JPH07223862A - 硼化物系セラミックス複合材料及びその製造方法 - Google Patents

硼化物系セラミックス複合材料及びその製造方法

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JPH07223862A
JPH07223862A JP6019158A JP1915894A JPH07223862A JP H07223862 A JPH07223862 A JP H07223862A JP 6019158 A JP6019158 A JP 6019158A JP 1915894 A JP1915894 A JP 1915894A JP H07223862 A JPH07223862 A JP H07223862A
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boride
composite material
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ceramic composite
sic
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Hisao Ueda
尚郎 上田
Takeyoshi Takenouchi
武義 竹之内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金との耐溶着性、高温特性に
優れ、かつ高強度、高靭性の硼化物系セラミックス複合
材料を提供する。 【構成】 平均粒径0.3μm〜5μmを有する元素周
期律表第4a族及び第6a族よりなる群から選ばれる1
元素の硼化物のマトリックスの結晶粒内又は粒界に、粒
子径500nm以下のSiC3〜30体積%とCo,N
i,Tiの金属粉末5〜10体積%とを分散させた硼化
物系セラミックス複合材料。硼化物とSiCと金属粉末
とを混合して成形した後、真空又は不活性雰囲気中で、
1300℃以上の温度で焼結する。 【効果】 硼化物マトリックス中にナノサイズのSiC
微粒子と金属粉末が分散した特殊な組織構造を有するも
のであり、破壊強度、破壊靭性等の機械的特性が著しく
高い。アルミニウム合金の切削においては、超硬合金よ
り優れた切削特性を有し、ダイヤモンド焼結体よりも安
価に提供される。アルミニウム缶製造用治具材料におい
ても、超硬合金より軽量で優れた耐久性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特殊な組織構造を有した
硼化物系セラミックス複合材料及びその製造方法に係
り、詳しくは、アルミニウム合金などの非鉄金属を切削
する工具用材料、アルミニウム缶製造治具用材料又は耐
摩耗部材として有用な高強度、高靭性の硼化物系セラミ
ックス複合材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】切削工具の最も大きな市場である自動車
関連産業では、環境問題が大きなテーマとなってきてい
る。その中で、軽量化による燃費の低減が最も有効な手
段と考えられ、エンジン部品等のアルミニウム化が急速
に進みつつある。それに伴って、アルミニウム切削の需
要も増加している。
【0003】アルミニウムなどの非鉄金属の切削におい
て、最も大きな課題は、切れ刃に生じる溶着である。ま
た、アルミニウム切削用工具の特性としては、刃先のシ
ャープさ、面粗度の良さ等が必要とされる。そのため、
鋼等の切削工具に対して広く採用されているCVDコー
ティングは、面粗度が上がらないことから、アルミニウ
ムなどの非鉄金属の加工用工具には採用されていない。
【0004】現在、アルミニウム加工分野で、一般的に
使用されている工具材料は、ダイヤモンド焼結体、IS
O規格のK10相当の超硬合金である。
【0005】また、アルミニウム缶製造用治具において
も、ごく一部でセラミックスやサーメットが使用されて
いるが、アルミニウム缶との溶着が問題になっている。
このため、現在、アルミニウム缶製造で一般的に使用さ
れている治具用材料は、超硬合金である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のダイヤモンド焼
結体製工具は、切削特性は良いが、値段が高いという欠
点がある。一方、超硬合金製工具は、切削抵抗を少なく
し、溶着を防止するために、鋭利な刃先形状にしている
が、切削寿命が短いという欠点がある。
【0007】最近では、アルミニウム合金の中でも、よ
り削り難い高Si含有率のアルミニウム合金が多く用い
られる傾向にある。このため、このような難削性のアル
ミニウム合金に対しても、耐摩耗性、耐久性、耐溶着性
に優れ、切削特性に優れた安価な工具用材料の開発が望
まれている。
【0008】また、アルミニウム缶製造用治具において
は、現在、主に超硬合金が使用されているが、製造効率
の向上のために、治具の軽量化と長寿命化が可能な治具
用材料の開発が望まれている。
【0009】本発明は上記従来の実状に鑑みてなされた
ものであって、アルミニウム合金との耐溶着性、高温特
性に優れ、かつ高強度、高靭性の硼化物系セラミックス
複合材料及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の硼化物系セラ
ミックス複合材料は、粒子径0.3〜5μmの結晶粒子
を有する元素周期律表第4a族及び第6a族よりなる群
から選ばれる1元素の硼化物をマトリックスとし、その
結晶粒内又は粒界に、平均粒径500nm以下の炭化珪
素微粒子3〜30体積%と、コバルト,ニッケル及びチ
タンよりなる群から選ばれる1種類の金属粉末5〜10
体積%とを分散させたことを特徴とする。
【0011】請求項2の硼化物系セラミックス複合材料
は、請求項1に記載のセラミックス複合材料において、
更に0.3〜3重量%の炭素を分散させたことを特徴と
する。
【0012】請求項3の硼化物系セラミックス複合材料
は、請求項1に記載のセラミックス複合材料において、
炭素をCVDコートした元素周期律表第4a族及び第6
a族よりなる群から選ばれる1元素の硼化物をマトリッ
クスとし、炭素の含有割合が0.3〜3重量%であるこ
とを特徴とする。
【0013】請求項4の硼化物系セラミックス複合材料
の製造方法は、請求項1に記載のセラミックス複合材料
を製造する方法であって、元素周期律表第4a族及び第
6a族よりなる群から選ばれる1元素の硼化物と、炭化
珪素と、コバルト,ニッケル及びチタンよりなる群から
選ばれる1種類の金属粉末とを混合して成形した後、真
空又は不活性雰囲気中で1300℃以上の温度で焼結す
ることを特徴とする。
【0014】請求項5の硼化物系セラミックス複合材料
の製造方法は、請求項2に記載のセラミックス複合材料
を製造する方法であって、元素周期律表第4a族及び第
6a族よりなる群から選ばれる1元素の硼化物と炭化珪
素と、炭素と、コバルト,ニッケル及びチタンよりなる
群から選ばれる1種類の金属粉末とを混合して成形した
後、真空又は不活性雰囲気中で1300℃以上の温度で
焼結することを特徴とする。
【0015】請求項6の硼化物系セラミックス複合材料
の製造方法は、請求項3に記載のセラミックス材料を製
造する方法であって、元素周期律表第4a族及び第6a
族よりなる群から選ばれる1元素の硼化物に炭素をCV
Dコートした後、該硼化物と、炭化珪素と、コバルト,
ニッケル及びチタンよりなる群から選ばれる1種類の金
属粉末とを混合して成形し、次いで、真空又は不活性雰
囲気中で1300℃以上の温度で焼結することを特徴と
する。
【0016】なお、本発明において、炭化珪素(Si
C)微粒子の分散割合は、マトリックスとSiCとの合
計に対する体積%であり、また、コバルト(Co),ニ
ッケル(Ni),チタン(Ti)の金属粉末の分散割合
は、マトリックスとSiCとの合計に対する体積%であ
る。炭素(C)の含有割合は、マトリックスとSiCと
の合計に対する重量%である。
【0017】以下に本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明の硼化物系セラミックス複合材料
は、結晶粒径0.3〜5μm、好ましくは1μm以下
の、元素周期律表第4a族及び第6a族よりなる群から
選ばれる1元素の硼化物、即ち、硼化チタン(TiB
2 ),硼化ジルコニウム(ZrB2),硼化ハフニウム
(HfB2 ),硼化タングステン(WB,W25 ),
硼化モリブデン(MoB),硼化クロム(CrB)をマ
トリックスとし、このマトリックスの結晶粒内又は粒界
に、平均粒径が500nm以下のSiCの微粒子3〜3
0体積%と、Co,Ni,Tiの金属粉末5〜10体積
%とが均一に分散してなる構造のセラミックス複合材料
である。
【0019】本発明において、SiC微粒子の平均粒径
を500nm以下とする理由は、マトリックスの結晶粒
内に取り込まれ易いこと、そして、マトリックス中で材
料欠陥となるほどのマイクロクラックが発生しない範囲
であること等による。特に、SiC分散粒子の平均粒径
は、50〜300nmとするのが好ましい。
【0020】また、SiC分散粒子の含有割合を3〜3
0体積%とする理由は、焼結時におけるマトリックス粒
子の寸法、形状の制御に効果があり、複合焼結体の組織
を均質化して、破壊強度、破壊靭性、硬度及び高温特性
を高める効果が十分に得られるためである。
【0021】Co,Ni,Tiの金属粉末を添加する理
由は、焼結性と破壊靭性を向上させるためであり、これ
らの金属粉末を5〜10体積%分散させることにより、
材料の高温特性を損なうことなく、破壊靭性などの機械
的特性の向上を図ることができる。この金属粉末が5体
積%未満では、十分な改善効果が得られず、10体積%
を超えると、材料の組織構造制御が困難となり、材料特
性の向上がなくなる。
【0022】なお、マトリックスである元素周期律表第
4a族及び第6a族よりなる群から選ばれる元素の硼化
物の結晶粒径を0.3〜5μmにする理由は、得られる
材料の特性が高くなるためであり、好ましくはこの結晶
粒径は1μm以下である。
【0023】本発明の硼化物系セラミックス複合材料に
おいては、更に、0.3〜3重量%の炭素を分散させる
ことにより、強度等の機械的特性の向上を図ることがで
きる。この炭素の割合は、0.3重量%未満では炭素を
分散させたことによる改善効果が十分に得られず、3重
量%を超えるとかえって焼結性が悪くなり、強度等を低
下させることとなることから、0.3〜3重量%とする
のが好ましい。
【0024】この炭素は、マトリックスを構成する硼化
物粉末にCVDコートすることにより複合させることも
でき、この場合には、炭素の均一分散性が高まり、より
一層優れた改善効果が得られる。
【0025】本発明の硼化物系セラミックス複合材料
は、本発明の方法に従って、好ましくは次のようにして
製造される。
【0026】即ち、まず、平均粒径3μm以下、好まし
くは1μm以下の元素周期律表第4a族及び第6a族よ
りなる群から選ばれる1元素の硼化物粉末、或いは、こ
の硼化物粉末に炭素をCVDコートしたものと、平均粒
径500nm以下、好ましくは50〜300nmのSi
C粉末、Co,Ni及びTiよりなる群から選ばれる1
種の金属粉末、更に必要に応じて平均粒径0.01〜
1.0μmのC粉末を所定割合で混合して、所定形状に
成形する。得られた成形体は、焼結温度1300℃以
上、好ましくは1400〜1500℃で焼結する。この
焼結温度が、1300℃未満であると緻密化が不足し、
十分に緻密で高特性の焼結体が得られない。
【0027】焼結は、不活性雰囲気で常圧焼結、常圧焼
結+HIP(熱間等方圧プレス)処理、或いは、ホット
プレス焼結にて行なうのが好ましい。HIPを採用する
場合、ガス圧は、広範囲に用いられるが、特に1000
〜2000kg/cm2 が好ましい。
【0028】なお、金属粉末は粉砕処理が可能であり、
出発原料の平均粒径は10μm以下のものを用いるのが
好ましい。
【0029】
【作用】本発明者等は、後述するように、アルミニウム
合金に対する耐溶着性に着目したセラミックス材種のス
クリーニングを実施した。その結果、元素周期律表第4
a族及び第6a族よりなる群から選ばれる1元素の硼化
物、炭化珪素、炭化硼素が耐溶着性に優れていることを
見出した。
【0030】しかしながら、これらの単相材料では、工
具や治具などの構造用材料として必要な特性は不十分で
あった。そこで、元素周期律表第4a族及び第6a族よ
りなる群から選ばれる1元素の硼化物(以下、硼化物と
略記)の結晶粒内又は粒界に分散したSiCに、以下の
ような役割を与えることにより、アルミニウム合金切削
工具用材料又はアルミニウム缶製造用治具材料などとし
ての問題点を克服した。
【0031】即ち、本発明に係わる硼化物系セラミック
ス複合材料において、硼化物の結晶粒内又は粒界に分散
したSiCの役割は、次の通りである。
【0032】 マトリックスである硼化物の結晶粒内
又は粒界にSiCを分散させることで、硼化物と分散粒
子の熱膨張係数の差により、マトリックスには引張応
力、分散粒子には圧縮応力が発生し、分散粒子と周囲の
マトリックスに局部的な応力場が形成される。この応力
場により、クラックは、分散粒子の方向に誘導されて、
粒内破壊を生じ、進展するクラックを偏向させる。ま
た、硼化物の結晶粒子の内部で、SiC微粒子にピンニ
ングされた転位によって、結晶粒子が細分化された組織
になっている。このようにSiC分散粒子の添加により
発生した応力場による粒内破壊への誘導及び分散粒子の
粒界、粒内でのマトリックスの拡散制御による組織の微
細化によって、破壊強度を改善することができる。
【0033】 上記応力場によって、高温での硼化物
の強度低下の大きな原因である硼化物結晶粒界のすべり
が抑制されるために、高温強度が改善される。更に、分
散したSiC微粒子は、高温における硼化物の転位移動
を阻害することにより、キャビテーションを抑制し、硼
化物自身の高温変形も抑制される。また、破壊靭性につ
いても、SiC分散粒子の周りに生じた応力場がクラッ
クを誘導し、クラック進展の経路を偏向することにより
改善される。
【0034】なお、Co,Ni,Tiの役割は、焼結性
を向上させ、また、焼結中、粒界に存在する粒子が硼化
物となることにより、高温特性を損なうことなく、破壊
靭性などを改善することにある。
【0035】また、炭素の役割は、酸化不純物の還元除
去と、SiCの添加により可能となった材料組織の制御
性をより高め、更に組織を微細均質化することにより、
機械的特性をより一層改善することにある。
【0036】
【実施例】以下に本発明をなすに至った実験例並びに実
施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。
【0037】実験例1 アルミニウム合金を切削する工具用材料、アルミ缶製造
治具用材料などのアルミニウムに対する耐食性に優れた
セラミックス材料は、アルミニウムとの濡れの良否から
は判断できない。そこで、表1の各種セラミックス材料
で切削チップ(形状:SPGN120308、ホーニン
グなし)を試作し、下記切削条件でアルミニウム合金を
切削してアルミニウム合金に対する耐溶着性を調べた。
切削は1分間切削して、溶着が生じない場合は、更に1
分間の切削を繰り返した。比較のために、ダイヤモンド
焼結体、超硬合金(K種)、サーメットを用いて同様に
切削を行なった。結果を表1に示す。
【0038】切削条件(乾式による連続切削) 被削材 :Al−11%Si合金(A4032) 切削速度 :400m/min. 切込み深さ:1mm 送り量 :0.1mm/rev. 表1から明らかなように、アルミニウム合金との耐溶着
性に優れたセラミックス材種は、TiB2 、ZrB2
HfB2 、W25 、WB、CrB2 、SiC、B4
である。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1〜32,比較例1〜12 実験例1で得られた結果を基に、硼化物にSiC及び金
属粉末、更に場合により炭素を分散し、複合化すること
によりアルミニウム合金切削工具用材料としての特性を
改善した。以下に、本発明の硼化物系セラミックス複合
材料及び比較材料の製造方法、得られた材料の機械的特
性及び切削試験の結果を説明する。
【0041】なお、硼化物には、TiB2 (出光石油化
学社製,平均粒径0.8μm)、ZrB2 (日本新金属
社製,平均粒径1.5μm)、HfB2 (日本新金属社
製,平均粒径1.5μm)、CrB2 (日本新金属社
製,平均粒径2μm)、MoB2 (日本新金属社製,平
均粒径1.5μm)、WB(日本新金属社製,平均粒径
1.5μm)を用い、SiCには、イビデン社製「ベー
ターランダムウルトラファイン」(平均粒径300n
m)を用いた。金属粉末として、Tiは東邦チタニウム
社製のTiH2 粉末(平均粒径10μm)、Niは日本
新金属社製Ni粉末(平均粒径10μm)、Coは日本
新金属社製Co粉末(平均粒径1μm)を用いた。ま
た、炭素としては三菱化成社製カーボンブラック(平均
粒径30nm)を用いた。
【0042】硼化物に金属粉末を添加し、分散媒として
エタノールを用いて撹拌ミルで湿式粉砕し、その後、S
iC、炭素を表2〜7に記載の配合割合で添加し、撹拌
ミルで1時間湿式混合した。この混合スラリーをスプレ
ードライヤーで乾燥造粒して原料粉末とした。なお、一
部のものにおいては、硼化物に、炭素をCVDコートす
ることにより、炭素を配合した。
【0043】この原料粉末を黒鉛ダイス(内径φ60m
mあるいは13.5×13.5mm)に充填し、ホット
プレス装置(富士電波工業社製)で焼結した。焼結条件
は、焼結温度1400℃まで昇温させた後、1時間保持
するものとした。また、プレス圧は30MPaとし、真
空中で行なった。得られた各種の焼結体は、切り出し、
研削・研摩加工して、JIS R1601に準じた3×
4×40mmの3点曲げ試験片の大きさとし、破壊強
度、破壊靭性を調べ、結果を表2〜7に示した。
【0044】なお、曲げ強度は、3点曲げ試験法によ
り、荷重速度0.5mm/min.、スパン長さ30m
mにて測定した。破壊靭性は、5kg重、保持時間10
秒で、IF法により測定した。
【0045】表2〜7から明らかなように、硼化物に対
するSiC添加量30体積%までは、破壊強度、破壊靭
性は大幅に改善される。これらの材料の組織は、微細で
均質になっており、また、SiCのナノ分散の効果が発
現できている。一方、SiC添加量が30体積%を超え
ると材料の組織制御が困難で、材料の特性は僅かしか向
上しない。また、Co,Ni,Tiの金属粉末も10体
積%までの添加により、破壊靭性などの機械的特性が改
善される。この添加量が10体積%を超えると、材料の
組織制御が困難で、材料の特性は向上しない。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】また、上記で得られた13.5×13.5
mmの各焼結体を、切削チップ(形状:SPGN120
308、ホーニングなし)に加工して、アルミニウム合
金(A4032)の切削を行なった。切削条件及び切削
方法は、前記の実験例1と同様とした。その結果を表8
に示した。なお、比較例13,14として市販品のダイ
ヤモンド焼結体及び超硬合金(K種)についても同様に
切削試験を行なって、結果を表8に併記した。
【0053】表8から明らかなように、硼化物に対する
SiC添加量30体積%、Co,Ni,Ti添加量10
体積%までの材料では、20分間切削しても、刃先にア
ルミニウム合金の溶着は生じなかった。一方、SiC添
加量が30体積%を超え、また、金属粉末が10体積%
を超えた材料では、材料の機械的特性が低いために、切
削途中より刃先に著しい摩耗やチッピングが生じ、アル
ミニウム合金との溶着を引き起こした。
【0054】
【表8】
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の硼化物系セ
ラミックス複合材料は、硼化物マトリックス中にナノサ
イズのSiC微粒子と金属粉末が分散した特殊な組織構
造を有するものであり、破壊強度、破壊靭性等の機械的
特性が著しく高い。このような本発明の硼化物系セラミ
ックス複合材料は、特に刃先との溶着を引き起こし易い
アルミニウム合金の切削においては、超硬合金より優れ
た切削特性を有し、かつ、ダイヤモンド焼結体よりも安
価に提供される。また、アルミニウム缶製造用治具材料
においても、超硬合金より軽量で優れた耐久性を示す。
【0056】請求項2,3の硼化物系セラミックス複合
材料では、炭素の不純物除去及び組織の微細均質化作用
により、より一層機械的特性が改善される。
【0057】請求項4〜6の硼化物系セラミックス複合
材料の製造方法によれば、このような本発明の硼化物系
セラミックス複合材料を容易かつ効率的に製造すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径0.3〜5μmの結晶粒子を有す
    る元素周期律表第4a族及び第6a族よりなる群から選
    ばれる1元素の硼化物をマトリックスとし、その結晶粒
    内又は粒界に、平均粒径500nm以下の炭化珪素微粒
    子3〜30体積%と、コバルト,ニッケル及びチタンよ
    りなる群から選ばれる1種類の金属粉末5〜10体積%
    とを分散させたことを特徴とする硼化物系セラミックス
    複合材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のセラミックス複合材料
    において、更に0.3〜3重量%の炭素を分散させたこ
    とを特徴とする硼化物系セラミックス複合材料。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のセラミックス複合材料
    において、炭素をCVDコートした、元素周期律表第4
    a族及び第6a族よりなる群から選ばれる1元素の硼化
    物をマトリックスとし、炭素の含有割合が0.3〜3重
    量%であることを特徴とする硼化物系セラミックス複合
    材料。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のセラミックス複合材料
    を製造する方法であって、元素周期律表第4a族及び第
    6a族よりなる群から選ばれる1元素の硼化物と、炭化
    珪素と、コバルト,ニッケル及びチタンよりなる群から
    選ばれる1種類の金属粉末とを混合して成形した後、真
    空又は不活性雰囲気中で1300℃以上の温度で焼結す
    ることを特徴とする硼化物系セラミックス複合材料の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のセラミックス複合材料
    を製造する方法であって、元素周期律表第4a族及び第
    6a族よりなる群から選ばれる1元素の硼化物と、炭化
    珪素と、コバルト,ニッケル及びチタンよりなる群から
    選ばれる1種類の金属粉末と、炭素とを混合して成形し
    た後、真空又は不活性雰囲気中で1300℃以上の温度
    で焼結することを特徴とする硼化物系セラミックス複合
    材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のセラミックス材料を製
    造する方法であって、元素周期律表第4a族及び第6a
    族よりなる群から選ばれる1元素の硼化物に炭素をCV
    Dコートした後、該硼化物と、炭化珪素と、コバルト,
    ニッケル及びチタンよりなる群から選ばれる1種類の金
    属粉末とを混合して成形し、次いで、真空又は不活性雰
    囲気中で1300℃以上の温度で焼結することを特徴と
    する硼化物系セラミックス複合材料の製造方法。
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