JPH07222455A - 多重インバータ装置 - Google Patents
多重インバータ装置Info
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- JPH07222455A JPH07222455A JP6008821A JP882194A JPH07222455A JP H07222455 A JPH07222455 A JP H07222455A JP 6008821 A JP6008821 A JP 6008821A JP 882194 A JP882194 A JP 882194A JP H07222455 A JPH07222455 A JP H07222455A
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Abstract
て,単純な変圧器の構成で異なる設計仕様のインバータ
の多重接続を実現し,柔軟な設計を可能として優れた出
力電圧波形,小形,経済的で高効率な多重インバータ装
置を得ること。 【構成】 n台のA群とB群の3相単位インバータを設
け,A群とB群にそれぞれ絶縁された別の直流電源を設
けることによって,インバータ間の直流電源側を通して
第3次の同相電流が流れないようにし,A群インバータ
とB群インバータの交流出力端子の間にオープンデルタ
のn組の3相変圧器1次巻線を直列に接続してA群イン
バータとB群インバータの出力電圧ベクトルの和が各変
圧器の1次巻線に合成されるようにし,2次巻線電圧を
例えば直列に合成して出力としたものである。 【効果】 波形と制御性が良好で低騒音,高効率のイン
バータを製作できる。
Description
Oサイリスタなどの自己消弧形素子を用いたインバータ
のうち,いわゆる多重インバータと呼ばれ,複数台の単
位インバータの出力を合成することにより,出力容量を
増大し,さらに出力電圧波形の高調波を少なくする方式
の多重インバータ装置に関するものである。その代表的
な用途は,電力系統に接続され,交流出力電流を制御し
て無効電力または高調波電力の制御を行う無効電力制御
装置やアクティブフィルターであるが,燃料電池などの
新エネルギー用にも使うことができる。
ンバータの代表的な例を図9(a)に示す。これは文
献,長谷川,竹田,他著「系統安定化用大容量自励式無
効電力補償装置の開発」,電気学会論文誌D,111巻
10号,平成3年,845から854頁の図4から引用
したもので,本発明の他の図と同じ描き方に統一して示
している。同図(a)において箱で示された単位インバ
ータは,図9(b)に示すような3台の単相ブリッジイ
ンバータである。
バータ(1−1)から(1−8)で直流コンデンサ
(2)の電圧を交流に変換し,その出力を8台のオープ
ンデルタ1次巻線の変圧器(3−1)から(3−8)の
2次側で直列に合成した多重インバータである。
変圧器が使えないことである。その理由は,3台の単相
ブリッジインバータの出力を通常の3相3脚変圧器に接
続すると,出力電圧に含まれる第3高調波成分が同相と
なるので,同相起磁力による多くの漏洩磁束が生じ,周
囲の構造材に渦電流を流したり,騒音を発生するなどの
障害をもたらす。即ち,上記装置では,GTOのスイッ
チング周波数が出力周波数と同じの1パルスPWMが採
用されていることもあり,その出力電圧に大きな第3次
高調波成分が含まれ3相3脚変圧器は使用することがで
きないので,特殊な単相変圧器が3台使われている。こ
の変圧器は,8台の単相変圧器を相ごとにまとめて一体
にしたものである。なお,図9の回路では,5脚鉄心の
3相変圧器を8台使うことも可能である。しかし,3相
3脚鉄心に比し,3相5脚鉄心は余分な鉄材を必要と
し,しかも構造が複雑となり経済的に不利である。ま
た,単相トランス3台か5脚鉄心の何れでも,不必要な
第3次高調波磁束が鉄心を通るので,余分な損失と電磁
騒音が生じると云う問題がある。しかも単相変圧器3台
や5脚変圧器では,3相3脚変圧器に比して,インバー
タの出力電圧の正負不平衡による鉄心の飽和現象が顕著
であるので,正負電流の高性能のバランス制御系が必要
となるという問題が生じる。
ように,単位インバータとして3相ブリッジインバータ
を用いる方法である。図の例では2台の単位インバータ
(1−20)と(1−21)の出力を2台の3相変圧器
(3−20)と(3−21)の2次で直列に多重化して
いる。この単位インバータは,図11に示すような通常
のGTO式2レベルインバータ,GTO式3レベルイン
バータあるいはIGBT式2レベルインバータである。
この方法では,たとえインバータの利用率向上のために
出力電圧の相電圧に第3高調波を付加する周知の変調法
を採用しても,それはインバータの出力線間には現われ
ないので,3脚3相変圧器を使うことができる。しか
し,先の図9の回路では,単相ブリッジ3台(3相ブリ
ッジ2台と等価)に変圧器巻線3相分が接続されるのに
対し,図10の回路では,3相ブリッジ1台に3相分の
変圧器巻線が必要となり,結果として変圧器巻線の数が
2倍になり,価格と効率が問題である。即ち,定格が小
さい巻線を多く使うシステムは価格と効率の点で本質的
に不利になるのである。
力または高調波制御用多重インバータは以上のように構
成されているので,単相変圧器または5脚鉄心が必要で
あるとか,3相3脚変圧器でよい場合は,定格の小さな
巻線を多く必要とし,その結果,設置寸法の増大,不経
済化,効率の低下,電磁騒音の増大,などの問題があ
る。また,従来の多重インバータは同一設計仕様のイン
バータを多重にするので,設計の自由度が少なく,種々
の用途に対して柔軟に対応できなかった。上記の通り従
来の多重インバータ回路は,数十MVA級以上の無効電
力あるいは高調波制御用インバータの回路方式としては
充分とは云えない。
ためになされたもので,無効電力制御用などのインバー
タにおいて,2台あるいはそれ以上のインバータの出力
を多重化するための変圧器の巻線の数を半分にでき,ま
た第3次高調波磁束の問題を解消して通常の3脚鉄心が
使用できる回路構成を提供する。もつて小形,経済的で
第3高調波磁束による電磁騒音と鉄損がなく,高効率な
インバータを得ることを目的とする。また,回路方式や
直流回路電圧あるいはスイッチング周波数などの仕様特
性の異なる複数台のインバータを複雑な制御系を使うこ
となく多重にできる新しい回路方式を提供する。その一
つとして,2レベルインバータと3レベルインバータに
よる多重インバータを提供する。さらに,インバータを
スイッチング周波数の異なる2グループに分け,スイッ
チング周波数の低いグループに出力電圧の低周波成分を
持たせ,スイッチング周波数の高いグループに出力電圧
の高周波数成分を持たせることにより,制御性能がよ
く,しかも高効率の大容量インバータを提供する。ま
た,無効電力は勿論,有効電力も制御可能とすることを
目的とする。
る多重インバータ装置は,相互に電気的に絶縁された第
一および第二の直流コンデンサ,それぞれ上記第一およ
び第二の直流コンデンサからの直流電圧を3相交流電圧
に変換する第一および第二のインバータ,およびこれら
各インバータと接続されるオープンデルタ結線の1次巻
線と交流回路に接続される2次巻線とからなる変圧器を
備え,各相の上記1次巻線のそれぞれ一端には上記第一
のインバータの各相出力端を,他端には上記第二のイン
バータの各相出力端を接続するようにしたものである。
は,特に請求項1の第一の直流コンデンサの電圧に対し
て第二の直流コンデンサの電圧を低く設定したものであ
る。
は,特に請求項2の第一のインバータを3相3レベルイ
ンバータとし,第二のインバータを3相2レベルインバ
ータとしたものである。
は,互いの正端子同士と負端子同士とがリアクトルを介
して接続された第一および第二の直流コンデンサ,それ
ぞれ上記第一および第二の直流コンデンサからの直流電
圧を3相交流電圧に変換する第一および第二のインバー
タ,およびこれら各インバータと接続されるオープンデ
ルタ結線の1次巻線と交流回路に接続される2次巻線と
からなる変圧器を備え,各相の上記1次巻線のそれぞれ
一端には上記第一のインバータの各相出力端を,他端に
は上記第二のインバータの各相出力端を接続するように
したものである。
は,特に請求項4の第一および第二の直流コンデンサ間
に接続される両リアクトルを,その両巻線が共通の磁路
に巻回される結合形とすることにより,上記両巻線に流
れる同一位相の交流電流成分に対して高インピーダンス
値を有するリアクトルとしたものである。
は,特に請求項4または5の第一または第二のインバー
タの各相出力電流の直流成分を検出し,この検出値に基
づき上記第一および第二のインバータを差動的に変調制
御することにより,上記直流成分を抑制するようにした
ものである。
は,第一および第二のインバータをn(nは2またはそ
れ以上の正の整数)組で構成するとともに変圧器の1次
および2次巻線をn組で構成し,それぞれ上記各n台の
第一のインバータの各入力側は共通にして第一の直流コ
ンデンサに,上記各n台の第二のインバータの各入力側
は共通にして第二の直流コンデンサに接続し,各組毎に
各相の上記1次巻線のそれぞれ一端には同一組の上記第
一のインバータの各相出力端を,他端には同一組の上記
第二のインバータの各相出力端を接続するとともに,上
記各n個の2次巻線を相互に接続して3相結線としたも
のである。
は,特に請求項7の各インバータの変調方式として出力
周波数の1周期の間に複数回のスイッチングを行う高周
波PWMを用い,かつすべてのインバータのスイッチン
グを決めるキャリア波の周波数を同一とし,更にn台の
第一のインバータのキャリア波に互いに180/n度の
位相差をもたせ,同一組における第一および第二のイン
バータのキャリア波に互いに180度の位相差をもたせ
たものである。
は,各インバータの変調方式として出力周波数の1周期
の間に複数回のスイッチングを行う高周波PWMを用
い,かつ第一のインバータのスイッチング周波数に対し
て第二のインバータのスイッチング周波数を高く設定し
たものである。
置は,各インバータの出力電圧および電流の制御を同期
回転座標系のd軸およびq軸上で行い,その制御回路の
発生するd軸電圧指令およびq軸電圧指令をそれぞれ第
一のインバータ用と第二のインバータ用とに分配し,そ
れぞれ第一のインバータおよび第二のインバータの変調
回路に与えるようにしたものである。
置は,特に請求項10の第一のインバータに与える電圧
指令のベクトルと第二のインバータに与える電圧指令の
ベクトルとがそのd軸成分,q軸成分のいずれかまたは
双方共異なるように電圧指令を配分するようにしたもの
である。
置は,特に請求項7の変圧器の鉄心としてn組分の3相
3脚鉄心をその互いに隣接するヨーク部分を共用するこ
とにより一体で構成したものを用い,各組各相の脚に各
組各相の1次および2次巻線を巻回するようにしたもの
である。
置は,第一および第二の直流コンデンサのいずれかまた
は双方に直流電源を並列に接続することにより,無効電
力に加え有効電力の制御を可能としたものである。
においては,第一および第二の直流コンデンサが相互に
電気的に絶縁されているので,第一および第二のインバ
ータの出力端間に接続された変圧器1次巻線の電圧には
第3次高調波成分が含まれない。従って,この3相1次
巻線によって発生する磁束にはゼロ相分が含まれず,変
圧器を3相3脚鉄心で構成することができる。
においては,第一および第二の直流コンデンサの電圧が
異なるので,第一および第二のインバータはそれぞれ互
いに異なる入力直流電圧の基に動作することになるが,
その出力は何ら支障なく合成され変圧器の1次巻線に印
加される。
においては,第一および第二のインバータをそれぞれ3
相3レベルインバータおよび3相2レベルインバータと
しているので一種類のスイッチング素子を使用して異な
る構成のインバータの多重化が実現する。
においては,第一および第二の直流コンデンサをリアク
トルを介して接続するようにしているので,両直流コン
デンサ間で電力が融通され両者の直流電圧は常に同一と
なる。また,両直流コンデンサ間を接続することで1次
巻線電圧にゼロ相分が印加されようとするが,上記リア
クトルがそれを抑制する。
においては,上記リアクトルを所定の結合形としている
ので,ゼロ相分を効果的に抑制する。
においては,各相出力電流の直流成分検出値に基づき両
インバータを差動的に変調制御するので,上記リアクト
ルでは有効に抑制し得ない極く低次のゼロ相電流によっ
て生じ得る変圧器の直流偏磁の現象が防止される。
においては,各n台の第一のインバータは第一の直流コ
ンデンサの電圧を共通の電源として動作し,各n台の第
二のインバータは第二の直流コンデンサの電圧を共通の
電源として動作する。そして,各組毎の第一および第二
のインバータの出力は当該組の1次巻線に合成されて供
給され,更に,n組の合成された交流出力が3相結線さ
れた2次巻線から交流回路に供給される。
においては,PWM制御を行う各インバータのキャリア
波の周波数を同一とし,かつ各インバータのキャリア波
に所定の位相差をもたせるので,高調波成分の抑制され
た良質の3相交流電圧が変圧器の2次巻線から出力され
る。
においては,第一のインバータは比較的低周波の交流電
圧を出力し,第二のインバータは比較的高周波の交流電
圧を出力し,これら周波数の異なるインバータ出力が合
成され1次巻線に供給される。
置においては,d軸電圧指令およびq軸電圧指令のそれ
ぞれについて第一のインバータ用と第二のインバータ用
とに分配してそれぞれのインバータの電圧電流を制御す
るので,多重化対象の両インバータの制御出力を自由に
設定することが可能となる。
置においては,更に両インバータに与える電圧指令のベ
クトルが,そのd軸成分,q軸成分のいずれかまたは双
方共異なるように電圧指令を配分するので,両インバー
タ出力のベクトル和が出力電圧となり,両インバータの
電力分担を自由に設定することが可能となる。
置においては,変圧器を,3相3脚をその単位要素とす
る一体構造の鉄心で構成しているので,インバータ出力
の多重化に必要となる変圧器が小形,安価で低騒音とな
る。
置においては,直流コンデンサに並列に直流電源が接続
されるので,直流電源が電荷を供給しインバータとして
有効電力の制御も可能となる。
ンバータを第一のインバータとしてのA群3相インバー
タ(1−A1),(1−A2),………,(1−An)と
第二のインバータとしてのB群3相インバータ(1−B
1),(1−B2),………,(1−Bn)に分けること
が特徴で,更に,第一の直流コンデンサとしてのA群用
直流コンデンサCA(2−A)と第二の直流コンデンサ
としてのB群用直流コンデンサCB(2−B)を別に設
けている。A群インバータの出力は,変圧器(3−
1),(3−2),…………,(3−n)のオープンデ
ルタ1次巻線の・の付いた巻初め側端子に接続され,一
方B群インバータの出力は巻終わり側端子に接続されて
いる。なお,図中箱で示す各単位インバータ(1−A
1)等には,従来の図11で示した各種の3相インバー
タが採用される。図1においてA群インバータとB群イ
ンバータは同一設計でも異なる設計でもよいところが本
発明のもう一つの特徴で,設計の自由度が多く柔軟性の
高いシステムを構成することが容易となるものである。
直流コンデンサが分離されているので,A群とB群のイ
ンバータは出力電流定格がほぼ同じでさえあれば,出力
電圧定格は異なってもよいのである。A群インバータと
B群インバータの出力電圧指令を同じ大きさで逆極性に
すれば,1次巻線には2倍の電圧が供給される。本発明
のさらなる特徴は,A群とB群に異なる電圧ベクトル指
令を与えるという柔軟性である。その時は,二つの電圧
指令の差が出力電圧として変圧器の1次巻線に印加され
る。本発明の変圧器の2次側の出力の合成はシンプルな
直列接続が最も実用的であるが,特定の高調波を消去す
ることのできる千鳥結線などを使うこともできる。
明する。本発明では,A群とB群に異なる設計仕様のイ
ンバータを用る場合や,A群とB群が同じ設計仕様でも
異なる電圧ベクトルの指令を与える制御法を用いること
がある。例えば,A群の3レベルインバータの出力電圧
をEA=(EU,EV,EW)とし,B群の2レベルインバ
ータの出力電圧は,1>k>0として,EB=(−k
EU,−kEV,−kEW) とする。その場合,変圧器
に印加される電圧は, ET= EA−EB =(EU,EV,EW)−(−kEU,
−kEV,−kEW)= ((1+k)EU,(1+k)
EV,(1+k)EW) となり,2台の出力電圧の分担は1:kで,和動的に変
圧器に印加される。これを図にしたものが図2(a)
で,インバータに与える空間電圧ベクトル指令が逆極性
で大きさが異なることを示している。
インバータの出力電圧ベクトルの大きさと方向が共に異
なる場合であるが,この場合は二つのベクトルの差の電
圧が変圧器に印加される。方向が異なるのは,A群とB
群の運転の力率が異なる場合や,A群に出力電圧の低周
波数成分を持たせ,B群に高周波成分を持たせるような
制御を行なう場合である。このような複雑な制御系は後
で述べるように,d−q座標系の上で構成するのがよ
い。このようにして,本発明では,A群とB群の出力電
圧は全く自由であり,複雑な制御系を何も使わずに多重
にできるのである。
説明したものが図3で,インバータAの各相電圧eUA,
eVA,eWAとインバータBのeUB,eVB,eWBが直列接
続関係になっていることが同図から分かる。両者の電圧
指令を逆極性にすれば,出力電圧が和動になることが容
易にわかる。ゼロ相電圧成分について考えると,第3次
高調波電圧などのゼロ相成分が相電圧に存在してもそれ
は3相インバータの線間には現われないので,電流が流
れない。A群とB群の直流コンデンサが別であるため,
ゼロ相電圧が存在してもゼロ相電流は流れ得ないのであ
る。また,単相ブリッジ×3と異なり,第3起磁力は変
圧器1次巻線には印加されないので,通常の3相3脚変
圧器が利用できることが理解できる。直流コンデンサを
2n個設けず,2つとし,n組のA群とB群で共用して
いることが本発明の特徴であるが,このようにしても,
これらn組の間で相互に第三次高調波電流が循環するこ
とはない。その理由はn組が発生する第三次高調波電圧
は同じだからである。また,以上の結果,後述するよう
に,直流電圧制御回路も2個で済み,制御回路の構成も
簡単になるという利点がある。次に高調波について考え
ると,インバータ出力が並列に多重化される相間リアク
トル方式では,キャリアを180度シフトして波形を改
善すれば,波形の相異による高調波電流が相間リアクト
ルに流れる。しかしこの回路では直列に多重になるの
で,A群とB群の高調波の位相差で改善された後の波形
が変圧器に印加されるため,有利となる。
に示す。これの方式が図1と異なる点はコンデンサCA
(2−A)とCB(2−B)の正,負端子をゼロ相リア
クトル5で相互に並列接続したことである。ここで,両
コンデンサCA,CB間を接続することは,先に説明した
図3の回路で,スター結線で示した両単位インバータの
中性点間を接続することを意味する。従って,このルー
トを介してゼロ相電流が流れようとするので,これを十
分小さい値に抑制するためこのルートにリアクトルを挿
入する訳である。
コンデンサCAの正端子とコンデンサCBの正端子との間
に挿入する巻線とコンデンサCAの負端子とコンデンサ
CBの負端子との間に挿入する巻線とを共通の磁路に巻
回する結合形としたもので,これによって上記両巻線を
同一位相で流れることになるゼロ相電流成分に対して高
いインピーダンス値を有しゼロ相電流を効果的に抑制す
る。このようにリアクトル5を介して接続する結果,A
群とB群の直流コンデンサの電圧は同じになるので,A
群とB群インバータを同じにしなくてはならない。設計
の自由度は少なくなるが,下記のように使いやすいとい
う利点がある。後で述べるように,波形改善のためにA
群インバータとB群インバータの変調のキャリア位相を
180度シフトする方法を使うが,その結果A群インバ
ータとB群インバータの基本波出力電圧波形に少しの位
相差が生じ,系統から直流コンデンサに取り込まれる有
効電力に差が生じて2つのコンデンサの直流電圧が一致
しなくなることがある。その問題に対してこの回路で
は,2つの直流電圧制御系を使わなくても自然に解決さ
れるのである。
インバータは運転せずに出力側に系統を先に接続し,逆
充電する方法を使うことが多いが,その時にA群インバ
ータとB群インバータの直流コンデンサの電圧配分を制
御するものが無いため,直流電圧が不平衡になる問題が
あるが,それはこのゼロ相リアクトルにより解決する。
なお,コンデンサ間を接続するのは上述した結合形のゼ
ロ相リアクトルでなくても正側と負側の両方に通常の直
流リアクトルを設けてもほぼ同じ効果を得ることができ
る。ここに流れる直流電流は不平衡分のごくわずかの電
流であるので,インダクタンスの高い通常のリアクトル
を設け,ゼロ相電流成分を充分少なくすることは容易で
ある。
ない図1で示した多重インバータ装置を無効電力制御装
置に使用した場合の制御回路の例をこの発明の実施例3
として以下図5に基づいて説明する。この制御装置は,
図示を省略した電力系統に接続され,上位のコントロー
ラである電流指令回路(118)のd軸指令id*,q軸
指令iq*に基づき,電力系統へ無効電力を注入すること
により系統の安定度向上を行なうシステムである。電流
指令の作り方は本発明の主題ではないので,ここでは触
れない。インバータの出力はPLL(104)により系
統と同期するように制御された発振器(100)とカウ
ンタ(101)を基準として制御される。カウンタは1
2ビット程度のカウンタである。正弦波と余弦波の発生
回路(103)はカウント数に応じてリードオンリーメ
モリに記録したsinとcosの波形を読み,カウンタ
の一巡で一周期のsin,cos波を得る。このsi
n,cos信号を用いて出力電流は座標変換回路(10
9)により,3相からdq軸座標に変換されid,iqと
してd軸電流制御回路(114)とq軸電流制御回路
(113)にフィードバックされる。
軸指令id*,q軸指令iq*およびフィードバック信号i
d,iqに基づきインバータの発生すべきd軸電圧とq軸
電圧の指令Ed*,Eq*を出力する。図においてd軸とq
軸の電流制御のブロック図が実線でなく点線で分離され
ているのは,両者の間に非干渉化制御のやり取りがある
こと,及び信号Ed*,Eq*は両者から出た指令をまとめ
たものであるからである。
徴であるd軸電圧配分回路(108)とq軸電圧配分回
路(107)に与えられる。例えば,A群インバータは
3レベルインバータで直流電圧が4,000V,B群インバー
タは2レベルインバータで直流電圧は2,000Vであるとす
れば,出力電圧指令は EdA*:EdB*=2:−1, EqA*:EqB*=2:−1 に配分する。ここでB群側出力を逆極性にすることによ
って出力は3になる。他の例として,A群インバータが
スイッチング周波数の低いGTOインバータで,B群イ
ンバータがスイッチング周波数の高いIGBTインバー
タであるシステムを設計する場合は,電圧配分回路に電
圧指令の低周波数成分と高周波数成分を分離するフィル
タを設け,低周波数成分をA群インバータに,高周波数
成分をB群インバータに配分する。
率を向上するための16%の第3調波sin3ωtをカ
ウンタに応じて発生し,PWM回路(111−A1)か
ら(111−Bn)に加える。これはA群用を+sin
3ωtとすれば,B群用は−ksin3ωtとなる。k
はB群インバータの出力電圧のA群インバータに対する
比で,1≧kである。
加えて電圧利用率を向上させる考え方は公知であるの
で,その詳しい説明はここでは省略するが,概略以下の
通りである。即ち,PWM制御において,電圧指令に1
6%の第3調波成分を加えることによってその合成電圧
指令の波高値が低減する。従って,制御上の線形関係を
保つため,この合成電圧指令の波高値は三角キャリア波
の波高値を超えない範囲に留める必要があるが,その範
囲内で電圧指令の基本波成分を16%高くできることに
なり,その分インバータの利用率が向上する訳である。
勿論のことであるが,前述した通り,この電圧指令に加
えた第3調波成分は,変圧器の1次巻線間に供給される
インバータの出力電圧には現れない。
ンサを持つだけで,電源を持たないので,インバータの
損失に相当するだけの有効電力を系統から取り込む必要
がある。損失が増えると直流電圧が低下する関係にある
ので,直流電圧制御回路(115−A)と(115−
B)により,図示を省略した直流コンデンサCA(2−
A)とCB(2−B)の電圧を制御する。コンデンサCA
(2−A)とCB(2−B)の電圧を電圧検出器(11
7−A)と(117−B)で帰還し,直流電圧のEdA基
準(116−A)とEdB基準(116−B)に基づき,
直流電圧制御回路はA群とB群インバータの損失電力に
対応する微少なq軸電圧成分を発生する。その信号は加
算器(206)と(207)でdq軸電流制御のq軸電
圧指令と加算され,dq/3相座標変換回路(10
5),(106)に与えられる。
された電圧指令は各単位インバータのPWM変調回路
(111−A1)から(111−Bn)に与えられる。
これらの変調回路はU,V,W各相に設けられた図6
(a)に例示するような変調回路である。三角波キャリ
アはカウンタ(101)の信号からキャリア回路(10
2)で作られ,インバータの出力の整数倍の周波数で同
期したものである。この例ではインバータ(1−A
1),(1−A2),………,(1−An)のキャリア
をKA1,KA2,………,KAnとして,それ等を図6
(b)に示すように相互に180度÷nの位相差にして
いる。(図の例はn=3で位相差は60゜) そして,インバータ(1−B1),(1−B2),……
…,(1−Bn)のキャリアKB1,KB2,………,KBn
は,対応するA群インバータのキャリアに対して180
度の位相関係としている。このようにすることにより等
価的なスイッチング周波数が向上し,高調波の少ない良
好な波形と制御性能が得られる。
は,A群とB群インバータの電圧分担をdq軸の電圧配
分回路で決めると云うシンプルな構成である。しかも前
向きのフィードフォワード制御であるので,制御遅れの
問題がなく,高性能を発揮できると云う特徴がある。
ータ装置を無効電力制御装置に使用した場合の制御回路
の例をこの発明の実施例4として以下の図7に基づいて
説明する。図5と同じ名称と記号のブロックは同じ機能
であるので,説明は省略する。この例では直流コンデン
サCA(2−A)とCB(2−B)をゼロ相リアクトル5
で並列接続しているので,直流電圧の制御系が1つしか
要らず単純になる点が図5の実施例と大きく異なる。直
流電圧はインバータの有効電流即ちd軸電流で決まるの
で,d軸電流制御(114)に与える指令値id*を操作
して直流電圧の制御を行っている。
ンバータの直流回路がゼロ相リアクトルで繋っているの
で,直流に近い低い周波数成分のゼロ相電流がA群とB
群の間で循環し,変圧器の直流偏磁をもたらす。その原
因はGTO素子特性や変調回路のばらつきで,不規則に
変化する低い周波数成分が少し発生し,ゼロ相電流が循
環する。それを抑制するために,各単位インバータの出
力電流を直流まで検出できる電流センサ(112−x)
で3相全て計測し,その直流電流成分を検出器(110
−x)で求める。この直流成分が発生する原因はA群と
B群の各相出力電圧の正負非対称にあるから,検出され
た直流成分をA群変調回路(111−Ax)とB群の変
調回路(111−Bx)に差動的に与えている。
置に使用する新規な変圧器の構造を,この発明の実施例
5として図8により説明する。この例はA群インバー
タ,B群インバータとも3台のシステムに適用する変圧
器であるが,nが3以上でも同じように拡張できる。変
圧器には,U1,U2,U3相の脚,(316),(32
6),(336),U相1次巻線PU1(310),P
U2(320),PU3(330),U相2次巻線SU
1(311),SU2(321),SU3(331)お
よびV1,V2,V3相の脚(317),(327),
(337)およびV相1次巻線PV1(312),PV
2(322),PV3(332),およびV相2次巻線
SV1(313),SV2(323),SV3(33
3)およびW1,W2,W3相の脚(318),(32
8),(338)およびW相1次巻線PW1(31
4),PW2(324),PW3(334),およびW
相2次巻線SW1(315),SW2(325),SW
3(335)を有する。図の各巻線の・印は,巻始めを
示す極性記号である。この変圧器と組み合わせるインバ
ータは,図1または図4において,n=3とした回路で
ある。ここでは仮に図1の主回路と図5の制御回路を組
み合わせたものであるとする。3台のA群インバータの
出力は,上記1次巻線の巻始めに接続され,3台のB群
インバータの出力は,上記1次巻線の巻終わりに接続さ
れる。
れは3相ブリッジインバータであるので,出力の線間電
圧には第3次高調波電圧を含まない。従ってA群とB群
インバータの出力の間に直列に接続された上記の1次巻
線電圧にも第3次高調波は含まれないので,図8の変圧
器は3脚でよいのである。これは,従来の無効電力制御
装置では特殊構造の単相変圧器が3台使われているのに
比し,経済性と寸法の点で有利となる本発明の利点であ
る。なお,本発明には図8のような特殊変圧器ではな
く,通常の3相3脚変圧器をn台,あるいは単相変圧器
を3n台使うこともできるし,従来の文献にあるような
n台の単相変圧器を1つにまとめた特殊変圧器を3台使
うこともできることは云うまでもない。
出力周波数60Hzに対してキャリア周波数300Hz
で運転すれば,3台のA群インバータはキャリア波の位
相が300Hzベースの電気角で,0゜,60゜,12
0゜と異なるが,電圧指令は同じである。同様に3台の
B群インバータもキャリア波の位相が180゜,240
゜,300゜と異なるが,電圧指令は同じである。従っ
て,3組のインバータの1次巻線印加電圧は基本波は同
じで,キャリアの位相差により,高調波が異なるのみで
ある。従って,例えば,U相の磁束が図8の下から上に
通っている場合,その基本波成分は,脚(336)→
(326)→(316)→(340)と来る。次にV1
相の脚(317)とW1相の(318)に別れる。これ
で分かるように,U相磁束の基本波成分は脚(350)
と(360)を通ることはないのである。巻線PU1,
PU2,PU3の高調波電圧は異なるので,脚(31
6),(326),(336)の高調波磁束は異なる。
これ等の高調波磁束の差の成分が脚(350)と(36
0)を通ることにより,磁束の連続性が成り立つ。上記
から明かなように,本発明の変圧器では,高調波磁束の
みが通る脚(350)と(360)の断面積は脚(34
0)や(370)の数分の1でよい。このように本発明
では,図8に示すように,3相3脚の特殊構造変圧器に
まとめて一体化し,小形化,経済化を実現できるのであ
る。
は,GTOインバータによる電力系統用の無効電力ある
いは高調波制御装置が代表的なものであるが,それ以外
にも,直流コンデンサCAおよびCBのいずれかまたは双
方に直流電源を並列に接続することにより,無効電力に
加えて有効電力の制御用の用途にも応用することができ
る。
とB群インバータを各n台組み合わせた多重インバータ
装置としたが,ここでn=1としてもよい。即ち,図1
の回路を例に示せば,1台の第一のインバータ(1−A
1)と1台の第二のインバータ(1−B1)を使用し,図
の回路に結線して変圧器(3−1)の2次巻線から3相
交流出力を取り出すこともでき,既述したこの発明と同
等の効果を奏する。
る多重インバータ装置は,相互に電気的に絶縁された第
一および第二の直流コンデンサ,それぞれ上記第一およ
び第二の直流コンデンサからの直流電圧を3相交流電圧
に変換する第一および第二のインバータ,およびこれら
各インバータと接続されるオープンデルタ結線の1次巻
線と交流回路に接続される2次巻線とからなる変圧器を
備え,各相の上記1次巻線のそれぞれ一端には上記第一
のインバータの各相出力端を,他端には上記第二のイン
バータの各相出力端を接続するようにしたので,第一お
よび第二のインバータの出力端に接続された変圧器の1
次巻線の電圧には第3次高調波成分が含まれず,変圧器
を経済的な3相3脚鉄心で構成することができる。従っ
て,多重化すべき単位3相インバータ1台当たりに必要
となる変圧器の巻線数が半減し,巻線の単位容量が増大
するので経済性が高まる。
は,第一の直流コンデンサの電圧に対して第二の直流コ
ンデンサの電圧を低く設定したので,出力電流定格さえ
同じであれば,直流電圧が異なるインバータの多重化が
可能となる。
は,第一のインバータを3相3レベルインバータとし,
第二のインバータを3相2レベルインバータとしたの
で,定格構成が更に異なるインバータの多重化が可能と
なる。同一定格のスイッチング素子を用いた3レベルイ
ンバータは,2レベルインバータの2倍の電圧が得られ
るので,両者を組み合わせることにより,2レベルイン
バータの3倍の容量が得られる。
は,互いの正端子同士と負端子同士とがリアクトルを介
して接続された第一および第二の直流コンデンサ,それ
ぞれ上記第一および第二の直流コンデンサからの直流電
圧を3相交流電圧に変換する第一および第二のインバー
タ,およびこれら各インバータと接続されるオープンデ
ルタ結線の1次巻線と交流回路に接続される2次巻線と
からなる変圧器を備え,各相の上記1次巻線のそれぞれ
一端には上記第一のインバータの各相出力端を,他端に
は上記第二のインバータの各相出力端を接続するように
したので,両直流コンデンサ間で電力が融通され両者の
直流電圧は常に同一になりこの直流電圧の制御回路構成
が簡便となる。また,両直流コンデンサ間を接続するこ
とで1次巻線電圧にゼロ相分が印加されようとするが上
記リアクトルにより抑制される。
は,請求項4のリアクトルを所定の結合形としたので,
ゼロ相分が効果的に抑制される。
は,更に第一または第二のインバータの各相出力電流の
直流成分を検出し,この検出値に基づき上記第一および
第二のインバータを差動的に変調制御することにより,
上記直流成分を抑制するようにしたので,上記リアクト
ルでは有効に抑制し得ない極く低次のゼロ相電流によっ
て生じ得る変圧器の直流偏磁の現象が防止される。
においては,第一および第二のインバータをn組で構成
するとともに変圧器の1次および2次巻線をn組で構成
し,それぞれ上記各n台の第一のインバータの各入力側
は共通にして第一の直流コンデンサに,上記各n台の第
二のインバータの各入力側は共通にして第二の直流コン
デンサに接続し,各組毎に各相の上記1次巻線のそれぞ
れ一端には同組の上記第一のインバータの各相出力端
を,他端には同一組の上記第二のインバータの各相出力
端を接続するとともに,上記各n個の2次巻線を相互に
接続して3相結線としたので,請求項1で示す効果を確
保し,しかも直流コンデンサは2台のままで,インバー
タの多重化を更に2n台にまで拡大することができる。
は,各インバータの変調方式として出力周波数の1周期
の間に複数回のスイッチングを行う高周波PWMを用
い,かつすべてのインバータのスイッチングを決めるキ
ャリア波の周波数を同一とし,更にn台の第一のインバ
ータのキャリア波に互いに180/n度の位相差をもた
せ,同一組における第一および第二のインバータのキャ
リア波に互いに180度の位相差をもたせたので,高調
波成分の抑制された良質の3相交流出力が得られる。
は,各インバータの変調方式として出力周波数の1周期
の間に複数回のスイッチングを行う高周波PWMを用
い,かつ第一のインバータのスイッチング周波数に対し
て第二のインバータのスイッチング周波数を高く設定し
たので,低周波インバータと高周波インバータの多重化
が可能となる。
置は,各インバータの出力電圧および電流の制御を同期
回転座標系のd軸およびq軸上で行い,その制御回路の
発生するd軸電圧指令およびq軸電圧指令をそれぞれ第
一のインバータ用と第二のインバータ用とに分配し,そ
れぞれ第一のインバータおよび第二のインバータの変調
回路に与えるようにしたので,多重化対象の両インバー
タの制御出力を自由に設定することが可能となる。
置は,第一のインバータに与える電圧指令のベクトルと
第二のインバータに与える電圧指令のベクトルとがその
d軸成分,q軸成分のいずれかまたは双方共異なるよう
に電圧指令を配分するようにしたので,両インバータの
電圧分担をより自由に設定することができる。
置は,変圧器の鉄心としてn組分の3相3脚鉄心をその
互いに隣接するヨーク部分を共用することにより一体で
構成したものを用い,各組各相の脚に各組各相の1次お
よび2次巻線を巻回するようにしたので,インバータ出
力の多重化に必要となる変圧器が小形,安価で低騒音と
なる。
置は,第一および第二の直流コンデンサのいずれかまた
は双方に直流電源を並列に接続するようにしたので,無
効電力に加え有効電力の制御も可能となる。
の主回路を示す図である。
圧EAとEBの空間電圧ベクトルの関係図である。
3相電源として表現された二つのインバータと負荷の関
係を示す図である。
の主回路を示す図である。
の制御回路を示す図である。
理図であり,図(b)は複数の単位インバータに与える
三角波キャリアの位相関係を示す図である。
の制御回路を示す図である。
相変圧器の構造原理図である。
して従来から使われている代表的な回路の第一の例を示
す図で,図(b)はそれを構成する単位インバータのブ
ロック図の内部構成を示す回路図である。
バータとして従来から使われている代表的な回路の第二
の例を示す図である。
れるGTOによる2レベルインバータと3レベルインバ
ータおよびIGBTによる2レベルインバータの回路図
である。
タ) 1−B1〜1−Bn B群インバータ(第二のインバー
タ) 1−1〜1−8 従来例の無効電力制御装置に使われる
インバータの8台の単位インバータ 1−20,1−21 従来例の無効電力制御装置などに
使われる3相ブリッジの単位インバータ 2 直流コンデンサ 2−A A群用直流コンデンサ(第一の直流コンデン
サ)CA 2−B B群用直流コンデンサ(第二の直流コンデン
サ)CB 3−1〜3−n オープンデルタ1次巻線の変圧器 3−20,3−21 従来例の無効電力制御装置に使わ
れる3相変圧器 5 ゼロ相リアクトル 100 パルス発振器 101 カウンタ 102 キャリア波回路 103 正弦波と余弦波の発生回路 104 カウンタを系統電圧に同期させる phase locke
d loop 制御回路 105,106 dq軸から3相への座標変換回路 107 q軸電圧指令をA群とB群インバータに配分す
る回路 108 d軸電圧指令をA群とB群インバータに配分す
る回路 109 3相からdq軸への座標変換回路 110−1〜110−n インバータの出力電流の直流
成分をU,V,W相ごとに検出し,偏磁防止のための補
正信号を変調回路へ送る回路 111−A1〜111−Bn PWM変調回路 112−1〜112−n インバータの各相の出力電流
を検出するホール素子などを用いた直流成分も測定でき
る電流検出回路 113 q軸電流の制御回路 114 d軸電流の制御回路 115,115−A,115−B 直流電圧制御回路 116,116−A,116−B 直流電圧の基準 117,117−A,117−B 直流コンデンサ電圧
の帰還回路 118 無効電力制御装置に電流指令を与える上位のコ
ントローラ 119 電圧利用率向上のための第3調波発生回路 200〜208 制御信号の加減算回路
Claims (13)
- 【請求項1】 相互に電気的に絶縁された第一および第
二の直流コンデンサ,それぞれ上記第一および第二の直
流コンデンサからの直流電圧を3相交流電圧に変換する
第一および第二のインバータ,およびこれら各インバー
タと接続されるオープンデルタ結線の1次巻線と交流回
路に接続される2次巻線とからなる変圧器を備え,各相
の上記1次巻線のそれぞれ一端には上記第一のインバー
タの各相出力端を,他端には上記第二のインバータの各
相出力端を接続するようにした多重インバータ装置。 - 【請求項2】 第一の直流コンデンサの電圧に対して第
二の直流コンデンサの電圧を低く設定したことを特徴と
する請求項1記載の多重インバータ装置。 - 【請求項3】 第一のインバータを3相3レベルインバ
ータとし,第二のインバータを3相2レベルインバータ
としたことを特徴とする請求項2記載の多重インバータ
装置。 - 【請求項4】 互いの正端子同士と負端子同士とがリア
クトルを介して接続された第一および第二の直流コンデ
ンサ,それぞれ上記第一および第二の直流コンデンサか
らの直流電圧を3相交流電圧に変換する第一および第二
のインバータ,およびこれら各インバータと接続される
オープンデルタ結線の1次巻線と交流回路に接続される
2次巻線とからなる変圧器を備え,各相の上記1次巻線
のそれぞれ一端には上記第一のインバータの各相出力端
を,他端には上記第二のインバータの各相出力端を接続
するようにした多重インバータ装置。 - 【請求項5】 第一および第二の直流コンデンサ間に接
続される両リアクトルを,その両巻線が共通の磁路に巻
回される結合形とすることにより,上記両巻線に流れる
同一位相の交流電流成分に対して高インピーダンス値を
有するリアクトルとしたことを特徴とする請求項4記載
の多重インバータ装置。 - 【請求項6】 第一または第二のインバータの各相出力
電流の直流成分を検出し,この検出値に基づき上記第一
および第二のインバータを差動的に変調制御することに
より,上記直流成分を抑制するようにしたことを特徴と
する請求項4または5記載の多重インバータ装置。 - 【請求項7】 第一および第二のインバータをn(nは
2またはそれ以上の正の整数)組で構成するとともに変
圧器の1次および2次巻線をn組で構成し,それぞれ上
記各n台の第一のインバータの各入力側は共通にして第
一の直流コンデンサに,上記各n台の第二のインバータ
の各入力側は共通にして第二の直流コンデンサに接続
し,各組毎に各相の上記1次巻線のそれぞれ一端には同
一組の上記第一のインバータの各相出力端を,他端には
同一組の上記第二のインバータの各相出力端を接続する
とともに,上記各n個の2次巻線を相互に接続して3相
結線としたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
かに記載の多重インバータ装置。 - 【請求項8】 各インバータの変調方式として出力周波
数の1周期の間に複数回のスイッチングを行う高周波P
WMを用い,かつすべてのインバータのスイッチングを
決めるキャリア波の周波数を同一とし,更にn台の第一
のインバータのキャリア波に互いに180/n度の位相
差をもたせ,同一組における第一および第二のインバー
タのキャリア波に互いに180度の位相差をもたせたこ
とを特徴とする請求項7記載の多重インバータ装置。 - 【請求項9】 各インバータの変調方式として出力周波
数の1周期の間に複数回のスイッチングを行う高周波P
WMを用い,かつ第一のインバータのスイッチング周波
数に対して第二のインバータのスイッチング周波数を高
く設定したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
かに記載の多重インバータ装置。 - 【請求項10】 各インバータの出力電圧および電流の
制御を同期回転座標系のd軸およびq軸上で行い,その
制御回路の発生するd軸電圧指令およびq軸電圧指令を
それぞれ第一のインバータ用と第二のインバータ用とに
分配し,それぞれ第一のインバータおよび第二のインバ
ータの変調回路に与えるようにしたことを特徴とする請
求項1ないし9のいずれかに記載の多重インバータ装
置。 - 【請求項11】 第一のインバータに与える電圧指令の
ベクトルと第二のインバータに与える電圧指令のベクト
ルとがそのd軸成分,q軸成分のいずれかまたは双方共
異なるように電圧指令を配分するようにしたことを特徴
とする請求項10記載の多重インバータ装置。 - 【請求項12】 変圧器の鉄心としてn組分の3相3脚
鉄心をその互いに隣接するヨーク部分を共用することに
より一体で構成したものを用い,各組各相の脚に各組各
相の1次および2次巻線を巻回するようにしたことを特
徴とする請求項7記載の多重インバータ装置。 - 【請求項13】 第一および第二の直流コンデンサのい
ずれかまたは双方に直流電源を並列に接続することによ
り,無効電力に加え有効電力の制御を可能としたことを
特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の多重
インバータ装置。
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