JPH07225487A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH07225487A
JPH07225487A JP1729794A JP1729794A JPH07225487A JP H07225487 A JPH07225487 A JP H07225487A JP 1729794 A JP1729794 A JP 1729794A JP 1729794 A JP1729794 A JP 1729794A JP H07225487 A JPH07225487 A JP H07225487A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の環境下で良好な特性を示す電子写真感
光体を提供する。 【構成】 導電性支持体と光導電層との間に正抵抗温度
係数の粉末と負抵抗温度係数の粉末を含む中間層を設け
る。この中間層は半導体化したBaTiO3 、あるい
は、Baの一部をSr、Ca等で置換したもの、あるい
はTiの一部をSn、Zrで置換したBaTiO3 、及
び、半導体化した負抵抗温度係数の粉末を含む。この中
間層を設けることで、各種温湿度下での帯電電位、感
度、暗減衰などの電子写真特性が安定する。 【効果】 各種温湿度下で使用しても、電子写真特性の
変動が少なく、印字濃度の変化、かぶりの発生が生じな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
更に詳しくは導電性支持体と光導電層との間に中間層を
設けた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体として有機系の電
子写真感光体が複写機や、レーザビームプリンタ用の感
光体として広く使用されている。なかでも、特性の設計
度の自由度が広く、かつ高感度である感光体として、光
導電層が電荷発生層と電荷輸送層より成る機能分離型の
有機電子写真感光体が多く使用されつつある。
【0003】電荷発生層は主に電荷発生物質と接着剤に
よって形成されており、電荷発生物質としてフタロシア
ニン顔料、ビスアゾ顔料等がよく使用されている。一
方、電荷輸送層は電荷輸送物質と接着剤によって形成さ
れており、電荷輸送物質としてヒドラゾン化合物、スチ
リル化合物など種々の化合物が使用されている。これら
電荷発生層、電荷輸送層は、それぞれの成分が溶剤に分
散あるいは溶解されて、アルミニウム等の導電性支持体
上に塗布されて形成される。
【0004】また、導電性支持体の表面性状などにより
かぶりを防止するため、あるいは、帯電時に、導電性支
持体からの電荷注入によって生じる感光体の帯電能力の
低下を防止するため、光導電層と導電性支持体の間に絶
縁性の中間層を設けることが行われている(たとえば特
開平1−238677号公報に記載された感光体の中間
層)。中間層として、ポリアミド、ポリビニールアルコ
ール、ポリビニールブチラール、エポキシ樹脂などの高
分子化合物が使用される。
【0005】このように導電性支持体と光導電層との間
に中間層を有する電子写真感光体において、中間層は導
電性支持体から光導電層への電荷注入を制御する役割を
持っている。従って、電子写真感光体の帯電性能を劣化
させない抵抗値を持ち、かつ、ある程度の感度を持た
せ、残留電位もある程度以下に下げるだけの導電性を持
つ必要がある。
【0006】従って、中間層の抵抗はある範囲にあるこ
とが望ましい。ところが、電子写真感光体の特性はそれ
を使用する装置の仕様により異なるため、中間層の抵抗
値は明確に限定することはできない。しかし、中間層の
固有抵抗値が1015Ω・cm以上では残留電位が大きく
なる問題が発生し、104 Ω・cm以下では帯電能力が
低すぎる問題が生ずるようである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、中間層として前
述のように絶縁性の高分子化合物が用いられているが、
これら高分子化合物を中間層とした感光体では、中間層
の膜厚が適正であれば、常温常湿環境下では良好な特性
を示すものもあるが、低温低湿環境下では中間層である
高分子物質の電気抵抗が大きくなり、その結果、感光層
から導電性支持体への電荷の注入が阻害され、感度低下
や、残留電位の増加が生じてくる。
【0008】例えば、ポリアミド樹脂を中間層に使用し
た場合、ランニング試験を行うと、適度な湿度下で残留
電位の上昇は生じないが、低湿度下では残留電位上昇が
起こる。これは、適度な湿度下では、本来絶縁体である
ポリアミド樹脂の分子鎖中のアミド結合に水分子が吸着
し、これによって、ポリアミド樹脂に適度な導電性が与
えられていることによると思われる。従って、低湿度下
では本来の絶縁体の状態になり、残留電位の上昇が起こ
ると考えられる。
【0009】また、高温高湿環境下では中間層の吸水等
により、中間層の電気抵抗が減少して電荷の注入に対す
る阻止効果が弱くなり、感光体の帯電能力が低下するな
どの問題点があった。さらに、中間層のこれらの特性に
加え、光導電層自体においても、低温では光に対する感
度が低くなることや、高温では帯電能力が低下するなど
の温度特性があり、これらの総合的な結果として、感光
体の帯電能力や、感度などが各種環境下では大きく変動
し、かぶりや印字濃度の変動などの好ましくない現象が
生じていた。
【0010】本発明の目的は従来の中間層を改善し、種
々の環境下で良好な特性を示す電子写真感光体を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した問題点は中間層
の各種温湿度下での電気的特性の変化、および、光導電
層の温度特性により生じていると考えられる。本発明者
らは導電性支持体から、中間層を経由して、光導電層へ
注入される電荷を制御することで感光体の特性を制御す
る方法を検討した結果、本発明に到達した。
【0012】即ち、導電性支持体上に光導電層が形成さ
れた電子写真感光体において、導電性支持体と光導電層
との間に、正抵抗温度係数の粉末と負抵抗温度係数の粉
末を含む中間層を設けることによって前述の問題点を解
決することができることを見いだした。そして、特に、
正抵抗温度係数の粉末はチタン酸バリウムBaTiO3
を主成分とする粉末であり、負抵抗温度係数の粉末は酸
化コバルトCoO、酸化ニッケルNiO、酸化マンガン
MnO、酸化鉄FeOのうちの少なくとも1種を主成分
とする粉末である場合に湿度や温度に対して良好な特性
が得られることが解った。
【0013】最初、中間層に用いる正抵抗温度係数を持
つBaTiO3 を主成分とする粉末について説明する。
BaTiO3 はシリコンSi、アルミニウムAl、ホウ
酸B、ニッケルNi、コバルトCo、クロムCr、マン
ガンMn、ランタンLa、セレンCe、サマリウムS
m、ジスプロシウムDy、イットリウムYの少なくとも
1種類を微量不純物として含むことによって半導体化
し、その固有抵抗はキュリー点付近で大きく増加すると
いう特異な性質を示す(正抵抗温度係数 略してPTC
特性と呼ばれる)セラミックとなる。そのPTC特性は
添加される不純物量、あるいはセラミックを作成する時
の焼成条件により変化する。また、キュリー点はBa原
子の一部を他の原子で置換するか、あるいは、Ti原子
の一部を他の原子で置換することによって変えることが
できる。
【0014】BaTiO3 に前記不純物の一種、例え
ば、Mnを添加した場合、固有抵抗は120℃近辺で大
きく変わる。電子写真感光体では使用される温度域が1
0〜40℃程度であるから、固有抵抗が変化する温度と
して、0℃以下くらいが望ましい。
【0015】BaTiO3 のキュリー点を下げるには、
Ba原子の一部をスズSr、カルシウムCa、マグネシ
ウムMgあるいは鉛Pbのうちの少くとも1つの原子で
置換するか、Ti原子の一部をジルコニウムZr、ある
いは、スズSnで置換すればよい。例えば、Ba原子の
30%をSrで置換することで、固有抵抗の変化する温
度は−10℃程度になり、0℃での固有抵抗は数百キロ
オーム程度で、40℃での固有抵抗は数十メガオームの
セラミックを作成することができる。
【0016】次に、上記のBaTiO3 を主成分とする
セラミックの粉末と共に用いられる負温度係数の粉末に
ついて説明する。負温度係数の粉末として、CoO、N
iO、MnO、FeOを主成分とするセラミックの粉末
を使用することができる。これらはそれぞれの金属を1
価の金属で置き換えることにより負温度係数のセラミッ
クになっている。1例としてNiOについて説明する。
NiOの場合はNiOの1部をリチウムLiで置換する
ことにより、負抵抗温度係数のセラミックが得られる。
これは2価のNiを1価のLiで置換することで、Li
の数に近い正孔が結晶中に導入され、NiOがP型の半
導体化するからである。
【0017】本発明の請求項3の中間層は正抵抗温度係
数のセラミックの粉末と負抵抗温度係数のセラミックの
粉末、及び接着剤から形成されている。そのため、抵抗
値は湿度の影響を余り受けることがない。これは上記粉
末は吸水性が無いためである。従って、前述のポリアミ
ド樹脂の様なことはない。
【0018】また、光導電層の温度特性であるが、通常
の光導電層では低温で感度が低く、高温で感度が高くな
る特性を有する場合が多い。従って、電子写真用感光体
の温度特性を小さくするためには、正抵抗温度係数の粉
末を使用して中間層の抵抗値を温度上昇と共に大きくす
ることが必要となる。
【0019】通常の正抵抗温度係数のセラミックは一般
に抵抗の温度変化が大きい、前述のBaTiO3 系のセ
ラミックを例にとると、0℃での固有抵抗は数百キロオ
ーム程度で、40℃での抵抗は数十メガオームと抵抗の
温度変化がきわめて大きい。このように、光導電層の感
度の温度特性以上に、セラミックの抵抗の温度変化が大
きいと、正抵抗温度係数のセラミックと接着剤だけから
なる中間層では、その中間層の抵抗の温度特性をある程
度可能であるが、充分広い温度範囲での制御がむずかし
くなる。
【0020】正抵抗温度係数のセラミックを使用したと
きの抵抗の温度変化はセラミックの組成により小さく抑
えることが可能であるが、同時に、他の特性、例えば固
有抵抗が大きく変化する温度、即ち、キュリー点が変動
したり、固有抵抗値自体が全体的に変動するなどの特性
変化も生じてしまい、必要な特性のセラミックを得るた
め、多くの労力を必要とする。
【0021】一方、本発明の中間層は、正抵抗温度係数
の粉末と負抵抗温度係数の粉末を含有するため、正抵抗
温度係数のセラミックによる急な温度変化が抑えられ、
かなりの温度範囲で抵抗の温度係数を制御できる。従っ
て、光導電層の特性が異なった複数の電子写真用感光体
を作成する場合でも、前述の粉末の混合比率を変えるこ
とで、比較的、簡単に、感度の温度特性が優れた電子写
真用感光体を実現できる。
【0022】本発明の中間層は、バインダー中に正抵抗
温度係数の粉末と負抵抗温度係数の粉末を分散して塗料
(中間層塗料)とし、これを導電性支持体に塗布して形
成することができる。
【0023】正抵抗温度係数の粉末として、前述のMn
を添加したBa0.7 Sr0.3 TiO3 セラミック、及
び、負抵抗温度係数の粉末として、Liで置換したNi
Oを用いた場合について説明する。最初に、正抵抗温度
係数のセラミックであるが、このセラミックは焼成条件
によってその特性が変わるが、おおよそ、0℃において
約105 、40℃において約108 Ω・cm程度の抵抗
値を示す。これを粗粉砕し、その後ボールミルを用いて
更に細かく粉砕して粉末が得られる。Li置換のNiO
はLiの置換量、焼成温度によって抵抗値は異なるが0
℃において105、40℃において104 Ω・cm程度
の抵抗値を示す。中間層塗料は、光導電層の温度特性に
合わせて、これらの粉末の混合比率を決め、バインダー
中に分散混合することで、作成できる。この中間層塗料
を導電性支持体上に塗布し、乾燥することで中間層を形
成できる。
【0024】ここで用いるバインダーの樹脂は成膜性が
あり、導電性支持体への接着性があれば、特にその種類
は制限されない。ただし、樹脂の種類、セラミックと樹
脂の混合比率により、中間層の抵抗値、及び温湿度特性
は異なる。
【0025】例えば、ポリビニールブチラール樹脂を使
用した場合、樹脂の比率が80体積%を越えると抵抗値
も大きく、抵抗の温度特性も正抵抗温度特性を示さなく
なり、中間層として望ましくない。この材料の組合せの
場合、樹脂比率は10〜70体積%であることが望まし
い。
【0026】本発明の中間層を用いた電子写真感光体が
種々の環境下で安定した特性を示すのは、光導電層の感
度が低くなる低温域では、中間層の抵抗が小さくなって
導電性支持体からの電荷注入が比較的生じ易くなり、そ
のため低温時の感光体の感度低下が防止され、また、光
導電層の感度が大きくなる高温域では、中間層の抵抗が
大きくなって導電性支持体からの電荷注入がある程度抑
えられ、そのため高温時の感光体の感度上昇が約制され
ることによると考えられる。さらに、本発明の請求項
2,3の電子写真感光体では、湿度の影響を受けにく
い。これは中間層に使われるセラミックが湿度に対して
は安定した抵抗を示すことによる。
【0027】次に、本発明に用いられる導電性支持体に
ついて説明する。導電性支持体としては従来使用されて
いる物質、例えば、アルミニウム、銅、ステンレスなど
の金属、あるいは金、パラジウム、導電性のカーボンな
どを蒸着、あるいは塗布したプラスチックなどのドラム
を用いることが出来る。
【0028】また、中間層の上に形成される光導電層の
電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、例え
ば、無金属フタロシアニン顔料、あるいは金属フタロシ
アニン顔料などのフタロシアニン顔料、アントラキノン
顔料、モノアゾ、ビスアゾ顔料等の公知の材料が挙げら
れる。そして、単独、あるいは2種以上混合して使用す
ることができる。
【0029】光導電層の電荷輸送層に用いられる材料と
しては、例えば、ヒドラゾン化合物、カルバゾール化合
物、オキサジアゾール化合物、インドール化合物、ピラ
ゾリン化合物などの公知の材料が挙げられる。
【0030】電荷発生層、電荷輸送層を形成する場合、
造膜性のある高分子物質、例えば、ポリカーボネート、
ポリエステル、アクリル樹脂などを、ジクロルメタン、
クロルベンゼン、テトラヒドロフランなどの溶剤に溶解
し、この高分子物質の溶液に、前述の電荷発生物質、電
荷輸送物質を混合して塗料とし、前記中間層を形成した
導電性支持体上に順次、塗布、乾燥して形成される。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これにより本発明は限定されるものではない。
【0032】〔実施例1〕正抵抗温度係数の粉末とし
て、Mnを0.1モル%添加したBaTi0.8 Sn0.2
3 を用いることとし、以下の方法でこれを製造した。
BaCO3 、TiO2 、SnO2 を前記材料組成になる
よう、所要量を秤量した。次に、前記物質1モルに対し
てMnCO3 を0.1モル秤量し、これらをエタノール
を分散媒として、ボールミルにて10時間混合した。
【0033】ボールミル混合後、この混合物を濾過、乾
燥し、電気炉で、1100℃、2時間仮焼成した。続い
て、これらをらいかい機にて粉砕し、電気炉で1400
℃、5時間焼成した。この焼成物を再びらいかい機にて
粉砕した後、エタノールを分散媒として、φ2のZrO
2 ボールを用い、ボールミル粉砕し、粒子径がほぼ1μ
mの正抵抗温度係数の粉末、Mnが添加されたBaTi
0.8 Sn0.2 3 を作成した。
【0034】次に、負抵抗温度係数の粉末として、Fe
の0.1モル%をLiで置換したFeOを用いることと
し、以下の方法で作成した。まず、FeO、LiCO3
を、上記組成となるように秤量し、らいかい機で混合し
た。次に、この混合物を1100℃2時間焼成した。続
いて、上記方法と同じ条件で粉砕して負抵抗温度係数の
粉末を得た。
【0035】つぎに、前述の正抵抗温度係数のBaTi
0.8 Sn0.2 3 の粉末を70重量部、負抵抗温度係数
のLi置換FeOの粉末を20重量部、ポリアミド粉末
10重量部を秤量し、メタノール中に分散させて、固形
分が50重量%の中間層塗料を作成した。
【0036】次に、X型チタニルフタロシアニン4重量
部、ポリビニールブチラール樹脂4重量部、テトラヒド
ロフラン92重量部をペイントシェカーで混合して、電
荷発生塗料を作成した。
【0037】次に、電荷輸送物質として、4−ジベンジ
ルアミノ−2−メチルベンジルジハイド−1、1−ジフ
ェニルヒドラゾンを15重量部、ポリカーボネート15
重量部をジクロルメタン70重量部に溶解して電荷発生
塗料とした。
【0038】次に前述の塗料を用いて電子写真感光体を
作成した。作成は次のようにした。まず、厚さ1mm、
外形30mm、長さ250mmのアルミニウム製素管上
に、中間層塗料を浸積塗布法にて塗布し、80℃、30
分、乾燥して20μm厚さの中間層を作成した。次に、
電荷発生塗料を同様な方法で中間層上に塗布し、65
℃、30分、乾燥して0.3μm厚さの電荷発生層を形
成した。そして、最後に電荷輸送塗料を用いて、やはり
同様な方法で塗布し、110℃、30分、乾燥して20
μm厚さの電荷輸送層を形成した。図1はこの実施例1
による電子写真感光体の一部断面図である。図におい
て、アルミニウム素管の導電性支持体1に、中間層2、
電荷発生層3、電荷輸送層4が順に形成される。
【0039】〔実施例2〕正抵抗温度係数の粉末とし
て、Mnを0.2モル%添加したBa0.7 Sr0.3Ti
3 を用いることとし、実施例1と同様な製造プロセ
ス、即ち、原料を秤量し、混合、仮焼成、粉砕、本焼
成、粉砕して正抵抗温度係数の粉末を作成した。但し、
ここでは、原料としてSnO2 のかわりにSrCO3
用いた。また、負抵抗温度係数の粉末として、Niの
0.1モル%をLiで置換したNiOを用いることに
し、実施例1と同様に粉末を作成した。
【0040】実施例1と同様に、中間層塗料を作成し、
実施例1と同じ導電性支持体、電荷発生塗料、電荷輸送
塗料を用いて、電子写真感光体を作成した。
【0041】〔比較例1〕中間層として、0.2μmの
ポリアミド樹脂を形成した後、実施例1と同様に、電荷
発生層、電荷輸送層を順次塗布し、乾燥して、電子写真
感光体を作成した。
【0042】前述の実施例−1、2、比較例−1で得た
電子写真感光体を電子写真感光体テスター(ジェンテッ
ク株式会社製)を用い、下記の条件で測定した。
【0043】−4KVのコロナ帯電を行い、表面電位
(V0 )、5秒間暗所放置後の電位(Vd)、及び、ハ
ロゲンランプで1.2μJ/cm2 光量を与えた後の電
位(Vi)を測定し、暗減衰DDR5(Vd/V0 )を
求めた。測定環境の温湿度は、10℃、20%(LL条
件)、24℃、40%(NN条件)、35℃、85%
(HH条件)の条件で行った。
【0044】評価結果を図2に示す。図2から明かなご
とく、本発明の電子写真感光体においては各環境下で、
帯電能力、暗減衰、感度などの特性が安定している。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子写真
感光体の中間層は、正抵抗温度係数の粉末と負抵抗温度
係数の粉末を含有するため、かなりの範囲で抵抗の温度
係数を制御できる。従って、光導電層の特性が異なった
複数の電子写真用感光体を作成する場合でも、前述の粉
末の混合比率を変えることで、比較的、簡単に、感度の
温度特性が優れた電子写真用感光体を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例の電子写真感光体の一部
断面図である。
【図2】本発明の実施例1,2と比較例1の評価結果を
示す表である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 中間層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に光導電層が形成された
    電子写真感光体において、前記導電性支持体と光導電層
    との間に、正抵抗温度係数の粉末と負温度係数の粉末を
    含む中間層を設けたことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記中間層に含まれる正抵抗温度係数の
    粉末はチタン酸バリウムBaTiO3 を主成分とする粉
    末であり、負抵抗温度係数の粉末は酸化コバルトCo
    O、酸化ニッケルNiO、酸化マンガンMnO、酸化鉄
    FeOのうちの少くとも1つを主成分とする粉末である
    ことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記正抵抗温度係数の粉末と前記負抵抗
    温度係数の粉末は、それぞれ半導体化されたセラミック
    である請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記正抵抗温度係数の粉末が、シリコン
    Si、アルミニウムAl、ホウ酸B、ニッケルNi、コ
    バルトCo、クロムCr、マンガンMn、ランタンL
    a、セレンCe、サマリウムSm、ジスプロシウムD
    y、イットリウムYの少なくとも1種類が添加され、か
    つ、チタン酸バリウムBaTiO3のチタンTi原子の
    一部をスズSuあるいはジルコニウムZrのうちの少な
    くとも一方の原子で置換されたものを含むことを特徴と
    する請求項3記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記正抵抗温度係数の粉末が、シリコン
    Si、アルミニウムAl、ホウ酸B、ニッケルNi、コ
    バルトCo、クロムCr、マンガンMn、ランタンL
    a、セレンCe、サマリウムSm、ジスプロシウムD
    y、イットリウムYの少なくとも1種類が添加され、か
    つ、チタン酸バリウムBaTiO3のバリウムBa原子
    の一部をストロンチウムSr、カルシウムCa、マグネ
    シウムMgあるいは鉛Pbのうちの少なくとも1つの原
    子で置換されたものを含むことを特徴とする請求項3記
    載の電子写真感光体。
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