JPH07224065A - 置換ヘテロシクリルイソキノリニウム塩およびその組成物 - Google Patents

置換ヘテロシクリルイソキノリニウム塩およびその組成物

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JPH07224065A
JPH07224065A JP6219974A JP21997494A JPH07224065A JP H07224065 A JPH07224065 A JP H07224065A JP 6219974 A JP6219974 A JP 6219974A JP 21997494 A JP21997494 A JP 21997494A JP H07224065 A JPH07224065 A JP H07224065A
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William G Earley
ジョージ アーレイ ウィリアム
Virendra Kumar
クマー ビレンドラ
John P Mallamo
ピーター マラモ ジョン
Matthew S Miller
スティーブン ミラー マシュー
Chakrapani Subramanyam
スブラマンヤム チャクラパニ
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 神経変性障害および神経毒損傷の治療または
予防に有用である化合物を提供する。 【構成】 式: 〔式中、Rは水素,低級アルキルであり;R,R
は独立的に水素,低級アルキルであるか一緒になってシ
クロアルキル環または低級アルキリデンを形成し;R
とRは低級アルコキシ,フエニル,1〜3個のヘテロ
原子を含む5員乃至6員の芳香複素環等であり;R
水素であるかハロゲン,ニトロ,ヒドロキシ,カルボキ
シ,スルホ等の置換基であり;Aはそれに結合している
炭素原子,窒素原子の他にヘテロ原子を含有する5乃至
6員の芳香複素環であり;Xはアニオンであり;pは
0または1である〕により表される化合物;またはそれ
の塩基性化合物の医薬上許容される酸付加塩;またはそ
れの水和物;またはそれの立体異性体,ならびに当該化
合物その酸付加塩、それらの中和物またはその立体異性
体を含む神経変性障害または神経毒損傷の治療もしくは
予防用の医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、置換ヘテロシクリルイ
ソキノリニウム塩、前記化合物を含有する組成物、およ
び神経変性障害または神経毒損傷の治療または予防にお
ける前記化合物の利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Bradsherら、J. Het. Chem. 1972, 9
(2), 177-181 は、臭化5,10,12,13−テトラヒドロ
−1,2−ジフェニル−11H−5,10−エンドシクロペ
ンタ−1H−イミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4
−イウム、臭化11−カルバゾル−9−イル−5,10−ジ
ヒドロ−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2
−フェニル−5,10−エタノ−1H−イミダゾ〔1,2
−b〕イソキノリン−4−イウム、および臭化12−(2
−ピロリジノン−1−イル)−6,11−エタノ−6,11
−ジヒドロ−3−フェニルピラジノ〔1,2−b〕イソ
キノリン−5−イウム;並びに3−R−ピラジノ〔1,
2−b〕イソキノリン−5−イウム2−オキシド過塩素
酸塩(R=H,CH3 ,Ph)とシクロペンタジエン、N−
ビニル−2−ピロリジノン、9−ビニルカルバゾールお
よびエチルビニルエーテルから調製した一連のディール
ス−アルダー付加物を開示している。しかし、それらの
化合物の効用は全く開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の化合物は、神
経変性障害および神経毒損傷の治療または予防に有用で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、式I:
【化4】 {上式中、R1 は水素または低級アルキルであり;R2
とR3 は独立的に水素もしくは低級アルキルであるか、
またはR2 とR3が一緒になってシクロアルキル環また
は低級アルキリデン基を形成し;R4 とR5 は独立的に
低級アルキニル;低級アルコキシ;フェニル(または低
級アルコキシにより、ハロゲンにより、低級アルキルに
より、ポリフルオロ低級アルキルにより、ポリクロロ低
級アルキルによりもしくはヒドロキシにより置換された
フェニル);窒素、酸素および硫黄から成る群より選択
された同一のもしくは異なる1〜3個のヘテロ原子を含
有する5員もしくは6員の単環式芳香族複素環系〔ある
いは任意の利用可能な炭素原子上でヒドロキシにより、
低級アルキルにより、オキソにより、ニトロにより、ハ
ロゲンによりもしくは低級アルコキシにより置換され
た、または任意の利用可能な窒素原子上で低級アルキル
により、トリ低級アルキルシリルにより、トリ低級アル
キルシリル−低級アルコキシ−低級アルキルにより、も
しくはフェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で
低級アルコキシにより、低級アルキルによりもしくはハ
ロゲンにより置換された前記フェニル−低級アルキル
基)により置換された、前記5員もしくは6員の単環式
芳香族複素環系〕;酸素、窒素および硫黄から成る群よ
り選択された同一のもしくは異なる1〜2個のヘテロ原
子を含有する9員もしくは10員の二環式芳香族複素環系
〔あるいは任意の利用可能な炭素原子上でヒドロキシに
より、低級アルキルにより、オキソにより、ニトロによ
り、ハロゲンによりもしくは低級アルコキシにより置換
された、または任意の利用可能な窒素原子上で低級アル
キルにより、トリ低級アルキルシリルにより、トリ低級
アルキルシリル−低級アルコキシ−低級アルキルによ
り、もしくはフェニル−低級アルキル(またはフェニル
基上で低級アルコキシにより、低級アルキルによりもし
くはハロゲンにより置換された前記フェニル−低級アル
キル基)により置換された、前記9員もしくは10員の二
環式芳香族複素環系〕;または、窒素、酸素および硫黄
から成る群より選択された同一のもしくは異なる1〜2
個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の単環式非
芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能な炭素原子上
でヒドロキシにより、低級アルキルにより、オキソによ
り、ニトロにより、ハロゲンによりもしくは低級アルコ
キシにより置換された、または任意の利用可能な窒素原
子上で低級アルキルにより、トリ低級アルキルシリルに
より、トリ低級アルキルシリル−低級アルコキシ−低級
アルキルにより、もしくはフェニル−低級アルキル(ま
たはフェニル基上で低級アルコキシにより、低級アルキ
ルによりもしくはハロゲンにより置換された前記フェニ
ル−低級アルキル基)により置換された、前記5員もし
くは6員の単環式非芳香族複素環系〕であり;あるいは
2 とR4 および/またはR3 とR5 が、それらに結合
している炭素原子と一緒になって、下式:
【化5】 〔ここでBは、フェニルであるか、または窒素、酸素お
よび硫黄から成る群より選択された同一のもしくは異な
る1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の
単環式芳香族複素環系(または任意の利用可能な炭素原
子上で低級アルコキシによりもしくは低級アルキルによ
り置換された前記B環)であり、そしてnは1〜3の整
数である〕の二環式環系を形成し;R6 は水素である
か、あるいは低級アルキル、低級アルカノイルオキシ、
ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチ
レンジオキシ、ポリクロロ低級アルキル、OCO(CH2)m
C(O)O アルキル、OC(O) アルキル、C(O)O アルキル、CO
2 - 、カルボキシ、スルホ、 SO3 - 、PO3H、 PO3 - 、シ
アノ、ポリフルオロ低級アルキル、OC(O) アルキル−CH
=CH−アルキル、OC(O) 低級アルケニル−C(O)アルキ
ル、アルコキシ、OC(O) アルキル−C(O)O アルキル、ア
ミノおよび低級アルキルスルホニルアミノから成る群よ
り選択された7,8,9もしくは10位のいずれか(Aが
6員環の場合)または6,7,8もしくは9位のいずれ
か(Aが5員環の場合)の同一もしくは異なる1〜4個
の置換基であり、ここでmは1〜4の整数であり;Aは
それに結合している炭素および窒素原子と一緒になっ
て、窒素、酸素および硫黄から成る群より選択された同
一のもしくは異なる2〜3個のヘテロ原子を含有する5
員もしくは6員の単環式芳香族複素環〔あるいは任意の
利用可能な炭素原子上でヒドロキシ、OC(O) アルキル−
CH=CH−アルキル、OC(O) アルキル、OC(O) 低級アルケ
ニル−C(O)O アルキル、アルコキシ、OC(O) アルキル−
C(O)Oアルキル、ニトロ、アミノ、低級アルキルスルホ
ニルアミノ、低級アルキル、低級アルコキシもしくはハ
ロゲンにより置換された、または任意の利用可能な窒素
原子上でフェニル(または低級アルコキシにより、低級
アルキルによりもしくはハロゲンにより置換された前記
フェニル基)、ジフェニルメチル、ナフチル−低級アル
キル(またはナフチル基上で低級アルコキシにより、低
級アルキルによりもしくはハロゲンにより置換された前
記ナフチル−低級アルキル基)、低級アルキル、または
フェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で低級ア
ルコキシにより、低級アルキルによりもしくはハロゲン
により置換された前記フェニル−低級アルキル基)によ
り置換された、前記5員もしくは6員の単環式芳香族複
素環〕を形成し;X- はアニオンであり;そしてR6
負に荷電した基であるときpは0であり、R6 が負に荷
電した基以外のものであるときpは1である}により表
される化合物;またはそれの塩基性化合物の医薬上許容
される酸付加塩;またはそれの水和物;またはそれの立
体異性体に関する。
【0005】式Iの化合物はPCP受容体に結合するた
め、神経変性障害または神経毒損傷の治療または予防に
有用である。
【0006】上記の式Iの範囲内の化合物は、R1 が水
素または低級アルキルであり;R2 とR3 が独立的に水
素または低級アルキルであるか、あるいはR2 とR3
一緒になってシクロアルキル環または低級アルキリデン
基を形成し;R4 とR5 が独立的に低級アルキニル;低
級アルコキシ;フェニル(または低級アルコキシによ
り、ハロゲンにより、低級アルキルにより、ポリフルオ
ロ低級アルキルにより、ポリクロロ低級アルキルにより
もしくはヒドロキシにより置換されたフェニル);窒
素、酸素および硫黄から成る群より選択された同一のも
しくは異なる1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もし
くは6員の単環式芳香族複素環系〔あるいは任意の利用
可能な炭素原子上で低級アルキルにより、オキソによ
り、ニトロにより、ハロゲンによりもしくは低級アルコ
キシにより置換された、または任意の利用可能な窒素原
子上で低級アルキルにより、トリ低級アルキルシリルに
より、トリ低級アルキルシリル−低級アルコキシ−低級
アルキルにより、もしくはフェニル−低級アルキル(ま
たはフェニル基上で低級アルコキシにより、低級アルキ
ルによりもしくはハロゲンにより置換された前記フェニ
ル−低級アルキル基)により置換された、前記5員もし
くは6員の単環式芳香族複素環系〕;酸素、窒素および
硫黄から成る群より選択された同一のもしくは異なる1
〜2個のヘテロ原子を含有する9員もしくは10員の二環
式芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能な炭素原子
上で低級アルキルにより、オキソにより、ニトロによ
り、ハロゲンによりもしくは低級アルコキシにより置換
された、または任意の利用可能な窒素原子上で低級アル
キルにより、トリ低級アルキルシリルにより、トリ低級
アルキルシリル−低級アルコキシ−低級アルキルによ
り、もしくはフェニル−低級アルキル(またはフェニル
基上で低級アルコキシにより、低級アルキルによりもし
くはハロゲンにより置換された前記フェニル−低級アル
キル基)により置換された、前記9員もしくは10員の二
環式芳香族複素環系〕;または、窒素、酸素および硫黄
から成る群より選択された同一のもしくは異なる1〜2
個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の単環式非
芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能な炭素原子上
で低級アルキルにより、オキソにより、ニトロにより、
ハロゲンによりもしくは低級アルコキシにより置換され
た、または任意の利用可能な窒素原子上で低級アルキル
により、トリ低級アルキルシリルにより、トリ低級アル
キルシリル−低級アルコキシ−低級アルキルにより、も
しくはフェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で
低級アルコキシにより、低級アルキルによりもしくはハ
ロゲンにより置換された前記フェニル−低級アルキル
基)により置換された、前記5員もしくは6員の単環式
非芳香族複素環系〕であり;あるいはR2 とR4 および
/またはR3 とR5 が、それらに結合している炭素原子
と一緒になって、下式:
【化6】 〔ここでBは、フェニルであるか、または窒素、酸素お
よび硫黄から成る群より選択された同一のもしくは異な
る1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の
単環式芳香族複素環系(または任意の利用可能な炭素原
子上で低級アルコキシによりもしくは低級アルキルによ
り置換された前記B環)であり、そしてnは1〜3の整
数である〕の二環式環系を形成し;R6 が水素である
か、あるいは低級アルキル、低級アルカノイルオキシ、
ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチ
レンジオキシ、ポリクロロ低級アルキル、OCO(CH2)m
C(O)O アルキル、OC(O) アルキル、C(O)O アルキル、CO
2 - 、カルボキシ、スルホ、 SO3 - 、PO3H、 PO3 - 、シ
アノおよびポリフルオロ低級アルキルから成る群より選
択された7,8,9もしくは10位のいずれか(Aが6員
環の場合)または6,7,8もしくは9位のいずれか
(Aが5員環の場合)の同一もしくは異なる1〜4個の
置換基であり、ここでmは1〜4の整数であり;Aが、
それに結合している炭素および窒素原子と一緒になっ
て、窒素、酸素および硫黄から成る群より選択された同
一のもしくは異なる2〜3個のヘテロ原子を含有する5
員もしくは6員の単環式芳香族複素環〔あるいは任意の
利用可能な炭素原子上で低級アルキルにより、低級アル
コキシによりもしくはハロゲンにより置換された、また
は任意の利用可能な窒素原子上で低級アルキルによりも
しくはフェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で
低級アルコキシにより、低級アルキルによりもしくはハ
ロゲンにより置換された前記フェニル−低級アルキル
基)により置換された、前記5員もしくは6員の単環式
芳香族複素環〕を形成し;X- がアニオンであり;そし
てR6 が負に荷電した基であるときpが0であり、R6
が負に荷電した基以外のものであるときpが1である、
化合物である。
【0007】好ましい式Iの化合物は、R1 が水素また
は低級アルキルであり;R2 とR3 が独立的に水素また
は低級アルキルであり;R4 とR5 が独立的に低級アル
コキシ;フェニル(または低級アルコキシにより、ハロ
ゲンにより、低級アルキルにより、ポリフルオロ低級ア
ルキルにより、ポリクロロ低級アルキルによりもしくは
ヒドロキシにより置換されたフェニル);または、窒
素、酸素および硫黄から成る群より選択された同一のも
しくは異なる1〜3個のヘテロ原子を含有する5員の単
環式芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能な炭素原
子上で低級アルキルにより、オキソによりもしくは低級
アルコキシにより置換された、または任意の利用可能な
窒素原子上で低級アルキルによりもしくはフェニル−低
級アルキル(またはフェニル基上で低級アルコキシによ
り、低級アルキルによりもしくはハロゲンにより置換さ
れた前記フェニル−低級アルキル基)により置換され
た、前記5員の単環式芳香族複素環系〕であり;R6
水素であるか、または低級アルキル、ハロゲン、ヒドロ
キシおよび低級アルコキシから成る群より選択された
6,7,8もしくは9位のいずれかの1個の置換基であ
り;Aが、それに結合している炭素および窒素原子と一
緒になって、窒素、酸素および硫黄から成る群より選択
された同一のもしくは異なる2〜3個のヘテロ原子を含
有する5員の単環式芳香族複素環〔あるいは任意の利用
可能な炭素原子上で低級アルキルにより、低級アルコキ
シによりもしくはハロゲンにより置換された、または任
意の利用可能な窒素原子上で低級アルキルによりもしく
はフェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で低級
アルコキシにより、低級アルキルによりもしくはハロゲ
ンにより置換された前記フェニル−低級アルキル基)に
より置換された、前記5員の単環式芳香族複素環〕を形
成し;そしてX- がアニオンである化合物;またはそれ
の塩基性化合物の医薬上許容される酸付加塩;またはそ
れの水和物;またはそれの立体異性体である。
【0008】特に好ましい式Iの化合物は、R1 が水素
であり;R2 とR3 が独立的に水素または低級アルキル
であり;R4 とR5 が独立的に、低級アルコキシ;フェ
ニル;または窒素および酸素から成る群より選択された
同一のもしくは異なる1〜2個のヘテロ原子を含有する
5員の単環式芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能
な炭素原子上でオキソにより置換された、または任意の
利用可能な窒素原子上でフェニル−低級アルキル(また
はフェニル基上で低級アルコキシにより置換された前記
フェニル−低級アルキル基)により置換された、前記5
員の単環式芳香族複素環系〕であり;R6 が水素である
かまたは6,7,8もしくは9位のいずれかの1個の低
級アルコキシ置換基であり;Aが、それに結合している
炭素および窒素原子と一緒になって、窒素および硫黄か
ら成る群より選択された同一のもしくは異なる2〜3個
のヘテロ原子を含有する5員の単環式芳香族複素環〔あ
るいは任意の利用可能な炭素原子上で低級アルキルによ
り置換された、または任意の利用可能な窒素原子上で低
級アルキルによりもしくはフェニル−低級アルキル(ま
たはフェニル基上で低級アルコキシにより置換された前
記フェニル−低級アルキル基)により置換された、前記
5員の単環式芳香族複素環〕を形成し;そしてX- がア
ニオンである化合物;またはそれの塩基性化合物の医薬
上許容される酸付加塩;またはそれの水和物;またはそ
れの立体異性体である。
【0009】別の式Iの化合物は、R6 が OC(O)アルキ
ル−CH=CH−アルキル、OC(O) 低級アルケニル−C(O)O
アルキル、アルコキシ、OC(O) アルキル−C(O)O アルキ
ル、アミノおよび低級アルキルスルホニルアミノから成
る群より選択された7,8,9もしくは10位のいずれか
(Aが6員環の場合)または6,7,8もしくは9位の
いずれか(Aが5員環の場合)の同一もしくは異なる1
〜4個の置換基であり;そしてR1 ,R2 ,R3
4 ,R5 ,AおよびX- が上記に定義した通りである
化合物である。
【0010】更に別の式Iの化合物は、Aが、それに結
合した炭素および窒素原子と一緒になって、窒素、酸素
および硫黄から成る群より選択された同一のもしくは異
なる2〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員
の単環式芳香族複素環を形成し、ここで前記5員もしく
は6員の単環式芳香族複素環は任意の利用可能な炭素原
子上でヒドロキシ、OC(O) アルキル−CH=CH−アルキ
ル、OC(O) アルキル、OC(O) 低級アルケニル−C(O)O ア
ルキル、アルコキシ、OC(O) アルキル−C(O)O アルキ
ル、ニトロ、アミノもしくは低級アルキルスルホニルア
ミノにより置換されているか、または任意の利用可能な
窒素原子上でフェニル(または低級アルコキシにより、
低級アルキルによりもしくはハロゲンにより置換された
前記フェニル基)、ジフェニルメチル、もしくはナフチ
ル−低級アルキル(またはナフチル基上で低級アルコキ
シにより、低級アルキルによりもしくはハロゲンにより
置換された前記ナフチル−低級アルキル基)により置換
されており、そしてR1 ,R2,R3 ,R4 ,R5 ,R
6 およびX- が上記に定義した通りである化合物であ
る。
【0011】この後者の群の中の好ましい式Iの化合物
は、R1 ,R2 およびR3 が上記に定義した通りであ
り;R4 とR5 が独立的に、フラニル、チエニル、オキ
サゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピ
ロリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジア
ゾリルおよびチアジアゾリルから成る群より選択された
5員または6員の単環式芳香族複素環系であり;R6
水素であるか、または低級アルコキシおよびヒドロキシ
から成る群より選択された6,7,8もしくは9位のい
ずれかの1個の置換基であり;Aが、それに結合してい
る炭素および窒素原子と一緒になって、イミダゾリルお
よびトリアゾリルから成る群より選択された5員の単環
式芳香族複素環を形成し、ここで前記5員の単環式芳香
族複素環は任意の利用可能な窒素原子上でフェニル、ジ
フェニルメチルまたはナフチル−低級アルキルにより置
換されており;そしてX- がアニオンである化合物であ
る。
【0012】本発明は更に、医薬上許容される担体、補
助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に上記式Iの化合物を
含んで成る医薬組成物にも関する。
【0013】本発明はまた、神経変性障害または神経毒
損傷の治療または予防のための式Iの化合物の利用方法
であって、そのような処置を必要とする患者に上記式I
の化合物の有効量を投与することを含んで成る方法に関
する。
【0014】
【作用】本明細書中で用いる「低級アルキル」という用
語は、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または枝分か
れ炭化水素鎖を意味し、従ってメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、sec −ブチル等を包含
する。
【0015】本明細書中で用いる「低級アルコキシ」と
いう用語は、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または
枝分かれアルコキシ置換基を意味し、従ってメトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、se
c −ブトキシ等を包含する。
【0016】本明細書中で用いる「アルキル」という用
語は、1〜約16個の炭素原子を有する直鎖または枝分か
れ炭化水素鎖を意味し、メチル、エチル、1,1−ジメ
チルエチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、se
c −ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−メチル−
3−ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、ネ
オペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、3−
メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチ
ル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、n−ヘプチル、2−
ヘプチル、n−オクチル、2,4,4−トリメチルペン
チル、n−ノニル、3,5,5−トリメチルヘキシル、
n−デシル、3,7−ジメチルオクチル、n−ウンデシ
ル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシ
ル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル等を包含す
る。
【0017】本明細書中で用いる「アルコキシ」という
用語は、1〜約16個の炭素原子を有する直鎖または枝分
かれアルコキシ置換基を意味し、従ってメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec −
ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−メ
チル−3−ブチルオキシ、1−メチルブチルオキシ、2
−メチルブチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n−ヘキ
シルオキシ、1−メチルペンチルオキシ、3−メチルペ
ンチルオキシ、1−エチルブチルオキシ、2−エチルブ
チルオキシ、2−ヘキシルオキシ、3−ヘキシルオキ
シ、n−ヘプチルオキシ、2−ヘプチルオキシ、n−オ
クチルオキシ、2,4,4−トリメチルペンチルオキ
シ、n−ノニルオキシ、3,5,5−トリメチルヘキシ
ルオキシ、n−デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチ
ルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキ
シ、n−トリデシルオキシ、n−テトラデシルオキシ、
n−ペンタデシルオキシ、n−ヘキサデシルオキシ等を
包含する。
【0018】本明細書中で用いる用語「ハロゲンまたは
ハロゲン化物」は、臭素、塩素、ヨウ素またはフッ素を
意味する。本明細書中で用いる「低級アルカノイルオキ
シ」という用語は、2〜約4個の炭素原子を有する直鎖
または枝分かれ炭化水素鎖を意味し、従ってアセチルオ
キシ、プロピオニルオキシ、イソブチリルオキシ等を包
含する。
【0019】本明細書中で用いる「シクロアルキル」と
いう用語は、C3 〜C7 不飽和単環式炭化水素基を意味
し、従ってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを包含す
る。本明細書中で用いる「低級アルキリデン」という用
語は、1〜約4個の炭素原子を有する直鎖または枝分か
れ炭化水素鎖を意味し、メチリデン、エチリデン、プロ
ピリデン、イソプロピリデン、sec −ブチリデン等を包
含する。
【0020】本明細書中で用いる「低級アルケニル」と
いう用語は、2〜約4個の炭素原子を有する直鎖または
枝分かれ不飽和炭化水素基を意味し、従ってエテニル、
1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1
−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、イソブテニ
ル等を包含する。本明細書中で用いる「低級アルキニ
ル」という用語は、2〜約4個の炭素原子を有する直鎖
または枝分かれ不飽和基を意味し、従ってエチニル、1
−プロピニル、2−プロピニル、1−メチル−2−プロ
ピニル、2−ブチニル等を包含する。
【0021】本明細書中で用いる「アニオン(X- )」
という用語は、少なくとも酢酸と同じくらい強い有機酸
のアニオン(有機一酸のアニオン並びに有機二酸のモノ
アニオンを含む)を意味し、従って酢酸、メタンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸〔(−)−D
BT〕、(+)−ジベンゾイル−D−酒石酸〔(+)−
DBT〕等のような酸のアニオンを包含し;または無機
酸アニオン、例えば塩素アニオン、臭素アニオン、過塩
素酸アニオン、PF6 - 等を包含し、好ましくは塩素ア
ニオンである。
【0022】本明細書中で用いる「5員もしくは6員の
単環式芳香族複素環系」という用語は、窒素、酸素およ
び硫黄から成る群より選択された同一もしくは異なる1
〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の単環
式芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能な炭素原子
上でヒドロキシにより、低級アルキルにより、オキソに
より、ニトロにより、ハロゲンによりもしくは低級アル
コキシにより置換された、または任意の利用可能な窒素
原子上で低級アルキルにより、トリ低級アルキルシリル
により、トリ低級アルキルシリル−低級アルコキシ−低
級アルキルによりもしくはフェニル−低級アルキル(ま
たはフェニル基上で低級アルコキシにより、低級アルキ
ルによりもしくはハロゲンにより置換された前記フェニ
ル−低級アルキル基)により置換された、前記5員もし
くは6員の単環式芳香族複素環系〕を意味する。そのよ
うな5員もしくは6員の単環式芳香族複素環系の代表例
として、フラン、ピリジン、チオフェン、オキサゾー
ル、チアゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピロー
ル、イミダゾール;イソオキサゾール、オキサジアゾー
ル、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、
チアジアゾール等;または任意の利用可能な炭素もしく
は窒素原子上で上述の如く置換された前記5員もしくは
6員の単環式芳香族複素環系が挙げられるが、それらに
限定されない。
【0023】本明細書中で用いる「9員もしくは10員の
二環式芳香族複素環系」という用語は、窒素、酸素およ
び硫黄から成る群より選択された同一もしくは異なる1
〜3個のヘテロ原子を含有する9員もしくは10員の二環
式芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能な炭素原子
上でヒドロキシにより、低級アルキルにより、オキソに
より、ニトロにより、ハロゲンによりもしくは低級アル
コキシにより置換された、または任意の利用可能な窒素
原子上で低級アルキルにより、トリ低級アルキルシリル
により、トリ低級アルキルシリル−低級アルコキシ−低
級アルキルによりもしくはフェニル−低級アルキル(ま
たはフェニル基上で低級アルコキシにより、低級アルキ
ルによりもしくはハロゲンにより置換された前記フェニ
ル−低級アルキル基)により置換された、前記9員もし
くは10員の二環式芳香族複素環系〕を意味する。そのよ
うな9員もしくは10員の二環式芳香族複素環系の代表例
として、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、チアナフ
テン、ベンゾイソチアゾール、キノリン、イソキノリ
ン、キノキサリン、キナゾリン、インドール、1,8−
ナフチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾー
ル、インダゾール、ベンゾトリアゾール等;または任意
の利用可能な炭素もしくは窒素原子上で上述の如く置換
された前記9員もしくは10員の二環式芳香族複素環系が
挙げられるが、それらに限定されない。
【0024】本明細書中で用いる「5員もしくは6員の
単環式非芳香族複素環系」という用語は、窒素、酸素お
よび硫黄から成る群より選択された同一もしくは異なる
1〜2個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の単
環式非芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能な炭素
原子上でヒドロキシにより、低級アルキルにより、オキ
ソにより、ニトロにより、ハロゲンによりもしくは低級
アルコキシにより置換された、または任意の利用可能な
窒素原子上で低級アルキルにより、トリ低級アルキルシ
リルにより、トリ低級アルキルシリル−低級アルコキシ
−低級アルキルによりもしくはフェニル−低級アルキル
(またはフェニル基上で低級アルコキシにより、低級ア
ルキルによりもしくはハロゲンにより置換された前記フ
ェニル−低級アルキル基)により置換された、前記5員
もしくは6員の単環式非芳香族複素環系〕を意味する。
そのような5員もしくは6員の単環式非芳香族複素環系
の代表例として、ピロリジン、チアゾリジン、テトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロチオフェン、チオモルホリ
ン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、テトラヒド
ロピラン、1,4−チオキサン等;または任意の利用可
能な炭素もしくは窒素原子上で上述の如く置換された前
記5員もしくは6員の単環式非芳香族複素環系が挙げら
れるが、それらに限定されない。
【0025】本明細書中で用いる「5員もしくは6員の
単環式芳香族複素環」という用語は、窒素、酸素および
硫黄から成る群より選択された同一もしくは異なる2〜
3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の単環式
芳香族複素環、あるいは任意の利用可能な炭素原子上で
ヒドロキシ、OC(O) アルキル−CH=CH−アルキル、OC
(O) アルキル、OC(O) 低級アルケニル−C(O)O アルキ
ル、アルコキシ、OC(O) アルキル−C(O)O アルキル、ニ
トロ、アミノ、低級アルキルスルホニルアミノ、低級ア
ルキル、低級アルコキシもしくはハロゲンにより置換さ
れた、または任意の利用可能な窒素原子上でフェニル
(または低級アルコキシにより、低級アルキルによりも
しくはハロゲンにより置換された前記フェニル基)、ジ
フェニルメチル、ナフチル−低級アルキル(またはナフ
チル基上で低級アルコキシにより、低級アルキルにより
もしくはハロゲンにより置換された前記ナフチル−低級
アルキル基)、低級アルキル、またはフェニル−低級ア
ルキル(またはフェニル基上で低級アルコキシにより、
低級アルキルによりもしくはハロゲンにより置換された
前記フェニル−低級アルキル基)により置換された、前
記5員もしくは6員の単環式芳香族複素環を意味する。
そのような複素環の代表例として、チアゾリル、イミダ
ゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピ
リダジニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾ
リル、トリアジニル等;または任意の利用可能な炭素原
子もしくは窒素原子上で上述の如く置換された前記複素
環が挙げられるが、それに限定されない。
【0026】式IおよびIIの化合物において、(X-
p の中のpが1であるとき、X- はアニオンである。し
かしながら、式IおよびIIの化合物が負に荷電した基を
含むとき、例えばR6 がCO2 - 、SO3 - またはPO3 -
あるとき、(X- p の中のpは0であり、そして該化
合物は両性イオン種として存在する。
【0027】本明細書を通して用いるナンバリングシス
テム(位置番号の付け方)は、下記に与えられるCおよ
びDと表示された環系において示される。明細書を通し
て、Aが5員の単環式芳香族複素環である本発明の化合
物(環系C)は置換5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ
ヘテロシクリルイソキノリニウム塩と命名され;そして
Aが6員の単環式芳香族複素環である本発明の化合物
(環系D)は置換6,11−エタノ−6,11−ジヒドロヘ
テロシクリルイソキノリニウム塩と命名されるだろう。
【化7】 本発明の化合物の合成は、スキームAに示すように略述
することができる: スキームA:
【0028】
【化8】
【0029】適当な有機溶剤、例えばアセトニトリル、
ニトロメタン、ニロトプロパンもしくは低級アルカノー
ル溶剤(例えばエタノール)または前記溶剤の混合物中
の式IIの適当に置換されたヘテロシクリルイソキノリニ
ウム塩を、場合により触媒量のアルカリ金属炭酸塩(例
えばCaCO3 )の存在下で、a)約50℃から使用する溶剤
または溶剤混合物の沸点までの範囲内の温度、好ましく
は約90℃から使用する溶剤または溶剤混合物の沸点まで
の範囲内の温度において、またはb)約10 Kbarの高圧
装置中で約室温において、過剰量の適当に置換されたオ
レフィン(III) で処理し、式Iの化合物を与える。
【0030】所望であれば、a)式Iの化合物を無機酸
アニオンまたは有機酸アニオンのアルカリ金属塩(M+
- )の水溶液で処理し〔ここで使用する塩の酸は最初
の酸アニオン(X- )の対応酸よりも強く、M+ はアル
カリ金属、例えばナトリウムまたはカリウムである〕、
- が様々な別のアニオン基(X- )である式Iの化合
物を生成することにより;またはb)X- がクロリド
(Cl- )である式Iの化合物を所望する場合には、X-
がCl- 以外のものである式Iの化合物を DowexR1X2-200
(Cl - ) イオン交換樹脂( DowexR -1-Cl - )カラム
に通してX- がCl - である式Iの化合物を生成すること
により;またはc)式Iの化合物を適当なイオン交換樹
脂カラム(例えば DowexR 1X2-200 (Cl - ) イオン交換
樹脂を適当な有機酸または無機酸で処理することによっ
て調製したもの)に通してX- がCl - , ClO4 - または P
F6 - 以外ものである様々な式Iの化合物を提供すること
により、式Iの化合物を別の式Iの化合物に変換するこ
とができる。
【0031】式Iの化合物は1または複数の不斉炭素原
子を有し得るので、多くの立体異性体、例えば鏡像体、
ジアステレオマーおよび幾何異性体の形で存在すること
ができることは認識されよう。本明細書中に特記しない
限り、本発明はそれらの立体異性体形、それらの混合物
(ラセミ体を含む)にも及ぶつもりである。ある場合に
は、神経変性障害または神経毒損傷の治療または予防に
おいて別の鏡像体またはラセミ体と比較したときに特定
の鏡像体を使うことが有利な場合があり、例えばより大
きな効能を持つことがあり、そのような有利性は当業者
により容易に決定することができる。異なる立体異性体
形は下記に記載の方法により互いに分離することができ
る:
【0032】ジアステレオマー/幾何異性体は、化学業
界において周知である常法、例えばクロマトグラフィ
ー、分別結晶等により、分離することができる。鏡像体
の分離は、a)キラルクロマトグラフィーにより;b)
式Iの化合物のラセミ体混合物を(+)−ジベンゾイル
−D−酒石酸のカリウム塩(K+ 〔(+)−DBT〕)
で処理して -〔(+)−DBT〕塩として式Iの化合物
を与え、 -〔(+)−DBT〕塩を分別結晶して
-〔(+)−DBT〕塩の単一ジアステレオマーを与
え、次いで式Iの化合物から様々な異なるアニオン(X
- )を有する別の式Iの化合物への変換について上述し
た方法に従って、前記 -〔(+)−DBT〕塩の単一ジ
アステレオマーを様々な別の非キラルアニオン(X-
に変換し、一方の鏡像体として式Iの化合物を生成する
ことにより;またはc)式Iの化合物のラセミ体混合物
を(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸のカリウム塩(K
+ 〔(−)−DBT〕)で処理して -〔(−)−DB
T〕塩として式Iの化合物を与え、次いでb)に記載の
通り処理してもう一方の鏡像体として式Iの化合物を生
成することにより、達成することができる。
【0033】化学業界の技術者に常用されており公知で
ある単純な化学変換を、式Iの化合物の官能基の変更を
行うのに利用することができる。例えば、対応するN−
H誘導体を与えるためのN−(トリ低級アルキルシリ
ル)およびN−低級アルコキシフェニル−低級アルキル
保護基の除去、対応する2−オキソピリジン誘導体を生
成するための2−低級アルコキシピリジン誘導体の酸処
理、対応する2−オキソフラン誘導体へのフラン誘導体
の変換、対応するエステルを与えるためのアシル化剤で
のアルコールの処理、対応する酸を与えるためのニトリ
ルの加水分解、対応するエステルを与えるための脱水剤
の存在下でのアルコールによる酸の処理、ホスホネート
(これは次いで加水分解して対応するホスホン酸誘導体
にすることができる)を生成するための触媒の存在下で
のジアルキルホスフィットによるハロゲン化物の処理、
対応するアルコキシ誘導体を与えるためのハロゲン化ア
ルキルによるアルコールの処理、対応するアミノ誘導体
を与えるためのニトロ誘導体の還元、対応するスルホン
アミド誘導体を与えるためのハロゲン化スルホニルによ
るアミノ誘導体の処理、および対応するアルコールを生
成するためのエーテルの脱アルキル化が挙げられる。
【0034】式Iの化合物の合成に必要である式IIの適
当に置換されたヘテロシクリルイソキノリニウム塩は、
下記に説明されそしてスキームBとCに描写される手順
によって調製することができる。
【0035】スキームBでは、少なくとも1モルの適当
に置換されたハロゲン化ベンジル(IV)(式中Zはハロ
ゲン、好ましくは臭素である)を、溶剤の非存在下で、
約室温から約100 ℃までの範囲内の温度において、式V
の適当に置換された複素環式アセタール〔式中Yは1,
3−ジオキソラン−2−イル基またはジ低級アルキルア
セタール基(R=低級アルキル)である〕で処理し、式
VIの第四アンモニウム塩を得る。次いで式VIの第四アン
モニウム塩を、約室温から反応混合物の沸点までの範囲
内の温度において、過剰の酸、例えば48%臭化水素酸、
またはポリリン酸で処理し、式IIの置換ヘテロシクリル
イソキノリニウム塩を生成することができる。
【0036】スキームB:
【化9】
【0037】あるいは、スキームCに示されるようにし
て式IIの化合物を調製することができる。適当な有機溶
剤(例えばエーテル)中の適当に置換されたベンジルア
ルコール(VII) (ここでY′は水素またはハロゲン、好
ましくは水素または臭素である)を、場合により少なく
とも1モルの第二塩基、例えばN,N,N′,N′−テ
トラメチルエチレンジアミンの存在下で、少なくとも2
モル当量の低級アルキルアルカリ金属、好ましくはn-Bu
Liで処理し、次いで室温以下の範囲内の温度、好ましく
は室温から約−30℃までの範囲内の温度において、少な
くとも1モル当量の、好ましくは過剰量の、式VIIIの適
当に置換された5員または6員の単環式複素環式カルボ
キシアルデヒドを添加し、ジオール(IX)を与える。次
いでジオール(IX)を、約室温からオキシハロゲン化リ
ンの沸点までの範囲内の温度において、過剰のオキシハ
ロゲン化リン、好ましくはオキシ塩化リンで処理し、X
-がハロゲンである式IIの化合物を与えることができ
る。
【0038】スキームC:
【化10】
【0039】所望であれば、式Iの化合物から他のアニ
オン基X- への変換について上述したものと同様な手順
に従うことにより、式IIの化合物を様々な異なるアニオ
ン基X- を有する別の式IIの化合物に変換することがで
きる。
【0040】式IIの化合物の官能基の変換を行うのに、
化学業界の技術者に常用されており公知である単純な化
学変換を使用することができる。例えば、対応するアル
コールを生成するためのエーテルの脱アルキル化、対応
するアセテートを生成するためのアルコールのアセチル
化、および対応するスルホおよびSO3 - 置換誘導体を与
えるためのスルホン酸による芳香族誘導体の処理が挙げ
られる。
【0041】適当に置換されたオレフィン(III) 、無機
酸アニオンまたは有機酸アニオンのアルカリ金属塩(M
+ - )、ハロゲン化ベンジル(IV)、複素環式アセタ
ール(V)、ベンジルアルコール(VIII)、および5員
または6員の単環式芳香族複素環式カルボキシアルデヒ
ド(VIII)は商業的に入手可能であり、あるいは当業界
で公知の手順によりまたは後述の手順により、それらを
調製することができる。
【0042】塩基性置換基を含有する式Iの化合物は、
遊離塩基の形と酸付加塩の形の両方で有用であり、両形
態とも本発明の範囲内に含まれる。酸付加塩は、しばし
ばより好都合な使用形態であり、実際問題としては、塩
の形での使用は本質的に塩基の形での使用に等しい。酸
付加塩を調製するのに使用することができる酸として
は、好ましくは、遊離塩基と結合させたとき、医薬上許
容される塩、即ち、そのアニオンが酸付加塩の薬学的用
量において動物生体に対して比較的無害であって、その
結果、遊離塩基の持つ有益な性質がアニオンに起因する
副作用によって損なわれないような塩、を生成するもの
が挙げられる。本発明を実施する際には、遊離塩基形
態、または塩酸塩、フマル酸塩、トルエンスルホン酸
塩、メタンスルホン酸塩もしくはマレイン酸塩を使用す
ることが便利である。しかしながら、本発明の範囲内の
他の適当な医薬上許容される塩として他の無機酸または
有機酸から誘導されたものも含まれる。塩基性化合物の
酸付加塩は当業界において公知である標準手順により調
製され、そのような標準手順としては、適当な酸を含む
水性アルコール溶液に遊離塩基を溶解し、そして該溶液
を蒸発させることによって塩を単離するか、または遊離
塩基と酸を有機溶剤中で反応させることにより調製さ
れ、この場合前記塩は、直接分離するか、または第二の
有機溶剤を使って沈澱させるか、または該溶液の濃縮に
より得ることができる。例えば精製もしくは同定目的で
塩が形成されるときや、例えばそれがイオン交換法によ
り医薬上許容される塩を調製する際の中間体として使用
されるときのように、たとえ特定の塩それ自体が中間生
成物としてのみ所望されるとしても、あらゆる酸付加塩
が遊離塩基形態の源として有用である。
【0043】式Iの化合物は、その塩が医薬上許容され
る塩、即ち、そのアニオンが前記塩の薬学的用量におい
て動物生体に対して比較的無害であって、その結果、遊
離塩基の持つ有益な性質がアニオン(X- )に起因する
副作用によって損なわれないような塩であることが好ま
しい場合、置換ヘテロシクリルイソキノリニウム塩であ
る。本発明を実施する際には、メタンスルホン酸やトル
エンスルホン酸といった有機酸のアニオン(X- )、ま
たは塩化水素酸や臭化水素酸といった無機酸のアニオン
(X- )を使用するのが好都合である。しかしながら、
本発明の範囲内の他の適当な医薬上許容される塩には他
の有機酸、有機二酸または無機酸から誘導されたものも
含まれる。
【0044】本発明の化合物の構造は、合成の様式によ
り、並びに元素分析、赤外、核磁気共鳴および質量分析
法のうちの1つまたは複数により確立された。反応経路
並びに生成物の同一性および均一性は、薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)、高圧液体クロマトグラフィー(HP
LC)または気体−液体クロマトグラフィー(GLC)の
1つまたは複数により評価された。
【0045】次の実施例は本発明を限定することなく本
発明を更に例証するだろう。融点(m.p.)は摂氏度
(℃)で与えられ、未補正のままである。ここで使用す
る略語PAWはピリジン/酢酸/水(55/20/25)を表
し;DMEはジメトキシエタンを表し;THFはテトラ
ヒドロフランを表し;DMPUは1,3−ジメチル−
3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)ピリミジノ
ンを表し;そしてDMAPは4−ジメチルアミノピリジ
ンを表す。
【0046】
【実施例】
実施例1 (a) アルゴン下−78℃において80mlのエーテル中のn
−ブチルリチウム(3.14 g, 49ミリモル, ヘキサン中2
M)の溶液に、1時間で2−ブロモチアゾール(7.8 g,
47.55ミリモル)の溶液を滴下添加した。この混合物を
−78℃にて1時間攪拌し、次いでエーテル中のDMF
(3.48 g, 47.55 ミリモル)の溶液を添加した。該混合
物を−78℃にて1時間、次いで−15℃にて18時間攪拌し
た。反応混合物を4N HCl(4×20ml)で抽出し、水層を
合わせ、氷浴中で冷却し、そして炭酸水素ナトリウムで
中和した。水層をエーテル(4×35ml)で抽出し、有機
層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮
し、4.95 g(93.9%)の2−チアゾリルカルボキシアル
デヒドを得た。
【0047】(b) Dean-Starkトラップを取り付けた三
つ口フラスコ中のアルゴン下の2−チアゾリルカルボキ
シアルデヒド(5 g, 44.25ミリモル)、4.9 ml(88.5ミ
リモル)のエチレングリコール、200 mlのトルエンおよ
び 2.1 g(11.06 ミリモル)のp−トルエンスルホン酸
一水和物の混合物を加熱して、形成する水分を分離しな
がら6時間還流させた。この混合物を室温に冷却し、氷
冷した10%炭酸ナトリウム溶液中に注いだ。水層をエー
テルで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫
酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮し、3.1
g (44.6%)の2−(1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)チアゾール(式V:A=2−チアゾリル;Y=1,
3−ジオキソラン−2−イル)を得た。
【0048】(c) 3.1 g (19.74 ミリモル)の2−
(1,3−ジオキソラン−2−イル)チアゾールと3.38
g(19.74 ミリモル)の臭化ベンジルの反応混合物を、
蒸気浴上で攪拌しながら6時間加熱した。混合物を室温
に冷却し、酢酸エチルで粉砕し、デカンテーションして
5.5 g(84.9%)の臭化3−ベンジル−2−(1,3−
ジオキソラン−2−イル)チアゾリウム(式VI;A=2
−チアゾリル;Y=1,3−ジオキソラン−2−イル;
1 =R6 =H;Z- =Br- )を得た。
【0049】(d) 臭化3−ベンジル−2−(1,3−
ジオキソラン−2−イル)チアゾリウム(3.1 g, 19.74
ミリモル)と30 ml の48% HBrの混合物を蒸気浴上で攪
拌しながら5時間加熱した。この混合物を室温に冷却
し、真空中で濃縮し、そして生じた褐色残渣を水に再溶
解した。この水溶液を濾過し、濾液を10%過塩素酸ナト
リウム溶液で処理した。沈澱した生成物を濾過し、水、
エーテルで洗浄し、そして真空乾燥すると、 2.4 g(50
%)のチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素
酸塩(式II:A=チアゾロ;R1 =R6 =H;X- =Cl
O4 - )を得た。
【0050】(e) 0℃のエタノール(506.22 g)中の
イソブチロニトリル(691.1 g )の溶液に、2.75L/分
の速度で96分間に渡り HClガスをバブリングした。反応
混合物を密封し、6日間冷蔵し、次いで室温で1日間攪
拌した。該混合物を濾過し、濾液を0℃で攪拌しながら
エーテル(9 L )中に注ぎ、形成した沈澱を濾過により
収集し、KOH 上で乾燥し、800 g の1−イミノ−1−エ
トキシイソブタン塩酸塩を得た。
【0051】(f) エーテル(12.5 L)中の1−イミノ
−1−エトキシイソブタン塩酸塩(610.0 g )の懸濁液
にエタノール(1940.0 g, 10モル)を加えた。この混合
物をN2 下で35〜37℃にて72時間攪拌した。反応混合物
を濾過し、濾液を10%炭酸ナトリウム溶液、次に飽和炭
酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機層をK2CO3 上で乾燥し
た。有機層を真空中で濃縮し、残渣をエーテルに溶か
し、濾過し、濾液を10%NaOH溶液と水で順次洗浄した。
有機層をK2CO3 上で乾燥し、溶媒を真空中で留去し、残
渣をヘキサンで希釈し、氷浴中で冷却し、濾過した。濾
液を真空中で濃縮し、そして残渣を70〜72℃(27 mmHg
)で蒸留すると、320 g (42%)の1,1,1−トリ
エトキシイソブタンが得られた。
【0052】(g) 1,1,1−トリエトキシイソブタ
ン(27.5 g, 0.14モル)とアルミニウムt−ブトキシド
(30 g, 0.12モル)の混合物を170 ℃で1時間加熱し、
その時間の間t−ブタノールを留去した。残渣を100 〜
130 ℃(大気圧)で蒸留し、透明なオイルとして12.1 g
(58%)の1,1−ジエトキシ−2,2−ジメチルエチ
レン(式III ;R2 =R3 =CH3 ;R4 =R5 =OC
2H5 )を得た。
【0053】(h) 10 ml のアセトニトリル中にチアゾ
ロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(0.57
g, 2 ミリモル)と2,2−ジ(メチル)−1,1−ジ
(エトキシ)エチレン(0.65 g, 4.5 ミリモル)を含む
反応混合物を、アルゴン下で攪拌しながら加熱して24時
間還流させた。該反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を
シリカカラム(塩化メチレン/メタノール、9:1)に
通し、700 mg(81.5%)の11,11−ジエトキシ−12,12
−ジメチル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾ
ロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(式I:
A=チアゾロ;R 1 =R6 =H;R2 =R3 =CH3 ;R
4 =R5 =OC2H5 ;X- =ClO4 - )を得た。
【0054】(i) 11,11−ジエトキシ−12,12−ジメ
チル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ
〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(700 mg,
1.63ミリモル)を DowexR 1x2-200(Cl - )に通すことに
より、前記塩を対応する塩化物に変換した。その塩を塩
化メチレン/エーテルから再結晶し、350 mg(54%)の
塩化11,11−ジエトキシ−12,12−ジメチル−5,10−
エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソ
キノリニウム 3/5水和物(式I:A=チアゾロ;R 1
6 =H;R2 =R3 =CH3 ;R4 =R5 =OC2H5 ;X
- =Cl- ),m.p. 122-124℃(d)を得た。
【0055】実施例2 (a) 10 ml のニトロメタン中にチアゾロ〔3,2−
b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(0.57 g, 2 ミリモ
ル)と1,1−ジ(フェニル)エチレン(0.72 g,4 ミ
リモル)を含む反応混合物を、アルゴン下で攪拌しなが
ら加熱して48時間還流させた。追加の1,1−ジ(フェ
ニル)エチレン(0.7 ml)を加えた後、更に48時間加熱
を続けた。該反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をヘキ
サンで粉砕し、デカンテーションして950 mgの11,11−
ジフェニル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾ
ロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩を得た。
前記塩をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー
(塩化メチレン/メタノール、9:1)により精製し、
650 mgの11,11−ジフェニル−5,10−エタノ−5,10
−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過
塩素酸塩(式I:A=チアゾロ;R1 =R2 =R3 =R
6 =H;R4 =R5 =フェニル;X- =ClO4 - )を得
た。
【0056】(b) 11,11−ジフェニル−5,10−エタ
ノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノ
リニウム過塩素酸塩(650 mg)を DowexR 1x2-200(Cl -
)に通すことにより、前記塩を対応する塩化物に変換し
た。その塩を塩化メチレン/エーテルから再結晶し、41
0 mg(51%)の塩化11,11−ジフェニル−5,10−エタ
ノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノ
リン−4−イウム(式I:A=チアゾロ;R1 =R2
3 =R6 =H;R4 =R5 =フェニル;X-=Cl-
を得た。
【0057】実施例3 (a) 25 ml のニトロメタン中に1−メチルイミダゾ
〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(3.0 g, 10.5 ミリモル)と1,1−ジ(フェニル)エ
チレン(3.47 g, 19.3ミリモル)を含む反応混合物を、
アルゴン下で攪拌しながら加熱して3日間還流させた。
該反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカカラムに
通過させ(塩化メチレン/メタノール、9:1)、3.1
g の11,11−ジフェニル−5,10−エタノ−5,10−ジ
ヒドロ−1−メチルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリ
ン−4−イウム過塩素酸塩(式I:A=1−メチルイミ
ダゾ;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =フェ
ニル;X- =ClO4 - )を得た。
【0058】(b) 11,11−ジフェニル−5,10−エタ
ノ−5,10−ジヒドロ−1−メチルイミダゾ〔1,2−
b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩(3.1 g )を
Dowex R 1x2-200(Cl- ) に通すことにより、前記塩を対
応する塩化物に変換した。その塩を塩化メチレン/エー
テルから再結晶し、700 mgの塩化11,11−ジフェニル−
5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−メチルイミダ
ゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム(式I:A
=1−メチルイミダゾ;R1 =R2 =R3 =R 6 =H;
4 =R5 =フェニル;X- =Cl- ),m.p. 186-188℃
を得た。
【0059】実施例4 (a) 250 mlのトルエン中のフラン−3−カルボン酸
(36 g, 0.32モル)の懸濁液に49 g(0.385 モル)の塩
化オキサリルと1滴のピリジンを添加し、そして該混合
物を80〜90℃で1.5 時間加熱した。それを室温に冷や
し、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(35
g, 0.36モル)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP,
1.8 g, 0.0147 モル)および600 mlの塩化メチレンを加
えた。この混合物を0℃に冷却し、68.4 gのピリジンを
ゆっくり加え、室温に戻し、そして2時間攪拌した。混
合物を濾過し、濾液を水、5%水性ジメチルアミノプロ
ピルアミン、水、6N HCl溶液、水およびブラインで洗浄
した。有機層を乾燥し、真空中で濃縮し、残渣を蒸留し
(b.p. 85-87℃/0.2 mm)、44 g(88.7%)の3−(N
−メチル−N−メトキシカルバモイル)フランを得た。
【0060】(b) −78℃の150 mlのエーテル中のn−
ブチルリチウム(2.5M, 28 ml, 0.07 モル)の溶液に、
20分間に渡り30 ml のエーテル中の3−ブロモフラン
(10 g, 0.0628モル)の溶液を添加し、生じた混合物を
−78℃で20分間攪拌した。上記混合物に30 ml のエーテ
ル中の3−(N−メチル−N−メトキシカルバモイル)
フラン(9.16 g, 0.059 モル)を15分間に渡り添加し、
室温で0.5 時間攪拌した。反応混合物を200 mlの塩化ア
ンモニウム溶液でクエンチングし、500 mlの塩化メチレ
ンを加え、混合物を攪拌した。有機層を硫酸ナトリウム
上で乾燥し、真空中で濃縮し、そして残渣を100 mlのヘ
キサン/t−ブチルメチルエーテル(9:1)中で粉砕
した。固体生成物を濾過し、t−ブチルメチルエーテル
で洗浄し、7.5 g (78.3%)のジ−(3−フリル)ケト
を得た。
【0061】(c) 1 L のエーテル中の臭化メチルトリ
フェニルホスホニウム(145 g, 0.405モル, 60℃で乾燥
したもの)の懸濁液に、−20℃にてヘキサン中のn−ブ
チルリチウム(2.5 M, 162 ml, 0.405モル)を添加し、
そしてこの混合物を室温で1時間攪拌した。上記混合物
に450 mlのDME/THF/DMPU(2:2:0.5 )中の60g
(0.37モル)の1,1−ジ(3−フリル)ケトンを10分
間で添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。上記反応
混合物に飽和塩化アンモニウム液(250 ml)を添加し、
そして500 mlの水で希釈した。有機層を分離し、水洗し
(2×500 ml)、乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をシ
リカ上でのクロマトグラフィー(ヘキサン、次に10%エ
ーテル/ヘキサン)により精製し、51 g(86%)の1,
1−ジ(3−フリル)エチレン(式III :R2 =R3
H;R4 =R5 =3−フラニル)を得た。この生成物を
更に蒸留した(b.p. 60-63℃/0.01 mm )。
【0062】(d) 50 ml のニトロメタン中の 1.5 g
(0.01モル)のチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウ
ム過塩素酸塩と 1.3 g(8ミリモル)の1,1−ジ(3
−フリル)エチレンの混合物を窒素下で加熱して3時間
還流させた。この混合物を冷却し、真空中で濃縮した。
残渣をエーテル/酢酸エチル(75ml)で粉砕し、濾過し
て粗生成物を得た。この固体を50 ml の塩化メチレン中
で粉砕し、濾過により固体を収集した。この固体生成物
をエーテル、イソプロパノール、塩化メチレンで洗浄
し、そして乾燥して 1.7 gの11,11−ジ(3−フリル)
−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2
−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(式I:A=チアゾ
ロ;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =3−フ
ラニル;X-=ClO4 - )を得た。
【0063】(e) 11,11−ジ(3−フリル)−5,10
−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イ
ソキノリニウム過塩素酸塩を DowexR 1x2-200(Cl - )に
通すことにより、前記塩を対応する塩化物に変換した。
所望の画分をSolka FlocR のパッドに通過させ、濾液を
真空中で濃縮し、1.2 g (82.2%)の塩化11,11−ジ
(3−フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチ
アゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム(式I:A=チ
アゾロ;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R 5 =3
−フラニル;X- =Cl- )を得た。
【0064】実施例5 (a) 1.3 L のメタノール中の188.2 g (0.5 モル)の
(−)−O,O′−ジベンゾイル−L−酒石酸の溶液
に、300 mlの水に溶かした50.1 g(0.5 モル)の炭酸水
素カリウムの溶液を10分間に渡り添加し、そして混合物
を室温で一晩攪拌した。固体生成物を濾過し、メタノー
ルで洗浄し、真空乾燥し、170.9 g の(−)−O,O′
−ジベンゾイル−L−酒石酸一カリウム塩を得た。
【0065】(b) および(c) アセトニトリル 300 ml
とメタノール 150 ml の熱溶液中に溶かした11,11−ジ
(3−フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチ
アゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(23
g, ラセミ体)にスプーン3杯の活性炭を加え、混合物
を3分間還流させ、熱濾過し、残渣を100 mlのメタノー
ルで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、残渣を20 ml の
アセトニトリルに溶かし、Dowex R 1x2-200(Cl- ) (25
0 g の樹脂)に通過させた。溶出液の濃縮により、青白
い透明なガラス状物として18.38 g の塩化11,11−ジ
(3−フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチ
アゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム(ラセミ体)が
得られた。
【0066】塩化11,11−ジ(3−フリル)−5,10−
エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソ
キノリニウム(ラセミ体,18.38 g, 38.9 ミリモル)を
最少量の熱メタノール(100 ml)に溶かした。別のフラ
スコにおいて、16.998 g(0.0429モル)の(−)−O,
O′−ジベンゾイル−L−酒石酸一カリウム塩を700ml
の熱メタノールに溶かし、上記溶液に50 ml の水を添加
した。上記2つの溶液を一緒に混合して透明な溶液を形
成させた。この溶液を真空中で濃縮し、残渣を200 mlの
塩化メチレンと共に攪拌し、真空中で再度濃縮した。生
じた残渣を加温しながら600 mlの塩化メチレンと共に攪
拌し、濾過して不溶性固体を除去した。この不溶性固体
を150 mlの熱塩化メチレンで洗浄し、合わせた塩化メチ
レン濾液を真空中で濃縮した。上記残渣を250 mlの熱ア
セトニトリルに溶かし、種結晶を加えて晶出させ、冷却
し、濾過して白色固体生成物を得た。この白色固体生成
物を600 mlの熱アセトニトリルに溶かし、溶液を400 ml
の容量まで濃縮し、冷却し、そして濾過して13.5 gの1
1,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ−5,10−
ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム
(−)−O,O′−ジベンゾイル−L−酒石酸塩(式
I:A=チアゾロ;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R 4
=R5 =3−フラニル;X- =〔(−)−DBT〕-
実施例5(b) )を得た。この酒石酸塩を熱エタノールか
ら再結晶し、そして透明溶液が生成するまで該固体を60
0 mlの1N HClと300 mlのエーテルの混合物中で攪拌する
ことにより対応する塩化物塩に変換した。次いで層を分
離し、水層を2×200 mlのエーテルで抽出した。次いで
水層を蒸発させ、99.8%のeeであるがまだ不純物とし
て塩化チアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウムを含む
残渣を得た。この残渣を次のようにして更に精製した:
塩化物塩を100 mlの水に溶かし、100 mlの水の中の14 g
の過塩素酸ナトリウムで処理して対応する過塩素酸塩を
生じさせた。この過塩素酸塩をシリカ上でのクロマトグ
ラフィー(塩化メチレン/酢酸エチル/メタノール、
7:2:1)により精製し、次いで塩化物塩に変換し
〔Dowex R 1x2-200(Cl-) 〕、褐色固体として塩化
(−)−11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ−
5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニ
ウム(実施例5(c) 、鏡像体純度99.8% ee 、最初の溶
出ピーク)(式I:A=チアゾロ;R1 =R2=R3
6 =H;R4 =R5 =3−フリル;X- =Cl-
(−)−鏡像体),〔α〕24 435 =−84.6°(DMF
中),m.p. 137℃(軟化),C=10 mg/mlを得た。
【0067】(d) および(e) 全ての母液を合わせ、真
空中で濃縮し、得られた残渣を攪拌しながら500 mlの0.
5N HClと300 mlのエーテルの間に分配させた。水層をエ
ーテル(2×200 ml)で洗浄し、真空中で濃縮し、残渣
をエーテル/アセトニトリル中で粉砕し、乾燥して9.1
g の塩化物を得た。この固体を500 mlの熱メタノール中
の9.51 g(20ミリモル)の(+)−O,O′−ジベンゾ
イル−D−酒石酸一カリウム塩の溶液と混合した。真空
中で濃縮すると15.9 gの黄色フォームが得られ、この塩
をアセトニトリル(2×)とエタノールから再結晶し、
単一のジアステレオマーとして7.68 gの11,11−ジ(3
−フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾ
ロ〔3,2−b〕イソキノリニウム(+)−O,O′−
ジベンゾイル−D−酒石酸塩(式I:A=チアゾロ;R
1 =R2 =R3 =R6 =H;R4=R5 =3−フラニ
ル;X- =〔(+)−DBT〕- ;実施例5(d) )を得
た。この固体を、攪拌しながら300 mlの0.5N HClと700
mlのエーテルの間に分配させることにより対応する塩化
物塩に変換した。水層をエーテル(2×50 ml )で洗浄
し、活性炭で処理し、Solka FlocR を通して濾過し、残
渣を100 mlの水で洗浄し、そして水層を真空中で濃縮
し、その残渣を実施例5(c) において上述した通りに精
製し、褐色固体として塩化(+)−11,11−ジ(3−フ
リル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ
〔3,2−b〕イソキノリニウム(鏡像体純度97.7%e
e,2番目の溶出ピーク,実施例5(e) )(式I:A=
チアゾロ;R 1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5
3−フリル;X- =Cl- ,(+)−鏡像体),〔α〕24
435 =+78.6°(DMF中),m.p. 130℃(軟化)を得
た。
【0068】実施例6 (a) −40℃に冷却した100 mlのエーテル中の5.25 g
(0.04モル)のm−メトキシベンジルアルコールの溶液
に、5.05 g(0.08モル)のヘキサン中2.5 Mのn−ブチ
ルリチウム、次いで4.65 g(0.04モル)のTMEDA を滴下
添加し、反応混合物をゆっくり室温まで温め、攪拌し
た。上記反応混合物を−20℃に冷却し、10 ml のエーテ
ル中の 5 g(0.04モル)の2−チアゾリルカルボキシア
ルデヒドを添加し、そして生じた反応混合物を室温まで
温めた。1時間後、該混合物に塩化アンモニウム溶液を
加えた。酢酸エチルを使ってジオールを抽出し、硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、溶媒を真空中で留去した。残渣を
シリカ上でのクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタ
ノール、9:1)により精製し、4.2 g (41.8%)の
−〔1−ヒドロキシ−(2′−メトキシ−6′−ヒドロ
キシメチル)ベンジル〕チアゾール(式IX:A=チアゾ
ロ;R1 =H;R6 =2′−メトキシ)を得た。
【0069】(b) 4 g (15.9ミリモル)の2−〔1−
ヒドロキシ−(2′−メトキシ−6′−ヒドロキシメチ
ル)ベンジル〕チアゾールと25 ml のPOCl3 の混合物を
攪拌しながら4時間還流させた。この混合物を冷却し、
氷中に注ぎ、混合物を一晩攪拌した。生じた黒っぽい溶
液を濾過パッドを通して濾過し、過塩素酸ナトリウム溶
液で処理し、生じた固体を濾過し、洗浄し、そして乾燥
し、1.3 g (26%)の9−メトキシチアゾロ〔3,2−
b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(式II:A=チアゾ
ロ;R1 =H;R6 =9′−OCH3;X- =ClO4 - )を得
た。
【0070】(c) 20 ml のアセトニトリル中に9−メ
トキシチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素
酸塩(1 g, 3.17 ミリモル)と1,1−ジ(メチル)−
2,2−ジ(エトキシ)エチレン(1.5 g, 10.4 ミリモ
ル)を含む混合物をアルゴン下で攪拌しながら加熱して
24時間還流させた。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣
をシリカゲルカラムに通し(塩化メチレン/メタノー
ル、9:1)、800 mg(57%)の11,11−ジエトキシ−
12,12−ジメチル−9−メトキシ−5,10−エタノ−
5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニ
ウム過塩素酸塩(式I:A=チアゾロ;R1 =H;R2
=R3 =CH3 ;R4 =R5 =OC2H5 ;R6 =9−OCH3
- =ClO4 - )を得た。
【0071】(d) 11,11−ジエトキシ−12,12−ジメ
チル−9−メトキシ−5,10−エタノ−5,10−ジヒド
ロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩
(700 mg, 1.63ミリモル)を DowexR 1x2-200(Cl - )に
通すことにより、前記塩を対応する塩化物塩に変換し
た。前記塩を塩化メチレン/エーテルから再結晶し、28
0 mg(54%)の塩化11,11−ジエトキシ−12,12−ジメ
チル−9−メトキシ−5,10−エタノ−5,10−ジヒド
ロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム(式I:A
=チアゾロ;R1 =H;R2 =R3 =CH3 ;R4 =R5
=OC2H5 ;R6 =9−OCH3;X- =Cl- ),m.p.>130
℃(d) を得た。
【0072】実施例7 (a) アルゴン下−78℃に冷却した160 mlのエーテル中
のn−ブチルリチウム(6.28 g, 98ミリモル, ヘキサン
中2M)の溶液に、1−メチルイミダゾール(7.8 g,
0.095モル)の溶液を1時間で滴下添加した。この混合
物を−78℃で1時間攪拌し、そこに40 ml のエーテル中
のDMF(6.9 g, 95 ミリモル)の溶液を添加した。該
混合物を−78℃で1時間、次いで−15℃で18時間攪拌し
た。次いで反応混合物を4N HCl(2×40ml)で抽出し、
水層を合わせ、氷浴中で冷却し、炭酸水素ナトリウム溶
液で中和した。水層をエーテル(4×35ml)で抽出し、
有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、
11.1 gの1−メチルイミダゾリル−2−カルボキシアル
デヒドを得た。
【0073】(b) Dean-Starkトラップを取り付けた三
つ口フラスコの中の1−メチルイミダゾリル−2−カル
ボキシアルデヒド(1.5 g, 13.6 ミリモル)、60.46 g
(0.41モル)のオルト蟻酸トリエチル、100 mlのエタノ
ールおよび25.8 g(0.136 モル)のp−トルエンスルホ
ン酸一水和物の混合物をアルゴン下で形成する水/エタ
ノールを分離しながら6時間還流させた。この混合物を
室温に冷却し、氷冷10%炭酸ナトリウム溶液で中和し、
濾過し、そして濾液を真空中で濃縮した。残渣を濃縮し
てオルト蟻酸トリエチルを除去し、得られた残渣をエー
テルに溶かし、濾過し、水洗した。このエーテル溶液を
硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、8 g (3
1.9%)の2−ジエトキシメチル−1−メチルイミダゾ
ール(式V:A=1−メチルイミダゾール;Y=CH(OC2
H5)2)を得た。
【0074】(c) 8 g (43ミリモル)の2−ジエトキ
シメチル−1−メチルイミダゾールと7.44 g(43ミリモ
ル)の臭化ベンジルの反応混合物を室温で一晩攪拌し
た。該混合物を酢酸エチルで粉砕し、デカンテーション
し、15.1 g(98.3%)の臭化3−ベンジル−2−(ジエ
トキシメチル)−1−メチルイミダゾリウム(式VI:A
=1−メチルイミダゾール;Y=CH(OC2H5)2;R1 =R
6 =H;Z- =Br- )を得た。
【0075】(d) 臭化3−ベンジル−2−(ジエトキ
シメチル)−1−メチルイミダゾリウム(15 g, 42.25
ミリモル)と100 mlの48% HBrの混合物を攪拌しながら
蒸気浴上で6時間加熱した。該混合物を室温に冷却し、
真空中で濃縮し、生じた残渣を水に再溶解した。その水
溶液を濾過し、濾液を過塩素酸ナトリウムで処理した。
沈澱した生成物を濾過し、水とエーテルで洗浄し、真空
乾燥して 4.1 g(34%)の1−メチルイミダゾ〔1,2
−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩(式II:A
=1−メチルイミダゾ;R1 =R6 =H;X- =Cl
O4 - )を得た。
【0076】(e) 15 ml のアセトニトリル中に1−メ
チルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム
過塩素酸塩(1 g, 3.54 ミリモル)と1,1−ジ(メチ
ル)−2,2−ジ(エトキシ)エチレン(1 g, 6.94 ミ
リモル)と100 mgの炭酸カルシウムを含む反応混合物
を、アルゴン下で攪拌しながら加熱して3日間還流さ
せ、次いで10 Kbar の高圧装置中に24時間入れた。該反
応混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルカラム
(塩化メチレン/メタノール、9:1)に通し、800mg
(53%)の11,11−ジエトキシ−12,12−ジメチル−
5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−メチルイミダ
ゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(式I:A=1−メチルイミダゾ;R1 =R6 =H;R
2 =R3 =CH3 ;R4 =R5 =OC2H5 ;X- =ClO4 -
を得た。
【0077】(f) 11,11−ジエトキシ−12,12−ジメ
チル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−メチル
イミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩
素酸塩(800 mg, 1.87ミリモル)を DowexR 1x2-200(Cl
- )に通すことにより、前記塩を対応する塩化物塩に変
換した。その塩を塩化メチレン/エーテルから再結晶
し、370 mg(44.2%)の塩化11,11−ジエトキシ−12,
12−ジメチル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1
−メチルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イ
ウム(式I:A=1−メチルイミダゾ;R1 =R6
H;R2 =R3 =CH 3 ;R4 =R5 =OC2H5 ;X- =Cl
- ),m.p. 122℃を得た。
【0078】実施例8 (a) 50 ml のアセトニトリル中に1−ベンジルイミダ
ゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(2.4 g, 6.7ミリモル)と1,1−ジ(メチル)−2,
2−ジ(エトキシ)エチレン(1.92 g, 13.33 ミリモ
ル)を含む反応混合物を、アルゴン下で攪拌しながら加
熱して24時間還流させた。1,1−ジ(メチル)−2,
2−ジ(エトキシ)エチレン(1 g )を添加した後、混
合物を更に24時間加熱して還流させた。次いで反応混合
物を冷却し、真空中で濃縮し、残渣(3.1 g )をシリカ
ゲルカラム(塩化メチレン/メタノール、20:1)に通
し、1.2 g (35%)の11,11−ジエトキシ−12,12−ジ
メチル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−ベン
ジルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム
過塩素酸塩(式I:A=1−ベンジルイミダゾ;R1
6 =H;R2 =R3=CH3 ;R4 =R5 =OC2H5 ;X
- =ClO4 - )を得た。
【0079】(b) 11,11−ジエトキシ−12,12−ジメ
チル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−ベンジ
ルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過
塩素酸塩(1.1 g, 2.19 ミリモル)を DowexR 1x2-200
(Cl - )に通すことにより、前記塩を対応する塩化物塩
に変換した。その塩(1 g )を塩化メチレン/アセトニ
トリル/酢酸エチルから再結晶し、670 mg(70%)の
化11,11−ジエトキシ−12,12−ジメチル−5,10−エ
タノ−5,10−ジヒドロ−1−ベンジルイミダゾ〔1,
2−b〕イソキノリン−4−イウム(式I:A=1−ベ
ンジルイミダゾ;R1 =R6 =H;R2 =R3 =CH3
4 =R5 =OC2H5 ;X- =Cl- ),m.p.215-217℃を
得た。
【0080】実施例9 (a) 35 ml のニトロメタン中に1−ベンジルイミダゾ
〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(2 g, 5.58 ミリモル)と1,1−ジ(フェニル)エチ
レン(2.01 g, 11.16 ミリモル)を含む反応混合物を、
アルゴン下で攪拌しながら加熱して2日間還流させた。
1,1−ジ(メチル)−2,2−ジ(エトキシ)エチレ
ン(2 ml)を添加した後、混合物を更に2日間加熱して
還流させた。次いで反応混合物を冷却し、真空中で濃縮
し、残渣をエーテルで粉砕し、生じた固体をエーテルで
洗浄して3.8 g の固体を得た。この生成物をシリカゲル
カラム(塩化メチレン/メタノール、20:1)により精
製すると、黄色フォームとして2.7 g (89.8%)の11,
11−ジフェニル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−
1−ベンジルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4
−イウム過塩素酸塩(式I:A=1−ベンジルイミダ
ゾ;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =フェニ
ル;X- =ClO4 - )を得た。
【0081】(b) 11,11−ジフェニル−5,10−エタ
ノ−5,10−ジヒドロ−1−ベンジルイミダゾ〔1,2
−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩(2.7 g,
5.01ミリモル)を DowexR 1x2-200(Cl - )に通すことに
より、前記塩を対応する塩化物塩に変換した。その塩
(1.9 g )をイソプロパノール/塩化メチレン/エーテ
ルから再結晶し、1.6 g (67.2%)の塩化11,11−ジフ
ェニル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−ベン
ジルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム
(式I:A=1−ベンジルイミダゾ;R1 =R2 =R3
=R6 =H;R4=R5 =フェニル;X- =Cl- ),m.
p. 175-177℃を得た。
【0082】実施例10 (a) 50 ml のアセトニトリル中に1−メチル−1,
2,4−トリアゾロ〔1,2−b〕イソキノリン−4−
イウム過塩素酸塩(2 g, 7.05 ミリモル)と1,1−ジ
(メチル)−2,2−ジ(エトキシ)エチレン(3 g, 2
1.16ミリモル)を含む反応混合物を、アルゴン下で攪拌
しながら加熱して6日間還流させた。反応混合物を真空
中で濃縮し、残渣をエーテルで粉砕し、デカンテーショ
ンした。生じた黒っぽい残渣を真空乾燥し、3.1 g の1
1,11−ジエトキシ−12,12−ジメチル−5,10−エタ
ノ−5,10−ジヒドロ−1−メチル−1,2,4−トリ
アゾロ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素
酸塩(式I:A=1−メチル−1,2,4−トリアゾ
ロ;R1 =R6 =H;R2 =R3 =CH3 ;R4 =R5
OC 2H5 ;X- =ClO4 - )を得た。
【0083】(b) 11,11−ジエトキシ−12,12−ジメ
チル−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−メチル
−1,2,4−トリアゾロ〔1,2−b〕イソキノリン
−4−イウム過塩素酸塩(3.1 g, 7.25 ミリモル)を D
owexR 1x2-200(Cl - )に通すことにより、前記塩を対応
する塩化物塩に変換した。その塩(2.2 g, 88 %)を塩
化メチレン/エーテルから再結晶し、2 g (73.4%)の
塩化11,11−ジエトキシ−12,12−ジメチル−5,10−
エタノ−5,10−ジヒドロ−1−メチル−1,2,4−
トリアゾロ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム
(式I:A=1−メチル−1,2,4−トリアゾロ;R
1 =R6 =H;R2 =R3 =CH3 ;R4 =R5 =OC
2H5 ;X- =Cl- ),m.p. 188-190℃を得た。
【0084】実施例11 (a) アルゴン下120 mlのメタノール中のナトリウムメ
トキシド(5 g のナトリウムから, 0.218 モル)の攪拌
溶液に、0℃において1,2,4−トリアゾール(15
g, 0.217 モル)に次いで30.9 g(0.217 モル)のヨウ
化メチルを添加し、この混合物を室温にて24間攪拌し
た。溶媒を真空中で濃縮し、残渣を80 mlの熱ベンゼン
で抽出し、次にクロロホルム(3×80 ml )で抽出し
た。溶媒を真空中で留去して25.4 gの白色ガムを単離
し、このガムを塩化メチレン中に溶かし、濾過し、濾液
を濃縮してオイルを得た。このオイルを蒸留して(80-9
0 ℃/10-15 mm)10.5 g(58%)の1−メチル−1,
2,4−トリアゾールを得た。
【0085】(b) アルゴン下−78℃において200 mlの
エーテル中の11 g(0.13モル)の1−メチル−1,2,
4−トリアゾールの溶液に、30分間に渡りn−ブチルリ
チウム(8.5 g, 0.13 モル, ヘキサン中 2.5M)の溶液
を滴下添加し、この混合物を−78℃にて2時間攪拌し、
次いで25 ml のエーテル中のDMF(9.5 g, 0.13 モ
ル)を添加した。該混合物を一晩攪拌しながらゆっくり
0℃に温めた。次いで該混合物をメタノール中の Dowex
R 50x2-200(H+ )によりクエンチングし、0℃にて30
分間攪拌し、次いで該混合物に100 g のシリカゲルを添
加した。塩化メチレンを用いて全ての懸濁液をシリカゲ
ルカラムに詰め、溶出液を濃縮して15.1 gの1−メチル
−1,2,4−トリアゾリル−5−カルボキシアルデヒ
を得た。シリカゲル上での更なるクロマトグラフィー
精製(塩化メチレン/エーテル、9:1)により、6.8
g の所望のアルデヒドを得た。
【0086】(c) Dean-Starkトラップを取り付けた三
つ口フラスコ中のアルゴン下の1−メチル−1,2,4
−トリアゾリル−5−カルボキシアルデヒド(3.1 g, 2
8 ミリモル)、3.1 ml(56ミリモル)のエチレングリコ
ール、250 mlのトルエンおよび 1.4 g(14ミリモル)の
p−トルエンスルホン酸一水和物の混合物を、形成する
水分を分離しながら24時間還流させた。この混合物を室
温に冷却し、氷冷した10%炭酸ナトリウム溶液中に注い
だ。水層をエーテルで抽出し、合わせた有機層をブライ
ンで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中
で濃縮し、2.3g (53%)の5−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル)−1−メチル−1,2,4−トリアゾー
〔式V:A=1−メチル−1,2,4−トリアゾー
ル;Y=5−(1,3−ジオキソラン−2−イル)〕を
得た。
【0087】(d) 2.3 g (14.83 ミリモル)の5−
(1,3−ジオキソラン−2−イル)−1−メチル−
1,2,4−トリアゾールと2.53 g(14.83 ミリモル)
の臭化ベンジルの反応混合物を、蒸気浴上で攪拌しなが
ら48時間加熱した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル
で粉砕し、デカンテーションして 3.1 g(64.1%)の
化4−ベンジル−5−(1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)−1−メチル−1,2,4−トリアゾリウム〔式V
I;A=1−メチル−1,2,4−トリアゾロ;Y=5
−(1,3−ジオキソラン−2−イル);R1 =R6
H;Z- =Br- 〕を得た。
【0088】(e) 臭化4−ベンジル−5−(1,3−
ジオキソラン−2−イル)−1−メチル−1,2,4−
トリアゾリウム(6.5 g, 20 ミリモル)と70 gのポリリ
ン酸の混合物を100 〜110 ℃の油浴上で攪拌しながら5
時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、氷水中に注
ぎ、1時間攪拌し、solka flocR のパッドを通して濾過
した。残渣を水で洗浄し、合わせた濾液を過剰の過塩素
酸ナトリウム溶液で処理した。沈澱した生成物を濾過
し、水で洗浄し、そして真空乾燥して 4 g(70%)の
−メチル−1,2,4−トリアゾロ〔1,2−b〕イソ
キノリン−4−イウム過塩素酸塩(式II:A=1−メチ
ル−1,2,4−トリアゾロ;R1 =R6=H;X- =C
lO4 - )を得た。
【0089】(f) 25 ml のニトロメタン中に1−メチ
ル−1,2,4−トリアゾロ〔1,2−b〕イソキノリ
ン−4−イウム過塩素酸塩(1.5 g, 5.3ミリモル)と
1,1−ジ(フェニル)エチレン(1.9 g, 10.6 ミリモ
ル)を含む反応混合物を、アルゴン下で攪拌しながら加
熱して24時間還流させた。該反応混合物を真空中で濃縮
し、固体残渣をエーテルで粉砕し、デカンテーションし
て2.6 g の11,11−ジフェニル−5,10−エタノ−5,
10−ジヒドロ−1−メチル−1,2,4−トリアゾロ
〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(式I:A=1−メチル−1,2,4−トリアゾロ;R
1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =フェニル;X
- =ClO4 - )を得た。
【0090】(g) 11,11−ジフェニル−5,10−エタ
ノ−5,10−ジヒドロ−1−メチル−1,2,4−トリ
アゾロ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素
酸塩(2.5 g, 5.34 ミリモル)を DowexR 1x2-200(Cl -
)に通すことにより、前記塩を対応する塩化物塩に変換
した。その塩を塩化メチレン/エーテルから再結晶し、
1.5 g (69%)の塩化11,11−ジフェニル−5,10−エ
タノ−5,10−ジヒドロ−1−メチル−1,2,4−ト
リアゾロ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム(式
I:A=1−メチル−1,2,4−トリアゾロ;R1
2 =R3 =R 6 =H;R4 =R5 =フェニル;X-
Cl- ),m.p. 178-180℃(d) を得た。
【0091】実施例12 (a) アルゴン下−78℃において200 mlのエーテル中の
n−ブチルリチウム(7.04 g, 0.1 モル, ヘキサン中2
M)の溶液に、1時間に渡り100 mlのエーテル中の1−
ベンジルイミダゾール(15.82 g, 0.1モル)の溶液を滴
下添加した。この混合物を−78℃にて1時間攪拌し、次
いで15 ml のエーテル中のDMF(10.96 g, 0.15 モ
ル)の溶液を添加した。該混合物を−78℃で1時間、次
いで−15℃で18時間攪拌した。次いで反応混合物を4N H
Cl(4×20ml)で抽出し、水層を合わせ、氷浴中で冷却
し、そして炭酸水素ナトリウム溶液で中和した。水層を
クロロホルム(4×100 ml)で抽出し、有機層を硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、そして残渣をシ
リカゲル上でのクロマトグラフィー(塩化メチレン)に
より精製し、10.1 g(52%)の1−ベンジル−2−イミ
ダゾリルカルボキシアルデヒドを得た。
【0092】(b) Dean-Starkトラップを取り付けた三
つ口フラスコ中のアルゴン下の1−ベンジル−2−イミ
ダゾリルカルボキシアルデヒド(10.1 g, 54.3ミリモ
ル)、6 ml(108.6 ミリモル)のエチレングリコール、
400 mlのトルエンおよび 1.4 g(13.57 ミリモル)のp
−トルエンスルホン酸一水和物の混合物を、形成する水
分を分離しながら24時間還流させた。この混合物を室温
に冷却し、氷冷10%炭酸ナトリウム溶液中に注いだ。水
層をエーテル(3×150 ml)で抽出し、合わせた有機層
をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そし
て真空中で濃縮し、12.5 gの2−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル)−1−ベンジルイミダゾール〔式V:A
=1−ベンジルイミダゾール;Y=2−(1,3−ジオ
キソラン−2−イル);R1 =R6 =H〕を得た。
【0093】(c) 12.5 g(54ミリモル)の2−(1,
3−ジオキソラン−2−イル)−1−ベンジルイミダゾ
ールと 9.3 g(54ミリモル)の臭化ベンジルの反応混合
物を、蒸気浴上で攪拌しながら1/4 時間加熱し、生じた
混合物を室温で一晩攪拌した。該混合物をエーテル/酢
酸エチルで粉砕し、濾過して17.3 g(79.8%)の臭化3
−ベンジル−2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)
−1−ベンジルイミダゾリウム〔式VI;A=1−ベンジ
ルイミダゾール;Y=2−(1,3−ジオキソラン−2
−イル);R1 =R6 =H;Z- =Br- 〕を得た。
【0094】(d) 臭化3−ベンジル−2−(1,3−
ジオキソラン−2−イル)−1−ベンジルイミダゾリウ
ム(14 g, 35ミリモル)と140 g のポリリン酸の混合物
を100 〜110 ℃の油浴上で攪拌しながら5時間加熱し
た。この混合物を室温に冷却し、氷水の中に注ぎ、1時
間攪拌し、次いでSolka FlocR の濾過パッドを通して濾
過した。残渣を水で洗浄し、合わせた濾液を過剰の過塩
素酸ナトリウム溶液で処理した。沈澱した生成物を濾過
し、水で洗浄し、そして真空乾燥すると、9.95 gのガム
を得た。上記ガムをアセトニトリルに溶かし、濾過し、
濾液を真空中で濃縮し、生じた残渣を酢酸エチル/エー
テル(1:1)で粉砕して黄色固体を得た。この黄色固
体を濾過し、エーテルで洗浄し、真空中で乾燥し、7.3
g (58.1%)の1−ベンジルイミダゾ〔1,2−b〕イ
ソキノリン−4−イウム過塩素酸塩(式II:A=1−ベ
ンジルイミダゾ;R1 =R6 =H;X- =ClO4 - )を得
た。
【0095】(e) 25 ml のアセトニトリル中に1−ベ
ンジルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウ
ム過塩素酸塩(2 g, 5.58 ミリモル)と1,1−ジ(3
−フリル)エチレン(1.1 g, 6.87 ミリモル)を含む反
応混合物を、アルゴン下で攪拌しながら加熱して24時間
還流させた。該反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をシ
リカゲルカラムに通し(塩化メチレン/メタノール、
9:1)、 2.1 g(55.8%)の11,11−ジ(3−フリ
ル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−ベンジ
ルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過
塩素酸塩(式I:A=1−ベンジルイミダゾ;R1 =R
2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =3−フリル;X-
ClO4 - )を得た。
【0096】(f) 11,11−ジ(3−フリル)−5,10
−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−ベンジルイミダゾ
〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(2 g, 3.86 ミリモル)を DowexR 1x2-200(Cl - )に通
すことにより、前記塩を対応する塩化物塩に変換した。
溶媒を濃縮して1.65 g(94%)の塩化11,11−ジ(3−
フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−ベ
ンジルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウ
(式I:A=1−ベンジルイミダゾ;R1 =R2=R
3 =R6 =H;R4 =R5 =3−フリル;X- =Cl-
を得た。
【0097】実施例13 (a) 50 ml のアセトニトリル中の1−メチルイミダゾ
〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(4 g, 14.16ミリモル)と10 ml のエタノール中の1,
1−ジ(3−フリル)エチレン(3.4 g, 21.24ミリモ
ル)を含む反応混合物を、アルゴン下で攪拌しながら加
熱して24時間還流させた。反応混合物を真空中で濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムに通し(塩化メチレン/酢
酸エチル/メタノール、7:2:1)、5.3 g (84%)
11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ−5,10
−ジヒドロ−1−メチルイミダゾ〔1,2−b〕イソキ
ノリン−4−イウム過塩素酸塩(式I:A=1−メチル
イミダゾ;R1 =R2 =R3 =R 6 =H;R4 =R5
3−フリル;X- =ClO4 - )を得た。
【0098】(b) 11,11−ジ(3−フリル)−5,10
−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−メチルイミダゾ
〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(5.3 g, 11.97ミリモル)をDowex R 1x2-200(Cl- ) に
通すことにより、前記塩を対応する塩化物塩に変換し
た。溶媒を真空中で濃縮し、そして前記塩を真空乾燥
し、3.4g (75.1%)の塩化11,11−ジ(3−フリル)
−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−メチルイミ
ダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム(式I:
A=1−メチルイミダゾ;R1 =R2 =R3 =R6
H;R4 =R5 =3−フリル;X- =Cl- )を得た。
【0099】実施例14 (a) アルゴン下−78℃において350 mlのエーテル中の
19.6 g(0.236 モル)の1−メチル−1,2,4−トリ
アゾールの溶液に、30分間以内でn−ブチルリチウム
(91 ml, 0.236モル, ヘキサン中 2.5M)を添加し、該
混合物を−78℃にて2時間攪拌し、次いで45 ml のエー
テル中の17.3 g(0.236 モル)のDMFを添加した。該
混合物を0℃にゆっくり温め、0℃で2時間攪拌し、次
いで混合物に25 gのシリカゲルを添加した。塩化メチレ
ンを用いて全ての懸濁液をシリカカラムに詰め、溶出液
(塩化メチレン/エーテル、4:1)を濃縮して黄色オ
イルとして 17.75 g(67.7%)の1−メチル−1,2,
4−トリアゾリル−5−カルボキシアルデヒドを得た。
【0100】(b) 6.27 g(40.4ミリモル)の5−
(1,3−ジオキソラン−2−イル)−1−メチル−
1,2,4−トリアゾールと6.91 g(40.4ミリモル)の
臭化ベンジルの反応混合物を、蒸気浴上で攪拌しながら
4時間加熱した。生じた混合物を室温まで冷却し、エー
テルで粉砕し、デカンテーションして11.3 g(85.7%)
臭化4−ベンジル−5−(1,3−ジオキソラン−2
−イル)−1−メチル−1,2,4−トリアゾリウム
〔式VI:A=1−メチル−1,2,4−トリアゾール;
Y=5−(1,3−ジオキソラン−2−イル);R1
6 =H;Z- =Br- 〕を得た。
【0101】(c) 臭化4−ベンジル−5−(1,3−
ジオキソラン−2−イル)−1−メチル−1,2,4−
トリアゾリウム(11.3 g, 30ミリモル)と110 g のポリ
リン酸の混合物を100 〜110 ℃にて攪拌しながら3時間
加熱した。この混合物を室温に冷却し、氷水の中に注
ぎ、1時間攪拌し、そして濾過した。残渣を水で洗浄
し、合わせた濾液を過剰の過塩素酸ナトリウム(15 g)
で処理した。沈澱した生成物を濾過し、水で洗浄し、そ
して真空乾燥すると、1.715 g (17.46 %)の1−メチ
ル−1,2,4−トリアゾロ〔1,2−b〕イソキノリ
ン−4−イウム過塩素酸塩(式II:A=1−メチル−
1,2,4−トリアゾロ;R1 =R6 =H;X - =ClO4
- )を得た。
【0102】(d) および(e) 20 ml のニトロメタン中
に1−メチル−1,2,4−トリアゾロ〔1,2−b〕
イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩(1.715 g, 7.28
ミリモル)と1,1−ジ(3−フリル)エチレン(1.3
g, 8ミリモル)を含む反応混合物を、アルゴン下で攪拌
しながら加熱して6時間還流させた。該反応混合物を真
空中で濃縮し、固体残渣をエーテルと塩化メチレン/エ
ーテルで粉砕し、デカンテーションし、11,11−ジ(3
−フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−
メチル−1,2,4−トリアゾロ〔1,2−b〕イソキ
ノリン−4−イウム過塩素酸塩(式I:A=1−メチル
−1,2,4−トリアゾロ;R1 =R2=R3 =R6
H;R4 =R5 =3−フリル;X- =ClO4 - ;実施例14
(d) )を得た。この過塩素酸塩を DowexR 1x2-200(Cl -
)に通すことにより、対応する塩化物に変換した。前記
塩をイソプロパノール/アセトニトリルから再結晶して
1.022 g (37%)の塩化11,11−ジ(3−フリル)−
5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−メチル−1,
2,4−トリアゾロ〔1,2−b〕イソキノリン−4−
イウム(式I:A=1−メチル−1,2,4−トリアゾ
ロ;R1 =R2 =R3=R6 =H;R4 =R5 =3−フ
リル;X- =Cl- ;実施例14(e) ),m.p. 222-224℃
(d) を得た。
【0103】実施例15 (a) アルゴン下−78℃において200 mlのエーテル中の
n−ブチルリチウム(96 ml, 0.24 モル, ヘキサン中
2.5M)の溶液に、1時間に渡り100 mlのエーテル中の
4−メチルチアゾール(20 g, 0.0202モル)の溶液を滴
下添加した。この混合物を−78℃にて1時間攪拌し、次
いで120 mlのエーテル中のN−ホルミルモルホリン(22
ml, 0.22 モル)の溶液を15分以内で添加した。該混合
物を−78℃で1時間、次いで0〜−5℃で一晩攪拌し
た。次いで反応混合物を4N HCl(4×40ml)で抽出し、
水層を合わせ、氷浴中で冷却し、そして炭酸水素ナトリ
ウム溶液(pH 9)で中和した。水層をエーテル(4×80
ml)で抽出し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、
真空中で濃縮した。残渣を蒸留し(80-85 ℃/25 mm
)、 8.6 g(33.5%)の4−メチル−2−チアゾリル
カルボキシアルデヒドを得た。
【0104】(b) Dean-Starkトラップを取り付けた三
つ口フラスコ中のアルゴン下の4−メチル−2−チアゾ
リルカルボキシアルデヒド(8.6 g, 67.7 ミリモル)、
8.4g (135 ミリモル)のエチレングリコール、150 ml
のトルエンおよび 3.2 g(11.06 ミリモル)のp−トル
エンスルホン酸の混合物を、形成する水分を分離しなが
ら6時間還流させた。この混合物を室温に冷却し、氷冷
飽和炭酸ナトリウム溶液(100 ml)中に注いだ。水層を
エーテルで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮
し、15 g(粗製)の2−(1,3−ジオキソラン−2−
イル)−4−メチルチアゾール〔式V:A=4−メチル
チアゾール;Y=2−(1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)〕を得た。
【0105】(c) 2−(1,3−ジオキソラン−2−
イル)−4−メチルチアゾールと臭化ベンジルの反応混
合物を、60℃の蒸気浴上で攪拌しながら4時間加熱し
た。生じた混合物を室温に冷却し、エーテルで粉砕し、
濾過して臭化3−ベンジル−2−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル)−4−メチルチアゾリウム〔式VI:A=
4−メチルチアゾール;Y=2−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル);R1 =R6 =H;Z- =Br- 〕を得
た。
【0106】(d) 110 ℃に加熱した25 gのポリリン酸
に、攪拌下で臭化3−ベンジル−2−(1,3−ジオキ
ソラン−2−イル)−4−メチルチアゾリウム(2.317
g, 7.9ミリモル)を添加し、該混合物を3時間攪拌し
た。この混合物を室温に冷却し、200 mlの水の中に注
ぎ、3 g の過塩素酸ナトリウムで処理した。沈澱した生
成物を濾過し、水とエーテルで洗浄し、そして真空乾燥
して 1.5 g(64%)の3−メチルチアゾロ〔3,2−
b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(式II:A=3−メチ
ルチアゾロ;R1 =R6 =H;X- =ClO4 - )を得た。
【0107】(e) および(f) 25 mlのエタノール中に3
−メチルチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩
素酸塩(1.5 g, 5ミリモル)と1,1−ジ(3−フリ
ル)エチレン(1.6 g, 10 ミリモル)を含む反応混合物
を、アルゴン下で攪拌しながら加熱して一晩還流させ
た。該反応混合物を冷却し、濾過して褐色固体(1.91
g)を得、この褐色固体をシリカカラムに通し(塩化メ
チレン/アセトニトリル、7:3)、固体として 1.8 g
(78.4%)の11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタ
ノ−5,10−ジヒドロ−3−メチルチアゾロ〔3,2−
b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(式I:A=3−メチ
ルチアゾール;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R
5 =3−フリル;X- =ClO4 - ;実施例15(e) )を得
た。この過塩素酸塩を DowexR 1x2-200(Cl - )に通すこ
とにより、対応する塩化物に変換した。前記塩をアセト
ニトリルに溶かし、水で洗浄し、有機層を真空中で濃縮
し、そして残渣を乾燥して1.19 g(54%)の塩化11,11
−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒド
ロ−3−メチルチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウ
(式I:A=3−メチルチアゾール;R1 =R2 =R
3 =R6 =H;R4 =R5 =3−フリル;X- =Cl-
実施例15(f) )を得た。
【0108】実施例16 (a) アルゴン下−78℃において50 ml のエーテル中の
n−ブチルリチウム(24 ml, 0.06 モル, ヘキサン中
2.5M)の溶液に、25 ml のエーテル中の5−メチルチ
アゾール(5 g, 0.05 モル)の溶液を滴下添加した。こ
の混合物を−78℃にて1時間攪拌し、次いで30 ml のエ
ーテル中のN−ホルミルモルホリン(5.5ml, 0.055 モ
ル)の溶液を15分以内で添加した。該混合物を−78℃で
1時間、次いで0〜−5℃で一晩攪拌した。次いで反応
混合物を4N HCl(4×10ml)で抽出し、水層を合わせ、
氷浴中で冷却し、そして炭酸水素ナトリウム溶液(pH
9)で中和した。水層をエーテル(4×20ml)で抽出
し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃
縮した。残渣を真空乾燥して 4.5 g(70.8%)の5−メ
チル−2−チアゾリルカルボキシアルデヒドを得た。
【0109】(b) Dean-Starkトラップを取り付けた三
つ口フラスコ中のアルゴン下の5−メチル−2−チアゾ
リルカルボキシアルデヒド(4.5 g, 34.5 ミリモル)、
3.9ml(70ミリモル)のエチレングリコール、100 mlの
トルエンおよび 1.6 g(8.75ミリモル)のp−トルエン
スルホン酸一水和物の混合物を、形成する水分を分離し
ながら一晩還流させた。この混合物を室温に冷却し、氷
冷飽和炭酸ナトリウム溶液(100 ml)中に注いだ。水層
をエーテルで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮
し、5.4 g (粗製)の2−(1,3−ジオキソラン−2
−イル)−5−メチルチアゾール〔式V:A=5−メチ
ルチアゾール;Y=2−(1,3−ジオキソラン−2−
イル)〕を得た。
【0110】(c) 上記2−(1,3−ジオキソラン−
2−イル)−5−メチルチアゾール(5.4 g )と臭化ベ
ンジル(15ml)の反応混合物を室温で3日間攪拌した。
生じた固体混合物を100 mlのエーテル中で粉砕し、デカ
ンテーションした。20 ml の48%HBr 溶液を添加した
後、混合物を120 ℃で4時間加熱し、次いで室温に冷却
し、生じた溶液を水で希釈し、そして過塩素酸ナトリウ
ムで処理した。沈澱した褐色固体を濾過し、真空中で乾
燥して4.25 g(28.3%)の2−メチルチアゾロ〔3,2
−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(式II:A=2−メ
チルチアゾロ;R 1 =R6 =H;X- =ClO4 - )を得
た。
【0111】(d) および(e) 40 mlのエタノールと5 ml
のアセトニトリルの中に2−メチルチアゾロ〔3,2−
b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(1.25 g, 4.35ミリモ
ル)と1,1−ジ(3−フリル)エチレン(0.72 g, 4.
5 ミリモル)を含む反応混合物を、アルゴン下で攪拌し
ながら加熱して一晩還流させた。該反応混合物を冷却
し、真空中で濃縮して固体を得、この固体をシリカカラ
ム上でのフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン
/酢酸エチル/メタノール、7:2:1)により精製
し、11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ−5,
10−ジヒドロ−2−メチルチアゾロ〔3,2−b〕イソ
キノリニウム過塩素酸塩(式I:A=2−メチルチアゾ
ロ;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =3−フ
リル;X- =ClO4 - ;実施例16(d) )を得た。この過塩
素酸塩をDowex R 1x2-200(Cl- ) に通すことにより、対
応する塩化物に変換した。溶出液を濾過し、エーテル
(1/2 容)で抽出し、水層を真空中で濃縮し(40℃)、
0.4 g(24%)の塩化11,11−ジ(3−フリル)−5,
10−エタノ−5,10−ジヒドロ−2−メチルチアゾロ
〔3,2−b〕イソキノリニウム(式I:A=2−メチ
ルチアゾロ;R1 =R2 =R 3 =R6 =H;R4 =R5
=3−フリル;X- =Cl- ;実施例16(e) )を得た。
【0112】実施例17 11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ−5,10−
ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩
素酸塩(0.5 g )を攪拌しながら10 ml の酢酸と90 ml
の水に溶かし、次いで黄褐色が持続するまで臭素を滴下
添加した。混合物を冷却し、濾過し、濾液を真空中で濃
縮した。生じた残渣を水に溶かし、過塩素酸ナトリウム
で処理し、そして固体を濾過し、乾燥して60 mg の11,
11−ジ(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−3−フリル)
−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2
−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩〔式I:A=チアゾ
ロ;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =(5−
オキソ−4,5−ジヒドロ−3−フリル);X- =ClO4
- 〕を得た。濾液を塩化メチレン(4×50ml)とクロロ
ホルム(1×100 ml)で抽出し、合わせた有機層を硫酸
ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、得られた残渣
をシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィ
ー(塩化メチレン/酢酸エチル/メタノール、7:2:
1)により精製し、更に50 mg の11,11−ジ(5−オキ
ソ−4,5−ジヒドロ−3−フリル)−5,10−エタノ
−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリ
ニウム過塩素酸塩を得た。
【0113】実施例18 (a) 450 mlのエタノール中のピラゾール(88.3 g, 1.
297 モル)とホルマリン(116 ml, 33%, 1.4 モル)の
混合物に、0℃においてピロリジン(101.2 g,1.425モ
ル)を滴下添加し、そして混合物を窒素下で加熱して5
時間還流させた。反応混合物を冷却し、真空中で濃縮し
た。残渣を蒸留して(57-58 ℃/0.05 mm )140 g (5
5.12 %)の1−(1−ピロリジノメチル)ピラゾール
を得た。
【0114】(b) アルゴン下−78℃において 1.7 Lの
THF中の1−(1−ピロリジノメチル)ピラゾール
(91.5 g, 0.606 モル)の溶液に、30分間に渡り24.5 m
l (0.612 モル)の2.5 M n−ブチルリチウムを滴下
添加した。この混合物を−78℃にて1.5 時間攪拌し、次
いでDMPU(155 g, 1.21 モル)を添加し、30分間攪拌
し、次いで100 mlのTHF中の38.4 g(0.288 モル)の
N−メチル−N−メトキシウレタンを添加した。生じた
反応混合物をゆっくり室温まで温め、一晩攪拌した。該
混合物を500 mlの水でクエンチングし、攪拌し、そして
水層を酢酸エチル(2×500 ml)で抽出した。合わせた
有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮し
た。残渣をジオキサン/エーテル(1L,2:1)中に
溶かし、これに500 mlの6N HClを添加し、窒素下で20時
間攪拌した。水層をNaClで飽和し、濾過し、THF/エ
ーテル(2:1,6×300 ml)で抽出した。合わせた有
機層を真空中で濃縮し、残渣(53 g)を500 mlのクロロ
ホルム/ヘキサン(1:1)中で粉砕し、濾過し、エー
テルで洗浄し、乾燥して22 g(47.2%)の1,1−ジ
(5−ピラゾリル)ケトンを得た。
【0115】(c) 0℃の100 mlのDMF中の 2.9 g
(0.12モル)のNaHの懸濁液に、100mlのDMF中の 8
g(0.05モル)の1,1−ジ(5−ピラゾリル)ケトン
を添加し、該混合物を室温で0.5 時間攪拌し、次いで50
℃で30分間攪拌した。上記混合物にp−メトキシベンジ
ルクロリド(25 g, 0.16モル)を加え、窒素下で50℃に
て3時間攪拌した。次いで室温で一晩攪拌した後、真空
中で濃縮し、残渣を500mlの酢酸エチルに溶かし、水
(3×100 ml)とブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、残渣をシリカ上でのクロマトグラ
フィー(酢酸エチル/ヘキサン/MDC、5:3:2)
により精製し、13 g(43.2%)の1,1−ジ〔(1−p
−メトキシベンジル)ピラゾール−3−イル〕ケトン
得た。
【0116】(d) 0℃の500 mlのTHF中のカリウム
−t−ブトキシド(5.8 g, 0.051モル)の溶液に、窒素
下で臭化メチルトリフェニルホスホニウム(17.5 g, 0.
048モル)を添加し、該混合物を室温で2時間攪拌し
た。上記混合物に250 mlのTHF中の1,1−ジ〔(1
−p−メトキシベンジル)ピラゾール−3−イル〕ケト
ン(13 g, 0.032 モル)を添加し、窒素下で室温におい
て1時間攪拌した。上記混合物をアセトンで急冷し、濾
過パッドを通して濾過し、残渣をエーテルで洗浄した。
合わせた有機濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカ上で
のクロマトグラフィー(エーテル/ヘキサン、1:1)
により精製し、4 g (30.7%)の1,1−ジ〔(1−p
−メトキシベンジル)ピラゾール−3−イル〕エチレン
(式III ;R2 =R3 =H;R4 =R5 =1−p−メト
キシベンジル−3−ピラゾリル)を得た。
【0117】(e) 125 mlのエタノールと25 ml のアセ
トニトリル中にチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウ
ム過塩素酸塩(2.4 g, 8.4ミリモル)と1,1−ジ
〔(1−p−メトキシベンジル)ピラゾール−3−イ
ル〕エチレン(4 g, 0.01 ミリモル)を含む反応混合物
を窒素下で12時間還流させた。該反応混合物を室温に冷
却し、固体生成物を濾過し、エーテルで洗浄し、そして
真空乾燥し、4.65 g(81.6%)の11,11−ジ〔(1−p
−メトキシベンジル)ピラゾール−3−イル〕−5,10
−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イ
ソキノリニウム過塩素酸塩(式I:A=チアゾロ;R1
=R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =1−p−メトキ
シベンジル−3−ピラゾリル;X- =ClO4 - )を得た。
【0118】(f) 100 mlのトリフルオロ酢酸中の4.4
g (6.4 ミリモル)の11,11−ジ〔(1−p−メトキシ
ベンジル)ピラゾール−3−イル〕−5,10−エタノ−
5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニ
ウム過塩素酸塩の溶液を窒素下で30時間還流させた。反
応混合物を真空中で濃縮し、残渣を600 mlの50%メタノ
ール/水の中で粉砕し、固体生成物を濾過し、250 mlの
メタノール/水(1:1)で洗浄した。得られた固体を
シリカ上でのクロマトグラフィー(酢酸エチル/PA
W、1:1)により精製し、2.4 g (87.27 %)の11,
11−ジ(ピラゾール−5−イル)−5,10−エタノ−
5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニ
ウム酢酸塩(式I:A=チアゾロ;R1 =R2 =R3
6 =H;R 4 =R5 =5−ピラゾリル;X- =OAc
- )を得た。
【0119】(g) 11,11−ジ(ピラゾール−5−イ
ル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ
〔3,2−b〕イソキノリニウム酢酸塩(2.4 g, 5.6ミ
リモル)をDowex R 1x2-200(Cl- )(200 g)に通すことに
より、前記酢酸塩を対応する塩化物塩に変換し、1.5 g
塩化11,11−ジ(ピラゾール−5−イル)−5,10−
エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソ
キノリニウムを得た。上記固体を25 ml の水に再溶解
し、10%過塩素酸ナトリウム溶液で処理し、生じた固体
を温かいメタノール中で粉砕し、濾過し、1.5 g (60
%)の11,11−ジ(ピラゾール−5−イル)−5,10−
エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソ
キノリニウム過塩素酸塩(式I:A=チアゾロ;R1
2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =5−ピラゾリル;
- =ClO4 - )を得た。
【0120】(h) 11,11−ジ(ピラゾール−5−イ
ル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ
〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(1.5 g )
をDowex R1x2-200(Cl- )(200 g)に通すことにより、前
記過塩素酸塩を対応する塩化物塩に変換し、固体として
0.9 g(70.3%)の塩化11,11−ジ(ピラゾール−5−
イル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ
〔3,2−b〕イソキノリニウム(式I:A=チアゾ
ロ;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =5−ピ
ラゾリル;X- =Cl- )を得た。
【0121】実施例19 (a) アルゴン下で0℃の100 mlの乾燥DMF中の 10.
88 g(0.16モル)のイミダゾールの溶液に、 6.4 g(0.
16モル)の60%NaHを添加し、該混合物を0℃で30分間
攪拌し、次いで室温で1時間攪拌した。上記混合物を0
℃に冷却した後、25 g(0.16モル)のp−メトキシベン
ジルクロリドを加え、室温で24時間攪拌した。反応混合
物を真空中で濃縮し、残渣を塩化メチレンと水の間に分
配させた。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中
で濃縮して35.6 gの粗生成物を得、これをシリカ上での
クロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール、9:
1)により精製し、25.3 g(84.2%)の1−(p−メト
キシベンジル)イミダゾールを得た。
【0122】(b) アルゴン下−78℃に冷却した200 ml
の乾燥THF/エーテル(1:1)中の18.0 g(0.1 モ
ル)の1−(p−メトキシベンジル)イミダゾールの溶
液に、100 mlのエーテル中のn−ブチルリチウム(7.04
g, 44ml, 0.11ミリモル, ヘキサン中2.5 M )を添加
し、この混合物を−78℃で2時間攪拌し、そこに20 ml
のエーテル中のDMF(10.96 g, 0.15 ミリモル)を添
加した。該混合物を攪拌しながらゆっくり0℃まで温
め、次いでメタノール中のDowex R 50x2-200 (+ H)に
よりクエンチングし、0℃で30分間攪拌し、次いでそこ
に100 g のシリカゲルを加えた。塩化メチレンを使って
全ての懸濁液をシリカゲルカラムに詰め、そして溶出液
を濃縮して16.3 gの1−(p−メトキシベンジル)イミ
ダゾリル−2−カルボキシアルデヒドを得た。
【0123】(c) −40℃に冷却した200 mlのエーテル
中の11.2 g(0.06モル)のo−ブロモベンジルアルコー
ルの混合物に、48 ml (0.12モル)のヘキサン中の2.5
M n−ブチルリチウム、次いで6.97 g(0.061 モル)の
TMEDA を分割して添加し、反応混合物をゆっくり室温ま
で温め、2時間攪拌した。上記反応混合物を−20℃に冷
却し、25 ml のエーテル中の16.7 g(0.075 モル)の1
−(p−メトキシベンジル)イミダゾリル−2−カルボ
キシアルデヒドを添加し、そして生じた反応混合物を室
温に戻した。1時間後、塩化アンモニウム溶液を添加し
た。次いで酢酸エチルを使ってジオールを抽出し、硫酸
ナトリウム上で乾燥し、溶媒を真空中で留去した。残渣
をシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィー(塩化メ
チレン/メタノール、9:1)により精製し、9 g の
−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒドロキシメチル)ベン
ジル〕−1−(p−メトキシベンジル)イミダゾール
〔式IX:A=1−(p−メトキシベンジル)イミダゾー
ル;R1 =R6 =H〕を得た。
【0124】(d) 3.24 g(10ミリモル)の2−〔1−
ヒドロキシ−(2′−ヒドロキシメチル)ベンジル〕−
1−(p−メトキシベンジル)イミダゾールと25 ml の
POCl 3 の混合物を攪拌しながら48時間還流させた。生じ
た溶液を冷却し、氷上に注ぎ、得られた溶液を温かいヘ
キサフルオロリン酸カリウム溶液で処理し、生じた固体
を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して 2.9 g(66%)
1−(p−メトキシベンジル)イミダゾ〔1,2−
b〕イソキノリン−4−イウムヘキサフルオロリン酸塩
〔式II:A=1−(p−メトキシベンジル)イミダゾ;
1 =R6 =H;X- =PF6 - 〕を得た。
【0125】(e) 70 ml のアセトニトリル中に1−
(p−メトキシベンジル)イミダゾ〔1,2−b〕イソ
キノリン−4−イウムヘキサフルオロリン酸塩(2.8 g,
6.54ミリモル)と1,1−ジ(3−フリル)エチレン
(1.55 g, 9.675 ミリモル)を含む反応混合物を攪拌し
ながらアルゴン下で48時間還流させた。該反応混合物を
真空中で濃縮し、残渣をテーテルで粉砕し、デカンテー
ションした。粗製残渣をシリカゲルカラムに通し(塩化
メチレン/酢酸エチル/メタノール、7:2:1)、2.
16 g(67%)の11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エ
タノ−5,10−ジヒドロ−1−(p−メトキシベンジ
ル)イミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム
ヘキサフルオロリン酸塩〔式I:A=1−(p−メトキ
シベンジル)イミダゾ;R1 =R2 =R3 =R6 =H;
4 =R5 =3−フリル;X- =PF6 - 〕を得た。
【0126】(f) 11,11−ジ(3−フリル)−5,10
−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−(p−メトキシベン
ジル)−イミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イ
ウムヘキサフルオロリン酸塩(2.6 g, 4.4ミリモル)を
Dowex R 1x2-200(Cl- ) に通すことにより、前記塩を対
応する塩化物塩に変換した。溶媒を濃縮し、残渣を温水
に再溶解し、濾過し、そして濾液を真空中で濃縮して
1.5 gの塩化11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタ
ノ−5,10−ジヒドロ−1−(p−メトキシベンジル)
イミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム〔式
I:A=1−(p−メトキシベンジル)イミダゾ;R1
=R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =3−フリル;X
- =Cl- 〕を得た。
【0127】実施例20 0℃の250 mlのエーテル中の1−インダノン(23.78 g,
0.18 モル)の溶液に、30分間に渡りエーテル中のフェ
ニルリチウム 100ml(エーテル中 1.8M)を滴下添加
し、この混合物を室温に温め、1時間攪拌した。該反応
混合物を冷却した飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、
エーテル(2×200 ml)で抽出し、合わせた有機層をブ
ラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。
有機溶媒を減圧下で留去し、残渣に70 ml の酢酸中20%
硫酸を加え、2分間攪拌した。上記溶液に水(100 ml)
とエーテル(3×200 ml)を添加し、有機層を炭酸水素
ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、
濾過し、濃縮した。その残渣にトルエン(300 ml)を加
えた後、蒸留(酢酸の共沸除去)して褐色オイルを得
た。この褐色オイルをクロマトグラフィー(シリカ;ヘ
キサン/塩化メチレン、2:1)により精製し、無色オ
イルとして 15.58 g(45.82 %)の1−フェニルインデ
を得た。加えて副生成物として11 gの1−フェニル−
1−アセトキシインダンが単離された。
【0128】実施例21 (a) 0℃に冷却した500 mlの塩化メチレン中の3−
(4−メトキシフェニル)プロピオン酸(50.34 g, 0.2
79モル)の溶液に、0℃において30.5 ml (0.418 モ
ル)の塩化チオニルをゆっくり加え、混合物を室温で10
時間攪拌し、溶媒を真空中で留去した。残渣を1000 ml
の塩化メチレンに溶かし、0℃に冷却し、40.92 g (0.
306 モル)の塩化アルミニウムを少しずつ加え、生じた
混合物を室温で1時間攪拌した。上記混合物を氷上に注
ぎ、セライトを通して濾過し、そして水層を塩化メチレ
ン(2×200 ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウム
上で乾燥し、真空中で濃縮し、残渣をヘキサンで抽出
し、40 g(86%)の6−メトキシ−1−インダノンを得
た。
【0129】(b) −20℃に冷却した500 mlのエーテル
中の20.0 g(0.123 モル)の6−メトキシ−1−インダ
ノンの溶液に、シクロヘキサン/エーテル中の1.8 Mフ
ェニルリチウム 72 ml(0.129 モル)を加え、該混合物
を室温で1時間攪拌した。追加(10 ml )のフェニルリ
チウム溶液を加え、室温で1時間攪拌した。該反応混合
物に飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、生じた混合物
を酢酸エチル(3×250 ml)で抽出し、有機層を硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、32.3 gの粗(溶
媒を含む)6−メトキシ−1−フェニルインダン−1−
オールを得た。
【0130】(c) 1.5 L のトルエンに32 g(0.133 モ
ル)の6−メトキシ−1−フェニルインダン−1−オー
ルと100 mgのp−トルエンスルホン酸を添加し、該混合
物をRotovap R 上に置き、褐色オイル残渣が得られるま
で溶媒を減圧蒸留(40mm)した。この褐色オイルをクロ
マトグラフィー(シリカ;ヘキサン/塩化メチレン、
1:1)により精製し、黄色オイルとして17.47 g (6
0.2%)の1−フェニル−6−メトキシインデンを得
た。
【0131】実施例22 (a) ジヒドロクマリン(35 g, 0.236 モル)を62.9 g
(0.472 モル)の塩化アルミニウムに加え、該混合物を
200 ℃の油浴中で攪拌しながら2.5 時間加熱した。反応
混合物を冷却し、氷(300 g )上に注ぎ、300 mlの塩化
メチレンを添加し、冷却し、そして更に400 mlの塩化メ
チレンを添加した。この混合物を濾過し、固体残渣を熱
メタノール中に溶かし、濾過し、濾液を冷却して14.5 g
(41%)の4−ヒドロキシインダン−1−オンを得た。
【0132】(b) 4−ヒドロキシインダン−1−オン
(14.5 g, 0.0979モル)と27.08 g(0.195 モル)の炭
酸カリウムの混合物に、攪拌しながら500 mlのアセトン
と48.7 ml (0.78モル)のメタノールを添加し、生じた
混合物を加熱して4時間還流させ、次いで冷却し、室温
に10時間静置しておいた。上記混合物を濾過し、真空中
で濃縮し、固体残渣をメタノールに溶かし、熱濾過し
た。濾液を100 mlの容量まで濃縮し、冷却し、そして濾
過して12.6 g(79%)の4−メトキシインダン−1−オ
を得た。
【0133】(c) 0℃に冷却した250 mlのエーテル中
の9.38 g(0.057 モル)の4−メトキシ−1−インダノ
ンの溶液に、シクロヘキサン/エーテル中の1.8 Mフェ
ニルリチウム 33.72 ml (0.0607モル)を5分間に渡り
滴下添加し、該混合物を室温で1時間攪拌した。追加
(10 ml )のフェニルリチウム溶液を加え、室温で1時
間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム溶液を
添加し、生じた混合物を酢酸エチル(3×100 ml)で抽
出し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で
乾燥し、真空中で濃縮し、14.3 gの粗4−メトキシ−1
−フェニルインダン−1−オールを得た。これを更に精
製せずにそのまま次の段階に使った。
【0134】(d) 1 L のトルエンに14 g(0.058 モ
ル)の4−メトキシ−1−フェニルインダン−1−オー
ルと100 mgのp−トルエンスルホン酸を添加し、該混合
物をRotovap R 上に置き、オイル残渣が得られるまで溶
媒を減圧蒸留(40mm)した。このオイルをクロマトグラ
フィー(シリカ;ヘキサン/塩化メチレン、1:1に次
いでエーテル)により精製し、淡赤色オイルとして 8.6
g(60.2%)の1−フェニル−4−メトキシインデン
得た。
【0135】実施例23 (a) −78℃に冷却した150 mlのエーテル中の13.17 ml
(0.104 モル)の3−ブロモアニソールの溶液に、ヘキ
サン中の10M n−ブチルリチウム 10.4 ml(0.104 モ
ル)を加え、該混合物を室温まで温めた(10分)。上記
混合物を−20℃に冷却し、20 ml のTHF中の12.5 g
(0.094 モル)のインダノンを添加し、該混合物を室温
まで温め、次いで1時間攪拌した。この混合物に飽和塩
化アンモニウム溶液を添加し、生じた混合物を酢酸エチ
ル(3×50ml)で抽出し、有機層をブラインで洗浄し、
硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、褐色オイ
ルとして23.3 gの粗1−(3−メトキシ)フェニルイン
ダン−1−オールを得、これを更に精製せずにそのまま
次の段階に使った。
【0136】(b) 23 g(0.095 モル)の1−(3−メ
トキシ)フェニルインダン−1−オールと100 mgのp−
トルエンスルホン酸の混合物に1 L のトルエンを添加
し、該混合物をRotovap R 上に置き、オイル残渣が得ら
れるまで溶媒を減圧蒸留(40mm)した。このオイルをク
ロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン/塩化メチレン、
1:1)により精製し、淡黄色オイルとして17.0 g(8
0.1%)の1−(3−メトキシフェニル)インデンを得
た。
【0137】実施例24 (a) −78℃に冷却した70 ml のエーテル中に溶かした
2.7 ml(0.027 モル)のヘキサン中10Mのn−ブチルリ
チウムの溶液に、4 g (0.027 モル)の3−ブロモフラ
ンを加え、該混合物を15分間攪拌した。上記の冷却混合
物に10 ml のTHF中の3.17 g(0.024 モル)のインダ
ノンを添加し、該混合物を室温に戻し、次いで20分間攪
拌した。この混合物に飽和塩化アンモニウム溶液を添加
し、生じた混合物を酢酸エチル(3×100 ml)で抽出
し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、真空中で濃縮し、橙色オイルとして5 g の粗1−
(3−フリル)インダン−1−オールを得、これをその
まま次の段階に使った。
【0138】(b) 500 mlのトルエン中の 5 g(0.024
モル)の1−(3−フリル)インダン−1−オールの混
合物に50 mg のp−トルエンスルホン酸を添加し、該混
合物をRotovap R 上に置き、残渣が得られるまで溶媒を
真空中で留去(40mm)した。この残渣をクロマトグラフ
ィー(シリカ;ヘキサン/塩化メチレン、1:1)によ
り精製し、透明オイルとして 2.7 g(61.3%)の1−
(3−フリル)インデンを得た。
【0139】実施例25 −78℃に冷却した200 mlのエーテル中に溶かした 10.2
ml(0.102 モル)のヘキサン中10M n−ブチルリチウ
ムの溶液に、15 g(0.102 モル)の3−ブロモフランを
滴下添加し、該混合物を15分間攪拌した。上記の冷却混
合物に50 ml のTHF中の12.61 g (0.092 モル)の
4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン−7−オン
を添加し、該混合物を室温まで温め、次いで15分間攪拌
した。この混合物に飽和塩化アンモニウム溶液を添加
し、生じた混合物を酢酸エチル(3×100 ml)で抽出
し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、真空中で濃縮し、赤色オイルとして16.3 g(86
%)の4,5,6,7−テトラヒドロ−7−(3−フリ
ル)ベンゾフラン−7−オールを得た。
【0140】400 mlのトルエン中の16.3 gの上記アルコ
ールの混合物に100 mgのp−トルエンスルホン酸を添加
し、該混合物をRotovap R 上に置き、赤褐色残渣が得ら
れるまで溶媒を真空中で留去(40mm/50℃)し、赤色オ
イルとして14.3 g(96%)の4,5−ジヒドロ−7−
(3−フリル)ベンゾフランを得た。
【0141】実施例26 (a) −78℃に冷却した4 ml(0.04モル)のヘキサン中
10M n−ブチルリチウムの溶液に、100 mlのエーテル
中の 3.59 ml(0.04モル)の3−ブロモフランを滴下添
加し、該混合物を10分間攪拌した。上記の冷却溶液に5.
49 g(0.036 モル)の4,5,6,7−テトラヒドロ−
3−メチルベンゾイソオキサゾール−7−オンを添加
し、該混合物を室温に戻し、次いで1時間攪拌した。こ
の混合物に飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、生じた
混合物を酢酸エチル(3×100 ml)で抽出し、有機層を
ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中
で濃縮し、褐色オイルとして 7.6 g(96%)の7−(3
−フリル)−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒド
ロベンゾイソオキサゾール−7−オールを得た。
【0142】(b) 300 mlのトルエン中の7.6 g の7−
(3−フリル)−3−メチル−4,5,6,7−テトラ
ヒドロベンゾイソオキサゾール−7−オールの混合物に
100mgのp−トルエンスルホン酸を添加し、該混合物をR
otovap R 上に置き、オイル残渣が得られるまで溶媒を
真空中で留去(80℃)した。上記残渣にトルエン(200
ml)を加え、該混合物をRotovap R 上に置き、溶媒を真
空中で留去して反応を完結させた。得られたオイルをク
ロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン/塩化メチレン、
1:1)により精製し、透明オイルとして3.36 g(95
%)の7−(3−フリル)−3−メチル−4,5−ジヒ
ドロベンゾイソオキサゾール(式III :R 2 =H;
【化11】 ;R4 =3−フラニル)を得た。
【0143】実施例27 20 g(0.147 モル)の4,5,6,7−テトラヒドロベ
ンゾフリル−4−オンの溶液に31.8 ml のオルト蟻酸ト
リエチル、34.5 ml のエタノールおよび100 mgのp−ト
ルエンスルホン酸を加え、該混合物を16時間攪拌した。
上記混合物に2g の炭酸カリウムを加え、5分間攪拌
し、濾過し、そして真空中で濃縮すると、4−エトキシ
−6,7−ジヒドロベンゾフランと出発物質の4,5,
6,7−テトラヒドロベンゾフリル−4−オンの2:1
混合物 24.1 g が得られた。
【0144】実施例28 (a) −20℃に冷却した150 mlのエーテル中の11.1 g
(0.0939モル)のベンゾフランの溶液に、9.39 ml (0.
0939モル)のヘキサン中10M n−ブチルリチウムの溶
液を添加し、該混合物を0℃まで温め、30分間攪拌し
た。上記混合物を−78℃に冷却し、20 ml のエーテル中
の10.6 g(0.078 モル)の4,5,6,7−テトラヒド
ロベンゾフラン−4−オンを滴下添加し、該混合物を室
温まで温め、次いで1時間攪拌した。この混合物に飽和
塩化アンモニウム溶液を添加し、生じた混合物を酢酸エ
チル(3×100 ml)で抽出した。有機層をブラインで洗
浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、放
置しておくと黄色固体として結晶化するオイルとして 1
9.3 g (97%)の4,5,6,7−テトラヒドロ−4−
(2−ベンゾフリル)ベンゾフラン−7−オールを得
た。
【0145】(b) 400 mlのトルエン中の19.3 gの4,
5,6,7−テトラヒドロ−4−(2−ベンゾフリル)
ベンゾフラン−7−オールの混合物に100 mgのp−トル
エンスルホン酸を添加し、該混合物をRotovap R 上に置
き、残渣が得られるまで溶媒を真空中で留去(60℃)し
た。上記残渣をシリカ上でのクロマトグラフィー(ヘキ
サン/塩化メチレン、 1.5:1)により精製し、橙色オ
イルとして15.3 g(86%)の6,7−ジヒドロ−4−
(2−ベンゾフリル)ベンゾフラン(式III :R 2
H;
【化12】 ;R4 =2−ベンゾフリル)を得た。
【0146】実施例29 (a) 250 mlのトルエン中のフラン−3−カルボン酸
(26 g, 0.23モル)の溶液に、24.15 ml(0.276 モル)
の塩化オキサリルと1滴のピリジンを加え、該混合物を
蒸気浴上で2時間加熱した。これを室温に冷却し、N,
O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(24.66 g, 0.253
モル)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP, 1.2 g,
0.01 モル)および600 mlの塩化メチレンを添加した。
この混合物を0℃に冷却し、50 ml の塩化メチレン中の
50.1 ml のピリジンをゆっくり添加し、混合物を室温ま
で温め(3時間)、次いで2 g のN,O−ジメチルヒド
ロキシアミン塩酸塩と1 g の4−ジメチルアミノピリジ
ン(DMAP)を加えた。生じた混合物を12時間攪拌し、0
℃に冷却し、濾過し、濾液を3N HCl、ブラインで洗浄
し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮して14 g
(39%)の3−(N−メチル−N−メトキシカルバモイ
ル)フランを得た。
【0147】(b) −78℃に冷却した150 mlのTHF中
の3−(N−メチル−N−メトキシカルバモイル)フラ
ン(14 g, 0.09モル)の溶液に、 36.1 ml(0.108 モ
ル)のエーテル中3M臭化メチルマグネシウムを少しず
つ添加し、該混合物を室温まで温め、次いで30分間攪拌
した。上記混合物に冷2N HCl(100 ml)を加え、水層を
エーテル(3×100 ml)で抽出し、合わせた有機層をブ
ラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で
濃縮して淡黄色オイルを得た。このオイルをシリカ上で
のクロマトグラフィー(塩化メチレン/ヘキサン 2:
1)により精製し、白色固体として結晶化する無色オイ
ルとして6.95 g(70.2%)の1−(3−フリル)−1−
プロパノンを得た。
【0148】(c) 150 mlの塩化メチレン中の1−(3
−フリル)−1−プロパノン(6.75g, 0.0612モル)の
攪拌混合物に、攪拌しながらTEOF(13.2 ml, 0.079モ
ル)に次いで100 mgのp−トルエンスルホン酸を添加
し、生じた混合物を126 時間攪拌した。上記反応混合物
に炭酸カリウム(2 g )を加え、10分間攪拌し、濾過
し、真空中で濃縮した。残渣を蒸留し(35 mm, 82-85
℃)、無色オイルとして 2.5 g(29%)の1−(3−フ
リル)−1−エトキシエチレン(式III :R2 =R3
H;R4 =CH3CH2O ;R5 =3−フラニル)を得た。
【0149】実施例30 250 mlの塩化メチレン中の(2,5−ジメチル−3−ア
セチル)フラン(12.5g, 0.09モル)、300 mgのp−ト
ルエンスルホン酸、21.2 ml (0.35モル)のエタノール
および 29.9 ml(0.18モル)オルト蟻酸トリエチルの混
合物を室温で72時間攪拌し、次いで1 g の炭酸カリウム
を加えた。該混合物を5分間攪拌し、濾過し、真空中で
濃縮した。残渣を蒸留し(40-45 mm/115-125 ℃)、無
色オイルとして7.94 g(53.2%)の1−〔(2,5−ジ
メチル)−3−フリル〕−1−エトキシエチレン(式II
I :R2 =R3 =H;R4 =CH3CH2O ;R5 =2,5−
ジメチル−3−フラニル)を得た。
【0150】実施例31 (a) 0℃に冷却した50 ml のTHF中の3,3−ジフ
リルメタノン(3 g, 0.0185 モル)の溶液に、7.4 ml
(0.022 モル)のエーテル中3M臭化エチルマグネシウ
ムを添加し、該混合物を室温まで温め、次いで30分間攪
拌した。上記混合物に塩化アンモニウム溶液を加え、酢
酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥
し、真空中で濃縮して褐色オイルとして 2.5 g(70.4
%)の1,1−(ジ−3−フリル)プロパノールを得
た。
【0151】(b) トルエン中の1,1−(ジ−3−フ
リル)−1−プロパノール(2.95 g, 0.0153モル)と15
0 mgのp−トルエンスルホン酸の混合物を70℃に加熱
し、該混合物を減圧蒸留してトルエンを留去して淡黄色
オイルを得た。上記オイルをシリカ上でのクロマトグラ
フィー(ヘキサン/塩化メチレン、3:1)により精製
し、無色オイルとして500 mg(18.7%)の1,1−(ジ
−3−フリル)−2−メチルエチレン(式III :R2
CH3 ;R3 =H;R4 =R5 =3−フリル)を得た。
【0152】実施例32 (a) −78℃に冷却した150 mlのエーテル中の 7.22 ml
(0.0722モル)のヘキサン中10Mのn−ブチルリチウム
の溶液に、10.62 g (0.0722モル)の3−ブロモフラン
を添加し、該混合物を15分間攪拌した。上記冷却混合物
に25 ml のTHF中の10 g(0.0656モル)の4,5,
6,7−テトラヒドロチアナフテン−4−オンを添加
し、該混合物を室温まで温め、次いで攪拌した。この混
合物に飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、生じた混合
物を酢酸エチル(3×100 ml)で抽出し、有機層をブラ
インで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃
縮し、褐色オイルとして 13.6 g (94.2%)の4−(3
−フリル)−4,5,6,7−テトラヒドロチアナフテ
ン−4−オールを得た。
【0153】(b) 250 mlのトルエン中の13.6 gの4−
(3−フリル)−4,5,6,7−テトラヒドロチアナ
フテン−4−オールの混合物に600 mgのp−トルエンス
ルホン酸を添加した。該混合物をRotovap R 上に置き、
残渣が得られるまでトルエンを真空中で留去(60℃)し
た。上記残渣をクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン
/塩化メチレン、3:1)により精製し、淡黄色オイル
として11.6 g(92.9%)の4−(3−フリル)−6,7
−ジヒドロチアナフテンを得た。
【0154】実施例33 0℃に冷却した300 mlのジクロロエタン中のブロモベン
ゼン(100 g, 0.63 モル)の溶液に169.6 g (1.27モ
ル)の塩化アルミニウムを添加した。該混合物を攪拌し
(1分間)、50 ml のシクロロエタン中の37.6 g(0.37
8 モル)の1,1,1−トリクロロエタンを加え、0℃
で1時間攪拌した。上記混合物を500 g の氷で希釈し、
30%水酸化ナトリウム溶液で塩基性にし、濾過し、水層
を塩化メチレン(2×500 ml)で抽出し、合わせた有機
層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮して褐色
オイルを得た。この褐色オイルをヘキサン(2×150 m
l)から結晶化させ、白色固体として 10.5 g の1,1
−ジ(4−ブロモ)フェニルエチレン(式III :R2
3 =H;R4 =R5 =4−ブロモフェニル)を得た。
母液を真空中で濃縮し、シリカ上でのクロマトグラフィ
ー(ヘキサン)にかけ、18.5 g(合計29 g, 27%)の追
加の白色固体を得た。
【0155】実施例34 150 mlのエーテル中の臭化メチルトリフェニルホスホニ
ウム(17.83 g, 49.9ミリモル)の懸濁液に、−10℃に
おいてヘキサン中10Mのn−ブチルリチウム(4.99 ml,
49.4 ミリモル)を加え、該混合物を室温で1時間攪拌
した。上記混合物に50 ml のエーテル/テトラヒドロフ
ラン(3:2)中の10 g(47ミリモル)の1,1−ジ
(p−トリル)ケトンを加え、混合物を加熱して2時間
還流させ、次いで冷却し、20 ml のTHFを加え、濾過
した。濾液に塩化アンモニウム溶液を添加し、生じた混
合物を酢酸エチルで抽出し(2×)、硫酸ナトリウム上
で乾燥し、真空中で濃縮して黄色オイルを得た。このオ
イルをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(ヘ
キサン/塩化メチレン、3:1)により精製し、 9.3g
(95.1%)の1,1−ジ(p−トリル)エチレン(式II
I :R2 =R3 =H;R4 =R5 =4−CH3 −フェニ
ル)を得た。
【0156】実施例35 500 mlのエーテル中の臭化メチルトリフェニルホスホニ
ウム(42.94 g, 120ミリモル)の懸濁液に、−30℃にお
いてヘキサン中10Mのn−ブチルリチウム(12.02 ml,
120 ミリモル)を加え、該混合物を室温で1時間攪拌し
た。上記混合物に100 mlのTHF中の25 g(114.5 ミリ
モル)の1,1−ジ(p−フルオロフェニル)ケトンを
5分間に渡り加え、混合物を24時間還流させ、冷却し、
濾過した。濾液に塩化アンモニウム溶液を添加し、生じ
た混合物を酢酸エチルで抽出し(2×)、硫酸ナトリウ
ム上で乾燥し、真空中で濃縮して赤色オイルを得た。こ
のオイルをシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー
(ヘキサン/塩化メチレン5:1)により精製し、21.2
g(85.7%)の1,1−ジ(p−フルオロフェニル)エ
チレン(式III :R2 =R3 =H;R4 =R5 =4−F
−フェニル)を得た。
【0157】実施例36 エーテル中の臭化メチルトリフェニルホスホニウム(7.
14 g, 20ミリモル)の懸濁液に、0℃においてヘキサン
中のn−ブチルリチウム(8 ml, 20ミリモル)を加え、
該混合物を室温で1時間攪拌した。上記混合物にエーテ
ル中の2.8 g (8.2 ミリモル)の1,1−ジ(m−メト
キシフェニル)ケトンを加え、混合物を10分間攪拌し
た。上記反応混合物をアセトン(5 ml)でクエンチング
し、5分間攪拌し、濾過し、濾液を真空中で濃縮した。
ヘキサン/エーテル(9:1)を使って溶出させるシリ
カ上でのクロマトグラフィーにより残渣を精製し、3.6
g (90%)の1,1−ジ(m−メトキシフェニル)エチ
レン(式III :R2 =R3 =H;R4 =R5 =3−CH3O
−フェニル)を得た。
【0158】実施例37 100 mlのエーテル中の臭化メチルトリフェニルホスホニ
ウム(3.25 g, 9.05ミリモル)の懸濁液に、0℃におい
てヘキサン中のn−ブチルリチウム(3.7 ml,9.05ミリ
モル)を加え、該混合物を室温で1時間攪拌した。上記
混合物に30 mlのテトラヒドロフラン中の2.8 g (8.2
ミリモル)の1,1−ジ(m−ブロモフェニル)ケトン
を加え、混合物を10分間攪拌した。上記反応混合物をア
セトン(5 ml)でクエンチングし、5分間攪拌し、濾過
し、濾液を真空中で濃縮した。ヘキサン/塩化メチレン
(3:1)中の残渣を、ヘキサンを使って溶出させるシ
リカ上でのクロマトグラフィーにより精製し、2.2 g
(78.6%)の1,1−ジ(m−ブロモフェニル)エチレ
(式III :R2 =R3 =H;R4 =R5 =3−Br−フ
ェニル)を得た。
【0159】実施例38 (a) −78℃に冷却した300 mlのエーテル中の3−ブロ
モピリジン(9.84 g,0.062 モル)の溶液に、n−ブチ
ルリチウム(1.6 M, 41 ml, 0.066モル)を添加し、30
分間攪拌した。次いで20 ml のエーテル中のN−メチル
−N−メトキシウレタン(3.76 g, 0.028 モル)を10分
間に渡り添加し、該混合物を1時間攪拌し(−78℃)、
室温まで温め、2時間攪拌した。この反応混合物を6N H
Cl(100ml)でクエンチングし、攪拌し、水層を10%NaO
H溶液で塩基性にし、酢酸エチル(2×)と塩化メチレ
ンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾
燥し、真空中で濃縮し、残渣をシリカ上でのクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル、10%メタノール/酢酸エチル)
により精製し、1.7 g (33%)のジ(3−ピリジル)ケ
トンを得た。
【0160】(b) 50 ml のエーテル中の臭化メチルト
リフェニルホスホニウム(3.6 g, 10.1 ミリモル)の懸
濁液に、−20℃においてヘキサン中2.5 Mのn−ブチル
リチウム(4 ml, 10.1ミリモル)を加え、該混合物を室
温で1時間攪拌した。上記混合物に50 ml のテトラヒド
ロフラン中の 1.7 g(9.3 ミリモル)の1,1−ジ(3
−ピリジル)ケトンを加え、混合物を室温で2時間攪拌
した。上記反応混合物に塩化アンモニウム溶液と酢酸エ
チル(250 ml)を加え、有機層を水、ブラインで洗浄
し、乾燥し、そして真空中で濃縮した。残渣をシリカ上
でのクロマトグラフィー(エーテル/ヘキサン/メタノ
ール、 5:4.5 :0.5 )により精製し、0.9 g (52.9
%)の1,1−ジ(3−ピリジル)エチレン(式III :
2 =R3 =H;R4 =R5 =3−ピリジル)を得た。
【0161】実施例39 500 mlのエーテル中の臭化メチルトリフェニルホスホニ
ウム(31.36 g, 0.0878 モル)の懸濁液に、−30℃にお
いてヘキサン中10Mのn−ブチルリチウム(8.78 ml,
0.078モル)を加え、該混合物を温め、次いで室温で1
時間攪拌した。上記混合物に50 ml のテトラヒドロフラ
ン中の21 g(0.0836モル)の1,1−ジ(p−クロロフ
ェニル)ケトンを加え、混合物を1時間還流させ、冷却
し、そして濾過した。前記濾液を塩化アンモニウム溶液
に加え、生じた混合物を酢酸エチル(3×150 ml)で抽
出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空
中で濃縮し、オフホワイト色の固体として22 gの粗1,
1−ジ(p−クロロフェニル)エチレン(式III :R2
=R3 =H;R4 =R5 =4−Cl−フェニル)を得た。
【0162】実施例40 500 mlのエーテル中の臭化メチルトリフェニルホスホニ
ウム(30.96 g, 0.0825 モル)の懸濁液に、−30℃にお
いてヘキサン中10Mのn−ブチルリチウム(8.66 ml,
0.0866 モル)を加え、該混合物を室温で1時間攪拌し
た。上記混合物に50 ml のTHF中の20 g(0.0825モ
ル)の1,1−ジ(p−メトキシフェニル)ケトンを4
分間に渡り加え、混合物を1時間還流させ、冷却した。
上記反応混合物を濾過し、濾液に塩化アンモニウム溶液
を加え、生じた混合物を酢酸エチル(3×150 ml)で抽
出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空
中で濃縮し、20.2 gの粗1,1−ジ(p−メトキシフェ
ニル)エチレン(式III :R2=R3 =H;R4 =R5
=4−OCH3−フェニル)を得た。
【0163】実施例41 500 mlのエーテル中の臭化メチルトリフェニルホスホニ
ウム(29.44 g, 0.0785 モル)の懸濁液に、−30℃にお
いてヘキサン中10Mのn−ブチルリチウム(8.24 ml,
0.0824 モル)を加え、該混合物を温め、室温で1時間
攪拌した。上記混合物に50 ml のTHF中の25 g(0.07
85モル)の3,3′−ビス(トリフルオロメチル)ベン
ゾフェノンを加え、混合物を1時間還流させ、冷却し、
濾過し、そして真空中で濃縮した。上記残渣をシリカ上
でのクロマトグラフィー(ヘキサン:CH2Cl2、2:1)
により精製し、黄色液体として22.3 g(89.9%)の1,
1−ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)エチレン
(式III :R2 =R3 =H;R 4 =R5 =3−CF3 −フ
ェニル)を得た。
【0164】実施例42 (a) 250 ml のニトロメタン中の12.7 g(0.099 モル)
の2−チエニルカルボン酸、8.33 g(0.099 モル)のチ
オフェンおよび34.9 ml のAmberlyst-15の混合物に、室
温において 34.9 ml(0.247 モル)のトリフルオロ酢酸
を添加し、14時間攪拌した。この反応混合物を濾過し、
濾液を真空中で濃縮し、得られた緑色のオイル残渣をシ
リカ上でのクロマトグラフィー(ヘキサン/塩化メチレ
ン、1:1)にかけ、白色針状晶として 8 g(41.6%)
ジ(2−チエニル)ケトンを得た。
【0165】(b) 250 mlのエーテル中の臭化メチルト
リフェニルホスホニウム(15.46 g,16.8 ミリモル)の
懸濁液に、−30℃においてヘキサン中10Mのn−ブチル
リチウム(4.3 ml, 43ミリモル)を加え、該混合物を室
温で1時間攪拌した。上記混合物に30 ml のTHF中の
8 g(41ミリモル)の1,1−ジ(2−チエニル)ケト
ンを3分間に渡って加え、混合物を室温で1時間攪拌
し、次いで濾過した。上記反応混合物に飽和塩化アンモ
ニウム溶液を添加し、酢酸エチル(3×100 ml)で抽出
した。有機層を分離し、水洗し、乾燥し、真空中で濃縮
し、褐色オイルとして1,1−ジ(2−チエニル)エチ
レン(式III :R2 =R3 =H;R4 =R 5 =2−チエ
ニル)を得た。
【0166】実施例43 (a) 300 mlのエーテル中の4−ブロモピリジン塩酸塩
(21 g, 0.1 モル)の懸濁液に200 mlの飽和炭酸水素ナ
トリウムを加え、この混合物を5分間攪拌した。有機層
を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮して
15.1 g(89.3%)の4−ブロモピリジンを得た。
【0167】(b) −75℃に冷却した300 mlのエーテル
中のn−ブチルリチウム(2.5 M,39 ml, 0.096モル)
の溶液に、内部温度が−50℃以下に維持されるような速
度で100 mlのエーテル中の4−ブロモピリジン(15.1
g, 0.095 モル)を添加した。生じた混合物を−75℃で1
5分間攪拌し、そして25 ml のエーテル中のN−メチル
−N−メトキシウレタン(5.8 g, 0.043モル)を20分間
に渡り滴下添加し、混合物を室温に温め、次いで2時間
攪拌した。上記混合物を300 mlの水でクエンチングし、
層を分離した。有機層を6N HCl溶液で抽出し、水層を10
%NaOH溶液で塩基性にした。その塩基性溶液をクロロホ
ルムで抽出し、クロロホルム有機層を硫酸ナトリウム上
で乾燥し、真空中で濃縮し、そしてシリカ上でのクロマ
トグラフィー(酢酸エチル)により精製し、3.9 g (4
8.7%)のジ(4−ピリジル)ケトンを得た。
【0168】(c) 75 ml のエーテル中の臭化メチルト
リフェニルホスホニウム(6.4 g, 18 ミリモル)の懸濁
液に、0℃においてヘキサン中のn−ブチルリチウム
(7.2ml, 18ミリモル)を加え、該混合物を窒素下で室
温にて1時間攪拌した。上記混合物に20 ml のTHF中
の3 g (16ミリモル)の1,1−ジ(4−ピリジル)ケ
トンを10分間に渡って加え、混合物を室温で30分間攪拌
した。上記反応混合物を水でクエンチングし、攪拌し
た。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空
中で濃縮した。残渣を酢酸エチル/塩化メチレン/メタ
ノール(7:2:1)を用いて溶出させるシリカ上での
クロマトグラフィーにより精製し、2.2 g (73.3%)の
1,1−ジ(4−ピリジル)エチレン(式III :R2
3 =H;R 4 =R5 =4−ピリジル)を得た。
【0169】実施例44 (a) 冷却した(−78℃)100 mlのTHFに窒素下でn
−ブチルリチウム(2.5 M,40 ml )を加え、これに5
mlのTHF中のN−メチル−N−メトキシウレタン(6.
28 g, 0.047 モル)を0.5 時間に渡り滴下添加し、混合
物を室温まで温めた。上記混合物を飽和塩化アンモニウ
ム溶液でクエンチングし、水層をエーテルで抽出した。
合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中
で濃縮し、そしてオイル残渣をメタノールから結晶化さ
せ、1.465 g (16%)の1,1−ジ(3−チエニル)ケ
トン,m.p. 78-80℃を得た。
【0170】あるいは次のようにして1,1−ジ(3−
チエニル)ケトンを調製した:−78℃に冷却した100 ml
のTHFに窒素下で2.5 M n−ブチルリチウム(36ml
)と14.67 g (0.09モル)の3−ブロモチオフェンを
添加し、生じた混合物を30分間攪拌した。上記混合物に
10 ml のTHF中の3−チオフェンカルボキシアルデヒ
ド(10 g, 0.089 モル)を添加し、該混合物を攪拌して
室温に戻した。該反応混合物に飽和塩化アンモニウム溶
液を添加し、水層をエーテルで抽出し、合わせた有機層
を真空中で濃縮し、オイルとして 17.26 g(98.9%)の
1,1−ジ(3−チエニル)メタノールを得た。
【0171】三酸化クロム(1.4 g )を12 ml の水と24
ml の酢酸に溶かし、生じた混合物を30 ml の酢酸中の
1,1−ジ(3−チエニル)メタノールに1時間に渡り
滴下添加した。上記混合物を氷水浴中で冷却しながら
(20℃)1時間攪拌した。これを150 mlの水で希釈し、
塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和炭酸ナトリウム溶
液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮
してオイルを得た。このオイルをメタノール中で結晶化
させ、固体として1.85 g(47.7%)の1,1−ジ(3−
チエニル)ケトン,m.p. 79-81℃を得た。
【0172】(b) 75 ml のエーテル中の臭化メチルト
リフェニルホスホニウム(15.7 g,44ミリモル)の懸濁
液に、窒素下で0℃においてヘキサン中2.5 Mのn−ブ
チルリチウム(17.6 ml, 43 ミリモル)を滴下添加し
(<5℃)、該混合物を室温に戻して0.5 時間攪拌し
た。上記混合物に50 ml のTHF中の7.85 g(44ミリモ
ル)のジ(3−チエニル)ケトンを滴下添加し、該混合
物を室温で0.5 時間攪拌した。上記反応混合物に20 ml
のアセトンを加え、真空中で濃縮し、残渣を水/塩化メ
チレン中に分配させ、そして真空中で塩化メチレンを留
去した。オイル残渣を蒸留(0.02 mm /95-100℃)して
無色オイルとして 5.944 g(77.3%)の1,1−ジ(3
−チエニル)エチレン(式III :R2 =R3 =H;R4
=R5 =3−チエニル)を得た。
【0173】実施例45 (a) 0℃に冷却した400 mlのTHF中の1,1−カル
ボニルジイミダゾール(90 g, 0.555 モル)の懸濁液に
100 mlのTHF中の25.5 g(0.555 モル)の蟻酸を15分
間に渡り滴下添加した。この混合物を室温に戻し、1.5
時間攪拌した。生じた溶液を、0℃においてイソシアノ
酢酸メチルのアニオン(0℃においてカリウムt−ブト
キシドの懸濁液に75 ml のTHF中のイソシアノ酢酸メ
チルを添加し、そして15分間攪拌することにより調製し
た)にカニューレ経由で添加した。添加の間(発熱
性)、反応混合物は20℃に達し、氷浴を取り外し、該混
合物を室温で1時間攪拌した。上記混合物を100 mlの酢
酸に次いで200 mlの水でクエンチングし、真空中でTH
Fを留去し、残余混合物に1000 ml のクロロホルムを加
えた。有機層を水(2×200 ml)、飽和炭酸水素ナトリ
ウム溶液(1×100 ml)、水、ブラインで洗浄し、硫酸
ナトリウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮した。生じ
た残渣をシリカ上でのクロマトグラフィー(塩化メチレ
ン/ヘキサン/エーテル、7:2:1)により精製し、
23.5 g(37%)の4−オキサゾールカルボン酸メチル
得た。
【0174】(b) 0℃の30 ml のジクロロエタン中の
メトキシメチルアミン塩酸塩(2.3g, 23.6 ミリモル)
の懸濁液に 11.8 ml(23.6ミリモル)のトリメチルアル
ミニウムを滴下添加した。該混合物を0℃で20分間攪拌
し、20 ml のジクロロエタン中の4−オキサゾールカル
ボン酸メチル(1 g, 7.9ミリモル)を一度に添加した。
該混合物を0.5N HCl/塩化メチレン(2:1)の氷冷溶
液中に注ぎ、そして10分間攪拌した。水層を塩化メチレ
ン(2×50ml)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ア
ンモニウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、
真空中で濃縮した。生じた残渣をシリカ上でのクロマト
グラフィー(塩化メチレン/酢酸エチル/メタノール、
6:3:1)により精製し、1.0 g (81.9%)の4−オ
キサゾリル−N−メチル−N−メトキシカルボキシアミ
を得た。
【0175】(c) −78℃に冷却した250 mlのDME/
THF(2:1)と100 mlのDME中の4−オキサゾリ
ル−N−メチル−N−メトキシカルボキシアミド(2.76
g,17.6ミリモル)の溶液に、THF中のLAHの1M
溶液(35.3 ml, 35.3 ミリモル)を15分間に渡り滴下添
加し、該混合物を−78℃で1時間攪拌した。追加の35ml
のLAH溶液の添加後、混合物を15分間攪拌し、2.6 m
lの水、2 mlの10% NaOH溶液および2.6 mlの水でクエン
チングした。上記混合物を室温で15分間攪拌し、濾過
し、残渣を600 mlのMDC/アセトン(2:1)で洗浄
した。合わせた濾液を真空中で濃縮し、そして残渣をシ
リカ上でのクロマトグラフィー(MDC/酢酸エチル、
6:1)により精製し、0.62 g(36%)の4−オキサゾ
リルカルボキシアルデヒドを得た。
【0176】(d) −78℃に冷却した20 ml のTHF中
のオキサゾール(0.4 ml, 6.2 ミリモル)の溶液に窒素
下で2.5 M n−ブチルリチウム(2.5 ml, 6.2 ミリモ
ル)を添加した。この混合物を−78℃で30分間攪拌した
後、25 ml のTHF中の4−オキサゾリルカルボキシア
ルデヒド(0.6 g, 6.2ミリモル)を滴下添加した。生じ
た混合物を室温に戻し、一晩攪拌した後、メタノール
(20ml)中のDowex R 50x2-200(+ H)の懸濁液により
クエンチングし、30分間攪拌し、濾過し、濾液を真空中
で濃縮した。残渣を塩化メチレンに溶かし、硫酸マグネ
シウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。生じた残渣をシ
リカ上でのクロマトグラフィー(MDC中5%メタノー
ル)により精製し、0.35 g(33.9%)の1,1−ジ(4
−オキサゾリル)メタノールを得た。
【0177】(e) 0℃の75 ml の塩化メチレン中の三
酸化クロム(1.35 g, 13.5ミリモル)の懸濁液に 2.1 g
(12.6ミリモル)のピリジンを添加し、混合物を室温に
戻し、30分間攪拌した。上記混合物に10 ml のMDC中
の1,1−ジ(4−オキサゾリル)メタノール(0.35
g, 2.1 ミリモル)を添加し、窒素下で室温において15
分間攪拌した。これを100 mlの酢酸エチルで希釈し、攪
拌し、300 mlの酢酸エチルを用いて溶出させることによ
りFlorisil(4インチ)のパッドを通して濾過し、白色
固体として0.15 g(43.4%)の1,1−ジ(4−オキサ
ゾリル)ケトンを得た。
【0178】(f) 10 ml のTHF中の臭化メチルトリ
フェニルホスホニウム(0.36 g, 1.01ミリモル)の懸濁
液に、窒素下で0℃において2.5 Mのn−ブチルリチウ
ム(0.4 ml, 1.01ミリモル)を加え、該混合物を30分間
攪拌した。上記混合物に10 ml のTHF中のジ(4−オ
キサゾリル)ケトン(0.15 g, 0.92ミリモル)を加え、
1時間攪拌した。上記混合物を25 ml の飽和塩化アンモ
ニウム溶液でクエンチングし、50 ml のMDCを添加
し、そして攪拌した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥
し、真空中で濃縮し、残渣をシリカ上でのクロマトグラ
フィー(ヘキサン/酢酸エチル、2:1)により精製
し、0.05 g(33.3%)の1,1−ジ(4−オキサゾリ
ル)エチレン(式III :R2 =R3 =H;R4 =R5
4−オキサゾリル)を得た。
【0179】実施例46 −10℃に冷却した200 mlのエーテル中の臭化メチルトリ
フェニルホスホニウム(15.6 g, 44ミリモル)の懸濁液
に、−10℃においてヘキサン中2.2 Mのn−ブチルリチ
ウム(20 ml, 44 ミリモル)を滴下添加し、該混合物を
室温に戻した。−10℃に冷却した上記混合物に10 g(44
ミリモル)の1,1−ジ(m−クロロフェニル)ケトン
を1度に加え、室温で一晩攪拌した。上記混合物を水で
クエンチングし、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗
浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮して1
1.55 g のオイルを得た。このオイルを、ヘキサンを使
って溶出させるシリカ上でのクロマトグラフィーにより
精製し、無色オイルとして 6.5 g(65.3%)の1,1−
ジ(m−クロロフェニル)エチレン(式III :R2 =R
3 =H;R4 =R5 =3−Cl−フェニル)を得た。
【0180】実施例47 (a) 300 mlのエーテル中の 45.04 g(0.66モル)のフ
ランの溶液に−20℃において 36.3 ml(0.363 モル)の
10M n−ブチルリチウムを加え、該混合物を0℃に温
め、1時間攪拌した。上記混合物を−78℃に冷却し、20
ml のエーテル中のN−メチル−N−メトキシウレタン
(22 g, 0.165 モル)を20分間に渡り滴下添加し、生じ
た混合物を1時間室温に温めた。この反応混合物を100
mlの塩化アンモニウム溶液でクエンチングし、エーテル
(2×100 ml)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で
乾燥し、そして真空中で濃縮してオイルを得た。上記オ
イルをシリカ上でのクロマトグラフィー(塩化メチレ
ン)により精製し、オイルとして26.5 g(95%)の1,
1−ジ(2−フリル)ケトンを得た。
【0181】(b) 100 mlのエーテル中の臭化メチルト
リフェニルホスホニウム(11.56 g,32.3 ミリモル)の
懸濁液に、−30℃においてヘキサン中10Mのn−ブチル
リチウム(3.23 ml, 32.3 ミリモル)を添加し、該混合
物を室温で1時間攪拌した。上記混合物に15 ml のテト
ラヒドロフラン中の 5 g(30.8ミリモル)の1,1−ジ
(2−フリル)ケトンを1分間で加え、この混合物を加
熱して還流させた。上記混合物を冷却し、濾過し、そし
て真空中で濃縮し、4.92 g(100 %)の1,1−ジ(2
−フリル)エチレン(式III :R2 =R3 =H;R4
5 =2−フリル)を得た。
【0182】実施例48 (a) n−ブチルリチウム(2.5 M,13 ml, 32.5 ミリ
モル)を含む冷却した(−78℃)エーテル溶液に50 ml
のエーテル中の 5.2 g(31ミリモル)の2−ブロモチア
ゾールを30分間に渡り添加し、該混合物を−78℃で1時
間攪拌した。上記混合物に25 ml のエーテル中のN−メ
チル−N−メトキシウレタン(2.1 g, 15 ミリモル)を
15分間に渡り添加し、生じた反応混合物を−78℃で1時
間攪拌し、室温に戻し、そして2時間攪拌した。上記混
合物を3N HCl(200 ml)でクエンチングし、15分間攪拌
した。水層を固体の炭酸水素ナトリウムで処理し(pH 9
に)、沈澱した固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して固
体生成物を得た。この固体生成物をシリカ上でのクロマ
トグラフィー(ヘキサン/エーテル/塩化メチレン、
4:2:1)により精製し、 1.7 g(54.8%)の1,1
−ジ(2−チアゾリル)ケトンを得た。
【0183】(b) 0℃に冷却した75 ml のTHF中の
1,1−ジ(2−チアゾリル)ケトン(1.96 g, 10ミリ
モル)の溶液に窒素下で 15 ml(15ミリモル)の1M塩
化トリメチルシリルメチルマグネシウムを10分間に渡り
添加し、生じた混合物を室温に戻して1時間攪拌した。
上記反応混合物を3 mlの塩化アンモニウム溶液でクエン
チングし、100 mlの塩化メチレンで希釈し、そして濾過
した。濾液を飽和塩化アンモニウムで洗浄し、有機層を
硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を
シリカパッドに通してヘキサン/エーテル/塩化メチレ
ン(4:2:1)を使って溶出させることにより精製
し、1.1 g (38.5%)の1,1−ジ(2−チアゾリル)
−2−トリメチルシリルエタノールを得た。
【0184】実施例49 (a) n−ブチルリチウム(2.5 M,13.5 ml, 33 ミリ
モル)を含む冷却した(−78℃)200 mlのエーテル溶液
に50 ml のエーテル中の6.43 g(40.9ミリモル)の2−
トリメチルシリルチアゾールを1時間に渡り添加し、該
混合物を−78℃で1時間攪拌した。上記混合物に50 ml
のエーテル中のN−メチル−N−メトキシウレタン(2.
32 g, 17.5ミリモル)を15分間に渡り滴下添加し、生じ
た反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、次いで攪拌しな
がら室温に戻した。上記混合物を3N HClでクエンチング
し、2時間攪拌した。水層を固体の炭酸水素ナトリウム
で処理し(pH 8に)、飽和塩化アンモニウム溶液で希釈
し、そしてクロロホルム(3×150 ml)で抽出した。合
わせた有機層(最初のエーテル層を含む)を硫酸ナトリ
ウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をエーテル
(50ml)で粉砕し、濾過し、乾燥して160 mg(4.6 %)
1,1−ジ(5−チアゾリル)ケトンを得た。
【0185】(b) 15 ml のTHF中の臭化メチルトリ
フェニルホスホニウム(0.35 g, 1ミリモル)の懸濁液
に、窒素下で0℃において2.5 Mのn−ブチルリチウム
(0.4 ml, 1ミリモル)を添加し、該混合物を1時間攪
拌した。上記混合物に5 mlのTHF中の1,1−ジ(5
−チアゾリル)ケトン(0.16 g, 0.82ミリモル)を加
え、この混合物を窒素下で室温にて2時間攪拌した。該
混合物を2 mlのアセトンでクエンチングし、50 ml のエ
ーテルで希釈し、そして濾過した。濾液を真空中で濃縮
し、残渣をシリカ上でのクロマトグラフィー(エーテ
ル)により精製し、0.035 g (21.8%)の1,1−ジ
(5−チアゾリル)エチレン(式III :R2 =R3
H;R4 =R5 =5−チアゾリル)を得た。
【0186】実施例50 冷却しながら(氷浴)300 mlのTHFに塩化メチレン中
の1M TiCl4溶液300ml(0.3 モル)を加え、該混合物
を10分間攪拌した。上記混合物に室温において90.5 ml
(0.6 モル)のTMEDA を加え、10分間攪拌し、次いで該
混合物を冷却して室温に維持しながら44.12 g (0.675
モル)のZn粉末を添加し、40分間攪拌した。生じた反応
混合物に200 mlのTHF中の3−フロ酸エチル(10.5
g, 0.075モル)と31 g (0.165 モル)のジブロモエタン
の混合物を滴下添加し、室温で2.5 時間攪拌した。90 m
l の水性炭酸カリウム溶液を添加した後、混合物を真空
中で濃縮し、残渣を20 gの塩基性アルミナで希釈し、塩
基性アルミナカラムに通し(エーテル/TEA 200 :
1)、そして溶出液を濃縮した。残渣をエーテル(200
ml)中で粉砕し、濾過し、濾液を蒸留(80-95 ℃/25 m
m )して 6.2 g(54.3%)の1−(3−フリル)−1−
エトキシ−2−メチルエチレン(式III :R 2 =CH3
3 =H;R4 =CH3CH2O ;R5 =3−フリル;および
式III :R2=H;R3 =CH3 ;R4 =3−フリル;R
5 =CH3CH2O )を得た。
【0187】実施例51 (a) 25 g(0.105 モル)の2,6−ジブロモピリジン
を含む冷却した(−78℃)1Lのエーテル溶液に、n−
ブチルリチウム(2.5 M,42 ml, 0.105モル)を20分間
に渡り添加し、該混合物を−78℃で0.5 時間攪拌した。
−78℃において上記混合物に50 ml のエーテル中のN−
メチル−N−メトキシウレタン(6.6 g,0.049モル)を
添加し、生じた反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、次
いで室温に戻して3時間攪拌した。上記混合物を100 ml
の飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチングし、一晩攪
拌した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で
濃縮し、残渣をエーテルで粉砕し、濾過し、固体残渣を
乾燥して11 g(65.47 %)の1,1−ジ〔(6−ブロ
モ)−2−ピリジル〕ケトンを得た。この固体生成物を
酢酸エチルから再結晶して 8.2 gの前記ケトンを得た。
【0188】(b) 200 mlのメタノールに 2.3 g(0.1
モル)のナトリウムメトキシドを少しずつ添加し、混合
物を窒素下で2時間攪拌した。上記混合物に1,1−ジ
〔(6−ブロモ)−2−ピリジル〕ケトン(8 g, 0.024
モル)を加え、反応混合物を窒素下で24時間還流させ
た。更に2 g のナトリウムメトキシドを加え、48時間還
流させ、冷却した。この混合物をエーテルで希釈し、飽
和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、有機層を硫酸ナトリ
ウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮した。残渣をシリ
カ上でのクロマトグラフィー(エーテル/ヘキサン、
2:8)により精製し、2.5 g (42.7%)の1,1−ジ
(6−メトキシピリジン−2−イル)メタノールを得
た。更に、クロマトグラフィー画分から100 mgの1,1
−ジ(6−メトキシピリジン−2−イル)ケトンも単離
された。
【0189】(c) 0℃において500 mlの塩化メチレン
中の10.2 g(0.13モル)のピリジンの溶液にCrO3(6.5
g, 0.011モル)を少しずつ添加し、該混合物を0℃で1
時間攪拌した。上記混合物に50 ml の塩化メチレン中の
1,1−ジ(6−メトキシピリジン−2−イル)メタノ
ール(2.5 g, 0.011モル)を添加し、室温で2時間攪拌
した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、セライト
を通して濾過し、濾液を真空中で濃縮して1.65 g(66
%)の1,1−ジ(6−メトキシピリジン−2−イル)
ケトンを得た。
【0190】(d) 30 ml のTHF中の1.25 g(0.011
モル)のカリウムt−ブトキシドの懸濁液に0℃におい
て臭化メチルトリフェニルホスホニウム(3.57 g, 0.01
モル)を添加し、該混合物を室温で1時間攪拌した。上
記混合物に30 ml のTHF中の1,1−ジ(6−メトキ
シピリジン−2−イル)ケトン(1.6 g, 0.0657 モル)
を加え、この混合物を窒素下で室温にて30分間攪拌し
た。上記混合物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチ
ングし、エーテルで希釈し、濾過し、水層をエーテルで
抽出し、そして合わせた有機層を濾過した。上記濾液を
真空中で濃縮し、残渣をシリカ上でのクロマトグラフィ
ー(ヘキサン/エーテル、8:2)により精製し、0.94
g(59.4%)の1,1−ジ(6−メトキシピリジン−2
−イル)エチレン(式III :R2 =R3 =H;R4 =R
5 =6−OCH3−2−ピリジル)を得た。
【0191】実施例52 (a) 0℃に冷却した120 mlのDMF中の 3.5 g(0.13
9 モル)の水素化ナトリウムの懸濁液に 50 mlのDMF
中の 8 g(0.115 モル)の1,2,3−トリアゾールを
滴下添加し、該混合物を室温に戻し、1時間攪拌した。
上記混合物を0℃に冷却し、21.8 g(0.139 モル)のp
−メトキシベンジルクロリドを加え、該混合物を室温に
戻し、20時間攪拌した。この反応混合物を真空中で濃縮
し、残渣をシリカ上でのクロマトグラフィー(ヘキサン
/酢酸エチル)により精製し、14g(64.5%)の1−
(p−メトキシベンジル)−1,2,3−トリアゾール
を得た。
【0192】(b) 14 g(0.074 モル)の1−(p−メ
トキシベンジル)−1,2,3−トリアゾールを含む冷
却した(−78℃)600 mlのTHF溶液に、n−ブチルリ
チウム(2.5 M,30 ml, 0.07 モル)を15分間に渡り滴
下添加し、該混合物を−78℃で2時間攪拌した。−78℃
にて1.5 時間攪拌した後、上記混合物に25 ml のTHF
中のN−メチル−N−メトキシウレタン(4.5 g, 0.033
モル)を添加した。生じた混合物を−78℃で1時間攪拌
し、次いで室温に戻して窒素下で2時間攪拌した。上記
混合物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチングし、
層を分離した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真
空中で濃縮し、残渣をエーテルで粉砕し、濾過し、10.4
gの1,1−ジ〔5−(1−p−メトキシベンジル)−
1,2,3−トリアゾリル〕ケトンを得た。
【0193】(c) 300 mlのTHF中の臭化メチルトリ
フェニルホスホニウム(14.5 g, 0.04モル)の懸濁液
に、窒素下で−5℃において2.5 Mのn−ブチルリチウ
ム(16.2 ml, 0.04 モル)を添加し、該混合物を1時間
攪拌した。上記混合物に100 mlのTHF中の1,1−ジ
〔5−(1−p−メトキシベンジル)−1,2,3−ト
リアゾリル〕ケトン(10.9 g, 0.027 モル)を加え、こ
の混合物を窒素下で室温にて2時間攪拌した。該混合物
を10 ml のアセトンでクエンチングし、200 mlのエーテ
ルを加え、一晩攪拌した。該混合物を真空中で濃縮し、
残渣を攪拌しながら水と塩化メチレンとの間に分配させ
た。混合物を濾過し、有機性濾液を真空中で濃縮し、残
渣をシリカ上でのクロマトグラフィーにより精製し、1.
2 g (11%)の1,1−ジ〔5−(1−p−メトキシベ
ンジル)−1,2,3−トリアゾリル〕エチレン〔式II
I :R2 =R3 =H;R4 =R5 =1−p−メトキシベ
ンジル−5−(1,2,3−トリアゾリル)〕を得た。
【0194】実施例53 (a) −78℃の250 mlのTHF中の1−トリイソプロピ
ルシリルピロール(13.2 g, 0.059 モル)の溶液に 10.
45 g(0.0587モル)のN−ブロモスクシンアミド(NB
S)を添加し、該混合物を−78℃で3時間攪拌した。こ
の反応混合物を室温に戻し、真空中で濃縮し、生じた残
渣をヘキサン中で一晩攪拌した。このヘキサン溶液をア
ルミナを通して濾過し(ヘキサンで溶出させる)、溶出
液を真空中で濃縮し、残渣を蒸留(b.p. 107-108℃/0.
2 mm)して10.4 g(58.4%)の3−ブロモ−1−トリイ
ソプロピルシリルピロールを得た。
【0195】(b) −78℃に冷却した150 mlTHF中の
3−ブロモ−1−トリイソプロピルシリルピロール(1
0.4 g, 0.0292モル)の溶液にn−ブチルリチウム(2.5
M,12.3 ml, 0.031モル)を添加し、該混合物を−78
℃で1.5 時間攪拌した。上記混合物に25 ml のTHF中
のN−メチル−N−メトキシウレタン(1.9 g, 0.014モ
ル)を添加し、生じた混合物を室温に戻し、窒素下で20
時間攪拌した。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶
液でクエンチングし、層を分離した。有機層を硫酸ナト
リウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、残渣をシリカ上で
のクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル、2:1)
により精製し、オイルとして4.25 g(64.3%)の1,1
−ジ〔3−(1−トリイソプロピルシリル)ピロリル〕
ケトンを得た。
【0196】(c) 30 ml のTHF中の1,1−ジ〔3
−(1−トリイソプロピルシリル)ピロリル〕ケトン
(1 g, 2.1ミリモル)の溶液に室温においてエーテル中
の臭化メチルマグネシウム(3.0 M,9 ミリモル)を添
加し、該混合物を0.5 時間攪拌した。上記反応混合物を
塩化メチレンで希釈し、攪拌し、flosilカラムを通して
濾過し、濾液を真空中で濃縮して 1.1 g(100 %)の
1,1−ジ〔3−(1−トリイソプロピルシリル)ピロ
リル〕エチレン(式III :R2 =R3 =H;R4 =R5
=1−トリイソプロピルシリル−3−ピロリル)を得
た。
【0197】実施例54 (a) −78℃に冷却したTHF(250 ml)中の3−フロ
アルデヒド(25.0 g,0.26モル)に、10 ml /分の速度
で臭化エチニルマグネシウム(572 ml, 0.286モル, T
HF中 0.5M)を添加した。該混合物をゆっくり室温に
戻し、1時間攪拌し、次いで冷却した塩化アンモニウム
溶液中に注いだ。生じた混合物を酢酸エチルで抽出し、
有機層をNa2SO4上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を
50-55 ℃/0.24 mmHg で蒸留して1−(3−フリル)−
1−ヒドロキシ−2−プロピンを得た。
【0198】(b) 1−(3−フリル)−1−ヒドロキ
シ−2−プロピン(20.0 g, 0.163モル)、ヘキサン(2
00 ml)およびTHF(25 ml )の混合物に、臭化テト
ラブチルアンモニウム(1.05 g, 0.0032モル)、50%Na
OH(150 ml)、および硫酸ジエチル(30.0 g, 0.195 モ
ル)を0℃にて順次添加した。該混合物を室温で3時間
攪拌し、氷上に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた
有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、真空中
で濃縮した。残渣を70-84 ℃/10 mmHg で蒸留して1−
(3−フリル)−1−エトキシ−2−プロピンを得た。
【0199】実施例38の(a) 〜(b) に記載したのと同様
な手順に従って、ただし(a) の3−ブロモピリジンの代
わりに適当に置換された5員もしくは6員の単環式芳香
族複素環式ハロゲン化物、9員もしくは10員の二環式芳
香族複素環式ハロゲン化物または5員もしくは6員の単
環式非芳香族複素環式ハロゲン化物を使用して、下記の
第I表に記載される式III のオレフィンを調製すること
ができると期待される。
【0200】
【表1】
【0201】
【表2】
【0202】
【表3】
【0203】
【表4】
【0204】実施例78 a-b 実施例38の(c) と(d) に記載したのと同様な手順に従っ
て、ただし(c) のp−メトキシベンジルクロリドの代わ
りに適当なハロゲン化物を使用して、下記の式III のオ
レフィンを調製することができると期待される。 (a) 1,1−ジ(1−メチル−3−ピラゾリル)エチ
レン(式III :R2 =R3 =H;R4 =R5 =1−メチ
ル−3−ピラゾリル) (b) 1,1−ジ(1−ベンジル−3−ピラゾリル)エ
チレン(式III :R2=R3 =H;R4 =R5 =1−ベ
ンジル−3−ピラゾリル)
【0205】実施例79 a-b 実施例52の(a), (b)および(c) に記載したのと同様な手
順に従って、ただし(a) のp−メトキシベンジルクロリ
ドの代わりに適当なハロゲン化物を使用して、下記の式
III のオレフィンを調製することができると期待され
る。 (a) 1,1−ジ〔1−(4−メチルベンジル)−5−
(1,2,3−トリアゾリル)〕エチレン〔式III :R
2 =R3 =H;R4 =R5 =1−(4−メチルベンジ
ル)−5−(1,2,3−トリアゾリル)〕 (b) 1,1−ジ〔1−(4−クロロベンジル)−5−
(1,2,3−トリアゾリル)〕エチレン〔式III :R
2 =R3 =H;R4 =R5 =1−(4−クロロベンジ
ル)−5−(1,2,3−トリアゾリル)〕
【0206】実施例80 a-b 実施例41に記載したのと同様な手順に従って、ただし
3,3′−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾフェノン
の代わりに適当に置換されたベンゾフェノン誘導体を使
用して、下記の式III のオレフィンを調製することがで
きると期待される。 (a) 1,1−ジ(3−トリクロロメチルフェニル)エ
チレン(式III :R2=R3 =H;R4 =R5 =3−ト
リクロロメチルフェニル)リアゾリル)〕 (b) 1,1−ジ(3−ヒドロキシフェニル)エチレン
(式III :R2 =R3=H;R4 =R5 =3−ヒドロキ
シフェニル)
【0207】a)実施例1(a) 〜(d) に記載したのと同
様な手順に従って、ただし(a) の2−ブロモチアゾール
の代わりに適当に置換された5員もしくは6員の単環式
芳香族複素環式ハロゲン化物を使用し、そして(c) の臭
化ベンジルの代わりに式IVの適当に置換されたハロゲン
化ベンジルを使用し;またはb)実施例6(a) 〜(b)に
記載したのと同様な手順に従って、ただし(a) の3−メ
トキシベンジルアルコールの代わりに式VII の適当に置
換されたベンジルアルコールを、そしてチアゾール−2
−カルボキシアルデヒドの代わりに式VIIIの適当に置換
された5員もしくは6員の単環式芳香族複素環式カルボ
キシアルデヒドを使用し;またはc)実施例12(a) 〜
(d) にしたのと同様な手順に従って、ただし(a) のn−
ベンジルイミダゾールの代わりに適当に置換された5員
もしくは6員の単環式芳香族複素環式化合物を、そして
(c) の臭化ベンジルの代わりに式IVの適当に置換された
ハロゲン化ベンジルを使用し;またはd)実施例19(b)
〜(d) に記載したのと同様な手順に従って、ただし(b)
の1−(4−メトキシベンジル)イミダゾールの代わり
に適当に置換された5員もしくは6員の単環式芳香族複
素環式化合物を、そして(c) の2−ブロモベンジルアル
コールの代わりに式VII の適当に置換された2−ハロベ
ンジルアルコールを使用し、次の第II表に示されるよう
な式IIの化合物を調製することができると期待される。
【0208】
【表5】
【0209】
【表6】
【0210】
【表7】
【0211】
【表8】
【0212】実施例105 実施例6(b) の9−メトキシチアゾロ〔1,2−b〕イ
ソキノリン−4−イウム過塩素酸塩を還流させながら48
%HBr で処理することにより、臭化9−ヒドロキシチア
ゾロ〔1,2−b〕イソキノリニウムが生成するだろう
と期待される。
【0213】実施例106 CH2Cl2中の臭化9−ヒドロキシチアゾロ〔1,2−b〕
イソキノリン−4−イウムをピリジン、ジメチルアミノ
ピリジンおよび無水酢酸で処理することにより、臭化9
−アセトキシチアゾロ〔1,2−b〕イソキノリニウム
が生成するだろうと期待される。
【0214】実施例1(h) に記載したのと同様な手順に
従って、ただし2,2−ジメチル−1,1−ジエトキシ
エチレンの代わりに式III の適当に置換されたオレフィ
ンを、そしてチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム
過塩素酸塩の代わりに式IIの適当に置換されたヘテロシ
クリル〔1,2−b〕イソキノリニウム塩を使用して、
次の第III 表に挙げられる式Iの化合物を調製すること
ができると期待される。
【0215】
【表9】
【0216】
【表10】
【0217】
【表11】
【0218】
【表12】
【0219】
【表13】
【0220】
【表14】
【0221】
【表15】
【0222】
【表16】
【0223】
【表17】
【0224】
【表18】
【0225】
【表19】
【0226】
【表20】
【0227】
【表21】
【0228】
【表22】
【0229】
【表23】
【0230】
【表24】
【0231】
【表25】
【0232】
【表26】
【0233】
【表27】
【0234】
【表28】
【0235】
【表29】
【0236】
【表30】
【0237】実施例199 (a) アルゴン下−78℃において100 mlのエーテル中の
n−ブチルリチウム(2.43 g, 38ミリモル, ヘキサン中
2.5M)の溶液に2−フェニルイミダゾール(5 g, 35
ミリモル)の溶液を1時間で滴下添加した。この混合物
を−78℃にて1時間攪拌し、次いでエーテル(70ml)中
のDMF(2.54 g, 35ミリモル)の溶液を添加した。該
混合物を−78℃にて1時間、次いで−15℃にて18時間攪
拌した。反応混合物を4N HCl(4×20ml)で抽出し、水
層を合わせ、氷浴中で冷却し、そして固体炭酸水素ナト
リウムで中和した。水層をエーテル(4×35ml)で抽出
し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中
で濃縮し、5.6 g (90%)の1−フェニル−2−イミダ
ゾリルカルボキシアルデヒドを得た。
【0238】(b) Dean-Starkトラップを取り付けた三
つ口フラスコ中のアルゴン下の1−フェニル−2−イミ
ダゾリルカルボキシアルデヒド(5.6 g, 33 ミリモ
ル)、4.1 g (66ミリモル)のエチレングリコール、15
0 mlのトルエンおよび 1.9 g(10ミリモル)のp−トル
エンスルホン酸一水和物の混合物を、形成する水分を分
離しながら6時間還流させた。この混合物を室温に冷却
し、氷冷した10%炭酸ナトリウム溶液中に注いだ。水層
をエーテルで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄
し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮
し、6.1 g の1−フェニル−2−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル)イミダゾール〔式V:A=1−フェニル
イミダゾール;Y=2−(1,3−ジオキソラン−2−
イル)〕を得た。
【0239】(c) 6.1 g (28.24 ミリモル)の1−フ
ェニル−2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)イミ
ダゾールと4.83 g(28.24 ミリモル)の臭化ベンジルの
反応混合物を室温で6時間攪拌し、エーテルで粉砕し、
デカンテーションして 9.8 gの臭化3−ベンジル−2−
(1,3−ジオキソラン−2−イル)−1−フェニルイ
ミダゾリウム〔式VI:A=1−フェニルイミダゾリル;
Y=2−(1,3−ジオキソラン−2−イル);R1
6 =H;Z- =Br- 〕を得た。
【0240】(d) 臭化3−ベンジル−2−(1,3−
ジオキソラン−2−イル)−1−イミダゾリウム(9.8
g )と100 mlの48% HBrの混合物を蒸気浴上で攪拌しな
がら5時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、真空
中で濃縮し、そして生じた褐色残渣を水に再溶解した。
この水溶液を濾過し、濾液を10%過塩素酸ナトリウム溶
液で処理した。沈澱した生成物を濾過し、水とエーテル
で洗浄し、そして真空乾燥して 6.3 gの1−フェニルイ
ミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素
酸塩(式II:A=1−フェニルイミダゾ;R1 =R6
H;X- =ClO4 - ),m.p. 208-210℃(メタノールか
ら)を得た。
【0241】(e) 75 ml のアセトニトリル中に1−フ
ェニルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウ
ム過塩素酸塩(3.44 g, 10ミリモル)と1,1−ジ(3
−フリル)エチレン(2.4 g, 15 ミリモル)を含む反応
混合物を、アルゴン下で攪拌しながら48時間還流させ
た。該反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカカラ
ム(塩化メチレン/メタノール、20:1)に通し、3.2
g (63%)の11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタ
ノ−5,10−ジヒドロ−1−フェニルイミダゾ〔1,2
−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩(式I:A
=1−フェニルイミダゾ;R1 =R2 =R3 =R6
H;R4 =R5 =3−フリル;X- =ClO4 -)を得た。
【0242】(f) アセトニトリル中の11,11−ジ(3
−フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−
フェニルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イ
ウム過塩素酸塩(3.2 g, 6.34 ミリモル)を DowexR 1x
2-200(Cl - )に通すことにより(水/アセトニトリル、
7:3)、前記塩を対応する塩化物に変換した。その塩
を塩化メチレン/エーテルから再結晶し、1.8 g (64
%)の塩化11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ
−5,10−ジヒドロ−1−フェニルイミダゾ〔1,2−
b〕イソキノリン−4−イウム(式I:A=1−フェニ
ルイミダゾ;R1=R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5
=3−フリル;X- =Cl- )を得た。
【0243】実施例200 (a) アルゴン下0℃において乾燥DMF(100 ml)中
のイミダゾール(6.808 g, 0.1モル)の攪拌溶液に 4 g
(0.1 モル)の60%水素化ナトリウムを少しずつ添加
し、該混合物を室温で30分間攪拌し、そして0℃に冷却
した。上記混合物に臭化3−フェニルプロピル(19.91
g, 0.1モル)を加え、生じた混合物を室温で一晩攪拌し
た。この反応混合物を蒸気浴上で4時間加熱し、次いで
室温で一晩攪拌した。溶媒を真空中で留去し、残渣を塩
化メチレンと水の間に分配させ、有機層を硫酸ナトリウ
ム上で乾燥し、真空中で濃縮した。残ったオイルを真空
乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精
製し、16.1 g(86%)の1−(3−フェニルプロピル)
イミダゾールを得た。
【0244】(b) アルゴン下−78℃において200 mlの
エーテル中のn−ブチルリチウム(5.76 g, 90ミリモ
ル, ヘキサン中 2.5M)の溶液に1−(3−フェニルプ
ロピル)イミダゾール(16 g, 86ミリモル)の溶液を1
時間で滴下添加した。この混合物を−78℃にて1時間攪
拌し、次いでエーテル(15ml)中のDMF(9.87 g, 0.
135 モル)の溶液を添加した。該混合物を−78℃にて1
時間、次いで−15℃にて18時間攪拌した。反応混合物を
4N HCl(4×20ml)で抽出し、水層を合わせ、氷浴中で
冷却し、そして固体炭酸水素ナトリウムで中和した。水
層をクロロホルム(4×100 ml)で抽出し、有機層を硫
酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮し、15 g
(81%)の1−(3−フェニルプロピル)−2−イミダ
ゾリルカルボキシアルデヒドを得た。
【0245】(c) Dean-Starkトラップを取り付けた三
つ口フラスコ中のアルゴン下の1−(3−フェニルプロ
ピル)−2−イミダゾリルカルボキシアルデヒド(16
g, 75ミリモル)、9.27 g(150 ミリモル)のエチレン
グリコール、250 mlのトルエンおよび 3.8 g(10ミリモ
ル)のp−トルエンスルホン酸一水和物の混合物を、形
成する水分を分離しながら6時間還流させた。この混合
物を室温に冷却し、氷冷した10%炭酸ナトリウム溶液中
に注いだ。水層をエーテルで抽出し、合わせた有機層を
ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして
真空中で濃縮し、18.3 gの1−(3−フェニルプロピ
ル)−2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)イミダ
ゾール〔式V:A=1−(3−フェニルプロピル)イミ
ダゾール;Y=2−(1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)〕を得た。
【0246】(d) 18 g(70ミリモル)の1−(3−フ
ェニルプロピル)−2−(1,3−ジオキソラン−2−
イル)イミダゾールと 11.93 g(70ミリモル)の臭化ベ
ンジルの反応混合物を室温で8時間攪拌した。該混合物
を酢酸エチルで粉砕し、デカンテーションし、乾燥して
26.1 g(87%)の臭化3−ベンジル−2−(1,3−ジ
オキソラン−2−イル)−1−(3−フェニルプロピ
ル)イミダゾリウム〔式VI:A=1−(3−フェニルプ
ロピル)イミダゾール;Y=2−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イル);R1 =R6 =H;Z- =Br- 〕を得
た。
【0247】(e) 臭化3−ベンジル−2−(1,3−
ジオキソラン−2−イル)−1−(3−フェニルプロピ
ル)イミダゾリウム(26 g)と200 mlの48% HBrの混合
物を油浴(120 〜130 ℃)上で攪拌しながら48時間加熱
した。この混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮し、そ
して生じた褐色残渣を水に再溶解した。この水溶液を濾
過し、濾液を水性KPF6溶液で処理した。沈澱した生成物
を濾過し、アセトニトリルに溶かし、濃縮し、そして真
空乾燥して28.6 gの1−(3−フェニルプロピル)イミ
ダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウムヘキサフ
ルオロリン酸塩〔式II:A=1−(3−フェニルプロピ
ル)イミダゾール;R1 =R6 =H;X - = PF6 - 〕を
得た。これを塩化メチレン/酢酸エチルから再結晶し
た。
【0248】(f) 125 mlのアセトニトリル中に1−
(3−フェニルプロピル)イミダゾ〔1,2−b〕イソ
キノリン−4−イウムヘキサフルオロリン酸塩(4.32
g, 10ミリモル)と1,1−ジ(3−フリル)エチレン
(2.4 g, 15 ミリモル)を含む反応混合物を、アルゴン
下で攪拌しながら48時間還流させた。該反応混合物を真
空中で濃縮し、残渣をシリカカラム(塩化メチレン/メ
タノール、20:1)に通し、2.8 g の11,11−ジ(3−
フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−
(3−フェニルプロピル)イミダゾ〔1,2−b〕イソ
キノリン−4−イウムヘキサフルオロリン酸塩〔式I:
A=1−(3−フェニルプロピル)イミダゾール;R1
=R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =3−フリル;X
- = PF6 - 〕を得た。
【0249】(g) アセトニトリル中の11,11−ジ(3
−フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−
(3−フェニルプロピル)イミダゾ〔1,2−b〕イソ
キノリン−4−イウムヘキサフルオロリン酸塩(2.8 g,
4.73 ミリモル)を DowexR1x2-200(Cl - )に通すこと
により(水/アセトニトリル、1:3)、前記塩を対応
する塩化物に変換した。その塩を塩化メチレン/エーテ
ルから再結晶し、真空乾燥して 1.3 g(57%)の塩化1
1,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ−5,10−
ジヒドロ−1−(3−フェニルプロピル)イミダゾ
〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム〔式I:A=
1−(3−フェニルプロピル)イミダゾール;R1 =R
2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =3−フリル;X-
Cl- 〕を得た。
【0250】実施例201 (a) アルゴン下−78℃において100 mlのエーテル中の
n−ブチルリチウム(13.45 g, 0.21 モル, ヘキサン中
2.5M)の溶液に1−ブチルイミダゾール(25g, 0.2
モル)の溶液を1時間で滴下添加した。この混合物を−
78℃にて1時間攪拌し、次いでエーテル(50ml)中のD
MF(15.35 g, 0.21 モル)の溶液を添加した。該混合
物を−78℃にて1時間、次いで−15℃にて18時間攪拌し
た。反応混合物を4N HCl(4×20ml)で抽出し、水層を
合わせ、氷浴中で冷却し、そして固体の炭酸水素ナトリ
ウムで中和した。水層をエーテル(4×35 ml )で抽出
し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中
で濃縮し、28.6 g(93%)の1−ブチル−2−イミダゾ
リルカルボキシアルデヒドを得た。
【0251】(b) Dean-Starkトラップを取り付けた三
つ口フラスコ中のアルゴン下の1−ブチル−2−イミダ
ゾリルカルボキシアルデヒド(28.6 g, 190 ミリモ
ル)、23.56 g (380 ミリモル)のエチレングリコー
ル、250 mlのトルエンおよび 9 g(50ミリモル)のp−
トルエンスルホン酸一水和物の混合物を、形成する水分
を分離しながら6時間還流させた。この混合物を室温に
冷却し、氷冷10%炭酸ナトリウム溶液中に注いだ。水層
をエーテルで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄
し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮
し、19.3 gの1−ブチル−2−(1,3−ジオキソラン
−2−イル)イミダゾール〔式V:A=1−ブチル−2
−イミダゾール;Y=2−(1,3−ジオキソラン−2
−イル)〕を得た。
【0252】(c) 19.3 g(104 ミリモル)の1−ブチ
ル−2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)イミダゾ
ールと 17.75 g(104 ミリモル)の臭化ベンジルの反応
混合物を室温で24時間攪拌した。該混合物を酢酸エチル
で粉砕し、デカンテーションし、乾燥して35.3 gの臭化
3−ベンジル−2−(1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)−1−ブチルイミダゾリウム〔式VI:A=1−ブチ
ルイミダゾール;Y=2−(1,3−ジオキソラン−2
−イル);R1 =R6 =H;Z- =Br- 〕を得た。
【0253】(d) 臭化3−ベンジル−2−(1,3−
ジオキソラン−2−イル)−1−ブチルイミダゾリウム
(35 g)と300 mlの48% HBrの混合物を油浴(120 〜13
0 ℃)上で攪拌しながら48時間加熱した。この混合物を
室温に冷却し、真空中で濃縮し、そして生じた褐色残渣
を水に再溶解した。この水溶液を濾過し、濾液を水性KP
F6溶液で処理した。沈澱した生成物を濾過し、水で洗浄
し、メタノールで洗浄し、真空乾燥して22.6 g(62%)
1−ブチルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4
−イウムヘキサフルオロリン酸塩〔式II:A=1−ブチ
ルイミダゾール;R1 =R6 =H;X- = PF6 - 〕を
得、これをメタノールから再結晶した。
【0254】(e) 75 ml のアセトニトリル中に1−ブ
チルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム
ヘキサフルオロリン酸塩(3.7 g, 10 ミリモル)と1,
1−ジ(3−フリル)エチレン(1.92 g, 10ミリモル)
を含む反応混合物を、アルゴン下で攪拌しながら4日間
還流させた。該反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をエ
ーテルで粉砕し、アセトニトリル中に再溶解し、活性炭
で処理し、濾過した。濾液を真空中で濃縮して4.3 g の
11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ−5,10−
ジヒドロ−1−ブチルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノ
リン−4−イウムヘキサフルオロリン酸塩(式I:A=
1−ブチルイミダゾール;R1 =R2 =R3 =R6
H;R4 =R5 =3−フリル;X- = PF6 - )を得た。
【0255】(f) アセトニトリル中の11,11−ジ(3
−フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−
ブチルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウ
ムヘキサフルオロリン酸塩(4.3 g, 8.11 ミリモル)を
DowexR 1x2-200(Cl - )に通すことにより(水/アセト
ニトリル、1:1)、前記塩を対応する塩化物に変換し
た。その塩を塩化メチレン/エーテルから再結晶し、真
空乾燥して 3.8 gの塩化11,11−ジ(3−フリル)−
5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−ブチルイミダ
ゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム(式I:A
=1−ブチルイミダゾール;R1 =R2 =R3 =R6
H;R4 =R5 =3−フリル;X- =Cl-)を得た。該
生成物を塩化メチレン中に溶かし、濾過し、濾液を真空
中で濃縮することにより更に精製した。水を使って上記
精製工程を繰り返した。
【0256】実施例202 (a) 臭化1−ベンジル−2−(1,3−ジオキソラン
−2−イル)−3−ベンジルイミダゾリウム(17.3 g)
と450 mlの48% HBrの混合物を油浴(120 〜130 ℃)上
で攪拌しながら48時間加熱した。この混合物を60℃にて
真空中で濃縮し、生じた緑色残渣を水に再溶解した。こ
の水溶液を過酸化ナトリウム(2当量)溶液で処理し、
沈澱した生成物をデカンテーションにより分離し、CH3N
−EtOAcから結晶化させた。固体生成物を濾過により収
集し、エタノールで洗浄し真空乾燥して18.6 gの1−ベ
ンジルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウ
ム過塩素酸塩(式II:A=1−ベンジルイミダゾール;
1 =R6 =H;X- =ClO4 - )を得た。
【0257】(b) 50 ml のニトロメタン中に1−ベン
ジルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム
過塩素酸塩(2.0 g, 5.58 ミリモル)と1,1−ジ
〔(1−p−メトキシベンジル)ピラゾール−3−イ
ル〕エチレン(2.23 g, 5.58ミリモル)を含む反応混合
物を、アルゴン下で攪拌しながら24時間還流させた。該
反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィーにより精製し、2.5 g (59%)の11,11−
ジ〔(1−p−メトキシベンジル)ピラゾール−3−イ
ル〕−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−ベンジ
ルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過
塩素酸塩(式I:A=1−ベンジルイミダゾール;R1
=R2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =1−p−メトキ
シベンジル−3−ピラゾリル;X- =ClO4 - )を得た。
【0258】(c) 25 ml のトリフルオロ酢酸中の11,
11−ジ〔(1−p−メトキシベンジル)ピラゾール−3
−イル〕−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−ベ
ンジルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウ
ム過塩素酸塩(2.5 g, 3.3ミリモル)の溶液をアルゴン
下で攪拌しながら48時間還流させた。該混合物を真空中
で濃縮し、残渣を水とアセトニトリルに溶かし、そして
DowexR 1x2-200(Cl -)に通すことにより(水/アセト
ニトリル、1:1)、前記塩を対応する塩化物に変換し
た。その塩をイソプロパノール中で粉砕し、固体を真空
乾燥して0.45 g(32%)の塩化11,11−ジ(ピラゾール
−3−イル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1
−ベンジルイミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−
イウム(式I:A=1−ベンジルイミダゾール;R1
2 =R3 =R6 =H;R4 =R 5 =3−ピラゾリル;
- =Cl- ),m.p. 204-206℃を得た。
【0259】実施例203 (a) アルゴン下0℃において乾燥THF(200 ml)中
の2−イミダゾリルカルボキシアルデヒド(9.6 g, 0.1
モル)の攪拌溶液に 4 g(0.1 モル)の60%水素化ナト
リウムを滴下添加し、該混合物を0℃で15分間、次いで
室温で2時間攪拌し、そして0℃に冷却した。上記混合
物に15 ml のTHF中の塩化ジフェニルメチル(20.27
g, 0.1モル)を加え、生じた混合物を室温で3日間攪拌
した。この反応混合物を60〜70℃の油浴中で24時間加熱
した。溶媒を真空中で留去し、残渣を塩化メチレン中に
溶かし、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾
燥し、真空中で濃縮した。残ったオイルをシリカカラム
に通し(塩化メチレン/エーテル、9:1)、塩化メチ
レン/ヘキサンから結晶化させて10.8 g(39%)の1−
(1,1−ジフェニルメチル)−2−イミダゾリルカル
ボキシアルデヒドを得た。
【0260】(b) −40℃に冷却した250 mlのエーテル
中の7.48 g(0.04モル)の2−ブロモベンジルアルコー
ルの溶液に、ヘキサン中2.5 Mのn−ブチルリチウム
(5.12g, 0.08モル)、次いで4.65 g(0.04モル)のTME
DA を少量ずつ添加し、反応混合物をゆっくり室温に戻
し(浴を取り外す)、1時間攪拌した。上記反応混合物
を−20℃に冷却し、50 ml のエーテル中の10.8 g(0.04
1 モル)の1−(1,1−ジフェニルメチル)−2−イ
ミダゾリルカルボキシアルデヒドを添加し、そして生じ
た反応混合物を室温に戻した。1時間後、該混合物に塩
化アンモニウム溶液を加えた。酢酸エチルを使ってジオ
ールを抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を真空
中で留去した。残渣をエーテルで粉砕して 6.3 g(42
%)の1−(1,1−ジフェニルメチル)−2−〔1−
ヒドロキシ−(2′−ヒドロキシメチル)ベンジル〕イ
ミダゾール〔式IX:A=1−(1,1−ジフェニルメチ
ル)イミダゾール;R1 =R6 =H〕を得た。
【0261】(c) 6.2 g (16.75 ミリモル)の1−
(1,1−ジフェニルメチル)−2−〔1−ヒドロキシ
−(2′−ヒドロキシメチル)ベンジル〕イミダゾール
と40 ml のPOCl3 の混合物を攪拌しながら4時間還流さ
せた。この混合物を冷却し、氷中に注ぎ、混合物を一晩
攪拌した。生じた黒っぽい溶液を濾過パッドを通して濾
過し、KPF6溶液で処理した。生じた固体を濾過し、洗浄
し、そして乾燥し、0.7g の1−(1,1−ジフェニル
メチル)イミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イ
ウムヘキサフルオロリン酸塩〔式II:A=1−(1,1
−ジフェニルメチル)イミダゾール;R1 =R6 =H;
- = PF6 - 〕を得た。
【0262】(d) 20 ml のニトロメタン中に1−
(1,1−ジフェニルメチル)イミダゾ〔1,2−b〕
イソキノリン−4−イウムヘキサフルオロリン酸塩(0.
7 g, 1.46 ミリモル)と1,1−ジ(3−フリル)エチ
レン(0.3 g, 1.75 ミリモル)を含む反応混合物をアル
ゴン下で攪拌しながら4日間還流させた。反応混合物を
真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムに通し(塩化
メチレン/メタノール、9:1)、そして塩化メチレン
/エーテルから再結晶して200 mgの11,11−ジ(3−フ
リル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−
(1,1−ジフェニルメチル)イミダゾ〔1,2−b〕
イソキノリン−4−イウムヘキサフルオロリン酸塩〔式
I:1−(1,1−ジフェニルメチル)イミダゾール;
1 =R2 =R3=R6 =H;R4 =R5 =3−フリ
ル;X- = PF6 - 〕を得た。
【0263】実施例204 (a) 200 mlの塩化メチレン中のイミダゾール(15.4
g, 0.226 モル)と2−ブロモメチルナフタレン(22 g,
0.0995モル)の混合物を室温で一晩攪拌した。該混合
物を200 mlの水と共に攪拌し、有機層を水(2×200 m
l)で洗浄し、そして30 ml の濃HCl および200 mlの水
と共に攪拌した。固体を除去するために濾過した後、塩
化メチレン層を捨て、水層を200 mlのエーテルで抽出し
た。上記水層を3N NaOH 溶液で塩基性にし、塩化メチレ
ンで抽出し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。
上記有機溶液を真空中で濃縮して13.65 g の1−(2−
ナフチルメチル)イミダゾール,m.p. 87-88℃を得た。
【0264】(b) アルゴン下−78℃において150 mlの
THFと150 mlのエーテル中のn−ブチルリチウム(28
ml, 70 ミリモル, ヘキサン中 2.5M)の溶液に、50 m
l のエーテル/THF(1:1)中の1−(2−ナフチ
ルメチル)イミダゾール(13.65 g, 65.6 ミリモル)の
溶液を1時間で滴下添加した。この混合物を−78℃にて
1時間攪拌し、次いでエーテル(10ml)中のDMF(5.
59 ml, 72 ミリモル)の溶液を添加した。該混合物を−
78℃にて1時間、次いで室温にて一晩攪拌した。反応混
合物を4N HCl(4×30ml)で抽出し、水層を合わせ、氷
浴中で冷却し、そして炭酸水素ナトリウム溶液で中和し
た。水層をクロロホルム(4×50ml)で抽出し、有機層
を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空中で濃縮し
て琥珀色のオイルを得た。このオイルをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、1:
1)により精製し、そして酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶して6.38 gの1−(2−ナフチルメチル)−2−イ
ミダゾリルカルボキシアルデヒド,m.p. 89-90℃を得
た。
【0265】(c) −30℃に冷却した100 mlのエーテル
中の5.24 g(0.028 モル)の2−ブロモベンジルアルコ
ールと10 ml のTMEDA の混合物に、26.4 ml (66ミリモ
ル)のヘキサン中2.5 Mのn−ブチルリチウムを滴下添
加した。該反応混合物を−30℃にて1時間攪拌し、次い
でゆっくり室温に戻し(浴を取り外す)、1時間攪拌し
た。上記反応混合物を−20℃に冷却し、50 ml のエーテ
ル中の 6 g(66ミリモル)の1−(2−ナフチルメチ
ル)−2−イミダゾリルカルボキシアルデヒドを添加
し、そして生じた反応混合物を一晩室温まで温めた。該
混合物に塩化アンモニウム溶液を加えた。次いで酢酸エ
チルを使ってジオールを抽出し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、溶媒を真空中で留去した。残渣を塩化メチレン/
ヘキサンから結晶化させて 4.3 gの1−(2−ナフチル
メチル)−2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒドロキシ
メチル)ベンジル〕イミダゾール〔式IX:A=1−(2
−ナフチルメチル)イミダゾール;R1 =R6 =H〕,
m.p. 153-154℃を得た。
【0266】(d) 3.6 g の1−(2−ナフチルメチ
ル)−2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒドロキシメチ
ル)ベンジル〕イミダゾールと25 ml のPOCl3 の混合物
を加熱して還流させ一晩攪拌した。この混合物を氷上に
注ぎ、過剰の過塩素酸ナトリウム溶液で処理し、生成物
を塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム
上で乾燥し、真空中で濃縮して 1.2 gの1−(2−ナフ
チルメチル)イミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4
−イウム過塩素酸塩〔式II:A=1−(2−ナフチルメ
チル)イミダゾール;R1 =R6 =H;X- =ClO4 -
を得た。
【0267】(e) 20 ml のアセトニトリルと20 ml の
エタノール中に1−(2−ナフチルメチル)イミダゾ
〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(1.2 g,3.88 ミリモル)と1,1−ジ(3−フリル)
エチレン(1 g, 6.25 ミリモル)を含む反応混合物を、
加熱して還流させ一晩攪拌した。該反応混合物を真空中
で濃縮し、残渣をCH2Cl2に溶かし、シリカカラムに通し
(塩化メチレン/酢酸エチル、2:1)、蒸発させて過
塩素酸塩として生成物を得た。次いでこの生成物をDowe
xR 1x2-200 ( Cl- ) イオン交換カラムに通し、340 mg
塩化11,11−ジ(3−フリル)−5,10−エタノ−
5,10−ジヒドロ−1−(2−ナフチルメチル)イミダ
ゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム〔式I:A
=1−(2−ナフチルメチル)イミダゾール;R1 =R
2 =R3 =R6 =H;R4 =R5 =3−フリル;X-
Cl- 〕,m.p. 220-225℃を得た。
【0268】実施例205 (a) 200 mlの塩化メチレン中のイミダゾール(15.4
g)と1−クロロメチルナフタレン(14.9, 0.1 モル)
の混合物を室温で一晩攪拌した。該混合物を200mlの水
と共に攪拌し、層を分離し、有機層を水(2×200 ml)
で洗浄し、生じた固体を濾過により除去し、次いで有機
層を30 ml の濃HCl および200 mlの水と共に攪拌した。
塩化メチレン層を捨て、水層を100 mlのエーテルで抽出
した。上記水層を3N NaOH 溶液で塩基性にし、塩化メチ
レンで抽出し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し
た。上記有機溶液を真空中で濃縮して13.58 g の1−
(1−ナフチルメチル)イミダゾールを得た。
【0269】(b) アルゴン下−78℃において150 mlの
THFと150 mlのエーテル中のn−ブチルリチウム(28
ml,ヘキサン中 2.5M)の溶液に、50 ml のエーテル/
THF(1:1)中の1−(1−ナフチルメチル)イミ
ダゾール(13.58 g )の溶液を1時間で滴下添加した。
この混合物を−78℃にて1時間攪拌し、次いでエーテル
(10ml)中のDMF(5.59 ml, 72 ミリモル)の溶液を
添加した。該混合物を−78℃にて1時間、次いで室温に
て一晩攪拌した。反応混合物を4N HCl(4×30ml)で抽
出し、水層を合わせ、氷浴中で冷却し、そして炭酸水素
ナトリウム溶液で中和した。水層をクロロホルム(4×
50ml)で抽出し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥
し、そして真空中で濃縮して琥珀色のオイルを得た。こ
のオイルをシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィー
(酢酸エチル/ヘキサン、1:1)により精製し、そし
て酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して3.05 gの1−
(1−ナフチルメチル)−2−イミダゾリルカルボキシ
アルデヒド,m.p. 88-89℃を得た。
【0270】(c) −30℃に冷却した50 ml のエーテル
中の 2.618 g(0.014 モル)の2−ブロモベンジルアル
コールと4.97 ml のTMEDA の溶液に、 13.2 ml(33ミリ
モル)のヘキサン中2.5 Mのn−ブチルリチウムを少し
ずつ添加した。該反応混合物をゆっくり室温に戻し(浴
を取り外す)、攪拌した。上記反応混合物を−20℃に冷
却し、50 ml のエーテル中の 3 g(12.7ミリモル)の1
−(1−ナフチルメチル)−2−イミダゾリルカルボキ
シアルデヒドを添加し、そして生じた反応混合物を室温
に戻した。該混合物に塩化アンモニウム溶液を加え、次
いで酢酸エチルを使ってジオールを抽出し、硫酸マグネ
シウム上で乾燥し、溶媒を真空中で留去した。残渣を酢
酸エチル/ヘキサンから再結晶して0.92 gの1−(1−
ナフチルメチル)−2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒ
ドロキシメチル)ベンジル〕イミダゾール〔式IX:A=
1−(1−ナフチルメチル)イミダゾール;R1 =R6
=H〕,m.p. 190-191℃を得た。
【0271】(d) 2.58 gの1−(1−ナフチルメチ
ル)−2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒドロキシメチ
ル)ベンジル〕イミダゾールと25 ml のPOCl3 の混合物
を加熱して還流させ一晩攪拌した。この混合物を氷上に
注ぎ、過塩素酸ナトリウム溶液で処理し、生成した固体
を塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム
上で乾燥し、真空中で濃縮して 2.9 gの1−(1−ナフ
チルメチル)イミダゾ〔1,2−b〕イソキノリン−4
−イウム過塩素酸塩〔式II:A=1−(1−ナフチルメ
チル)イミダゾール;R1 =R6 =H;X- =ClO4 -
を得た。
【0272】(e) 20 ml のアセトニトリルと20 ml の
エタノール中に1−(1−ナフチルメチル)イミダゾ
〔1,2−b〕イソキノリン−4−イウム過塩素酸塩
(2.9 g,9.4ミリモル)と1,1−ジ(3−フリル)エ
チレン(2.56 g, 16ミリモル)を含む反応混合物を加熱
して還流させ一晩攪拌した。該反応混合物を真空中で濃
縮し、残渣をシリカゲルカラムに通し(塩化メチレン/
酢酸エチル)、蒸発させて過塩素酸塩として生成物を得
た。次いでこの生成物を DowexR 1x2-200 ( Cl- )イオ
ン交換カラムに通し、1.306 g の塩化11,11−ジ(3−
フリル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロ−1−
(1−ナフチルメチル)イミダゾ〔1,2−b〕イソキ
ノリン−4−イウム〔式I:A=1−(1−ナフチルメ
チル)イミダゾール;R1 =R2 =R3 =R6 =H;R
4 =R5 =3−フリル;X- =Cl- 〕,m.p. 165℃を得
た。
【0273】実施例206 (a) アルゴン下−78℃において200 mlのエーテル中の
n−ブチルリチウム(10.05ml, 157ミリモル, ヘキサン
中 2.5M)の溶液に、200 mlのエーテル中の2−ブロモ
チアゾール(25 g, 157 ミリモル)の溶液を1時間で滴
下添加した。この混合物を−78℃にて1時間攪拌し、次
いでエーテル(50ml)中のDMF(11.14 g, 152ミリモ
ル)の溶液を添加した。該混合物を−78℃にて1時間、
次いで−15℃にて一晩攪拌した。反応混合物を4N HCl
(4×20ml)で抽出し、水層を合わせ、氷浴中で冷却
し、そして炭酸水素ナトリウム溶液で中和した。水層を
エーテル(4×35ml)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウ
ム上で乾燥し、そして真空中で濃縮して15.2 gの2−チ
アゾリルカルボキシアルデヒドを得た。
【0274】(b) アルゴン下で−30℃に冷却した100
mlのエーテル中の15.75 g (0.12モル)の3−メトキシ
ベンジルアルコールに、 15.37 g(240 ミリモル)のヘ
キサン中2.5 Mのn−ブチルリチウムに次いで 13.95 g
(120 ミリモル)のTMEDA を少しずつ添加し、該反応混
合物をゆっくり室温に戻して攪拌した。上記反応混合物
を−20℃に冷却し、50 ml のエーテル中の15 g(132 ミ
リモル)の2−チアゾリルカルボキシアルデヒドを添加
し、そして生じた反応混合物を室温に戻した。1時間
後、該混合物に塩化アンモニウム溶液を加え、次いで酢
酸エチルを使ってジオールを抽出し、硫酸ナトリウム上
で乾燥し、溶媒を真空中で留去してオイルを得た。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン
/メタノール、20:1)により精製して15 g(52%)の
2−〔1−ヒドロキシ−(2′−ヒドロキシメチル−
6′−メトキシ)ベンジル〕チアゾール(式IX:A=2
−チアゾール;R1 =H;R6 =6′−OCH3)を得た。
【0275】(c) 15 g(60ミリモル)の2−〔1−ヒ
ドロキシ−(2′−ヒドロキシメチル−6′−メトキ
シ)ベンジル〕チアゾールと90 ml のPOCl3 の混合物を
攪拌しながら18時間還流させた。この混合物を冷却し、
氷上に注ぎ、一晩攪拌した。生じた黒っぽい溶液を濾過
パッドを通して濾過し、過塩素酸ナトリウム溶液で処理
し、生成した固体を塩化メチレンで抽出した。有機層を
硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮して10.1 g
(53%)の9−メトキシチアゾロ〔3,2−b〕イソキ
ノリニウム過塩素酸塩(式II:A=チアゾロ;R1
H;R6 =9−OCH3;X- =ClO4 - )を得た。
【0276】(d) 100 mlの48% HBr中の9−メトキシ
チアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩
(7 g, 22.19ミリモル)の混合物を115 ℃で18時間加熱
した。この混合物を真空中で濃縮し、残渣を温水に溶か
し、濾過した。濾液を過塩素酸ナトリウムで処理し、生
じた固体を濾過し、水洗して 1.0 g(15%)の9−ヒド
ロキシチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素
酸塩(式II:A=チアゾロ;R1 =H;R6 =9−OH;
- =ClO4 - )を得た。
【0277】(e) 40 ml のエタノール/アセトニトリ
ル(3:1)中に9−ヒドロキシチアゾロ〔3,2−
b〕イソキノリニウム過塩素酸塩(0.9 g, 2.98 ミリモ
ル)と1,1−ジ(3−フリル)エチレン(0.64 g, 4
ミリモル)を含む反応混合物をアルゴン下で攪拌しなが
ら24時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、
真空中で濃縮し、残渣をシリカカラムに通し(塩化メチ
レン/メタノール、9:1)、1.0 g の11,11−ジ(3
−フリル)−9−ヒドロキシ−5,10−エタノ−5,10
−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過
塩素酸塩(式I:A=チアゾロ;R1 =R2 =R3
H;R6 =9−OH;X- =ClO4 - )を得た。
【0278】(f) アセトニトリル中の11,11−ジ(3
−フリル)−9−ヒドロキシ−5,10−エタノ−5,10
−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過
塩素酸塩(1.0 g, 2.17 ミリモル)を DowexR 1x2-200
( Cl- ) に通すことにより(水/アセトニトリル、1:
1)、前記過塩素酸塩を対応する塩化物に変換した。こ
の塩を水に再溶解し、濾過し、そして真空中で濃縮して
0.7 g(60%)の塩化11,11−ジ(3−フリル)−9−
ヒドロキシ−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾ
ロ〔3,2−b〕イソキノリニウム(式I:A=チアゾ
ロ;R1 =R2=R3 =H;R6 =9−OH;X- =C
l- )を得た。
【0279】実施例207 (a) 30 ml のエタノール/アセトニトリル(5:1)
中に9−メトキシチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニ
ウム過塩素酸塩(1.5 g, 4.75 ミリモル)と1,1−ジ
(3−フリル)エチレン(0.95 g, 5.94ミリモル)を含
む反応混合物をアルゴン下で攪拌しながら48時間還流さ
せ、次いで室温に冷却した。該反応混合物を真空中で濃
縮し、残渣をシリカゲルカラムに通し(塩化メチレン/
メタノール、9:1)、2.1 g の11,11−ジ(3−フリ
ル)−9−メトキシ−5,10−エタノ−5,10−ジヒド
ロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩素酸塩
(式I:A=チアゾロ;R1 =R2 =R3 =H;R6
9−OCH3;X- =ClO4 - )を得た。
【0280】(b) アセトニトリル中の11,11−ジ(3
−フリル)−9−メトキシ−5,10−エタノ−5,10−
ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イソキノリニウム過塩
素酸塩(2.1 g, 4ミリモル)を DowexR 1x2-200 ( C
l- ) に通すことにより(水/アセトニトリル、1:
1)、前記過塩素酸塩を対応する塩化物に変換した。こ
の塩を水に再溶解し、濾過し、そして真空中で濃縮して
0.4 gの塩化11,11−ジ(3−フリル)−9−メトキシ
−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2
−b〕イソキノリニウム(式I:A=チアゾロ;R1
2 =R3 =H;R6=9−OCH3;X- =Cl- )を得
た。
【0281】
【発明の効果】
生物学的試験結果 本発明の化合物の代表例は価値ある薬理学的性質を有す
ることがわかった。特に、それらはPCP受容体に結合
するため、興奮性アミノ酸、例えばグルタミン酸がNMDA
受容体に対してもたらす作用の非競合的遮断剤(拮抗
剤)であることがわかった。従って本発明の化合物は、
ハンティングトン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索
硬化症、ダウン症候群、老人性痴呆、グルタル酸血症I
型、多発脳梗塞性痴呆、パーキンソン病、ウイルス性脳
障害(HIV感染に関連した痴呆を含むが、それに限定
されない)および抑制できない発作に関連したニューロ
ン障害といった神経変性障害の治療または予防におい
て、並びに虚血、低酸素または低血糖状態に関連した神
経毒損傷の治療または予防において有用である。そのよ
うな虚血、低酸素もしくは低血糖状態の例としては、発
作、一酸化炭素中毒、高インスリン血症、心停止、溺
水、窒息、脊髄または頭部外傷、冠状動脈バイパス移
植、新生児無酸素症、および周産期仮死が挙げられる。
【0282】本発明の化合物は、虚血、低酸素または低
血糖状態、特に発作に関連した虚血、低酸素または低血
糖状態に関連した神経毒損傷の治療または予防に特に有
用である。本発明の化合物の代表例の薬理学的性質は、
下記のような従来の試験管内および生体内生物学的試験
法により証明された。
【0283】 3H〕TCP電磁波受容体アッセイ Vignonら、Brain Research 1983, 280, 194-197により
記載された通りにPCP認識部位への〔 3H〕TCP結
合を実施した。雄のSprague-Dawleyラットを断頭により
犠牲にし、Brinkmann Polytron(設定6,30秒)を使っ
て10容(重量/容量)の冷Tris-HCl緩衝液(50mM, pH
7.7)の中で全脳をホモジナイズした。ホモジネートを
4℃にて40,000×g で10分間遠心分離した。上清をデカ
ンテーションし、上記の通りホモジナイズ段階と遠心分
離段階を2回繰り返した。この後、ペレットを0.5 〜0.
75 g/mlの組織濃度でTris-HCl(5 mM, pH 7.7)中に再
懸濁し、そして1mlアリコートを使用まで−70℃で凍結
させておいた。膜懸濁液の凍結によりPCP認識部位の
結合性質は変わらなかった。
【0284】アッセイの当日、膜アリコートを解凍し、
新鮮な 5mM Tris-HCl 緩衝液中に1mg/mlの組織濃度で
再懸濁し、使用まで氷上に保存した。各アッセイ試験管
は、1 mlの最終アッセイ容量および0.5 mg/試験管の最
終タンパク質濃度になるように、約1 nMの最終濃度にお
いて 100μl の〔 3H〕TCP、100 μl の様々な濃度
の着目の化合物、500 μl の組織懸濁液および300 μl
の緩衝液を含んだ。ブランク試験管に最終濃度100 μM
のPCPを添加することにより、非特異的結合を定義し
た。全ての試験管を室温で25分間インキュベートした
後、予め使用前に0.5 %ポリエチレンイミンの溶液中に
少なくとも1時間浸漬しておいたWhatmannGF/B ガラス
繊維フィルター上で迅速に濾過することにより反応を停
止させた。フィルターを4ml容量の冷Tris緩衝液で3回
洗浄した。シンチレーション混合液の添加後、約55%の
トリチウム効率を有するBeckman LS 5000TA 液体シンチ
レーションカウンターを使った液体シンチレーション分
光法により、結合した放射能の量を測定した。Elsevier
/Biosoft, Inc.から購入したEBDA/LIGANDプログラム
(McPherson, J. Pharmacol. Meth. 1985, 14, 213-22
8 )を使って阻害定数(Ki 値)を算出した。その結果
を、少なくとも2回の異なる測定の平均値として表わさ
れるKi 値(nM)として、または10μMにおける結合
の阻害率(%)として報告する。
【0285】培養ニューロンにおけるNMDA誘発神経毒の
拮抗 培養皮質ニューロンの調製 Taconic Farms (Germantown, New York )から妊娠した
Swiss-Webster マウスを入手し、受胎後16日目に犠牲に
した。胎児を取り出し、ハンクス平衡塩類溶液(HBS
S),pH 7.4を入れた無菌皿の中に置いた。大脳皮質を
切開し、髄膜を除去し、組織を細かく切り刻み、0.25%
(w/v) トリプシンを含むHBSS溶液中に37℃で15分間入れ
た。次いで無菌のパスツールピペットを使って組織を粉
砕し、10%ウマ血清、10%ウシ胎児血清、2mM L−グル
タミン、21mM d−グルコース、2.2g/l の炭酸水素ナ
トリウム、1000 U/ml のペニシリンおよび1000μg/mlの
ストレプトマイシンが補足された最少必須培地(Gibco
330-1430),pH 7.4で希釈した。細胞を50,000細胞/ウ
エルの最終密度においてFalcon primaria 96ウエルプレ
ート上に置き、5%(v/v) 二酸化炭素の存在下で37℃で
インキュベートした。5日後、その培地を、10%ウマ血
清、10%L−グルタミン、21mM D−グルコース、2.2
g/l の炭酸水素ナトリウム、1,000 U/mlのペニシリン、
1,000 μg/mlのストレプトマイシンおよび10μMシトシ
ンアラビノシドが補足された最少必須培地(Gibco 330-
1430),pH 7.4を含む維持培地に置換した。7日目と10
日目に、シトシンアラビノシドを欠く以外は上記と同じ
維持培地に培地を交換した。13日目に実験を実施した。
【0286】神経保護評価 13日目に培養皮質ニューロンを最少必須培地 pH 7.4 で
2回洗浄し、次いで様々な濃度の試験物質を含むかまた
は含まない500 μMのN−メチル−D−アスパラギン酸
(NMDA)に30分間暴露した。慣例的に最終濃度10μMの
ジゾシルピン(MK-801)を正の対照として含めた。MK-8
01と試験物質は21mMのd−グルコースと2.2 g/l の炭酸
水素ナトリウムが補足された最少必須培地(MEM)中
に調製した。30分後、培地をMEMのみに置換した。試
験物質へのニューロンの暴露はNMDA処理時間に限定され
た。NMDAの除去から24時間後に、各ウエルからの培地の
アリコートを取り出し、WroblewskiおよびLaDue, Proc.
Soc. Exp. Biol. Med. 1955, 90, 210-213 の方法によ
って乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性を測定するこ
とにより細胞損傷の評価を行った。その結果は、NMDA誘
発神経毒の拮抗に関するIC50値(nMで)(50%阻害
を引き起こす濃度)として表わされる。
【0287】第IV表は、〔 3H〕TCP電磁波受容体ア
ッセイ並びに培養ニューロンでのNMDA誘発性神経毒の拮
抗における本発明の代表的化合物の試験から得られた結
果を要約する。
【0288】
【表31】
【0289】再灌流を使った中大脳動脈閉塞(MCAO)モ
デル 文献中に詳しく記載されたもの〔例えばStroke 17, 738
-747 (1986), Stroke20, 513-518 (1989)〕と同様な3
血管ラット虚血モデルを使用した。イソフルラン麻酔下
で右中大脳動脈(側頭筋からの接近により)と両総頸動
脈を60分〜120分の様々な時間に渡り可逆的に閉塞し
た。300 〜420 グラムの体重を有する雄のLong Evans有
冠毛ラットと雄のSprague-Dawleyラットの両方を使っ
た。実験の間は太陽灯により動物の温度を維持した。静
内点滴注入および動脈血圧測定と血液試料の採取のため
に、大腿静脈および同側の大腿動脈にカニューレを挿入
した。試験化合物の注入は、閉塞の30分前に40μl /分
の速度で開始した。血流の再開後、動物の意識を回復さ
せた。虚血の開始後6時間目に動物を犠牲にし、TTC
染色によりニューロンの損傷の程度を定量した。その結
果を梗塞および陰影領域の阻害率(±SEM)として表
す。
【0290】第V表は、MCAOモデルにおける本発明の代
表的化合物の試験から得られた結果を要約する。
【0291】
【表32】
【0292】本発明の化合物は、当業界において公知で
ある常用の製剤法により;即ち、1または複数の医薬上
許容される担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に
本発明の化合物またはそれらの医薬上許容される塩を含
んで成る医薬組成物を、固体もしくは液体形態での経口
投与、非経口投与、局所投与またはエールゾル吸入投与
等用に製剤化することにより、医薬用に調剤することが
できる。
【0293】経口投与用の固体組成物としては、圧縮
錠、ピル、粉末および顆粒が挙げられる。そのような固
体組成物では、活性化合物は少なくとも1種の不活性希
釈剤、例えばデンプン、炭酸カルシウム、ショ糖または
ラクトースと混合される。それらの組成物は、不活性希
釈剤以外の追加の物質、例えば滑剤、例えばステアリン
酸マグネシウム、タルク等を含むこともできる。
【0294】経口投与用の液体組成物としては、当業界
で常用される不活性希釈剤、例えば水および液体パラフ
ィンを含有する、医薬上許容される乳液、溶液、懸濁
液、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。不活
性希釈剤の他に、そのような組成物は、湿潤剤および懸
濁剤、並びに甘味料、矯味剤、香料および保存剤といっ
た補助剤を含んでもよい。本発明によれば、経口用組成
物は、希釈剤または賦形剤の添加を伴ってまたは伴わず
に前記活性成分を含有する吸収性材料、例えばゼラチン
のカプセルも包含する。
【0295】非経口投与用の本発明の製剤としては、無
菌の水性、水性−有機性および有機性の溶液、懸濁液お
よび乳液が挙げられる。有機溶媒または懸濁媒の例はプ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油
(例えばオリーブ油)、および注射可能な有機エステル
(例えばオレイン酸エチル)である。それらの組成物
は、安定剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤とい
った補助剤を含むこともできる。
【0296】局所投与またはエーロゾル吸入投与用の本
発明の製剤としては、医薬上許容される賦形剤、例えば
水、水性アルコール、グリコール、油溶液または油中水
型乳剤中に本発明の化合物を溶解または懸濁したものが
挙げられる。
【0297】所望であれば、本発明の化合物を更に徐放
系または標的配送系(例えば高分子マトリックス、リポ
ソームおよび微小球)の中に含めることができる。
【0298】そのような組成物中の活性成分の割合は、
適当な投与量が得られるように変えることができる。特
定患者に投与される投与量は、判定基準として次の点を
使って臨床医の判断に依存する:投与の経路、処置期
間、患者のサイズと身体的状態、活性成分の効力並びに
それに対する患者の応答。従って、活性成分の有効投与
量は、全ての基準を考慮した後でそして患者に代わって
最良の判断を用いて、臨床医が容易に決定することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/53 31/535 C07D 491/22 7019−4C 498/18 498/22 513/18 513/22 519/00 311 //(C07D 519/00 471:04 471:18) (72)発明者 ウィリアム ジョージ アーレイ アメリカ合衆国,ペンシルバニア 19403, オードュボン,ミル グローブ ドライブ 512 (72)発明者 ビレンドラ クマー アメリカ合衆国,ペンシルバニア 19301, パオリ,リン サークル 14 (72)発明者 ジョン ピーター マラモ アメリカ合衆国,ペンシルバニア 19343, グレンモーア,フォント ロード 616 (72)発明者 マシュー スティーブン ミラー アメリカ合衆国,ペンシルバニア 19343, ニュートン,ダウン レーン 212 (72)発明者 チャクラパニ スブラマンヤム アメリカ合衆国,ペンシルバニア 19438, ハーレイスビル,サラトガ レーン 10

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 {上式中、 R1 は水素または低級アルキルであり;R2 とR3 は独
    立的に水素もしくは低級アルキルであるか、またはR2
    とR3が一緒になってシクロアルキル環または低級アル
    キリデン基を形成し;R4 とR5 は独立的に低級アルキ
    ニル;低級アルコキシ;フェニル(または低級アルコキ
    シにより、ハロゲンにより、低級アルキルにより、ポリ
    フルオロ低級アルキルにより、ポリクロロ低級アルキル
    によりもしくはヒドロキシにより置換されたフェニ
    ル);窒素、酸素および硫黄から成る群より選択された
    同一のもしくは異なる1〜3個のヘテロ原子を含有する
    5員もしくは6員の単環式芳香族複素環系〔あるいは任
    意の利用可能な炭素原子上でヒドロキシにより、低級ア
    ルキルにより、オキソにより、ニトロにより、ハロゲン
    によりもしくは低級アルコキシにより置換された、また
    は任意の利用可能な窒素原子上で低級アルキルにより、
    トリ低級アルキルシリルにより、トリ低級アルキルシリ
    ル−低級アルコキシ−低級アルキルにより、もしくはフ
    ェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で低級アル
    コキシにより、低級アルキルによりもしくはハロゲンに
    より置換された前記フェニル−低級アルキル基)により
    置換された、前記5員もしくは6員の単環式芳香族複素
    環系〕;酸素、窒素および硫黄から成る群より選択され
    た同一のもしくは異なる1〜2個のヘテロ原子を含有す
    る9員もしくは10員の二環式芳香族複素環系〔あるいは
    任意の利用可能な炭素原子上でヒドロキシにより、低級
    アルキルにより、オキソにより、ニトロにより、ハロゲ
    ンによりもしくは低級アルコキシにより置換された、ま
    たは任意の利用可能な窒素原子上で低級アルキルによ
    り、トリ低級アルキルシリルにより、トリ低級アルキル
    シリル−低級アルコキシ−低級アルキルにより、もしく
    はフェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で低級
    アルコキシにより、低級アルキルによりもしくはハロゲ
    ンにより置換された前記フェニル−低級アルキル基)に
    より置換された、前記9員もしくは10員の二環式芳香族
    複素環系〕;または、窒素、酸素および硫黄から成る群
    より選択された同一のもしくは異なる1〜2個のヘテロ
    原子を含有する5員もしくは6員の単環式非芳香族複素
    環系〔あるいは任意の利用可能な炭素原子上でヒドロキ
    シにより、低級アルキルにより、オキソにより、ニトロ
    により、ハロゲンによりもしくは低級アルコキシにより
    置換された、または任意の利用可能な窒素原子上で低級
    アルキルにより、トリ低級アルキルシリルにより、トリ
    低級アルキルシリル−低級アルコキシ−低級アルキルに
    より、もしくはフェニル−低級アルキル(またはフェニ
    ル基上で低級アルコキシにより、低級アルキルによりも
    しくはハロゲンにより置換された前記フェニル−低級ア
    ルキル基)により置換された、前記5員もしくは6員の
    単環式非芳香族複素環系〕であり;あるいはR2 とR4
    および/またはR3 とR5 が、それらに結合している炭
    素原子と一緒になって、下式: 【化2】 〔ここでBは、フェニルであるか、または窒素、酸素お
    よび硫黄から成る群より選択された同一のもしくは異な
    る1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の
    単環式芳香族複素環系(または任意の利用可能な炭素原
    子上で低級アルコキシによりもしくは低級アルキルによ
    り置換された前記B環)であり、そしてnは1〜3の整
    数である〕の二環式環系を形成し;R6 は水素である
    か、あるいは低級アルキル、低級アルカノイルオキシ、
    ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチ
    レンジオキシ、ポリクロロ低級アルキル、OCO(CH2)m
    C(O)O アルキル、OC(O) アルキル、C(O)O アルキル、CO
    2 - 、カルボキシ、スルホ、 SO3 - 、PO3H、 PO3 - 、シ
    アノ、ポリフルオロ低級アルキル、OC(O) アルキル−CH
    =CH−アルキル、OC(O) 低級アルケニル−C(O)アルキ
    ル、アルコキシ、OC(O) アルキル−C(O)O アルキル、ア
    ミノおよび低級アルキルスルホニルアミノから成る群よ
    り選択された7,8,9もしくは10位のいずれか(Aが
    6員環の場合)または6,7,8もしくは9位のいずれ
    か(Aが5員環の場合)の、同一もしくは異なる1〜4
    個の置換基であり、ここでmは1〜4の整数であり;A
    はそれに結合している炭素および窒素原子と一緒になっ
    て、窒素、酸素および硫黄から成る群より選択された同
    一のもしくは異なる2〜3個のヘテロ原子を含有する5
    員もしくは6員の単環式芳香族複素環〔あるいは任意の
    利用可能な炭素原子上でヒドロキシ、OC(O) アルキル−
    CH=CH−アルキル、OC(O) アルキル、OC(O) 低級アルケ
    ニル−C(O)O アルキル、アルコキシ、OC(O) アルキル−
    C(O)Oアルキル、ニトロ、アミノ、低級アルキルスルホ
    ニルアミノ、低級アルキル、低級アルコキシもしくはハ
    ロゲンにより置換された、または任意の利用可能な窒素
    原子上でフェニル(または低級アルコキシにより、低級
    アルキルによりもしくはハロゲンにより置換された前記
    フェニル基)、ジフェニルメチル、ナフチル−低級アル
    キル(またはナフチル基上で低級アルコキシにより、低
    級アルキルによりもしくはハロゲンにより置換された前
    記ナフチル−低級アルキル基)、低級アルキル、または
    フェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で低級ア
    ルコキシにより、低級アルキルによりもしくはハロゲン
    により置換された前記フェニル−低級アルキル基)によ
    り置換された、前記5員もしくは6員の単環式芳香族複
    素環〕を形成し;X- はアニオンであり;そしてR6
    負に荷電した基であるときpは0であり、R6 が負に荷
    電した基以外のものであるときpは1である}により表
    される化合物;またはそれの塩基性化合物の医薬上許容
    される酸付加塩;またはそれの水和物;またはそれの立
    体異性体。
  2. 【請求項2】 R1 が水素または低級アルキルであり;
    2 とR3 が独立的に水素または低級アルキルである
    か、あるいはR2 とR3が一緒になってシクロアルキル
    環または低級アルキリデン基を形成し;R4 とR5 が独
    立的に低級アルキニル;低級アルコキシ;フェニル(ま
    たは低級アルコキシにより、ハロゲンにより、低級アル
    キルにより、ポリフルオロ低級アルキルにより、ポリク
    ロロ低級アルキルによりもしくはヒドロキシにより置換
    されたフェニル);窒素、酸素および硫黄から成る群よ
    り選択された同一のもしくは異なる1〜3個のヘテロ原
    子を含有する5員もしくは6員の単環式芳香族複素環系
    〔あるいは任意の利用可能な炭素原子上で低級アルキル
    により、オキソにより、ニトロにより、ハロゲンにより
    もしくは低級アルコキシにより置換された、または任意
    の利用可能な窒素原子上で低級アルキルにより、トリ低
    級アルキルシリルにより、トリ低級アルキルシリル−低
    級アルコキシ−低級アルキルにより、もしくはフェニル
    −低級アルキル(またはフェニル基上で低級アルコキシ
    により、低級アルキルによりもしくはハロゲンにより置
    換された前記フェニル−低級アルキル基)により置換さ
    れた、前記5員もしくは6員の単環式芳香族複素環
    系〕;酸素、窒素および硫黄から成る群より選択された
    同一のもしくは異なる1〜2個のヘテロ原子を含有する
    9員もしくは10員の二環式芳香族複素環系〔あるいは任
    意の利用可能な炭素原子上で低級アルキルにより、オキ
    ソにより、ニトロにより、ハロゲンによりもしくは低級
    アルコキシにより置換された、または任意の利用可能な
    窒素原子上で低級アルキルにより、トリ低級アルキルシ
    リルにより、トリ低級アルキルシリル−低級アルコキシ
    −低級アルキルにより、もしくはフェニル−低級アルキ
    ル(またはフェニル基上で低級アルコキシにより、低級
    アルキルによりもしくはハロゲンにより置換された前記
    フェニル−低級アルキル基)により置換された、前記9
    員もしくは10員の二環式芳香族複素環系〕;または、窒
    素、酸素および硫黄から成る群より選択された同一のも
    しくは異なる1〜2個のヘテロ原子を含有する5員もし
    くは6員の単環式非芳香族複素環系〔あるいは任意の利
    用可能な炭素原子上で低級アルキルにより、オキソによ
    り、ニトロにより、ハロゲンによりもしくは低級アルコ
    キシにより置換された、または任意の利用可能な窒素原
    子上で低級アルキルにより、トリ低級アルキルシリルに
    より、トリ低級アルキルシリル−低級アルコキシ−低級
    アルキルにより、もしくはフェニル−低級アルキル(ま
    たはフェニル基上で低級アルコキシにより、低級アルキ
    ルによりもしくはハロゲンにより置換された前記フェニ
    ル−低級アルキル基)により置換された、前記5員もし
    くは6員の単環式非芳香族複素環系〕であり;あるいは
    2 とR4 および/またはR3 とR5 が、それらに結合
    している炭素原子と一緒になって、下式: 【化3】 〔ここでBは、フェニルであるか、または窒素、酸素お
    よび硫黄から成る群より選択された同一のもしくは異な
    る1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の
    単環式芳香族複素環系(または任意の利用可能な炭素原
    子上で低級アルコキシによりもしくは低級アルキルによ
    り置換された前記B環)であり、そしてnは1〜3の整
    数である〕の二環式環系を形成し;R6 が水素である
    か、あるいは低級アルキル、低級アルカノイルオキシ、
    ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、メチ
    レンジオキシ、ポリクロロ低級アルキル、OCO(CH2)m
    C(O)O アルキル、OC(O) アルキル、C(O)O アルキル、CO
    2 - 、カルボキシ、スルホ、 SO3 - 、PO3H、 PO3 - 、シ
    アノおよびポリフルオロ低級アルキルから成る群より選
    択された7,8,9もしくは10位のいずれか(Aが6員
    環の場合)または6,7,8もしくは9位のいずれか
    (Aが5員環の場合)の、同一もしくは異なる1〜4個
    の置換基であり、ここでmは1〜4の整数であり;A
    が、それに結合している炭素および窒素原子と一緒にな
    って、窒素、酸素および硫黄から成る群より選択された
    同一のもしくは異なる2〜3個のヘテロ原子を含有する
    5員もしくは6員の単環式芳香族複素環〔あるいは任意
    の利用可能な炭素原子上で低級アルキルにより、低級ア
    ルコキシによりもしくはハロゲンにより置換された、ま
    たは任意の利用可能な窒素原子上で低級アルキルにより
    もしくはフェニル−低級アルキル(またはフェニル基上
    で低級アルコキシにより、低級アルキルによりもしくは
    ハロゲンにより置換された前記フェニル−低級アルキル
    基)により置換された、前記5員もしくは6員の単環式
    芳香族複素環〕を形成し;X- がアニオンであり;そし
    てR6 が負に荷電した基であるときpが0であり、R6
    が負に荷電した基以外のものであるときpが1である、
    請求項1に記載の化合物;またはそれの塩基性化合物の
    医薬上許容される酸付加塩;またはそれの水和物;また
    はそれの立体異性体。
  3. 【請求項3】 R2 とR3 が独立的に水素または低級ア
    ルキルであり;そしてR6 が水素であるか、または低級
    アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシおよ
    びポリフルオロ低級アルキルから成る群より選択された
    7,8,9もしくは10位のいずれか(Aが6員環の場
    合)または6,7,8もしくは9位のいずれか(Aが5
    員環の場合)の同一もしくは異なる1〜2個の置換基で
    ある、請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R6 が水素であるか、あるいは低級アル
    キル、ハロゲン、ヒドロキシおよび低級アルコキシから
    成る群より選択された7,8,9もしくは10位のいずれ
    か(Aが6員環の場合)または6,7,8もしくは9位
    のいずれか(Aが5員環の場合)の1個の置換基であ
    る、請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R6 が水素であるか、あるいは7,8,
    9もしくは10位のいずれか(Aが6員環の場合)または
    6,7,8もしくは9位のいずれか(Aが5員環の場
    合)の1個の低級アルコキシ置換基であり;そしてR1
    が水素である、請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R4 とR5 が独立的に低級アルキニル;
    低級アルコキシ;フェニル(または低級アルコキシによ
    り、ハロゲンにより、低級アルキルにより、ポリフルオ
    ロ低級アルキルにより、ポリクロロ低級アルキルにより
    もしくはヒドロキシにより置換されたフェニル);窒
    素、酸素および硫黄から成る群より選択された同一のも
    しくは異なる1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もし
    くは6員の単環式芳香族複素環系〔あるいは任意の利用
    可能な炭素原子上で低級アルキルにより、オキソにより
    もしくは低級アルコキシにより置換された、または任意
    の利用可能な窒素原子上で低級アルキルによりもしくは
    フェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で低級ア
    ルコキシにより、低級アルキルによりもしくはハロゲン
    により置換された前記フェニル−低級アルキル基)によ
    り置換された、前記5員もしくは6員の単環式芳香族複
    素環系〕;または、酸素、窒素および硫黄から成る群よ
    り選択された同一のもしくは異なる1〜2個のヘテロ原
    子を含有する9員もしくは10員の二環式芳香族複素環系
    〔あるいは任意の利用可能な炭素原子上で低級アルキル
    により、オキソによりもしくは低級アルコキシにより置
    換された、または任意の利用可能な窒素原子上で低級ア
    ルキルによりもしくはフェニル−低級アルキル(または
    フェニル基上で低級アルコキシにより、低級アルキルに
    よりもしくはハロゲンにより置換された前記フェニル−
    低級アルキル基)により置換された、前記9員もしくは
    10員の二環式芳香族複素環系〕である、請求項2に記載
    の化合物。
  7. 【請求項7】 R4 とR5 が独立的に低級アルコキシ;
    フェニル(または低級アルコキシにより、ハロゲンによ
    り、低級アルキルにより、ポリフルオロ低級アルキルに
    より、ポリクロロ低級アルキルによりもしくはヒドロキ
    シにより置換されたフェニル);または窒素、酸素およ
    び硫黄から成る群より選択された同一のもしくは異なる
    1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の単
    環式芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能な炭素原
    子上で低級アルキルにより、オキソによりもしくは低級
    アルコキシにより置換された、または任意の利用可能な
    窒素原子上で低級アルキルによりもしくはフェニル−低
    級アルキル(またはフェニル基上で低級アルコキシによ
    り、低級アルキルによりもしくはハロゲンにより置換さ
    れた前記フェニル−低級アルキル基)により置換され
    た、前記5員もしくは6員の単環式芳香族複素環系〕で
    ある、請求項6に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 R4 とR5 が独立的に低級アルコキシ;
    フェニル(または低級アルコキシにより、ハロゲンによ
    り、低級アルキルにより、ポリフルオロ低級アルキルに
    より、ポリクロロ低級アルキルによりもしくはヒドロキ
    シにより置換されたフェニル);または窒素、酸素およ
    び硫黄から成る群より選択された同一のもしくは異なる
    1〜3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員の単
    環式芳香族複素環系〔あるいは任意の利用可能な炭素原
    子上で低級アルキルにより、オキソによりもしくは低級
    アルコキシにより置換された、または任意の利用可能な
    窒素原子上で低級アルキルによりもしくはフェニル−低
    級アルキル(またはフェニル基上で低級アルコキシによ
    り、低級アルキルによりもしくはハロゲンにより置換さ
    れた前記フェニル−低級アルキル基)により置換され
    た、前記5員もしくは6員の単環式芳香族複素環系〕で
    あり;そしてAが、それに結合している炭素および窒素
    原子と一緒になって、窒素、酸素および硫黄から成る群
    より選択された同一のもしくは異なる2〜3個のヘテロ
    原子を含有する5員の単環式芳香族複素環〔あるいは任
    意の利用可能な炭素原子上で低級アルキルにより、低級
    アルコキシによりもしくはハロゲンにより置換された、
    または任意の利用可能な窒素原子上で低級アルキルによ
    りもしくはフェニル−低級アルキル(またはフェニル基
    上で低級アルコキシにより、低級アルキルによりもしく
    はハロゲンにより置換された前記フェニル−低級アルキ
    ル基)により置換された、前記5員の単環式芳香族複素
    環〕を形成する、請求項7に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 R2 とR3 が独立的に水素または低級ア
    ルキルであり;そしてR6 が水素であるか、または低級
    アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシおよ
    びポリフルオロ低級アルキルから成る群より選択された
    6,7,8もしくは9位のいずれかの同一もしくは異な
    る1〜2個の置換基である、請求項8に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 R6 が水素であるか、または低級アル
    キル、ハロゲン、ヒドロキシおよび低級アルコキシから
    成る群より選択された6,7,8もしくは9位のいずれ
    かの1個の置換基である、請求項9に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 R4 とR5 が独立的に、低級アルコキ
    シ;フェニル;または窒素および酸素から成る群より選
    択された同一のもしくは異なる1〜2個のヘテロ原子を
    含有する5員の単環式芳香族複素環系〔あるいは任意の
    利用可能な炭素原子上でオキソにより置換された、また
    は任意の利用可能な窒素原子上でフェニル−低級アルキ
    ル(またはフェニル基上で低級アルコキシにより置換さ
    れた前記フェニル−低級アルキル基)により置換され
    た、前記5員の単環式芳香族複素環系〕であり;そして
    Aが、それに結合している炭素および窒素原子と一緒に
    なって、窒素および硫黄から成る群より選択された同一
    のもしくは異なる2〜3個のヘテロ原子を含有する5員
    の単環式芳香族複素環〔あるいは任意の利用可能な炭素
    原子上で低級アルキルにより置換された、または任意の
    利用可能な窒素原子上で低級アルキルによりもしくはフ
    ェニル−低級アルキル(またはフェニル基上で低級アル
    コキシにより置換された前記フェニル−低級アルキル
    基)により置換された、前記5員の単環式芳香族複素
    環〕を形成する、請求項10に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 R6 が水素であるかまたは6,7,8
    もしくは9位のいずれかの1個の低級アルコキシ置換基
    であり;そしてR1 が水素である、請求項11に記載の
    化合物。
  13. 【請求項13】 R4 とR5 が独立的に、エトキシ;フ
    ェニル;またはフラニルもしくはピラゾリルより選択さ
    れた5員の単環式芳香族複素環系(あるいは任意の利用
    可能な炭素原子上でオキソにより置換された、または任
    意の利用可能な窒素原子上でメトキシフェニルメチルに
    より置換された、前記5員の単環式芳香族複素環系)で
    あり;そしてAが、それに結合している炭素および窒素
    原子と一緒になって、チアゾリル、イミダゾリルもしく
    はトリアゾリルより選択された5員の単環式芳香族複素
    環(あるいは任意の利用可能な炭素原子上でメチルによ
    り置換された、または任意の利用可能な窒素原子上でメ
    チルにより、フェニルメチルによりもしくはメトキシフ
    ェニルメチルにより置換された、前記5員の単環式芳香
    族複素環)を形成する、請求項12に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 R2 とR3 が独立的に水素またはメチ
    ルであり;そしてR 6 が水素または9−メトキシであ
    る、請求項13に記載の化合物。
  15. 【請求項15】 11,11−ジ(3−フラニル)−5,10
    −エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2−b〕イ
    ソキノリニウムX- である、請求項14に記載の化合
    物。
  16. 【請求項16】 (+)−11,11−ジ(3−フラニル)
    −5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ〔3,2
    −b〕イソキノリニウムX- である、請求項15に記載
    の化合物。
  17. 【請求項17】 塩化(+)−11,11−ジ(3−フラニ
    ル)−5,10−エタノ−5,10−ジヒドロチアゾロ
    〔3,2−b〕イソキノリニウムである、請求項16に
    記載の化合物。
  18. 【請求項18】 R6 が OC(O)アルキル−CH=CH−アル
    キル、OC(O) 低級アルケニル−C(O)O アルキル、アルコ
    キシ、OC(O) アルキル−C(O)O アルキル、アミノおよび
    低級アルキルスルホニルアミノから成る群より選択され
    た7,8,9もしくは10位のいずれか(Aが6員環の場
    合)または6,7,8もしくは9位のいずれか(Aが5
    員環の場合)の同一もしくは異なる1〜4個の置換基で
    ある、請求項1に記載の化合物。
  19. 【請求項19】 Aが、それに結合している炭素および
    窒素原子と一緒になって、窒素、酸素および硫黄から成
    る群より選択された同一のもしくは異なる2〜3個のヘ
    テロ原子を含有する5員もしくは6員の単環式芳香族複
    素環を形成し、ここで前記5員もしくは6員の単環式芳
    香族複素環は任意の利用可能な炭素原子上でヒドロキ
    シ、OC(O) アルキル−CH=CH−アルキル、OC(O) アルキ
    ル、OC(O) 低級アルケニル−C(O)O アルキル、アルコキ
    シ、OC(O) アルキル−C(O)O アルキル、ニトロ、アミノ
    もしくは低級アルキルスルホニルアミノにより置換され
    ているか、または任意の利用可能な窒素原子上でフェニ
    ル(または低級アルコキシにより、低級アルキルにより
    もしくはハロゲンにより置換された前記フェニル基)、
    ジフェニルメチル、ナフチル−低級アルキル(またはナ
    フチル基上で低級アルコキシにより、低級アルキルによ
    りもしくはハロゲンにより置換された前記ナフチル−低
    級アルキル基)により置換されている、請求項1に記載
    の化合物。
  20. 【請求項20】 R4 とR5 が独立的に、フラニル、チ
    エニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリ
    アゾリル、ピロリル、イミダゾリル、イソオキサゾリ
    ル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルから成る群
    より選択された5員の単環式芳香族複素環系であり;R
    6 が水素であるか、または低級アルコキシおよびヒドロ
    キシから成る群より選択された6,7,8もしくは9位
    のいずれかの1個の置換基であり;Aが、それに結合し
    ている炭素および窒素原子と一緒になって、イミダゾリ
    ルおよびトリアゾリルから成る群より選択された5員の
    単環式芳香族複素環を形成し、ここで前記5員の単環式
    芳香族複素環は任意の利用可能な窒素原子上でフェニ
    ル、ジフェニルメチルまたはナフチル−低級アルキルに
    より置換されており;そしてX- がアニオンである、請
    求項19に記載の化合物。
  21. 【請求項21】 R1 ,R2 ,R3 およびR6 が水素で
    あり;R4 とR5 がフラニルであり;Aがそれに結合し
    ている炭素および窒素原子と一緒になって、利用可能な
    窒素原子上でフェニルにより、ジフェニルメチルにより
    もしくはナフチルメチルにより置換されているイミダゾ
    ール環を形成し;そしてX- がアニオンである、請求項
    20に記載の化合物。
  22. 【請求項22】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項1に
    記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  23. 【請求項23】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項2に
    記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  24. 【請求項24】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項5に
    記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  25. 【請求項25】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項7に
    記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  26. 【請求項26】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項8に
    記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  27. 【請求項27】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項10
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  28. 【請求項28】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項12
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  29. 【請求項29】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項14
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  30. 【請求項30】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項15
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  31. 【請求項31】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項16
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  32. 【請求項32】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項17
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  33. 【請求項33】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項18
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  34. 【請求項34】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項19
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  35. 【請求項35】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項20
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  36. 【請求項36】 神経変性障害または神経毒損傷の治療
    または予防の必要な患者においてそのような治療または
    予防に使われる医薬組成物であって、医薬上許容される
    担体、補助剤、希釈剤または賦形剤と一緒に請求項21
    に記載の化合物を含んで成る医薬組成物。
  37. 【請求項37】 神経毒損傷の患者が、虚血、低酸素、
    もしくは低血糖状態に関連する請求項22に記載の医薬
    組成物。
  38. 【請求項38】 虚血、低酸素、もしくは低血糖状態
    が、発作に関連する請求項37に記載の医薬組成物。
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