JPH07223020A - 発泡金属複合金属線の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、製品用途に限定が生じないように
することを目的とする。 【構成】 本発明の発泡金属複合金属線の製造方法は、
増粘した溶融金属３に発泡助剤６を添加して発泡反応状
態にある溶融金属７を金属テープ１１の上面に連続的に
供給して金属テープ層１１と発泡金属層７Ａより成る発
泡金属複合条１２を製造し、発泡金属複合条１２を湾曲
させ円筒に成形した後、両端を溶接して発泡金属層７Ａ
を金属テープ層１１によって被覆するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は発泡金属複合金属線の製
造方法に関し、特に、製品用途に限定が生じないように
した発泡金属複合金属線の製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の発泡金属複合金属線の製造方法と
しては、例えば、特公昭５５−２６１７４号公報に示さ
れているものがある。

【０００３】上記公報に示される製造方法では、ベルト
の間に発泡状態の溶融金属を挟み込むと同時に、コアと
なる補強繊維を長手方向に供給する方法を採用してい
る。

【０００４】一方、送電線用の撚線素線に発泡金属複合
金属線を用いて送電線の軽量化を図ることが検討されて
いる。このため、外径３〜５ｍｍ程度の発泡金属複合金
属線が要求されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の発泡金
属複合金属線の製造方法によると、ベルト空間によって
形成可能な比較的断面積の大きい金属線の製造に限定さ
れ、また、断面形状が矩形であるため、製品の用途範囲
が狭くなるという不都合がある。このため、送電線用の
撚線素線として要求される発泡金属複合金属線を得るこ
とができないという問題がある。

【０００６】従って、本発明の目的は製品用途に限定が
生じないようにすることができる発泡金属複合金属線の
製造方法を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
み、製品用途に限定が生じないようにするため、増粘し
た溶融金属に発泡助剤を添加して発泡反応状態にある溶
融金属を金属テープの上面に連続的に供給して、金属テ
ープ層と発泡金属層より成る発泡金属複合条を製造し、
発泡金属複合条を湾曲させ円筒に成形した後、両端を溶
接して発泡金属層を金属テープ層によって被覆するよう
にした発泡金属複合金属線の製造方法を提供するもので
ある。

【０００８】上記発泡金属複合条の製造は、上下のエン
ドレスベルトの間の空間に、金属テープと発泡反応状態
にある溶融金属を供給することによって行われても良
く、また、水平方向に配置された一対のロール間に、金
属テープと発泡反応状態にある溶融金属を上方から下方
に向けて供給することによって行われても良い。

【０００９】また、上記金属テープの上面に発泡反応状
態にある溶融金属を供給する前に、金属テープをフラッ
クスに通して上面を活性状態にしておくことが望まし
い。このようにしておくと金属テープ層と発泡金属層の
接着を促進させ、加工性を高めることができる。

【００１０】以下、本発明の発泡金属複合金属線の製造
方法について添付図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１１】

【実施例１】まず、図１に示すように、坩堝１に収容さ
れているアルミ等の溶融金属３をヒータ２で所定の温度
（例えば、７００℃）に維持した状態でパイプ４から十
分に空気を吹き込むと共に、スクリュー装置５で溶融金
属３を増粘させる。

【００１２】次に、図２に示すように、溶融金属３に発
泡助剤６として合成ケイ酸カルシウムを添加し、スクリ
ュー装置５で更によく攪拌して発泡助剤６で発泡させ
る。

【００１３】更に、発泡した溶融金属７と送出装置１１
Ａから送り出されたアルミ等の金属テープ１１を、図３
に示す連続鋳造装置８に供給する。連続鋳造装置８は相
互の間に所定の隙間が形成された上下のエンドレスベル
ト９Ａ，９Ｂと、これらを矢印方向に回転させる駆動ロ
ーラ１０Ａ，１０Ｂより構成されており、エンドレスベ
ルト９Ｂ上において供給された金属テープ１１の上面に
発泡した溶融金属７が流し込まれると、エンドレスベル
ト９Ａ，９Ｂは金属テープ１１と発泡した溶融金属７を
両者の隙間に送り込み、ここを通過させることによって
急冷して、金属テープ１１と発泡金属７Ａより成る１．
６×５．０ｍｍの発泡金属複合条１２として送出する。
この発泡金属複合条１２は巻取装置１２Ａによって巻き
取られ、次の丸線成形工程へ移行される。なお、金属テ
ープ１１の上面に発泡した溶融金属７を供給する前に、
金属テープ１１をフラックスに通して上面を活性な状態
にしておくことが望ましい。このようにすると金属テー
プ１１と発泡金属７Ａの接着を促進させることができ
る。

【００１４】続いて、丸線成形工程において、図４に示
すように、発泡金属複合条１２を送出装置１３から送り
出し、これをローラー１４Ａ，１４Ｂで成形して、図５
に示すように略Ｕ字状に湾曲させ、更に、溶接機１５に
よって湾曲した発泡金属複合条１２の両端を溶接して、
図６のような外径３．２ｍｍの丸線とする。最後に、こ
れを伸線ダイス１６に供給して外径３．０ｍｍまで伸線
して発泡金属複合金属線１７とし、巻取装置１７Ａで巻
き取る。

【００１５】

【実施例２】まず、実施例１と同様に発泡した溶融金属
７を製造する。すなわち、繰り返し説明すると、図１，
及び図２に示すように、坩堝１に収容されている溶融金
属３をヒータ２で所定の温度に維持した状態でパイプ４
から十分に空気を吹き込むと共に、スクリュー装置５で
攪拌して溶融金属３を増粘させた後、これに発泡助剤６
を添加して発泡させる。

【００１６】次に、図８に示すように、金属テープ１１
と発泡した溶融アルミ７を、水平に配置された一対のホ
イール１８Ａ，１８Ｂに上方から下方に向けて供給し、
金属テープ１１と発泡金属７Ａより成る発泡金属複合条
１２を製造する。

【００１７】この後、実施例１と同様に発泡金属複合条
１２を丸線成形工程において丸線成形し、両端を溶接し
た後、伸線ダイスで伸線して発泡金属複合金属線とす
る。

【００１８】この実施例では、第１の実施例に比べてベ
ルトの消耗がなくなる等といった利点が得られ、消耗量
が小さいホイールで常に安定した品質を提供することが
できる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の発泡金属
複合金属線の製造方法によると、増粘した溶融金属に発
泡助剤を添加して発泡反応状態にある溶融金属を金属テ
ープの上面に連続的に供給して、金属テープ層と発泡金
属層より成る発泡金属複合条を製造し、発泡金属複合条
を湾曲させ円筒に成形した後、両端を溶接して発泡金属
層が金属テープ層によって被覆するようにしたため、製
品用途に限定が生じないようにすることができ、例え
ば、外径３〜５ｍｍ程度の送電線用の撚線素線の製造に
も適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す説明図。

【図２】本発明の第１の実施例を示す説明図。

【図３】第１の実施例に適用される連続鋳造装置を示す
説明図。

【図４】第１の実施例に係る丸線成形工程を示す説明
図。

【図５】丸線成形工程の第１の成形段階における発泡金
属複合条を示す断面図。

【図６】丸線成形工程の第２の成形段階における発泡金
属複合条を示す断面図。

【図７】丸線成形工程における伸線後の発泡金属複合金
属線を示す断面図。

【図８】本発明の第２の実施例を示す説明図。

【符号の説明】

１ 坩堝 ２
ヒーター ３ 溶融金属 ４
パイプ ５ スクリュー装置 ６
発泡助剤 ７ 発泡した溶融金属 ７Ａ
発泡金属 ８ 連続鋳造装置 ９Ａ，９
Ｂ エンドレスベルト １０Ａ，１０Ｂ 駆動ローラ １１
金属テープ １１Ａ 送出装置 １２
発泡金属複合条 １２Ａ 巻取装置 １３
送出装置 １４Ａ，１４Ｂ ローラ １５
溶接機 １６ 伸線ダイス １７
発泡金属複合金属線 １７Ａ 巻取装置 １８Ａ，
１８Ｂ ホイール

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 増粘した溶融金属に発泡助剤を添加して
   発泡反応状態にある溶融金属を金属テープの上面に連続
   的に供給して、金属テープ層と発泡金属層より成る発泡
   金属複合条を製造し、 前記発泡金属複合条を湾曲させ円筒に成形した後、両端
   を溶接して前記発泡金属層を前記金属テープ層によって
   被覆することを特徴とする発泡金属複合線の製造方法。
2. 【請求項２】 前記発泡金属複合条の製造は、上下のエ
   ンドレスベルトの間の空間に、前記金属テープと前記発
   泡反応状態にある前記溶融金属を供給することによって
   行われる請求項１の発泡金属複合線の製造方法。
3. 【請求項３】 前記発泡金属複合条の製造は、水平方向
   に配置された一対のロール間に、前記金属テープと前記
   発泡反応状態にある前記溶融金属を上方から下方に供給
   することによって行われる請求項１の発泡金属複合線の
   製造方法。
4. 【請求項４】 前記金属テープの上面に前記発泡反応状
   態にある前記溶融金属を供給する前に、前記金属テープ
   をフラックスに通して前記上面を活性状態にする請求項
   １，２，或いは３の発泡金属複合線の製造方法。