JPH07109174A - 硼化物系セラミックス複合材料及びその製造方法 - Google Patents

硼化物系セラミックス複合材料及びその製造方法

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JPH07109174A
JPH07109174A JP5254250A JP25425093A JPH07109174A JP H07109174 A JPH07109174 A JP H07109174A JP 5254250 A JP5254250 A JP 5254250A JP 25425093 A JP25425093 A JP 25425093A JP H07109174 A JPH07109174 A JP H07109174A
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JP5254250A
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Hisao Ueda
尚郎 上田
Takeyoshi Takenouchi
武義 竹之内
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金との耐溶着性、高温特性に
優れ、かつ高強度、高靭性の硼化物系セラミックス材料
を提供する。 【構成】 平均粒径0.3μm〜5μmを有する第4a
族の硼化物又は硼化タングステンのマトリックスの結晶
粒内又は粒界に、粒子径500nm以下の元素周期律表
6a族から選ばれた1元素を3〜20体積%分散させた
切削工具用セラミックス材料。硼化物と元素周期律表6
a族から選ばれた1元素を混合して成形した後、真空又
は不活性雰囲気中で、1500℃以上の温度で焼結す
る。 【効果】 硼化物マトリックス中にナノサイズのW,M
o,Cr微粒子が分散した特殊な組織構造を有するもの
であり、破壊強度、破壊靭性等の機械的特性が著しく高
い。アルミニウム合金の切削においては、超硬合金より
優れた切削特性を有し、ダイヤモンド焼結体よりも安価
に提供される。アルミニウム缶の加工においても、超硬
合金より軽量で優れた耐久性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特殊な組織構造を有した
硼化物系セラミックス複合材料及びその製造方法に係
り、詳しくは、アルミニウム合金などの難削材を切削す
る工具用材料又はアルミニウム缶製造治具用材料として
有用な高強度、高靭性の硼化物系セラミックス複合材料
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】切削工具の最も大きな市場である自動車
関連産業では、環境問題が大きなテーマとなってきてい
る。その中で、軽量化による燃費の低減が最も有効な手
段と考えられ、エンジン部品等のアルミニウム化が急速
に進みつつある。それに伴って、アルミニウム切削技術
の需要も増加している。
【0003】アルミニウムの切削において、最も大きな
課題は、切れ刃に生じる溶着である。また、アルミニウ
ム切削用工具の特性としては、刃先のシャープさ、面粗
度の良さ等が必要とされる。そのため、鋼等の切削工具
に対して広く採用されているCVDコーティングは、面
粗度が上がらないことから、アルミニウムの加工用工具
には採用されていない。
【0004】現在、アルミニウム加工分野で、一般的に
使用されている工具材料は、ダイヤモンド焼結体、IS
O規格のK10相当の超硬合金である。
【0005】また、アルミニウム缶製造用治具において
も、ごく一部でセラミックスやサーメットが使用されて
いるが、アルミニウム缶との溶着が問題になっている。
このため、現在、アルミニウム缶製造で一般的に使用さ
れている治具用材料は、超硬合金である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のダイヤモンド焼
結体製工具は、切削特性は良いが、値段が高いという欠
点がある。一方、超硬合金製工具は、切削抵抗を少なく
し、溶着を防止するために、鋭利な刃先形状にしている
が、切削寿命が短いという欠点がある。
【0007】最近では、アルミニウム合金の中でも、よ
り削り難い高Si含有率のアルミニウム合金が多く用い
られる傾向にある。このため、このような難削性のアル
ミニウム合金に対しても、耐摩耗性、耐久性、耐溶着性
に優れ、切削特性に優れた安価な工具用材料の開発が望
まれている。
【0008】また、アルミニウム缶製造用治具において
は、現在、主に超硬合金が使用されているが、製造効率
の向上のために、治具の軽量化と長寿命化が可能な治具
用材料の開発が望まれている。
【0009】本発明は上記従来の実状に鑑みてなされた
ものであって、アルミニウム合金との耐溶着性、高温特
性に優れ、かつ高強度、高靭性の硼化物系セラミックス
複合材料及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の硼化物系セラ
ミックス複合材料は、粒子径0.3〜5μmの結晶粒子
を有する元素周期律表第4a族から選ばれる1元素の硼
化物、或いは、硼化タングステンをマトリックスとし、
その結晶粒内又は粒界に、平均粒径500nm以下の元
素周期律表6a族から選ばれる1元素の微粒子を3〜2
0体積%分散させたことを特徴とする。
【0011】請求項2の硼化物系セラミックス複合材料
は、請求項1に記載のセラミックス複合材料において、
更に0.5〜3重量%の炭素を分散させたことを特徴と
する。
【0012】請求項3の硼化物系セラミックス複合材料
は、請求項1に記載のセラミックス複合材料において、
炭素をCVDコートした元素周期律表第4a族から選ば
れる1元素の硼化物、或いは、硼化タングステンをマト
リックスとし、炭素の含有割合が0.5〜3重量%であ
ることを特徴とする。
【0013】請求項4の硼化物系セラミックス複合材料
の製造方法は、請求項1に記載のセラミックス複合材料
を製造する方法であって、元素周期律表第4a族から選
ばれる1元素の硼化物、或いは、硼化タングステンと元
素周期律表6a族から選ばれる1元素とを混合して成形
した後、真空又は不活性雰囲気中で1500℃以上の温
度で焼結することを特徴とする。
【0014】請求項5の硼化物系セラミックス複合材料
の製造方法は、請求項2に記載のセラミックス複合材料
を製造する方法であって、元素周期律表第4a族から選
ばれる1元素の硼化物、或いは、硼化タングステンと元
素周期律表6a族から選ばれる1元素と炭素とを混合し
て成形した後、真空又は不活性雰囲気中で1500℃以
上の温度で焼結することを特徴とする。
【0015】請求項6の硼化物系セラミックス複合材料
の製造方法は、請求項3に記載のセラミックス材料を製
造する方法であって、元素周期律表第4a族から選ばれ
る1元素の硼化物、或いは、硼化タングステンに炭素を
CVDコートした後、該硼化物又は硼化タングステンと
元素周期律表6a族から選ばれる1元素とを混合して成
形した後、真空又は不活性雰囲気中で1500℃以上の
温度で焼結することを特徴とする。
【0016】なお、本発明において、元素周期律表6a
族の元素、即ち、タングステン(W),モリブデン(M
o),クロム(Cr)の微粒子の分散割合は、マトリッ
クスとW等の6a族元素の分散粒子との合計に対する体
積%であり、また、炭素(C)の含有割合(重量%)
は、マトリックスと該分散粒子との合計に対する重量%
である。
【0017】以下に本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明の硼化物系セラミックス複合材料
は、マトリックスとして、結晶粒径0.3〜5μm、好
ましくは1μm以下の、元素周期律表第4a族から選ば
れる1元素の硼化物、即ち、硼化チタン(TiB2 ),
硼化ジルコニウム(ZrB2 ),硼化ハフニウム(Hf
2 ),又は、硼化タングステン(WB,W25 )を
マトリックスとし、このマトリックスの結晶粒内又は粒
界に、平均粒径が500nm以下の元素周期律表6a族
から選ばれる1元素、即ち、W,Mo,Crの微粒子が
3〜20体積%均一に分散してなる構造のセラミックス
複合材料である。
【0019】本発明において、元素周期律表6a族から
選ばれた1元素の平均粒径を500nm以下とする理由
は、マトリックスの結晶粒内に取り込まれ易いこと、そ
して、マトリックス中で材料欠陥となるほどのマイクロ
クラックが発生しない範囲であること等による。特に、
W等の分散粒子の平均粒径は、50〜300nmとする
のが好ましい。
【0020】また、分散粒子の含有割合を3〜20体積
%とする理由は、焼結時におけるマトリックス粒子の寸
法、形状の制御に効果があり、複合セラミックス焼結体
の組織を均質化して、破壊強度、破壊靭性、硬度及び高
温特性を高める効果が十分に得られるためである。
【0021】なお、マトリックスである元素周期律表第
4a族から選ばれる元素の硼化物又は硼化タングステン
の結晶粒径を0.3〜5μmにする理由は、得られる材
料の特性が高くなるためであり、好ましくはこの結晶粒
径は0.3〜1μmである。
【0022】本発明のセラミックス複合材料において
は、更に、0.5〜3重量%のCを分散させることによ
り、強度等の機械的特性の向上を図ることができる。こ
のCの割合は、0.5重量%未満ではCを分散させたこ
とによる改善効果が十分に得られず、3重量%を超える
とかえって焼結性が悪くなり、強度等を低下させること
となることから、0.5〜3重量%とするのが好まし
い。
【0023】このCは、マトリックスを構成する硼化物
粉末にCVDコートすることにより複合させることもで
き、この場合には、Cの均一分散性が高まり、より一層
優れた改善効果が得られる。
【0024】本発明の硼化物系セラミックス複合材料
は、本発明の方法に従って、好ましくは次のようにして
製造される。
【0025】即ち、まず、平均粒径5μm以下、好まし
くは1μm以下の元素周期律表第4a族から選ばれる1
元素の硼化物粉末又は硼化タングステン粉末と、或い
は、この硼化物粉末にCをCVDコートしたものと、平
均粒径500nm以下、好ましくは50〜300nmの
元素周期律表6a族から選ばれた1元素、更に必要に応
じて平均粒径0.01〜1.0μmのC粉末を所定割合
で混合して、所定形状に成形する。得られた成形体は、
焼結温度1500℃以上、好ましくは1600〜170
0℃で焼結する。この焼結温度が、1500℃未満であ
ると緻密化が不足し、十分に緻密で高特性の焼結体が得
られない。
【0026】また、Wなどの分散粒子を酸化物として用
いる場合は、混合粉末を水素気流中で還元処理を行なっ
て用いる。
【0027】焼結は、不活性雰囲気で常圧焼結、常圧焼
結+HIP(熱間等方圧プレス)処理、或いは、ホット
プレス焼結にて行なうのが好ましい。HIPを採用する
場合、ガス圧は、広範囲に用いられるが、特に1000
〜2000kg/cm2 が好ましい。
【0028】
【作用】本発明者等は、後述するように、アルミニウム
合金に対する耐溶着性に着目したセラミックス材種のス
クリーニングを実施した。その結果、元素周期律表第4
a族の硼化物セラミックス、硼化タングステンが耐溶着
性に優れていることを見出した。
【0029】しかしながら、これらの単相材料では、工
具や治具として必要な特性は不十分であった。そこで、
元素周期律表第4a族の硼化物又は硼化タングステンセ
ラミックス(以下、硼化物と略記)の結晶粒内ないし粒
界に分散した元素周期律表6a族から選ばれる1元素
に、以下のような役割を与えることにより、アルミニウ
ム合金切削工具用材料又はアルミニウム缶製造用治具と
しての問題点を克服した。
【0030】即ち、本発明に係わる硼化物系セラミック
ス複合材料において、硼化物の結晶粒内ないし粒界に分
散したW,Mo,Cr等の分散粒子の役割は、次の通り
である。
【0031】 マトリックスである硼化物の結晶粒内
又は粒界に元素周期律表6a族から選ばれた1元素を分
散させることで、硼化物と分散粒子の熱膨張係数の差に
より、マトリックスには引張応力、分散粒子には圧縮応
力が発生し、分散粒子と周囲のマトリックスに局部的な
応力場が形成される。この応力場により、クラックは、
分散粒子の方向に誘導されて、粒内破壊を生じ、進展す
るクラックを偏向させる。また、硼化物の結晶粒子の内
部で、元素周期律表6a族から選ばれた1元素であるW
などの微粒子にピンニングされた転位によって、結晶粒
子が細分化された組織になっている。このように分散粒
子の添加により発生した応力場による粒内破壊への誘導
及び分散粒子の粒界、粒内でのマトリックスの拡散制御
による組織の微細化によって、破壊強度を改善すること
ができる。
【0032】 上記応力場によって、高温での硼化物
の強度低下の大きな原因である硼化物結晶粒界のすべり
が抑制されるために、高温強度が改善される。更に、分
散したW,Mo,又はCrの微粒子は、高温における硼
化物の転位移動を阻害することにより、キャビテーショ
ンを抑制し、硼化物自身の高温変形も抑制される。ま
た、破壊靭性についても、分散粒子の周りに生じた応力
場がクラックを誘導し、クラック進展の経路を偏向する
ことにより改善される。
【0033】なお、Cの役割は、酸化不純物の還元除去
と、W,Mo,Crの添加により可能となった材料組織
の制御性をより高め、更に組織を微細均質化することに
より、機械的特性をより一層改善することにある。
【0034】
【実施例】以下に本発明をなすに至った実験例並びに実
施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。
【0035】実験例1 アルミニウム合金に対する耐溶着性に着目したセラミッ
クス材種のスクリーニングを実施した。表1の各セラミ
ックス材種で切削チップ(形状:SPGN12030
8、ホーニングなし)を試作し、下記切削条件でアルミ
ニウム合金を切削した。切削は1分間切削して、溶着が
生じない場合は、更に1分間の切削を繰り返した。比較
のために、ダイヤモンド焼結体、超硬合金、サーメット
を用いて同様に切削を行なった。結果を表1に示す。
【0036】切削条件(乾式による連続切削) 被削材 :Al−Si合金(A4032) 切削速度 :400m/min. 切込み深さ:0.5mm 送り量 :0.1mm/rev. 表1から明らかなように、アルミニウム合金との耐溶着
性に優れたセラミックス材種は、TiB2 、ZrB2
HfB2 、W25 、WBの硼化物セラミックスであ
る。
【0037】
【表1】
【0038】実施例1〜16,比較例1〜7 実験例1で得られた結果を基に、硼化物にW,Mo又は
Crを分散し、複合化することによりアルミニウム合金
切削工具用材料としての特性を改善した。以下に、本発
明の硼化物系セラミックス複合材料及び比較材料の製造
方法、得られた材料の機械的特性及び切削試験の結果を
説明する。
【0039】なお、硼化物には、TiB2 (出光石油化
学社製,平均粒径0.8μm)、或いは、ZrB2 (日
本新金属社製,平均粒径1.5μm)、あるいはWB
(日本新金属社製,平均粒径1.2μm)を用い、Wに
は、W08(日本新金属社製,平均粒径0.6μm)の
粉砕品を、Moには、MoH(日本新金属社製,平均粒
径0.5μm)の粉砕品を、Crは日本新金属社製(平
均粒径2.5μm)の粉砕品を用いた。また、Cとして
は三菱化成社製カーボンブラック(平均粒径30nm)
を用いた。硼化物を、分散媒としてエタノールを用いて
撹拌ミルで湿式粉砕し、その後、W,Mo又はCr、C
を表2に記載の配合割合で添加し、撹拌ミルで1時間湿
式混合した。この混合スラリーをスプレードライヤーで
乾燥造粒して原料粉末とした。なお、実施例3,8,1
2においては、TiB2 ,ZrB2又はWBに、CをC
VDコートすることにより、Cを配合した。
【0040】この原料粉末を黒鉛ダイス(内径φ60m
mあるいは13.5×13.5mmのものも用いた。)
に充填し、ホットプレス装置(富士電波工業社製)で焼
結した。焼結条件は、焼結温度1600℃又は1700
℃まで昇温させた後、1時間保持するものとした。ま
た、プレス圧は30MPaとし、真空中で行なった。得
られた各種の焼結体は、切り出し、研削・研摩加工し
て、JIS R1601に準じた3×4×40mmの3
点曲げ試験片の大きさとし、破壊強度、破壊靭性を調
べ、結果を表2に示した。
【0041】なお、曲げ強度は、3点曲げ試験法によ
り、荷重速度0.5mm/min.、スパン長さ30m
mにて測定した。破壊靭性は、5kg重、保持時間10
秒で、IF法により測定した。
【0042】表2から明らかなように、硼化物に対する
W,Mo又はCr添加量20体積%までは、破壊強度、
破壊靭性は大幅に改善される。これらの材料の組織は、
微細で均質になっており、またW又はMoのナノ分散の
効果が発現できている。一方、W又はMo添加量が20
体積%を超えると材料の組織制御が困難で、材料組織の
特性は僅かしか向上しない。
【0043】
【表2】
【0044】また、上記で得られた13.5×13.5
mmの各焼結体を、切削チップ(形状:SPGN120
308、ホーニングなし)に加工して、アルミニウム合
金(A4032)の切削を行なった。切削条件及び切削
方法は、前記の実験例1と同様とした。その結果を表3
に示した。なお、比較例6,7として市販品のダイヤモ
ンド焼結体及び超硬合金についても同様に切削試験を行
なって、結果を表3に併記した。
【0045】表3から明らかなように、硼化物に対する
W,Mo,Cr添加量20体積%までの材料では、20
分間切削しても、刃先にアルミニウム合金の溶着は生じ
なかった。一方、W,Mo添加量が20体積%を超えた
材料では、材料の機械的特性が低いために、切削途中よ
り刃先に著しい摩耗やチッピングが生じ、アルミニウム
合金との溶着を引き起こした。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の硼化物系セ
ラミックス複合材料は、硼化物マトリックス中にナノサ
イズのW,Mo,Cr微粒子が分散した特殊な組織構造
を有するものであり、破壊強度、破壊靭性等の機械的特
性が著しく高い。このような本発明の切削工具用セラミ
ックス材料は、特に刃先との溶着を引き起こし易いアル
ミニウム合金の切削においては、超硬合金より優れた切
削特性を有し、かつ、ダイヤモンド焼結体よりも安価に
提供される。また、アルミニウム缶の加工においても、
超硬合金より軽量で優れた耐久性を示す。
【0048】請求項2,3の硼化物系セラミックス複合
材料では、Cの不純物除去及び組織の微細・均質化作用
により、より一層機械的特性が改善される。
【0049】請求項4〜6の硼化物系セラミックス複合
材料の製造方法によれば、このような本発明の硼化物系
セラミックス複合材料を容易かつ効率的に製造すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径0.3〜5μmの結晶粒子を有す
    る元素周期律表第4a族から選ばれる1元素の硼化物、
    或いは、硼化タングステンをマトリックスとし、その結
    晶粒内又は粒界に、平均粒径500nm以下の元素周期
    律表6a族から選ばれる1元素の微粒子を3〜20体積
    %分散させたことを特徴とする硼化物系セラミックス複
    合材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のセラミックス複合材料
    において、更に0.5〜3重量%の炭素を分散させたこ
    とを特徴とする硼化物系セラミックス複合材料。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のセラミックス複合材料
    において、炭素をCVDコートした、元素周期律表第4
    a族から選ばれる1元素の硼化物、或いは、硼化タング
    ステンをマトリックスとし、炭素の含有割合が0.5〜
    3重量%であることを特徴とする硼化物系セラミックス
    複合材料。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のセラミックス複合材料
    を製造する方法であって、元素周期律表第4a族から選
    ばれる1元素の硼化物、或いは、硼化タングステンと元
    素周期律表6a族から選ばれる1元素とを混合して成形
    した後、真空又は不活性雰囲気中で1500℃以上の温
    度で焼結することを特徴とする硼化物系セラミックス複
    合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のセラミックス複合材料
    を製造する方法であって、元素周期律表第4a族から選
    ばれる1元素の硼化物、或いは、硼化タングステンと元
    素周期律表6a族から選ばれる1元素と炭素とを混合し
    て成形した後、真空又は不活性雰囲気中で1500℃以
    上の温度で焼結することを特徴とする硼化物系セラミッ
    クス複合材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のセラミックス材料を製
    造する方法であって、元素周期律表第4a族から選ばれ
    る1元素の硼化物、或いは、硼化タングステンに炭素を
    CVDコートした後、該硼化物又は硼化タングステンと
    元素周期律表6a族から選ばれる1元素とを混合して成
    形した後、真空又は不活性雰囲気中で1500℃以上の
    温度で焼結することを特徴とする硼化物系セラミックス
    複合材料の製造方法。
JP5254250A 1993-10-12 1993-10-12 硼化物系セラミックス複合材料及びその製造方法 Withdrawn JPH07109174A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106041437A (zh) * 2016-07-07 2016-10-26 石家庄市藁城区北创刀具有限公司 防粘附切刀的制作工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106041437A (zh) * 2016-07-07 2016-10-26 石家庄市藁城区北创刀具有限公司 防粘附切刀的制作工艺

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