JPH07225374A - カラー液晶表示装置 - Google Patents

カラー液晶表示装置

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Publication number
JPH07225374A
JPH07225374A JP6160225A JP16022594A JPH07225374A JP H07225374 A JPH07225374 A JP H07225374A JP 6160225 A JP6160225 A JP 6160225A JP 16022594 A JP16022594 A JP 16022594A JP H07225374 A JPH07225374 A JP H07225374A
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JP
Japan
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liquid crystal
light
polarizing plate
crystal cell
color
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Application number
JP6160225A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Nishino
利晴 西野
Kazuyoshi Arai
一能 新井
Toshihiko Mori
寿彦 森
Yasufumi Nishida
八寿史 西田
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07225374A publication Critical patent/JPH07225374A/ja
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Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2203/00Function characteristic
    • G02F2203/34Colour display without the use of colour mosaic filters

Abstract

(57)【要約】 【目的】カラーフィルタを用いずに光を着色して明るい
カラー表示を得るとともに、同じ箇所で複数の色を表示
することができ、しかも、温度による表示色の色変化も
小さくすることができるカラー液晶表示装置を提供す
る。 【構成】液晶分子がツイスト配向している液晶セル10
はさんで偏光板21,22を配置し、上偏光板21と液
晶セル10との間に2枚の位相差板23,24を配置す
るとともに、偏光板21,22および位相差板23,2
4のそれぞれの光学軸の方向と液晶セル10の両基板1
1,12の近傍における液晶分子の配向方向を、上偏光
板21を透過して入射した直線偏光が、液晶セル10お
よび位相差板23,24を透過する間に、液晶セル10
の液晶層18の複屈折効果と位相差板23,24の複屈
折効果とによって各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる
楕円偏光となった光となり、かつ、その光のうちの下偏
光板22を透過した光の各波長光の光量比が所望の着色
光に対応した比率になるように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーフィルタを用い
ずに明るい着色表示を得るカラー液晶表示装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】着色した表示が得られるカラー液晶表示
装置としては、一般に、カラーフィルタを用いて光を着
色するものが利用されている。しかし、このカラー液晶
表示装置は、カラーフィルタを用いて光を着色するもの
であるため、光の透過率が低く、したがって表示が暗い
という問題をもっている。
【0003】これは、カラーフィルタでの光の吸収によ
るものであり、カラーフィルタは、その色に対応する波
長帯域外の波長光だけでなく、前記波長帯域の光もかな
り高い吸収率で吸収するため、カラーフィルタを通った
着色光が、カラーフィルタに入射する前の前記波長帯域
の光に比べて大幅に光量を減じた光になり、表示が暗く
なってしまう。
【0004】なお、液晶表示装置には、その裏面側に配
置されるバックライトからの光を利用して表示する透過
型のものと、外光を利用し液晶表示装置を通った光を裏
面側に配置した反射板で反射させて表示する反射型のも
のとがあるが、上記カラー液晶表示装置を反射型とする
と、その表面側から入射し反射板で反射されて表面側に
出射する光がカラーフィルタを2度通って二重に光量を
減じるため、表示が極端に暗くなって、表示装置として
はほとんど使用できなくなる。
【0005】しかも、上記カラー液晶表示装置では、液
晶セルの両基板の電極が互いに対向している各箇所の表
示色がこの箇所に設けたカラーフィルタの色によって決
まるため、同じ箇所には1の色しか表示できなかった。
【0006】なお、液晶表示装置には、セグメント表示
方式のものとドットマトリックス表示方式のものとがあ
り、セグメント表示方式の従来のカラー液晶表示装置で
は、1つ1つの表示パターンの表示色がそのパターンを
表示するためのセグメント電極に対応するカラーフィル
タの色によって決まり、ドット表示型液晶セルを用いる
従来のカラー液晶表示装置では、1つ1つの画素の色が
その画素に対応するカラーフィルタの色によって決ま
る。
【0007】一方、カラーフィルタを必要としないEC
B(複屈折効果)型のカラー液晶表示装置が従来知られ
ている。このECB型液晶表示装置は、内面(液晶層と
の対向面)に透明な電極を形成した一対の透明基板間に
液晶層を設けてなる液晶セルをはさんで一対の偏光板を
配置したものであり、前記液晶セルとしては、一般に、
液晶分子が、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配
向、ハイブリッド配向のいずれかの配向状態に配向して
いるものが用いられている。
【0008】このECB型液晶表示装置においては、一
方の偏光板を透過して入射した直線偏光が、液晶セルを
透過する過程で液晶層の複屈折効果により各波長光がそ
れぞれ偏光状態の異なる楕円偏光となった光となり、そ
の光が他方の偏光板に入射して、この他方の偏光板を透
過した光が、その光を構成する各波長光の光量比に応じ
た色の着色光になる。
【0009】すなわち、上記ECB型液晶表示装置は、
カラーフィルタを用いずに、液晶セルの液晶層の複屈折
効果と一対の偏光板の偏光作用とを利用して光を着色す
るものであり、したがってカラーフィルタによる光の吸
収がないから、光の透過率を高くして明るいカラー表示
を得ることができる。
【0010】しかも、上記ECB型液晶表示装置は、液
晶セルの両基板の電極間に印加される電圧による液晶分
子の配向状態によって液晶層の複屈折性が変化し、それ
に応じて他方の偏光板に入射する各波長光の偏光状態が
変化するため、液晶セルへの印加電圧を制御することに
よって上記着色光の色を変化させることができ、したが
って、同じ箇所で複数の色を表示することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記E
CB型液晶表示装置は、温度による表示色の色変化が大
きいという問題をもっている。これは、液晶セルの液晶
層の複屈折性に温度依存性があるためである。
【0012】すなわち、液晶セルの液晶層の複屈折性
は、液晶セルのΔn・d(液晶の屈折率異方性Δnと液
晶層厚dとの積)の値によって決まるが、液晶の屈折率
異方性Δnは温度によって大きく変化するため、液晶層
の複屈折性が温度によって大きく変化し、表示色が変化
してしまう。
【0013】本発明は、カラーフィルタを用いずに光を
着色して明るいカラー表示を得るとともに、同じ箇所で
複数の色を表示することができ、しかも、温度による表
示色の色変化も小さくすることができるカラー液晶表示
装置を提供することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のカラー液晶表示
装置は、内面に電極が形成された一対の基板間に液晶分
子がツイスト配向したネマティック液晶層を設けてなる
液晶セルと、前記液晶セルをはさんで配置された一対の
偏光板と、前記一対の偏光板の間に配置された複数枚の
位相差板とを備え、前記一対の偏光板および各位相差板
のそれぞれの光学軸の方向と前記液晶セルの両基板の近
傍における液晶分子の配向方向を、一方の偏光板を透過
して入射した直線偏光が、前記液晶セルおよび各位相差
板を透過する間に、前記液晶セルの液晶層の複屈折効果
と前記各位相差板の複屈折効果とによって各波長光がそ
れぞれ偏光状態の異なる楕円偏光となった光となり、か
つ、その光のうちの他方の偏光板を透過した光の各波長
光の光量比が、所望の着色光に対応した比率になるよう
に設定したことを特徴とするものである。
【0015】本発明のカラー液晶表示装置において、前
記位相差板の数は2枚でよく、この2枚の位相差板は、
その両方を一方の偏光板と液晶セルとの間に配置する
か、あるいは、1枚の位相差板を一方の偏光板と液晶セ
ルとの間に配置し、他の1枚の位相差板を他方の偏光板
と前記液晶セルとの間に配置する。
【0016】上記2枚の位相差板を一方の偏光板と液晶
セルとの間に配置する場合は、この両位相差板を、光が
入射する側の偏光板と液晶セルとの間に配置するのが望
ましく、その場合は、少なくとも、前記光が入射する側
の偏光板の光学軸とこの偏光板に隣接する位相差板の光
学軸とを互いに斜めにずらす。
【0017】この光が入射する側の偏光板の光学軸とこ
の偏光板に隣接する位相差板の光学軸とのずれ角は、前
記液晶セルの液晶分子ツイスト角に応じて選び、液晶分
子ツイスト角が80°〜120°の場合は前記ずれ角を
ほぼ70°、液晶分子ツイスト角が180°〜270°
の場合は前記ずれ角をほぼ35°とする。
【0018】また、1枚の位相差板を一方の偏光板と液
晶セルとの間に配置し、他の1枚の位相差板を他方の偏
光板と前記液晶セルとの間に配置する場合は、少なくと
も、光が入射する側の偏光板の光学軸とこの偏光板に隣
接する位相差板の光学軸とを互いに斜めにずらす。
【0019】この光が入射する側の偏光板の光学軸とこ
の偏光板に隣接する位相差板の光学軸とのずれ角は、液
晶セルの液晶分子ツイスト角が80°〜120°の場合
も、また液晶分子ツイスト角が180°〜270°の場
合、ほぼ45°とする。
【0020】また、このカラー液晶表示装置は、透過型
表示装置にも、反射型表示装置にも適用できるもので、
反射型表示装置とする場合は、光が入射する側とは反対
側の偏光板の背後に反射板を設ける。
【0021】
【作用】本発明のカラー液晶表示装置においては、一方
の偏光板を透過して入射した直線偏光が、液晶セルおよ
び各位相差板を透過する間に、前記液晶セルの液晶層の
複屈折効果と複数枚の位相差板の複屈折効果とによって
各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏光となった
光となり、その光が他方の偏光板に入射して、この他方
の偏光板を透過した光が、その光を構成する各波長光の
光量比に応じた色の着色光になる。
【0022】この着色光の色は、一対の偏光板および各
位相差板のそれぞれの光学軸の方向と液晶セルの両基板
の近傍における液晶分子の配向方向とを、前記他方の偏
光板を透過した光の各波長光の光量比が所望の着色光に
対応した比率になるように設定することによって任意に
選ぶことができる。
【0023】すなわち、このカラー液晶表示装置は、カ
ラーフィルタを用いずに、複数枚の位相差板の複屈折効
果と、液晶セルの液晶層の複屈折効果と、一対の偏光板
の偏光作用とを利用して光を着色するものであり、した
がってカラーフィルタによる光の吸収がないから、光の
透過率を高くして明るいカラー表示を得ることができ
る。
【0024】また、このカラー液晶表示装置おいては、
各位相差板の複屈折性はこれら位相差板のリタデーショ
ンの値によって決まるが、液晶セルの液晶層の複屈折性
が、その両基板の電極間に印加される電圧による液晶分
子の配向状態によって変化し、それに応じて他方の偏光
板に入射する各波長光の偏光状態が変化するため、液晶
セルへの印加電圧を制御することによって上記着色光の
色を変化させることができ、したがって、同じ箇所で複
数の色を表示することができる。
【0025】一方、液晶セルの液晶層の複屈折性は温度
によって変化するが、それに比べて、位相差板の温度に
よる複屈折性の変化は極く小さい。そして、このカラー
液晶表示装置においては、温度による複屈折性の変化が
小さい位相差板を複数枚用いているため、液晶セルの液
晶層と複数枚の位相差板との全体の複屈折性が、液晶層
の複屈折性のみでカラー表示を得る従来のECB型表示
装置に比べて大幅に小さくなり、したがって、温度によ
る表示色の色変化を小さくすることができる。
【0026】また、上記カラー液晶表示装置において、
一方の偏光板と液晶セルとの間に2枚の位相差板を配置
する場合、この両位相差板を、光が入射する側の偏光板
と液晶セルとの間に配置し、少なくとも、光が入射する
側の偏光板の光学軸とこの偏光板に隣接する位相差板の
光学軸とを互いに斜めにずらしておけば、入射側の偏光
板を透過して入射した直線偏光が、まず前記偏光板に隣
接する位相差板の複屈折効果により各波長光がそれぞれ
偏光状態の異なる楕円偏光となった光となり、その光
が、次の位相差板の複屈折効果と液晶セルの液晶層の複
屈折効果とにより順次偏光状態を変えられて他方の偏光
板に入射して、この他方の偏光板を透過した光が、その
透過光を構成する各波長光の光量比に応じた色の着色光
になる。
【0027】この場合、入射側の偏光板の光学軸とこの
偏光板に隣接する位相差板の光学軸とのずれ角を、液晶
セルの液晶分子ツイスト角が80°〜120°の場合で
ほぼ70°、液晶分子ツイスト角が180°〜270°
の場合でほぼ35°とすれば、各位相差板を透過した光
が、各波長光の偏光状態の差が大きい光となるため、他
方の偏光板に入射する光の各波長光の偏光状態の差を大
きくして鮮明な着色光を得ることができる。
【0028】また、上記カラー液晶表示装置において、
1枚の位相差板を一方の偏光板と液晶セルとの間に配置
し、他の1枚の位相差板を他方の偏光板と前記液晶セル
との間に配置する場合、少なくとも、光が入射する側の
偏光板の光学軸とこの偏光板に隣接する位相差板の光学
軸とを互いに斜めにずらしておけば、入射側の偏光板を
透過して入射した直線偏光が、まず入射側の偏光板に隣
接する位相差板の複屈折効果により各波長光がそれぞれ
偏光状態の異なる楕円偏光となった光となり、その光
が、液晶セルの液晶層の複屈折効果と他の1枚の位相差
板の複屈折効果とにより順次偏光状態を変えられて他方
の偏光板に入射して、この他方の偏光板を透過した光
が、その透過光を構成する各波長光の光量比に応じた色
の着色光になる。
【0029】この場合、液晶セルの液晶分子ツイスト角
が80°〜120°の場合も、また液晶分子ツイスト角
が180°〜270°の場合も、入射側の偏光板の光学
軸とこの偏光板に隣接する位相差板の光学軸とのずれ角
をほぼ45°とすれば、前記位相差板を透過した光が各
波長光の偏光状態の差が大きい光となるため、他方の偏
光板に入射する光の各波長光の偏光状態の差を大きくし
て鮮明な着色光を得ることができる。
【0030】また、本発明のカラー液晶表示装置は、光
が入射する側とは反対側の偏光板の背後に反射板を設け
ることにより、反射型表示装置として使用することがで
き、その場合、反射型であるにもかかわらず、明るいカ
ラー表示が得られる。
【0031】
【実施例】
[第1の実施例]以下、本発明の第1の実施例を図1〜
図6を参照して説明する。図1はカラー液晶表示装置の
断面図、図2はカラー液晶表示装置を構成する液晶セル
と一対の偏光板と2枚の位相差板と反射板の平面図であ
る。
【0032】この実施例のカラー液晶表示装置は反射型
のものであり、液晶セル10と、この液晶セル10をは
さんで配置された上下一対の偏光板21,22と、これ
ら一対の偏光板21,22の間に配置された2枚の位相
差板23,24とを備え、かつ、光が入射する側(図1
において上側)とは反対側の下偏光板22の背後に反射
板25を配置した構成となっている。
【0033】上記液晶セル10は、内面(液晶層側の
面)に透明な電極13,14を形成しその上に配向膜1
5,16を形成した上下一対の透明基板11,12を、
枠状のシール材17を介して接合し、この両基板11,
12間のシール材17で囲まれた領域に、液晶分子が8
0°〜120°のツイスト角でツイスト配向したネマテ
ィック液晶層18を設けて構成されている。
【0034】なお、この液晶セル10は、時分割駆動さ
れるセグメント表示型のものであり、上基板11に形成
された透明電極13は複数に分割されたコモン電極、下
基板12に形成された透明電極14は表示パターンに対
応する形状の複数のセグメント電極である。
【0035】また、上記2枚の位相差板23,24は、
ポリカーボネート等の一軸延伸フィルムからなってお
り、両位相差板23,24は、互いに積層されて、一方
の偏光板、例えば光が入射する側の上偏光板21と、液
晶セル10との間に配置されている。
【0036】そして、この実施例では、上記一対の偏光
板21,22の光学軸(透過軸または吸収軸)の方向
と、各位相差板23,24の光学軸(遅相軸または進相
軸)の方向と、液晶セル10の両基板11,12の近傍
における液晶分子の配向方向とを、次のように設定して
いる。
【0037】まず、液晶セル10の両基板11,12の
近傍における液晶分子の配向方向について説明すると、
図2において、11aは液晶セル10の上基板11の近
傍における液晶分子の配向方向、12aは下基板12の
近傍における液晶分子の配向方向を示している。
【0038】この液晶セル20の両基板11,12の近
傍における液晶分子配向方向11a,12aは、基準線
(図では水平線)Oに対し互いに逆方向にほぼ45°ず
つ傾いた方向にあり、液晶分子は、そのツイスト方向を
図に矢印で示したように、下基板12側から上基板11
側に向かって、光の入射側から見て右回り(図2におい
て右回り)にほぼ90°のツイスト角でツイスト配向し
ている。
【0039】また、図2において、21aは上偏光板2
1の透過軸、22aは下偏光板22の透過軸であり、こ
の実施例では、上偏光板21の透過軸21aを液晶セル
10の上基板11の近傍における液晶分子配向方向11
aとほぼ平行(基準線Oに対してほぼ45°の角度で交
差する方向)にし、下偏光板22の透過軸22aを上偏
光板21の透過軸21aとほぼ平行にしている。
【0040】一方、上記2枚の位相差板23,24のう
ち、上偏光板21に隣接する第1の位相差板23は、そ
の遅相軸を前記上偏光板21の透過軸21aに対し所定
角度斜めにずらして設けられている。
【0041】すなわち、図2において、23aは第1位
相差板23の遅相軸を示しており、この第1位相差板2
3の遅相軸23aは、上偏光板21の透過軸21aに対
し、光の入射側から見て右回りにθ1 のずれ角で斜めに
ずれている。この第1位相差板23の遅相軸23aは、
上記基準線Oに対して光の入射側から見て右回りにほぼ
25°の方向にあり、したがって、上偏光板21の透過
軸21aに対する第1位相差板23の遅相軸23aのず
れ角θ1 は、ほぼ70°である。
【0042】また、図2において、24aは液晶セル1
0に隣接する第2の位相差板24の遅相軸を示してお
り、この第2位相差板24の遅相軸24aは、前記第1
位相差板23の遅相軸23aに対し、光の入射側から見
て左回りにθ2 のずれ角で斜めにずれている。このずれ
角θ2 はほぼ25°である。
【0043】この第2位相差板24の遅相軸24aは基
準線Oとほぼ平行な方向にあり、液晶セル10の上基板
11の近傍における液晶分子配向方向11aは、第2位
相差板24の遅相軸24aに対して、光の入射側から見
て左回りにほぼ45°ずれている。
【0044】上記カラー液晶表示装置は、その表面側
(図1において上側)から入射する外光(自然光または
室内照明光等)を裏面側の反射板25で反射させて表示
するものであり、表面側からの入射光は、上偏光板21
と2枚の位相差板23,24と液晶セル10と下偏光板
22とを通って反射板25で反射され、再び前記下偏光
板22と液晶セル10と2枚の位相差板24,23と上
偏光板21とを通って出射する。
【0045】そして、このカラー液晶表示装置において
は、上偏光板21を透過して入射した直線偏光が、第1
位相差板23、第2位相差板24、液晶セル10を順次
透過する過程で、前記位相差板23,24の複屈折効果
および液晶セル10の液晶層18の複屈折効果により偏
光状態を変えられて下偏光板22に入射し、この下偏光
板22を透過した光が着色光になる。
【0046】この光の着色について説明すると、液晶表
示装置に入射する外光は、上偏光板21を透過して直線
偏光となった後に、まず、前記上偏光板21に隣接する
第1位相差板23に入射するが、この第1位相差板23
の遅相軸23aが前記上偏光板21の透過軸21aに対
して斜めにずれているため、上偏光板21を透過した直
線偏光が、第1位相差板23を透過する過程でそのリタ
デーションRe1の値に応じた複屈折作用を受け、各波長
光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏光となった光とな
る。
【0047】また、上記第1位相差板23を透過した光
は、次の第2位相差板24に入射し、この第2位相差板
24を透過する過程でそのリタデーションRe2の値に応
じた複屈折作用を受けて、各波長光の楕円偏光の状態が
さらに変化した光になる。
【0048】さらに、上記第2位相差板24を透過した
光は、液晶セル10に入射して、その液晶層18を透過
する過程で液晶セル10のΔn・d(液晶の屈折率異方
性Δnと液晶層厚dとの積)の値と液晶分子の配向状態
とに応じた複屈折作用を受ける。
【0049】そして、上記液晶セル10を透過した光
は、下偏光板22に入射し、その光のうち、下偏光板2
2の透過軸22aに沿った成分の光だけがこの下偏光板
22を透過して、この透過光(直線偏光)が、その透過
光を構成する各波長光の光量比に応じた着色光になる。
【0050】この着色光の色は、一対の偏光板21,2
2の透過軸21a,22aおよび各位相差板23,24
の遅相軸23a,24aの方向と,液晶セル10の両基
板11,12の近傍における液晶分子配向方向11a,
12aと、各位相差板23,24のリタデーションRe
1,Re2および液晶セル10のΔn・dの値とを、下偏
光板22を透過した光を構成する各波長光の光量比が所
望の着色光に対応した比率になるように設定することに
よって任意に選ぶことができる。
【0051】また、下偏光板22を透過した着色光は、
反射板25で反射されて上述した光経路と逆の経路で液
晶表示装置の上面側に出射し、この着色光によって表示
パターンが表示される。
【0052】なお、この場合、反射板25で反射される
着色光は、位相差板23,24および液晶セル10の液
晶層18の複屈折効果により各波長光がそれぞれ偏光状
態の異なる楕円偏光となった光のうちの、下偏光板22
の透過軸22aに沿った成分の光だけであり、その波長
域の域端の極く僅かな波長成分の光は液晶セル10およ
び位相差板23,24を通る過程で複屈折されて上偏光
板21で吸収されるため、上偏光板21を透過して出射
する着色光は、反射板25で反射された着色光よりもさ
らに色純度が良くなった光となる。
【0053】すなわち、上記カラー液晶表示装置は、カ
ラーフィルタを用いずに、2枚の位相差板23,24の
複屈折効果と、液晶セル10の液晶層18の複屈折効果
と、一対の偏光板21,22の偏光作用とを利用して光
を着色するものであり、したがってカラーフィルタによ
る光の吸収がないから、光の透過率を高くすることがで
きる。このため、上記カラー液晶表示装置は、反射型の
ものであっても、非常に明るいカラー表示を得ることが
できる。
【0054】また、このカラー液晶表示装置おいては、
各位相差板23,24の複屈折性はこれら位相差板のリ
タデーションRe1,Re2の値によって決まるが、液晶セ
ル10の液晶層18の複屈折性が、その両基板11,1
2の電極13,14間に印加される電圧による液晶分子
の配向状態によって変化し、それに応じて下偏光板22
に入射する各波長光の偏光状態が変化するため、液晶セ
ル10への印加電圧を制御することによって上記着色光
の色を変化させることができ、したがって、同じ箇所で
複数の色を表示することができる。
【0055】すなわち、液晶セル10の液晶分子は、電
極13,14間に電圧を印加していない状態では、基板
11,12面に対して最も倒伏した初期のツイスト配向
状態にあり、電極13,14間に電圧を印加すると、印
加電圧を上げてゆくのにともなってツイスト配向状態を
保ちつつ立上り配向してゆき、最終的に、基板11,1
2面に対してほぼ垂直に立上がった状態になる。
【0056】そして、液晶の屈折率異方性Δnの値は、
見掛上、液晶分子が立上り配向してゆくのにともなって
小さくなり、液晶分子が垂直に立上がり配向したときに
“0”になるるため、液晶セル10の見掛上のΔn・d
の値は、液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるとき
に最も大きく、液晶分子が垂直に立上がり配向したとき
に“0”になる。
【0057】このため、液晶セル10の液晶層18の複
屈折性は、電圧無印加状態、つまり液晶分子が初期のツ
イスト配向状態にあるときが最も大きく、このときは、
第1および第2の位相差板23,24の複屈折効果によ
り各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏光となっ
た光が、液晶層18により大きく複屈折されて下偏光板
22に入射し、この下偏光板22を透過した光が、ある
色の着色光になる。
【0058】また、液晶セル10に電圧を印加すると、
その電圧に応じて液晶層18の複屈折性が変化し、上記
電圧無印加状態のときとは異なる偏光状態の光が下偏光
板22に入射して、この下偏光板22を透過した光が他
の色に着色する。
【0059】さらに、液晶セル10に液晶分子がほぼ垂
直に立上がり配向する電圧を印加すると、液晶層18の
複屈折性がほとんど無くなり、第1および第2の位相差
板23,24の複屈折効果により各波長光がそれぞれ偏
光状態の異なる楕円偏光となった光が、その偏光状態の
まま液晶セル10を透過して下偏光板22に入射するた
め、このときは、下偏光板22を透過した光が、位相差
板23,24の複屈折効果だけによる着色光になる。
【0060】このカラー液晶表示装置の表示色は、位相
差板23,24のリタデーションRe1,Re2の値と、液
晶セル10のΔn・dの値および液晶分子ツイスト角
と、上偏光板21の透過軸21aに対する第1位相差板
23の遅相軸23aのずれ角θ1 と、第1位相差板23
の遅相軸23aに対する第2位相差板24の遅相軸24
aのずれ角θ2 と、液晶セル10への印加電圧値と、上
偏光板21および下偏光板22の透過軸21a,22a
の方向とによって決まる。
【0061】その一例を上げると、図2のように、上偏
光板21の透過軸21aに対する第1位相差板23の遅
相軸23aのずれ角θ1 がほぼ70°、第1位相差板2
3の遅相軸23aに対する第2位相差板24の遅相軸2
4aのずれ角θ2 がほぼ25°、液晶セル10の上基板
11の近傍における液晶分子配向方向11aと前記第2
位相差板24の遅相軸24aとのずれ角がほぼ45°で
あり、上偏光板21の透過軸21aが液晶セル10の上
基板11の近傍における液晶分子配向方向11aと平行
で、上偏光板21および下偏光板22の透過軸21a,
22aが互いに平行である場合、例えば第1位相差板2
3のリタデーションRe1と第2位相差板24のリタデー
ションRe2とをそれぞれ450nm、液晶セル10のΔ
n・dを1.30μm、液晶分子ツイスト角をほぼ90
°とすると、液晶セル10の液晶分子が初期のツイスト
配向状態にあるときに表示色が“オレンジ”になり、液
晶分子をほぼ垂直に立上り配向させたときに表示色が
“青”になり、また、液晶分子が初期のツイスト配向状
態から立上り配向して行く途中で、光強度が高くかつ色
純度も高い“黄緑”の表示色になる。
【0062】次の[表1]は、上記カラー液晶表示装置
の液晶セル10に印加する電圧と表示色との関係を示し
ている。なお、この[表1]において、印加電圧の値
は、液晶セル10の電極13,14間に加わる実効電圧
値である。
【0063】
【表1】
【0064】このように、上記カラー液晶表示装置は、
液晶セル10への印加電圧に応じて表示色が変化するた
め、このカラー液晶表示装置によれば、液晶セル10の
電極13,14間に印加する電圧を制御することによ
り、同じ箇所の表示色、つまり同じセグメント電極14
に対応する部分の表示色を複数の色に変化させることが
できる。
【0065】なお、この実施例では、液晶セル10の液
晶分子ツイスト角をほぼ90°としたが、この液晶分子
ツイスト角が80°〜120°の範囲であれば、[表
1]に示した着色光を得ることができる。
【0066】次に、温度による表示色の色変化について
説明すると、カラーフィルタを必要としないカラー液晶
表示装置として従来知られているECB型液晶表示装置
は、液晶セルの液晶層の複屈折性が温度によって大きく
変化するため、表示色が温度によって大きく変化してし
まうが、上記カラー液晶表示装置では、温度による表示
色の変化は小さい。
【0067】すなわち、液晶セル10の液晶層18の複
屈折性は、液晶セルのΔn・dの値によって決まるが、
液晶の屈折率異方性Δnは温度によって大きく変化する
ため、液晶層18の複屈折性は温度によって変化する。
【0068】一方、位相差板23,24の複屈折性は、
この位相差板23,24のリタデーションRe1,Re2の
値、つまり、位相差板の屈折率異方性とその板厚との積
によって決まるが、温度による位相差板の屈折率異方性
の変化は極く僅かであるため、位相差板23,24の温
度による複屈折性の変化は、液晶層18の複屈折性の変
化に比べて極く小さい。
【0069】そして、上記カラー液晶表示装置において
は、温度による複屈折性の変化が小さい位相差板を2枚
用いているため、液晶セル10の液晶層18と2枚の位
相差板23,24との全体の複屈折性は温度依存性が小
さい特性である。
【0070】つまり、仮に、液晶層18の複屈折性の大
きさと、第1位相差板23の複屈折性の大きさと、第2
位相差板24の複屈折性の大きさとの比が、1:1:1
であるとすると、前記全体の複屈折性に対する液晶層1
8の複屈折性の割合は1/3であり、したがって、温度
による液晶層18の複屈折性の変化が全体の複屈折性に
及ぼす影響は小さいから、前記全体の複屈折性の温度依
存性が小さくなる。
【0071】このため、上記カラー液晶表示装置は、E
CB型液晶表示装置に比べて、温度による表示色の色変
化が小さく、したがって、温度による表示色の色ずれを
小さくすることができる。
【0072】さらに、ECB型液晶表示装置は、視角
(表示を見る角度)によっても表示色が大きく変化して
しまうが、上記カラー液晶表示装置は、液晶セル10と
一方の偏光板(この実施例では上偏光板21)との間に
2枚の位相差板23,24を配置したものであるため、
視角による表示色の色ずれもECB型液晶表示装置に比
べて小さい。
【0073】なお、上記全体の複屈折性の温度や視角に
よる変化は、位相差板の数を多くする程小さくなるた
め、位相差板の数は3枚以上としてもよいが、位相差板
を2枚にするだけでも、前記全体の複屈折性が、温度依
存性が小さく、かつ視角による変化も小さい特性にな
る。
【0074】上記カラー液晶表示装置の具体的な表示例
を説明すると、図3〜図6は上記カラー液晶表示装置を
アラーム機能付き電子時計に適用した例を示しており、
図3は液晶セル10の一方の基板12に形成したセグメ
ント電極14の形状を示す図、図4〜図6はそれぞれ時
計の表示状態を示す図である。
【0075】まず、液晶セル10の一方の基板12に形
成したセグメント電極14について説明すると、このセ
グメント電極14としては、図3に示したように、AM
/PM(午前/午後)を表示するための電極aと、時刻
を表示するための電極bと、アラームマークを表示する
ための電極cとが形成されている。
【0076】この電子時計は、通常時は時刻を所定の色
で表示し、アラームがセットされた状態では時刻の表示
色の変化させるとともにアラームマークを表示し、さら
にアラームセット時刻までの残り時間が所定時間以下に
なったときにアラームマークの表示色を変化させて残り
時間を報知する機能をもっている。
【0077】この電子時計においては、上記カラー液晶
表示装置の液晶セル10を、各セグメント電極14およ
び各コモン電極13に、その間に次のような電圧(実効
電圧)が印加される波形のセグメント電極印加電圧およ
びコモン電極印加電圧を供給して時分割駆動する。
【0078】なお、この表示例は、カラー液晶表示装置
の液晶セル10に印加する電圧と表示色とが上記[表
1]の関係にある場合の例であり、したがって、液晶セ
ル10のセグメント電極14がない部分および非選択の
セグメント電極14に対応する背景領域の表示色(背景
色)は“オレンジ”である。
【0079】まず、通常時は、表示データに応じて選択
したAM/PM表示用および時刻表示用のセグメント電
極14とこれらに対向するコモン電極13との間に[表
1]のV2 の電圧を印加する。このような電圧で液晶セ
ル10を駆動すると、図4に示すように、“オレンジ”
の背景中に時刻(図ではAM10:43)が“黄緑”で
表示される。
【0080】一方、アラームがセットされたときは、表
示データに応じて選択したAM/PM表示用および時刻
表示用のセグメント電極14とこれらに対向するコモン
電極13との間に[表1]のV3 の電圧を印加するとと
もに、アラームマーク表示用のセグメント電極14とそ
れに対向するコモン電極13との間に[表1]のV2の
電圧を印加する。このような電圧で液晶セル10を駆動
すると、図5に示すように、“オレンジ”の背景中に表
示される時刻(図ではAM10:43)の表示色が
“青”になるとともに、アラームマークが“黄緑”で表
示され、アラームのセットが分かりやすく示される。
【0081】また、アラームがセットされている状態に
おいて、アラームセット時刻までの残り時間が所定時
間、例えば30分以下になったときは、表示データに応
じて選択したAM/PM表示用および時刻表示用とアラ
ームマーク表示用のセグメント電極14とこれらに対向
するコモン電極13との間に[表1]のV3 の電圧を印
加する。このような電圧で液晶セル10を駆動すると、
図6に示すように、“オレンジ”の背景中に表示されて
いる時刻(図ではPM2:30)の表示色はアラームセ
ット状態を示す“青”のままであるが、アラームマーク
の表示色が“黄緑”から“青”に変り、アラームセット
時刻までの残り時間が所定時間以下になったことが分か
りやすく示される。
【0082】そして、アラームは、アラームセット時刻
になったときに始動して、一定時間(例えば5分)を経
過するか、あるいはアラームの解除操作が行なわれるま
で継続され、その後、アラームが停止すると同時に表示
色が図4のような通常時の表示色に戻される。
【0083】なお、上記表示例では、通常時は時刻を
“黄緑”で表示し、アラームセット状態では時刻を
“青”、アラームマークを“黄緑”で表示し、アラーム
セット時刻までの残り時間が所定時間以下になったとき
に、時刻とアラームマークの両方を“青”で表示した
が、これら各状態と表示色との関係は任意に選ぶことが
できる。
【0084】また、上記カラー液晶表示装置は、電子時
計に限らず、種々の電子機器の表示装置に利用できるも
ので、その場合も、表示データに応じて液晶セル10の
電極13,14間に印加する電圧を制御することによ
り、種々の表示パターンを色を変えて分かりやすく表示
することができる。
【0085】なお、上記実施例では、上偏光板21の透
過軸21aとこの上偏光板21に隣接する第1の位相差
板23の遅相軸23aとのずれ角θ1 をほぼ70°とし
たが、前記上偏光板21の透過軸21aと第1の位相差
板23の遅相軸23aとは、その方向が互いに斜めにず
れていれば、そのずれ角θ1 は任意でよい。
【0086】ただし、液晶セル10の液晶分子ツイスト
角が80°〜120°(両基板11,12の近傍におけ
る液晶分子配向方向11a,12aの基準線Oに対する
傾き角がそれぞれ互いに逆方向に50°〜30°)であ
る場合、前記上偏光板21の透過軸21aと第1の位相
差板23の遅相軸23aとのずれ角θ1 はほぼ70°が
最も望ましく、このずれ角θ1 がほぼ70°であれば、
第1および第2の位相差板23,24を透過した光が、
各波長光の偏光状態の差が大きい光となり、下偏光板2
2を透過した光が鮮明な色に着色する。
【0087】さらに、上記実施例では、液晶セル10
を、時分割駆動されるセグメント表示型のものとした
が、この液晶セル10は、単純マトリックス型またはア
クティブマトリックス型のものであってもよく、その場
合は、1つ1つの画素の表示色を複数の色に変化させる
ことができる。
【0088】また、上記実施例では、下偏光板22の背
後に反射板25を配置しているが、この反射板25を備
えなければ、上記カラー液晶表示装置を透過型表示装置
として使用することができる。その場合は、上偏光板2
1側と下偏光板22側とのいずれを光の入射側としても
よい。ただし、反射型表示装置の場合も、透過型表示装
置の場合も、2枚の位相差板23,24は、光が入射す
る側の偏光板と液晶セル10との間に配置するのが望ま
しい。
【0089】[第2の実施例]次に、本発明の第2の実
施例を図7および図8を参照して説明する。図7はカラ
ー液晶表示装置の断面図、図8はカラー液晶表示装置を
構成する液晶セルと一対の偏光板と2枚の位相差板と反
射板の平面図である。
【0090】この実施例のカラー液晶表示装置は反射型
のものであり、液晶セル10と、この液晶セル10をは
さんで配置された上下一対の偏光板21,22と、これ
ら一対の偏光板21,22の間に配置された2枚の位相
差板23,24とを備え、かつ、光が入射する側(図7
において上側)とは反対側の下偏光板22の背後に反射
板25を配置した構成となっている。
【0091】上記液晶セル10は、例えば時分割駆動さ
れるセグメント表示型のものであり、この液晶セル10
は、上下一対の透明基板11,12間に、液晶分子が1
80°〜270°のツイスト角でツイスト配向したネマ
ティック液晶層18を設けて構成されている。
【0092】なお、この液晶セル10は、液晶分子のツ
イスト角を180°〜270°としたものであるが、そ
の他の構成は図1に示した液晶セル10と同じであるか
ら、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0093】また、上記2枚の位相差板23,24は、
ポリカーボネート等の一軸延伸フィルムからなってお
り、両位相差板23,24は、互いに積層されて、一方
の偏光板、例えば光が入射する側の上偏光板21と、液
晶セル10との間に配置されている。
【0094】そして、この実施例では、上記一対の偏光
板21,22の光学軸(透過軸または吸収軸)の方向
と、各位相差板23,24の光学軸(遅相軸または進相
軸)の方向と、液晶セル10の両基板11,12の近傍
における液晶分子の配向方向とを、次のように設定して
いる。
【0095】まず、液晶セル10の両基板11,12の
近傍における液晶分子の配向方向について説明すると、
図8において、11aは液晶セル10の上基板11の近
傍における液晶分子の配向方向、12aは下基板12の
近傍における液晶分子の配向方向を示している。
【0096】この液晶セル20の両基板11,12の近
傍における液晶分子配向方向11a,12aは、基準線
(図では水平線)Oに対し互いに逆方向にほぼ35°ず
つ傾いた方向にあり、液晶分子は、そのツイスト方向を
図に矢印で示したように、下基板12側から上基板11
側に向かって、光の入射側から見て右回り(図8におい
て右回り)にほぼ250°のツイスト角でツイスト配向
している。
【0097】また、図8において、21aは上偏光板2
1の透過軸、22aは下偏光板22の透過軸であり、こ
の実施例では、上偏光板21の透過軸21aを、基準線
Oに対して光の入射側から見て左回りにほぼ110°ず
らし、下偏光板22の透過軸22aを基準線Oに対して
光の入射側から見て左回りにほぼ170°ずらしてい
る。
【0098】一方、上記2枚の位相差板23,24のう
ち、上偏光板21に隣接する第1の位相差板23は、そ
の遅相軸を前記上偏光板21の透過軸21aに対し所定
角度斜めにずらして設けられている。
【0099】すなわち、図8において、23aは第1位
相差板23の遅相軸を示しており、この第1位相差板2
3の遅相軸23aは、上偏光板21の透過軸21aに対
し、光の入射側から見て右回りにθ1 のずれ角で斜めに
ずれている。この第1位相差板23の遅相軸23aは、
上記基準線Oに対して光の入射側から見て左回りにほぼ
75°の方向にあり、したがって、上偏光板21の透過
軸21aに対する第1位相差板23の遅相軸23aのず
れ角θ1 は、ほぼ35°である。
【0100】また、図8において、24aは液晶セル1
0に隣接する第2の位相差板24の遅相軸を示してお
り、この第2位相差板24の遅相軸24aは、前記第1
位相差板23の遅相軸23aに対し、光の入射側から見
て右回りにθ2 のずれ角で斜めにずれている。このずれ
角θ2 はほぼ35°である。
【0101】この第2位相差板24の遅相軸24aは、
基準線Oに対して光の入射側から見て左回りにほぼ40
°の方向にあり、液晶セル10の上基板11の近傍にお
ける液晶分子配向方向11aは、第2位相差板24の遅
相軸24aに対して、光の入射側から見て右回りにほぼ
75°ずれている。
【0102】上記カラー液晶表示装置は、その表面側
(図7において上側)から入射する外光(自然光または
室内照明光等)を裏面側の反射板25で反射させて表示
するものであり、表面側からの入射光は、上偏光板21
と2枚の位相差板23,24と液晶セル10と下偏光板
22とを通って反射板25で反射され、再び前記下偏光
板22と液晶セル10と2枚の位相差板24,23と上
偏光板21とを通って出射する。
【0103】そして、このカラー液晶表示装置において
は、上偏光板21を透過して入射した直線偏光が、第1
位相差板23、第2位相差板24、液晶セル10を順次
透過する過程で、前記位相差板23,24の複屈折効果
および液晶セル10の液晶層18の複屈折効果により偏
光状態を変えられて下偏光板22に入射し、この下偏光
板22を透過した光が着色光になる。
【0104】この光の着色原理は上述した第1の実施例
と同じであり、この実施例のカラー液晶表示装置におい
ても、光が入射する側の上偏光板21の透過軸21aと
この上偏光板21に隣接する第1位相差板23の遅相軸
23aとを互いに斜めにずらしているため、上偏光板2
1を透過して入射した直線偏光が、まず第1位相差板2
3の複屈折効果により各波長光がそれぞれ偏光状態の異
なる楕円偏光となった光となり、その光が、第2位相差
板24の複屈折効果と液晶セル10の液晶層18の複屈
折効果とにより順次偏光状態を変えられて下偏光板22
に入射して、この下偏光板22を透過した光が、その透
過光を構成する各波長光の光量比に応じた色の着色光に
なる。
【0105】この着色光の色は、一対の偏光板21,2
2の透過軸21a,22aおよび各位相差板23,24
の遅相軸23a,24aの方向と,液晶セル10の両基
板11,12の近傍における液晶分子配向方向11a,
12aと、各位相差板23,24のリタデーションRe
1,Re2および液晶セル10のΔn・dの値とを、下偏
光板22を透過した光を構成する各波長光の光量比が所
望の着色光に対応した比率になるように設定することに
よって任意に選ぶことができる。
【0106】また、下偏光板22を透過した着色光は、
反射板25で反射されて上述した光経路と逆の経路で液
晶表示装置の上面側に出射し、この着色光によって表示
パターンが表示される。なお、このカラー液晶表示装置
においても、上述した第1の実施例と同様に、液晶表示
装置の上面側に出射する着色光は、反射板25で反射さ
れた着色光よりもさらに色純度が良くなった光となる。
【0107】すなわち、このカラー液晶表示装置も、カ
ラーフィルタを用いずに、2枚の位相差板23,24の
複屈折効果と、液晶セル10の液晶層18の複屈折効果
と、一対の偏光板21,22の偏光作用とを利用して光
を着色するものであり、したがって光の透過率を高くす
ることができから、反射型のものであっても、非常に明
るいカラー表示を得ることができる。
【0108】また、このカラー液晶表示装置において
も、各位相差板23,24の複屈折性はこれら位相差板
のリタデーションRe1,Re2の値によって決まるが、液
晶セル10の液晶層18の複屈折性が、その両基板1
1,12の電極13,14間に印加される電圧による液
晶分子の配向状態によって変化し、それに応じて下偏光
板22に入射する各波長光の偏光状態が変化するため、
液晶セル10への印加電圧を制御することによって上記
着色光の色を変化させることができ、したがって、上述
した第1の実施例のカラー液晶表示装置と同様に、同じ
箇所で複数の色を表示することができる。
【0109】このカラー液晶表示装置の表示色は、位相
差板23,24のリタデーションRe1,Re2の値と、液
晶セル10のΔn・dの値および液晶分子ツイスト角
と、上偏光板21の透過軸21aに対する第1位相差板
23の遅相軸23aのずれ角θ1 と、第1位相差板23
の遅相軸23aに対する第2位相差板24の遅相軸24
aのずれ角θ2 と、液晶セル10への印加電圧値と、上
偏光板21および下偏光板22の透過軸21a,22a
の方向とによって決まる。
【0110】その一例を上げると、図8のように、上偏
光板21の透過軸21aに対する第1位相差板23の遅
相軸23aのずれ角θ1 がほぼ35°、第1位相差板2
3の遅相軸23aに対する第2位相差板24の遅相軸2
4aのずれ角θ2 がほぼ35°、液晶セル10の上基板
11の近傍における液晶分子配向方向11aと第2位相
差板24の遅相軸24aとのずれ角がほぼ75°であ
り、基準線Oに対する上偏光板21の透過軸21aのず
れ角がほぼ110°、前記基準線Oに対する下偏光板2
2の透過軸22aのずれ角がほぼ170°である場合、
例えば第1位相差板23のリタデーションRe1と第2位
相差板24のリタデーションRe2とをそれぞれ1200
nm、液晶セル10のΔn・dを0.884μm、液晶
分子のツイスト角を250°とすると、液晶セル10の
液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるときに表示色
が“赤”になり、液晶分子をほぼ垂直に立上り配向させ
たときに表示色が“緑”になり、また、液晶分子が初期
のツイスト配向状態から立上り配向して行く途中で、光
強度が高くかつ色純度も高い“青”の表示色になる。
【0111】次の[表2]は、上記カラー液晶表示装置
の液晶セル10に印加する電圧と表示色との関係を示し
ている。なお、この[表2]において、印加電圧の値
は、液晶セル10の電極13,14間に加わる実効電圧
値である。
【0112】
【表2】
【0113】このように、上記カラー液晶表示装置は、
液晶セル10への印加電圧に応じて表示色が変化するた
め、このカラー液晶表示装置によれば、液晶セル10の
電極13,14間に印加する電圧を制御することによ
り、同じ箇所の表示色、つまり同じセグメント電極14
に対応する部分の表示色を複数の色に変化させることが
できる。
【0114】なお、この実施例では、液晶セル10の液
晶分子ツイスト角をほぼ250°としたが、この液晶分
子ツイスト角が180°〜270°の範囲であれば、
[表2]に示した着色光を得ることができる。
【0115】また、この実施例のカラー液晶表示装置
も、温度による複屈折性の変化が小さい位相差板を2枚
用いているため、上述した第1の実施例のカラー液晶表
示装置と同様に、液晶セル10の液晶層18と2枚の位
相差板23,24との全体の複屈折性が、従来のECB
型表示装置に比べて大幅に小さくなり、したがって、温
度による表示色の色変化が小さいし、また視角による表
示色の色ずれもECB型表示装置に比べて小さい。
【0116】なお、この実施例のカラー液晶表示装置に
おいても、上記全体の複屈折性の温度や視角による変化
は、位相差板の数を多くする程小さくなるため、位相差
板の数は3枚以上としてもよいが、位相差板を2枚にす
るだけでも、前記全体の複屈折性が、温度依存性が小さ
く、かつ視角による変化も小さい特性になる。
【0117】そして、この実施例のカラー液晶表示装置
も、同じ箇所の表示色を複数の色に変化させることがで
きるため、表示データに応じて液晶セル10の電極1
3,14間に印加する電圧を制御することにより、種々
の表示パターンを色を変えて分かりやすく表示すること
ができる。
【0118】なお、上記実施例では、上偏光板21の透
過軸21aとこの上偏光板21に隣接する第1の位相差
板23の遅相軸23aとのずれ角θ1 をほぼ35°とし
たが、前記上偏光板21の透過軸21aと第1の位相差
板23の遅相軸23aとは、その方向が互いに斜めにず
れていれば、そのずれ角θ1 は任意でよい。
【0119】ただし、液晶セル10の液晶分子ツイスト
角が180°〜270°(両基板11,12の近傍にお
ける液晶分子配向方向11a,12aの基準線Oに対す
る傾き角がそれぞれ互いに逆方向に0°〜45°)であ
る場合、前記上偏光板21の透過軸21aと第1の位相
差板23の遅相軸23aとのずれ角θ1 はほぼ35°が
最も望ましく、このずれ角θ1 がほぼ35°であれば、
第1および第2の位相差板23,24を透過した光が、
各波長光の偏光状態の差が大きい光となり、下偏光板2
2を透過した光が鮮明な色に着色する。
【0120】さらに、上記実施例では、液晶セル10
を、時分割駆動されるセグメント表示型のものとした
が、この液晶セル10は、単純マトリックス型またはア
クティブマトリックス型のものであってもよく、その場
合は、1つ1つの画素の表示色を複数の色に変化させる
ことができる。
【0121】また、上記実施例では、下偏光板22の背
後に反射板25を配置しているが、この反射板25を備
えなければ、上記カラー液晶表示装置を透過型表示装置
として使用することができる。その場合は、上偏光板2
1側と下偏光板22側とのいずれを光の入射側としても
よい。ただし、反射型表示装置の場合も、透過型表示装
置の場合も、2枚の位相差板23,24は、光が入射す
る側の偏光板と液晶セル10との間に配置するのが望ま
しい。
【0122】[第3の実施例]次に、本発明の第3の実
施例を図9および図10を参照して説明する。図9はカ
ラー液晶表示装置の断面図、図10はカラー液晶表示装
置を構成する液晶セルと一対の偏光板と2枚の位相差板
と反射板の平面図である。
【0123】この実施例のカラー液晶表示装置は反射型
のものであり、液晶セル10と、この液晶セル10をは
さんで配置された上下一対の偏光板21,22と、これ
ら一対の偏光板21,22の間に配置された2枚の位相
差板23,24とを備え、かつ、光が入射する側(図9
において上側)とは反対側の下偏光板22の背後に反射
板25を配置した構成となっている。
【0124】上記液晶セル10は、例えば時分割駆動さ
れるセグメント表示型のものであり、この液晶セル10
は、上下一対の透明基板11,12間に、液晶分子が8
0°〜120°のツイスト角でツイスト配向したネマテ
ィック液晶層18を設けて構成されている。なお、この
液晶セル10は、図1に示した液晶セル10と同じもの
であるから、重複する説明は図に同符号を付して省略す
る。
【0125】また、上記2枚の位相差板23,24は、
ポリカーボネート等の一軸延伸フィルムからなってお
り、第1の位相差板23は上偏光板21と液晶セル10
との間に配置され、第2の位相差板24は前記液晶セル
10と下偏光板22との間に配置されている。
【0126】そして、この実施例では、上記一対の偏光
板21,22の光学軸(透過軸または吸収軸)の方向
と、各位相差板23,24の光学軸(遅相軸または進相
軸)の方向と、液晶セル10の両基板11,12の近傍
における液晶分子の配向方向とを、次のように設定して
いる。
【0127】まず、液晶セル10の両基板11,12の
近傍における液晶分子の配向方向について説明すると、
図10において、11aは液晶セル10の上基板11の
近傍における液晶分子の配向方向、12aは下基板12
の近傍における液晶分子の配向方向を示している。
【0128】この液晶セル20の両基板11,12の近
傍における液晶分子配向方向11a,12aは、基準線
(図では水平線)Oに対し互いに逆方向にほぼ45°ず
つ傾いた方向にあり、液晶分子は、そのツイスト方向を
図に矢印で示したように、下基板12側から上基板11
側に向かって、光の入射側から見て右回り(図10にお
いて右回り)にほぼ90°のツイスト角でツイスト配向
している。
【0129】また、図10において、21aは上偏光板
21の透過軸、22aは下偏光板22の透過軸であり、
この実施例では、上偏光板21の透過軸21aを液晶セ
ル10の上基板11の近傍における液晶分子配向方向1
1aとほぼ平行(基準線Oに対してほぼ45°の角度で
交差する方向)にし、下偏光板22の透過軸22aを上
偏光板21の透過軸21aとほぼ直交させている。
【0130】一方、上記2枚の位相差板23,24のう
ち、上偏光板21と液晶セル10との間に配置された第
1の位相差板23は、その遅相軸を前記上偏光板21の
透過軸21aに対し所定角度斜めにずらして設けられて
いる。
【0131】すなわち、図10において、23aは第1
位相差板23の遅相軸を示しており、この第1位相差板
23の遅相軸23aは、上偏光板21の透過軸21aに
対し、光の入射側から見て右回りにほぼ45°ずれてい
る。
【0132】なお、この第1位相差板23の遅相軸23
aは上記基準線Oとほぼ平行な方向にあり、液晶セル1
0の上基板11の近傍における液晶分子配向方向11a
は、第1位相差板23の遅相軸23aに対し、光の入射
側から見て左回りにほぼ45°ずれている。
【0133】また、図10において、24aは、下偏光
板22と液晶セル10との間に配置された第2の位相差
板24の遅相軸を示しており、この実施例では、第2位
相差板24の遅相軸24aを、上記第1位相差板23の
遅相軸23aに対してほぼ直交させている。
【0134】すなわち、第2位相差板24の遅相軸24
aは、上記基準線Oに対してほぼ直交する方向にあり、
したがって、この第2位相差板24の遅相軸24aは、
液晶セル10の下基板12の近傍における液晶分子配向
方向12aに対し、光の入射側から見て右回りにほぼ4
5°ずれている。
【0135】上記カラー液晶表示装置は、その表面側
(図9において上側)から入射する光(自然光または室
内照明光等)を裏面側の反射板25で反射させて表示す
るものであり、表面側からの入射光は、上偏光板21と
第1位相差板23と液晶セル10と第2位相差板24と
下偏光板22とを通って反射板25で反射され、再び前
記下偏光板22と第2位相差板24と液晶セル10と第
1位相差板23と上偏光板21とを通って出射する。
【0136】このカラー液晶表示装置においては、上偏
光板21を通って入射した直線偏光が、第1位相差板2
3、液晶セル10、第2位相差板24を順次透過する過
程で、前記位相差板23,24の複屈折効果および液晶
セル10の液晶層18の複屈折効果により偏光状態を変
えられて下偏光板22に入射し、この下偏光板22を透
過した光が着色光になる。
【0137】この光の着色について説明すると、液晶表
示装置に入射する外光は、上偏光板21を透過して直線
偏光となった後に、まず第1位相差板23に入射する
が、この第1位相差板23の遅相軸23aが前記上偏光
板21の透過軸21aに対して斜めにずれているため、
上偏光板21を透過した直線偏光が、第1位相差板23
を透過する過程でそのリタデーションRe1の値に応じた
複屈折作用を受け、各波長光がそれぞれ偏光状態の異な
る楕円偏光となった光となる。
【0138】また、上記第1位相差板23を透過した光
は液晶セル10に入射し、その液晶層18を透過する過
程で液晶セル10のΔn・dの値と液晶分子の配向状態
とに応じた複屈折作用を受ける。
【0139】さらに、上記液晶セル10を透過した光は
第2位相差板24に入射し、この第2位相差板24を透
過する過程でそのリタデーションRe2の値に応じた複屈
折作用を受けて、各波長光の楕円偏光の状態がさらに変
化した光になる。
【0140】そして、上記第2位相差板24を透過した
光は、下偏光板22に入射し、その光のうち、下偏光板
22の透過軸22aに沿った成分の光だけがこの下偏光
板22を透過して、この透過光(直線偏光)が、その光
を構成する各波長光の光量比に応じた着色光になる。
【0141】この着色光の色は、一対の偏光板21,2
2の透過軸21a,22aおよび各位相差板23,24
の遅相軸23a,24aの方向と,液晶セル10の両基
板11,12の近傍における液晶分子配向方向11a,
12aと、各位相差板23,24のリタデーションRe
1,Re2および液晶セル10のΔn・dの値とを、下偏
光板22を透過した光を構成する各波長光の光量比が所
望の着色光に対応した比率になるように設定することに
よって任意に選ぶことができる。
【0142】また、下偏光板22を透過した着色光は、
反射板25で反射されて上述した光経路と逆の経路で液
晶表示装置の上面側に出射し、この着色光によって表示
パターンが表示される。なお、このカラー液晶表示装置
においても、上述した第1の実施例と同様に、液晶表示
装置の上面側に出射する着色光は、反射板25で反射さ
れた着色光よりもさらに色純度が良くなった光となる。
【0143】すなわち、この実施例のカラー液晶表示装
置も、カラーフィルタを用いずに、2枚の位相差板2
3,24の複屈折効果と、液晶セル10の液晶層18の
複屈折効果と、一対の偏光板21,22の偏光作用とを
利用して光を着色するものであり、したがって光の透過
率を高くすることができから、反射型のものであって
も、非常に明るいカラー表示を得ることができる。
【0144】また、このカラー液晶表示装置において
も、各位相差板23,24の複屈折性はこれら位相差板
のリタデーションRe1,Re2の値によって決まるが、液
晶セル10の液晶層18の複屈折性が、その両基板1
1,12の電極13,14間に印加される電圧による液
晶分子の配向状態によって変化し、それに応じて下偏光
板22に入射する各波長光の偏光状態が変化するため、
液晶セル10への印加電圧を制御することによって上記
着色光の色を変化させることができ、したがって、同じ
箇所で複数の色を表示することができる。
【0145】このカラー液晶表示装置の表示色は、位相
差板23,24のリタデーションRe1,Re2の値と、液
晶セル10のΔn・dの値および液晶分子ツイスト角
と、上偏光板21の透過軸21aに対する第1位相差板
23の遅相軸23aのずれ角と、第2位相差板24の遅
相軸24aの方向と、上偏光板21および下偏光板22
の透過軸21a,22aの方向とによって決まる。
【0146】その一例を上げると、図10に示したよう
に、上偏光板21の透過軸21aに対する第1位相差板
23の遅相軸23aのずれ角がほぼ45°、第2位相差
板24の遅相軸24aの方向が第1位相差板23の遅相
軸23aに対してほぼ直交、液晶セル10の上基板11
の近傍における液晶分子配向方向11aと第1位相差板
23の遅相軸23aとのずれ角がほぼ45°であり、上
偏光板21と下偏光板22の透過軸21a,22aが互
いにほぼ直交している場合、例えば第1位相差板23の
リタデーションRe1と第2位相差板24のリタデーショ
ンRe2とをそれぞれ450nm、液晶セル10のΔn・
dを1.24μm、液晶分子ツイスト角を90°とする
と、液晶セル10の液晶分子が初期のツイスト配向状態
にあるときに表示色が“淡い青”になり、液晶分子を垂
直に立上り配向させたときに表示色が“黒”になり、ま
た、液晶分子が初期のツイスト配向状態から立上り配向
して行く途中で、光強度が高くかつ色純度も高い“紫”
と“黄”の表示色になる。
【0147】なお、液晶セル10の液晶分子を垂直に立
上り配向させたときに表示色が“黒”になるのは、第1
位相差板23のリタデーションRe1と第2位相差板24
のリタデーションRe2とが等しく、かつ第1位相差板2
3の遅相軸23aと第2位相差板24の遅相軸24aと
が直交しているとともに、上下の偏光板21,22の透
過軸21a,22aが互いに直交しているためであり、
液晶セル10での偏光作用がなければ、第1位相差板2
3を出射した楕円偏光が第2位相差板24によって元の
直線偏光(上偏光板21を通って入射した直線偏光)に
戻され、この直線偏光が全て下偏光板22で吸収され
て、表示色が“黒”になる。
【0148】次の[表3]は、上記カラー液晶表示装置
の液晶セル10に印加する電圧と表示色との関係を示し
ている。なお、この[表3]において、印加電圧の値
は、液晶セル10の電極13,14間に加わる実効電圧
値である。
【0149】
【表3】
【0150】このように、上記カラー液晶表示装置は、
液晶セル10への印加電圧に応じて表示色が変化するた
め、このカラー液晶表示装置によれば、液晶セル10の
電極13,14間に印加する電圧を制御することによ
り、同じ箇所の表示色、つまり同じセグメント電極14
に対応する部分の表示色を複数の色に変化させることが
できる。
【0151】なお、この実施例では、液晶セル10の液
晶分子ツイスト角をほぼ90°としたが、この液晶分子
ツイスト角が80°〜120°の範囲であれば、[表
3]に示した着色光を得ることができる。
【0152】また、この実施例のカラー液晶表示装置
も、温度による複屈折性の変化が小さい位相差板を2枚
用いているため、上述した第1の実施例のカラー液晶表
示装置と同様に、液晶セル10の液晶層18と2枚の位
相差板23,24との全体の複屈折性は、従来のECB
型液晶表示装置に比べて温度依存性が小さい特性であ
り、したがって、温度による表示色の色変化が小さい
し、また視角による表示色の色ずれも小さい。
【0153】なお、この実施例のカラー液晶表示装置に
おいても、上記全体の複屈折性の温度や視角による変化
は、位相差板の数を多くする程小さくなるため、位相差
板の数は3枚以上としてもよいが、位相差板を2枚にす
るだけでも、前記全体の複屈折性が、温度依存性が小さ
く、かつ視角による変化も小さい特性になる。
【0154】そして、この実施例のカラー液晶表示装置
も、同じ箇所の表示色を複数の色に変化させることがで
きるため、表示データに応じて液晶セル10の電極1
3,14間に印加する電圧を制御することにより、種々
の表示パターンを色を変えて分かりやすく表示すること
ができる。
【0155】なお、上記実施例では、上偏光板21の透
過軸21aとこの上偏光板21に隣接する第1の位相差
板23の遅相軸23aとのずれ角をほぼ45°とした
が、前記上偏光板21の透過軸21aと第1の位相差板
23の遅相軸23aとは、その方向が互いに斜めにずれ
ていれば、そのずれ角は任意でよい。
【0156】ただし、上記実施例のように、第1位相差
板23を上偏光板21と液晶セル10との間に配置し、
第2位相差板24を下偏光板22と液晶セル10との間
に配置する場合は、前記上偏光板21の透過軸21aと
第1の位相差板23の遅相軸23aとのずれ角はほぼ4
5°が最も望ましく、このずれ角がほぼ45°であれ
ば、第1位相差板23を透過した光が各波長光の偏光状
態の差が大きい光となるため、鮮明な着色光を得ること
ができる。
【0157】さらに、上記実施例では、液晶セル10
を、時分割駆動されるセグメント表示型のものとした
が、この液晶セル10は、単純マトリックス型またはア
クティブマトリックス型のものであってもよく、その場
合は、1つ1つの画素の表示色を複数の色に変化させる
ことができる。
【0158】また、上記実施例では、下偏光板22の背
後に反射板25を配置しているが、この反射板25を備
えなければ、上記カラー液晶表示装置を透過型表示装置
として使用することができる。その場合は、上偏光板2
1側と下偏光板22側とのいずれを光の入射側としても
よい。
【0159】[第4の実施例]次に、本発明の第4の実
施例を図11および図12を参照して説明する。図11
はカラー液晶表示装置の断面図、図12はカラー液晶表
示装置を構成する液晶セルと一対の偏光板と2枚の位相
差板と反射板の平面図である。
【0160】この実施例のカラー液晶表示装置は反射型
のものであり、液晶セル10と、この液晶セル10をは
さんで配置された上下一対の偏光板21,22と、これ
ら一対の偏光板21,22の間に配置された2枚の位相
差板23,24とを備え、かつ、光が入射する側(図1
1において上側)とは反対側の下偏光板22の背後に反
射板25を配置した構成となっている。
【0161】上記液晶セル10は、例えば時分割駆動さ
れるセグメント表示型のものであり、この液晶セル10
は、上下一対の透明基板11,12間に、液晶分子が1
80°〜270°のツイスト角でツイスト配向したネマ
ティック液晶層18を設けて構成されている。
【0162】なお、この液晶セル10は、液晶分子のツ
イスト角を180°〜270°としたものであるが、そ
の他の構成は図1に示した液晶セル10と同じであるか
ら、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0163】また、上記2枚の位相差板23,24は、
ポリカーボネート等の一軸延伸フィルムからなってお
り、第1の位相差板23は上偏光板21と液晶セル10
との間に配置され、第2の位相差板24は前記液晶セル
10と下偏光板22との間に配置されている。
【0164】そして、この実施例では、上記一対の偏光
板21,22の光学軸(透過軸または吸収軸)の方向
と、各位相差板23,24の光学軸(遅相軸または進相
軸)の方向と、液晶セル10の両基板11,12の近傍
における液晶分子の配向方向とを、次のように設定して
いる。
【0165】まず、液晶セル10の両基板11,12の
近傍における液晶分子の配向方向について説明すると、
図12において、11aは液晶セル10の上基板11の
近傍における液晶分子の配向方向、12aは下基板12
の近傍における液晶分子の配向方向を示している。
【0166】この液晶セル20の両基板11,12の近
傍における液晶分子配向方向11a,12aは、基準線
(図では水平線)Oに対し互いに逆方向にほぼ35°ず
つ傾いた方向にあり、液晶分子は、そのツイスト方向を
図に矢印で示したように、下基板12側から上基板11
側に向かって、光の入射側から見て右回り(図12にお
いて右回り)にほぼ250°のツイスト角でツイスト配
向している。
【0167】また、図12において、21aは上偏光板
21の透過軸、22aは下偏光板22の透過軸であり、
この実施例では、上偏光板21の透過軸21aの方向を
上記基準線Oに対してほぼ直交させ、下偏光板22の透
過軸22aの方向を、上偏光板21の透過軸21aとほ
ぼ直交する方向(基準線Oとほぼほぼ平行な方向)にし
ている。
【0168】一方、上記2枚の位相差板23,24のう
ち、上偏光板21と液晶セル10との間に配置された第
1の位相差板23は、その遅相軸を前記上偏光板21の
透過軸21aに対し所定角度斜めにずらして設けられて
いる。
【0169】すなわち、図12において、23aは第1
位相差板23の遅相軸を示しており、この第1位相差板
23の遅相軸23aは、上偏光板21の透過軸21aに
対し、光の入射側から見て右回りにほぼ45°ずれてい
る。
【0170】なお、この第1位相差板23の遅相軸23
aは上記基準線Oに対し、入射側から見て左回りにほぼ
45°ずれており、液晶セル10の上基板11の近傍に
おける液晶分子配向方向11aは、第1位相差板23の
遅相軸23aに対し、光の入射側から見て右回りにほぼ
80°ずれている。
【0171】また、図12において、24aは、下偏光
板22と液晶セル10との間に配置された第2の位相差
板24の遅相軸を示しており、この実施例では、第2位
相差板24の遅相軸24aを、上記第1位相差板23の
遅相軸23aに対してほぼ直交させている。
【0172】すなわち、第2位相差板24の遅相軸24
aは、上記基準線Oに対し、光の入射側から見て左回り
にほぼ135°ずれた方向にあり、したがって、この第
2位相差板24の遅相軸24aは、液晶セル10の下基
板12の近傍における液晶分子配向方向12aに対し、
光の入射側から見て左回りにほぼ100°ずれている。
【0173】上記カラー液晶表示装置は、その表面側
(図11において上側)から入射する光(自然光または
室内照明光等)を裏面側の反射板25で反射させて表示
するものであり、表面側からの入射光は、上偏光板21
と第1位相差板23と液晶セル10と第2位相差板24
と下偏光板22とを通って反射板25で反射され、再び
前記下偏光板22と第2位相差板24と液晶セル10と
第1位相差板23と上偏光板21とを通って出射する。
【0174】このカラー液晶表示装置においては、上偏
光板21を通って入射した直線偏光が、第1位相差板2
3、液晶セル10、第2位相差板24を順次透過する過
程で、前記位相差板23,24の複屈折効果および液晶
セル10の液晶層18の複屈折効果により偏光状態を変
えられて下偏光板22に入射し、この下偏光板22を透
過した光が着色光になる。
【0175】この光の着色原理は上述した第3の実施例
と同じであり、この実施例のカラー液晶表示装置におい
ても、光が入射する側の上偏光板21の透過軸21aと
この上偏光板21に隣接する第1位相差板23の遅相軸
23aとを互いに斜めにずらしているため、上偏光板2
1を透過して入射した直線偏光が、まず第1位相差板2
3の複屈折効果により各波長光がそれぞれ偏光状態の異
なる楕円偏光となった光となり、その光が、液晶セル1
0の液晶層18と第2位相差板24の複屈折効果とによ
り順次偏光状態を変えられて下偏光板22に入射して、
この下偏光板22を透過した光が、その透過光を構成す
る各波長光の光量比に応じた色の着色光になる。
【0176】この着色光の色は、一対の偏光板21,2
2の透過軸21a,22aおよび各位相差板23,24
の遅相軸23a,24aの方向と,液晶セル10の両基
板11,12の近傍における液晶分子配向方向11a,
12aと、各位相差板23,24のリタデーションRe
1,Re2および液晶セル10のΔn・dの値とを、下偏
光板22を透過した光を構成する各波長光の光量比が所
望の着色光に対応した比率になるように設定することに
よって任意に選ぶことができる。
【0177】また、下偏光板22を透過した着色光は、
反射板25で反射されて上述した光経路と逆の経路で液
晶表示装置の上面側に出射し、この着色光によって表示
パターンが表示される。なお、このカラー液晶表示装置
においても、上述した第1の実施例と同様に、液晶表示
装置の上面側に出射する着色光は、反射板25で反射さ
れた着色光よりもさらに色純度が良くなった光となる。
【0178】すなわち、この実施例のカラー液晶表示装
置も、カラーフィルタを用いずに、2枚の位相差板2
3,24の複屈折効果と、液晶セル10の液晶層18の
複屈折効果と、一対の偏光板21,22の偏光作用とを
利用して光を着色するものであり、したがって光の透過
率を高くすることができから、反射型のものであって
も、非常に明るいカラー表示を得ることができる。
【0179】また、このカラー液晶表示装置において
も、各位相差板23,24の複屈折性はこれら位相差板
のリタデーションRe1,Re2の値によって決まるが、液
晶セル10の液晶層18の複屈折性が、その両基板1
1,12の電極13,14間に印加される電圧による液
晶分子の配向状態によって変化し、それに応じて下偏光
板22に入射する各波長光の偏光状態が変化するため、
液晶セル10への印加電圧を制御することによって上記
着色光の色を変化させることができ、したがって、同じ
箇所で複数の色を表示することができる。
【0180】このカラー液晶表示装置の表示色は、位相
差板23,24のリタデーションRe1,Re2の値と、液
晶セル10のΔn・dの値および液晶分子ツイスト角
と、上偏光板21の透過軸21aに対する第1位相差板
23の遅相軸23aのずれ角と、第2位相差板24の遅
相軸24aの方向と、上偏光板21および下偏光板22
の透過軸21a,22aの方向とによって決まる。
【0181】その一例を上げると、図12に示したよう
に、上偏光板21の透過軸21aに対する第1位相差板
23の遅相軸23aのずれ角がほぼ45°、第2位相差
板24の遅相軸24aの方向が第1位相差板23の遅相
軸23aに対してほぼ直交、液晶セル10の上基板11
の近傍における液晶分子配向方向11aと第1位相差板
23の遅相軸23aのずれ角がほぼ80°であり、上偏
光板21と下偏光板22の透過軸21a,22aが互い
に直交している場合、例えば第1位相差板23のリタデ
ーションRe1と第2位相差板24のリタデーションRe2
とをそれぞれ1350nm、液晶セル10のΔn・dを
0.884μm、液晶分子のツイスト角を250°とす
ると、液晶セル10の液晶分子が初期のツイスト配向状
態にあるときに表示色が“黄”になり、液晶分子を垂直
に立上り配向させたときに表示色が“緑”になり、ま
た、液晶分子が初期のツイスト配向状態から立上り配向
して行く途中で、光強度が高くかつ色純度も高い“黒”
の表示色になる。
【0182】次の[表4]は、上記カラー液晶表示装置
の液晶セル10に印加する電圧と表示色との関係を示し
ている。なお、この[表4]において、印加電圧の値
は、液晶セル10の電極13,14間に加わる実効電圧
値である。
【0183】
【表4】
【0184】このように、上記カラー液晶表示装置は、
液晶セル10への印加電圧に応じて表示色が変化するた
め、このカラー液晶表示装置によれば、液晶セル10の
電極13,14間に印加する電圧を制御することによ
り、同じ箇所の表示色、つまり同じセグメント電極14
に対応する部分の表示色を複数の色に変化させることが
できる。
【0185】なお、この実施例では、液晶セル10の液
晶分子ツイスト角をほぼ250°としたが、この液晶分
子ツイスト角が180°〜270°の範囲であれば、
[表4]に示した着色光を得ることができる。
【0186】また、この実施例のカラー液晶表示装置
も、温度による複屈折性の変化が小さい位相差板を2枚
用いているため、上述した第1の実施例のカラー液晶表
示装置と同様に、液晶セル10の液晶層18と2枚の位
相差板23,24との全体の複屈折性は、従来のECB
型液晶表示装置に比べて温度依存性が小さい特性であ
り、したがって、温度による表示色の色変化が小さい
し、また視角による表示色の色ずれも小さい。
【0187】なお、この実施例のカラー液晶表示装置に
おいても、上記全体の複屈折性の温度や視角による変化
は、位相差板の数を多くする程小さくなるため、位相差
板の数は3枚以上としてもよいが、位相差板を2枚にす
るだけでも、前記全体の複屈折性が、温度依存性が小さ
く、かつ視角による変化も小さい特性になる。
【0188】そして、この実施例のカラー液晶表示装置
も、同じ箇所の表示色を複数の色に変化させることがで
きるため、表示データに応じて液晶セル10の電極1
3,14間に印加する電圧を制御することにより、種々
の表示パターンを色を変えて分かりやすく表示すること
ができる。
【0189】なお、上記実施例では、上偏光板21の透
過軸21aとこの上偏光板21に隣接する第1の位相差
板23の遅相軸23aとのずれ角をほぼ45°とした
が、前記上偏光板21の透過軸21aと第1の位相差板
23の遅相軸23aとは、その方向が互いに斜めにずれ
ていれば、そのずれ角は任意でよい。
【0190】ただし、上記実施例のように、第1位相差
板23を上偏光板21と液晶セル10との間に配置し、
第2位相差板24を下偏光板22と液晶セル10との間
に配置する場合は、前記上偏光板21の透過軸21aと
第1の位相差板23の遅相軸23aとのずれ角はほぼ4
5°が最も望ましく、このずれ角がほぼ45°であれ
ば、第1位相差板23を透過した光が各波長光の偏光状
態の差が大きい光となるため、鮮明な着色光を得ること
ができる。
【0191】さらに、上記実施例では、液晶セル10
を、時分割駆動されるセグメント表示型のものとした
が、この液晶セル10は、単純マトリックス型またはア
クティブマトリックス型のものであってもよく、その場
合は、1つ1つの画素の表示色を複数の色に変化させる
ことができる。
【0192】また、上記実施例では、下偏光板22の背
後に反射板25を配置しているが、この反射板25を備
えなければ、上記カラー液晶表示装置を透過型表示装置
として使用することができる。その場合は、上偏光板2
1側と下偏光板22側とのいずれを光の入射側としても
よい。
【0193】
【発明の効果】本発明のカラー液晶表示装置は、カラー
フィルタを用いずに、複数枚の位相差板の複屈折効果
と、液晶セルの液晶層の複屈折効果と、一対の偏光板の
偏光作用とを利用して光を着色するものであるから、明
るいカラー表示を得るとともに、同じ箇所で複数の色を
表示することができ、しかも、温度による表示色の色変
化も小さくすることができる。
【0194】また、本発明のカラー液晶表示装置におい
て、一方の偏光板と液晶セルとの間に2枚の位相差板を
配置する場合、この両位相差板を、光が入射する側の偏
光板と液晶セルとの間に配置し、入射側の偏光板の光学
軸とこの偏光板に隣接する位相差板の光学軸とのずれ角
を、液晶セルの液晶分子ツイスト角が80°〜120°
の場合でほぼ70°、液晶分子ツイスト角が180°〜
270°の場合でほぼ35°とすれば、各位相差板を透
過した光が、各波長光の偏光状態の差が大きい光となる
ため、他方の偏光板に入射する光の各波長光の偏光状態
の差を大きくして鮮明な着色光を得ることができる。
【0195】さらに、本発明のカラー液晶表示装置にお
いて、1枚の位相差板を一方の偏光板と液晶セルとの間
に配置し、他の1枚の位相差板を他方の偏光板と前記液
晶セルとの間に配置する場合、液晶セルの液晶分子ツイ
スト角が80°〜120°の場合も、また液晶分子ツイ
スト角が180°〜270°の場合も、入射側の偏光板
の光学軸とこの偏光板に隣接する位相差板の光学軸との
ずれ角をほぼ45°とすれば、前記位相差板を透過した
光が各波長光の偏光状態の差が大きい光となるため、他
方の偏光板に入射する光の各波長光の偏光状態の差を大
きくして鮮明な着色光を得ることができる。
【0196】また、本発明のカラー液晶表示装置は、光
が入射する側とは反対側の偏光板の背後に反射板を設け
ることにより、反射型表示装置として使用することがで
き、その場合も、反射型であるにもかかわらず、明るい
カラー表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すカラー液晶表示装
置の構成図。
【図2】第1の実施例のカラー液晶表示装置を構成する
液晶セルと一対の偏光板と2枚の位相差板と反射板の平
面図。
【図3】カラー液晶表示装置をアラーム機能付き電子時
計に適用した例を示す液晶セルの一方の基板に形成した
セグメント電極の形状図。
【図4】時計の表示例を示す通常時の表示状態図。
【図5】同じくアラームがセットされているときの表示
状態図。
【図6】同じくアラームセット時刻までの残り時間が所
定時間以下になったときの表示状態図。
【図7】本発明の第2の実施例を示すカラー液晶表示装
置の構成図。
【図8】第2の実施例のカラー液晶表示装置を構成する
液晶セルと一対の偏光板と2枚の位相差板と反射板の平
面図。
【図9】本発明の第3の実施例を示すカラー液晶表示装
置の構成図。
【図10】第3の実施例のカラー液晶表示装置を構成す
る液晶セルと一対の偏光板と2枚の位相差板と反射板の
平面図。
【図11】本発明の第4の実施例を示すカラー液晶表示
装置の構成図。
【図12】第4の実施例のカラー液晶表示装置を構成す
る液晶セルと一対の偏光板と2枚の位相差板と反射板の
平面図。
【符号の説明】
10…液晶セル 11,12…基板 11a…上基板の近傍における液晶分子配向方向 12a…下基板の近傍における液晶分子配向方向 13…コモン電極 14…セグメント電極 15,16…配向膜 18…液晶層 21…上偏光板 21a…透過軸 22…下偏光板 22a…透過軸 23…第1位相差板 23a…遅相軸 24…第2位相差板 24a…遅相軸 25…反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−312088 (32)優先日 平5(1993)12月13日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 西田 八寿史 東京都八王子市石川町2951番地の5 カシ オ計算機株式会社八王子研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に電極が形成された一対の基板間に液
    晶分子がツイスト配向したネマティック液晶層を設けて
    なる液晶セルと、前記液晶セルをはさんで配置された一
    対の偏光板と、前記一対の偏光板の間に配置された複数
    枚の位相差板とを備え、 前記一対の偏光板および各位相差板のそれぞれの光学軸
    の方向と前記液晶セルの両基板の近傍における液晶分子
    の配向方向を、 一方の偏光板を透過して入射した直線偏光が、前記液晶
    セルおよび各位相差板を透過する間に、前記液晶セルの
    液晶層の複屈折効果と前記各位相差板の複屈折効果とに
    よって各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏光と
    なった光となり、かつ、その光のうちの他方の偏光板を
    透過した光の各波長光の光量比が、所望の着色光に対応
    した比率になるように設定したことを特徴とするカラー
    液晶表示装置。
  2. 【請求項2】位相差板の数は2枚であり、その両位相差
    板が、一方の偏光板と液晶セルとの間に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装
    置。
  3. 【請求項3】2枚の位相差板は、光が入射する側の偏光
    板と液晶セルとの間に配置されており、少なくとも、前
    記光が入射する側の偏光板の光学軸とこの偏光板に隣接
    する位相差板の光学軸とが互いに斜めにずれていること
    を特徴とする請求項2に記載のカラー液晶表示装置。
  4. 【請求項4】液晶セルの液晶分子ツイスト角は80°〜
    120°であり、光が入射する側の偏光板の光学軸とこ
    の偏光板に隣接する位相差板の光学軸とのずれ角はほぼ
    70°であることを特徴とする請求項3に記載のカラー
    液晶表示装置。
  5. 【請求項5】液晶セルの液晶分子ツイスト角は180°
    〜270°であり、光が入射する側の偏光板の光学軸と
    この偏光板に隣接する位相差板の光学軸とのずれ角はほ
    ぼ35°であることを特徴とする請求項3に記載のカラ
    ー液晶表示装置。
  6. 【請求項6】位相差板の数は2枚であり、そのうちの1
    枚の位相差板が、一方の偏光板と液晶セルとの間に配置
    され、他の1枚の位相差板が、他方の偏光板と前記液晶
    セルとの間に配置されているとともに、少なくとも、光
    が入射する側の偏光板の光学軸とこの偏光板に隣接する
    位相差板の光学軸とが互いに斜めにずれていることを特
    徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装置。
  7. 【請求項7】液晶セルの液晶分子ツイスト角は80°〜
    120°であり、光が入射する側の偏光板の光学軸とこ
    の偏光板に隣接する位相差板の光学軸とのずれ角はほぼ
    45°であることを特徴とする請求項6に記載のカラー
    液晶表示装置。
  8. 【請求項8】液晶セルの液晶分子ツイスト角は180°
    〜270°であり、光が入射する側の偏光板の光学軸と
    この偏光板に隣接する位相差板の光学軸とのずれ角はほ
    ぼ45°であることを特徴とする請求項6に記載のカラ
    ー液晶表示装置。
  9. 【請求項9】光が入射する側とは反対側の偏光板の背後
    に反射板が設けられていることを特徴とする請求項1〜
    請求項8のいずれか1つに記載のカラー液晶表示装置。
JP6160225A 1993-07-14 1994-07-12 カラー液晶表示装置 Pending JPH07225374A (ja)

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JP17399793 1993-07-14
JP17399893 1993-07-14
JP31208793 1993-12-13
JP5-312087 1993-12-13
JP5-173998 1993-12-13
JP5-312088 1993-12-13
JP5-173997 1993-12-13
JP31208893 1993-12-13
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5838408A (en) * 1994-10-26 1998-11-17 Seiko Epson Corporation Liquid crystal device and electronic equipment using the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5838408A (en) * 1994-10-26 1998-11-17 Seiko Epson Corporation Liquid crystal device and electronic equipment using the same

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