JPH07225893A - 車間距離制御装置 - Google Patents

車間距離制御装置

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JPH07225893A
JPH07225893A JP6015565A JP1556594A JPH07225893A JP H07225893 A JPH07225893 A JP H07225893A JP 6015565 A JP6015565 A JP 6015565A JP 1556594 A JP1556594 A JP 1556594A JP H07225893 A JPH07225893 A JP H07225893A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 頻繁なアクセルやブレーキの操作から運転者
を開放し、自動的に先行車との車間距離を一定に保って
運転者の負担を軽減し、安全性を向上する。 【構成】 車間距離制御ユニット200では、自車輌の
走行速度から適切な車間距離の目標値を設定し、画像処
理ユニット100で算出した先行車との車間距離及び相
対速度から、自車輌1の発進、加速、減速、停止等の判
断を行ない、対応する信号をスロットルアクチュエータ
3、パーキングブレーキアクチュエータ6に出力し、先
行車との車間距離を一定に保つ。また、車間距離制御ユ
ニット200では、制御状態をディスプレイ9に表示す
るとともに、先行車への異常接近の可能性を事前に検出
して前記ディスプレイ9に表示し、運転者に警告を発す
ることにより、図示しないメインブレーキの操作を促
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、渋滞時等に先行車との
車間距離を自動的に一定に保つ車間距離制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車輌を運転中に、渋
滞等により先行車との車間距離が詰まってくると、運転
者は頻繁にアクセルペダルやブレーキを操作し、車輌の
発進・停止を繰り返さなければならなくなる。このよう
な状況が長時間に及ぶ場合、運転者に大きな負担とな
り、精神的、肉体的な疲労を生じて安全性の面からも好
ましくない。
【0003】このため、最近では、車輌にカメラや超音
波センサ等を搭載して先行車を検出し、エンジンのスロ
ットルバルブやブレーキに取り付けた自動制御機構によ
り、渋滞時等における運転者の操作を一部自動化するこ
とにより、運転者の負担を軽減しようとする装置が提案
されている。
【0004】例えば、特開平2−95931号公報に
は、渋滞走行時等に、運転者がブレーキを踏み込んでい
なければ、アクセルペダルの踏み込み量に無関係にコン
ピュータユニットにより所定の車速となるようにスロッ
トル弁駆動装置を駆動して、スロットル弁の制御を行な
い、前方に人や車が近づくと、自動的にブレーキを作動
させて車輌を停止させる装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置では、ブレーキを自動的に作動させるのは、先行車
に追突する危険が生じた緊急時のみであり、渋滞時の通
常走行ではスロットルの制御を自動的に行なうのみで、
ブレーキの操作は運転者が行なう必要があるため、運転
者の負担を十分に軽減するには至らない。
【0006】また、実際の渋滞時等における状況下で
は、全体の流れの走行速度はたえず変化するものであ
り、車速が所定の値となるようにエンジンのスロットル
開度を制御する従来の装置では、先行車より速過ぎるか
遅過ぎるかにのいずれかになり、対応が困難となる。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、頻繁なアクセルやブレーキの操作から運転者を開放
し、自動的に先行車との車間距離を一定に保って運転者
の負担を軽減し、安全性を向上することのできる車間距
離制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、自車輌の
進行方向に存在する先行車を検出し、先行車と自車輌と
の車間距離及び自車輌に対する先行車の相対速度を算出
する先行車検出手段と、自車輌の速度に基づいて目標車
間距離を設定し、前記先行車検出手段で算出した車間距
離及び相対速度から先行車の状態が自車輌の速度を制御
する速度制御モードのいずれに該当するかを判断し、該
当する速度制御モードに応じてエンジンのスロットルバ
ルブを駆動するアクチュエータとブレーキを駆動するア
クチュエータとを制御することにより、先行車との車間
距離を前記目標車間距離に保つ車間距離制御手段とを備
えたものである。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、前記
車間距離制御手段による速度制御モードに応じた自車輌
の制御状態を運転者に報知する報知手段を備えたもので
ある。
【0010】第3の発明は、第1の発明において、前記
先行車検出手段で算出した先行車との車間距離が自車輌
を減速させたときの減速度から推定した所定時間経過後
の車間距離よりも小さいとき、警報を出力する警報出力
手段を備えたものである。
【0011】第4の発明は、第1の発明において、前記
ブレーキとしてパーキングブレーキを用いるものであ
る。
【0012】
【作用】第1の発明では、先行車を検出し、先行車と自
車輌との車間距離及び自車輌に対する先行車の相対速度
を算出すると、自車輌の速度に基づいて目標車間距離を
設定し、前記車間距離及び相対速度から先行車の状態が
自車輌の速度を制御する速度制御モードのいずれに該当
するかを判断する。そして、該当する速度制御モードに
応じてエンジンのスロットルバルブを駆動するアクチュ
エータとブレーキを駆動するアクチュエータとを制御す
ることにより、先行車との車間距離を目標車間距離に保
つ。
【0013】第2の発明では、第1の発明において、該
当する速度制御モードに応じた自車輌の制御状態を運転
者に報知する。
【0014】第3の発明では、第1の発明において、先
行車との車間距離が自車輌を減速させたときの減速度か
ら推定した所定時間経過後の車間距離よりも小さいと
き、警報を出力する。
【0015】第4の発明では、第1の発明において、ア
クチュエータによりパーキングブレーキが駆動される。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1〜図40は本発明の第1実施例に係わり、図
1は車間距離制御装置の全体構成図、図2は車間距離制
御装置の回路ブロック図、図3はパーキングブレーキア
クチュエータ周辺の構成を示す説明図、図4はディスプ
レイの画面を示す説明図、図5は他のディスプレイユニ
ットの外観を示す説明図、図6は車輌の正面図、図7は
カメラと被写体との関係を示す説明図、図8はイメージ
プロセッサの詳細回路図、図9はシティブロック距離計
算回路の説明図、図10は最小値検出回路のブロック
図、図11は車載のCCDカメラで撮像した画像の例を
示す説明図、図12は距離画像の例を示す説明図、図1
3は車輌の上面図、図14は車輌の側面図、図15は画
像処理・車間距離制御用コンピュータの機能ブロック
図、図16は道路モデルの例を示す説明図、図17は3
次元ウインドウの形状を示す説明図、図18は2次元ウ
インドウの形状を示す説明図、図19は直線要素とデー
タのずれ量を示す説明図、図20はずれ量と重み係数の
関係を示す説明図、図21は検出した道路形状の例を示
す説明図、図22は画像の区分方法を示す説明図、図2
3は検出物体とヒストグラムの関係を示す説明図、図2
4は物体の存在領域の検出結果と検出距離の例を示す説
明図、図25は物体検出用の3次元ウインドウの形状を
示す説明図、図26は物体検出用の2次元ウインドウの
形状を示す説明図、図27は物体の輪郭を構成するデー
タの例を示す説明図、図28は物体の輪郭像と検出され
た外径寸法の例を示す説明図、図29はスロットル開度
決定の概念を示す説明図、図30はイメージプロセッサ
の動作を示すフローチャート、図31はシフトレジスタ
内の保存順序を示す説明図、図32はシティブロック距
離計算回路の動作を示すタイミングチャート、図33は
ずれ量決定部の動作を示すタイミングチャート、図34
はイメージプロセッサの動作を示すタイミングチャー
ト、図35及び図36は道路検出処理のフローチャー
ト、図37及び図38は物体検出処理のフローチャー
ト、図39はスロットル制御処理のフローチャート、図
40はパーキングブレーキ制御処理のフローチャートで
ある。
【0017】図1において、符号1は自動車等の車輌で
あり、この車輌1に搭載される車間距離制御装置300
には、自車輌の進行方向に存在する先行車を検出し、先
行車と自車輌との車間距離及び自車輌に対する先行車の
相対速度を算出する先行車検出手段としての機能を実現
するステレオ光学系10及び画像処理ユニット100が
備えられ、この画像処理ユニット100に、自車輌の速
度に基づいて目標車間距離を設定し、前記先行車検出手
段で算出した車間距離及び相対速度から先行車の状態が
自車輌の速度を制御する速度制御モードのいずれに該当
するかを判断し、該当する速度制御モードに応じてエン
ジンのスロットルバルブを駆動するアクチュエータとブ
レーキを駆動するアクチュエータとを制御することによ
り、先行車との車間距離を前記目標車間距離に保つ車間
距離制御手段、及び、前記先行車検出手段で算出した先
行車との車間距離が自車輌を減速させたときの減速度か
ら推定した所定時間経過後の車間距離よりも小さいと
き、警報を出力する警報出力手段としての機能を実現す
る車間距離制御ユニット200が接続されている。
【0018】前記ステレオ光学系10は、車外の対象を
撮像する撮像系としての左右1組のカメラからなり、こ
れらの左右1組のカメラが接続される前記画像処理ユニ
ット100では、前記ステレオ光学系10によって撮像
した左右1組のステレオ画像対を処理して画像全体に渡
る3次元の距離分布を算出し、その距離分布情報から、
道路形状や複数の立体物の3次元位置を高速で検出す
る。そして、検出した道路形状と各立体物の位置を比較
して自車輌の先行車を特定し、車速センサ8からの信号
に基づいて先行車との車間距離及び相対速度を前記車間
距離制御ユニット200に出力する。
【0019】また、前記車間距離制御ユニット200に
は、エンジン(図示せず)のスロットルバルブ2の開度
を制御するためのスロットルアクチュエータ3と、パー
キングブレーキハンドル(ハンドブレーキ)4と並列に
接続され、前記車間距離制御ユニット200からの信号
によってパーキングブレーキ5を作動させるパーキング
ブレーキアクチュエータ6と、運転者が本装置の作動及
び作動解除を行なうため車室内に設けた切換スイッチ7
と、前記車速センサ8と、前記車間距離制御手段による
速度制御モードに応じた自車輌の制御状態を運転者に報
知する報知手段として運転者の前方に設置されたディス
プレイ9とが接続されており、運転者に対する高度な支
援制御を行なうアクティブドライブアシスト(ADA)
システムの一機能として、渋滞走行時等における先行車
との車間距離を自動的に一定に保ち、運転者の負担を軽
減して安全を確保するようになっている。
【0020】尚、本装置は、自車輌1の車速が設定値
(例えば20km/h)以上の状態では、運転者が前記
切換スイッチ7をONにしても本装置は作動しないよう
になっており、本装置が作動中に、運転者がメインブレ
ーキペダルあるいはアクセルペダルを操作した場合に
も、本装置の作動は解除される。
【0021】前記車間距離制御ユニット200は、前記
車速センサ8から得られる自車輌の走行速度から適切な
車間距離の目標値を設定し、前記画像処理ユニット10
0で算出した先行車との車間距離及び相対速度から、自
車輌1の発進、加速、減速、停止等の判断を行ない、対
応する信号を前記スロットルアクチュエータ3、前記パ
ーキングブレーキアクチュエータ6に出力する。
【0022】これにより、サーボモータあるいは空気圧
によって作動する前記スロットルアクチュエータ3が駆
動されて前記スロットルバルブ2の開度が制御され、エ
ンジン出力が調節されて発進や速度の制御が行なわれ
る。また、前記パーキングブレーキアクチュエータ6が
駆動され、前記パーキングブレーキハンドル4と前記パ
ーキングブレーキアクチュエータ6とを並列結合するワ
イヤ結合器13を介して前記パーキングブレーキ5が制
御される。
【0023】前記パーキングブレーキアクチュエータ6
は、例えば、図3に示すように、電動モータ14と、こ
の電動モータ14によって回動されるウォームギヤ15
とからなり、前記ウォームギヤ15のウォームホイール
中心に、アーム16の一端が取り付けられ、このアーム
16の他端にワイヤケーブル6aが取り付けられてい
る。また、前記ウォームギヤ15のウォームホイール外
周には、アーム16の回転位置を検出し、その回動範囲
を規制するための2個のリミットスイッチ17a,17
bが対向設置されている。
【0024】そして、前記アーム16に取り付けられた
ワイヤケーブル6aと、前記パーキングブレーキハンド
ル4から延出されるワイヤケーブル4aとが、前記ワイ
ヤ結合器13の一方の側に、それぞれ、長孔13a,1
3bを介して連結されるとともに、前記ワイヤ結合器1
3の他方の側に、前記パーキングブレーキ5に接続され
るワイヤケーブル5aが係止され、前記パーキングブレ
ーキハンドル4及び前記パーキングブレーキアクチュエ
ータ6のどちらか一方から索引されると、前記ワイヤ結
合器13を介して前記ワイヤケーブル5aが索引され、
前記パーキングブレーキ5が作動する機構となってい
る。
【0025】この場合、前記パーキングブレーキアクチ
ュエータ6はON・OFF的な動作を行ない、前記パー
キングブレーキアクチュエータ6をONにすると、電動
モータ14が回転し、ウォームギヤ15に連結したアー
ム16が回転してワイヤケーブル6aを引張る。そし
て、アーム16がリミットスイッチ17aの位置にくる
とリミットスイッチ17aがONになり、電動モータ1
4が停止してワイヤケーブル6aを引張り続けた状態と
なり、パーキングブレーキ5を作動状態に保持する。
【0026】また、前記パーキングブレーキアクチュエ
ータ6をOFFにすると、電動モータ14がアーム16
の位置がリミットスイッチ17bの位置にくるまで回転
し、ワイヤケーブル6aの引張りが無い状態になってパ
ーキングブレーキ5が解除される。
【0027】このパーキングブレーキ5による車輌1の
制動では、発生できる減速度には限界があり、例えば、
先行車が急ブレーキをかけたような場合においては、先
行車に異常接近するおそれがある。従って、前記車間距
離制御ユニット200では、このような事態を予め推測
し、前記ディスプレイ9に表示して運転者に警告を発す
ることにより、図示しないメインブレーキの操作を促
す。
【0028】前記ディスプレイ9の画面には、図4に示
すように、車輌前方の風景を、後述する距離画像の状態
で表示するモニタ部9aが中央部に設けられており、こ
のモニタ部9aの側部に、ADAの各モード(例えば、
高速道路等の定速走行時における先行車との車間距離を
自動的に適正に制御するクルーズモード、前方の左右に
存在する物体と自車輌側部との左右の隙間を表示するガ
イドモード、渋滞時等に先行車との車間距離を自動的に
適正に制御する渋滞モード、障害物との衝突の危険を警
報するアシストモード等)を表示するモード表示部9b
が設けられ、前記切換スイッチ7から規定の信号が入力
されると、渋滞走行時等の設定車速以下のとき、先行車
との車間距離を制御する渋滞モードが選択され、前記モ
ード表示部9bの該当する“渋滞”表示が点灯するよう
になっている。
【0029】また、前記モニタ部9aの上部には、デー
タ表示部9cと、楕円を4分割した形状で車輌の前後左
右を表わす位置表示部9dとが設けられ、前記モニタ部
9a下部には、ADAの各モードにおける文字及び数値
を表示するモードデータ表示部9eが設けられ、渋滞モ
ードが選択されると、図4に示すように、車間距離、速
度の文字の下に、算出した数値が表示され、前記位置表
示部9dの前後部分が点灯する。この位置表示部9d
は、通常は緑色で点灯され、先行車に異常接近するおそ
れがある場合に、例えば赤色で点灯される。これによ
り、運転者に警告を与えてブレーキ操作を促す。
【0030】尚、簡易的には、前記ディスプレイ9に代
えて、例えば図5に示すような、切換スイッチSW、ラ
ンプLP1〜LP5が前面に配設された表示器18を採
用しても良い。この表示器18では、先行車が検出され
ていない状態でランプLP1を点灯し、前記スロットル
アクチュエータ3が作動している状態でランプLP2を
点灯する。また、前記スロットルアクチュエータ3がス
ロットル全閉動作、且つ前記パーキングブレーキアクチ
ュエータ6がOFFの状態ではランプLP3を点灯し、
前記パーキングブレーキアクチュエータ6が作動してい
る状態でランプLP4を点灯する。さらに、先行車に異
常接近するおそれがあり、警報が発生している状態で
は、ランプLP5を点灯する。また、このように複数の
ランプLP1〜LP5によって表示する内容を区別する
代わりに、複数の色を表示できるランプを取り付け、ラ
ンプの色によって表示内容を区別しても良く、さらに
は、ランプによる警報に代えて、ブザー等の音による警
報あるいは音声による警報としても良い。
【0031】このように、本装置では、渋滞時等のノロ
ノロ運転における繁雑なブレーキ、アクセル操作の繰返
しから運転者を開放して運転者の負担を大幅に軽減する
ことができ、また、作動状態が常にディスプレイ9に表
示され、先行車への異常接近の可能性が事前に推測され
て警報が発せられるため、運転者の運転操作に十分な時
間的余裕を与えてより安全性を高めることができる。ま
た、万一、トラブルが発生した場合においても、運転者
が容易に状況を把握することができ、迅速な対応操作を
可能とすることができる。
【0032】さらに、本装置では、車輌の停止・減速に
パーキングブレーキを使用するため、既存の車輌への適
用が容易であり、コストを最小限に押さえ、高い信頼性
を確保することができるのである。
【0033】次に、前記画像処理ユニット100及び前
記車間距離制御ユニット200のハードウエア構成につ
いて説明する。
【0034】前記画像処理ユニット100に接続される
前記ステレオ光学系10は、例えば電荷結合素子(CC
D)等の固体撮像素子を用いたCCDカメラを用いて構
成され、後述するように、遠距離用としての左右1組の
CCDカメラ11a,11b、及び、近距離用としての
左右1組のCCDカメラ12a,12bが備えられてい
る。
【0035】前記画像処理ユニット100及び車間距離
制御ユニット200は、具体的には、前記ステレオ光学
系10で撮像した画像を処理し、画像のような形態をし
た距離分布データ(距離画像)を出力するイメージプロ
セッサ20と、このイメージプロセッサ20からの距離
画像から先行車を検出し、その車間距離を一定に制御す
る処理を行なう画像処理・車間距離制御用コンピュータ
110とから構成されている。
【0036】前記イメージプロセッサ20は、前記ステ
レオ光学系10で撮像した2枚のステレオ画像対に対し
て微小領域毎に同一の物体が写っている部分を探索し、
対応する位置のずれ量を求めて物体までの距離を算出す
る距離検出回路20a、及び、この距離検出回路20a
の出力である距離分布データを記憶する距離画像メモリ
20bからなり、前記画像処理・車間距離制御用コンピ
ュータ110は、主として道路形状を検出する処理を行
なうマイクロプロセッサ110aと、主として個々の立
体物を検出する処理を行なうマイクロプロセッサ110
bと、主として先行車との車間距離を制御する処理を行
なうマイクロプロセッサ110cがシステムバス111
を介して並列に接続されたマルチマイクロプロセッサの
システム構成となっている。
【0037】そして、前記システムバス111には、前
記距離画像メモリ20bに接続されるインターフェース
回路112と、制御プログラムを格納するROM113
と、計算処理途中の各種パラメータを記憶するRAM1
14と、処理結果のパラメータを記憶する出力用メモリ
115と、前記ディスプレイ(DISP)9を制御する
ためのディスプレイコントローラ(DISP.CON
T.)116と、前記切換スイッチ7、前記車速センサ
8、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ19等
のセンサ・スイッチ類からの信号を入力するとともに、
前記スロットルアクチュエータ3、前記パーキングブレ
ーキアクチュエータ6等のアクチェータ類に制御信号を
出力する入出力(I/O)インターフェース回路117
とが接続されている。
【0038】前記画像処理・車間距離制御用コンピュー
タ110においては、各マイクロプロセッサ110a,
110b,110cが使用するメモリの領域が分けられ
ており、各マイクロプロセッサ110a,110bで前
記イメージプロセッサ20からの距離情報に基づいて道
路形状検出処理、立体物検出処理を実行し、検出した道
路形状と各立体物の位置、先行車との車間距離及び相対
速度等のデータを出力用メモリ115に出力する。
【0039】前記出力用メモリ115に記憶されたデー
タは、前記マイクロプロセッサ110cに読み込まれ、
先行車との車間距離を一定に保つため前記スロットルア
クチュエータ3とパーキングブレーキアクチュエータ6
とを制御し、また、先行車へ異常接近する可能性を事前
に推測し、警報を発する処理を行なう。
【0040】以下、前記イメージプロセッサ20、前記
画像処理・車間距離制御用コンピュータ110の機能に
ついて説明する。
【0041】前記ステレオ光学系10を構成する左右1
組のカメラは、図6に示すように、遠距離の左右画像用
としての2台のCCDカメラ11a,11b(代表して
CCDカメラ11と表記する場合もある)が、それぞれ
車室内の天井前方に一定の間隔をもって取り付けられる
とともに、近距離の左右画像用としての2台のCCDカ
メラ12a,12b(代表してCCDカメラ12と表記
する場合もある)が、それぞれ、遠距離用のCCDカメ
ラ11a,11bの内側に一定の間隔をもって取り付け
られている。
【0042】前記ステレオ光学系10として、直近から
例えば100m遠方までの距離計測を行なう場合、車室
内のCCDカメラ11、12の取付位置を、例えば、車
輌1のボンネット先端から2mとすると、実際には前方
2mから100mまでの位置を計測できれば良い。
【0043】そこで、近距離用のCCDカメラ12a,
12bでは、前方2mから20mまでの位置を計測し、
遠距離用のCCDカメラ11a,11bでは、前方10
mから100mまでの位置を計測すれば、近距離用CC
Dカメラ12と遠距離カメラ11とで前方10mから2
0mの間にオーバラップを有して信頼性を確保しつつ、
全ての範囲を計測することができる。
【0044】なお、本実施例では、渋滞時等の低速時に
比較的近距離の先行車を検出するために、遠距離用CC
Dカメラ11によるデータと近距離用CCDカメラ12
によるデータとを適宜選択して用いる。
【0045】以下に、イメージプロセッサ20による距
離の算出を、遠距離用CCDカメラ11で代表して説明
するが、近距離用CCDカメラ12に対しても同様の処
理により距離の算出が行われる。
【0046】すなわち、図7に示すように、遠距離用の
2台のCCDカメラ11a、11bの取付間隔をrとし
て、2台のカメラ11a,11bの設置面から距離Dに
ある点Pを撮影する場合、2台のカメラ11a,11b
の焦点距離を共にfとすると、点Pの像は、それぞれの
カメラについて焦点位置からfだけ離れた投影面に写
る。
【0047】このとき、右のCCDカメラ11bにおけ
る像の位置から左のCCDカメラ11aにおける像の位
置までの距離は、r+xとなり、このxをずれ量とする
と、点Pまでの距離Dは、ずれ量xから以下の式で求め
ることができる。
【0048】 D=r×f/x … (1) この左右画像のずれ量xは、エッジ、線分、特殊な形
等、何らかの特徴を抽出し、それらの特徴が一致する部
分を見つけ出すことによっても検出できるが、情報量の
低下を避けるため、前記イメージプロセッサ20では、
左右画像における同一物体の像を見つけ出す際に画像を
小領域に分割し、それぞれの小領域内の輝度あるいは色
のパターンを左右画像で比較して対応する領域を見つけ
出すことにより、小領域毎の距離分布を全画面に渡って
求める。
【0049】左右画像の一致度の評価すなわちステレオ
マッチングは、右画像、左画像のi番目画素の輝度(色
を用いても良い)を、それぞれ、Ai、Biとすると、例
えば、以下の(2)式に示すシティブロック距離Hによ
って行なうことができ、左右画像の各小領域間のシティ
ブロック距離Hの最小値が所定の条件を満たすとき、互
いの小領域が対応すると判断することができる。
【0050】 H=Σ|Ai−Bi| … (2) このシティブロック距離Hによるステレオマッチングで
は、平均値を減算することによる情報量の低下もなく、
乗算がないことから演算速度を向上させることができる
が、分割すべき小領域の大きさが大き過ぎると、その領
域内に遠方物体と近くの物体が混在する可能性が高くな
り、検出される距離が曖昧になる。従って、画像の距離
分布を得るためにも領域は小さい方が良いが、小さ過ぎ
ると逆に一致度を調べるための情報量が不足する。この
ため、例えば、100m先にある幅1.7mの車輌が、
隣の車線の車輌と同じ領域内に含まれないように、4つ
に分割される画素数を領域横幅の最大値とすると、前記
ステレオ光学系10に対して4画素となる。この値を基
準に最適な画素数を実際の画像で試行した結果、縦横共
に4画素となる。
【0051】以下の説明では、画像を4×4画素の小領
域で分割して左右画像の一致度を調べるものとし、ステ
レオ光学系10は、遠距離用のCCDカメラ11a,1
1bで代表するものとする。
【0052】前記イメージプロセッサ20の回路詳細
は、図8に示され、この回路では、距離検出回路20a
に、前記ステレオ光学系10で撮像したアナログ画像を
デジタル画像に変換する画像変換部30、この画像変換
部30からの画像データに対し、左右画像のずれ量xを
決定するためのシティブロック距離Hを画素を一つずつ
ずらしながら次々と計算するシティブロック距離計算部
40、シティブロック距離Hの最小値HMIN及び最大値
HMAXを検出する最小・最大値検出部50、この最小・
最大値検出部50で得られた最小値HMINが左右小領域
の一致を示すものであるか否かをチェックしてずれ量x
を決定するずれ量決定部60が備えられており、また、
距離画像メモリ20bとしてデュアルポートメモリ90
が採用されている。
【0053】前記画像変換部30では、左右画像用のC
CDカメラ11a,11bに対応してA/Dコンバータ
31a,31bが備えられ、各A/Dコンバータ31
a,31bに、データテーブルとしてのルックアップテ
ーブル(LUT)32a,32b、前記CCDカメラ1
1a,11bで撮像した画像を記憶する画像メモリ33
a,33bが、それぞれ接続されている。尚、前記画像
メモリ33a,33bは、後述するように、シティブロ
ック距離計算部40で画像の一部を繰り返し取り出して
処理するため、比較的低速のメモリから構成することが
でき、コスト低減を図ることができる。
【0054】各A/Dコンバータ31a,31bは、例
えば8ビットの分解能を有し、左右のCCDカメラ11
a,11bからのアナログ画像を、所定の輝度階調を有
するデジタル画像に変換する。すなわち、処理の高速化
のため画像の二値化を行なうと、左右画像の一致度を計
算するための情報が著しく失われるため、例えば256
階調のグレースケールに変換するのである。
【0055】また、LUT32a,32bはROM上に
構成され、前記A/Dコンバータ31a,31bでデジ
タル量に変換された画像に対し、低輝度部分のコントラ
ストを上げたり、左右のCCDカメラ11a,11bの
特性の違いを補正する。そして、LUT32a,32b
で変換された信号は、一旦、画像メモリ33a,33b
に記憶される。
【0056】前記シティブロック距離計算部40では、
前記画像変換部30の左画像用の画像メモリ33aに、
共通バス80を介して2組の入力バッファメモリ41
a,41bが接続されるとともに、右画像用の画像メモ
リ33bに、共通バス80を介して2組の入力バッファ
メモリ42a,42bが接続されている。
【0057】前記左画像用の各入力バッファメモリ41
a,41bには、2組の例えば8段構成のシフトレジス
タ43a,43bが接続され、右画像用の各入力バッフ
ァメモリ42a,42bには、同様に、2組の例えば8
段構成のシフトレジスタ44a,44bが接続されてい
る。さらに、これら4組のシフトレジスタ43a,43
b,44a,44bには、シティブロック距離を計算す
るシティブロック距離計算回路45が接続されている。
【0058】また、前記右画像用のシフトレジスタ44
a、44bには、後述するずれ量決定部60の2組の1
0段構成のシフトレジスタ64a,64bが接続されて
おり、次の小領域のデータ転送が始まると、シティブロ
ック距離Hの計算の終わった古いデータはこれらのシフ
トレジスタ64a,64bに送られ、ずれ量xの決定の
際に用いられる。
【0059】また、シティブロック距離計算回路45
は、加減算器に入出力ラッチをつなげてワンチップ化し
た高速CMOS型演算器46を組み合わせており、図9
に詳細が示されるように、演算器46を16個ピラミッ
ド状に接続したパイプライン構造で、例えば8画素分を
同時に入力して計算するようになっている。このピラミ
ッド型構造の初段は、絶対値演算器、2段〜4段は、そ
れぞれ、第1加算器、第2加算器、第3加算器を構成
し、最終段は総和加算器となっている。尚、図8におい
ては、絶対値計算と1,2段目の加算器は半分のみ表示
している。
【0060】また、前記各入力バッファメモリ41a,
41b,42a,42bは、シティブロック距離計算の
速度に応じた比較的小容量の高速タイプであり、入出力
が分離し、クロック発生回路85から供給されるクロッ
クに従って、#1アドレスコントローラ86によって発
生されるアドレスが共通に与えられる。また、4組のシ
フトレジスタ43a,43b,44a,44bとの転送
は、#2アドレスコントローラ87によって制御され
る。
【0061】前記最小・最大値検出部50は、シティブ
ロック距離Hの最小値HMINを検出する最小値検出回路
51とシティブロック距離Hの最大値HMAXを検出する
最大値検出回路52とを備えており、前記シティブロッ
ク距離計算回路45と同様の高速CMOS型演算器を最
小値、最大値検出用として2個使用した構成となってお
り、シティブロック距離Hの出力と同期が取られるよう
になっている。
【0062】図10に示すように、最小値検出回路51
は、具体的には、Aレジスタ46a、Bレジスタ46
b、及び、算術論理演算ユニット(ALU)46cから
なる演算器46に、Cラッチ53,ラッチ54,Dラッ
チ55を接続して構成され、シティブロック距離計算回
路45からの出力が、Aレジスタ46aと、Cラッチ5
3を介してBレジスタ46bとに入力され、ALU46
cの出力の最上位ビット(MSB)がラッチ54に出力
される。このラッチ54の出力は、Bレジスタ46b及
びDラッチ55に出力され、演算器46での最小値計算
の途中の値が、Bレジスタ46bに保存されるととも
に、そのときのずれ量δがDラッチ55に保存されるよ
うになっている。尚、最大値検出回路52については、
論理が逆になることと、ずれ量δを保存しないこと以外
は、最小値検出回路51と同様の構成である。
【0063】前述したようにシティブロック距離Hは、
一つの右画像小領域に対し、左画像小領域を1画素ずつ
ずらしながら順次計算されていく。そこで、シティブロ
ック距離Hの値が出力される毎に、これまでの値の最大
値HMAX、最小値HMINと比較、更新することによって、
最後のシティブロック距離Hの出力とほぼ同時に、その
小領域におけるシティブロック距離Hの最大値HMAX、
最小値HMINが求まるようになっている。
【0064】前記ずれ量決定部60は、比較的小規模の
RISCプロセッサとして構成され、演算器61を中心
として、2本の16ビット幅データバス62a,62
b、ずれ量xを保持するラッチ63a、第1の規定値と
してのしきい値HAを保持するラッチ63b、第2の規
定値としてのしきい値HBを保持するラッチ63c、第
3の規定値としてのしきい値HCを保持するラッチ63
d、右画像の輝度データを保持する2組のシフトレジス
タ64a,64b、演算器61の出力を受けてずれ量x
または”0”を出力するスイッチ回路65、そして出力
された結果を一時保存する出力バッファメモリ66a,
66b、回路の動作タイミングや演算器61の機能の制
御プログラムが書き込まれた16ビット幅のROM67
が備えられている。
【0065】前記演算器61は、ALU70を中心とし
て、Aレジスタ71、Bレジスタ72、Fレジスタ7
3、及び、セレクタ74からなり、前記データバス62
a(以下、Aバス62aとする)にAレジスタ71が接
続されるとともに、前記データバス62b(以下、Bバ
ス62bとする)にBレジスタ72が接続され、ALU
70の演算結果で前記スイッチ回路65を作動し、ずれ
量xまたは“0”が前記出力バッファメモリ66a,6
6bに格納されるようになっている。
【0066】前記Aバス62aには、各しきい値HA、
HB、HCを保持するラッチ63b,63c,63d、前
記最大値検出回路52が接続され、前記Bバス62bに
は、前記最小値検出回路51が接続されている。さら
に、前記Aバス62a及びBバス62bには、前記各シ
フトレジスタ64a,64bが接続されている。
【0067】また、前記スイッチ回路65には、前記演
算器61が接続されるとともに、前記ラッチ63aを介
して前記最小値検出回路51が接続され、後述する3つ
のチェック条件が演算器61で判定され、その判定結果
に応じて前記出力バッファメモリ66a,66bへの出
力が切り換えられる。
【0068】このずれ量決定部60では、得られたシテ
ィブロック距離Hの最小値HMINが本当に左右小領域の
一致を示しているものかどうかチェックを行い、条件を
満たしたもののみ、出力バッファメモリ66a,66b
の対応する画素の位置にずれ量xを出力する。
【0069】すなわち、シティブロック距離Hが最小と
なるずれ量が求めるずれ量xとなる訳であるが、以下の
3つのチェック条件を満足した場合にずれ量xを出力
し、満足しない場合には、データを採用せずに“0”を
出力する。
【0070】(1)HMIN ≦HA (HMIN >HA のとき
には距離を検出できず。) (2)HMAX −HMIN ≧HB (得られた最小値HMIN が
ノイズによる揺らぎより明らかに低くなっていることを
チェックするための条件であり、最小値HMIN の近傍の
値との差でなく、最大値HMAX との差をチェック対象と
することにより、曲面等の緩やかに輝度の変わる物体に
対しても距離検出が行なえる。) (3)右画像の小領域内の横方向の隣接画素間の輝度差
>HC (しきい値HC を大きくするとエッジ検出となる
が、輝度が緩やかに変化している場合にも対応可能なよ
うに、しきい値HC は通常のエッジ検出レベルよりはず
っと低くしてある。この条件は、輝度変化のない部分で
は、距離検出が行なえないという基本的な原理に基づい
ており、小領域中の画素毎に行なわれるため、小領域の
中でも実際に距離の検出された画素のみが採用されるこ
とになり、自然な結果が得られる。) このずれ量決定部60から出力される最終結果である距
離分布情報は、距離画像メモリ20bとしてのデュアル
ポートメモリ90へ共通バス80を介して書き込まれ
る。
【0071】以上のイメージプロセッサ20から出力さ
れる距離分布情報は、画像のような形態をしており(距
離画像)、CCDカメラ11で撮影した画像、例えば図
11に示すように、立体物を撮像した画像(図11は片
方のカメラで撮像した画像を示す)を前記イメージプロ
セッサ20で処理すると、図12のような画像となる。
【0072】図12に示す距離画像の例では、画像サイ
ズは横400画素×縦200画素であり、距離データを
持っているのは黒点の部分で、これは図11の画像の各
画素のうち、左右方向に隣合う画素間で明暗変化が大き
い部分である。画像上の座標系は、図12に示すよう
に、左上隅を原点として横方向をi座標軸,縦方向をj
座標軸とし、単位は画素である。
【0073】この距離画像は、画像処理・車間距離制御
用コンピュータ110に読み込まれ、前方に存在する他
の車輌や障害物等の複数の物体が検出され、その位置と
大きさ、位置の時間変化による自車との相対速度等が算
出され、さらに、検出した物体の輪郭像が抽出される。
【0074】この場合、前記画像処理・車間距離制御用
コンピュータ110では、物体の3次元的な位置情報を
利用し、道路と物体の区別は道路表面からの高さによっ
て行い、物体と背景の区別は距離の値によって行なう。
そのため、前記画像処理・車間距離制御用コンピュータ
110では、まず、前記イメージプロセッサ20からの
距離画像の座標系を、自車(車輌1)を取り巻く実空間
の座標系に変換し、検出した立体物に対し、位置や大き
さを計算する。
【0075】すなわち、図13及び図14に示すよう
に、実空間の座標系を車輌1固定の座標系とし、X軸を
車輌1の右側側方、Y軸を車輌1の上方、Z軸を車輌1
の前方、原点を2台のCCDカメラ11a(12b),
11b(12b)の中央の真下の道路面とすると、XZ
平面(Y=0)は、道路が平坦な場合、道路面と一致す
ることになり、画像中の距離情報(i,j,Z)から被
写体の3次元位置(X,Y,Z)を算出するには、以下
の(3),(4)式により一種の座標変換を行なう。
【0076】 Y=CH−Z×PW×(j−JV) … (3) X=r/2+Z×PW×(i−IV) … (4) ここで、 CH :CCDカメラ11(CCDカメ
ラ12)の取付け高さ、 PW :1画素当たりの視野角、 JV,IV:車輌1の真正面の無限遠点の画像上の座標
である。
【0077】また、実空間の3次元座標(X,Y,Z)
から画像上の位置(i,j)を算出する式も、前記
(3),(4)式を変形し、次のようになる。
【0078】 j=(CH−Y)/(Z×PW)+JV … (5) i=(X−r/2)/(Z×PW)+IV … (6) 尚、CCDカメラ11の取り付け位置を、前記実空間の
XYZ座標系で示すと、例えば、右側のCCDカメラ1
1bは、X=0.45m,Y=1.24m,Z=0.0
m(CCDカメラ12bはXのみ相違し、X=0.20
m)であり、左側のCCDカメラ11aは、X=−0.
45m,Y=1.24m,Z=0.0m(CCDカメラ
12aは、X=−0.20m)となる。
【0079】図15は、前記画像処理・車間距離制御用
コンピュータ110の機能構成を示すものであり、主と
して、マイクロプロセッサ110aによる道路検出部1
30と、マイクロプロセッサ110bによる物体認識部
140と、マイクロプロセッサ110cによる車間距離
制御部160とに大別され、道路検出部130及び物体
認識部140の処理結果が、出力用メモリ115からな
る道路・立体物パラメータ記憶部150に記憶され、前
記マイクロプロセッサ110cによる車間距離制御部1
60、及び、ADAのための図示しない他の装置に読み
込まれる。
【0080】さらに、前記道路検出部130の機能は、
道路形状推定部131、3次元ウインドウ発生部13
2、直線要素検出部133、道路形状判定部134に細
分され、前記物体認識部140の機能は、物体検出部1
41、3次元ウインドウ発生部142、物体輪郭像抽出
部143に細分される。また、前記車間距離制御部16
0の機能は、車間距離制御手段の機能を実現するための
スロットル制御部161及びブレーキ制御部162、警
報出力手段の機能を実現するための警報判断部163に
細分される。
【0081】前記道路検出部130では、距離画像メモ
リ20bに記憶された距離画像による3次元的な位置情
報を利用し、実際の道路上の白線だけを分離して抽出
し、内蔵した道路モデルのパラメータを、実際の道路形
状と合致するよう修正・変更して道路形状を認識する。
【0082】実際の画像では、道路上の白線に先行車な
どが重なって写るが、画像に写った道路の白線を2次元
的な特徴を頼りに検出する従来の多くの装置では、白線
と立体物とを2次元的な特徴によって分離することは困
難な場合が多いが、本装置では、白線の3次元的な位置
情報を利用することにより、確実に白線と立体物とを分
離することができる。すなわち、3次元空間では白線は
道路の平面上にあり、一方、先行車などの立体物は道路
平面より高い位置にある。そこで、道路面からの高さに
よって白線と立体物を区別するのである。
【0083】さらに、道路検出部130には道路モデル
が内蔵されており、この道路モデルは、認識対象範囲ま
での道路の自車線を、設定した距離によって複数個の区
間に分け、各区間毎に左右の白線を、後述する3次元の
直線式で近似して折れ線状に連結したものであり、左右
の折れ線で囲まれた範囲を自車輌の走行車線と判断す
る。道路形状の認識とは、3次元の直線式のパラメータ
を導出するプロセスともいえる。
【0084】図16は道路モデルの例であり、例えば、
前方84mまでの道路を、第0区間R0,第1区間R1,
第2区間R2,…,第6区間R6の7区間に分け、左カー
ブを近似表現したものである。この道路モデルでは、7
個の区間で道路を近似表現することにより、直線路のみ
でなくカーブやS字路も十分な精度で表現でき、また、
各区間は直線で表現されるため、計算処理や取扱いが簡
単である。さらに、後述するように、各区間は、水平方
向及び垂直方向の直線式で表され、道路の上り下りや凹
凸などの、道路の上下方向の形状も表現できる。
【0085】尚、前記道路モデルの各区間を区切る距離
の値は、走行する道路のカーブの曲率に応じて変更する
必要がある。一般の高速道路ではカーブの半径は最小で
230m程度に設計されているため、このような場合、
各区間の区切り距離を、10m,17m,25m,35
m,48m,64m,84mにすると良好な結果が得ら
れる。
【0086】次に、前記道路検出部130の機能を詳細
に説明する。道路形状推定部131では、前回(Δts
ec前)の道路形状の認識結果を基にし、車速センサ
8、舵角センサ19からの出力信号を使ってΔt秒間の
車輌1の動きを算出し、Δt秒後の車輌1の位置から見
た道路形状を推定する。
【0087】すなわち、車速センサ8の出力信号をV
(m/sec)、ステアリングコラムに取り付けた舵角
センサ19の出力信号(操舵角)をη(rad)とする
と、Δt秒間の車輌1の前進量ΔZ(m)と回転角(ヨ
ー角)Δθ(rad)は、一般に次式で概算できる。
【0088】 ΔZ=V×Δt … (7) Δθ=ΔZ×tan(η/rs)×1/wb … (8) ここで、rs:ステアリングと前輪の回転比、 wb:車輌のホイールベースである。
【0089】従って、前回の処理で検出した道路形状を
ΔZだけ手前に移動し、さらに、Δθだけ車輌1の回転
と逆方向に道路形状を回転させることにより、Δt秒後
の道路の概略の位置と形状が推定できるのである。
【0090】3次元ウインドウ発生部132では、推定
した道路形状RDを表す左右の折れ線の内の一つの直線
要素Ldを中心として、図17に示すような直方体状の
3次元空間領域すなわち3次元ウインドウWD3Aを設定
し、この設定した3次元ウインドウWD3Aが、図18に
示すように、2次元の画像上でどのように見えるかを計
算し、ウインドウ輪郭線の内側(図18中の斜線部分)
を2次元ウインドウWD2Aとし、この中のデータのみを
検出対象とする。
【0091】3次元ウインドウWD3Aから2次元ウイン
ドウWD2Aを求めるには、3次元ウインドウWD3Aの8
個の頂点の各座標(Xn,Yn,Zn)から、前述した
(5)(6)式を用いて画像上の座標(in,jn)を
計算し、これらの点を包絡する多角形を計算する。
【0092】この3次元ウインドウWD3Aは、長さを各
区間の区切り距離(例えば、第1区間R1では前方10
〜17m)と等しくし、一方、高さと幅は、車速などの
状況に応じて変化させるが、道路形状の推定に誤差があ
り、実際の白線の位置とのずれが予想される場合には、
高さや幅を大きくして検出する範囲を広くする。しか
し、ウインドウを大きくし過ぎると、道路周辺の縁石や
草木なども検出してしまい、誤認識の原因となるため、
ウインドウの大きさを適切に選定することは重要であ
る。一般の高速道路の走行では、試験の結果、高さ0.
4m〜0.8m、幅0.4〜1.6mの範囲で変化させ
ると良いことがわかっている。
【0093】このように、2次元の画像上では道路の白
線と立体物が重なり合っていても、3次元ウィンドウを
設定して道路の表面付近のデータのみを抽出することに
より、白線を立体物と区別して検出できる。また、道路
周辺には縁石や草木などもあるが、3次元ウィンドウを
設定して白線があると推定される位置の近辺のデータの
みを抽出することによって、道路上の白線をこれらの縁
石や草木などと区別して検出できる。さらには、2次元
ウィンドウを設定することにより、探索する領域及びデ
ータ数を少なくして処理時間を短縮することができるの
である。
【0094】直線要素検出部133では、先に推定した
道路形状の直線要素Ldに対し、被写体の3次元位置の
X方向のずれ量ΔX、Y方向のずれ量ΔYを計算し、こ
のずれ量ΔX,ΔYに応じて設定した重み係数を各デー
タに掛け、最小自乗法により、水平方向(XZ方向)及
び垂直方向(YZ)方向の直線式を導出してパラメータ
を求める。
【0095】詳細には、まず、2次元ウインドウWD2A
内の画素を順次サーベイして行き、距離データを持って
いる画素について、前述の(3),(4)式を用いて被
写体の3次元位置(X,Y,Z)を計算し、距離Zの値
が3次元ウインドウWD3Aの長さの範囲(例えば、第1
区間R1ではZ=10〜17m)の外にある距離データ
は検出対象から除外する。
【0096】すなわち、3次元ウインドウWD3Aの向こ
う側や手前側にある物体の画像は、2次元ウインドウW
D2A内に写り込むため、2次元ウインドウWD2A内でサ
ーベイされる被写体は、3次元ウインドウWD3Aに包含
されるとは限らない。そこで、各画素の被写体の3次元
位置(X,Y,Z)を計算し、3次元ウインドウWD3A
に含まれるか否かを判別するのである。
【0097】続いて、先に推定した道路形状の直線要素
Ldと被写体の3次元位置を比較して図19に示すよう
なデータDiのX方向、Y方向のずれ量ΔXi、ΔYi
を計算し、3次元ウインドウWD3Aの幅、高さの範囲内
にあるデータのみを選別した後、X方向、Y方向のずれ
量ΔXi、ΔYiに応じたデータDiの重み係数を決定
する。
【0098】前記重み係数は、図20に示すように、例
えば、中心を1.0、周辺を0.0とする放物線状で、
X方向の重み係数fxとY方向の重み係数fyの積を、
そのデータDiの重み係数としている。また、重み係数
が0.0以上となるX方向、Y方向の範囲は、3次元ウ
インドウWD3Aの幅、高さと同一とするか、あるいは、
これらより大きくする。
【0099】各データDiに対して、前記重み係数を掛
けた後、最小自乗法を用いて、以下の(9),(10)
式に示す水平方向及び垂直方向の直線式を導出し、パラ
メータa,b,c,dを求め、これを新しい直線要素L
dの候補とする。
【0100】 水平方向:X=a×Z+b … (9) 垂直方向:Y=c×Z+d … (10) 同時に、重み係数が設定値(例えば、0.05〜0.1
程度)以上のデータについて、その個数と、それらのデ
ータが分布する距離Zの範囲を調べ、データ数が設定値
(例えば、10個程度)以下の場合、または距離Zの範
囲が3次元ウインドウWD3Aの長さ(例えば、第1区間
R1ではZ=10m〜17mの長さ7m)の1/2以下の場
合には、正確な直線要素Ldの候補は得られていないと
判断し、前記で求めた直線式は棄却し、候補なしとす
る。
【0101】以上の処理を、左右および手前側から遠方
側の区間に向かって順次行い、道路モデルを構成する全
ての直線要素Ldの候補を求める。この場合、3次元ウ
ィンドウの幅の設定が大き過ぎると、道路周辺の縁石や
草木などが3次元ウィンドウの端に掛かって来る場合が
あるが、前記直線要素検出部133では、各データに重
み係数を掛けて3次元ウィンドウの周辺部の重みを小さ
くすることにより、万一、縁石や草木などが掛かってき
た場合にも、これらの影響を小さくし、安定して白線の
直線式が導出できるのである。
【0102】道路形状判定部134では、各区間につい
て、左右両方の直線要素Ldの候補について、水平方向
及び垂直方向の平行度から妥当性を判定する。その判定
の結果、妥当と判定した場合には、両方を新しい直線要
素Ldの候補として採用し、一方、左右いずれかの直線
要素Ldの候補が正確でないと判定した場合には、直線
要素Ldの代用、補完を行なう。そして、求められた各
直線要素Ldのパラメータを道路・立体物パラメータ記
憶部150に出力する。
【0103】具体的には、まず、左側の直線要素Ldに
対する(9)式のパラメータ(以下、左側を表すL、右
側を表すRを各パラメータに付加して示す)aLと、右
側の直線要素Ldに対する(9)式のパラメータaRと
の差異から、水平方向の平行度を調べ、設定値(例え
ば、5°程度)以上の場合には、左右いずれかの直線要
素Ldは不正確であると判定する。同様にして、パラメ
ータcRとパラメータcLの差異から垂直方向の平行度
を調べ、設定値(例えば、1°程度)以上の場合は、い
ずれかの直線要素は不正確であると判定する。
【0104】この判定の結果、水平方向及び垂直方向い
ずれの平行度も条件を満たす場合には、両方が新しい直
線要素として採用されるが、左右いずれかの直線要素L
dが不正確と判定されると、左右の各々の直線要素Ld
の候補と先に推定した道路形状の位置とを比較し、ずれ
量が少ない方を新しい直線要素Ldとして採用し、他方
は棄却して候補なしとする。
【0105】そして、平行度の判定により左右いずれか
の直線要素Ldが候補なしとされた場合、あるいは、道
路上の白線が破線状であったり、障害物に隠れて見えな
いためにデータが不足して左右いずれかの直線要素Ld
が候補なしと判定された場合には、検出された側の直線
要素Ldを車線の幅だけ並行移動して代用する。さら
に、左右両方の直線要素Ldが候補なしの場合には、先
に推定した道路形状の直線要素Ldを代用する。これに
より、部分的に直線要素の検出失敗や誤検出が起こって
も、全体としては安定した道路形状が得られるのであ
る。
【0106】図21は、道路検出部130によって検出
された道路形状を図式化した説明図あり、左右の白線に
沿って直線要素が検出されている。前方の車輌に隠れて
見えない部分も、上述したように補完することによって
良好に推定される。尚、左右の直線要素の間の横線は、
各区間の境界である。
【0107】次に、前記物体認識部140における物体
検出部141、3次元ウインドウ発生部142、及び、
物体輪郭像抽出部143の各機能を詳細に説明する。
【0108】物体検出部141では、イメージプロセッ
サ20からの距離画像を格子状に所定の間隔(例えば、
8〜20画素間隔)で区分し、各領域毎に、走行の障害
となる可能性のある立体物のデータのみを選別し、その
検出距離を算出する。
【0109】図22は、車輌1から前方風景を撮像した
明暗画像の上に、格子状の領域を設定した説明図であ
り、実際には、図12の距離画像を、このように区分す
る。本実施例では、12画素間隔で33個の小領域に区
分する。すなわち、画像を多数の領域に分割して物体を
探すことにより、複数の物体を同時に検出することがで
きるようになっている。
【0110】各領域における被写体は、画像上の座標
(i,j)と距離データZから、前述の(3),(4)
式を使って実空間の3次元位置(X,Y,Z)が算出さ
れ、さらに、先に検出した道路形状の式(10)を使っ
て、距離Zに於ける道路表面の高さYrが計算される。
被写体の道路表面からの高さHは、次の(11)式で計
算することができる。
【0111】 H=Y−Yr … (11) 高さHが0.1m程度以下の被写体は、道路上の白線や
汚れ、影などであり、走行の障害になる物体ではないと
考えられるため、この被写体のデータは棄却する。ま
た、車輌1の高さより上にある被写体も、歩道橋や標識
などと考えられるので棄却し、道路上の障害となる立体
物のデータのみを選別する。これにより、2次元の画像
上で物体が道路などと重なり合っていても、道路表面か
らの高さによってデータを区別し、物体のみを検出でき
る。
【0112】次に、このようにして抽出された立体物の
データに対して、予め設定された距離Zの区間に含まれ
るデータの個数を数え、距離Zを横軸とするヒストグラ
ムを作成する。図23は先行車輌500を検出物体とす
るヒストグラムである。
【0113】設定する距離Zの区間の長さや区間の個数
は、距離Zの検出限界や精度および検出対象の物体の形
状などを考慮して決定する必要があり、例えば高速道路
の走行を対象にする場合には、区間長さは、10m前方
では約1.5m、100m前方では約15m程度にする
と良い。
【0114】前記ヒストグラムにおいては、入力される
距離画像中の距離データには、誤って検出された値も存
在するので、実際には物体の存在しない位置にも多少の
データが現れる。しかし、ある程度の大きさの物体があ
ると、その位置の度数は大きな値を示し、一方、物体が
何も存在しない場合には、誤った距離データのみによっ
て発生する度数は小さな値となる。
【0115】従って、作成されたヒストグラムの度数
が、予め設定した判定値以上かつ最大値をとる区間があ
れば、その区間に物体が存在すると判断し、度数の最大
値が判定値以下の場合は、物体が存在しないと判断する
ことにより、画像のデータに多少のノイズが含まれてい
る場合においても、ノイズの影響を最小限にして物体を
検出できる。
【0116】物体が存在すると判断されると、検出され
た区間と、その前後に隣接する区間に含まれている立体
物のデータの距離Zの平均値を計算し、この値を物体ま
での距離と見なす。
【0117】このような物体までの距離検出の処理を全
領域について行なった後、各領域の物体の検出距離を調
べ、隣接する領域において物体までの検出距離の差異が
設定値以下の場合は同一の物体と見なし、一方、設定値
以上の場合は別々の物体と見なす。
【0118】具体的には、まず、左端の領域AR1を調
べ、物体が検出されている場合には、それを物体S1、
距離をZ1とする。次に右隣の領域AR2を調べ、物体が
検出されていない場合には、物体S1は領域AR1の内部
とその近辺に存在し、その距離はZ1と判定し、物体が
検出され、その検出距離がZ2である場合には、距離Z1
とZ2の差を調べる。
【0119】そして、距離Z1とZ2の差が設定値以上の
場合、領域AR2で検出された物体は、先に検出された
物体S1とは異なると判定し、新たに物体S2、距離Z2
とし、さらに右隣の領域を調べて行く。
【0120】一方、距離Z1とZ2の差が設定値以下の場
合には、領域AR2で検出された物体は、先に検出され
た物体S1であると判定し、その距離はZ1とZ2の平均
値とし、さらに右隣の領域を順次調べて行き、連続して
物体S1があると判定されれば、距離と存在領域を更新
してゆく。
【0121】従来、2次元の画像上で物体の周囲に遠方
の背景が写っている場合には物体のデータだけを抽出す
ることは困難であったが、本装置では、以上のような処
理を左端の領域AR1から右端の領域AR33まで行なっ
て距離の値によってデータを区別することにより、複数
の物体とその距離、存在領域を背景と区別して検出する
ことができ、さらには、2次元の画像上で複数の物体が
重なり合って写っている場合においても、各々の物体の
距離の違いによって、それらを区別して検出できるので
ある。
【0122】尚、前記設定値は、自動車を検出する場合
には4m〜6m程度、歩行者を検出する場合には1m〜
2m程度にすると良いことが実験的に得られている。
【0123】図24は、以上の処理で検出した物体の存
在領域を枠線で示したものであり、この例では3個の物
体が検出されている。尚、図の下側の数値は各物体の検
出距離である。
【0124】3次元ウインドウ発生部142では、前記
物体検出部141で検出された各々の物体について、図
25に示すような3次元空間で、検出物体(先行車輌)
500を包含する直方体状の3次元空間領域すなわち3
次元ウインドウWD3Bを設定し、この設定した3次元ウ
インドウWD3Bが、2次元の画像上でどのように見える
かを計算し、ウインドウ輪郭線の内側を2次元ウインド
ウWD2Bとして、この中のデータのみを検出対象とす
る。
【0125】前記物体検出用の3次元ウインドウWD3B
の横幅は、物体の存在領域より左右に1領域分だけ拡張
した範囲とする。これは、ある領域に物体の左右端の一
部分のみが掛かっている場合には、その物体はヒストグ
ラム上で大きな値とならず、別の物体が検出される可能
性があるため、このような場合を考慮してウインドウの
範囲を拡大しておくものである。
【0126】また、3次元ウインドウWD3Bの距離Z方
向の長さは、その物体の検出距離におけるヒストグラム
の区間長さを、その検出距離の前後に加えた範囲とす
る。3次元ウインドウWD3Bの下端は、道路表面の高さ
に約0.1mを加えた位置とし、上端は物体検出のため
に区分した各領域の上端とする。
【0127】尚、物体検出用の3次元ウインドウWD3B
から物体検出用の2次元ウインドウWD2Bを求める処理
は、先に道路検出部130の3次元ウインドウ発生部1
32において説明した処理と同様である。
【0128】図26は、先に図24で示した3個の検出
物体の内の1個について、2次元ウインドウWD2Bを設
定した例を示したものである。
【0129】物体輪郭像抽出部143では、前記2次元
ウインドウWD2B内の各データを順次サーベイし、3次
元ウインドウWD3Bに含まれるデータのみを選別し、検
出した物体の輪郭像を抽出する処理を行ない、検出物体
の位置、速度、加速度など自車輌との位置関係量を検出
して自車輌1に対する先行車を特定し、その車間距離及
び相対速度を算出する。
【0130】すなわち、まず、物体毎に2次元ウインド
ウWD2B内の各データを順次サーベイし、距離データを
持っている画素について、前述の(3),(4)式を用
いて3次元位置(X,Y,Z)を計算した後、距離や高
さの値が3次元ウインドウWD3Bの範囲内にあるデータ
のみを抽出し、他は棄却する。
【0131】このようにして抽出したデータを、2次元
の画像上に投影して表示すると図27のようになる。さ
らに、これらのデータの外形を線分で連結すると、図2
8に示すような物体の輪郭像が得られる。この輪郭像の
左右端および上端の画像上での座標(i,j)を検出
し、続いて、その物体の検出距離Zと(3),(4)式
を用いて、3次元空間での物体の左右端と上端の位置を
算出すると、左右端の位置から物体の横幅が求まり、上
端の位置から物体の高さが求まる。図28においては、
幅1.7m、高さ1.3mの物体と判別できる。
【0132】また、物体の左右端の中心位置(X,Z)
を計算し、これの距離Zの時間的な変化から、自車輌1
から見た物体の前後方向の相対速度が算出され、また、
位置Xの左右方向の時間的な変化から左右方向の相対速
度が算出される。さらに、車速センサ8から入力される
自車の走行速度に物体の相対速度を加算すると、道路面
に対する物体の走行速度が算出され、この走行速度の時
間変化から各物体の加速度が算出される。
【0133】続いて、検出した各物体の位置と先に検出
した道路の車線の位置を比較し、その物体が自車線上に
あるのか、あるいは左右の車線上にあるのか、或いは道
路外にあるのかを調べ、それぞれに分類する。例えば、
前方を複数の車輌が走行し、さらに、道路がカーブして
いる場合には、その道筋に沿って各物体の位置を比較
し、自車線上で最も手前に存在する物体を先行車と判断
し、その物体までの距離を車間距離とする。
【0134】以上のようにして求められた各物体の位
置、形状、速度、加速度、及び、これらのデータから特
定される先行車との車間距離等のパラメータが、道路・
立体物パラメータ記憶部150に記憶されると、これら
のデータが前記車間距離制御部160に読み込まれ、車
間距離制御が行なわれる。
【0135】前記車間距離制御部160では、スロット
ル制御部161によるスロットルアクチュエータ3の制
御処理と、ブレーキ制御部162によるパーキングブレ
ーキアクチュエータ6の制御処理とを相互に実行して先
行車との車間距離を一定に保つとともに、これらの処理
に並行して警報判断部163による先行車への異常接近
の可能性を予測する処理を行ない、異常接近の可能性が
ある場合には、前記ディスプレイ9により警報を発す
る。以下、これらの処理について説明する。
【0136】まず、前記スロットル制御部161では、
車速センサ8から自車輌1の走行速度Ve を入力し、先
行車との相対速度Vr から、先行車の走行速度VQを以
下の(12)式で算出すると、次に、目標とする車間距
離Dsを、例えば、以下の(13)式で求める。
【0137】 VQ=Ve +Vr … (12) Ds =DsQ−Ve2/(2.0×Ae) +VQ2/(2.0×AQ)+Dm … (13) ここで、(13)式の第1項DsQは、自車及び先行車が
停止した状態での目標車間距離(例えば4m程度の値)
であり、第2項(Ve2/2.0×Ae)は、自車輌1が
速度Veから減速度Aeで制動した時の制動距離である。
減速度Aeは、パーキングブレーキ5の制動能力や、運
転者の乗り心地などを考慮して設定され、例えば−1.
0m/s2程度の値である。尚、パーキングブレーキア
クチュエータ6は、ブレーキ作動時に発生する減速度A
eがこのような値となるように、予めワイヤケーブル6
aの長さ等を調節しておく。
【0138】また、(13)式の第3項(Ve2/2.0
×AQ)は、先行車が減速度AQで制動を加えたと仮定し
た場合の推定制動距離である。ここでAQの値は、例え
ば、先行車が急ブレーキを掛けた状態を想定して、−
6.0m/s2程度の値(一定値)に設定しておく。さ
らに、第4項のDmは、車間距離の余裕であり、例えば
2m〜5m程度に設定しておく。
【0139】次に、以上のようにして設定した目標車間
距離Dsと現在の車間距離Drとの差及び相対速度Vrか
ら先行車の状態が自車輌の速度を制御する速度制御モー
ドのいずれに該当するかを判断し、該当する速度制御モ
ードに応じてスロットルバルブ2の開度Tsを決定す
る。速度制御モード判断についての概念を、車間距離を
縦軸、相対速度を横軸とする図29を使って説明する。
【0140】図29において、相対速度Vrが正で車間
距離が0である点と目標車間距離Dsとを両端点とする
境界線S1を、以下の(14)式で設定し、相対速度V
rが負で先行車の検出限界距離に位置する点と目標車間
距離Ds とを両端点とする境界線S2を以下の(15)
式で設定する。
【0141】 Dr =Ds −Vr2/(2.0×Aa) … (14) Dr =Ds −Vr2/(2.0×Ac) … (15) ここで、(14)式におけるAaは、自車輌1がスロッ
トルバルブ2を開いて加速した場合に発生する加速度の
推定値であり、例えば、0.2m/s2程度の値であ
る。また、(15)式におけるAcは、自車輌1がスロ
ットルバルブ2を全閉とし、エンジンブレーキによって
減速した場合に発生する減速度であり、例えば−0.2
m/s2程度の値である。
【0142】そして、前記各境界線S1,S2の左下側
を領域R3、前記境界線S2より上側を領域R2、境界
線S1より上側を領域R1、先行車なしと判断される検
出限界距離以上を領域R4とし、検出される先行車との
車間距離Dr及び相対速度Vrがどの領域に位置するかに
応じて、スロットルバルブ2の開度を決定する。
【0143】すなわち、先行車が領域R3の中に存在す
る場合には、スロットルバルブ2は全閉として減速を行
なう速度制御モードであり、先行車が領域R2内に存在
する場合には、スロットル開度Tsは、例えば以下の
(16)式のように、車間距離Drと目標値Dsとの差に
比例させる速度制御モードである。
【0144】 Ts =K2 ×(Dr −Ds )+Tv … (16) ここで、(16)式におけるTv は、現在の速度Veを
維持するのに必要なスロットル開度であり、それぞれの
車輌特性によって決まる値である。従って、車輌毎に予
め特性を計測しておき、速度Veとスロットル開度Tvと
の関係を求めておく。K2は比例定数で、やはり車輌毎
に適切な値を決定しておく。
【0145】また、先行車が領域R1内に存在する場
合、スロットル開度Ts は、例えば以下の(17)式及
び(18)式によって決定される速度制御モードであ
る。
【0146】 Ts =K2 ×(Dr′−Ds)+Tv … (17) Dr′=Dr +Vr2/(2.0×Aa) … (18) (18)式のDr′は、自車輌1を加速度Aaで加速し
た場合に、先行車との相対速度Vrが減少し、ついには
0となった場合の車間距離の推定値であり、このDr′
を前述の(15)式中のDrをDr′に置き換えることに
より、(17)式が得られるのである。
【0147】さらに、先行車が検出限界距離以上である
領域R4では、自車輌1は所定の速度(例えば10km
/h)で一定となるようにスロットル開度Tsを制御す
る速度制御モードとなる。尚、領域R1,R2でスロッ
トル開度Tsを制御する場合にも、速度に制限値(例え
ば10km/h)を設け、この速度を超えないようにす
る。
【0148】以上のようにしてスロットル開度Tsを決
定し、サーボモータあるいは空気圧によって動作するス
ロットルアクチュエータ3に信号を送り、スロットルバ
ルブ2の開度を制御する。
【0149】一方、前記ブレーキ制御部162では、車
間距離Dr、先行車の速度VQ,自車の速度Veなどの計
測値から、パーキングブレーキ5を作動させる速度制御
モードの判断を行なう。
【0150】まず、パーキングブレーキ5の制御に必要
な車間距離Dnを、以下の(19)式で計算する。この
(19)式は、前述の(13)式から、車間距離の余裕
Dm(第4項)を除いたものである。
【0151】 Dn =DsQ−Ve2/(2.0×Ae) +VQ2/(2.0×AQ) … (19) 次に、現在の車間距離Drが必要車間距離Dnより小さい
か否かを調べ、Dr<Dnならばパーキングブレーキアク
チュエータ6を作動させて減速あるいは停止を行ない、
一方、Dr≧Dnならば、パーキングブレーキアクチュエ
ータ6は解除する。
【0152】以上のスロットル制御部161におけるス
ロットル制御と、ブレーキ制御部162におけるブレー
キ制御においては、スロットルを制御する時の目標車間
距離Dsを計算する(13)式と、ブレーキを制御する
時の必要車間距離Dnを計算する(19)式を比較する
とわかるように、目標車間距離Dsは、必要車間距離Dn
よりも余裕Dmだけ大きな値となる。
【0153】従って、先行車との車間距離Drが減少し
て必要車間距離Dnに達し、パーキングブレーキアクチ
ュエータ6を作動させる時点では、既に、先行車との車
間距離Drは、目標車間距離Dsより小さくなっている。
この時点では、スロットルバルブ2は全閉状態に制御さ
れており、スロットルアクチュエータ3とパーキングブ
レーキアクチュエータ6とが同時に作動することはな
い。
【0154】しかしながら、フェイル・セーフの観点に
立ち、ブレーキ制御部162からのパーキングブレーキ
アクチュエータ作動信号はスロットル制御部161にも
入力され、スロットル制御部161では、パーキングブ
レーキアクチュエータ作動信号が入力されると、スロッ
トルバルブ2を全閉にするよう制御する。
【0155】さらに、前記警報判断部163では、自車
輌1を減速度Aeで減速させたときの所定時間経過後の
推定車間距離を、警報を発する警報車間距離Dw として
以下の(20)式で計算し、現在の車間距離Drが警報
車間距離Dwより小さければ、運転者に警報を発する。
【0156】 Dw =Dsw−Ve2/(2.0×Ae) +VQ2/(2.0×AQ) … (20) (20)式の第1項Dswは、前述の(19)式の第1項
DsQを置き換えたものであり、自車及び先行車が停止し
た状態での車間距離である。例えば、(19)式の第1
項DsQが4m程度に設定されるのに対し、(20)式の
第1項Dswは、(19)式の第1項DsQより小さく、1
m程度に設定される。
【0157】すなわち、先行車への異常接近の可能性を
事前に推測して警報を発することにより、運転者のブレ
ーキ操作に十分な時間的余裕を与えることができ、より
安全性を高めることができるのである。
【0158】次に、本実施例の動作について説明する。
【0159】図30は、イメージプロセッサ20の動作
の流れを示すフローチャートであり、まず、ステップS1
01で左右のCCDカメラ11a,11bによって撮像し
た画像を入力すると、ステップS102で、入力したアナロ
グ画像をA/Dコンバータ31a,31bで所定の輝度
階調を有するデジタル画像にA/D変換した後、LUT
32a,32bで、低輝度部分のコントラスト増強、左
右のCCDカメラ11a,11bの特性補償等を行な
い、画像メモリ33a,33bに記憶する。
【0160】これらの画像メモリ33a,33bに記憶
される画像は、CCDカメラ11a,11bのCCD素
子の全ラインのうち、その後の処理に必要なラインのみ
であり、例えば0.1秒に1回の割合(テレビ画像で3
枚に1枚の割合)で書き換えられる。
【0161】次に、ステップS103へ進むと、左右画像用
の画像メモリ33a,33bから入力バッファメモリ4
1a,41b,42a,42bへ、共通バス80を介し
て、例えば4ラインずつ左右画像データが読み込まれ、
読み込んだ左右画像のマッチング、すなわち一致度の評
価が行なわれる。
【0162】その際、左右の画像毎に、前記画像メモリ
33a,33bから前記入力バッファメモリ41a,4
1b,42a,42bへの読み込み動作と、シフトレジ
スタ43a,43b,44a,44bに対する書き込み
動作とが交互に行なわれる。例えば、左画像では、画像
メモリ33aから一方の入力バッファメモリ41aに画
像データが読み込まれている間に、他方の入力バッファ
メモリ41bからシフトレジスタ43bへ読み込んだ画
像データの書き出しが行なわれ、右画像では、画像メモ
リ33bから一方の入力バッファメモリ42aに画像デ
ータが読み込まれている間に、他方の入力バッファメモ
リ42bからシフトレジスタ44bへ読み込んだ画像デ
ータの書き出しが行なわれる。
【0163】図31に示すように、前記シフトレジスタ
43a,43b,44a,44bには、左右の4×4画
素の小領域の画像データ(1,1)…(4,4)が保存
され、一方のシフトレジスタ43a(44a)には1、
2ラインのデータが、もう一方のシフトレジスタ43b
(44b)には3、4ラインのデータが、それぞれ1画
素毎に奇数ライン、偶数ラインの順序で入る。前記各シ
フトレジスタ43a,43b,44a,44bは、それ
ぞれが独立した転送ラインを持ち、4×4画素のデータ
は例えば8クロックで転送される。
【0164】そして、これらのシフトレジスタ43a,
43b,44a,44bから8段のうちの偶数段の内容
が同時にシティブロック距離計算回路45に出力され、
シティブロック距離Hの計算が始まると、右画像のデー
タはシフトレジスタ44a,44b内に保持されて、ク
ロック毎に奇数ライン、偶数ラインのデータが交互に出
力され、一方、左画像のデータはシフトレジスタ43
a,43bに転送され続け、奇数ライン、偶数ラインの
データが交互に出力されつつ、2クロック毎に1画素分
右のほうにずれたデータに置き換わっていく。この動作
を、例えば100画素分ずれるまで(200クロック)
繰り返す。
【0165】その後、一つの小領域に対する転送が終了
すると、#2アドレスコントローラ87内の左画像用ア
ドレスカウンタに右画像用アドレスカウンタの内容(次
の4×4画素の小領域の先頭アドレス)がセットされ、
次の小領域の処理が始まる。
【0166】シティブロック距離計算回路45では、図
32のタイミングチャートに示すように、まず、ピラミ
ッド型構造初段の絶対値演算器に8画素分のデータを入
力し、左右画像の輝度差の絶対値を計算する。すなわ
ち、右画素の輝度から対応する左画素の輝度を引き算
し、結果が負になった場合、演算命令を変えることによ
り、引く方と引かれる方を逆にして再び引き算を行なう
ことにより、絶対値の計算を行なう。従って、初段では
引き算を2回行なう場合がある。
【0167】次いで、初段を通過すると、2段目から4
段目までの第1ないし第3加算器で二つの同時入力デー
タを加算して出力する。そして、最終段の総和加算器で
二つの連続するデータを加え合わせて総和を計算し、必
要とする16画素分のシティブロック距離Hを2クロッ
ク毎に最小・最大値検出部50へ出力する。
【0168】次に、ステップS104へ進み、前記ステップ
S103で算出したシティブロック距離Hの最大値HMAX、
最小値HMINを検出する。前述したように、この最大値
HMAXの検出と最小値HMINの検出とは、互いに論理が逆
になることと、ずれ量を保存しないこと以外は、全く同
じであるため、以下、代表して最小値HMINの検出につ
いて説明する。
【0169】まず、最初に出力されてきたシティブロッ
ク距離H(ずれ量x=0)が、図10に示す最小値検出
回路51のCラッチ53を介して、演算器46のBレジ
スタ46bに入力される。次のクロックで出力されてき
たシティブロック距離H(ずれ量δ=1)は、Cラッチ
53と演算器46のAレジスタ46aとに入れられ、演
算器46では、同時に、Bレジスタ46bとの比較演算
が始まる。
【0170】前記演算器46での比較演算の結果、Bレ
ジスタ46bの内容よりもAレジスタ46aの内容の方
が小さければ、次のクロックのときに、Cラッチ53の
内容(すなわちAレジスタ46aの内容)がBレジスタ
46bに送られ、このときのずれ量δがDラッチ55に
保存される。このクロックで同時に、次のシティブロッ
ク距離H(ずれ量δ=2)がAレジスタ46aとCラッ
チ53に入れられ、再び比較演算が始まる。
【0171】このようにして、計算途中での最小値が常
にBレジスタ46bに、そのときのずれ量δがDラッチ
55に保存されながら、ずれ量δが100になるまで計
算が続けられる。計算が終了すると(最後のシティブロ
ック距離Hが出力されてから1クロック後)、Bレジス
タ46bとDラッチ55の内容はずれ量決定部60に読
み込まれる。
【0172】この間に、前述したシティブロック距離計
算回路45では次の小領域の初期値が読み込まれ、時間
の無駄を生じないようになっており、一つのシティブロ
ック距離Hを計算するのに、例えば4クロックかかる
が、パイプライン構造をとっているため、2クロック毎
に新たな計算結果が得られる。
【0173】そして、前記ステップ104でシティブロッ
ク距離Hの最小値HMIN、最大値HMAXが確定すると、ス
テップS105では、ずれ量決定部60にて、前述した3つ
の条件がチェックされ、ずれ量xが決定される。
【0174】すなわち、図33のタイミングチャートに
示すように、Bバス62bを介して最小値HMINが演算
器61のBレジスタ72にラッチされるとともに、この
Bレジスタ72の値と比較されるしきい値HAがAバス
62aを介してAレジスタ71にラッチされる。そして
ALU70で両者が比較され、しきい値HAよりも最小
値HMINの方が大きければ、スイッチ回路65がリセッ
トされ、以後のチェックの如何に係わらず常に0が出力
されるようになる。
【0175】次に、Aレジスタ71に最大値HMAXがラ
ッチされ、このAレジスタ71にラッチされた最大値H
MAXとBレジスタ72に保存されている最小値HMINとの
差が計算されて、その結果がFレジスタ73に出力され
る。次のクロックでAレジスタ71にしきい値HBがラ
ッチされ、Fレジスタ73の値と比較される。Aレジス
タ71にラッチされたしきい値HBよりもFレジスタ7
3の内容の方が小さければ同様にスイッチ回路65がリ
セットされる。
【0176】次のクロックからは、隣接画素間の輝度差
の計算が始まる。輝度データが保存されている2組のシ
フトレジスタ64a,64bは10段構成であり、それ
ぞれ、シティブロック距離計算部40の1,2ライン用
のシフトレジスタ44aと、3,4ライン用のシフトレ
ジスタ44bの後段に接続されている。前記シフトレジ
スタ64a,64bの出力は最後の段とその2つ手前の
段から取り出され、それぞれが、Aバス62aとBバス
62bとに出力される。
【0177】輝度差の計算が始まるとき、前記シフトレ
ジスタ64a,64bの各段には小領域中の各場所の輝
度データが保持されており、初めに前回の小領域の第4
行第1列の輝度データと、今回の小領域の第1行第1列
の輝度データとが、演算器61のAレジスタ71とBレ
ジスタ72とにラッチされる。
【0178】そして、Aレジスタ71の内容とBレジス
タ72の内容の差の絶対値が計算され、結果がFレジス
タ73に保存される。次のクロックでAレジスタ71に
しきい値HCがラッチされ、Fレジスタ73の値と比較
される。
【0179】前記演算器61での比較結果、Aレジスタ
の内容(しきい値HC)よりもFレジスタ73の内容
(輝度差の絶対値)のほうが大きければ、前記スイッチ
回路65からずれ量xあるいは”0”が出力され、、A
レジスタの内容よりもFレジスタ73の内容のほうが小
さければ”0”が出力されて、出力バッファメモリ66
a,66bの該当する小領域の第1行第1列に当たる位
置に書き込まれる。
【0180】前記演算器61で隣接画素間の輝度差とし
きい値HCとの比較が行なわれている間に、シフトレジ
スタ64a,64bは1段シフトする。そして今度は、
前回の小領域の第4行第2列と、今回の小領域の第1行
第2列の輝度データに対して計算を始める。このように
して小領域の第1列、第2列に対し交互に計算を行なっ
た後、第3列、第4列に対して同様に計算を進める。
【0181】計算中は、シフトレジスタ64a,64b
の最終段と最初の段がつながってリングレジスタになっ
ており、小領域全体を計算した後にシフトクロックが2
回追加されるとレジスタの内容が計算前の状態に戻り、
次の小領域の輝度データが転送され終わったときに、最
終段とその前の段に今回の小領域の第4行のデータが留
められる。
【0182】このように、ずれ量決定のための計算中に
次のデータをAバス62a,Bバス62bに用意した
り、結果の書き込みを行なうため、計算に必要な2クロ
ックのみで一つのデータが処理される。この結果、初め
に行なう最小値HMIN、最大値HMAXのチェックを含めて
も、例えば43クロックで全ての計算が終了し、一つの
小領域に対して、シティブロック距離Hの最小値HMI
N、最大値HMAXを求めるのに要する時間は充分に余裕が
あり、さらに機能を追加することも可能となっている。
【0183】そして、ずれ量xが決定されると、ステッ
プS106で、出力バッファメモリ66a,66bからデュ
アルポートメモリ90へ、ずれ量xを距離分布情報とし
て出力し、イメージプロセッサ20における処理が終了
する。
【0184】この出力バッファメモリ66a,66b
は、前述した入力バッファメモリ41a,41b,42
a,42bと同様、例えば4ライン分の容量があり、2
組の一方に書き込んでいる間にもう一方から前記デュア
ルポートメモリ90へ距離分布情報を送り出す。
【0185】前記デュアルポートメモリ90へ書き込ま
れた距離分布情報からは、CCDカメラ11,12の取
付け位置と焦点距離等のレンズパラメータとから、各画
素に対応する物体のXYZ空間における3次元位置を算
出することができ、情報量の低下なく車外の対象物まで
の距離を正確に検出することができる。
【0186】ここで、イメージプロセッサ20の全体の
タイミングについて、図34に示すタイミングチャート
に従って説明する。
【0187】まず初めに、同期を取っている左右のCC
Dカメラ11a,11bからのフィールド信号を0.1
秒毎(3画面に1画面の割合)に、画像メモリ33a,
33bに書き込む。
【0188】次に、取り込み終了信号を受けて、4ライ
ン毎のブロック転送が始まる。この転送は、右画像、左
画像、結果の距離分布像の順に3ブロック転送する。
【0189】この間に、一方の入出力バッファメモリに
対してずれ量δの計算が行われる。そして、ずれ量δの
計算時間を考慮し、所定時間待機してからもう一方の入
出力バッファメモリに対して転送を始める。
【0190】一つの右画像の4×4画素の小領域に対す
るシティブロック距離Hの計算は、左画像について10
0画素ずらしながら計算するため、100回行われる。
一つの領域のシティブロック距離Hが計算されている間
に、その前の領域のずれ量δが各チェックを経て距離分
布として出力される。
【0191】処理すべきライン数を200とすると4ラ
イン分の処理を50回繰り返すことになり、計算の開始
時に最初のデータを転送するための4ライン分の処理時
間、計算終了後に最後の結果を画像認識部に転送するた
めの4ライン分の処理時間と、計8ライン分の処理時間
がさらに必要となる。
【0192】最初の入力画像ラインの転送を開始してか
ら最後の距離分布を転送し終わるまでの時間は、実際の
回路動作の結果、0.076秒である。
【0193】一方、図35及び図36のフローチャート
は、マイクロプロセッサ110aで実行される道路検出
処理であり、まず、ステップS201で、前回(Δtsec
前)の道路形状パラメータを読み込むと、次いで、ステ
ップS202へ進み、車速センサ8の出力信号V、舵角セン
サ19の出力信号ηを読み込む。
【0194】次に、ステップS203へ進むと、前記ステッ
プS202で読み込んだ車速センサ8の出力信号と舵角セン
サ19の出力信号ηを使ってΔt秒間の車輌1の位置を
算出し、ステップS204で、Δt秒後の車輌1の位置から
見た道路形状を推定して道路形状パラメータを修正す
る。
【0195】以上の道路形状推定処理が終わると、3次
元ウインドウ発生処理へ移行し、ステップS205で、道路
モデルの第1区間R1の左側の直線要素Ldのパラメー
タ(a,b,c,d)を読み込むと、ステップS206で、
この直線要素Ldを中心とする3次元ウインドウWD3A
を設定する。
【0196】その後、ステップS207へ進み、前記ステッ
プS206で設定した3次元ウインドウWD3Aから2次元画
像上での2次元ウインドウWD2Aを設定し、次のステッ
プS208以降へ進む。
【0197】ステップS208〜ステップS217は、直線要素
検出処理であり、ステップS208で、2次元ウインドウW
D2A内のデータを読み込むと、ステップS209で、各デー
タの3次元位置を計算し、ステップS210で、距離Zの値
が3次元ウインドウWD3Aの長さの範囲内にあるデータ
を選別する。
【0198】そして、ステップS211へ進み、先に推定し
た道路形状の直線要素Ldと被写体の3次元位置を比較
してX方向、Y方向の位置のずれ量ΔX、ΔYを計算
し、ステップS212で、これらのずれ量ΔX,ΔYが、3
次元ウインドウWD3Aの幅、高さの範囲内にあるデータ
のみを選別し、他は除外する。
【0199】その後、ステップS213へ進み、前記ステッ
プS212で計算したX方向、Y方向のずれ量ΔX,ΔYに
応じて、そのデータの重み係数を決定し、各データに、
ずれ量ΔX,ΔYに応じた重み係数を付加する。
【0200】次に、ステップS214へ進むと、最小自乗法
を用いて水平方向(XZ平面)および垂直方向(YZ平
面)の直線式を導出し、パラメータ(a,b,c,d)
を求め、これを新しい直線要素Ldの候補とする。
【0201】そして、ステップS215で、道路モデルの右
側のラインの直線要素Ldの候補が求められたか否かを
調べ、その結果がNOの場合には、ステップS216で、右
側の直線要素Ldのパラメータを読み込んで前述のステ
ップS206へ戻り、結果がYESの場合には、ステップS2
17へ進む。
【0202】ステップS217では、求めた直線要素Ldの
候補が最終区間の右側のものであるか否かを調べ、最終
区間でない場合には、ステップS218で、次の区間の左側
の直線要素Ldのパラメータを読み込んで、前述のステ
ップS206へ戻り、同様の処理を繰り返す。
【0203】一方、前記ステップS217で、求めた直線要
素Ldの候補が最終区間の右側のものであり、道路モデ
ルを構成する全ての直線要素Ldの候補を求め終えた場
合には、前記ステップS217からステップS219以降へ進
み、道路形状判定処理を実行する。
【0204】すなわち、ステップS219で、第1区間R1
の直線要素Ldのパラメータを読み込むと、ステップS2
20で、左右の直線要素Ldの水平方向の平行度を調べ
て、その妥当性を判定し、ステップS221で、左右の直線
要素Ldの垂直方向の平行度を調べ、その妥当性を判定
する。
【0205】その後、ステップS222へ進み、前記ステッ
プS220,S221における判定の結果、左右いずれかの直線
要素が妥当でないと判定された場合、あるいは、道路上
の白線が破線状であったり、障害物に隠れて見えないた
めにデータが不足して、左右いずれかの直線要素の候補
がない場合に対し、検出された側の直線要素を車線の幅
だけ並行移動して代用することにより、欠落する直線要
素を補完し、ステップS223へ進む。
【0206】尚、左右両方の直線要素が無しの場合に
は、先に推定した道路形状の直線要素を代用する。
【0207】ステップS223では、最終区間か否かを調
べ、最終区間でない場合には、ステップS224で、次の区
間の左右の直線要素Ldのパラメータを読み込んで前述
のステップS220へ戻り、最終区間の場合には、ステップ
S223からステップS225へ進んで、各直線要素Ldのパラ
メータを出力用メモリに115へ書き込んで処理を終了
する。
【0208】次に、マイクロプロセッサ110bによる
物体認識処理について図37及び図38のフローチャー
トに従って説明する。この物体認識処理では、ステップ
S301で道路形状パラメータを読み込むと、ステップS302
で、イメージプロセッサ20からの距離画像を格子状の
領域に区分し、ステップS303で、最初の領域のデータを
読み込む。
【0209】次に、ステップS304へ進んで、領域内の最
初のデータをセットすると、ステップS305で、被写体の
3次元位置(X,Y,Z)、すなわち距離と高さを算出
し、ステップS306で、距離Zに於ける道路表面の高さを
算出し、ステップS307で、道路面より上にあるデータを
選別する。
【0210】そして、ステップS308へ進んで最終データ
か否かを調べ、最終データでない場合、ステップS309で
領域内の次のデータをセットすると、前述のステップS3
05へ戻って処理を繰り返し、最終データの場合にはステ
ップS308からステップS310へ進む。
【0211】ステップS310〜ステップS315は、物体検出
処理であり、ステップS310で、ヒストグラムを作成する
と、ステップS311で、このヒストグラムの度数が判定値
以上で、かつ最大値となる区間を検出し、ヒストグラム
の度数が判定値以上で、かつ最大値となる区間が検出さ
れた場合、ステップS312で、その区間に物体が存在する
と判断し、その物体までの距離を検出する。
【0212】そして、ステップS313で、最終領域か否か
を調べ、最終領域でない場合には、ステップS314で、次
の領域のデータを読み込み、前述のステップS304へ戻っ
て同様の処理を続行し、最終領域である場合には、ステ
ップS315へ進み、各物体の距離と存在領域の検出を終了
し、ステップS316〜S318の3次元ウインドウ発生処理へ
進む。
【0213】ステップS316では、最初の物体のパラメー
タをセットし、次いで、ステップS317で、3次元ウイン
ドウWD3Bの下端の高さ及び距離範囲を設定し、ステッ
プS318で、この3次元ウインドウWD3Bに基づいて2次
元ウインドウWD2B形状を算出してステップS319へ進
む。
【0214】ステップS319以下は、物体輪郭抽出処理で
あり、まず、ステップS319で、2次元ウインドウWD2B
内のデータを読み出すと、ステップS320で、被写体の3
次元位置を算出し、ステップS321で、3次元ウインドウ
WD3B内に含まれるデータを選別して抽出する。
【0215】その後、ステップS322へ進み、前記ステッ
プS321で抽出したデータを2次元の画像上に投影する
と、ステップS323で、各データを線分で連結して輪郭像
を作成する。続いて、ステップS324で、物体の形状、寸
法、位置、速度を算出し、ステップS325で、道路の車線
と物体との位置関係を算出する。
【0216】そして、ステップS326で、最終物体か否か
を調べ、最終物体でない場合には、ステップS327で次の
物体のパラメータをセットして前述のステップS317へ戻
り、最終物体である場合には、ステップS328へ進んで、
先行車を含む各物体の位置、形状、速度、加速度、これ
らのデータから特定される先行車との車間距離及び相対
速度等のパラメータを出力用メモリ115に書き込み、
処理を終了する。
【0217】以上の処理により、前方に存在する先行車
が検出され、自車輌1との車間距離及び相対速度が算出
されると、画像処理・車間距離制御用コンピュータ11
0で、図39のスロットル制御処理と図40のパーキン
グブレーキ制御処理のプログラムとが並列に所定時間毎
に実行される。
【0218】まず、スロットル制御処理では、ステップ
S401で、パーキングブレーキアクチュエータ6がOFF
か否かを調べ、パーキングブレーキアクチュエータ6が
ONでパーキングブレーキ作動状態の場合、ステップS4
02へ分岐してスロットル開度Tsを全閉(Ts=0.0)
としてステップS416へ進む。
【0219】一方、前記ステップS401で、パーキングブ
レーキアクチュエータ6がOFFであり、パーキングブ
レーキ解除状態の場合には、前記ステップS401からステ
ップS403へ進み、自車輌1と先行車の状態、すなわち、
出力用メモリ115に記憶されている先行車との車間距
離Dr及び相対速度Vrの検出値、車速センサ8からの自
車輌1の速度Veの検出値等を入力する。
【0220】次いで、ステップS404へ進み、入力したデ
ータから先行車が検出されていない場合あるいは自車輌
1の速度Veが制限値(例えば10km/h)より高い
場合に該当するか否かを調べ、該当する場合には、ステ
ップS405で、自車輌1の速度Veが前記制限値(例えば
10km/h)で一定となるスロットル開度Tsを計算
してステップS416へ進み、該当しない場合、すなわち、
先行車が検出されているときには、ステップS406で、先
行車の走行速度VQと目標車間距離Dsとを前述の(1
2),(13)式により計算してステップS407へ進む。
【0221】ステップS407では、先行車の相対速度Vr
が正であるか負であるかを調べ、Vr>0.0、すなわ
ち先行車が自車輌1から遠ざかって行く場合には、ステ
ップS408へ進み、現在の車間距離Drが前述の(14)
式によって計算される図29の境界線S1上の車間距離
に対して大きいか否か、すなわち、図29における境界
線S1の上側の領域R1に分類されるか、境界線S1の
下側の領域R3に分類されるかを判断する。そして、前
記ステップS408で、Ds−Vr2/(2×Aa)<Drの場
合には、ステップS409で、先行車の状態は領域R1に分
類されるとして前述の(17),(18)式によりスロ
ットル開度Tsを計算してステップS416へ進み、Ds−V
r2/(2×Aa)≧Drの場合には、ステップS410で、
先行車の状態は領域R3に分類されるとしてスロットル
開度Tsを全閉(Ts=0.0)としてステップS416へ進
む。
【0222】一方、前記ステップS407で、Vr≦0.
0、すなわち自車輌1が先行車に接近して行く場合に
は、前記ステップS407からステップS411へ分岐し、現在
の車間距離Drが前述の(15)式によって計算される
図29の境界線S2上の車間距離に対して大きいか否
か、すなわち、図29における境界線S2の上側の領域
R2に分類されるか、境界線S2の下側の領域R3に分
類されるかを判断する。
【0223】その結果、前記ステップS411で、Ds−Vr
2/(2×Ac)<Drの場合には、ステップS412で、先
行車の状態は領域R2に分類されるとして前述の(1
6)式によりスロットル開度Tsを計算してステップS41
6へ進み、Ds−Vr2/(2×Ac)≧Drの場合には、
ステップS413で、先行車の状態は領域R3に分類される
としてスロットル開度Tsを全閉(Ts=0.0)として
ステップS416へ進む。
【0224】そして、以上のステップS402,S405,S409,S
410,S412,S413のいずれかのステップからステップS416
へ進むと、該当するステップで計算されたスロットル開
度Tsをスロットルアクチュエータ3に出力し、プログ
ラムを抜ける。これにより、スロットルバルブ2が所定
の開度に制御される。
【0225】一方、以上のスロットル制御処理に対し、
図40のパーキングブレーキ制御処理のプログラムが並
列に実行され、パーキングブレーキアクチュエータ6が
制御されるとともに先行車との車間距離の異常接近の可
能性が事前に検出され、異常接近の可能性がある場合に
は警報が発せられる。
【0226】このパーキングブレーキ制御処理では、ス
テップS501で、出力用メモリ115に記憶されている先
行車との車間距離Dr及び相対速度Vrの検出値、車速セ
ンサ8からの自車輌1の速度Veの検出値等の自車輌1
と先行車の状態を入力し、次いで、ステップS502で、入
力したデータから先行車の走行速度VQ、必要車間距離
Dn、警報車間距離Dwを、それぞれ、前述の(12),
(19),(20)式により計算すると、ステップS503
で、現在の車間距離Drが必要車間距離Dnより小さいか
否かを調べる。
【0227】前記ステップS503において、Dr<Dnの場
合には、ステップS504で、パーキングブレーキアクチュ
エータ6をONしてパーキングブレーキ5を作動させ、
自車輌1の減速あるいは停止を行ない、Dr≧Dnの場合
には、ステップS505で、パーキングブレーキアクチュエ
ータ6をOFFしてパーキングブレーキ5を解除とす
る。
【0228】そして、前記ステップS504あるいは前記ス
テップS505からステップS506へ進み、現在の車間距離D
rと警報車間距離Dwを比較し、Dr≧Dwであり、自車輌
1が先行車に異常接近するおそれがない場合には、プロ
グラムを抜け、Dr<Dwで、このままでは、自車輌1が
先行車に異常接近する可能性があるときには、ステップ
S507へ進んで、警報を発生してディスプレイ9に出力
し、前述したように、例えばディスプレイ9の位置表示
部9dを赤色で点灯して運転者に警告し、メインブレー
キの操作を促す。
【0229】図41は本発明の第2実施例に係わり、車
間距離制御装置の全体構成図である。
【0230】本実施例の車輌550に搭載される車間距
離制御装置300Aは、前述の第1実施例に対し、パー
キングブレーキアクチュエータ6に代えて、フロントブ
レーキ552及びリヤブレーキ553からなるメインブ
レーキを駆動するブレーキアクチュエータ551を採用
するものである。
【0231】本実施例においては、パーキングブレーキ
5に係る構成・作用が、フロントブレーキ552及びリ
ヤブレーキ553に係る構成・作用となる他は、前述の
第1実施例と同様であり、より大きな減速度を発生する
ことができ、先行車への異常接近に対する対応能力をよ
り向上することができる。
【0232】図42〜図46は本発明の第3実施例に係
わり、図42は車間距離制御装置の全体構成図、図43
は車間距離制御装置の回路ブロック図、図44はレーザ
ビームの走査方法を側面から示す説明図、図45はレー
ザビームの走査方法を上面から示す説明図、図46はレ
ーザレーダ測距ユニットで計測される立体物の2次元分
布を示す説明図である。
【0233】本実施例の車輌600に搭載される車間距
離制御装置300Bは、図42に示すように、前述の第
1実施例に対し、ステレオ光学系10及び画像処理ユニ
ット100に代えて、レーザ投光ユニット601及びレ
ーザ・レーダ測距ユニット610を先行車検出手段とし
て採用するものであり、他の構成は前述の第1実施例と
同様である。
【0234】前記レーザ・レーダ測距ユニット610
は、レーザビームを投射し、このレーザビームが物体に
当たって反射してくる光を受光し、この所要時間から物
体までの距離を測定するものであり、周知の装置を適用
することができ、前記レーザ・レーダ測距ユニット61
0によって得られる立体物の2次元分布の位置情報を前
述の第1実施例と同様の方法で処理し、車間距離を制御
することができる。
【0235】すなわち、本実施例では、レーザビームの
投射・受光と左右方向への走査機能を有するレーザ投光
ユニット601が車輌600の前部に取り付けられてお
り、図43に示すように、レーザ・レーダ測距ユニット
610は、レーザビームの投光受光の所要時間から物体
までの距離を計算し、また、レーザビームを走査する方
向から物体の2次元の位置を計算する距離検出回路62
0a、検出された物体の2次元の位置を書き込む2次元
分布メモリ620bからなる測距回路620に、第1実
施例の画像処理・車間距離制御用コンピュータ110が
接続されて構成され、前記2次元分布メモリ620bに
書き込まれた2次元分布情報から先行車を検出し、その
車間距離及び相対速度が算出される。
【0236】図44に示すように、前記レーザ投光ユニ
ット601からはレーザビームが水平に投射され、道路
表面より高い位置にある立体物のみが検出される。ま
た、図45に示すように、レーザビームは左右方向に走
査され、所定の走査範囲で一定の間隔毎にレーザビーム
が投光・受光されて距離を検出する動作が繰り返され、
立体物の2次元分布が計測される。
【0237】例えば、前方に他の車輌がある状況を前記
レーザ・レーダ測距ユニット610で計測すると、図4
6に示すような立体物の2次元分布のデータが得られ
る。従って、これらのデータに対し、第1実施例と同様
の物体検出処理を行なうことにより先行車を検出し、そ
の車間距離及び相対速度を算出することができる。
【0238】本実施例においても、前述の第1、第2実
施例と同様、渋滞走行時等において繁雑なブレーキ、ア
クセル操作の繰返しから運転者を開放して運転者の負担
を大幅に軽減することができる。
【0239】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、検
出した先行車と自車輌との車間距離及び自車輌に対する
先行車の相対速度を算出し、自車輌の速度に基づいて目
標車間距離を設定し、前記車間距離及び相対速度から先
行車の状態が自車輌の速度を制御する速度制御モードの
いずれに該当するかを判断し、該当する速度制御モード
に応じてエンジンのスロットルバルブを駆動するアクチ
ュエータとブレーキを駆動するアクチュエータとを制御
することにより、先行車との車間距離を目標車間距離に
保つため、渋滞時などにおける頻繁なアクセルやブレー
キの操作から運転者を開放し、自動的に先行車との車間
距離を一定に保って運転者の負担を軽減することができ
る。
【0240】また、該当する速度制御モードに応じた自
車輌の制御状態を運転者に報知し、さらに、先行車との
車間距離が自車輌を減速させたときの減速度から推定し
た所定時間経過後の車間距離よりも小さいとき警報を出
力するため、運転者の状況把握を容易にするとともに、
万一のブレーキ操作に十分な時間的余裕を与えることが
でき、安全性を向上することができる等優れた効果が得
られる。
【0241】また、アクチュエータにより駆動されるブ
レーキとしてパーキングブレーキを、採用することで、
車輌の安全維持に必要な重要保安部品の設計変更を要す
ることなく、既存のパーキングブレーキを用いてコスト
の増大を最小限に押えつつ高い信頼性を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1〜図40は本発明の第1実施例に係り、図
1は車間距離制御装置の全体構成図
【図2】車間距離制御装置の回路ブロック図
【図3】パーキングブレーキアクチュエータ周辺の構成
を示す説明図
【図4】ディスプレイの画面を示す説明図
【図5】他のディスプレイユニットの外観を示す説明図
【図6】車輌の正面図
【図7】カメラと被写体との関係を示す説明図
【図8】イメージプロセッサの詳細回路図
【図9】シティブロック距離計算回路の説明図
【図10】最小値検出回路のブロック図
【図11】車載のCCDカメラで撮像した画像の例を示
す説明図
【図12】距離画像の例を示す説明図
【図13】車輌の上面図
【図14】車輌の側面図
【図15】画像処理・車間距離制御用コンピュータの機
能ブロック図
【図16】道路モデルの例を示す説明図
【図17】3次元ウインドウの形状を示す説明図
【図18】2次元ウインドウの形状を示す説明図
【図19】直線要素とデータのずれ量を示す説明図
【図20】ずれ量と重み係数の関係を示す説明図
【図21】検出した道路形状の例を示す説明図
【図22】画像の区分方法を示す説明図
【図23】検出物体とヒストグラムの関係を示す説明図
【図24】物体の存在領域の検出結果と検出距離の例を
示す説明図
【図25】物体検出用の3次元ウインドウの形状を示す
説明図
【図26】物体検出用の2次元ウインドウの形状を示す
説明図
【図27】物体の輪郭を構成するデータの例を示す説明
【図28】物体の輪郭像と検出された外径寸法の例を示
す説明図
【図29】スロットル開度決定の概念を示す説明図
【図30】イメージプロセッサの動作を示すフローチャ
ート
【図31】シフトレジスタ内の保存順序を示す説明図
【図32】シティブロック距離計算回路の動作を示すタ
イミングチャート
【図33】ずれ量決定部の動作を示すタイミングチャー
【図34】イメージプロセッサの動作を示すタイミング
チャート
【図35】道路検出処理のフローチャート
【図36】道路検出処理のフローチャート(続き)
【図37】物体検出処理のフローチャート
【図38】物体検出処理のフローチャート(続き)
【図39】スロットル制御処理のフローチャート
【図40】パーキングブレーキ制御処理のフローチャー
【図41】本発明の第2実施例に係わり、車間距離制御
装置の全体構成図
【図42】図42〜図46は本発明の第3実施例に係わ
り、図42は車間距離制御装置の全体構成図
【図43】車間距離制御装置の回路ブロック図
【図44】レーザビームの走査方法を側面から示す説明
【図45】レーザビームの走査方法を上面から示す説明
【図46】レーザ・レーダ測距ユニットで計測される立
体物の2次元分布を示す説明図
【符号の説明】
9 ディスプレイ(報知手段) 10 ステレオ光学系(先行車検出手段) 100 画像処理ユニット(先行車検出手段) 200 車間距離制御ユニット(車間距離制御手段、警
報出力手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G08G 1/16 C 7740−3H // G05D 1/02 J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車輌の進行方向に存在する先行車を検
    出し、先行車と自車輌との車間距離及び自車輌に対する
    先行車の相対速度を算出する先行車検出手段と、 自車輌の速度に基づいて目標車間距離を設定し、前記先
    行車検出手段で算出した車間距離及び相対速度から先行
    車の状態が自車輌の速度を制御する速度制御モードのい
    ずれに該当するかを判断し、該当する速度制御モードに
    応じてエンジンのスロットルバルブを駆動するアクチュ
    エータとブレーキを駆動するアクチュエータとを制御す
    ることにより、先行車との車間距離を前記目標車間距離
    に保つ車間距離制御手段とを備えたことを特徴とする車
    間距離制御装置。
  2. 【請求項2】 前記車間距離制御手段による速度制御モ
    ードに応じた自車輌の制御状態を運転者に報知する報知
    手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の車間距離
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記先行車検出手段で算出した先行車と
    の車間距離が自車輌を減速させたときの減速度から推定
    した所定時間経過後の車間距離よりも小さいとき、警報
    を出力する警報出力手段を備えたことを特徴とする請求
    項1記載の車間距離制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ブレーキはパーキングブレーキを用
    いることを特徴とする請求項1記載の車間距離制御装
    置。
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