JPH0722449Y2 - 舞台における前後方向床傾斜装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は舞台における前後方向床傾斜装置に係るもので
ある。

（従来の技術） 舞台の迫は、迫昇降機構によって常に水平位置を保持し
た状態で舞台床面より昇降するように構成されている。

（考案が解決しようとする課題） 近時、新らしい舞台効果を挙げるため、或いは観客席よ
り舞台がよりよくみえるようにするため、必要に応じて
随時舞台の床面を前後方向に傾斜できるようにすること
が要望されるようになった。

しかしながら迫を常時水平に保持した状態で昇降させる
ようにした前後従来の舞台においては、到底このような
要望に対応することはできなかった。

本考案はこのような実情に鑑みて提案されたものであっ
て、その目的とする処は、舞台の床面が必要に応じて簡
単に前後方向に傾動しうる。舞台における前後方向床傾
斜装置を提供する点にある。

（課題を解決するための手段） 前記の目的を達成するため、本考案に係る舞台における
前後方向床傾斜装置は、迫り穴内に配設された迫り昇降
柱の上端に架設された迫り支持架構における舞台床の前
後位置に、夫々迫り押上げジヤツキ本体を回動自在に枢
支するとともに、同各押上げジヤツキ本体に昇降自在に
装架された押上げ部材の上端で迫りにおける下面前後を
支持し、同迫りの下面にピンを介して同迫りの前記した
前後各押上げ部材の中間に垂直支持桿を懸吊し、同支持
桿を前記支持架構に装架した相対する一双の支持ローラ
で可摺動的に挟着して構成されている。

（作用） 本考案は前記したように構成されているので、前記迫り
昇降柱の上端の支持架構に枢支された後部押上げジヤツ
キを作動して同ジヤツキの押上げ部材を上昇させ、前記
迫りの後部を押上げると、これに追随して同迫りよりピ
ンを介して懸吊された垂直支持桿が、前記支持架構に装
架された相対する一双の支持ローラ間を上昇し、前記垂
直支持桿の上端部ピンを支持点として迫りが舞台後方上
部に指向して傾斜する。この際前記後部押上げジヤツキ
が前記支持架構に対する枢支部を中心として回動するこ
とによって、迫りの傾動を妨げない。而して前記後部押
上げジヤツキの押上げ部材を下降せしめると、前記迫り
が前記垂直支持桿の上端枢支ピンを支点として、前とは
反対方向に回動するととにも、同垂直支持桿も前記一双
の支持ローラ間を下降し、前記迫りは水平状態に復し、
舞台床と同一面上に位置する。

また前部押上げジヤツキの押上げ部材を上昇せしめる
と、迫りは前とは逆に観客席側上方に指向して傾斜す
る。

このように迫りを舞台後方上部及び観客席側上方との２
方向に指向して傾斜させる場合、前後各迫り押上げ部材
の中間下面にピンを介して垂直支持桿を懸吊し、同支持
桿を支持架構に装架した相対する一双の支持ローラで可
摺動的に挟着したので、前記迫りが舞台後方と観客席前
方の２方向に亘って揺動する際、前記迫りは常に中心位
置を保持され、前後に偏って揺動することがない。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

（１）は迫穴（２）に配設された迫り昇降柱（３）の上
端に支持された迫りで、前記昇降柱（３）の頂部に装架
された支持架構に支承されている。一方前記昇降柱
（３）にはラツク（４）が設けられ、迫り穴（２）内に
装架されたモーター（５）の駆動軸（６）に固着された
ピニオン（７）と噛合し、同モーター（５）の駆動によ
って迫り昇降柱（３）が昇降され、迫り（１）が昇降す
るようになっている。図中（８）は同迫り（１）の上昇
時に迫り穴（２）を閉塞する二次床である。

以上は従来の迫り昇降機構と同一であるから詳細な説明
を省略する。

（９）は前記昇降柱（３）の頂部に架設される迫支持架
構の外郭を形成する外周梁、（10）は同梁（９）間に連
結される中間梁で、同中間梁（９）と前記外周梁（９）
との間に配設された前後各一双の連結梁（11）（11）上
に、夫々前部押上げスクリユウジヤツキ（12A）並に後
部押上げスクリユウジヤツキ（12B）が装架され、同各
ジヤツキ（12A）（12B）のハウジング本体が前記各連結
梁（11）上に立設されたブラケツト（13）（13）間に回
動自在に枢支（14）されている。更に前記各ジヤツキ
（12A）（12B）におけるジヤツキ本体に昇降自在に装架
された螺桿状の押上げ部材（15A）（15B）の上端が、前
記迫（１）の下面前後にピン（15A′）（15B′）を介し
て枢支されている。

相対する中間梁（10）（10）間には前後に夫々間隔を存
して各一双の連結梁（16）（16）が連結され、同各連結
梁（16）（16）に左右方向に相対する支持ローラ（17）
（17）がローラ支持枠（18）（18）を介して支持され、
相対する支持ローラ（17）（17）間に、上端を迫（１）
の中央下面にピン（19）を介して懸吊された垂直支持桿
（20）が昇降自在なように挟着されている。

図中（21）は前記ジヤツキ（12A）（12B）駆動用モータ
ーで、連動機構（22）（23）を介して前記ジヤツキ（12
A）（12B）の駆動用水平回転桿（24）を駆動回転し、同
各ジヤツキ本体に装架された公知の伝動機構を介して押
上げ部材（15A）（15B）を昇降せしめるように構成され
ている。

なお前記二次床（８）より垂設された垂直桿（25）、迫
穴（２）内に架設された横架材（26）に夫々配設された
滑車（27）間に索（28）が架渡され、同索（28）の先端
にカウンターウエイト（29）が繋着され、迫（１）及び
二重床（８）の昇降が円滑に行なわれるように構成され
ている。

図中（30）は落下防止ネツト、（31）は同ネツト作動用
油圧シリンダ、（32）はメンテナンス用キヤツトウオー
クである。

図示の実施例は前記したように構成されているので、前
記後部押上げスクリユウジヤツキ（12B）を作動して同
ジヤツキ（12B）の押上げ部材（15B）を上昇させると、
迫り（１）の後部が押上げられるとともに、垂直支持桿
（20）もこれに追随して前記一双の支持ローラ（17）間
を上昇し、同支持桿（20）上端における迫り（１）の枢
支ピン（19）を支点として同迫り（１）が第１図の鎖線
（１′）に示す如く舞台の後部上方に指向して傾斜す
る。この際前記ジヤツキ（12B）の本体は前記連結梁（1
0）上のブラケツト（13）に対する枢支部（14）を中心
として回動し、迫り（１）の傾動が円滑に行なわれる。

次に前部押上げスクリユウジヤツキ（12A）の押上げ部
材（15A）を上昇させると、迫り（１）は前とは逆に、
第１図の鎖線（１″）に示すように観客席側上方に指向
して傾斜する。

（考案の効果） 本考案は前記したように、迫り昇降支柱の上端に架設さ
れた迫り支持架構における舞台床の前後位置に、夫々迫
り押上げジヤツキの本体を回動自在に枢支するととも
に、同各押上げジヤツキの本体に装架された迫り傾動用
の押上げ部材の上端で迫り下面の前後を支持し、同迫り
の下面にピンを介して垂直支持桿を懸吊し、迫りの傾動
に追随して昇降しうるように同支持桿を前記支持架構に
装架した相対する一双の支持ローラで可摺動的に挟着し
たことによって、前記迫りを舞台に前後方向に傾斜せし
めることができるようにし、新らたな舞台効果を挙げる
ことができるようにするとともに、観客席より舞台がよ
りよくみえるようにしうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図が本考案に係る舞台における前後方向床傾斜装置
の一実施例を示す縦断面図、第２図はその横断平面図、
第３図及び第４図並に第５図は夫々その要部を示す平面
図及び正面図並に側面図である。 （１）…迫り、（２）…迫り穴、（３）…迫り昇降柱、
（９）…外周梁、（10）…中間梁、（11）…連結梁、
（12A）…前部押上げスクリユウジヤツキ、（12B）…後
部押上げスクリユウジヤツキ、（13）…ブラケツト、
（14）…枢支部、（15A）（15B）…押上げ部材、（16）
…連結梁、（17）…支持ローラ、（19）…ピン、（20）
…垂直支持桿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】迫り穴内に配設された迫り昇降柱の上端に
   架設された迫り支持架構における舞台床の前後位置に、
   夫々迫り押上げジャッキ本体を回動自在に枢支するとと
   もに、同各押上げジャッキ本体に昇降自在に装架された
   押上げ部材の上端で迫りにおける下面前後を支持し、同
   迫りの前記した前後各押上げ部材の中間に下面にピンを
   介して垂直支持桿を懸吊し、同支持桿を前記支持架構に
   装架した相対する一双の支持ローラで可摺動的に挟着し
   てなることを特徴とする舞台における前後方向床傾斜装
   置。