JP4089353B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、反射表示と透過表示の両方の表示を行なう液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置として、その使用環境の光である外光を利用する反射表示と、後側に配置された光源からの照明光を利用する透過表示との両方の表示を行なう反射/透過型のものがある。
【0003】
前記反射/透過型の液晶表示装置には様々な構成のものがあるが、その一つとして、表示の観察側である前側の基板とこの前側基板に対向する後側基板との間に液晶層が設けられ、前記前側基板と後側基板の対向する内面の一方に少なくとも1つの電極が、他方の内面に前記少なくとも1つの電極と対向する領域により複数の画素を形成するための複数の電極が設けられるとともに、前記液晶層よりも後側に前記複数の画素内の予め定められた領域にそれぞれ対応させて設けられた複数の反射膜を有し、前記複数の画素の前記反射膜が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射する反射部が形成され、前記複数の画素の前記反射部以外の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部が形成された構成の液晶素子を備え、前記液晶素子の前側と後側とに前側偏光板及び後側偏光板を配置し、前記後側偏光板の後側に光源を配置したものがある。
【0004】
この反射/透過型液晶表示装置は、充分な照度の使用環境下では外光を利用する反射表示を行ない、充分な明るさの外光が得られないときに、前記光源から照明光を出射させてその照明光を利用する透過表示を行なうものであり、前記液晶素子の複数の画素の反射部を利用して反射表示し、前記液晶素子の複数の画素の透過部を利用して透過表示する。
【0005】
前記反射/透過型液晶表示装置には、白黒画像を表示するものと、カラー画像を表示するものとがあり、カラー画像を表示する液晶表示装置は、前記液晶素子の前側基板と後側基板のいずれか、例えば前側基板の内面に、前記複数の画素にそれぞれ対応させて複数の色のカラーフィルタを設けた構成とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のカラー画像を表示する反射/透過型液晶表示装置は、外光を利用する反射表示のときの表示画像の品質と、光源からの照明光を利用する透過表示のときの表示画像の品質とが異なるという問題をもっている。
【0007】
すなわち、従来のカラー画像を表示する反射/透過型液晶表示装置は、反射表示のときは、液晶素子にその前側から入射し、前記カラーフィルタと液晶層を透過して反射膜により反射された光を、前記液晶層とカラーフィルタを再び透過させて前記液晶素子の前側に出射させ、透過表示のときは、前記液晶素子にその後側から入射し、前記液晶層とカラーフィルタを透過した光を前記液晶素子の前側に出射させるため、反射表示のときの出射光は、前記カラーフィルタを往復して透過した着色光であり、透過射表示のときの出射光は、前記カラーフィルタを1回だけ透過した着色光である。
【0008】
そのため、この反射/透過型液晶表示装置は、反射表示のときの出射光が、透過表示のときに比べて、強度が極端に低くなる。
【0009】
したがって、前記カラーフィルタの膜厚を反射表示のときに良好な品質のカラー画像が得られるように設定した液晶表示装置は、透過表示のときの表示品質が悪く、また、前記カラーフィルタの膜厚を透過表示のときに良好な品質のカラー画像が得られるように設定した液晶表示装置は、反射表示のときの表示品質が悪い。
【0010】
この発明は、反射表示のときも透過表示のときも良好な品質のカラー画像を表示することができる反射/透過型の液晶表示装置を提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の液晶表示装置は、表示の観察側である前側の基板とこの前側基板に対向する後側基板との間に、液晶分子を60゜乃至70゜の範囲でツイスト配向させた液晶層が設けられ、前記前側基板の後側基板と対向する内面に少なくとも1つの電極が、前記後側基板の内面に前記少なくとも1つの電極と対向する領域により複数の画素を形成するための複数の電極が設けられるとともに、前記複数の画素毎に、この画素の一方の側に偏った領域にそれぞれ対応させて前記後側基板に設けられた複数の反射膜を有し、前記複数の画素毎に前記反射膜が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射する反射部が形成され、前記複数の画素毎に前記反射部が設けられた領域以外の他方の側の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部が形成され、さらに、前記前側基板の内面に、前記複数の画素の前記反射部に対応する複数の非着色膜が設けられ、その基板の内面に、前記複数の画素にそれぞれ対応する複数の色のカラーフィルタが、それぞれのカラーフィルタの前記反射部に対応する部分を前記非着色膜に重ねて、前記反射部に対応する部分の膜厚が前記透過部に対応する部分の膜厚よりも小さい膜厚で形成され、前記非着色膜は前記反射部の液晶層厚を前記透過部の液晶層厚より小さくする膜厚に形成されてなる液晶素子と、前記液晶素子の前側と後側とに配置された前側偏光板及び後側偏光板と、前側偏光板及び後側偏光板と、前記液晶素子との間それぞれに配置され、透過光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与える2枚のλ/4位相差板と、前記後側偏光板の後側に配置された光源とを備えたことを特徴とする。
【0012】
この液晶表示装置は、前記液晶素子の複数の画素の反射部を利用して反射表示し、前記液晶素子の複数の画素の透過部を利用して透過表示するものであり、反射表示のときは、前側から前側偏光板を透過して液晶素子に入射し、前記液晶素子の複数の画素にそれぞれ対応するカラーフィルタにより着色されるとともに、前記複数の画素の反射部の液晶層を透過した光を前記反射膜により反射し、前記液晶層とカラーフィルタを再び透過して前記液晶素子の前側に出射した光のうち、前記前側偏光板の吸収軸に平行な偏光成分をこの前側偏光板により吸収し、前記前側偏光板の透過軸に平行な偏光成分を前側に出射させて表示する。
【0013】
また、透過表示のときは、後側から後側偏光板を透過して前記液晶素子に入射し、この液晶素子の複数の画素の透過部の液晶層を透過するとともに前記カラーフィルタにより着色されて前記液晶素子の前側に出射した光のうち、前記前側偏光板の吸収軸に平行な偏光成分をこの前側偏光板により吸収し、前記前側偏光板の透過軸に平行な偏光成分を前側に出射させて表示する。
【0014】
そのため、この液晶表示装置の反射表示のときの出射光は、前記カラーフィルタを往復して透過した着色光であり、透過射表示のときの出射光は、前記カラーフィルタを1回だけ透過した着色光である。
【0015】
しかし、この液晶表示装置では、前記液晶素子の前側基板と後側基板のいずれかの内面に、前記複数の画素の反射部に対応する複数の非着色膜を設け、その基板の内面に、前記複数の画素にそれぞれ対応する複数の色のカラーフィルタを、それぞれのカラーフィルタの前記反射部に対応する部分を前記非着色膜に重ねて、前記反射部に対応する部分の膜厚が前記透過部に対応する部分の膜厚よりも小さい膜厚で形成しているため、前記反射表示のときと透過表示のときの出射光の色純度と強度の違いを小さくし、反射表示のときも透過表示のときも良好な品質のカラー画像を表示することができる。
【0016】
このように、この発明の液晶表示装置は、液晶素子の液晶分子を60゜乃至70゜の範囲でツイスト配向させた液晶層よりも後側に複数の画素毎に、この画素の一方の側に偏った領域に対応させて反射膜を設け、前記複数の画素毎に前記反射膜が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射する反射部を形成し、前記複数の画素毎に前記反射部が設けられた領域以外の他方の側の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部を形成するとともに、前側基板の内面に、前記複数の画素の前記反射部に対応する複数の非着色膜を設け、その基板の内面に、前記複数の画素にそれぞれ対応する複数の色のカラーフィルタを、それぞれのカラーフィルタの前記反射部に対応する部分を前記非着色膜に重ねて、前記反射部に対応する部分の膜厚が前記透過部に対応する部分の膜厚よりも小さい膜厚で形成し、且つ前記非着色膜は前記反射部の液晶層厚を前記透過部の液晶層厚より小さくする膜厚に形成され、前記液晶素子の両側にそれぞれλ/4位相差板を配置することにより、反射表示のときも透過表示のときも良好な品質のカラー画像を表示することができるようにしたものである。
【0018】
また、この液晶表示装置においては、前記液晶素子のいずれかの基板の内面に設けられた前記複数の非着色膜に光散乱粒子を混入させるのが好ましい。
【0019】
さらに、この液晶表示装置は、前記液晶素子の液晶層は、その液晶の屈折率異方性Δnと複数の画素の反射部の液晶層厚dとの積Δndが、前記液晶分子がツイスト配向状態にある無電界時に、前記反射部を透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与える値に設定するのが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜図4はこの発明の第1の実施例を示しており、図1は液晶表示装置の分解斜視図、図2は前記液晶表示装置の一部分の断面図である。
【0021】
この実施例の液晶表示装置は、図1及び図2に示したように、液晶素子1と、前記液晶素子1の前側と後側とに配置された前側偏光板14及び後側偏光板15と、前記液晶素子1と前側偏光板14との間に配置された前側位相差板16と、前記液晶素子1と後側偏光板15との間に配置された後側位相差板17と、前記液晶素子1と前記前側位相差板16との間に配置された拡散層18と、前記後側偏光板15の後側に配置された光源19とを備えている。
【0022】
前記液晶素子1は、図2に示したように、表示の観察側である前側(図において上側)の透明基板2と、この前側基板2に対向する後側の透明基板3との間に液晶層4が設けられ、前記前側基板2と後側基板3の対向する内面の一方に少なくとも1つの透明電極5が、他方の内面に前記少なくとも1つの電極5と対向する領域により複数の画素Aを形成するための複数の透明電極6が設けられるともに、前記液晶層4よりも後側に、前記複数の画素A内の予め定められた領域にそれぞれ対応させて設けられた複数の反射膜8を有し、前記複数の画素Aの前記反射膜8が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜8により反射して前側に出射する反射部A1が形成され、前記複数の画素Aの前記反射部A1以外の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部A2が形成された構成となっている。
【0023】
この液晶素子1は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)をアクティブ素子とするアクティブマトリックス液晶素子であり、前側基板2の内面に設けられた電極5は一枚膜状の対向電極、後側基板3の内面に設けられた電極6は行方向及び列方向にマトリックス状に配列させて形成された複数の画素電極である。
【0024】
そして、前記後側基板3の内面には、前記複数の画素電極6にそれぞれ対応させて複数のTFT7が設けられるとともに、各行のTFT7にゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列のTFT7にデータ信号を供給する複数のデータ配線(いずれも図示せず)が設けられている。
【0025】
なお、図2ではTFT7を簡略化して示しているが、このTFT7は後側基板3の基板面に形成されたゲート電極と、このゲート電極を覆って基板3の略全体に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の上に前記ゲート電極と対向させて形成されたi型半導体膜と、前記i型半導体膜の両側部の上にn型半導体膜を介して形成されたソース電極及びドレイン電極とからなっている。
【0026】
また、図示しない前記ゲート配線とデータ配線のうち、ゲート配線は、後側基板3の基板面に前記TFT7のゲート電極と一体に形成されて前記ゲート絶縁膜により覆われており、データ配線は、前記ゲート絶縁膜の上に形成され、前記TFT7のドレイン電極につながっている。
【0027】
そして、前記複数の画素電極6は、図示しない前記ゲート絶縁膜の上に形成されており、これらの画素電極6に、その画素電極6に対応するTFT7のソース電極が接続されている。
【0028】
また、前記複数の反射膜8は、アルミニウム系合金等からなる高反射率の鏡面反射膜であり、この実施例では、図2のように、前記複数の反射膜8を後側基板3の内面(例えば図示しないゲート絶縁膜の上)に形成し、前記複数の画素電極6を、その一部を前記反射膜8の上に重ねて形成している。
【0029】
そして、この実施例では、前記反射膜8を複数の画素Aの略半分の領域にそれぞれ対応させて設け、前記複数の画素Aの略半分の領域を反射部A1とし、他の略半分の領域を透過部A2としている。
【0030】
さらに、この液晶素子1の前側基板2と後側基板3のいずれかの内面、例えば前側基板2の内面には、前記複数の画素Aの反射部A1の全域にそれぞれ対応する複数の透明な非着色膜9が設けられており、この前側基板2の内面に、前記複数の画素Aにそれぞれ対応する複数の色、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタ10R,10G,10Bが、それぞれのカラーフィルタ10R,10G,10Bの前記反射部A1に対応する部分を前記非着色膜9に重ねて形成されている。なお、前記非着色膜9とカラーフィルタ10R,10G,10Bは、前記前側基板2の基板面に形成されており、その上に前記対向電極5が形成されている。
【0031】
前記赤、緑、青のカラーフィルタ10R,10G,10Bはそれぞれ、前記非着色膜9に重なる部分、つまり前記反射部A1に対応する部分の膜厚が前記透過部A2に対応する部分の膜厚よりも小さい膜厚で形成されている。
【0032】
さらに、これらのカラーフィルタ10R,10G,10Bの前記反射部A1に対応する部分の膜厚は、前側から前記反射部A1に入射し、前記反射膜8により反射されて前側に出射する光、つまり前記カラーフィルタ10R,10G,10Bに対応する部分を往復して透過する光を、色純度が充分で強度も充分高い着色光として出射させる値に設定され、前記透過部A2に対応する部分の膜厚は、後側から前記透過部A2に入射し、この透過部A2を透過して前側に出射する光、つまり前記カラーフィルタ10R,10G,10Bの透過部A2に対応する部分を一方向に透過する光を、色純度が充分で強度も充分高い着色光として出射させる値に設定されている。
【0033】
また、前記非着色膜9は、前記カラーフィルタ10R,10G,10Bの反射部A1に対応する部分と透過部A2に対応する部分との膜厚差に相当する膜厚に形成されており、したがって、前記カラーフィルタ10R,10G,10Bの表面(対向電極5の形成面)は、前記反射部A1から透過部A2にわたって平坦面となっている。
【0034】
なお、前記非着色膜9は、例えば感光性レジスト等の有機膜またはITO等の無機膜により形成されており、前記カラーフィルタ10R,10G,10Bは、まず前側基板2の透過部A2に対応する部分に前記非着色膜9と同じ膜厚に第1のカラーレジスト層を設け、前記非着色膜9及び第1のカラーフィルタ層の上に、前記第1のカラーレジスト層と同じ色の第2のカラーレジスト層を前記カラーフィルタ10R,10G,10Bの反射部A1に対応する部分と同じ膜厚に設けることにより形成されている。
【0035】
また、前記前側基板2と後側基板3は、前記複数の画素Aがマトリックス状に配列する表示エリアを囲む枠状のシール材11(図1参照)を介して接合されており、これらの基板2,3間の前記シール材11により囲まれた領域に正の誘電異方性を有するネマティック液晶が充填されて液晶層4が形成されている。
【0036】
さらに、前記前側基板2と後側基板3の前記液晶層4に接する面にはそれぞれ配向膜12,13が設けられており、前記液晶層4の液晶分子は、前記配向膜12,13によりそれぞれの基板2,3の近傍における配向方向を規定され、前後の基板2,3間において予め定められたツイスト角でツイスト配向している。
【0037】
この実施例では、前記液晶素子1の複数の画素Aの反射部の液晶層厚をd1、透過部A2の液晶層厚をd2としたとき、前記反射部A1と透過部A2の液晶層厚d1,d2を、d1≒d2の関係に設定し、前記液晶層4の液晶分子配列のツイスト角と、前記複数の画素Aの反射部A1及び透過部A2の液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δnd(以下、反射部A1のΔndをΔnd1と記し、透過部A2のΔndをΔnd2と記す)の値を、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時に透過光の常光と異常光との間に1/4波長(約140nm)の位相差を与えるリタデーションをもち、前記画素Aの電極5,6間に液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に0になる値に設定している。
【0038】
前記液晶層4の液晶分子配列のツイスト角は60°〜70°の範囲、複数の画素Aの反射部A1のΔnd1の値と透過部A2のΔnd2の値は195±10nm〜235±10nmの範囲が好ましく、前記液晶分子配列のツイスト角と、前記Δnd1,Δnd2の値をこのような範囲にすることにより、前記液晶層4に、無電界時に1/4波長のリタデーションをもたせることができる。
【0039】
この実施例では、前記液晶分子配列のツイスト角を64°、複数の画素Aの反射部A1及び透過部A2のΔnd1,Δnd2の値を195±10nmに設定し、前記液晶層4に、無電界時に1/4波長のリタデーションをもたせている。
【0040】
なお、この実施例では、前記画素電極6の反射部A1に対応する部分を反射膜8の上に重ねて形成しているため、前記反射部A1の液晶層厚d1と透過部A2の液晶層厚d2には前記反射膜8の膜厚に応じた差があるが、前記反射膜8の膜厚は0.2〜0.5μm程度であり、したがって、前記反射部A1のΔnd1と透過部A2のΔnd2を実質的に同じ値(195±10nmの範囲)にし、前記反射部A1と透過部A2の液晶層4にそれぞれ、無電界時に1/4波長のリタデーションをもたせることができる。
【0041】
図1において、4aは前記液晶層4の遅相軸を示しており、液晶分子が上記のように64°のツイスト角でツイスト配向している場合、前記液晶層4の遅相軸4aは、前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aに対し、液晶分子のツイスト方向とは逆方向に45°ずれた方向にある。
【0042】
この実施例では、前記後側基板3の近傍における液晶分子配向方向3aを前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aに対して前側から見て左回りに64°ずらし、液晶分子を、そのツイスト方向を図1に破線矢印で示したように、後側基板3から前側基板2に向かって前側から見て左回りに64°のツイスト角でツイスト配向させており、したがって、前記液晶層4の遅相軸4aは、前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aに対し、前側から見て右回り(液晶分子のツイスト方向とは逆方向)に45°ずれた方向にある。
【0043】
前記液晶素子1は、図1のように、例えば前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aを液晶表示装置の画面(前側偏光板14の前面)の横軸xと平行にし、前記液晶層4の遅相軸4aを前記画面の横軸xに対して45°の交差角で交差させて配置されている。
【0044】
また、前記前側偏光板14は、その透過軸14aを前記液晶素子1の液晶層4の遅相軸4aに対して45°の交差角で交差させて配置されており、前記後側偏光板15は、その透過軸15aを前記前側偏光板14の透過軸14aと直交させて配置されている。
【0045】
この実施例では、図1のように、前記前側偏光板14を、その透過軸14aを前記液晶素子1の液晶層4の遅相軸4aに対して前側から見て左回りに45°の方向、つまり前記画面の横軸xと平行な方向に向けて配置し、前記後側偏光板15を、その透過軸15aを前記画面の横軸xに対して90°の交差角で交差させている。
【0046】
一方、前記前側位相差板16と後側位相差板17はそれぞれ、透過光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるλ/4位相差板であり、前側位相差板16は、その遅相軸16aを前記前側偏光板14の透過軸14aに対して45°の交差角で交差させて配置され、後側位相差板17は、その遅相軸17aを前記前側位相差板16の遅相軸16aと直交させて配置されている。
【0047】
この実施例では、図1のように、前側位相差板16を、その遅相軸16aを前側偏光板14の透過軸14aと平行な画面の横軸xに対して前側から見て左回りに45°の方向に向けて配置し、後側位相差板17を、その遅相軸17aを前記画面の横軸xに対して前側から見て左回りに135°の方向に向けて配置している。
【0048】
また、前記液晶素子1と前側位相差板16との間に配置された拡散層18は、その一方の面から入射した光を拡散させて他方の面から出射させる前方拡散層であり、この拡散層18は、光拡散粒子が混入された粘着剤または透明樹脂フィルムからなっている。
【0049】
さらに、前記後側偏光板15の後側に配置された光源19は、前記後側偏光板15の後面全体に向けて均一な輝度分布の照明光を出射する面光源であり、この面光源19は、図1のように、アクリル系樹脂板等の透明板からなり、一端面が光を入射させる入射端面とされた導光板20と、この導光板20の前記入射端面に対向させて設けられた発光素子21とからなっている。
【0050】
なお、この実施例で用いた面光源19は、LED(発光ダイオード)からなる複数の発光素子21を前記導光板20の入射端面に対向させて配置したものであるが、前記導光板20の入射端面に対向させて配置する発光素子は、直管状の冷陰極管等でもよい。
【0051】
この面光源19は、前記発光素子21を点灯させることにより、この発光素子21が出射する照明光を、前記導光板20により導いてその前面から前側に出射するものであり、前記発光素子21からの照明光は、前記導光板20にその入射端面から入射し、この導光板20の前後面と外気(空気)との界面での全反射を繰り返しながら導光板20内を導かれ、この導光板20の前面の全域から出射する。
【0052】
この液晶表示装置は、前記液晶素子1を、液晶層4よりも後側(この実施例では後側基板3の内面)に複数の画素A内の予め定められた領域にそれぞれ対応させて複数の反射膜8を設け、前記複数の画素Aの前記反射膜8が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜8により反射して前側に出射する反射部A1を形成し、前記複数の画素Aの前記反射部A1以外の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部A2を形成した構成とするとともに、前記液晶素子1の前側と後側とに前側偏光板14と後側偏光板15とを配置し、前記液晶素子1と前側偏光板14との間及び前記液晶素子1と後側偏光板15との間に前記前側位相差板16と後側位相差板17とを配置し、前記後側偏光板15の後側に面光源19を配置しているため、充分な照度の使用環境下では、その使用環境の光である外光を利用する反射表示を行ない、充分な明るさの外光が得られないときに、前記面光源19から照明光を出射させて透過表示を行なうことができる。
【0053】
すなわち、この液晶表示装置は、前記液晶素子1の複数の画素Aの反射部A1を利用して反射表示を行ない、前記液晶素子1の複数の画素Aの透過部A2を利用して透過表示を行なうものである。
【0054】
まず、外光を利用する反射表示について説明すると、図3は、前記液晶表示装置の反射表示の模式図であり、前記液晶素子1の1つの画素Aの反射部A1に対応する部分の表示を示している。
【0055】
図3において、(a)は前記画素Aの液晶層4の液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時を示し、(b)は前記画素Aの電極5,6間に液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界を印加した電界印加時を示している。
【0056】
この液晶表示装置は、液晶素子1の前側に配置された前側偏光板14に偏光子と検光子とを兼ねさせる1枚偏光板型の反射表示を行なうものであり、この液晶表示装置では、前記液晶素子1と前記前側偏光板14との間に、透過光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与える前側位相差板16を配置しているため、図3に矢線で示したように表示の観察側である前側から入射した外光(非偏光)a0が、前記前側偏光板14によりその透過軸14aに平行な直線偏光a1とされ、さらに前記前側位相差板16により円偏光a2とされて前記液晶素子1に入射する。
【0057】
そして、この液晶表示装置では、前記液晶素子1の液晶層4の液晶分子配列のツイスト角と、複数の画素Aの反射部A1及び透過部A2のΔnd1,Δnd2の値とを、無電界時に透過光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるリタデーションをもち、前記液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に0になる値に設定しているため、前記前側位相差板16により円偏光a2とされて液晶素子1に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素に入射した光が、図3(a)のように、その無電界画素の液晶層4により1/4波長の位相差を与えられて前記前側偏光板14を透過して入射した直線偏光a1と同じ偏光状態の直線偏光a3となり、その直線偏光a3のうち、前記無電界画素の反射部A1を透過した光が反射膜8により反射される。
【0058】
なお、前記無電界画素を透過して直線偏光a3となった光のうち、前記無電界画素の透過部A2を透過した光は、図示しないが、前記液晶素子1の後側に出射して後側位相差板17により円偏光とされ、その光のうち、後側偏光板15の吸収軸に平行な偏光成分が前記後側偏光板15により吸収され、前記後側偏光板15の透過軸15aに平行な偏光成分がこの後側偏光板15を透過して後側に出射する。
【0059】
前記無電界画素の反射部A1を透過して反射膜8により反射された直線偏光a3は、前記無電界画素を液晶層4により円偏光a4とされて透過して液晶素子1の前側に出射し、さらに前側位相差板16により前側偏光板14の透過軸14aに平行な直線偏光a5とされて前記前側偏光板14にその後側から入射し、この前側偏光板14を透過して前側に出射する。
【0060】
また、前記前側位相差板16により円偏光a2とされて前記液晶素子1に入射した光のうち、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素(リタデーションが実質的に0になった画素)に入射した光は、図3(b)のように、その電界印加画素を偏光状態を変えることなく前記円偏光a2のまま透過し、その円偏光a2のうち、前記電界印加画素の反射部A1を透過した光が反射膜8により反射される。
【0061】
なお、前記電界印加画素の透過部A2を透過した円偏光a2は、図示しないが、前記液晶素子1の後側に出射して後側位相差板17により後側偏光板16の吸収軸に平行な直線光光とされ、前記後側偏光板16により吸収される。 前記電界印加画素の反射部A1を透過して反射膜8により反射された円偏光a2は、前記電界印加画素を偏光状態を変えることなく前記円偏光a2のまま透過して液晶素子1の前側に出射し、前側位相差板16により前側偏光板14の透過軸14aに対して直交する直線偏光a6とされて前記前側偏光板14にその後側から入射し、この前側偏光板14により吸収される。
【0062】
すなわち、この液晶表示装置は、前記液晶素子1の電極5,6間に電界を印加しない無電界時の表示が明表示であるノーマリーホワイトモードの反射表示を行なうものであり、その表示は、前記液晶素子1の液晶分子が初期のツイスト配向状態に配向したときに、最も明るい明表示になり、前記液晶分子が基板2.3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向したときに最も暗い黒の暗表示になる。
【0063】
この液晶表示装置によれば、表示の観察側である前側から前側偏光板14と前側位相差板16とを透過して前記液晶素子1に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素の反射部A1を透過して反射膜8により反射され、前記無電界画素を再び透過して前記液晶素子1の前側に出射した光が、前記前側位相差板16により前側偏光板14の透過軸14aに平行な直線偏光a5とされて前記前側偏光板14に入射し、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素の反射部A1を透過して反射膜8により反射され、前記電界印加画素を再び透過して前記液晶素子1の前側に出射した光が、前記前側位相差板16により前側偏光板14の透過軸14aに対して直交する直線偏光a6とされて前記前側偏光板14に入射するため、前記無電界画素を透過した反射光のほとんどを前記前側偏光板14を透過させて前側に出射させ、前記電界印加画素を透過した反射光のほとんどを前記前側偏光板14により吸収することができる。
【0064】
したがって、この液晶表示装置は、前記液晶素子1の無電界画素に対応する明表示の明るさが充分であるとともに、前記液晶素子1の電界印加画素に対応する暗表示の暗さも充分であり、高コントラストの反射表示を行なうことができる。
【0065】
次に、前記面光源19からの照明光を利用する透過表示について説明すると、図4は、前記液晶表示装置の透過表示の模式図であり、前記液晶素子1の1つの画素Aの透過部A2に対応する部分の表示を示している。
【0066】
図4において、(a)は前記画素Aの液晶層4の液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時を示し、(b)は前記画素Aの電極5,6間に液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界を印加した電界印加時を示している。
【0067】
この液晶表示装置は、透過表示のときは、液晶素子1の後側に配置された後側偏光板15を偏光子とし、液晶素子1の前側に配置された前側偏光板14を検光子として表示するものであり、この液晶表示装置では、前記液晶素子1と前記後側偏光板15との間に、透過光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与える後側位相差板17を配置しているため、面光源19から出射し、図4に矢線で示したように後側偏光板15にその後側から入射した照明光(非偏光)b0が、前記後側偏光板15によりその透過軸15aに平行な直線偏光b1とされ、さらに前記後側位相差板17により円偏光b2とされて前記液晶素子1にその後側から入射する。
【0068】
なお、前記液晶素子1にその後側から入射した光のうち、前記液晶素子1の各画素Aの反射部A1に入射した光は、前記反射膜8により後側に反射され、前記各画素Aの透過部A2に入射した光が液晶層4に入射する。
【0069】
そして、前記後側位相差板17により円偏光b2とされて前記液晶素子1の各画素Aの透過部A2に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素に入射した光は、図4(a)のように、その無電界画素の液晶層4により1/4波長の位相差を与えられ、前記後側偏光板17を透過して入射した直線偏光b1に対して直交する直線偏光b3とされて液晶素子1の前側に出射し、さらに前側位相差板16により円偏光b4とされて前側偏光板14にその後側から入射し、その円偏光b4のうち、前側偏光板14の透過軸14aに平行な偏光成分の光b5が、前記前側偏光板14を透過して前側に出射する。
【0070】
また、前記後側位相差板17により円偏光b2とされて前記液晶素子1の各画素Aの透過部A2に入射した光のうち、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素(リタデーションが実質的に0になった画素)に入射した光は、図4(b)のように、その電界印加画素を偏光状態を変えることなく前記円偏光b2のまま透過して液晶素子1の前側に出射し、さらに前側位相差板16により前側偏光板14の透過軸14aに対して直交する直線偏光b6とされて前記前側偏光板14にその後側から入射し、この前側偏光板14により吸収される。
【0071】
すなわち、この液晶表示装置は、前記面光源19からの照明光を利用する透過表示のときもノーマリーホワイトモードの表示を行なうものであり、その表示は、前記液晶素子1の液晶分子が初期のツイスト配向状態に配向したときに、最も明るい明表示になり、前記液晶分子が基板2.3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向したときに最も暗い黒の暗表示になる。
【0072】
この液晶表示装置によれば、前記面光源19から出射し、後側偏光板17と後側位相差板17とを透過して前記液晶素子1の各画素Aの透過部A2に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素を透過した光が、前側位相差板16により円偏光b4とされて前記前側偏光板14にその後側から入射するため、その円偏光b4の略半分(前側偏光板14の透過軸14aに平行な偏光成分の光)b5を、前記前側偏光板14を透過させて前側に出射させることができ、また、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素の反射部A1を透過した光が、前記前側位相差板16により前側偏光板14の透過軸14aに対して直交する直線偏光a6とされて前記前側偏光板14に入射するため、前記電界印加画素を透過した光のほとんどを前記前側偏光板14により吸収することができる。
【0073】
したがって、この液晶表示装置は、前記液晶素子1の無電界画素に対応する明表示の明るさが充分であるとともに、前記液晶素子1の電界印加画素に対応する暗表示(黒表示)の暗さも充分であり、高コントラストの透過表示を行なうことができる。
【0074】
なお、前記面光源19は、外光を利用する反射表示のときに補助光源として利用することもでき、その場合も、前記反射表示と透過表示の両方がノーマリーホワイトモードであるため、高コントラストの表示を得ることができる。
【0075】
この液晶表示装置の表示は、前記反射表示のときも透過表示のときも、前記液晶素子1に複数の画素Aにそれぞれ対応させて設けられた赤、緑、青のカラーフィルタ10R,10G,10Bにより着色された表示である。
【0076】
すなわち、この液晶表示装置は、外光を利用する反射表示のときは、前側から前側偏光板14と前側位相差板16を透過して液晶素子1に入射し、前記液晶素子1の複数の画素Aにそれぞれ対応するカラーフィルタ10R,10G,10Bにより着色されるとともに、前記複数の画素Aの反射部A1の液晶層4を透過した光を反射膜8により反射し、前記液晶層4とカラーフィルタ10R,10G,10Bを再び透過して前記液晶素子1の前側に出射し、さらに前記前側位相差板16を透過した光のうち、前記前側偏光板14の吸収軸に平行な偏光成分をこの前側偏光板14により吸収し、前記前側偏光板14の透過軸14aに平行な偏光成分を前側に出射させて表示する。
【0077】
また、この液晶表示装置は、面光源19からの照明光を利用する透過表示のときは、後側から後側偏光板15と後側位相差板17を透過して前記液晶素子1に入射し、この液晶素子1の複数の画素Aの透過部A2の液晶層4を透過するとともに前記カラーフィルタ10R,10G,10Bにより着色されて前記液晶素子1の前側に出射し、さらに前記前側位相差板16を透過した光のうち、前記前側偏光板14の吸収軸に平行な偏光成分をこの前側偏光板14により吸収し、前記前側偏光板14の透過軸14aに平行な偏光成分を前側に出射させて表示する。
【0078】
そのため、この液晶表示装置の反射表示のときの出射光は、前記カラーフィルタ10R,10G,10Bを往復して透過した着色光であり、透過射表示のときの出射光は、前記カラーフィルタ10R,10G,10Bを一方向に1回だけ透過した着色光である。
【0079】
しかし、この液晶表示装置では、上述したように、前記液晶素子1の前側基板2の内面に、複数の画素Aの反射部A1に対応する複数の非着色膜9を設け、この前側基板2の内面に、前記複数の画素Aにそれぞれ対応する赤、緑、青の3色のカラーフィルタ10R,10G,10Bを、それぞれのカラーフィルタ10R,10G,10Bの前記反射部A1に対応する部分を前記非着色膜9に重ねて、前記反射部A1に対応する部分の膜厚が前記透過部A2に対応する部分の膜厚よりも小さい膜厚で形成しているため、前記反射表示のときと透過表示のときの出射光の色純度と強度の違いを小さくし、反射表示のときも透過表示のときも良好な品質のカラー画像を表示することができる。
【0080】
この実施例では、上述したように、前記カラーフィルタ10R,10G,10Bの前記反射部A1に対応する部分の膜厚を、前側から前記反射部A1に入射し、前記反射膜8により反射されて前側に出射する光を、色純度が充分で強度も充分高い着色光として出射させる値に設定し、前記透過部A2に対応する部分の膜厚を、後側から前記透過部A2に入射し、この透過部A2を透過して前側に出射する光を、色純度が充分で強度も充分高い着色光として出射させる値に設定しているため、反射表示のときも透過表示のときも、赤、緑、青のそれぞれの出射光の色純度と強度が充分高い、さらに良好な品質のカラー画像を表示することができる。
【0081】
しかも、この実施例では、前記液晶素子1と前記前側位相差板15との間に拡散層18を配置しているため、前記反射表示のときも、透過表示のときも、表示観察者の顔等の外景が反射膜8上に映って見えることが無く、したがって、より高品質の画像を表示することができる。
【0082】
なお、上記第1の実施例では、液晶素子1の複数の画素Aの反射部A1の液晶層厚d1と透過部A2の液晶層厚d2をd1≒d2としているが、前記反射部A1と透過部A2の液晶層厚d1,d2は、d1<d2の関係に設定するのが好ましい。
【0083】
図5はこの発明の第2の実施例を示す液晶表示装置の一部分の断面図であり、この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の前側基板2の内面に設けられた非着色膜9の膜厚を上記第1の実施例よりも厚くし、前記複数の画素Aの反射部A1の液晶層厚d1と透過部A2の液晶層厚d2を、d1<d2の関係に設定したものであり、この実施例においても、前記液晶素子1の前側基板2の内面のカラーフィルタ10R,10G,10Bはそれぞれ、前記反射部A1に対応する部分を前記非着色膜9に重ねて、前記反射部A1に対応する部分の膜厚が前記透過部A2に対応する部分の膜厚よりも小さい膜厚で形成されている。
【0084】
そして、この実施例では、前記液晶素子1の液晶層4の液晶分子配列のツイスト角と、複数の画素Aの反射部A1のΔnd1とを、前記液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時に透過光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与えるリタデーションをもち、前記液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に0になる値に設定するとともに、前記複数の画素Aの透過部A2のΔnd2を、無電界時に透過光の常光と異常光との間に1/2波長の位相差を与えるリタデーションをもち、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加されたときにリタデーションが実質的に0になる値に設定している。
【0085】
前記液晶層4の液晶分子配列のツイスト角は60°〜70°の範囲、前記反射部A1のΔnd1の値は195±10nm〜235±10nmの範囲、前記透過部A2のΔnd2の値は390±10nm〜470±10nmの範囲が好ましく、前記液晶分子配列のツイスト角と、前記反射部A1と透過部A2のΔnd1,Δnd2の値をこのような範囲にすることにより、前記反射部A1の液晶層4に無電界時に1/4波長のリタデーションをもたせ、前記透過部A2の液晶層4に無電界時に1/2波長のリタデーションをもたせることができる。
【0086】
なお、この実施例の液晶表示装置は、液晶素子1の複数の画素Aの反射部A1と透過部A2の液晶層厚d1,d2をd1<d2とし、前記反射部A1のΔnd1と透過部A2のΔnd2の値を互いに異ならせたものであるが、他の構成は上述した第1の実施例と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0087】
この実施例の液晶表示装置も、前記液晶素子1の複数の画素Aの反射部A1を利用して反射表示を行ない、前記液晶素子1の複数の画素Aの透過部A2を利用して透過表示を行なうものであり、反射表示は、上述した第1の実施例の液晶表示装置の反射表示と同じである。
【0088】
図6は、この実施例の液晶表示装置の透過表示の模式図であり、前記液晶素子1の1つの画素Aの透過部A2に対応する部分の表示を示している。図6において、(a)は前記画素Aの液晶層4の液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界時を示し、(b)は前記画素Aの電極5,6間に液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界を印加した電界印加時を示している。
【0089】
この透過表示のときは、面光源19から出射し、図6に矢線で示したように後側偏光板15にその後側から入射した照明光(非偏光)c0が、前記後側偏光板15によりその透過軸15aに平行な直線偏光c1とされ、さらに前記後側位相差板17により円偏光c2とされて前記液晶素子1にその後側から入射し、その光のうち、前記液晶素子1の各画素Aの透過部A2に入射した光が液晶層4に入射する。
【0090】
そして、前記後側位相差板17により円偏光c2とされて前記液晶素子1の各画素Aの透過部A2に入射した光のうち、液晶分子が初期のツイスト配向状態にある無電界画素に入射した光は、図6(a)のように、その無電界画素の液晶層4により1/2波長の位相差を与えられ、前記円偏光c2が90°回転した円偏光c3とされて液晶素子1の前側に出射し、さらに前側位相差板16により前側偏光板14の透過軸14aに平行な直線偏光c4とされて前記前側偏光板14にその後側から入射し、この前側偏光板14を透過して前側に出射する。
【0091】
また、前記後側位相差板17により円偏光c2とされて前記液晶素子1の各画素Aの透過部A2に入射した光のうち、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向した電界印加画素(リタデーションが実質的に0になった画素)に入射した光は、図6(b)のように、その電界印加画素を偏光状態を変えることなく前記円偏光c2のまま透過して液晶素子1の前側に出射し、さらに前側位相差板16により前側偏光板14の透過軸14aに対して直交する直線偏光c5とされて前記前側偏光板14にその後側から入射し、この前側偏光板14により吸収される。
【0092】
すなわち、この実施例の液晶表示装置は、上述した第1の実施例の液晶表示装置と同じノーマリーホワイトモードの反射表示と、図6に示したようなノーマリーホワイトモードの透過表示とを行なうものであり、その表示は、反射表示のときも、透過表示のときも、明るさが充分で、しかも高コントラスト表示である。
【0093】
しかも、上述した第1の実施例の液晶表示装置では、透過表示のときに、液晶素子1の無電界画素を透過した光が図4のように前側位相差板16により円偏光b4とされて前側偏光板14にその後側から入射し、その円偏光b4のうち、前側偏光板14の透過軸14aに平行な偏光成分の光b5がこの前側偏光板14を透過して前側に出射するが、この実施例の液晶表示装置では、透過表示のときに、液晶素子1の無電界画素を透過した光が図6のように前側位相差板16により前側偏光板14の透過軸14aに平行な直線偏光b4とされて前記前側偏光板14に入射し、その光のほとんどが前記前側偏光板14を透過して前側に出射するため、透過表示のときの明表示を、上記第1の実施例の液晶表示装置よりもさらに明るくし、より高いコントラストを得ることができる。
【0094】
そして、この実施例の液晶表示装置においても、前記液晶素子1の前側基板2の内面に複数の画素Aの反射部A1に対応する複数の非着色膜9を設け、この前側基板2の内面にカラーフィルタ10R,10G,10Bを上記のような膜厚で形成しているため、前記反射表示のときと透過表示のときの出射光の色純度と強度の違いを小さくし、反射表示のときも透過表示のときも良好な品質のカラー画像を表示することができる。
【0095】
なお、前記カラーフィルタ10R,10G,10Bの前記反射部A1に対応する部分の膜厚は、前側から前記反射部A1に入射し、前記反射膜8により反射されて前側に出射する光を、色純度が充分で強度も充分高い着色光として出射させる値に設定し、前記透過部A2に対応する部分の膜厚は、後側から前記透過部A2に入射し、この透過部A2を透過して前側に出射する光を、色純度が充分で強度も充分高い着色光として出射させる値に設定するのが好ましく、前記カラーフィルタ10R,10G,10Bをこのような膜厚に形成することにより、反射表示のときも透過表示のときも、赤、緑、青のそれぞれの出射光の色純度と強度が充分高い、さらに良好な品質のカラー画像を表示することができる。
【0096】
なお、上述した第1及び第2の実施例では、表示観察者の顔等の外景が液晶素子1の反射膜8上に映って見える外景の映り込み現象を防ぐために、前記液晶素子1と前側位相差板15との間に拡散層18を配置しているが、前記拡散層18を省略し、前記液晶素子1の前側基板2の内面に複数の画素Aの反射部A1にそれぞれ対応させて設けられた非着色膜9に光散乱粒子を混入させることにより前記外景の映り込み現象を防ぐようにしてもよい。
【0097】
図7及び図8はこの発明の第3及び第4の実施例を示す液晶表示装置の一部分の断面図であり、これらの実施例はいずれも、上述した第1及び第2の実施例における液晶素子1と前側位相差板15との間の拡散層18を省略し、前記第1及び第2の実施例において液晶素子1の前側基板2の内面に複数の画素Aの反射部A1にそれぞれ対応させて設ける非着色膜を、光散乱粒子を混入させた光拡散性非着色膜9aとすることにより、表示観察者の顔等の外景が液晶素子1の反射膜8上に映って見える外景の映り込み現象を防ぐようにしたものである。
【0098】
なお、これらの実施例の液晶表示装置は、液晶素子1に光散乱粒子を混入させた非着色膜9aを設けたものであるが、図7に示した第3の実施例の液晶表示装置の他の構成は上述した第1の実施例と同じであり、また、図8に示した第4の実施例の液晶表示装置の他の構成は上述した第2の実施例と同じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0099】
この第3及び第4の実施例の液晶表示装置によれば、液晶素子1の前側基板2の内面に複数の画素Aの反射部A1にそれぞれ対応させて光散乱粒子を混入させた非着色膜9aを設け、この非着色膜9aにより外景の映り込み現象を防ぐようにしているため、前記液晶素子1の複数の画素Aの透過部A2を利用する透過表示のときの前側への出射光を非拡散光とし、透過表示のときの表示画像を、光の拡散によるボケの無い高品質の画像とすることができる。
【0100】
なお、上述した第1〜第4の実施例では、液晶素子1の液晶層4の液晶分子を、後側基板3から前側基板2に向かって前側から見て左回りに64°のツイスト角でツイスト配向させているが、前記液晶素子1は、後側基板3の近傍における液晶分子配向方向3aを前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aに対して前側から見て右回りに64°ずらし、液晶分子を後側基板3から前側基板2に向かって前側から見て右回りに64°のツイスト角でツイスト配向させ、前記液晶層4の遅相軸4aを、前側基板2の近傍における液晶分子配向方向2aに対し、前側から見て左回り(液晶分子のツイスト方向とは逆方向)に45°ずれた方向にしたものでもよい。
【0101】
また、上記実施例では、前側偏光板14を、その透過軸14aを前記液晶素子1の液晶層4の遅相軸4aに対して前側から見て左回りに45°の方向に向けて配置しているが、前側偏光板14を、その透過軸14aを前記液晶素子1の液晶層4の遅相軸4aに対して前側から見て右回りに45°の方向に向けて配置し、後側偏光板15を、その透過軸15aを前記前側偏光板14の透過軸14aに対して直交させて配置してもよい。
【0102】
さらに、上記実施例では、前側位相差板16を、その遅相軸16aを前記前側偏光板14の透過軸14aに対して前側から見て左回りに45°の方向に向けて配置しているが、前側位相差板16を、その遅相軸16aを前記前側偏光板14の透過軸14aに対して前側から見て右回りに45°の方向に向けて配置し、後側位相差板17を、その遅相軸17aを前記前側位相差板16の遅相軸16aと直交させて配置してもよい。
【0103】
また、上記実施例の液晶表示装置は、反射表示のときも透過表示のときも、入射光をλ/4位相差板16,17と液晶素子1の液晶層4により円偏光と直線偏光とに変化させて表示するようにしたものであるが、反射表示のときに、入射光を円偏光と直線偏光とに変化させて表示し、反射表示のときは入射光を他の偏光状態の光に変化させて表示するようにしてもよい。
【0104】
その場合は、後側のλ/4位相差板17を省略し、前記液晶素子1の複数の画素Aの透過部A2のΔnd2の値と、後側偏光板15の透過軸15aの向きを、無電界時に、前記後側偏光板15を透過して入射した直線偏光を、前記液晶層4と前側位相差板16とにより前側偏光板14を透過する偏光に変化させ、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加され、前記液晶層4のリタデーションが実質的に0になったときに、前記後側偏光板15を透過して入射した直線偏光を、前側位相差板16により前記前側偏光板14により吸収される偏光に変化させるように設定すればよい。なお、この場合、前記液晶素子1と後側偏光板15との間に、透過表示のコントラストを補償するための位相差板(λ/4以外の位相差板)を配置してもよい。
【0105】
さらに、前記反射表示と透過表示は、その両方を、入射光を他の偏光状態の光に変化させる表示としてもよく、その場合は、前後のλ/4位相差板16,17を省略し、液晶素子1の液晶層4の液晶分子の配向状態と、前記液晶素子1の複数の画素Aの反射部A1及び透過部A2のΔnd1,Δnd2の値と、前後の偏光板14,15の透過軸14a,15aの向きを、無電界時に、前後の偏光板15,16の一方を透過して入射した直線偏光を、前記液晶層4により他方の偏光板を透過する偏光に変化させ、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に垂直に立ち上がり配向する電界が印加され、前記液晶層4のリタデーションが実質的に0になったときに、一方の偏光板を透過して入射した直線偏光を他方の偏光板により吸収するように設定すればよい。
【0108】
すなわち、この液晶表示装置では、反射表示のときに、液晶素子1の前側から前記画素Aの反射部A1に入射し、液晶層4を往復して透過して前側に出射する光が、前記反射部A1の液晶層4のΔnd1の2倍の値に相当するリタデーションを受けるのに対し、透過表示のときは、前記液晶素子1の後側から前記画素Aの透過部A2に入射し、この透過部A2の前記液晶層4を一方向に透過して前側に出射する光が、前記透過部A2の液晶層4のΔnd2の値に相当するリタデーションを受ける。
【0109】
しかし、上記のように液晶素子1の複数の画素Aの反射部A1と透過部A2の液晶層厚d1,d2がd1<d2の関係であれば、反射表示のときと透過表示のときの表示特性の違いを小さくすることができる。
【0110】
前記液晶素子1の複数の画素Aの反射部A1と透過部A2の液晶層厚d1,d2は、例えば前記反射部A1の液晶層厚d1を2〜4μmとする場合、前記透過部A2の液晶層厚d2を前記反射部A1の液晶層厚d1よりも0.5〜6μm大きく、つまりd2=2.5〜10μmに設定するのが好ましい。
【0111】
また、上記実施例では、液晶素子1の複数の画素Aの略半分の領域を反射部A1とし、他の略半分の領域を透過部A2としているが、前記反射部A1と透過部A2は任意の面積比及び形状に形成すればよく、さらに、反射部A1と透過部A2の一方または両方を、1つの画素A内に複数形成してもよい。
【0112】
また、上記実施例では、前記反射部A1を形成するための反射膜8を液晶素子1の後側基板3の内面に設け、後側基板3の内面に設ける透明電極(複数の画素電極)6を前記反射膜8の上に重ねて形成しているが、前記電極6の反射部A1に対応する部分を金属膜により形成し、この電極6の前記反射部A1に対応する部分に反射膜を兼ねさせてもよく、さらに、前記反射膜8は、液晶層4よりも後側であれば、例えば前記後側基板3の外面に設けてもよい。
【0113】
さらに、前記反射部A1に対応する非着色膜9,9aとカラーフィルタ10R,10G,10Bは、液晶素子1の前側基板2の内面に設けてもよく、また、前記液晶素子1は、アクティブマトリックス型に限らず、単純マトリックス型液晶素子でもよい。
【0114】
【発明の効果】
この発明の液晶表示装置は、液晶素子の液晶分子を60゜乃至70゜の範囲でツイスト配向させた液晶層よりも後側に複数の画素毎に、この画素の一方の側に偏った領域に対応させて反射膜を設け、前記複数の画素毎に前記反射膜が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射する反射部を形成し、前記複数の画素毎に前記反射部が設けられた領域以外の他方の側の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部を形成するとともに、前側基板の内面に、前側基板と後側基板のいずれかの内面に、前記複数の画素の前記反射部に対応する複数の非着色膜を設け、その基板の内面に、前記複数の画素にそれぞれ対応する複数の色のカラーフィルタを、それぞれのカラーフィルタの前記反射部に対応する部分を前記非着色膜に重ねて、前記反射部に対応する部分の膜厚が前記透過部に対応する部分の膜厚よりも小さい膜厚で形成し、且つ前記非着色膜は前記反射部の液晶層厚を前記透過部の液晶層厚より小さくする膜厚に形成され、前記液晶素子の両側にそれぞれλ/4位相差板を配置したものであるため、反射表示のときも透過表示のときも良好な品質のカラー画像を表示することができる。
【0116】
また、この液晶表示装置においては、前記液晶素子のいずれかの基板の内面に設けられた前記複数の非着色膜に光散乱粒子を混入させるのが好ましく、このようにすることにより、前記非着色膜により外景の映り込み現象を防ぐとともに、透過表示のときの前側への出射光を非拡散光とし、透過表示のときの表示画像を、光の拡散によるボケの無い高品質の画像とすることができる。
【0117】
さらに、この液晶表示装置は、前記液晶素子の液晶層は、その液晶の屈折率異方性Δnと複数の画素の反射部の液晶層厚dとの積Δndが、前記液晶分子がツイスト配向状態にある無電界時に、前記反射部を透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与える値に設定するのが望ましく、このような構成とすることにより、明るく、しかも高コントラストの反射表示を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示装置の分解斜視図。
【図2】第1の実施例の液晶表示装置の一部分の断面図。
【図3】第1の実施例の液晶表示装置の反射表示の模式図。
【図4】第1の実施例の液晶表示装置の透過表示の模式図。
【図5】この発明の第2の実施例を示す液晶表示装置の一部分の断面図。
【図6】第2の実施例の液晶表示装置の透過表示の模式図。
【図7】この発明の第3の実施例を示す液晶表示装置の一部分の断面図。
【図8】この発明の第4の実施例を示す液晶表示装置の一部分の断面図。
【符号の説明】
1…液晶素子
2,3…基板
4…液晶層
5,6…電極
A…画素
A1…反射部
A2…透過部
d1…反射部の液晶層厚
d2…透過部の液晶層厚
8…反射膜
9…非着色膜
9a…光散乱粒子が混入された非着色膜
10R,10G,10B…カラーフィルタ
14,15…偏光板
16,17…位相差板
18…拡散層
19…面光源
Claims (3)
- 表示の観察側である前側の基板とこの前側基板に対向する後側基板との間に、液晶分子を60゜乃至70゜の範囲でツイスト配向させた液晶層が設けられ、前記前側基板の後側基板と対向する内面に少なくとも1つの電極が、前記後側基板の内面に前記少なくとも1つの電極と対向する領域により複数の画素を形成するための複数の電極が設けられるとともに、前記複数の画素毎に、この画素の一方の側に偏った領域にそれぞれ対応させて前記後側基板に設けられた複数の反射膜を有し、前記複数の画素毎に前記反射膜が設けられた領域により、前側から入射した光を前記反射膜により反射して前側に出射する反射部が形成され、前記複数の画素毎に前記反射部が設けられた領域以外の他方の側の領域により、後側から入射した光を透過させて前側に出射する透過部が形成され、さらに、前記前側基板の内面に、前記複数の画素の前記反射部に対応する複数の非着色膜が設けられ、その基板の内面に、前記複数の画素にそれぞれ対応する複数の色のカラーフィルタが、それぞれのカラーフィルタの前記反射部に対応する部分を前記非着色膜に重ねて、前記反射部に対応する部分の膜厚が前記透過部に対応する部分の膜厚よりも小さい膜厚で形成され、前記非着色膜は前記反射部の液晶層厚を前記透過部の液晶層厚より小さくする膜厚に形成されてなる液晶素子と、
前記液晶素子の前側と後側とに配置された前側偏光板及び後側偏光板と、
前側偏光板及び後側偏光板と、前記液晶素子との間それぞれに配置され、透過光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与える2枚のλ/4位相差板と、
前記後側偏光板の後側に配置された光源とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。 - 液晶素子のいずれかの基板の内面に設けられた複数の非着色膜に光散乱粒子が混入されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 液晶素子の液晶層は、その液晶の屈折率異方性Δnと複数の画素の反射部の液晶層厚dとの積Δndが、前記液晶分子がツイスト配向状態にある無電界時に、前記反射部を透過する光の常光と異常光との間に1/4波長の位相差を与える値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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