JPH0722690Y2 - トナ−回収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、感光体に付着したトナーを除去し排出するク
リーニング装置を備えた複写機において、排出されたト
ナーを回収するトナー回収装置に関するものである。

（従来技術） 一般の複写機において、感光体からクリーニング装置に
より除去されたトナーは、トナー搬送路を通って複写機
本体に固定されているトナー回収容器内に落下し、受容
される。しかし、このように複写機本体に固定されてい
るトナー回収容器によってトナーを回収する場合、回収
トナーは回収容器内においてほぼ一定の位置に落下する
ため、このトナーは落下地点を中心とした山形状に積み
上がることとなり、回収容器内には均一にトナーが受容
されず、よって容器の収納効率が悪い欠点があった。

このような欠点を解消するため、例えば実開昭60-19070
号公報には、上記トナー回収容器内にトナーが山形状に
積み上がることを防ぐようにした装置が示されている。
この装置は、上記トナー回収容器と、この回収容器を着
脱可能に支持し、かつ複写機本体に対して略水平方向に
一定範囲で移動自在となるように取付けられる容器支持
枠とからなり、この容器支持枠をばねにより一方向に付
勢するとともに、カム等を用いて上記容器支持枠をばね
の付勢力と反対の向きに移動させ、瞬間的に解放するこ
とにより、この容器支持枠に間欠的な振動を与え、この
振動により回収容器内のトナーの山を崩すようにしてい
る。このような装置によれば、回収されたトナーが一箇
所に集中することなく均一に容器内に収容されるので、
トナーの回収効率を高めることができる。

ところが、このような装置の場合、回収容器にある程度
の量のトナーが回収されている場合には優れた効果を得
ることができるが、回収容器内に少量のトナーしか収容
されていない場合には、回収容器全体の重量が小さく、
この重量に対してばねの弾性力が大きすぎるため、ある
程度のトナーを回収している状態に比べ、反動の際の衝
撃によって生じる音が大きくなり、騒音となる問題点が
ある。また、このように少量のトナーしか回収していな
い状態では、トナーがオーバーフローすることはないの
で、無理に山を崩す必要もない。

（考案の目的） 本考案は上記事情に鑑み、トナー回収容器が瞬発的に移
動することによりトナーの山が崩され、これによってト
ナーが一箇所に集中して収容されることが防がれ、その
回収効率が高まるとともに、少量のトナーしか収容され
ていない状態ではトナー回収容器は瞬発的な移動を行わ
ず、これによってトナー回収容器の移動による騒音の発
生が防止されるトナー回収装置を提供することを目的と
する。

（考案の構成） 本考案は、感光体に付着したトナーを除去する除去手段
と、回転駆動されることにより上記除去手段で除去した
トナーを排出する搬送部材とを有するクリーニング装置
を備えた複写機の本体に、上記搬送部材により排出され
たトナーを回収するトナー回収容器を取付けたトナー回
収装置において、このトナー回収容器を上下方向に関し
て変位可能に上記本体に取付けるとともに、上記搬送部
材にこれと一体に回転するように連結され、上記トナー
回収容器と接触しながら回転することにより同トナー回
収容器を間欠的に持上げ、かつ持上げた後に瞬発的に解
放するカムと、上記トナー回収容器をこのトナー回収容
器が上記カムに接触する位置に解放する解放状態と上記
トナー回収容器を上記カムから離れた位置に保持する保
持状態とに切換えられる接離手段と、トナー回収容器内
のトナーレベルを検知するレベル検知手段と、このレベ
ル検知手段の信号を受け、トナー回収容器内のトナーが
所定レベル以上の場合には上記接離手段を上記保持状態
に切換え、所定レベルに満たない場合には上記接離手段
を上記解放状態に切換える制御手段とを備えたものであ
る。

このような構成において、トナー回収容器内のトナーレ
ベルが所定値以上になると、接離手段の作用により、ト
ナー回収容器は移動手段に接触する位置に変位する。こ
の移動手段の作用によりトナー回収容器は瞬発的な移動
を繰返し、これによって収容されているトナーの山は崩
され、トナーが一箇所に集中して収容されることが防止
される。

トナー回収容器内のトナーレベルが所定値に達していな
い状態では、接離手段の作用により、トナー回収容器は
上記移動手段から離反する位置に変位するので、カムが
搬送部材とともに回転駆動されていてもトナー回収容器
が瞬発的に移動することはなく、騒音の発生は防止され
る。

（実施例） 本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。当実施例
における複写機は、第１図に示されるような感光体ドラ
ム１を有し、この感光体ドラム１の周表面に感光体1aが
配設されている。感光体ドラム１は、駆動軸２を中心に
第１図の矢印方向に回転駆動されるようになっており、
この回転方向に沿って順次、周知の帯電用コロナー放電
器３、光学系４、現像装置５、搬送ローラ6,7を有する
搬送装置８、転写用コロナ放電器９、剥離用コロナ放電
器10、ベルト式搬送機構11、クリーニング装置12、およ
び除電ランプ13が配設されている。

上記クリーニング装置12は、保持部材14により保持され
るブレード（除去手段）15、およびこのブレード15を覆
うクリーニング枠体16を有している。ブレード15は第１
図の手前方向に延びており、このブレード15の自由端が
上記感光体1aに押圧されることにより残留トナーが除去
されるようになっている。クリーニング枠体16の下部に
は、上記ブレード15から落下したトナーを受取る受容器
16aが形成されており、この受容器16aに確実にトナーを
導くように、感光体ドラム１に軽く接する誘導部材17が
備えられている。

クリーニング枠体16の側板からは、第２図に示されるよ
うな排出管18が上記受容器16aと連続した状態で延出し
ている。この排出管18は、複写機本体の側板ａのさらに
外方に突出しており、その端部には下向きに開口する排
出口18aを有している。

この排出管18および上記受容器16aの内部には、複写機
本体の幅方向に延びる搬送スパイラル（搬送部材）19が
設けられている。この搬送スパイラル16は、適宜のモー
タ（図示せず）により第２図の矢印方向に回転駆動さ
れ、この回転により受容器16a内のトナーを排出管18に
送り、排出口18aから排出するように構成されている。

そして、この排出口18aの下方に、排出されたトナーを
受容（回収）するトナー回収容器20が配置されている。
このトナー回収容器20は、タンク支持枠21、およびこの
タンク支持枠21に支持されるトナー回収タンク22からな
っており、トナー回収タンク22は、例えば透明プラスチ
ックなど光透過性を有する材料により形成され、タンク
支持枠21に対し着脱可能となっている。第３図に示され
るように、このトナー回収タンク22は、その上面に排出
口18aと連通する受入れ口22aを有し、排出されたトナー
はこの受入れ口22aから容器20内に収容される。

上記タンク支持枠21の正面、すなわちトナー回収タンク
22の背面に対向する面には、第５図にも示されるような
凹部21hが形成されており、この凹部21h内に、受光素子
28aおよび発光素子28bを備えたフォトインタラプタ（レ
ベル検出手段）28が設けられている。そして、このフォ
トインタラプタ28の受光素子28aおよび発光素子28bとの
間に挿入されるように、上記トナー回収タンク22の背面
に中空状の突出部22bが形成されている。

フォトインタラプタ28は、複写機本体に設けられた制御
回路29に接続されており、受光素子28aと発光素子28bと
の間に障害物がない状態、すなわちフォトインタラプタ
28が設けられている位置までトナーレベルが達しておら
ず、突出部22b内にトナーが侵入していない状態では制
御回路29にLowの信号を送り、障害物がある状態、すな
わちフォトインタラプタ28の位置までトナーレベルが達
して突出部22hにトナーが入込んだ状態では制御回路29
にHighの信号を送る。すなわち、このフォトインタラプ
タ28によって、トナー回収タンク22内のトナーのレベル
が所定値以上であるか否かが検知されるようになってい
る。

第４図にも示されるように、タンク支持枠21は、その一
側面から側方に延びるアーム21aを一体に有し、このア
ーム21aの端部を中心として、ピン23により複写機本体
の側板ａに回動自在に取付けられている。また、もう一
方の側面から下面にかけては斜面21bが形成されてお
り、この斜面21bからタンク支持枠21の下方へ挿入され
る挿入部材（接離手段）24、およびこの挿入部材24を水
平方向に移動させるソレノイド（接離手段）25が、複写
機本体の水平基板Ｂ上に設けられている。

挿入部材24の一端部には、上記タンク支持枠21の斜面21
bから下面にかけて当接する曲面24aが形成されており、
もう一方の端部は、水平基板Ｂに固定されている上記ソ
レノイド25のプランジャ25aに連結されている。ソレノ
イド25は、上記制御回路29に接続されており、上記フォ
トインタラプタ28がHighの信号を発する状態、すなわち
トナーレベルが所定値以上の状態ではオンに切換えら
れ、フォトインタラプタ28がLowの信号を発する状態、
すなわちトナーレベルが所定値に満たない状態ではオフ
に切換えられる。

そして、このソレノイド25がオフの状態では、プランジ
ャ25aが本体から第４図の右方向に突出し、これによっ
て挿入部材24の曲面24aがタンク支持枠21の下面と水平
基板Ｂとの間に挿入され、トナー回収容器20が第４図の
実線に示されるように略水平に支持されるようになって
おり、これに対してソレノイド25がオンの状態では、プ
ランジャ25aが本体側に没入し、これによって挿入部材2
4が第４図の左方向に移動してタンク支持枠21から離反
するようになっている。

一方、上記搬送スパイラル19の排出側端部19aには、こ
の搬送スパイラル19とともに回転駆動されるカム26（移
動手段）が固定されている。カム26は、半径方向の立直
壁26aからなる段を有しており、第４図の矢印方向（第
２図の矢印方向と同じ）に回転駆動された場合、その上
端面の位置が漸次高くなり、その直後に急激に低くなる
ような形状を有している。

これに対し、上記タンク支持枠21における斜面21b側の
側面には、この側面から上方に延出し、さらに上記カム
26を上方から覆うように側方に延出するくの字状の接触
板27が固定されており、この接触板27の下面には、その
幅方向に延びる突条27aが形成されている。

そして、第４図の実線に示されるように、上記挿入部材
24によりトナー回収容器20が支持されている状態では、
接触板27は上記カム26の上方に位置するようになってお
り、これに対して挿入部材24がトナー回収容器20から離
反すると、このトナー回収容器20が落下し、第４図の二
点鎖線に示されるように接触板27の突条27aがカム26に
当接した状態で、このカム26によりトナー回収容器20が
支持されるようになっている。すなわちこの装置では、
上記ソレノイド25のオンオフによりトナー回収容器20が
変位し、カム26と接触板（トナー回収容器20の一部）27
との接離が行われる。

次に、上記装置の作用を説明する。ブレード15により感
光体1aから除去されたトナーは、第２図および第４図に
示す矢印方向に駆動される搬送スパイラル19により搬送
されて排出口18aから排出され、トナー回収タンク22内
に回収されるが、回収されたトナーがまだ少量で所定レ
ベルに達していない間は、トナー回収タンク22の突出部
22b内にはトナーは侵入せず、突出部22bは中空状態であ
る。

従って、フォトインタラプタ28は制御回路29にLowの信
号を発し、これによってソレノイド25はオフに切換えら
れている。すなわちこの状態で、トナー回収容器20は、
その下方に挿入された挿入部材24により第４図の実線に
示されるような高い位置に支持され、接触板27の突条27
aとカム26とは接触しない。一方、この時点においても
回収されたトナーは山形状に積み上がるが、トナーは少
量であるためオーバーフローとはならない。

このような状態からトナーの回収が進行し、トナーレベ
ルが所定値以上となると、トナー回収タンク22の突出部
22b内にトナーが侵入し、これによってフオトインタラ
プタ28の受光素子28aと発光素子28bとの間が遮られ、フ
ォトインタラプタ28は制御回路29にHighの信号を発す
る。

従って、ソレノイド25はオンに切換えられ、これによっ
て挿入部材24はトナー回収容器20から離反し、同容器20
が落下するため、第４図の二点鎖線に示されるように、
接触板27の突条27aとカム26が当接する。このような状
態において、回転するカム26の上端面の位置が漸次高く
なる期間では、重力に反してトナー回収容器20がカム26
により持上げられるが、このカム26と突条27aとの接触
点を立直壁26aからなる段が通過すると、持上げられて
いたトナー回収容器20は瞬発的に開放され、急激に落下
する。従って、カム26の回転に伴ってトナー回収容器20
はこのような瞬発的な移動を繰返すこととなり、これに
よってトナー回収タンク22内に形成されたトナーの山は
崩され、トナーはタンク22内においてほぼ均一に収容さ
れる。

以上のようにこの装置によれば、トナー回収容器20内の
トナーが所定レベルに達した状態、すなわち、蓄積され
たトナーの山を崩す必要のある状態では、トナー回収容
器20が回転するカム26に接触して瞬発的な移動を繰返
し、これによってトナーの山が崩され、トナー回収容器
20の回収効率が高められる。しかも、トナーが少量しか
回収されていない状態、すなわち、蓄積されたトナーの
山を崩す必要がなく、かつトナー回収容器20全体の重量
が小さい状態では、トナー回収容器20はカム26に接触せ
ず、瞬発的な移動は行わないので、従来のような、衝撃
による騒音の発生を防止することができる。

また、この装置では、検知したトナーレベルに応じてト
ナー回収容器20とカム26とを接離させるものであるの
で、カム26は常時回転駆動されていてもよく、従って、
上記のような搬送スパイラル19用の駆動モータ等、既設
の駆動源を用いてカム26を駆動できる利点がある。

なお、カム26の形状は、上記実施例に限らず、例えば外
周面の一部に突起を有するような形状のカムを用いても
同様の効果が得られる。

接離手段の構造も上記実施例に限るものではなく、例え
ばソレノイドにより上下駆動される揺動部材をトナー回
収容器20の付近に設け、この揺動部材によりトナー回収
容器20を昇降させるようにしても同様の効果が得られ
る。

（考案の効果） 以上のように本考案は、トナー回収容器と接触した状態
において同トナー回収容器を間欠的に持上げ、かつ持上
げた後に瞬発的に開放する移動手段として搬送部材と一
体に回転するカムを備え、トナー回収容器内のトナーが
所定レベル以上の場合にはトナー回収容器が上記カムに
接触し、所定レベルに満たない場合にはトナー回収容器
が上記カムから離反するようにしたものであり、回収ト
ナーが所定レベルまで達すると、カムの作用を受けてト
ナー回収容器は瞬発的な移動を繰返し、これによって回
収されたトナーの山が崩されるため、トナー回収容器の
収納効率を高めることができる。しかも、トナー回収容
器内のトナーが所定レベルに達していない状態、すなわ
ち、容器全体が軽量で、かつトナーの山を特に崩す必要
のない状態ではトナー回収容器はカムの作用を受けず、
よって瞬発的な移動は行わないので、従来のような、衝
撃による雑音の発生を防止することができる。

しかも、上記のような接離手段を備えることにより、移
動手段であるカムのオンオフを制御する必要がなく、こ
のカムを搬送部材と一体に回転するように構成できるの
で、これにより、カムの駆動源として既設の搬送部材の
駆動源を利用できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における複写機の感光体ドラ
ム周辺の構造を示す破断側面図、第２図は同複写機にお
けるクリーニング装置の断面図、第３図は同複写機にお
けるトナー回収装置の斜視図、第４図は同トナー回収装
置の正面図、第５図はフォトインタラプタの取付構造を
示す断面図である。 1a……感光体、12……クリーニング装置、15……ブレー
ド（除去手段）、19……搬送スパイラル（搬送部材）、
20……トナー回収容器、24……挿入部材、25……ソレノ
イド、26……カム、27……接触板（トナー回収容器の一
部）、28……フォトインタラプタ（レベル検出手段）、
29……制御回路（制御手段）。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】感光体に付着したトナーを除去する除去手
   段と、回転駆動されることにより上記除去手段で除去し
   たトナーを排出する搬送部材とを有するクリーニング装
   置を備えた複写機の本体に、上記搬送部材により排出さ
   れたトナーを回収するトナー回収容器を取付けたトナー
   回収装置において、このトナー回収容器を上下方向に関
   して変位可能に上記本体に取付けるとともに、上記搬送
   部材にこれと一体に回転するように連結され、上記トナ
   ー回収容器と接触しながら回転することにより同トナー
   回収容器を間欠的に持上げ、かつ持上げた後に瞬発的に
   解放するカムと、上記トナー回収容器をこのトナー回収
   容器が上記カムに接触する位置に解放する解放状態と上
   記トナー回収容器を上記カムから離れた位置に保持する
   保持状態とに切換えられる接離手段と、トナー回収容器
   内のトナーレベルを検知するレベル検知手段と、このレ
   ベル検知手段の信号を受け、トナー回収容器内のトナー
   が所定レベル以上の場合には上記接離手段を上記保持状
   態に切換え、所定レベルに満たない場合には上記接離手
   段を上記解放状態に切換える制御手段とを備えたことを
   特徴とするトナー回収装置。
2. 【請求項２】トナー回収容器を、その一端を中心として
   回動自在に複写機本体に取付けたことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のトナー回収装置。
3. 【請求項３】接離手段は、トナー回収容器の下方に挿入
   される挿入部材と、この挿入部材を移動させるソレノイ
   ドとからなることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項または第２項記載のトナー回収装置。