号が、A/D変換器1
9,インバーター20等を介し出力される。図示例では
このようにして、スプレー管4が自動的に、所定の首振
り回数に設定されるようになっている。
【0022】さて、このようなプリント配線基板Pの各
搬送速度に対応した、スプレー管4の所定の首振り回数
Z(単位は回/分つまりrpm )は、例えば、次の数式5
および数式6の演算にて求められる。
【数5】R=S/F−S/FN
【数6】Z=KR
【0023】なお、Rは補正前の首振り回数(単位は回
/分つまりrpm )、Sはプリント配線基板Pの搬送速度
(単位はcm/分つまり1分間に進む距離)、Fはスプレ
ーノズル5のピッチ(単位はcm)、Nはスプレーノズル
5の個数(例えば1,2,3・・・・等の整数)、Kは
実際に可能な回転数に補正する補正係数であり、このK
は通常、2n倍又は1/2n倍で表わされる(なおnは
1,2,3・・・等の整数)。
【0024】そして、このような数式5そして数式6に
て演算を実施することにより、最適の首振り回数Zが算
出される。例えば、前述した図5の(3)図および図8
の例では、プリント配線基板Pの搬送速度Sが100cm
/分、スプレーノズル5のピッチFが10cm、スプレー
ノズル5の個数Nが8個であるので、数式5にこれらを
代入すると、補正前の首振り回数Rは8.75rpm とな
る。このように数式5で得られたR、つまり8.75rp
m を数式6に代入すると共に、Kを例えば4とすると、
最適の首振り回数Zは35rpm となる。つまり図示例の
場合、スプレー装置1の各スプレー管4を、このような
演算式にて算出された首振り回数35回/分で首振りさ
せることにより、それぞれのスプレー管4の各スプレー
ノズル5の噴射軌道Aが、各々異なるようになる(図5
の(1)図および図8の(1)図参照)。
【0025】本発明に係るスプレー装置1は、以上説明
したように構成されている。そこで以下のようになる。
プリント配線基板Pの製造工程では、搬送されるプリン
ト配線基板Pに対し、例えばエッチングマシンの処理室
2に組み込まれたスプレー装置1により、例えば腐食液
等の薬液Hが噴射される。そしてこのスプレー装置1の
スプレー管4は、プリント配線基板Pの搬送方向Bに略
沿って配されているが、このような噴射に際し、その
送方向Bに対し直角か直角に近い角度で、左右の首振り
方向Cに往復揺動する首振りを行う。
【0026】ところで、製造工程で搬送されるプリント
配線基板Pの肉厚は各種のものが考えられ、このような
肉厚に対応して、搬送ローラー3つまりコンベヤモータ
9によるプリント配線基板Pの搬送速度Sは、各種のも
のに予め変更設定される。更に、図3の(2)図には、
例えばエッチングマシンの処理室2が4個設けられた例
が示されているが、このような処理室2の数つまりチャ
ンバー数は、単数,複数等の各種のものが考えられる。
そして、このようなチャンバー数に対応して、プリント
配線基板Pの搬送速度Sは、各種のものに予め変更設定
される。さてここで、このスプレー管4の首振り回数Z
は、プリント配線基板Pのこのように適宜可変な各搬送
速度Sに対応し、1本のスプレー管4に設けられた各ス
プレーノズル5の噴射軌道Aが、各々異なるように設定
される。そこで、スプレー管4の各スプレーノズル5か
らの薬液Hは、プリント配線基板Pに対し、各々別々に
ずれた異なるパターンの軌道を描いて噴射されるように
なり、均一に噴射され全体的に均一にスプレーされ、も
って、製造工程における現像,エッチング等の処理が、
均一にバラツキなく実現される。
【0027】更にこれらに加え、図示例では図3の
(1)図に示すようにスプレー装置1に制御手段17が
付設されており、この制御手段17における演算と所定
の信号の入出力、つまりセンサ18からの入力と首振り
用モータ11の出力により、スプレーノズル5によるプ
リント配線基板Pへの上述の薬液Hの均一な噴射が、自
動的に実現されるようになる。又、前述の数式5および
数式6の所定の演算式を用いることにより、プリント配
線基板Pの各搬送速度Sに対応したスプレー管4の首振
り回数Zが求められるので、スプレーノズル5によるプ
リント配線基板Pへの薬液Hの均一な噴射が、極めて正
確に実現されるようになる。
【0028】
【発明の効果】本発明に係るスプレー装置は、以上説明
したごとく、プリント配線基板の各搬送速度に対応し
て、スプレー管の首振り回数を設定し、各スプレーノズ
ルの噴射軌道が各々異なるようにしたことにより、次の
効果を発揮する。
【0029】すなわち、プリント配線基板に対し薬液が
均一に噴射され、全体的に理想的な状態で均一にスプレ
ーされ、もって、その製造工程において現像,エッチン
グ等の処理が均一にバラツキなく実現される。つまり、
プリント配線基板は、処理の早い部分と遅い部分との差
が僅かで、処理の過不足がほとんど生じなくなり、過剰
処理により、形成された回路が予定より細くなったり消
失したりする事態が防止されると共に、処理不足によ
り、回路がブリッジしてショートする事態も防止され、
又、幅が0.2mm以下程度の回路も確実に形成され、表
裏の導通孔間つまりピン間に3本から5本の回路を形成
することも可能となる。このように、このスプレー装置
は、最近ますます高密度化,小型軽量化,極薄化,多層
化が進むプリント配線基板に十分対応でき、その回路の
高密度化,微細化,細密化が確実に達成できるようにな
る。
【0030】更にこれらに加え、請求項2では所定の制
御手段により、これらが手動によらず自動的に確実かつ
簡単容易に実現される。又、請求項3では所定の演算式
を用いることにより、これらが極めて正確に実現される
ようになる。このように、この種従来例に存した問題点
が一掃される等、本発明の発揮する効果は顕著にして大
なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスプレー装置の実施例を示す、正
面説明図である。
【図2】同実施例の側面説明図である。
【図3】同実施例の系統説明図であり、(1)図は制御
手段等を示し、(2)図は各処理室を示す。
【図4】プリント配線基板の平面図であり、(1)図は
全体を示し、(2)図は拡大した要部を示す。
【図5】プリント配線基板に対するスプレーノズルの噴
射軌道の平面説明図であり、(1)図は略同一軌道を描
く場合、(2)図は略2つの軌道を描く場合、(3)図
は各々別々の軌道を描く場合を示す。
【図6】噴射軌道が略同一軌道を描く場合のプリント配
線基板を示し、(1)図は平面説明図、(2)図は断面
説明図である。
【図7】噴射軌道が略2つの軌道を描く場合のプリント
配線基板を示し、(1)図は平面説明図、(2)図は断
面説明図である。
【図8】噴射軌道が各々別々の異なった軌道を描く場合
のプリント配線基板を示し、(1)図は平面説明図、
(2)図は断面説明図である。
【符号の説明】
1 スプレー装置 2 処理室 3 搬送ローラー 4 スプレー管 5 スプレーノズル 6 液槽 7 スプレーポンプ 8 配管 9 コンベヤモータ 10 首振り機構 11 首振り用モータ 12 クランク 13 連結バー 14 レバー 15 接続バー 16 介裝材 17 制御手段 18 センサ 19 A/D変換器 20 インバーター A 噴射軌道 B 搬送方向 C 首振り方向 D 距離 H 薬液 L 回路 P プリント配線基板 T 導通孔 U ラウンド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント配線基板の製造工程で用いら
    れ、搬送される該プリント配線基板に対し薬液を噴射す
    るスプレー装置であって、該プリント配線基板の搬送方
    向に略沿って配されたスプレー管と、該スプレー管に列
    設された複数のスプレーノズルとを有してなり、該スプ
    レー管は、その軸を中心に左右に連続的に往復揺動する
    首振りが可能となっており、該スプレー管の首振り回数
    は、各該スプレーノズルの噴射軌道が各々異なるよう
    に、該プリント配線基板の各搬送速度に対応して変更設
    定されること、を特徴とするスプレー装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスプレー装置であって、
    該スプレー装置には制御手段が付設されており、該制御
    手段は、該プリント配線基板の各搬送速度に対応して、
    各該スプレーノズルの噴射軌道が各々異なるようになる
    該スプレー管の首振り回数の演算式が予め読み込まれて
    おり、検出部から該プリント配線基板の搬送速度の検出
    信号が入力されると共に、このように検出された搬送速
    度に対応した該スプレー管の首振り回数を演算して、該
    スプレー管の首振り機構に対し演算された首振り回数に
    見合った駆動信号を出力すること、を特徴とするスプレ
    ー装置。
  3. 【請求項3】 該プリント配線基板の各搬送速度に対応
    し、各該スプレーノズルの噴射軌道が各々異なるように
    なる該スプレー管の首振り回数Zが、次の数式1および
    数式2による演算にて求められること、を特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載のスプレー装置。 【数1】R=S/F−S/FN 【数2】Z=KRなお、Rは補正前の回数、Sは該プリ
    ント配線基板の搬送速度、Fは該スプレーノズルのピッ
    チ、Nは該スプレーノズルの個数、Kは補正係数であ
    る。
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