JPH07224574A

JPH07224574A - 自動車の窓開閉装置

Info

Publication number: JPH07224574A
Application number: JP6017688A
Authority: JP
Inventors: Masao Senoo; 眞佐男妹尾
Original assignee: Hokuriku Electric Industry Co Ltd
Current assignee: Hokuriku Electric Industry Co Ltd
Priority date: 1994-02-14
Filing date: 1994-02-14
Publication date: 1995-08-22

Abstract

(57)【要約】【目的】自動車の窓開閉装置において窓ガラスに首や
手が挾まれて怪我をするのを防止する。【構成】窓ガラス５が閉じられるドア窓枠１ａの車内
側端縁１ｂに沿ってセンサチューブ２が設けられてい
る。センサチューブ２は、窓ガラス５に挾まれる首や手
により圧迫されて圧縮し、内部の気体に圧力変化が生じ
る。センサチューブ２内の気体の圧力変化は圧力センサ
３が検知し、圧力センサ３は、強制的に駆動を停止させ
る強制停止信号を駆動部６に出力する。駆動部６は、圧
力センサ３からの信号を受けて窓ガラスの閉動作を停止
させる。これにより事故を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の窓ガラスを開
閉する窓開閉装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車には、窓ガラスの開閉をモータで
行う窓開閉装置（以下、パワーウィンドという）が装備
されているものがある。パワーウィンドは、窓ガラスの
開閉を操作する開閉スイッチをドアに取付けており、こ
の開閉スイッチを押している間のみモータにより窓ガラ
スを開閉するようになっているが、運転席のパワーウィ
ンドは、２アクション方式の開閉スイッチとなってい
る。

【０００３】運転席のパワーウィンドは、運転席以外の
パワーウィンドと同様に開閉スイッチを押している間に
窓ガラスを開閉する動作モードの他に、開閉スイッチを
強く押し込むと、スイッチから手を離しても窓ガラスの
開又は閉の動きを行い、窓ガラスが完全に閉じるか、又
は開くまでその動作を続ける動作モードが付加されてい
る。

【０００４】ところで近年、この種のパワーウィンドで
は、幼児が誤って窓ガラスに手や首を挾まれ、死傷する
事故が発生しており、この種の事故防止対策は、急を要
する社会問題となっている。

【０００５】この種の事故防止対策としては、特開昭６
０−１６４５８３号公報及び特開昭６０−１６４５８４
号公報に見られるように、座席に体重検出装置を取付け
て、体重の差により大人と幼児とを区別し、窓ガラス開
閉用のモータのトルクを制御しているものがある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述した対策のもの
は、座席で窓ガラスの開閉操作をする者が幼児である場
合には、窓ガラス開閉用のモータのトルクを小さくし、
窓に挾まれたときの怪我をなくすようにしているが、モ
ータのトルクを弱くしたとしても、窓ガラスの開閉動作
を完全に停止するものではなく、モータは、トルクが弱
められたとしても窓ガラスを閉める動作を継続して行う
ため、事故を完全に防止できないという問題があった。

【０００７】本発明の目的は、窓に首や手が挾み込まれ
る状態を感知して、窓ガラスの閉動作を停止させて事故
防止を図る自動車の窓開閉装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る自動車の窓開閉装置は、ドアと、セン
サチューブと、圧力センサとを有する自動車の窓開閉装
置であって、ドアは、車体に開閉可能に枢支されたもの
であり、窓ガラスと駆動部とを有し、窓ガラスは、ドア
の窓枠に昇降可能に取付けられたものであり、駆動部
は、車内に設置された開閉スイッチの操作により入力さ
れた窓ガラスの開閉信号に基づいて窓ガラスを昇降さ
せ、該窓ガラスを開閉するものであり、センサチューブ
は、可撓性のチューブ内に気体が封入され、外圧を受け
てチューブが圧縮し気体の圧力が変化するものであり、
窓ガラスが閉じられる窓枠の車内側端縁近傍に、該端縁
に沿って取付けられており、圧力センサは、センサチュ
ーブ内の気体の圧力変化を検出して、強制的に窓ガラス
の閉動作を停止させる強制停止信号を駆動部に出力する
ものである。

【０００９】また、駆動部は、ＡＮＤ回路と開閉切替部
とを有し、ＡＮＤ回路は、開閉スイッチの操作により入
力される窓ガラスの閉信号と、圧力センサから出力され
る強制停止信号との２信号が入力したときに、窓ガラス
の開閉動作を切替える切替信号を出力するものであり、
開閉切替部は、ＡＮＤ回路からの切替信号を入力とし
て、窓ガラスの閉動作を停止させた後に窓ガラスの開動
作に反転させるものである。

【００１０】また、圧力センサは、センサチューブ内の
気体の圧力変化を直接受けて電気的信号を発生させるも
の、又はセンサチューブ内の気体の圧力変化を一旦機械
的変位に変換した後に電気的信号を発生させるものであ
る。

【００１１】また、センサチューブは、可撓性チューブ
に極く小さな呼吸孔を有し、呼吸孔は、外部の温度変化
により生じる可撓性チューブ内の気体の圧力変化を吸収
するものである。

【００１２】

【作用】窓ガラスが閉じられるドア窓枠の車内側端縁に
沿ってセンサチューブが設けられている。センサチュー
ブは、窓ガラスに挾まれる首や手等により圧迫され、そ
の内部に封入された気体に圧力変化が生じる。センサチ
ューブ内の気体の圧力変化は圧力センサが検知し、圧力
センサは、強制的に駆動を停止させる強制停止信号を駆
動部に出力する。駆動部は、圧力センサからの信号を受
けて窓ガラスの閉動作を完全に停止させ、或いは停止さ
せた後に窓ガラスを開くことにより、事故を防止する。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図により説明する。
図１において、本発明に係る自動車の窓開閉装置は、ド
ア１と、センサチューブ２と、圧力センサ３とを有して
いる。

【００１４】ドア１は図１，図２に示すように、車体４
に開閉可能に枢支されたものであり、窓ガラス５と駆動
部６とを有している。ドア１は、自動車の種類によって
車体４のサイドに４枚設けられた４ドアタイプ又は、２
枚設けられた２ドアタイプ、さらには車体の背面にも設
けられた５ドアタイプのいずれのものであってもよい。

【００１５】窓ガラス５は図１に示すように、ドア１の
窓枠１ａに昇降可能に取付けられたものである。尚、窓
ガラス５を窓枠１ａに昇降可能に取付ける構造は、従来
のものと同じである。駆動部６は、運転席等に設けられ
た開閉スイッチ１ｃの操作により入力される開閉信号に
基づいてモータ６ａにより窓ガラス５を昇降させて開閉
するものである。

【００１６】図３に示した実施例の駆動部６は、モータ
６ａとコントローラ６ｂに加えて、ＡＮＤ回路６ｃと開
閉切替部６ｄとを有している。駆動部６において、窓ガ
ラス５を昇降して開閉する機構は従来のものと同じであ
り、この機構はモータ６ａにより駆動される。コントロ
ーラ６ｂは、運転席を含めて車内に設けられた開閉スイ
ッチ１ｃの操作により入力される開閉信号に基づいてモ
ータ６ａを正逆回転させる。ＡＮＤ回路６ｃは、運転席
に設けられた開閉スイッチ１ｃの操作により入力される
窓ガラスの閉信号と、後述の圧力センサ３から入力され
る強制停止信号との２信号が入力したときに、強制的に
駆動停止信号を開閉切替部６ｄに出力するものである。
開閉切替部６ｄは、ＡＮＤ回路６ｃの駆動停止信号を受
け、コントローラ６ｂを制御してモータ６ａによる窓ガ
ラスの閉動作を停止させた後に窓ガラスの開動作に反転
させるようにモータ６ａの回転制御を行うものである。
尚、運転席のドアに設置した２アクションの開閉スイッ
チは、運転席以外の席のドアに設けてもよい。

【００１７】センサチューブ２は図１，図２に示すよう
に、窓ガラス５が閉じられるドア窓枠１ａの車内側端縁
１ｂの近傍に、端縁１ｂに沿って設けられ、外圧を受け
て圧力変化するものである。具体的には図４に示すよう
に、センサチューブ２は、一端２ｂが密閉された可撓性
のチューブ２ａの他端２ｃに後述の圧力センサ３が取付
けられ、チューブ２ａ内に気体が封入され、外圧を受け
てチューブが圧縮し気体の圧力が変化するようになって
いる。また、センサチューブ２は、運転席のドアに限ら
ず、運転席以外の席のドアに設けてもよい。

【００１８】ここで、自動車は外部の温度変化を直接受
けるものであり、車内のセンサチューブ２は、この外部
の温度変化を受けてチューブ２ａ内の気体に圧力変化が
生じる。しかしながら、外部の温度変化によるセンサチ
ューブ内の気体の圧力変化は、首や手が挾まったときに
受ける圧迫による圧力変化より緩やかであるため、チュ
ーブ２ａに極く小さな呼吸孔２ｄをあけておき、外部の
温度変化によるチューブ２ａ内の気体の圧力変動を呼吸
孔２ｄにより吸収することにより、チューブ２ａ内の気
体の圧力を大気圧と同一に保つようにすることができ
る。また、この呼吸孔２ｄは、極く小さな孔であるた
め、首や手が挾まったときに受ける圧迫による急激な圧
力変化の場合には、チューブ２ａ内の気体を放出するに
は到らず、首や手が挾まったときの検出に支障を与える
ことがない。

【００１９】圧力センサ３は、センサチューブ２内の気
体の圧力変化を検出して、強制的に駆動を停止させる強
制停止信号を駆動部６に出力するものである。具体的に
は、圧力センサ３は、センサチューブ２内の気体の圧力
変化を直接受けて電気的信号を発生させる半導体型圧力
センサから構成してある。半導体型圧力センサとして
は、Ｓｉダイヤフラム型圧力センサ，ＳＡＷ型圧力セン
サ等を用いることができる。尚、圧力センサ３として
は、半導体型圧力センサに限らず、センサチューブ２内
の気体の圧力変化を一旦機械的変位に変換した後に電気
的信号を発生させる機械型圧力センサを用いてもよい。
機械型圧力センサの場合、変位を電気的信号に変換する
センサの部分には、静電容量変化や電磁誘導を利用した
ものや、水晶などの圧電効果を利用したもの等を用いる
ことができる。

【００２０】実施例において、例えば運転席の開閉スイ
ッチを操作すると、駆動部６により窓ガラス５がドアの
窓枠１ａ内を昇降して開閉される。この窓ガラスの開閉
動作は、運転席に設けた２アクションの開閉スイッチ１
ｃにより操作される。この開閉スイッチ１ｃを押してい
る間のみ窓ガラスの開閉動作が行われるモードを通常動
作モードという。また、開閉スイッチ１ｃを押し込めて
手を離しても、窓ガラスの開閉動作が継続的に行われる
モードを連続動作モードという。

【００２１】通常動作モードで窓ガラス５を閉じている
ときに、誤って首や手が窓ガラスに挾まれた場合には、
開閉スイッチ１ｃから手を離すことにより、窓ガラス５
の閉動作が停止するから問題は生じないが、通常動作モ
ードで開閉スイッチ１ｃから手を離せない状態が生じた
り、連続動作モードで窓ガラス５を閉じているときに、
誤って首や手が窓ガラスに挾まれると、死傷事故が起き
てしまう。

【００２２】本発明によれば、センサチューブ２は窓ガ
ラス５が閉じられるドア窓枠１ａの車内側端縁１ｂに沿
って設けられているため、窓ガラス５に首や手が挾まれ
てしまった場合に窓ガラス５に押されて首や手又は体の
一部がセンサチューブ２を圧迫する。センサチューブ２
は、この圧迫を受けて圧縮し、チューブ２ａ内の気体に
圧力変化が生じる。センサチューブ２内の気体の圧力変
化は、圧力センサ３により検知され、圧力センサ３は、
強制停止信号を駆動部６のＡＮＤ回路６ｃに出力する。
また、窓ガラス５を閉じる際には開閉スイッチ１ｃから
ＡＮＤ回路６ｃの一方の入力端に窓ガラスの閉信号が入
力されているため、ＡＮＤ回路６ｃは、圧力センサ３か
らの強制停止信号が入力すると、ＡＮＤ条件が成立し、
駆動停止信号を駆動切替部６ｄに出力する。

【００２３】駆動切替部６ｄは、ＡＮＤ回路６ｃからの
出力に基づいてコントローラ６ｂを制御し、モータ６ａ
による窓ガラスの閉動作を停止させた後、窓ガラス５が
開く動作に反転させてモータ６ａを駆動し、窓ガラス５
を窓枠１ａの下方に下降させて開く。これにより、窓ガ
ラス５により首や手が締め付けられることがなく、事故
を防止することが可能となる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、セ
ンサチューブは外圧を受けて圧縮し、内部の気体に圧力
変化が生じるものであり、このセンサチューブは、窓ガ
ラスが閉じられるドア窓枠の車内側端縁に沿って設けら
れているため、窓ガラスが閉じられる際に、場所の如何
に拘らず、首や手が窓ガラスに挾み込まれたことを確実
に検出することができ、しかもその検知信号に基づいて
窓ガラスの閉動作を完全に停止させるため、窓ガラスに
より首や手が圧迫されることがなく、死傷事故を防止す
ることができる。さらに、窓ガラスの閉動作を停止させ
た後に、窓ガラスを開くようにすることにより、窓ガラ
スに挾まれた首や手を容易に抜き取ることができる。

【００２５】また、センサチューブに極く小さな呼吸孔
を設けることにより、外部の温度変化によりチューブ内
の気体に生じた圧力変化を呼吸孔で吸収し、圧力センサ
を誤動作させることがなく、外部の温度変化による影響
を受けることがなく、首や手が窓に挾まれる事故のみを
確実に検出することができる。

【００２６】また、圧力センサとして、センサチューブ
内の気体の圧力変化を一旦機械的変位に変換した後に電
気的信号を発生させるものを用いた場合には、窓ガラス
に首や手が挾まった時点をとらえて、強制停止信号を出
力することができる。

【００２７】さらに、圧力センサとして、センサチュー
ブ内の気体の圧力変化を直接受けて電気信号を発生させ
るものを用いた場合には、センサチューブ内の気体の微
妙な変化を検出することができ、事故に対して迅速に対
処することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す車内側側面構成図であ
る。

【図２】本発明の一実施例を示す正面構成図である。

【図３】本発明の駆動部を示す構成図である。

【図４】本発明のセンサチューブを示す構成図である。

【符号の説明】

１ドア１ａドアの窓枠１ｃ開閉スイッチ２センサチューブ２ａ可撓性チューブ３圧力センサ４車体５窓ガラス６駆動部６ａモータ６ｂコントローラ６ｃＡＮＤ回路６ｄ開閉切替部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ドアと、センサチューブと、圧力センサ
とを有する自動車の窓開閉装置であって、ドアは、車体に開閉可能に枢支されたものであり、窓ガ
ラスと駆動部とを有し、窓ガラスは、ドアの窓枠に昇降可能に取付けられたもの
であり、駆動部は、車内に設置された開閉スイッチの操作により
入力された窓ガラスの開閉信号に基づいて窓ガラスを昇
降させ、該窓ガラスを開閉するものであり、センサチューブは、可撓性のチューブ内に気体が封入さ
れ、外圧を受けてチューブが圧縮し気体の圧力が変化す
るものであり、窓ガラスが閉じられる窓枠の車内側端縁
近傍に、該端縁に沿って取付けられており、圧力センサは、センサチューブ内の気体の圧力変化を検
出して、強制的に窓ガラスの閉動作を停止させる強制停
止信号を駆動部に出力するものであることを特徴とする
自動車の窓開閉装置。
【請求項２】駆動部は、ＡＮＤ回路と開閉切替部とを
有し、ＡＮＤ回路は、開閉スイッチの操作により入力される窓
ガラスの閉信号と、圧力センサから出力される強制停止
信号との２信号が入力したときに、窓ガラスの開閉動作
を切替える切替信号を出力するものであり、開閉切替部は、ＡＮＤ回路からの切替信号を入力とし
て、窓ガラスの閉動作を停止させた後に窓ガラスの開動
作に反転させるものであることを特徴とする請求項１に
記載の自動車の窓開閉装置。
【請求項３】圧力センサは、センサチューブ内の気体
の圧力変化を直接受けて電気的信号を発生させるもの、
又はセンサチューブ内の気体の圧力変化を一旦機械的変
位に変換した後に電気的信号を発生させるものであるこ
とを特徴とする請求項１又は２に記載の自動車の窓開閉
装置。
【請求項４】センサチューブは、可撓性チューブに極
く小さな呼吸孔を有し、呼吸孔は、外部の温度変化により生じる可撓性チューブ
内の気体の圧力変化を吸収するものであることを特徴と
する請求項１，２又は３に記載の自動車の窓開閉装置。