JP2004093716A

JP2004093716A - 液晶表示装置

Info

Publication number: JP2004093716A
Application number: JP2002252313A
Authority: JP
Inventors: Kunpei Kobayashi; 小林　君平; Norihiro Arai; 荒井　則博; Toshiharu Nishino; 西野　利晴
Original assignee: Casio Computer Co Ltd
Current assignee: Casio Computer Co Ltd
Priority date: 2002-08-30
Filing date: 2002-08-30
Publication date: 2004-03-25

Abstract

【課題】明るく、しかも高コントラストの反射表示を行なうことができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶層４よりも後側に複数の画素Ａに対応する反射膜８が設けられ、前記液晶層４の液晶分子配列のツイスト角と、反射膜８が設けられた領域のΔｎｄの値とが、無電界時に透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与えるリタデーションをもち、電極５，６間に液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に０になる値に設定された液晶素子１と、前記液晶素子１の前側に配置された偏光板１３と、前記液晶素子１と前記偏光板１３との間に配置され、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える位相差素子１４とを備えた。
【選択図】　　図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、外光を利用する反射表示を行なう液晶表示装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
液晶表示装置としては、表示の観察側である前側の基板とこの前側基板に対向する後側基板との間に液晶分子が実質的に９０°のツイスト角でツイスト配向した液晶層が設けられ、前記前側基板と後側基板の対向する内面の一方に少なくとも１つの電極が設けられ、他方の内面に前記少なくとも１つの電極と対向する領域により複数の画素を形成するための複数の電極が設けられた液晶素子を備えたＴＮ（ツイステッドネマティック）型のものが広く利用されている。
【０００３】
この液晶表示装置には、その使用環境の光である外光を利用する反射表示を行なう反射型のものがあり、さらに反射型液晶表示装置には、液晶素子の前側と後側とにそれぞれ偏光板を配置し、後側の偏光板の後側に反射膜を配置した２枚偏光板型のものと、前記液晶素子の前側に偏光子と検光子とを兼ねる１枚の偏光板を配置し、前記液晶素子の液晶層よりも後側に反射膜を設けた１枚偏光板型のものとがある。
【０００４】
これらの反射型液晶表示装置を比較すると、２枚偏光板型のものは、表示の観察側である前側から入射し、反射膜により反射されて前側に出射する光の経路に前側と後側の２枚の偏光板とが介在しているため、偏光板による光の吸収が多く、表示が暗い。
【０００５】
これに対し、１枚偏光板型のものは、表示の観察側である前側から入射し、反射膜により反射されて前側に出射する光の経路に介在する偏光板が１枚だけであるため、偏光板による光の吸収が少なく、明るい表示が得られる。
【０００６】
この１枚偏光板型の反射型液晶表示装置は、通常、前記液晶素子の電極間に電界を印加しない無電界時の表示が明表示であるノーマリーホワイトモードとされており、その表示の明るさは、前記液晶素子の液晶分子が初期のツイスト配向状態から基板面に対して立ち上がるように配向状態を変えるのにともなって変化し、液晶分子がある範囲の立ち上がり角で斜めに立ち上がり配向したときに表示が最も暗くなる。
【０００７】
そのため、この１枚偏光板型の反射型液晶表示装置は、前記液晶素子の電極間に印加する電界を、液晶分子が初期のツイスト配向状態に配向する無電界状態と、前記液晶分子が基板面に対してある範囲の立ち上がり角で斜めに立ち上がり配向する電界との間で制御して表示駆動されている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の１枚偏光板型の反射型液晶表示装置は、、充分な明るさが得られず、、またコントラストが低い。
【０００９】
この発明は、明るく、しかも高コントラストの反射表示を行なうことができる液晶表示装置を提供することを目的としたものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
この発明の液晶表示装置は、表示の観察側である前側の基板とこの前側基板に対向する後側基板との間に液晶分子がツイスト配向した液晶層が設けられ、前記前側基板と後側基板の対向する内面の一方に少なくとも１つの電極が設けられ、他方の内面に前記少なくとも１つの電極と対向する領域により複数の画素を形成するための複数の電極が設けられるともに、前記液晶層よりも後側に前記複数の画素に対応する反射膜が設けられ、且つ、前記液晶層の液晶分子配列のツイスト角と、少なくとも前記反射膜が設けられた領域の液晶の屈折率異方性Δｎと液晶層厚ｄとの積Δｎｄの値とが、無電界時に透過光の常光と異常光との間に実質的に１／４波長の位相差を与える値に設定された液晶素子と、前記液晶素子の前側に配置された偏光板と、前記液晶素子と前記偏光板との間に配置され、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える位相差素子とを備えたことを特徴とする。
【００１１】
この液晶表示装置は、前記液晶素子の前側に配置された偏光板に偏光子と検光子とを兼ねさせる１枚偏光板型の反射表示を行なうものであり、この液晶表示装置では、前記液晶素子と前記偏光板との間に、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える位相差素子を配置しているため、表示の観察側である前側から入射した外光が、前記偏光板によりその透過軸に平行な直線偏光とされ、さらに前記位相差素子により円偏光とされて前記液晶素子に入射する。
【００１２】
そして、この液晶表示装置では、前記液晶素子の液晶層の液晶分子配列のツイスト角と、少なくとも前記反射膜が設けられた領域のΔｎｄの値とを、無電界時に透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える値に設定しているため、前記位相差素子により円偏光とされて前記液晶素子に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素に入射した光が、その無電界画素の液晶層により直線偏光とされて前記反射膜により反射される。
【００１３】
前記無電界画素を透過して反射膜により反射された直線偏光は、前記無電界画素を液晶層により円偏光とされて透過して前記液晶素子の前側に出射し、さらに前記位相差素子により前記偏光板の透過軸に平行な直線偏光とされて前記偏光板にその後側から入射し、この偏光板を透過して前側に出射する。
【００１４】
また、前記位相差素子により円偏光とされて前記液晶素子に入射した光のうち、液晶分子が基板面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素に入射した光は、その電界印加画素を偏光状態を変えることなく円偏光のまま透過して前記反射膜により反射される。
【００１５】
前記電界印加画素を透過して反射膜により反射された前記円偏光は、前記電界印加画素を偏光状態を変えることなく円偏光のまま透過して前記液晶素子の前側に出射し、前記位相差素子により前記偏光板の透過軸に対して直交する直線偏光とされて前記偏光板にその後側から入射し、この偏光板により吸収される。
【００１６】
すなわち、この液晶表示装置は、前記液晶素子の電極間に電界を印加しない無電界時の表示が明表示であるノーマリーホワイトモードの反射表示を行なうものであり、その表示は、前記液晶素子の液晶分子が初期のツイスト配向状態に配向したときに最も明るくなり、前記液晶分子が基板面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向したときに最も暗くなる。
【００１７】
この液晶表示装置によれば、表示の観察側である前側から入射し、前記反射膜により反射されて前側に出射する光の経路に介在する偏光板が１枚だけであるため、偏光板による光の吸収が少なく、明るい表示が得られる。
【００１８】
しかも、この液晶表示装置では、前側から前記偏光板と位相差素子とを透過して前記液晶素子に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素を透過して反射膜により反射され、前記無電界画素を再び透過して前記液晶素子の前側に出射した光が、前記位相差素子により前記偏光板の透過軸に平行な直線偏光とされて前記偏光板に入射し、液晶分子が基板面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素を透過して反射膜により反射され、前記電界印加画素を再び透過して前記液晶素子の前側に出射した光が、前記位相差素子により前記偏光板の透過軸に対して直交する直線偏光とされて前記偏光板に入射するため、前記無電界画素を透過した反射光のほとんどを前記偏光板を透過させて前側に出射させ、前記電界印加画素を透過した反射光のほとんどを前記偏光板により吸収することができる。
【００１９】
したがって、この液晶表示装置は、前記液晶素子の無電界画素に対応する明表示の明るさが充分であるとともに、前記液晶素子の電界印加画素に対応する暗表示の暗さも充分であり、高コントラストの反射表示を行なうことができる。
【００２０】
このように、この発明の液晶表示装置は、液晶層よりも後側に複数の画素に対応する反射膜が設けられ、前記液晶層の液晶分子配列のツイスト角と、少なくとも前記反射膜が設けられた領域のΔｎｄの値とが、無電界時に透過光の常光と異常光との間に実質的に１／４波長の位相差を与える値に設定された液晶素子と、前記液晶素子の前側に配置された偏光板と、前記液晶素子と前記偏光板との間に配置され、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える位相差素子とを備えることにより、明るく、しかも高コントラストの反射表示を行なうことができるようにしたものである。
【００２１】
この発明の液晶表示装置において、前記液晶素子の液晶層の液晶分子配列のツイスト角は６０°〜７０°の範囲、前記反射膜が設けられた領域のΔｎｄの値は１９５±１０ｎｍ〜２３５±１０ｎｍの範囲であるのが好ましい。
【００２２】
また、前記位相差素子は、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与えるλ／４位相差板と、透過光の常光と異常光との間に１／２波長の位相差を与えるλ／２位相差板とがそれぞれの遅相軸を実質的に６０°ずらして積層された位相差板積層体からなっているのが好ましい。
【００２３】
さらに、この液晶表示装置は、前記液晶素子を、複数の画素内の予め定められた領域にそれぞれ対応させて複数の反射膜が設けられ、前記複数の画素の前記反射膜が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射する反射部が形成され、前記複数の画素の前記反射部以外の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部が形成された構成とするとともに、前記液晶素子の後側に配置された第２の偏光板と、前記液晶素子と前記第２の偏光板との間に配置され、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える第２の位相差素子と、前記第２の偏光板の後側に配置された光源とをさらに備えた構成とするのが望ましい。
【００２４】
その場合、前記液晶素子の透過部は、液晶分子配列のツイスト角と、前記透過部の液晶層のΔｎｄとが、前記反射膜が設けられた反射部のΔｎｄと同じにしてもよいが、無電界時に透過光の常光と異常光との間に実質的に１／２波長の位相差を与える値に設定するのが好ましい。
【００２５】
【発明の実施の形態】
図１〜図４はこの発明の第１の実施例を示しており、図１は液晶表示装置の分解斜視図、図２は前記液晶表示装置の一部分の断面図である。
【００２６】
この実施例の液晶表示装置は、図１及び図２に示したように、液晶素子１と、前記液晶素子１の前側に配置された偏光板（以下、前側偏光板と言う）１３と、前記液晶素子１と前側偏光板１３との間に配置された位相差素子（以下、前側位相差素子と言う）１４と、前記液晶素子１と前記前側位相差素子１４との間に配置された拡散層１７と、前記液晶素子１の後側に配置された第２の偏光板（以下、後側偏光板と言う）１８と、前記液晶素子１と後側偏光板１８との間に配置された第２の位相差素子（以下、後側位相差素子と言う）１９と、前記後側偏光板１８の後側に配置された光源２２とを備えている。
【００２７】
前記液晶素子１は、図２に示したように、表示の観察側である前側（図において上側）の透明基板２と、この前側基板２に対向する後側の透明基板３との間に液晶分子がツイスト配向した液晶層４が設けられ、前記前側基板２と後側基板３の対向する内面の一方に少なくとも１つの透明電極５が設けられ、他方の内面に前記少なくとも１つの電極５と対向する領域により複数の画素Ａを形成するための複数の透明電極６が設けられるともに、前記液晶層４よりも後側に、前記複数の画素Ａにそれぞれ対応する複数の反射膜８が設けられ、さらに前記前側基板２と後側基板３のいずれか、例えば前側基板２の内面に、前記複数の画素Ａにそれぞれ対応する複数の色、例えば赤、緑、青の３色のカラーフィルタ９Ｒ，９Ｇ，９Ｂが設けられた構成となっている。
【００２８】
この液晶素子１は、例えばＴＦＴ（薄膜トランジスタ）をアクティブ素子とするアクティブマトリックス液晶素子であり、前側基板２の内面に設けられた電極５は一枚膜状の対向電極、後側基板３の内面に設けられた電極６は行方向及び列方向にマトリックス状に配列させて形成された複数の画素電極である。
【００２９】
そして、前記後側基板３の内面には、前記複数の画素電極６にそれぞれ対応させて複数のＴＦＴ７が設けられるとともに、各行のＴＦＴ７にゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列のＴＦＴ７にデータ信号を供給する複数のデータ配線（いずれも図示せず）が設けられている。
【００３０】
なお、図２ではＴＦＴ７を簡略化して示しているが、このＴＦＴ７は後側基板３の基板面に形成されたゲート電極と、このゲート電極を覆って基板３の略全体に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の上に前記ゲート電極と対向させて形成されたｉ型半導体膜と、前記ｉ型半導体膜の両側部の上にｎ型半導体膜を介して形成されたソース電極及びドレイン電極とからなっている。
【００３１】
また、図示しない前記ゲート配線とデータ配線のうち、ゲート配線は、後側基板３の基板面に前記ＴＦＴ７のゲート電極と一体に形成されて前記ゲート絶縁膜により覆われており、データ配線は、前記ゲート絶縁膜の上に形成され、前記ＴＦＴ７のドレイン電極につながっている。
【００３２】
そして、前記複数の画素電極６は、図示しない前記ゲート絶縁膜の上に形成されており、これらの画素電極６に、その画素電極６に対応するＴＦＴ７のソース電極が接続されている。
【００３３】
また、前記複数の反射膜８は、アルミニウム系合金等からなる高反射率の鏡面反射膜であり、この反射膜８は、前記複数の画素Ａ内の予め定められた領域、例えば前記画素Ａの略半分の領域にそれぞれ対応させて形成されている。
【００３４】
なお、この実施例では、図２のように、前記複数の反射膜８を後側基板３の内面（例えば図示しないゲート絶縁膜の上）に形成し、前記複数の画素電極６を、その略半分の領域を前記反射膜８の上に重ねて形成している。
【００３５】
そして、図２に示したように、前記液晶素子１の複数の画素Ａの前記反射膜８に対応する領域はそれぞれ、表示の観察側である前側から入射した光を前記反射膜８により反射して前側に出射する反射部Ａ１を形成しており、前記複数の画素Ａの前記反射部Ａ１以外の領域はそれぞれ、前記観察側とは反対側である後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部Ａ２を形成している。
【００３６】
一方、前側基板２の内面に設けられた前記赤、緑、青のカラーフィルタ９Ｒ，９Ｇ，９Ｂは、前記前側基板２の基板面に形成されており、その上に前記対向電極５が形成されている。
【００３７】
また、前記前側基板２と後側基板３は、前記複数の画素Ａがマトリックス状に配列する表示エリアを囲む枠状のシール材１０（図１参照）を介して接合されており、これらの基板２，３間の前記シール材１０により囲まれた領域に正の誘電異方性を有するネマティック液晶が充填されて液晶層４が形成されている。
【００３８】
さらに、前記前側基板２と後側基板３の前記液晶層４に接する面にはそれぞれ配向膜１１，１２が設けられており、前記液晶層４の液晶分子は、前記配向膜１１，１２によりそれぞれの基板２，３の近傍における配向方向を規定され、前後の基板２，３間において予め定められたツイスト角でツイスト配向している。
【００３９】
そして、前記液晶素子１の液晶層４の液晶分子配列のツイスト角と、前記複数の画素Ａの反射部Ａ１及び透過部Ａ２の液晶の屈折率異方性Δｎと液晶層厚ｄとの積Δｎｄ（以下、反射部Ａ１のΔｎｄをΔｎｄ_１と記し、透過部Ａ２のΔｎｄをΔｎｄ_２と記す）の値は、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時に透過光の常光と異常光との間に略１／４波長（約１４０ｎｍ）の位相差を与えるリタデーションをもち、前記画素Ａの電極５，６間に液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に０になる値に設定されている。
【００４０】
この液晶素子１の液晶層４の液晶分子配列のツイスト角は６０°〜７０°の範囲、複数の画素Ａの反射部Ａ１のΔｎｄ_１の値と透過部Ａ２のΔｎｄ_２の値は１９５±１０ｎｍ〜２３５±１０ｎｍの範囲が好ましく、前記液晶分子配列のツイスト角と、前記Δｎｄ_１，Δｎｄ_２の値をこのような範囲にすることにより、前記液晶層４に、無電界時に１／４波長のリタデーションをもたせることができる。
【００４１】
この実施例では、前記液晶分子配列のツイスト角を６４°、複数の画素Ａの反射部Ａ１及び透過部Ａ２のΔｎｄ_１，Δｎｄ_２の値を１９５±１０ｎｍに設定し、前記液晶層４に、無電界時に１／４波長のリタデーションをもたせている。
【００４２】
なお、この実施例では、前記画素電極６の反射部Ａ１に対応する部分を反射膜８の上に重ねて形成しているため、前記反射部Ａ１の液晶層厚ｄ_１と透過部Ａ２の液晶層厚ｄ_２には前記反射膜８の膜厚に応じた差があるが、前記反射膜８の膜厚は０．２〜０．５μｍ程度であり、したがって、前記反射部Ａ１のΔｎｄ_１と透過部Ａ２のΔｎｄ_２を実質的に同じ値（１９５±１０ｎｍの範囲）にし、前記反射部Ａ１と透過部Ａ２の液晶層４にそれぞれ、無電界時に１／４波長のリタデーションをもたせることができる。
【００４３】
図１において、４ａは前記液晶層４の遅相軸を示しており、液晶分子が上記のように６４°のツイスト角でツイスト配向している場合、前記液晶層４の遅相軸４ａは、前側基板２の近傍における液晶分子配向方向２ａに対し、液晶分子のツイスト方向とは逆方向に４５°ずれた方向にある。
【００４４】
この実施例では、前記後側基板３の近傍における液晶分子配向方向３ａを前側基板２の近傍における液晶分子配向方向２ａに対して前側から見て左回りに６４°ずらし、液晶分子を、そのツイスト方向を図１に破線矢印で示したように、後側基板３から前側基板２に向かって前側から見て左回りに６４°のツイスト角でツイスト配向させており、したがって、前記液晶層４の遅相軸４ａは、前側基板２の近傍における液晶分子配向方向２ａに対し、前側から見て右回り（液晶分子のツイスト方向とは逆方向）に４５°ずれた方向にある。
【００４５】
前記液晶素子１は、図１のように、例えば前側基板２の近傍における液晶分子配向方向２ａを液晶表示装置の画面（前側偏光板１３の前面）の横軸ｘと平行にし、前記液晶層４の遅相軸４ａを前記画面の横軸ｘに対して４５°の交差角で交差させて配置されている。
【００４６】
また、前記前側偏光板１３は、その透過軸１３ａを前記液晶素子１の液晶層４の遅相軸４ａに対して４５°の交差角で交差させて配置されており、前記後側偏光板１８は、その透過軸１８ａを前記前側偏光板１３の透過軸１３ａと直交させて配置されている。
【００４７】
この実施例では、図１のように、前記前側偏光板１３を、その透過軸１３ａを前記液晶素子１の液晶層４の遅相軸４ａに対して前側から見て左回りに４５°の方向、つまり前記画面の横軸ｘと平行な方向に向けて配置し、前記後側偏光板１８を、その透過軸１８ａを前記画面の横軸ｘに対して９０°の交差角で交差させている。
【００４８】
一方、前記前側位相差素子１４と後側位相差素子１９はそれぞれ、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与えるλ／４位相差板１５，２０と、透過光の常光と異常光との間に１／２波長の位相差を与えるλ／２位相差板１６，２１とをそれぞれの遅相軸１５ａ，２０ａ及び１６ａ，２１ａを実質的に６０°ずらして積層した位相差板積層体からなっており、前記λ／４位相差板１５，２０の遅相軸１５ａ，２０ａと前記λ／２位相差板１６，２１の遅相軸１６ａ，２１ａとのずれ角の中心方向に遅相軸（以下合成遅相軸と言う）１４ａ，１９ａをもっている。
【００４９】
なお、前記λ／４位相差板１５，２０は、可視光帯域内の特定の波長光、例えば可視光帯域内の中間波長である５５０ｎｍの波長光に対するリタデーションが１３５±５ｎｍの位相差板、前記λ／２位相差板１６，２１は、可視光帯域内の特定の波長光、例えば前記５５０ｎｍの波長光に対するリタデーションが２７０±１０ｎｍの位相差板であり、前側位相差素子１４のλ／４位相差板１５とλ／２位相差板１６の遅相軸１５ａ，１６ａのずれ角と、後側位相差素子１９のλ／４位相差板２０とλ／２位相差板２１の遅相軸２０ａ，２１ａのずれ角は、これらの位相差板１５，１６及び２０，２１のリタデーションの波長依存性を補償するために、５５゜〜６５、より好ましくは６０±１°に設定されている。
【００５０】
また、前記前側位相差素子１４は、λ／４位相差板１５の前側偏光板１３に対向する面にλ／２位相差板１６を積層して構成され、後側位相差素子１９は、λ／４位相差板２０の後側偏光板１８に対向する面にλ／２位相差板２１を積層して構成されており、前側位相差素子１４のλ／４位相差板１５の遅相軸１５ａに対するλ／２位相差板１６の遅相軸１６ａのずれ方向と、前記後側位相差素子１９のλ／４位相差板２０の遅相軸２０ａに対するλ／２位相差板２１の遅相軸２１ａのずれ方向とは、互いに逆方向とされている。
【００５１】
前記位相差素子１４，１９は、前記λ／４位相差板１５，２０とλ／２位相差板１６，２１とをそれぞれの遅相軸１５ａ，２０ａ及び１６ａ，２１ａを実質的に６０°ずらして積層したものであるため、前記λ／４位相差板１５，２０とλ／２位相差板１６，２１のそれぞれのリタデーションの波長依存性を補償して、広い波長帯域の波長光に対して略１／４波長の位相差を与える広帯域性を有している。
【００５２】
そして、前記前側位相差素子１４は、その合成遅相軸１４ａを前記前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して４５°の交差角で交差させて配置され、前記後側位相差素子１９は、その合成遅相軸１９ａを前記前側位相差素子１４の合成遅相軸１４ａと直交させて配置されている。
【００５３】
この実施例では、図１のように、前側位相差素子１４を、その合成遅相軸１４ａを前記前側偏光板１３の透過軸１３ａと平行な画面の横軸ｘに対して前側から見て左回りに４５°の方向に向けて配置し、後側位相差素子１９を、その合成遅相軸１９ａを前記画面の横軸ｘに対して前側から見て左回りに１３５°の方向に向けて配置している。
【００５４】
また、この実施例では、前側位相差素子１４のλ／４位相差板１５の遅相軸１５ａに対するλ／２位相差板１６の遅相軸１６ａのずれ方向を、前側から見て左回りにし、後側位相差素子１９のλ／４位相差板２０の遅相軸２０ａに対するλ／２位相差板２１の遅相軸２１ａのずれ方向を、前側から見て右回りにしており、したがって、前側位相差素子１４のλ／４位相差板１５の遅相軸１５ａは前記画面の横軸ｘに対して前側から見て左回りに７５°の方向、λ／２位相差板１６の遅相軸１６ａは前記横軸ｘに対して前側から見て左回りに１５°の方向にあり、後側位相差素子１９のλ／４位相差板２０の遅相軸２０ａは前記画面の横軸ｘに対して前側から見て左回りに１０５°の方向、λ／２位相差板２１の遅相軸２１ａは前記横軸ｘに対して前側から見て左回りに１６５°の方向にある。
【００５５】
なお、前記前側位相差素子１４のλ／４位相差板１５の遅相軸１５ａに対するλ／２位相差板１６の遅相軸１６ａのずれ方向と、後側位相差素子１９のλ／４位相差板２０の遅相軸２０ａに対するλ／２位相差板２１の遅相軸２１ａのずれ方向はそれぞれ上記実施例と逆でもよい。
【００５６】
その場合は、前側位相差素子１４を、そのλ／４位相差板１５の遅相軸１５ａを前記画面の横軸ｘに対して前側から見て左回りに１５°の方向、λ／２位相差板１６の遅相軸１６ａを前記横軸ｘに対して前側から見て左回りに７５°の方向に向けて配置することにより、この前側位相差素子１４の合成遅相軸１４ａを前記前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して前側から見て左回りに４５°の方向に合わせ、後側位相差素子１９を、そのλ／４位相差板２０の遅相軸２０ａを前記画面の横軸ｘに対して前側から見て左回りに１６５°の方向、λ／２位相差板２１の遅相軸２１ａを前記横軸ｘに対して前側から見て左回りに１０５°の方向に向けて配置することにより、この後側位相差素子１９の合成遅相軸１９ａを前記前側位相差素子１４の合成遅相軸１４ａと直交させることができる。
【００５７】
また、前記液晶素子１と前側位相差素子１４との間に配置された拡散層１７は、その一方の面から入射した光を拡散させて他方の面から出射させる前方拡散層であり、この拡散層１７は、光拡散粒子が混入された粘着剤または樹脂フィルムからなっている。
【００５８】
さらに、前記後側偏光板１８の後側に配置された光源２２は、前記後側偏光板１８の後面全体に向けて均一な輝度分布の照明光を出射する面光源であり、この面光源２２は、図１のように、アクリル系樹脂板等の透明板からなり、一端面が光を入射させる入射端面とされた導光板２３と、この導光板２３の前記入射端面に対向させて設けられた発光素子２４とからなっている。
【００５９】
なお、この実施例で用いた面光源２２は、ＬＥＤ（発光ダイオード）からなる複数の発光素子２４を前記導光板２３の入射端面に対向させて配置したものであるが、前記導光板２３の入射端面に対向させて配置する発光素子は、直管状の冷陰極管等でもよい。
【００６０】
この面光源２２は、前記発光素子２４を点灯させることにより、この発光素子２４が出射する照明光を、前記導光板２３により導いてその前面から前側に出射するものであり、前記発光素子２４からの照明光は、前記導光板２３にその入射端面から入射し、この導光板２３の前後面と外気（空気）との界面での全反射を繰り返しながら導光板２３内を導かれ、この導光板２３の前面の全域から出射する。
【００６１】
この液晶表示装置は、前記液晶素子１を、液晶層４よりも後側（この実施例では後側基板３の内面）に複数の画素Ａ内の予め定められた領域にそれぞれ対応させて複数の反射膜８を設け、前記複数の画素Ａの前記反射膜８が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜８により反射して前側に出射する反射部Ａ１を形成し、前記複数の画素Ａの前記反射部Ａ１以外の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部Ａ２を形成した構成とするとともに、前記液晶素子１の前側と後側とに前側偏光板１３と後側偏光板１８とを配置し、前記液晶素子１と前側偏光板１３との間及び前記液晶素子１と後側偏光板１８との間に前記前側位相差素子１４と後側位相差素子１９とを配置し、前記後側偏光板１８の後側に面光源２２を配置しているため、充分な照度の使用環境下では、その使用環境の光である外光を利用する反射表示を行ない、充分な明るさの外光が得られないときに、前記面光源２２から照明光を出射させて透過表示を行なうことができる。
【００６２】
すなわち、この液晶表示装置は、前記液晶素子１の複数の画素Ａの反射部Ａ１を利用して反射表示を行ない、前記液晶素子１の複数の画素Ａの透過部Ａ２を利用して透過表示を行なうものである。
【００６３】
まず、外光を利用する反射表示について説明すると、図３は、前記液晶表示装置の反射表示の模式図であり、前記液晶素子１の１つの画素Ａの反射部Ａ１に対応する部分の表示を示している。
【００６４】
図３において、（ａ）は前記画素Ａの液晶層４の液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時を示し、（ｂ）は前記画素Ａの電極５，６間に液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界を印加した電界印加時を示している。
【００６５】
この液晶表示装置は、液晶素子１の前側に配置された前側偏光板１３に偏光子と検光子とを兼ねさせる１枚偏光板型の反射表示を行なうものであり、この液晶表示装置では、前記液晶素子１と前記前側偏光板１３との間に、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える前側位相差素子１４を配置しているため、図３に矢線で示したように表示の観察側である前側から入射した外光（非偏光）ａ_０が、前記前側偏光板１３によりその透過軸１３ａに平行な直線偏光ａ_１とされ、さらに前記前側位相差素子１４により円偏光ａ_２とされて前記液晶素子１に入射する。
【００６６】
そして、この液晶表示装置では、前記液晶素子１の液晶層４の液晶分子配列のツイスト角と、複数の画素Ａの反射部Ａ１及び透過部Ａ２のΔｎｄ_１，Δｎｄ_２の値とを、無電界時に透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与えるリタデーションをもち、前記液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に０になる値に設定しているため、前記前側位相差素子１４により円偏光ａ_２とされて液晶素子１に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素に入射した光が、図３（ａ）のように、その無電界画素の液晶層４により１／４波長の位相差を与えられて前記前側偏光板１３を透過して入射した直線偏光ａ_１と同じ偏光状態の直線偏光ａ_３となり、その直線偏光ａ_３のうち、前記無電界画素の反射部Ａ１を透過した光が反射膜８により反射される。
【００６７】
なお、前記無電界画素を透過して直線偏光ａ_３となった光のうち、前記無電界画素の透過部Ａ２を透過した光は、図示しないが、前記液晶素子１の後側に出射して後側位相差素子１９により円偏光とされ、その光のうち、後側偏光板１８の吸収軸に平行な偏光成分が前記後側偏光板１８により吸収され、前記後側偏光板１８の透過軸１８ａに平行な偏光成分がこの後側偏光板１８を透過して後側に出射する。
【００６８】
前記無電界画素の反射部Ａ１を透過して反射膜８により反射された直線偏光ａ_３は、前記無電界画素を液晶層４により円偏光ａ_４とされて透過して液晶素子１の前側に出射し、さらに前側位相差素子１４により前側偏光板１３の透過軸１３ａに平行な直線偏光ａ_５とされて前記前側偏光板１３にその後側から入射し、この前側偏光板１３を透過して前側に出射する。
【００６９】
また、前記前側位相差素子１４により円偏光ａ_２とされて前記液晶素子１に入射した光のうち、液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素（リタデーションが実質的に０になった画素）に入射した光は、図３（ｂ）のように、その電界印加画素を偏光状態を変えることなく前記円偏光ａ_２のまま透過し、その円偏光ａ_２のうち、前記電界印加画素の反射部Ａ１を透過した光が反射膜８により反射される。
【００７０】
なお、前記電界印加画素の透過部Ａ２を透過した円偏光ａ_２は、図示しないが、前記液晶素子１の後側に出射して後側位相差素子１９により後側偏光板１８の吸収軸に平行な直線光とされ、前記後側偏光板１８により吸収される。
【００７１】
前記電界印加画素の反射部Ａ１を透過して反射膜８により反射された円偏光ａ_２は、前記電界印加画素を偏光状態を変えることなく前記円偏光ａ_２のまま透過して液晶素子１の前側に出射し、前側位相差素子１４により前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して直交する直線偏光ａ_６とされて前記前側偏光板１３にその後側から入射し、この前側偏光板１３により吸収される。
【００７２】
すなわち、この液晶表示装置は、前記液晶素子１の電極５，６間に電界を印加しない無電界時の表示が明表示であるノーマリーホワイトモードの反射表示を行なうものであり、その表示は、前記液晶素子１の液晶分子が初期のツイスト配向状態に配向したときに、最も明るい明表示（カラーフィルタ９Ｒ，９Ｇ，９Ｂにより着色された赤、緑、青の表示）になり、前記液晶分子が基板２．３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向したときに最も暗い黒の暗表示になる。
【００７３】
この液晶表示装置によれば、表示の観察側である前側から入射し、前記反射膜８により反射されて前側に出射する光の経路に介在する偏光板が、液晶素子１の前側に配置された１枚の偏光板１３だけであるため、偏光板による光の吸収が少なく、明るい表示が得られる。
【００７４】
しかも、この液晶表示装置では、前側から前側偏光板１３と前側位相差素子１４とを透過して前記液晶素子１に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素の反射部Ａ１を透過して反射膜８により反射され、前記無電界画素を再び透過して前記液晶素子１の前側に出射した光が、前記前側位相差素子１４により前側偏光板１３の透過軸１３ａに平行な直線偏光ａ_５とされて前記前側偏光板１３に入射し、液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素の反射部Ａ１を透過して反射膜８により反射され、前記電界印加画素を再び透過して前記液晶素子１の前側に出射した光が、前記前側位相差素子１４により前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して直交する直線偏光ａ_６とされて前記前側偏光板１３に入射するため、前記無電界画素を透過した反射光のほとんどを前記前側偏光板１３を透過させて前側に出射させ、前記電界印加画素を透過した反射光のほとんどを前記前側偏光板１３により吸収することができる。
【００７５】
したがって、この液晶表示装置は、前記液晶素子１の無電界画素に対応する明表示（赤、緑、青の着色表示）の明るさが充分であるとともに、前記液晶素子１の電界印加画素に対応する暗表示（黒表示）の暗さも充分であり、高コントラストの反射表示を行なうことができる。
【００７６】
次に、前記面光源２２からの照明光を利用する透過表示について説明すると、図４は、前記液晶表示装置の透過表示の模式図であり、前記液晶素子１の１つの画素Ａの透過部Ａ２に対応する部分の表示を示している。
【００７７】
図４において、（ａ）は前記画素Ａの液晶層４の液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時を示し、（ｂ）は前記画素Ａの電極５，６間に液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界を印加した電界印加時を示している。
【００７８】
この液晶表示装置は、透過表示のときは、液晶素子１の後側に配置された後側偏光板１８を偏光子とし、液晶素子１の前側に配置された前側偏光板１３を検光子として表示するものであり、この液晶表示装置では、前記液晶素子１と前記後側偏光板１８との間に、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える後側位相差素子１９を配置しているため、面光源２２から出射し、図４に矢線で示したように後側偏光板１８にその後側から入射した照明光（非偏光）ｂ_０が、前記後側偏光板１８によりその透過軸１８ａに平行な直線偏光ｂ_１とされ、さらに前記後側位相差素子１９により円偏光ｂ_２とされて前記液晶素子１にその後側から入射する。
【００７９】
なお、前記液晶素子１にその後側から入射した光のうち、前記液晶素子１の各画素Ａの反射部Ａ１に入射した光は、前記反射膜８により後側に反射され、前記各画素Ａの透過部Ａ２に入射した光が液晶層４に入射する。
【００８０】
そして、前記後側位相差素子１９により円偏光ｂ_２とされて前記液晶素子１の各画素Ａの透過部Ａ２に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素に入射した光は、図４（ａ）のように、その無電界画素の液晶層４により１／４波長の位相差を与えられ、前記後側偏光板１８を透過した直線偏光ｂ_１に対して直交する直線偏光ｂ_３とされて液晶素子１の前側に出射し、さらに前側位相差素子１４により円偏光ｂ_４とされて前側偏光板１３にその後側から入射し、その円偏光ｂ_４のうち、前側偏光板１３の透過軸１３ａに平行な偏光成分の光ｂ_５が、前記前側偏光板１３を透過して前側に出射する。
【００８１】
また、前記後側位相差素子１９により円偏光ｂ_２とされて前記液晶素子１の各画素Ａの透過部Ａ２に入射した光のうち、液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素（リタデーションが実質的に０になった画素）に入射した光は、図４（ｂ）のように、その電界印加画素を偏光状態を変えることなく前記円偏光ｂ_２のまま透過して液晶素子１の前側に出射し、さらに前側位相差素子１４により前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して直交する直線偏光ｂ_６とされて前記前側偏光板１３にその後側から入射し、この前側偏光板１３により吸収される。
【００８２】
すなわち、この液晶表示装置は、前記面光源２２からの照明光を利用する透過表示のときもノーマリーホワイトモードの表示を行なうものであり、その表示は、前記液晶素子１の液晶分子が初期のツイスト配向状態に配向したときに、最も明るい明表示（カラーフィルタ９Ｒ，９Ｇ，９Ｂにより着色された赤、緑、青の表示）になり、前記液晶分子が基板２．３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向したときに最も暗い黒の暗表示になる。
【００８３】
なお、この透過表示のときは、前記面光源２２から出射して前側に出射する光の経路に後側偏光板１８と前側偏光板１３とが介在するが、前記面光源２２から出射した光は、前記後側偏光板１８と前側偏光板１３とをそれぞれ一方向に透過するだけであるため、偏光板による光の吸収は、前記反射表示のときと同じであり、したがって明るい表示が得られる。
【００８４】
このように、この液晶表示装置では、前記面光源２２から出射し、後側偏光板１８と後側位相差素子１９とを透過して前記液晶素子１の各画素Ａの透過部Ａ２に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素を透過した光が、前側位相差素子１４により円偏光ｂ_４とされて前記前側偏光板１３にその後側から入射するため、その円偏光ｂ_４の略半分（前側偏光板１３の透過軸１３ａに平行な偏光成分の光）ｂ_５を、前記前側偏光板１３を透過させて前側に出射させることができ、また、液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素の反射部Ａ１を透過した光が、前記前側位相差素子１４により前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して直交する直線偏光ａ_６とされて前記前側偏光板１３に入射するため、前記電界印加画素を透過した光のほとんどを前記前側偏光板１３により吸収することができる。
【００８５】
したがって、この液晶表示装置は、前記液晶素子１の無電界画素に対応する明表示（赤、緑、青の着色表示）の明るさが充分であるとともに、前記液晶素子１の電界印加画素に対応する暗表示（黒表示）の暗さも充分であり、高コントラストの透過表示を行なうことができる。
【００８６】
なお、前記面光源２２は、外光を利用する反射表示のときに補助光源として利用することもでき、その場合も、前記反射表示と透過表示の両方がノーマリーホワイトモードであるため、高コントラストの表示を得ることができる。
【００８７】
また、上記実施例では、前記前側位相差素子１４と後側位相差素子１９をそれぞれ、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与えるλ／４位相差板１５，２０と、透過光の常光と異常光との間に１／２波長の位相差を与えるλ／２位相差板２１とを、それぞれの遅相軸１５ａ，２０ａ及び１６ａ，２１ａを実質的に６０°ずらして積層した位相差板積層体からなる広帯域性位相差素子としているため、前記前側位相差素子１４及び後側位相差素子１９のリタデーションの波長依存性による透過光の着色がほとんど無く、したがって、前記反射表示のときも、透過表示のときも、帯色の無い高品質の画像（赤、緑、青の色純度がいずれも高いカラー画像）を表示することができる。
【００８８】
しかも、上記実施例では、前記液晶素子１と前記前側位相差素子１４との間に拡散層１７を配置しているため、前記反射表示のときも、透過表示のときも、表示観察者の顔等の外景が反射膜８上に映って見えることが無く、したがって、より高品質の画像を表示することができる。
【００８９】
なお、上記実施例では、液晶素子１の複数の画素Ａの透過部Ａ２のΔｎｄ_２の値を、反射膜８が設けられた反射部Ａ１のΔｎｄ_１と実質的に同じにしているが、前記透過部Ａ２のΔｎｄ_２は、無電界時に透過光の常光と異常光との間に１／２波長の位相差を与えるリタデーションをもち、液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に０になる値に設定してもよい。
【００９０】
図５はこの発明の第２の実施例を示す液晶表示装置の一部分の断面図であり、この実施例の液晶表示装置は、液晶素子１の前側基板２の内面に設けられた赤、緑、青のカラーフィルタ９Ｒ，９Ｇ，９Ｂの複数の画素Ａの透過部Ａ２に対応する部分を反射部Ａ１に対応する部分の略２倍の厚さに形成することにより、前記透過部Ａ２の液晶層厚ｄ_２を前記反射部Ａ１の液晶層厚ｄ_１の略２倍にしたものである。
【００９１】
すなわち、この実施例の液晶表示装置は、前記液晶素子１の複数の画素Ａの透過部Ａ２のΔｎｄ_２を反射部Ａ１のΔｎｄ_１の略２倍の値、つまり、無電界時に透過光の常光と異常光との間に１／２波長の位相差を与えるリタデーションをもち、前記画素Ａの電極５，６間に液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に０になる値に設定したものである。
【００９２】
なお、この実施例の液晶表示装置は、前記液晶素子１の複数の画素Ａの透過部Ａ２のΔｎｄ_２の値が上述した第１の実施例と異なるが、他の構成は第１の実施例の液晶表示装置と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【００９３】
この実施例において、前記液晶素子１の液晶層４の液晶分子配列のツイスト角は６０°〜７０°の範囲、複数の画素Ａの反射部Ａ１のΔｎｄ_１の値は１９５±１０ｎｍ〜２３５±１０ｎｍの範囲、前記複数の画素Ａの透過部Ａ２のΔｎｄ_２の値は３９０±１０ｎｍ〜４７０±１０ｎｍの範囲が好ましく、前記液晶分子配列のツイスト角と、前記Δｎｄ_１，Δｎｄ_２の値をこのような範囲にすることにより、前記反射部Ａ１の液晶層４に、無電界時に１／４波長のリタデーションをもたせ、前記透過部Ａ２の液晶層４に、無電界時に１／２波長のリタデーションをもたせることができる。
【００９４】
この実施例の液晶表示装置も、外光を利用する反射表示と、面光源２２からの照明光を利用する透過表示とを行なうものであり、外光を利用する反射表示は、上述した第１の実施例の液晶表示装置の反射表示と同じである。
【００９５】
図６は、この実施例の液晶表示装置の透過表示の模式図であり、前記液晶素子１の１つの画素Ａの透過部Ａ２に対応する部分の表示を示している。図６において、（ａ）は前記画素Ａの液晶層４の液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時を示し、（ｂ）は前記画素Ａの電極５，６間に液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界を印加した電界印加時を示している。
【００９６】
この透過表示のときは、面光源２２から出射し、図６に矢線で示したように後側偏光板１８にその後側から入射した照明光（非偏光）ｃ_０が、前記後側偏光板１８によりその透過軸１８ａに平行な直線偏光ｃ_１とされ、さらに前記後側位相差素子１９により円偏光ｃ_２とされて前記液晶素子１にその後側から入射し、その光のうち、前記液晶素子１の各画素Ａの透過部Ａ２に入射した光が液晶層４に入射する。
【００９７】
そして、前記後側位相差素子１９により円偏光ｃ_２とされて前記液晶素子１の各画素Ａの透過部Ａ２に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素に入射した光は、図６（ａ）のように、その無電界画素の液晶層４により１／２波長の位相差を与えられ、常光と異常光との間に３λ／４の位相差をもった円偏光ｃ_３とされて液晶素子１の前側に出射し、さらに前側位相差素子１４により前側偏光板１３の透過軸１３ａに平行な直線偏光ｃ_４とされて前記前側偏光板１３にその後側から入射し、この前側偏光板１３を透過して前側に出射する。
【００９８】
また、前記後側位相差素子１９により円偏光ｃ_２とされて前記液晶素子１の各画素Ａの透過部Ａ２に入射した光のうち、液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素（リタデーションが実質的に０になった画素）に入射した光は、図６（ｂ）のように、その電界印加画素を偏光状態を変えることなく前記円偏光ｃ_２のまま透過して液晶素子１の前側に出射し、さらに前側位相差素子１４により前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して直交する直線偏光ｃ_５とされて前記前側偏光板１３にその後側から入射し、この前側偏光板１３により吸収される。
【００９９】
すなわち、この実施例の液晶表示装置は、上述した第１の実施例の液晶表示装置と同じノーマリーホワイトモードの反射表示と、図６に示したようなノーマリーホワイトモードの透過表示とを行なうものであり、その表示は、反射表示のときも、透過表示のときも、明るさが充分で、しかも高コントラスト表示である。
【０１００】
しかも、上述した第１の実施例の液晶表示装置では、透過表示のときに、液晶素子１の無電界画素を透過した光が図４のように前側位相差素子１４により円偏光ｂ_４とされて前側偏光板１３にその後側から入射し、その円偏光ｂ_４のうち、前側偏光板１３の透過軸１３ａに平行な偏光成分の光ｂ_５がこの前側偏光板１３を透過して前側に出射するが、この実施例の液晶表示装置では、透過表示のときに、液晶素子１の無電界画素を透過した光が図６のように前側位相差素子１４により前側偏光板１３の透過軸１３ａに平行な直線偏光ｂ_４とされて前記前側偏光板１３に入射し、その光のほとんどが前記前側偏光板１３を透過して前側に出射するため、透過表示のときの明表示を、上記第１の実施例の液晶表示装置よりもさらに明るくし、より高いコントラストを得ることができる。
【０１０１】
なお、上記第１及び第２の実施例では、液晶素子１の各画素Ａの略半分の領域を反射部Ａ１とし、他の略半分の領域を透過部Ａ２としているが、前記反射部Ａ１と透過部Ａ２は任意の面積比及び形状に形成すればよく、さらに、反射部Ａ１と透過部Ａ２の一方または両方を、１つの画素Ａ内に複数形成してもよい。
【０１０２】
また、上記実施例では、液晶素子１の液晶層４の液晶分子を、後側基板３から前側基板２に向かって前側から見て左回りに６４°のツイスト角でツイスト配向させているが、前記液晶素子１は、後側基板３の近傍における液晶分子配向方向３ａを前側基板２の近傍における液晶分子配向方向２ａに対して前側から見て右回りに６４°ずらし、液晶分子を後側基板３から前側基板２に向かって前側から見て右回りに６４°のツイスト角でツイスト配向させ、前記液晶層４の遅相軸４ａを、前側基板２の近傍における液晶分子配向方向２ａに対し、前側から見て左回り（液晶分子のツイスト方向とは逆方向）に４５°ずれた方向にしたものでもよい。
【０１０３】
また、上記実施例では、前側偏光板１３を、その透過軸１３ａを前記液晶素子１の液晶層４の遅相軸４ａに対して前側から見て左回りに４５°の方向に向けて配置しているが、前側偏光板１３を、その透過軸１３ａを前記液晶素子１の液晶層４の遅相軸４ａに対して前側から見て右回りに４５°の方向に向けて配置し、後側偏光板１８を、その透過軸１８ａを前記前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して直交させて配置してもよい。
【０１０４】
さらに、上記実施例では、前側位相差素子１４を、その合成遅相軸１４ａを前記前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して前側から見て左回りに４５°の方向に向けて配置しているが、前側位相差素子１４を、その合成遅相軸１４ａを前記前側偏光板１３の透過軸１３ａに対して前側から見て右回りに４５°の方向に向けて配置し、後側位相差素子１９を、その合成遅相軸１９ａを前記前側位相差素子１４の合成遅相軸１４ａと直交させて配置してもよい。
【０１０５】
また、上記実施例では、前側位相差素子１４及び後側位相差素子１９をそれぞれ、λ／４位相差板１５，２０の偏光板１３，１８に対向する面にλ／２位相差板１６を積層した位相差板積層体としているが、これらの位相差素子１４，１９は、前記λ／４位相差板１５，２０の液晶素子１に対向する面にλ／２位相差板１６を、その遅相軸１６ａ，２１ａを前記λ／４位相差板１５，２０の遅相軸１５ａ，２０ａに対して実質的に６０°ずらして積層した位相差板積層体でもよい。
【０１０６】
また、前側位相差素子１４と後側位相差素子１９は、前記位相差板積層体に限らず、１枚のλ／４位相差板としてもよく、その場合は、前記λ／４位相差板を、その遅相軸を前記位相差素子１４，１９の合成遅相軸１４ａ，１９ａと同じ方向に向けて配置すればよい。
【０１０７】
さらにまた、上記実施例では、液晶素子１と前側位相差素子１４との間に拡散層１７を配置しているが、例えば反射膜８を拡散反射膜とし、前記拡散層１７を省略してもよい。
【０１０８】
また、上記実施例では、前記反射膜８を液晶素子１の後側基板３の内面に設け、後側基板３の内面に設ける透明電極（複数の画素電極）６を前記反射膜８の上に重ねて形成しているが、前記電極６の反射部Ａ１に対応する部分を金属膜により形成し、この電極６の前記反射部Ａ１に対応する部分に反射膜を兼ねさせてもよい。
【０１０９】
さらに、前記反射膜８は、液晶層４よりも後側であれば、例えば液晶素子１の後側基板３の外面に設けてもよい。
【０１１０】
また、上記実施例では、液晶素子１の複数の画素Ａ内の予め定められた領域にそれぞれ対応させて複数の反射膜８を設け、前記複数の画素Ａの反射膜８が設けられた領域により反射部Ａ１を形成し、前記反射部Ａ１以外の領域により透過部Ａ２を形成しているが、前記反射膜８を前記複数の画素Ａの全域に対応させて設け、前記複数の画素Ａの全域を反射部としてもよく、その場合は、前記液晶素子１の液晶層４の液晶分子配列のツイスト角と、少なくとも前記反射膜８が設けられた領域、つまり少なくとも前記複数の画素Ａの全域のΔｎｄの値とを、無電界時に透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与えるリタデーションをもち、液晶分子が基板２，３面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に０になる値に設定すればよい。
【０１１１】
なお、その場合は、前記反射膜８を金属膜により形成するか、あるいは、後側基板３の内面に設ける電極６の全体を反射膜を兼ねる金属膜により形成し、後側偏光板１８及び後側位相差素子１９（またはλ／４位相差板）と面光源２２を省略して、反射表示だけを行なうようにしてもよく、また、前記反射膜８を半透過反射膜とし、前記後側偏光板１８及び後側位相差素子１９（またはλ／４位相差板）と面光源２２を備えることにより、前記複数の画素Ａの全域を利用して反射表示と透過表示の両方を行なうようにしてもよい。
【０１１２】
また、上記実施例の液晶表示装置は、カラー画像を表示するものであるが、この発明は、前記液晶素子１からカラーフィルタ９Ｒ，９Ｇ，９Ｂを省略した白黒画像を表示する液晶表示装置にも適用することができる。
【０１１３】
さらに、液晶素子１は、アクティブマトリックス型に限らず、単純マトリックス型液晶素子でもよい。
【０１１４】
【発明の効果】
この発明の液晶表示装置は、液晶層よりも後側に複数の画素に対応する反射膜が設けられ、前記液晶層の液晶分子配列のツイスト角と、少なくとも前記反射膜が設けられた領域のΔｎｄの値とが、無電界時に透過光の常光と異常光との間に実質的に１／４波長の位相差を与える値に設定された液晶素子と、前記液晶素子の前側に配置された偏光板と、前記液晶素子と前記偏光板との間に配置され、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える位相差素子とを備えたものであるため、明るく、しかも高コントラストの反射表示を行なうことができる。
【０１１５】
この発明の液晶表示装置において、前記液晶素子の液晶層の液晶分子配列のツイスト角は６０°〜７０°の範囲、前記反射膜が設けられた領域のΔｎｄの値は１９５±１０ｎｍ〜２３５±１０ｎｍの範囲であるのが好ましく、前記液晶分子配列のツイスト角と、前記Δｎｄの値をこのような範囲にすることにより、前記液晶層に、無電界時に１／４波長のリタデーションをもたせることができる。
【０１１６】
また、前記位相差素子は、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与えるλ／４位相差板と、透過光の常光と異常光との間に１／２波長の位相差を与えるλ／２位相差板とがそれぞれの遅相軸を実質的に６０°ずらして積層された位相差板積層体からなっているのが好ましく、前記位相差素子をこのような位相差板積層体とすることにより、前記位相差素子のリタデーションの波長依存性による透過光の着色をほとんど無くし、帯色の無い高品質の画像を表示することができる。
【０１１７】
さらに、この液晶表示装置は、前記液晶素子を、複数の画素内の予め定められた領域にそれぞれ対応させて複数の反射膜が設けられ、前記複数の画素の前記反射膜が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射する反射部が形成され、前記複数の画素の前記反射部以外の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部が形成された構成とするとともに、前記液晶素子の後側に配置された第２の偏光板と、前記液晶素子と前記第２の偏光板との間に配置され、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える第２の位相差素子と、前記第２の偏光板の後側に配置された光源とをさらに備えた構成とするのが望ましく、このような構成とすることにより、充分な照度の使用環境下では、その使用環境の光である外光を利用する反射表示を行ない、充分な明るさの外光が得られないときに、前記光源から照明光を出射させて透過表示を行なうことができる。
【０１１８】
その場合、前記液晶素子の透過部は、液晶分子配列のツイスト角と、前記透過部の液晶層のΔｎｄとが、無電界時に透過光の常光と異常光との間に実質的に１／２波長の位相差を与える値に設定するのが好ましく、このようにすることにより、透過表示のときの明表示をさらに明るくし、より高いコントラストを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の第１の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図２】第１の実施例の液晶表示装置の一部分の断面図。
【図３】第１の実施例の液晶表示装置の反射表示の模式図。
【図４】第１の実施例の液晶表示装置の透過表示の模式図。
【図５】この発明の第２の実施例を示す液晶表示装置の一部分の断面図。
【図６】第２の実施例の液晶表示装置の透過表示の模式図。
【符号の説明】
１…液晶素子
２，３…基板
２ａ…前側基板の近傍における液晶分子配向方向
３ａ…後側基板の近傍における液晶分子配向方向
４…液晶層
４ａ…遅相軸
５，６…電極
Ａ…画素
Ａ１…反射部
Ａ２…透過部
１３…前側偏光板
１３ａ…透過軸
１４…前側位相差素子
１４ａ…合成遅相軸
１５…λ／４位相差板
１５ａ…遅相軸
１６…λ／２位相差板
１６ａ…遅相軸
１７…拡散層
１８…後側偏光板（第２の偏光板）
１８ａ…透過軸
１９…後側位相差素子（第２の位相差素子）
１９ａ…合成遅相軸
２０…λ／４位相差板
２０ａ…遅相軸
２１…λ／２位相差板
２１ａ…遅相軸
２２…面光源

Claims

表示の観察側である前側の基板とこの前側基板に対向する後側基板との間に液晶分子がツイスト配向した液晶層が設けられ、前記前側基板と後側基板の対向する内面の一方に少なくとも１つの電極が設けられ、他方の内面に前記少なくとも１つの電極と対向する領域により複数の画素を形成するための複数の電極が設けられるともに、前記液晶層よりも後側に前記複数の画素に対応する反射膜が設けられ、且つ、前記液晶層の液晶分子配列のツイスト角と、少なくとも前記反射膜が設けられた領域の液晶の屈折率異方性Δｎと液晶層厚ｄとの積Δｎｄの値とが、無電界時に透過光の常光と異常光との間に実質的に１／４波長の位相差を与える値に設定された液晶素子と、
前記液晶素子の前側に配置された偏光板と、
前記液晶素子と前記偏光板との間に配置され、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える位相差素子とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
液晶素子の液晶層の液晶分子配列のツイスト角は６０°〜７０°の範囲、反射膜が設けられた領域のΔｎｄの値は１９５±１０ｎｍ〜２３５±１０ｎｍの範囲であることを特徴とする請求項１に記載の液晶表示装置。
位相差素子は、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与えるλ／４位相差板と、透過光の常光と異常光との間に１／２波長の位相差を与えるλ／２位相差板とがそれぞれの遅相軸を実質的に６０°ずらして積層された位相差板積層体からなっていることを特徴とする請求項１に記載の液晶表示装置。
反射膜は、液晶素子の複数の画素内の予め定められた領域にそれぞれ対応させて設けられており、前記液晶素子の前記複数の画素の前記反射膜が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射する反射部が形成され、前記複数の画素の前記反射部以外の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部が形成されるとともに、
前記液晶素子の後側に配置された第２の偏光板と、
前記液晶素子と前記第２の偏光板との間に配置され、透過光の常光と異常光との間に１／４波長の位相差を与える第２の位相差素子と、
前記第２の偏光板の後側に配置された光源とをさらに備えたことを特徴とする請求項１に記載の液晶表示装置。
液晶素子の透過部は、液晶分子配列のツイスト角と、前記透過部の液晶層のΔｎｄとが、無電界時に透過光の常光と異常光との間に実質的に１／２波長の位相差を与える値に設定されていることを特徴とする請求項４に記載の液晶表示装置。