JPH08262400A - カラー液晶表示装置 - Google Patents

カラー液晶表示装置

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JPH08262400A
JPH08262400A JP7067562A JP6756295A JPH08262400A JP H08262400 A JPH08262400 A JP H08262400A JP 7067562 A JP7067562 A JP 7067562A JP 6756295 A JP6756295 A JP 6756295A JP H08262400 A JPH08262400 A JP H08262400A
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retardation
crystal cell
retardation plate
plate
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Toshiro Takei
寿郎 武井
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2203/00Function characteristic
    • G02F2203/34Colour display without the use of colour mosaic filters

Abstract

(57)【要約】 【目的】カラーフィルタを用いずに明るいカラー表示を
得、同じ画素で白を含む複数の色を表示し、最も表示頻
度の高い白を、液晶セルの電極間に電圧を印加していな
い非選択状態で表示する。 【構成】液晶分子を90°ツイスト配向させた液晶セル10
をはさんで位相差板21,22を配置し、表側位相差板21の
表面側に偏光板20を、裏側位相差板22の裏面側に反射板
23を配置し、表側および裏側位相差板21,22の遅相軸を
液晶セル10の表面側および裏面側基板上における液晶分
子配向方向に対してそれぞれ直交させ、偏光板20の透過
軸を表側位相差板21の遅相軸に対して斜めに交差させ、
両位相差板21,22のそれぞれのリタデーションの値を、
その和が液晶セルのΔndに対してΔnd+20〜70nm
で、リタデーション差の絶対値が可視光帯域の所定の光
の波長λに対してk/2±λ/12(kは正の整数)の範
囲に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラーフィルタを用
いずに着色した表示を得るカラー液晶表示装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】着色した表示が得られるカラー液晶表示
装置としては、一般に、カラーフィルタを用いて光を着
色するものが利用されている。しかし、このカラー液晶
表示装置は、カラーフィルタを用いて光を着色するもの
であるため、光の透過率が低く、したがって表示が暗い
という問題をもっている。
【0003】これは、カラーフィルタでの光の吸収によ
るものであり、カラーフィルタは、その色に対応する波
長帯域外の波長光だけでなく、前記波長帯域の光もかな
り高い吸収率で吸収するため、カラーフィルタを通った
着色光が、カラーフィルタに入射する前の前記波長帯域
の光に比べて大幅に光強度を減じた光になり、表示が暗
くなってしまう。
【0004】なお、液晶表示装置には、そのバックライ
トからの光を利用して表示する透過型のものと、外光
(自然光や室内照明光等)を利用しその光を裏面側に配
置した反射板で反射させて表示する反射型のものとがあ
るが、上記カラー液晶表示装置を反射型とすると、その
表面側から入射し裏面側の反射板で反射されて表面側に
出射する光がカラーフィルタを2度通って二重に光強度
を減じるため、表示が極端に暗くなって、表示装置とし
てはほとんど使用できなくなる。
【0005】しかも、上記カラー液晶表示装置は、1つ
1つの画素の表示色がその画素に対応するカラーフィル
タの色によって決まるため、多くの色を表示するには、
例えば赤、緑、青の三原色のカラーフィルタをそれぞれ
対応させた3つの画素を一組として、その各画素の光の
透過を制御することにより所望の表示色を得なければな
らず、そのために透過光の強度が大幅に弱くなって表示
色が暗くなる。
【0006】一方、従来から、カラーフィルタを用いず
に着色した表示を得るカラー液晶表示装置として、EC
B型(複屈折効果型)の液晶表示装置が知られている。
このECB型液晶表示装置は、電極を形成した一対の基
板間に液晶を挟持した液晶セルをはさんで一対の偏光板
を配置したものであり、一方の偏光板を透過して入射し
た直線偏光が、液晶セルを透過する過程で液晶層の複屈
折効果により各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円
偏光となった光となり、その光が他方の偏光板に入射し
て、この他方の偏光板を透過した光が、その光を構成す
る各波長光の光強度の比に応じた色の着色光になる。
【0007】すなわち、上記ECB型液晶表示装置は、
カラーフィルタを用いずに、液晶セルの液晶層の複屈折
効果と一対の偏光板の偏光作用とを利用して光を着色す
るものであり、したがってカラーフィルタによる光の吸
収がないから、光の透過率を高くして明るいカラー表示
を得ることができる。
【0008】しかも、上記ECB型液晶表示装置は、液
晶セルの両基板の電極間に印加される電圧に応じた液晶
分子の配向状態によって液晶層の複屈折性が変化し、そ
れに応じて他方の偏光板に入射する各波長光の偏光状態
が変化するため、液晶セルへの印加電圧を制御すること
によって上記着色光の色を変化させることができ、した
がって、同じ画素で複数の色を表示することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ECB型液晶表示装置は、液晶セルの電極間に液晶分子
を立上がり配向させる電圧を印加していない非選択状
態、つまり液晶分子が初期の配向状態にあるときの表示
が着色した表示であり、印加する電圧に応じて液晶分子
の配向状態を変化させることにより表示色を変え、その
色相の違いによって文字、図形等を表示するものであ
る。したがって、背景色が有色であるため、表示が見づ
らいという欠点があった。
【0010】この発明は、カラーフィルタを用いずに光
を着色して明るいカラー表示を得るとともに、同じ画素
で白を含む複数の色を表示することができ、しかも、最
も表示頻度の高い白を、液晶セルの電極間に液晶分子を
立上がり配向させる電圧を印加していない非選択状態で
表示して、低消費電力化をはかることができるカラー液
晶表示装置を提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明のカラー液晶表
示装置は、電極を形成した一対の基板間に液晶を挟持し
その分子を両基板間においてツイスト配向させた液晶セ
ルと、前記液晶セルの表面側に配置された第1の位相差
板と、前記液晶セルの裏面側に配置された第2の位相差
板と、前記第1の位相差板の表面側に配置された偏光板
と、前記第2の位相差板の裏面側に配置された反射板と
からなり、かつ、前記液晶セルの液晶分子のツイスト角
がほぼ90°で、前記第1の位相差板の遅相軸が前記液
晶セルの表面側の基板上における液晶分子の配向方向に
対してほぼ直交し、前記第2の位相差板の遅相軸が前記
液晶セルの裏面側の基板上における液晶分子の配向方向
に対してほぼ直交しているとともに、前記偏光板の透過
軸が前記第1の位相差板の遅相軸に対して90°以外の
角度で斜めに交差しており、前記第1の位相差板と第2
の位相差板のそれぞれのリタデーションの値が、これら
位相差板のリタデーションの和が、前記液晶セルの液晶
の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積の値をΔndと
したとき、Δnd+27〜70nmで、かつ、それぞれ
のリタデーションの差の絶対値が、可視光帯域の所定の
光の波長λに対してk/2±λ/12(kは正の整数)
の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
【0012】このカラー液晶表示装置において、上記第
1および第2の位相差板のリタデーションの値は、液晶
セルの表面側に配置された第1の位相差板のリタデーシ
ョンの値が、液晶セルの裏面側に配置された第2の位相
差板のリタデーションの値より小さいのが望ましく、ま
た、上記第1の位相差板と第2の位相差板のリタデーシ
ョンの差の絶対値は、例えば、240±40nm(より
望ましくは230±20nm)、460±30nm、7
50±40nmのいずれかが望ましい。
【0013】また、上記所定の光の波長λは、およそ4
80nmに選ぶのが望ましい。さらに、上記偏光板の透
過軸とこの偏光板が隣接する上記第1の位相差板の遅相
軸とのずれ角は、ほぼ45°またはその奇数倍であるの
が望ましい。
【0014】
【作用】この発明のカラー液晶表示装置は、外光を利用
しその光を裏面側に配置した反射板で反射させて表示す
るものであり、その表面側から入射する外光は、まず偏
光板によって直線偏光され、第1の位相差板と液晶セル
と第2の位相差板とを順次透過して反射板で反射される
とともに、再び前記第2の位相差板と液晶セルと第1の
位相差板とを順次透過して前記偏光板に入射し、この偏
光板を透過した光が出射する。
【0015】この出射光は、液晶セルの電極間に液晶分
子を立上がり配向させる電圧を印加していない非選択状
態、つまり液晶分子が初期の配向状態にあるときは無彩
色であり、液晶セルの電極間に電圧を印加して液晶分子
を立上がり配向させると出射光が着色し、その色が印加
電圧に対応する液晶分子の立上がり配向状態に応じて変
化する。
【0016】まず、液晶セルの液晶分子が初期の配向状
態にあるときに出射光が無彩色になる条件について説明
する。このカラー液晶表示装置においては、液晶セルの
液晶分子がほぼ90°のツイスト角でツイスト配向して
いるとともに、この液晶セルの表面側に配置された第1
の位相差板の遅相軸が前記液晶セルの表面側の基板上に
おける液晶分子の配向方向に対してほぼ直交し、前記液
晶セルの裏面側に配置された第2の位相差板の遅相軸が
前記液晶セルの裏面側の基板上における液晶分子の配向
方向に対してほぼ直交している。
【0017】そして、上記液晶セルを、特定の方向に遅
相軸をもった固有のリタデーションを有する光学素子と
見なすと、上記カラー液晶表示装置は、前記固有のリタ
デーションを有する光学素子と上記第1および第2の位
相差板とを、それぞれの遅相軸を互いに直交させて積層
したものと同値である。
【0018】ここで、前記光学素子と第1の位相差板と
に着目すると、遅相軸を互いに直交させて配置した光学
素子と位相差板との合成リタデーションは、前記光学素
子のリタデーションReLCと前記位相差板のリタデーシ
ョンReλ1 との差であり、その差がゼロ(ReLC−R
eλ1 =0)であれば、すなわち、それぞれのリタデー
ションReLC,Reλ1 が同じであれば、この光学素子
と第1の位相差板とからなる光学要素に光を入射させた
ときの透過光の偏光状態は、入射光の偏光状態と同じに
なる。
【0019】そして、前記光学要素と第2の位相差板と
に着目すると、前記光学要素の遅相軸と前記第2の位相
差板の遅相軸も互いに直交しているため、前記光学要素
の合成リタデーション(ReLC−Reλ1 )と第2の位
相差板のリタデーションReλ2 とが同じであれば、つ
まり、ReLC−Reλ1 =Reλ2 であれば、この光学
要素と第2の位相差板とを透過した光の偏光状態も、入
射光の偏光状態と同じになる。
【0020】したがって、上記カラー液晶表示装置は、
液晶セルと第1および第2の位相差板のそれぞれのリタ
デーションReLC,Reλ1 ,Reλ2 がReLC=Re
λ1+Reλ2 の関係にあるときに、液晶セルと第1お
よび第2の位相差板とを透過した光の偏光状態が入射光
の偏光状態と同じになる。
【0021】このため、液晶表示装置への入射光(外
光)が白色光であるとすると、液晶分子が初期の配向状
態にあるときに無彩色の白を表示させるためには、液晶
セルの初期配向状態におけるリタデーションReLCと、
第1および第2の位相差板のリタデーションReλ1 ,
Reλ2 とを、ReLC=Reλ1 +Reλ2 の関係にな
るように設定すればよい。このようにすれば、液晶セル
の電極間に液晶分子を立上がり配向させる電圧を印加し
ていない非選択状態では透過光の偏光状態を変えること
がないので、前記偏光板を透過して出射する光が着色の
ない無彩色光になり、表示が無彩色の明表示である白に
なる。
【0022】なお、このカラー液晶表示装置では、反射
板によって反射された光が、第2の位相差板と液晶セル
と第1の位相差板とを往復して透過するが、これらのリ
タデーションReLC,Reλ1 ,Reλ2 が、Reλ1
+Reλ2 =ReLCの関係にあるので、前述した往路の
透過光と同様にし、復路においても透過光の偏光状態は
変化しない。
【0023】ここで、上記液晶セルのリタデーションR
eLCの値は、この液晶セルに用いられる液晶のバルクの
屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの値と、基
板間に封入された液晶の配向状態とによって定まるもの
であり、液晶が初期配向状態にある液晶セルのリタデー
ションReLCは、前記Δndと、液晶分子のツイスト配
向のツイスト角、基板面に対するプレチルト角等によっ
て決まる値αの和によって与えられる。
【0024】すなわち、液晶セルのリタデーションRe
LCは、ReLC=Δnd+αで表わされ、このαの値は、
20〜70nmである。したがって、上記リタデーショ
ンの関係式Reλ1 +Reλ2 =ReLCは、 Reλ1 +Reλ2 =Δnd+α (α=20〜70n
m) となり、第1、第2の位相差板および液晶セルのリタデ
ーションReλ1 ,Reλ2 ,ReLCは、それぞれ上式
の関係を満たすように設定される。つまり、第1と第2
の位相差板のリタデーションの和の値(Reλ1 +Re
λ2 )が、液晶セルの屈折率異方性をΔndとしたと
き、Δnd+20〜70nmの範囲になるように設定す
ることにより、液晶セルの電極間に液晶分子を立上がり
配向させる電圧を印加していない非選択状態で白の表示
が得られる。
【0025】次に、出射光の着色について説明すると、
この発明のカラー液晶表示装置は、液晶セルの液晶分子
が初期の配向状態にあるときは、液晶セルのリタデーシ
ョンReLCと第1および第2の位相差板のリタデーショ
ンReλ1 ,Reλ2 とがReLC=Reλ1 +Reλ2
の関係にあるが、液晶セルの電極間に電圧を印加して液
晶分子を立上がり配向させると、この液晶分子の配向状
態に変化に応じて液晶セルのリタデーションReLCが変
化し、 ReLC≠Reλ1 +Reλ2 となる。
【0026】したがって、このとき、偏光板を透過して
直線偏光となった光は、第1の位相差板と液晶セルと第
2の位相差板を往復して透過する過程でそれらの複屈折
効果により、各波長光ごとにそれぞれ偏光状態の異なる
楕円偏光となり、その光が前記偏光板に入射して、この
偏光板を透過した出射光が、その光を構成する各波長光
の光強度の比に応じた色の着色光になる。
【0027】この出射光の着色は、偏光板の透過軸と、
この偏光板に隣接する第1の位相差板の遅相軸とがほぼ
45°またはその奇数倍(135°,225°,315
°)の交差角で斜めに交差 そして、液晶セルの液晶分子は、印加電圧を高くしてゆ
くのにともなってツイスト配向状態を保ちつつ立上がり
配向し、それに応じて液晶セルのリタデーションReLC
の値が小さくなるため、液晶セルへの印加電圧を変化さ
せると、第1の位相差板と液晶セルと第2の位相差板を
往復して透過して楕円偏光に入射する各波長光の偏光状
態が変化して、出射光の色が変化する。
【0028】この場合、従来のECB型液晶表示装置で
は、その表示色を変化させるのに、液晶セルの電極間に
印加する電圧を大きく変化させなければならないが、こ
の発明のカラー液晶表示装置は、液晶セルへの印加電圧
をあまり大きく変えなくても、表示色を変化させること
ができ、したがって、比較的低い電圧で複数の着色表示
を得ることができる。
【0029】次に、上記出射光の着色を、液晶セルの電
極間に充分に高い電圧を印加して液晶分子をほぼ垂直に
立上がり配向させたときについて考えると、液晶セルの
液晶分子がほぼ垂直に立上がり配向した状態では、液晶
セルのリタデーションReLCが実質的にゼロ(ReLC=
0)になったと見なせるため、上記カラー液晶表示装置
は、前記液晶セルを無視して、第1と第2の位相差板は
さんで偏光板と反射板が配置されている構成と考えるこ
とができる。
【0030】そして、この場合、第1の位相差板と第2
の位相差板の遅相軸が互いにほぼ直交しているため、こ
れら位相差板の合成リタデーションReλR は、第1の
位相差板のリタデーションReλ1 と第2の位相差板の
リタデーションReλ2 との差、つまり、ReλR =R
eλ2 −Reλ1 となる。
【0031】このとき、上記カラー液晶表示装置は、反
射板を用いた反射型であるため、上記合成リタデーショ
ンReλR の2倍のリタデーション(2ReλR )を有
する位相差板をはさんで一対の偏光板をそれぞれの透過
軸を互いに平行にして配置した透過型表示装置と同値で
ある。
【0032】また、リタデーションの値がReλR であ
る位相差板を透過した光の位相差δは、可視光帯域の所
定の光の波長をλとすると、 δ=(2π/λ)ReλR …(1) で表わされる。
【0033】そして、上記透過型表示装置における位相
差板を透過した光の位相差は2δであるから、この表示
装置の光の出射率Tは、位相差板の遅相軸に対する両偏
光板の透過軸のずれ角をφとすると、 T=1− sin(2φ)・ sin2 δ …(2) となる。
【0034】この (2)式より、φ=(m−1)・π/2
(mは正の整数1,2,3…)のときは、T=1とな
る。すなわち、上記位相差板の遅相軸に対する両偏光板
の透過軸のずれ角φが90°またはその整数倍であると
きは、位相差板のリタデーションに関係なく光の出射率
が最大となり、また出射光の着色も生じない。
【0035】一方、上記 (2)式より、φ=(2m−1)
・π/4 (mは正の整数1,2,3…)のときは、 T=1− sin2 δ …(3) となり、各波長光の出射率が各波長光ごとの位相差δの
値に対応して異なるため、上記位相差板を透過した光
は、その各波長光がそれぞれ偏光状態の異なる楕円偏光
となった光となり、この偏光板を透過した出射光が着色
する。このとき、つまり上記位相差板の遅相軸に対する
偏光板の透過軸のずれ角φが45°またはその奇数倍で
あるときの出射光は、最も色付きが大きい着色光であ
る。
【0036】この出射光の着色は、上記ずれ角φが90
°またはその整数倍(180°,270°,360°)
以外の範囲、つまり斜めの交差角であるときに得られる
が、φが45°またはその奇数倍であるときに、最も鮮
やかで色コントラストが最大の色が出る。
【0037】さらに、上記ずれ角φが45°またはその
奇数倍であるときの各波長光の出射率について考察する
と、φ=π/4のときの出射率Tは、上記 (3)式のよう
にT=1− sin2 δであり、Tが最大、つまりT=1と
なるのは、 sin2 δ=0 のときである。
【0038】このときの位相差δは、 δ=kπ (kは正の整数1,2,3…) であり、また (1)式のように、 δ=(2π/λ)ReλR であるから、 2π・ReλR /λ=kπ ∴ ReλR =(2/k)λ …(4) となる。
【0039】以上のことから、この発明のカラー液晶表
示装置は、液晶セルの液晶に充分高い電圧が印加された
とき、第1および第2の位相差板とを合成したときの遅
相軸の向きと偏光板の透過軸とが90°またはその整数
倍を除く交差角で斜めに交差しているとき、上記 (4)式
の波長λの光、すなわち、その半波長の整数倍(k倍)
が第1および第2の位相差板の合成リタデーションRe
λR の値に相当する光が最も多く偏光板を透過して出射
し、その波長光を中心とした色に出射光が着色する。
【0040】ここで、上記 (4)式で表わされる所定の波
長の光を出射させるための第1および第2の位相差板の
合成リタデーションReλR の範囲を考察する。例え
ば、所定の波長光の出射率がその最大出射率の3/4以
上である範囲、つまり光の出射率TがT≧3/4の範囲
であるとすると、上記 (3)式は、 3/4≧1− sin2 δ となる。
【0041】上記式が3/4=1− sin2 δとなる場合
について第1および第2の位相差板を透過した光の位相
差δを求めると、 sin2 δ=1/4 sinδ =1/2 …(5) であり、この (5)式を満たすδは、 δ=±(π/6)+kπ (kは正の整数1,2,3
…) である。
【0042】このことは、最大出射率が得られる位相差
δmax (δmax =kπ)に対して±π/6の位相差の範
囲で、最大出射率の3/4以上が得られるということを
表わしている。
【0043】そして、位相差δmax からの位相差の差を
δΔとすると、 δΔ=±π/6 …(6) となり、また上記 (1)式より、最大出射率が得られる位
相差板のリタデーションに対する、最大出射率の3/4
以上が得られるリタデーションのずれをReΔλR とす
ると、 δΔ=(2π/λ)ReΔλR …(7) となる。
【0044】この (6)式と (7)式とより、 ±π/6=(2π/λ)ReΔλR ReΔλR =±(1/12)λ よって、 |ReΔλR |=(1/12)λ となる。
【0045】したがって、所定の波長光の出射率Tが最
大出射率の3/4以上(T≧3/4)となる第1および
第2の位相差板の合成リタデーションReλR の範囲
は、 ReλR ±|ReΔλR |=(k/2)λ±(1/1
2) (kは正の整数1,2,3…) となる。
【0046】以上の結果から、所定の波長光の出射率が
最大となる第1および第2の位相差板の合成リタデーシ
ョンReλR の値は(k/2)λ(kは正の整数)であ
り、最大出射率の3/4の出射率が得られる合成リタデ
ーションReλR の値は(1/12)λである。
【0047】そして、前記合成リタデーションReλR
は、上述したように第1および第2の位相差板のそれぞ
れのリタデーションReλ1 ,Reλ2 の差(ReλR
=Reλ2 −Reλ1 )であるため、これら第1および
第2の位相差板のリタデーションReλ1 ,Reλ2 の
差の絶対値が可視光帯域の所定の光の波長λに対してk
/2±λ/12(kは正の整数)の範囲、つまり、 Reλ2 −Reλ1 =(k/2)λ±(1/12) (kは正の整数1,2,3…) であれば、所定の波長光の出射率Tが最大出射率の3/
4以上(T≧3/4)となる。
【0048】ここで、上記所定の光の波長λは、480
nm程度の青ないし緑系の色域の波長を選択するのが望
ましく、所定の光の波長λをおよそ480nmに選べ
ば、液晶セルの電極間に印加する電圧を変化させること
により、表示色をより多くの色に変化させることができ
る。
【0049】このように、この発明のカラー液晶表示装
置によれば、カラーフィルタを用いずに光を着色して明
るいカラー表示を得るとともに、同じ画素で白を含む複
数の色を表示することができ、しかも、最も表示頻度の
高い白を、液晶セルの電極間に液晶分子を立上がり配向
させる電圧を印加していない非選択状態で表示して、低
消費電力化をはかることができる。
【0050】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
説明する。図1はカラー液晶表示装置の断面図である。
このカラー液晶表示装置は、液晶セル10と、この液晶
セル10の表面側(図において上側)に配置された第1
の位相差板(以下、表側位相差板という)21と、前記
液晶セル10の裏面側(図において下側)に配置された
第2の位相差板(以下、裏側位相差板という)22と、
前記第1の位相差板21の表面側に配置された偏光板2
0と、前記第2の位相差板22の裏面側に配置された反
射板23とからなっている。なお、前記反射板23は、
樹脂フィルム等からなるベースシートの表面に銀または
アルミニウム等の金属膜を蒸着した無指向性反射板であ
る。
【0051】上記液晶セル10は、ITO膜等からなる
透明電極13,14を形成しその上に配向膜15,16
を形成した一対の透明基板(例えばガラス基板)11,
12間にネマティック液晶18を挟持しその分子を両基
板11,12間においてツイスト配向させたものであ
り、前記両基板11,12は枠状のシール材17を介し
て接合されており、液晶18は両基板11,12間の前
記シール材17で囲まれた領域に封入されている。
【0052】この液晶セル10は、例えばTFT(薄膜
トランジスタ)を能動素子とするアクティブマトリック
ス型のものであり、一方の基板11に形成された電極1
3は行方向および列方向に配列された複数の画素電極、
他方の基板12に形成された電極14は前記画素電極1
3の全てに対向する対向電極である。
【0053】なお、図1では省略しているが、画素電極
13を形成した基板11には、各画素電極13にそれぞ
れ接続された複数のTFTと、各行のTFTにゲート信
号を供給するゲート配線と、各列のTFTにデータ信号
を供給するデータ配線とが設けられている。
【0054】また、上記両基板11,12に設けた配向
膜15,16は、ポリイミド等からなる水平配向膜であ
り、これら配向膜15,16は互いにほぼ直交する方向
に配向処理(ラビング処理)されており、液晶18の分
子は、両基板11,12上(配向膜15,16の上)に
おける配向方向を配向膜15,16で規制され、前記配
向膜15,16面に対し僅かなプレチルト角で傾斜した
状態で、両基板11,12間においてほぼ90°のツイ
スト角でツイスト配向している。
【0055】そして、上記偏光板20と表側および裏側
位相差板21,22は、その光学軸(偏光板では透過
軸、位相差板では遅相軸)を次のような向きにして設け
られている。
【0056】図2は、上記液晶セル10の両基板11,
12上における液晶分子配向方向と表裏の位相差板2
1,22の遅相軸および偏光板20の透過軸の向きを示
している。
【0057】この図2のように、液晶セル10の裏面側
基板11上における液晶分子配向方向11aは、液晶表
示装置の横軸Oに対して図上(表面側から見て)右回り
にほぼ45°ずれ、表面側基板12上における液晶分子
配向方向12aは、前記横軸Oに対して図上左回りにほ
ぼ45°ずれており、液晶分子は、そのツイスト方向を
破線矢印で示したように、裏面側基板11から表面側基
板12に向かって図上右回りにほぼ90°のツイスト角
でツイスト配向している。
【0058】また、図2のように、表側位相差板21の
遅相軸21aは前記横軸Oに対して図上左回りにほぼ1
35°ずれ、裏側位相差板22の遅相軸22aは前記横
軸Oに対して図上左回りにほぼ45°ずれており、また
偏光板20の透過軸20aは前記横軸Oとほぼ平行また
はほぼ直交(図では平行)する方向にある。
【0059】すなわち、液晶セル10の表面側に配置さ
れた表側位相差板21は、その遅相軸21aを液晶セル
10の表面側基板12上における液晶分子配向方向12
aに対してほぼ直交させて設けられ、液晶セル10の裏
面側に配置された裏側位相差板22は、その遅相軸22
aを液晶セル10の裏面側基板11上における液晶分子
配向方向11aに対してほぼ直交させて設けられてお
り、また表側位相差板21の表面側に配置された偏光板
20は、その透過軸20aを前記表側位相差板21の遅
相軸21aに対してほぼ45°またはその奇数倍(13
5°,225°,315°)の交差角(図2では45
°)で斜めに交差させて設けられている。
【0060】また、上記表側位相差板21のリタデーシ
ョンReλ1 の値と、裏側位相差板22のリタデーショ
ンReλ2 の値は、これら位相差板21,22のリタデ
ーションの和(Reλ1 +Reλ2 )が、液晶セル10
のΔndに対してΔnd+20〜70nmで、かつ、そ
れぞれのリタデーションの差(ReLC−Reλ1 )の絶
対値が、可視光帯域の所定の光の波長λに対してk/2
±λ/12(kは正の整数1,2,3…)の範囲に設定
されている。
【0061】このカラー液晶表示装置は、外光を利用し
その光を裏面側に配置した反射板23で反射させて表示
するものであり、その表面側から入射する外光は、まず
偏光板20によって直線偏光され、表側位相差板21と
液晶セル10と裏側位相差板22とを順次透過して反射
板23で反射されるとともに、再び前記裏側位相差板2
2と液晶セル10と表側位相差板21とを順次透過して
前記偏光板20に入射し、この偏光板20を透過した光
が出射する。また、このカラー液晶表示装置は、液晶セ
ル10の両基板11,12の電極13,14間に電圧を
印加して表示駆動される。
【0062】このカラー液晶表示装置の表示は、上記
[作用]の項で説明したように、液晶セル10の電極1
3,14間に液晶分子を立上がり配向させる電圧を印加
していない非選択状態において白であり、液晶セル10
の電極13,14間に電圧を印加すると表示が着色し、
またその色が印加電圧に応じて変化する。
【0063】このカラー液晶表示装置の表示色は、表側
および裏側位相差板21,22のリタデーションReλ
1 ,Reλ2 の値と、液晶セル10のΔndの値によっ
て決まる。以下、その具体的な実施例を説明する。
【0064】[実施例1]表側および裏側位相差板2
1,22の遅相軸21a,22aと偏光板20の透過軸
20aとを図2の向きにしたカラー液晶表示装置におい
て、表側位相差板21のリタデーションReλ1 を Reλ1 =60nm 裏側位相差板22のリタデーションReλ2 を Reλ2 =810nm 両位相差板21,22のリタデーションの和(Reλ1
+Reλ2 )を Reλ1 +Reλ2 =870nm 両位相差板21,22のリタデーションの差(Reλ2
−Reλ1 )を Reλ2 −Reλ1 =750nm 液晶セル10のΔndを Δnd=830nm 両位相差板21,22のリタデーションの和と液晶セル
10のΔndとの差α[α=(Reλ1 +Reλ2 )−
Δnd]を α=40nm に設定した。
【0065】図3は、上記実施例1における出射光の色
変化を示すCIE色度図であり、図において点Wは無彩
色領域の中心を示している。この色度図のように、上記
実施例1では、出射光が、液晶セル10の電極13,1
4間に液晶分子を立上がり配向させる電圧を印加してい
ない非選択状態では無彩色の白色光であり、前記電極1
3,14間にある程度以上の電圧を印加したときに出射
光が着色し、その色が、印加電圧を高くしてゆくのにと
もなって図のように変化する。
【0066】図4は、上記実施例1における液晶セル1
0への印加電圧に対する光の出射率および出射光の色変
化を示しており、この実施例では、印加電圧が0〜約
1.5vの範囲で白が表示され、それより印加電圧を高
くしてゆくのにともなって、表示色が青→黄緑→赤紫→
灰色→緑の順に変化する。なお、図において()を付し
た色は近似色である。
【0067】したがって、この実施例によれば、同じ画
素で、白、青、黄緑、赤紫、灰色、緑の色を表示するこ
とができるとともに、これら表示色の全てを0〜約4v
の比較的低い電圧(図4参照)で得ることができ、しか
も、非選択状態で白を表示することができる。
【0068】なお、上記実施例1では、表側位相差板2
1のリタデーションReλ1 を60nm、裏側位相差板
22のリタデーションReλ2 を810nmとしたが、
これら位相差板21,22のリタデーションReλ1 ,
Reλ2 の値は、それらの和(Reλ1 +Reλ2 )が
液晶セル10のΔndに対してΔnd+20〜70nm
で、かつ、それぞれのリタデーションの差(Reλ2 −
Reλ1 )の絶対値が、740±40nmになる範囲で
任意に選べばよく、その範囲であれば図4のような表示
色を得ることができる。
【0069】[実施例2]表側および裏側位相差板2
1,22の遅相軸21a,22aと偏光板20の透過軸
20aとを図2の向きにしたカラー液晶表示装置におい
て、表側位相差板21のリタデーションReλ1 を Reλ1 =357nm 裏側位相差板22のリタデーションReλ2 を Reλ2 =610nm 両位相差板21,22のリタデーションの和(Reλ1
+Reλ2 )を Reλ1 +Reλ2 =985nm 両位相差板21,22のリタデーションの差(Reλ2
−Reλ1 )を Reλ2 −Reλ1 =235nm 液晶セル10のΔndを Δnd=920nm 両位相差板21,22のリタデーションの和と液晶セル
10のΔndとの差α[α=(Reλ1 +Reλ2 )−
Δnd]を α=65nm に設定した。
【0070】図5は、上記実施例2における出射光の色
変化を示すCIE色度図であり、図において点Wは無彩
色領域の中心を示している。この色度図のように、上記
実施例2では、出射光が、液晶セル10の電極13,1
4間に液晶分子を立上がり配向させる電圧を印加してい
ない非選択状態では無彩色の白色光であり、前記電極1
3,14間にある程度以上の電圧を印加したときに出射
光が着色し、その色が、印加電圧を高くしてゆくのにと
もなって図のように変化する。
【0071】図6は、上記実施例2における液晶セル1
0への印加電圧に対する光の出射率および出射光の色変
化を示しており、この実施例では、印加電圧が0〜約
1.5vの範囲で白が表示され、それより印加電圧を高
くしてゆくのにともなって、表示色が黒→青→黄緑→赤
紫→紫→緑→薄緑の順に変化する。なお、図におい
て()を付した色は近似色である。
【0072】したがって、この実施例によれば、同じ画
素で、白、黒、青、黄緑、赤紫、紫、緑、薄緑の色を表
示することができるとともに、これら表示色の全てを0
〜約6vの比較的低い電圧(図6参照)で得ることがで
き、しかも、非選択状態で白を表示することができる。
【0073】また、上述した実施例1では、図4のよう
に、非選択状態での白の表示が近似色であり、約1.5
vの電圧を印加したときに明るい白の表示になるが、こ
の実施例2では、非選択状態での表示が実施例1に比べ
て充分明るくかつ純度のよい白の表示であり、したがっ
て、より明るい白の表示を得ることができる。
【0074】なお、上記実施例2では、表側位相差板2
1のリタデーションReλ1 を357nm、裏側位相差
板22のリタデーションReλ2 を610nmとした
が、これら位相差板21,22のリタデーションReλ
1 ,Reλ2 の値は、それらの和(Reλ1 +Reλ2
)が液晶セル10のΔndに対してΔnd+20〜7
0nmで、かつ、それぞれのリタデーションの差(Re
λ2 −Reλ1 )の絶対値が、240±40nmになる
範囲、望ましくは230±20nmになる範囲で任意に
選べばよく、その範囲であれば図6のような表示色を得
ることができる。
【0075】[実施例3]表側および裏側位相差板2
1,22の遅相軸21a,22aと偏光板20の透過軸
20aとを図2の向きにしたカラー液晶表示装置におい
て、表側位相差板21のリタデーションReλ1 を Reλ1 =410nm 裏側位相差板22のリタデーションReλ2 を Reλ2 =630nm 両位相差板21,22のリタデーションの和(Reλ1
+Reλ2 )を Reλ1 +Reλ2 =1040nm 両位相差板21,22のリタデーションの差(Reλ2
−Reλ1 )を Reλ2 −Reλ1 =220nm 液晶セル10のΔndを Δnd=1000nm 両位相差板21,22のリタデーションの和と液晶セル
10のΔndとの差α[α=(Reλ1 +Reλ2 )−
Δnd]を α=40nm に設定した。
【0076】図7は、上記実施例3における出射光の色
変化を示すCIE色度図であり、図において点Wは無彩
色領域の中心を示している。この色度図のように、上記
実施例3では、出射光が、液晶セル10の電極13,1
4間に液晶分子を立上がり配向させる電圧を印加してい
ない非選択状態では無彩色の白色光であり、前記電極1
3,14間にある程度以上の電圧を印加したときに出射
光が着色し、その色が、印加電圧を高くしてゆくのにと
もなって図のように変化する。
【0077】図8は、上記実施例3における液晶セル1
0への印加電圧に対する光の出射率および出射光の色変
化を示しており、この実施例では、印加電圧が0〜約
1.5vの範囲で白が表示され、それより印加電圧を高
くしてゆくのにともなって、表示色が黒→黄緑→紫→青
→緑の順に変化する。なお、図において()を付した色
は近似色である。
【0078】したがって、この実施例によれば、同じ画
素で、白、黒、黄緑、紫、青、緑の色を表示することが
できるとともに、これら表示色の全てを0〜約6vの比
較的低い電圧(図8参照)で得ることができ、しかも、
非選択状態で白を表示することができる。
【0079】また、この実施例においても、上記実施例
2と同様に、非選択状態での表示が充分明るくかつ純度
のよい白の表示であり、したがって、より明るい白の表
示を得ることができる。
【0080】なお、上記実施例3では、表側位相差板2
1のリタデーションReλ1 を410nm、裏側位相差
板22のリタデーションReλ2 を630nmとした
が、これら位相差板21,22のリタデーションReλ
1 ,Reλ2 の値は、それらの和(Reλ1 +Reλ2
)が液晶セル10のΔndに対してΔnd+20〜7
0nmで、かつ、それぞれのリタデーションの差(Re
λ2 −Reλ1 )の絶対値が、240±40nmになる
範囲、望ましくは230±20nmになる範囲で任意に
選べばよく、その範囲であれば図8のような表示色を得
ることができる。
【0081】[実施例4]表側および裏側位相差板2
1,22の遅相軸21a,22aと偏光板20の透過軸
20aとを図2の向きにしたカラー液晶表示装置におい
て、表側位相差板21のリタデーションReλ1 を Reλ1 =310nm 裏側位相差板22のリタデーションReλ2 を Reλ2 =760nm 両位相差板21,22のリタデーションの和(Reλ1
+Reλ2 )を Reλ1 +Reλ2 =1070nm 両位相差板21,22のリタデーションの差(Reλ2
−Reλ1 )を Reλ2 −Reλ1 =450nm 液晶セル10のΔndを Δnd=1000nm 両位相差板21,22のリタデーションの和と液晶セル
10のΔndとの差α[α=(Reλ1 +Reλ2 )−
Δnd]を α=70nm に設定した。
【0082】なお、この実施例では、裏側位相差板22
として、リタデーションが350nmの位相差板と、リ
タデーションが41nmの位相差板とを積層したものを
使用した。
【0083】図9は、上記実施例3における出射光の色
変化を示すCIE色度図であり、図において点Wは無彩
色領域の中心を示している。この色度図のように、上記
実施例3では、出射光が、液晶セル10の電極13,1
4間に液晶分子を立上がり配向させる電圧を印加してい
ない非選択状態では無彩色の白色光であり、前記電極1
3,14間にある程度以上の電圧を印加したときに出射
光が着色し、その色が、印加電圧を高くしてゆくのにと
もなって図のように変化する。
【0084】図10は、上記実施例3における液晶セル
10への印加電圧に対する光の出射率および出射光の色
変化を示しており、この実施例では、印加電圧が0〜約
1.5vの範囲で白が表示され、それより印加電圧を高
くしてゆくのにともなって、表示色が黒→青→黄緑→赤
紫→紫→緑の順に変化する。なお、図において()を付
した色は近似色である。
【0085】したがって、この実施例によれば、同じ画
素で、白、黒、青、黄緑、赤紫、紫、緑の色を表示する
ことができるとともに、これら表示色の全てを0〜約5
vの比較的低い電圧(図10参照)で得ることができ、
しかも、非選択状態で白を表示することができる。
【0086】また、この実施例においても、上記実施例
2および3と同様に、非選択状態での表示が充分明るく
かつ純度のよい白の表示であり、したがって、より明る
い白の表示を得ることができる。
【0087】なお、上記実施例4では、表側位相差板2
1のリタデーションReλ1 を310nm、裏側位相差
板22のリタデーションReλ2 を760nmとした
が、これら位相差板21,22のリタデーションReλ
1 ,Reλ2 の値は、それらの和(Reλ1 +Reλ2
)が液晶セル10のΔndに対してΔnd+20〜7
0nmで、かつ、それぞれのリタデーションの差(Re
λ2 −Reλ1 )の絶対値が、460±30nmになる
範囲で任意に選べばよく、その範囲であれば図10のよ
うな表示色を得ることができる。
【0088】上述した実施例1〜4のように、上記カラ
ー液晶表示装置は、同じ画素で白を含む複数の色を表示
することができるとともに、最も表示頻度の高い白を、
液晶セル10の電極13,14間に液晶分子を立上がり
配向させる電圧を印加していない非選択状態で表示でき
るため、従来のECB型液晶表示装置に比べて大幅な低
消費電力化をはかることができる。
【0089】また、上記カラー液晶表示装置は、実施例
1〜4の表示色に加えて、隣接する複数の画素の表示色
の組合わせによりそれらの合成色を表現することも可能
である。
【0090】なお、上記実施例では、液晶セル10とし
てアクティブマトリックス型のものを用いたが、この液
晶セル10は、単純マトリックス型のものであってもよ
いし、またセグメント型のものであってもよい。
【0091】
【発明の効果】この発明のカラー液晶表示装置によれ
ば、カラーフィルタを用いずに光を着色して明るいカラ
ー表示を得るとともに、同じ画素で白を含む複数の色を
表示することができ、しかも、最も表示頻度の高い白
を、液晶セルの電極間に液晶分子を立上がり配向させる
電圧を印加していない非選択状態で表示して、低消費電
力化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すカラー液晶表示装置
の断面図。
【図2】同じく液晶セルの両基板上における液晶分子配
向方向と表裏の位相差板の遅相軸および偏光板の透過軸
の向きを示す図。
【図3】表側位相差板のリタデーションを60nm、裏
側位相差板のリタデーションを810nm、両位相差板
のリタデーションの和を870nm、両位相差板のリタ
デーションの差を750nm、液晶セルのΔndを83
0nm、両位相差板のリタデーションの和と液晶セルの
Δndとの差を40nmに設定した実施例1における出
射光の色変化を示すCIE色度図。
【図4】実施例1における液晶セルへの印加電圧に対す
る光の出射率および出射光の色変化を示す図。
【図5】表側位相差板のリタデーションを357nm、
裏側位相差板のリタデーションを610nm、両位相差
板のリタデーションの和を985nm、両位相差板のリ
タデーションの差を235nm、液晶セルのΔndを9
20nm、両位相差板のリタデーションの和と液晶セル
のΔndとの差を65nmに設定した実施例2における
出射光の色変化を示すCIE色度図。
【図6】実施例2における液晶セルへの印加電圧に対す
る光の出射率および出射光の色変化を示す図。
【図7】表側位相差板のリタデーションを410nm、
裏側位相差板のリタデーションを630nm、両位相差
板のリタデーションの和を1040nm、両位相差板の
リタデーションの差を220nm、液晶セルのΔndを
1000nm、両位相差板のリタデーションの和と液晶
セルのΔndとの差を40nmに設定した実施例3にお
ける出射光の色変化を示すCIE色度図。
【図8】実施例3における液晶セルへの印加電圧に対す
る光の出射率および出射光の色変化を示す図。
【図9】表側位相差板のリタデーションを310nm、
裏側位相差板のリタデーションを760nm、両位相差
板のリタデーションの和を1070nm、両位相差板の
リタデーションの差を450nm、液晶セルのΔndを
1000nm、両位相差板のリタデーションの和と液晶
セルのΔndとの差を70nmに設定した実施例4にお
ける出射光の色変化を示すCIE色度図。
【図10】実施例4における液晶セルへの印加電圧に対
する光の出射率および出射光の色変化を示す図。
【符号の説明】
10…液晶セル 11a…裏面側基板上における液晶分子配向方向 12a…表面側基板上における液晶分子配向方向 20…偏光板 20a…透過軸 21…表側位相差板 21a…遅相軸 22…裏側位相差板 22a…遅相軸 23…反射板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極を形成した一対の基板間に液晶を挟持
    しその分子を両基板間においてツイスト配向させた液晶
    セルと、前記液晶セルの表面側に配置された第1の位相
    差板と、前記液晶セルの裏面側に配置された第2の位相
    差板と、前記第1の位相差板の表面側に配置された偏光
    板と、前記第2の位相差板の裏面側に配置された反射板
    とからなり、 かつ、前記液晶セルの液晶分子のツイスト角がほぼ90
    °で、前記第1の位相差板の遅相軸が前記液晶セルの表
    面側の基板上における液晶分子の配向方向に対してほぼ
    直交し、前記第2の位相差板の遅相軸が前記液晶セルの
    裏面側の基板上における液晶分子の配向方向に対してほ
    ぼ直交しているとともに、前記偏光板の透過軸が前記第
    1の位相差板の遅相軸に対して斜めに交差しており、 前記第1の位相差板と第2の位相差板のそれぞれのリタ
    デーションの値が、 これら位相差板のリタデーションの和が、前記液晶セル
    の液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積の値をΔ
    ndとしたとき、Δnd+20〜70nmで、かつ、そ
    れぞれのリタデーションの差の絶対値が、可視光帯域の
    所定の光の波長λに対してk/2±λ/12(kは正の
    整数)の範囲に設定されていることを特徴とするカラー
    液晶表示装置。
  2. 【請求項2】第1の位相差板のリタデーションの値が、
    第2の位相差板のリタデーションの値より小さいことを
    特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装置。
  3. 【請求項3】第1の位相差板と第2の位相差板のリタデ
    ーションの差の絶対値が、240±40nmであること
    を特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装置。
  4. 【請求項4】第1の位相差板と第2の位相差板のリタデ
    ーションの差の絶対値が、230±20nmであること
    を特徴とする請求項3に記載のカラー液晶表示装置。
  5. 【請求項5】第1の位相差板と第2の位相差板のリタデ
    ーションの差の絶対値が、460±30nmであること
    を特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装置。
  6. 【請求項6】第1の位相差板と第2の位相差板のリタデ
    ーションの差の絶対値が、750±40nmであること
    を特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装置。
  7. 【請求項7】所定の光の波長λは、およそ480nmで
    あることを特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示
    装置。
  8. 【請求項8】偏光板の透過軸と第1の位相差板の遅相軸
    とのずれ角は、ほぼ45°またはその奇数倍であること
    を特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装置。
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KR100290773B1 (ko) * 1997-12-11 2001-06-01 박종섭 반사형광시야각액정표시장치
KR100355081B1 (ko) * 1999-03-16 2002-10-05 닛뽕덴끼 가부시끼가이샤 벤드배열로 배향된 액정층을 갖는 액정표시장치

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KR100290773B1 (ko) * 1997-12-11 2001-06-01 박종섭 반사형광시야각액정표시장치
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