JPH0722597Y2 - 圧力調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ガスの供給源である高圧ボンベ内の高圧ガ
スを所定の圧力まで減圧させて燃焼器具に送り出す圧力
調整装置に関するものである。

〔従来の技術〕

例えば、都市ガスの利用できない地域において、プロパ
ンガス等を充填した高圧ボンベと、この高圧ボンベと室
内の燃焼器具との間に設けた圧力調整装置とを備え、各
家庭毎に個別にガスを供給させることができるようにし
たシステムが広く普及している。

この圧力調整装置は、高圧ボンベ内の高圧ガスを燃焼器
具の使用に適した圧力まで減圧させるものであり、第４
図において、本体100左方の流入部に、連通路100a内に
挿通した弁軸101及びこの弁軸101左端面に対向する弁体
102からなる弁部を有すると共に、本体100中央のガス室
100b内に、このガス室100b内の圧力の変化に伴いバネ10
3の弾性力に抗して上下動するダイヤフラム104及びこの
ダイヤフラム104の上下動と共に回動し、弁軸101を左右
に移動変位させる圧力調整を図るレバー105を有してい
る。また、この圧力調整装置は、燃焼器具の使用中にガ
ス室100b内のガス体積が随時変化するので、ダイヤフラ
ム104上方のカバー体106内室の体積もこれに伴って変化
する。つまり、ガス室100b内の体積増のときにはカバー
体106内室の体積が減少するが、その分の空気はカバー
体106上部の通気孔106aから外部へ排出する。また、こ
れとは逆の場合には、その通気孔106aから空気がカバー
体106内室に吸入するようになっており、恰も通気孔106
aを介して呼吸を行うように構成されている。

ところでこのような圧力調整装置は、通常所定の姿勢、
例えば第４図において、通気孔106aが上方に位置するよ
うに水平に設置するようになっており、通気孔106aに被
せたキャップ107とカバー体106との間から雨水が侵入す
るのを防止できるようになっている。即ち、これは、通
気孔106から雨水が侵入することにより、カバー体106等
の内部の劣化が促進されるのを防止すると共に、冬期に
おいてカバー体106内部の結氷に伴い動作不良が発生
し、圧力未調整のままガスが燃焼器具に送り出されて思
わぬ事故が発生するのを防止するためである。

〔解決しようとする課題〕

ところが、このような圧力調整装置は、設置する場所の
スペースによっては、この圧力調整装置が通気孔が上方
に配向した水平な姿勢に設置できず、どうしても傾斜し
た姿勢で取付けざるを得ない場合がある。そして、この
ような状態で圧力調整装置を取付けた場合には、キャッ
プとカバー本体との間から雨水が入り込み、通気孔から
内部へ侵入して各種のトラブルを発生することがある。
また、作業に不慣れな作業者等が圧力調整装置を取付け
る場合、正しい姿勢に取付けたつもりでも姿勢が傾いて
いたりすることがあり、同様のトラブルを生じる虞れが
ある。

また、かりに正しい姿勢に取付けてあっても、通気孔か
ら空気を吸入する際にその通気孔の周囲に発生する陰圧
に伴う吸引力により、雨水が強制的に吸入される虞れも
ある。

そこで、この考案は、上記した従来の欠点に鑑み、傾い
た姿勢等で取付けてあったり、通気孔の周囲に陰圧が発
生したりしても、雨水の侵入を有効に防止することがで
きる圧力調整装置を提供することを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

即ち、この考案は、高圧ボンベから本体中央のガス室内
に流入するガスの体積増減に伴い、ダイヤフラムを介し
そのガス室と間仕切られたカバー体室内の空気が出入す
る通気孔を有し、前記高圧ボンベ内のガスを減圧させて
燃焼器具へ送り出す圧力調整装置において、前記通気孔
を介して雨水がカバー体室内へ流入するのを防止する前
水侵入防止手段として、前記カバー体の突出部に嵌入さ
せて取り付けるリング体からなり、このリング体の周縁
部分がキャップの内筒部下端面に近接するように構成し
たものである。

〔作用〕

この考案に係る圧力調整装置は、カバー体の外壁面を伝
わり通気孔へ流れ込もうとする雨水が雨水侵入防止手段
によって阻止されており、これによって姿勢を水平に正
しく位置決めして取付けなくても、雨水の侵入が防止で
きる。

また、この考案に係る圧力調整装置は、カバー体へ外部
から空気が吸入される際に発生する陰圧により、そのカ
バー体外壁面を伝って雨水が吸引されるのを雨水侵入防
止手段によって阻止することができる。

〔実施例〕

以下この考案の一実施例について添付図面を参照しなが
ら説明する。

第１図はこの考案に係る圧力調整装置を示すものであ
り、この圧力調整装置は、本体１中央上部のカバー体２
に雨水防止手段３が取付けてある。

カバー体２は、本体１の中央のガス室1aを間仕切るダイ
ヤフラム（図略）に上部から蓋をするようにして設置さ
れており、中央には外方に向けて突出し、通気孔2aが開
口された突出部2bが形成されていると共に内方に空気室
2cが形成されており、その通気孔2aを介して空気室2cか
ら外部へ空気が出入りすることができるようになってい
る。

雨水防止手段３は、本体１の姿勢が傾斜した状態で設置
されていたり、カバー体２の通気孔2aを介して外方から
空気を吸入する際に陰圧が発生していたりしても、雨水
がカバー体２の空気室2c内へ侵入するのを防止するため
のものであり、この実施例では第２図に示すような略板
リング状のもの（以下リング体とよぶ）が使用されてい
る。そして、この実施例のリング体は、図３に示すよう
に、キャップ４の内筒部4aの下端縁部に対して極く僅少
の隙間を介して近接する大きさ（半径）のものが使用さ
れており、カバー体２の突出部2b所定位置に嵌入させた
のち、かしめて固定させるようになっている。

従って、この実施例によれば、例えば第３図に示すよう
に、通気孔2aが水平方向に配向した状態であっても、つ
まり正常な取付状態での姿勢に比べ90度傾いた状態に設
置したとしても、キャップ４とカバー体２との間の隙間
から侵入する雨水が矢印で示すように流れ、リング体３
に阻まれて通気孔2aに侵入するのを有効に防止できる。
また、通気孔2aの周囲に陰圧が発生しても、リング体３
に阻まれて通気孔2aへ侵入するのを防止できる。

〔効果〕

以上説明してきたように、この考案に係る圧力調整装置
によれば、雨水侵入防止手段によって雨水が通気孔へ流
れ込むのを防止でき装置本体を水平方向に正しく配設さ
せておらず、傾いているような場合であっても、雨水の
通気孔への流入を阻止することができるので、正確に姿
勢を調節して取付ける必要がなく、その分取付に要する
作業時間が削減できると共に、僅かに空いたスペースを
利用して色々な姿勢で自由に設置することができる。

また、この考案によれば、雨水防止手段として、薄くて
リング状を有する一枚の板で構成されたものが使用され
ており、これによって低コストで汎用性の高いものが得
られる。

しかもこの考案によれば、突出部を有するカバー体の突
出部に簡単に取り付け、キャップの内筒部との間で極く
僅かの隙間を保持した状態で使用することができるか
ら、圧力調整機能を損なわずに所要の雨水等の防水機能
が有効に発揮できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る圧力調整装置を示す要部断面
図、第２図はこの考案に係る雨水防止手段のリング体を
示す斜視図、第３図はこの考案に係る圧力調整装置の作
用を説明する説明図、第４図は従来の圧力調整装置を示
す断面図である。 １……本体、1a……ガス室、２……カバー体、2a……通
気孔、2c……空気室、３……雨水防止手段、４……キャ
ップ、4a……内筒部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】高圧ボンベからガス室（1a）内に流入する
   ガスの体積変化に応じて、本体中央部のカバー体（２）
   内に形成した空気室（2c）からカバー体（２）外部へ空
   気が出入するための通気孔（2a）を有し、前記高圧ボン
   ベ内のガスを減圧させて燃焼器具へ送り出す圧力調整装
   置において、 前記通気孔（2a）を介して雨水がカバー体（２）室内へ
   流入するのを防止する雨水侵入防止手段（３）として、
   前記カバー体（２）の突出部（2b）に嵌入させて取り付
   けるリング体からなり、このリング体の周縁部分がキャ
   ップ（４）の内筒部（4a）下端面に近接するように構成
   したことを特徴とする圧力調整装置。