JPH0722343U - ケース外部空間吹出型ダンパー装置及び同装置を用いた天井裏ー負荷側切替給気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常の空気の流れ方向とは別にダンパーケー
スの外部空間側へも直接に流路を切替形成することので
きるケース外部空間吹出型ダンパー装置及び同装置を用
いた天井裏−負荷側切替給気装置を提供する。 【構成】 空気の流れ方向１００両端を開口し、内部に
空気流路Ｇを備えた矩形のダンパーケース１０を有し、
このダンパーケースの少なくとも一側面には同ダンパー
ケースの外部空間Ｐに直接に臨ませた切欠開口１２が設
けられ、更に、前記ダンパーケース内部には、前記空気
の流れ方向１００とダンパーケースの外部空間Ｐ側方向
へと流路を切り替え流通させ得る羽根機構１４が設けら
れている。簡単な構造で通常流路と外部空間側への流路
との切替が可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空気流をダンパーケース外部空間へも直接導入し得るケース外部空 間吹出型ダンパー装置及び天井裏−負荷側切替給気装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近時、従来の単一ダクト方式による大型空調機を機械室に設置して給気ダクト により各室内に空気を供給するシステムに対し、各室内暖冷房負荷条件に応じた きめの細かい空調が可能である点から個別空調方式が汎用されている。 この個別空調は各階または各室に空調機を配置し、これらに対して機械室より 冷水、温水または調和された一次空気を供給するものであるが、近時は空調用ダ クト部材との接続を考慮して天井裏に空調機を配置する場合が多い。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

このような場合に更に、特開昭５９−１４５４３０号公報に開示された建物躯 体を、加熱又は冷却の媒体として用いてエネルギ損失を小さくし、熱負荷を可及 的に均一化させる要請も高く、このような場合空調機−吹出口−室内という空気 の流れとは別に、空調機から直接に天井裏空間に空調空気を吹き出す必要があり 、この種の空気流切替装置等の出願が待望されていた。

【０００４】 本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は極めて 簡単な構成で安価なコストにおいて通常の空気の流れ方向とは別にダンパーケー スの外部空間側へも直接に流路を切替形成することのできるケース外部空間吹出 型ダンパー装置及び同装置を用いた天井裏−負荷側切替給気装置を提供すること にある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、空気の流れ方向１００両端を開口し、 内部に空気流路Ｇを備えた矩形のダンパーケース１０を有し、このダンパーケー ス１０の少なくとも一側面には同ダンパーケースの外部空間Ｐに直接に臨ませた 切欠開口１２が設けられ、更に、前記ダンパーケース１０内部には、前記空気の 流れ方向１００とダンパーケースの外部空間Ｐ側方向へと流路を切り替え流通さ せ得る羽根機構１４が設けられて成るケース外部空間吹出型ダンパー装置Ｓから 構成される。

【０００６】 また、ケース外部空間吹出型ダンパー装置Ｓのダンパーケース１０の流れ方向 １００両端開口はそれぞれ天井裏５２に配設された空調機３８と空調チャンバ４ ２に連通接続されて成る天井裏−負荷側切替給気装置Ｔから構成される。

【０００７】

【作用】

空気の流れ方向両端を開口し、内部に空気流路を備えた矩形のダンパーケース を有し、ダンパーケースの少なくとも一側面には同ダンパーケースの外部空間に 直接に臨ませた切欠開口が設けられ、かつ、ダンパーケース内部には、前記空気 の流れ方向とダンパーケースの外部空間側方向へと流路を切り替え流通させ得る 羽根機構が設けられている。 したがって、切欠開口を閉塞して通常の空気流路を形成する状態と、通常の空 気流路を閉塞して切欠開口を介してダンパーケースとケース外部空間とを直接に 連通させる流路とが切替形成できる。これにより、天井裏空間蓄熱システム等に おいて、有効に機能できる。

【０００８】

【実施例】

以下、添付図面に基づいて、本考案の好適な実施例を説明する。 図１ないし図３には本考案のケース外部空間吹出型ダンパー装置Ｓの一実施例 を示しており、図１に示すごとく、空気の流れ方向１００の両側を開口した矩形 のダンパーケース１０が設けられている。このダンパーケース１０は例えば金属 製等からなり、内部の空気流路Ｇの断面は矩形に形成され、空調ダクトやその他 の空調機器の流路に介設され、この空気流路Ｇにおいて連通させる。

【０００９】 本考案において一つの特徴的なことは、ダンパーケース１０の少なくとも一側 面に同ダンパーケース１０の外部空間Ｐに直接に臨ませた切欠開口１２を設けた ことであり、図１においてダンパーケース１０の上面壁側は開口されている。そ して、この開口を介して通常の空気の流れ方向とは別に直接に空気流をケース外 部空間に導入させる流路をも形成し得るものである。

【００１０】 一方、ダンパーケース１０の内部には、空気の流れ方向１００と同ダンパーケ ースの外部空間Ｐ側方向へと流路を切替流通させ得る羽根機構１４が設けられて いる。 この羽根機構１４は、羽根体１６を備えており、同羽根体１６はダンパーケー ス１０内において切欠開口１２を閉塞して通常の空気流路を形成する状態と、通 常の空気流路を閉塞して切欠開口１２を開きダンパーケースとケース外部空間Ｐ とを直接に連通させる流路とを保持し得る様に回動自在に軸支されている。

【００１１】 すなわち、図３において羽根体１６は空気流路Ｇの前記切欠開口１２が形成さ れている側の隅部に枢軸１８が設けられており、この枢軸１８に羽根体１６が回 動自在に枢着され、切欠開口１２の閉塞状態から下方側に回動可能になっている 。羽根体１６は矩形の羽根枠２０の表面にパッキン２２を張設して形成されてい る。

【００１２】 この羽根体１６はリンク機構２４により吹き出し方向が切替可能になっている 。空気流路Ｇであるダンパーケース側壁に設けられた支持軸２６を介して第１及 び第２リンク杆２８、３０が羽根枠２０の内部側に接続されており、第１リンク 杆２８が支持軸２６回りに反時計方向に回動すると、リンクを折って図３上実線 示状態から鎖線示状態に羽根体１６は変位し、これによって、切欠開口１２を開 状態にすると共に、空気流路Ｇを遮断する。

【００１３】 図中３２はダンパーケース側壁に取りつけられたケース内に配置されたモータ であり、図示しないギヤ機構を介してモータ回転軸は支持軸２６と連結され、第 １リンク杆２８を所要の方向に回転させる。また、３４はダンパーケース内部に 張設されたグラスウール等の保温材である。

【００１４】 これによって、通常の空気流路を形成する状態と、通常の空気流路を閉塞して 切欠開口１２を介してダンパーケースとケース外部空間Ｐとを直接に連通させる 流路とがモータ３２を駆動させて切替形成でき、特に、空調機−吹出口−室内と いう空気の流れの案内経路に介設させて極めて簡単な構造で低いコストにおいて 、簡易にケース外部空間側へ空調空気を吹き出させることができることとなる。 また、このケース外部空間吹出型ダンパー装置Ｓはその他種々の空調機器に接 続させて使用することができる。

【００１５】 次にこのケース外部空間吹出型ダンパー装置を使用して形成された天井裏−負 荷側切替給気装置Ｔの実施例について説明するが、前記したケース外部空間吹出 型ダンパー装置の実施例と同一構成あるいは同一部材には同一符号を付し、その 説明を省略する。

【００１６】 図４において、この天井裏−負荷側切替給気装置Ｔは、アンカーボルト３６を 介して天井裏空間上面のスラブ等に吊支され、該天井裏空間に設置された空調機 ３８と、この空調機に隣接して配置されフレキシブルダクト４０を介して負荷側 （５０）へ連通された内部が中空の空調チャンバ４２と、これら空調機３８と空 調チャンバ４２介在して設けられたケース外部空間吹出型ダンパー装置Ｓ（以下 「ダンパー装置Ｓ」という。）を備えている。この空調チャンバ４２も同様にア ンカーボルトにより空調機３８に隣接対向する様に吊支されている。

【００１７】 空調機３８は内部に図示しない吹出しファンを備え、その吹き出し方向にダン パー装置Ｓが接続されている。 空調チャンバ４２には、複数のフレキシブルダクトとの接続が可能なように複 数のダクト接続口４０ａが設けられている。そして、このダクト接続口４０ａに おいて複数のフレキシブルダクトの端部が接続され、それらの他端部は吹出口に 接続されて閉鎖状の室内等への給気ルートを形成している。

【００１８】 ダンパー装置Ｓは、空調機３８と空調チャンバ４２とに接続されてその内部の 空気流路Ｇをそれら空調機及び空調チャンバと連通させている。

【００１９】 図４において、ダンパー装置Ｓの一側面、すなわち図４に対して平面方向側に 矩形の切欠開口１２が向けられて空調機及び空調チャンバに接続配置されている 。そして、この切欠開口１２は直接に天井裏空間に臨ましめる様になっている。 ダンパー装置Ｓの内部には、羽根体１６が同開口１２を閉塞する状態と、空気 流路Ｇそのものの連通を閉塞する状態を保持し得る様に回動自在に軸支されてい る。

【００２０】 この天井裏−負荷側切替給気装置Ｔの使用に際しては、昼間など室内等の負荷 側が冷、暖房の負荷を必要とする場合には、羽根体１６を図３上水平方向、すな わち切欠開口１２を閉塞して空調チャンバ４２との連通を保って、各吹出口４４ を介して空調空気を負荷側に給気する。

【００２１】 一方、夜間等の室内負荷側が冷、暖房負荷を必要としない場合には、モータ３ ２、リンク機構２４を介して羽根体１６を図３の実線示状態から枢軸１８回りに 反時計方向に回動させ、空調チャンバ４２側への通路を閉塞する一方、開口１２ を開いて空調機３８からの空調空気をこの開口１２から直接に天井裏空間側に給 気放出する。 これによって、例えば図６ないし図８に示される天井裏空間蓄熱システムを有 効に機能させ、そこにおいて得られる諸種の作用効果を得るものである。

【００２２】 図６ないし図８は天井裏−負荷側切替給気装置Ｂを使用して構成される天井裏 空間蓄熱システムを概括的に説明する説明図であり、図６において複数の階層Ｒ 、Ｓ．．．を備えたビルディング等の建物４６内部は天井４８により室内５０と 天井裏空間５２とに区画されている。なお、図中、５４は室内側と天井裏空間側 を連通する還気口、５６は冷凍機、５８はメインダクトである。

【００２３】 この天井裏空間蓄熱システムにおいては、夏期の冷房時においては昼間は図７ に示す様に吹出口４４を通じて室内負荷側ａに吹き出し、室内冷房を行なう。一 方、夜間は図８の様に装置Ｔのダンパー装置Ｓにより天井裏空間側ｂ吹き出しに 吹き出し方向を切り替えて吹き出させることにより、直接天井裏空間を冷気空調 することとなる。これによって、翌朝に室内負荷側利用者が出勤してくる場合で も還気口５４を介して冷気が室内に降下して緩やかに冷房された室内で快適に仕 事を始めることができる。また、実際の温度と空調すべき温度との温度差により ダクト等に結露を生じることなく、空調機器の早期劣化を生じることがない。

【００２４】 また、冬期の暖房においては昼間時に室内暖房を行う場合には自然に少しづつ 天井裏空間側に還気されるが、夜間時に室内負荷側での負担が必要でない時間帯 には天井裏空間側吹き出しに切り替える。暖気は直接天井裏空間側に放出され、 この場合には室内側に降下することは少ないが、暖房された天井裏空間からの輻 射熱により翌朝の出勤時間帯での室内空調環境は全く暖房が考慮されない場合に 比べて勝ることとなり、特に、事務作業等の最初の開始時の仕事への取りつきが 円滑に行われ、また、空調機を起動させて所要の空調環境に至るまでの待ち時間 が極めて短時間となる。また、空調機の始動時の動力負荷は予め天井裏空間が暖 房状態にあるので小さなもので良い。

【００２５】 この天井裏空間蓄熱システムにおいては、夜間時も空調機を運転することとな るが、夜間時は負荷の負担を必要としない時間帯であることからある程度の空調 温度等を保持できれば良く、したがって、設定温度を維持するには連続的な全時 間帯の空調機運転は必要としない場合が多い。したがって電力コストもさほどか かるわけではない。また、夜間時には余剰電力コストは安価であり、したがって コスト上の負担は少ない。

【００２６】 上記したケース外部空間吹出型ダンパー装置及び同装置Ｓ及び同装置Ｓを用い た天井裏−負荷側切替給気装置Ｔは、上記した実施例にのみ限定されるものでは なく、実用新案登録請求の範囲に記載された考案の精神を逸脱しない範囲におい て任意の変更を加えてもよく、例えば、ダンパー装置Ｓについて、支持軸２６の 駆動はケーシングの外部に設けたハンドルを介して手動により切替可能としても 良いものである。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明した様に、請求項１にかかるケース外部空間吹出型ダンパー装置によ れば、空気の流れ方向両端を開口し、内部に空気流路を備えた矩形のダンパーケ ースを有し、このダンパーケースの少なくとも一側面には同ダンパーケースの外 部空間に直接に臨ませた切欠開口が設けられ、更に、前記ダンパーケース内部に は、前記空気の流れ方向とダンパーケースの外部空間側方向へと流路を切り替え 流通させ得る羽根機構を設けたので、極めて簡単な構造で極めて低廉なコストに おいて通常の空気の流れ方向とは別にダンパーケースの外部空間側へも直接に流 路を切替形成することのでき種々の空調機器等に接続してその必要性を充足でき る。

【００２８】 また、請求項２に係る天井裏−負荷側切替給気装置によれば、ケース外部空間 吹出型ダンパー装置のダンパーケースの流れ方向両端開口はそれぞれ天井裏に配 設された空調機と空調チャンバーに連通接続させることにより、天井裏空間を蓄 熱体として形成し、熱負荷の均一化、エネルギ損失の抑制、空調機動力負荷の軽 減、仕事の立ち上がり開始時の円滑化、空調機器の早期劣化防止等を達成して具 体的に天井裏蓄熱システム中に使用でき、その中心的な機器として機能し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るケース外部空間吹出型ダ
ンパー装置の概略全体斜視図である。

【図２】ケース外部空間吹出型ダンパー装置の切欠開口
側から見た説明図である。

【図３】その一部破断側面図である。

【図４】実施例に係る天井裏−負荷側切替給気装置の一
部省略正面説明図である。

【図５】そのＡ−Ａ線矢視図である。

【図６】ケース外部空間吹出型ダンパー装置を用いた天
井裏−負荷側切替給気装置を実施した天井裏空間蓄熱シ
ステムの概略説明図である。

【図７】天井裏空間蓄熱システムの作用説明図である。

【図８】天井裏空間蓄熱システムの作用説明図である。

【符号の説明】

１０ ダンパーケース １２ 切欠開口 １４ 羽根機構 １６ 羽根体 ３８ 空調機 ４０ フレキシブルダクト ４４ 吹出口 ４６ 建物 ４８ 天井 ５０ 室内 Ｐ 外部空間 Ｇ 空気流路 Ｓ ケース外部空間吹出型ダンパー装置 Ｔ ケース外部空間吹出型ダンパー装置を用いた天井裏
−負荷側切替給気装置 ａ 負荷側吹き出し ｂ 天井裏側吹き出し

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 篠島 隆司 大阪市中央区本町四丁目１番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)考案者 久野 幸男 福岡県粕屋郡篠栗町大字和田1034の４ 協 立エアテック株式会社内 (72)考案者 鳥実 明 福岡県粕屋郡篠栗町大字和田1034の４ 協 立エアテック株式会社内 (72)考案者 森 陽司 福岡県粕屋郡篠栗町大字和田1034の４ 協 立エアテック株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気の流れ方向両端を開口し、内部に空
   気流路を備えた矩形のダンパーケースを有し、 このダンパーケースの少なくとも一側面には同ダンパー
   ケースの外部空間に直接に臨ませた切欠開口が設けら
   れ、 更に、前記ダンパーケース内部には、前記空気の流れ方
   向とダンパーケースの外部空間側方向へと流路を切り替
   え流通させ得る羽根機構が設けられて成るケース外部空
   間吹出型ダンパー装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の装置のダンパーケースの
   流れ方向両端開口はそれぞれ天井裏に配設された空調機
   と空調チャンバーに連通接続されて成る天井裏−負荷側
   切替給気装置。